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JP4567304B2 - 無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き成形方法 - Google Patents
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JP4567304B2 - 無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機用のベルトの構成部品であるエレメントを帯状のブランク材から打抜き成形する方法に関する。
図1を参照して、無段変速機用ベルトのエレメント1は、ベルト内周側のボデー部2と、ボデー部2にネック部3を介して連設されるベルト外周側のヘッド部4とを備える。そして、多数のエレメント1を環状に積層し、ボデー部2とヘッド部4との間に形成されるネック部3の両側の溝部5,5に不図示の無端リングを装着して、これらエレメント1を結束することにより無段変速機用ベルトが組み立てられる。
エレメント1のボデー部2の片面には、無段変速機のプーリにおけるエレメント1の円弧運動を許容するために、ベルト内周側に向かって板厚が減少するように傾斜部6が形成され、また、ヘッド部4には、半抜き加工で片面の突起7と反対面の凹孔8とが形成され、突起7が隣接するエレメントのヘッド部の凹孔に嵌合して、エレメント同士が整列するようにしている。
エレメントは、打抜き成形装置を用いて、下面側に畝状に盛り上がる厚肉部を有する帯状のブランク材から打抜き成形される(例えば、特許文献1参照。)。打抜き成形装置は、下型と昇降動する上型とを備え、下型に、エレメントのボデー部の傾斜部になる部分がブランク材の下面の厚肉部の側部の傾斜段差部に合致するような位置関係で、エレメントに合致する形状の打抜き穴を所定の配列で複数形成したダイと、これら打抜き穴に挿通され、付勢手段で上方に付勢される複数のカウンタパンチとを配置し、上型に、これら打抜き穴に対向する複数の打抜きパンチを垂設している。
そして、ブランク材を打抜き成形装置に間歇送りし、ブランク材の送り停止時に、上型の下降により、ブランク部材を各打抜きパンチと各カウンタパンチとの間に挟持し、この状態で各打抜きパンチを各打抜き穴に押し込んで複数のエレメントを打抜くようにしている。
従来は、ブランク材として1条の厚肉部を有するものを用いている。そして、図9に示す如く、ブランク材Bの厚肉部Baの幅方向一側の半部と他側の半部とからエレメント1が打抜かれるように、ダイに、図中斜線を付した部分に合致するように2個の打抜き孔を形成し、1回のショットでエレメント1を2個取りできるようにしている。
特開2001−246428号公報
生産性を向上させるには、1回のショットで打抜くエレメントの個数を多くすることが望まれる。例えば、上記従来例と同様に1条の厚肉部を有するブランク材を用いる場合でも、図10に示すように、1ショットでエレメント1を6個取りすることが可能である。この場合、ダイに、図中斜線を付した部分に合致するように、厚肉部の一側と他側の各半部に3個宛、計6個の打抜き孔を形成する。
然し、このものでは、ブランク材Bの送り方向始端の打抜き孔から終端の打抜き孔までの距離が長くなり、カウンタパンチの付勢手段に関連して以下の不具合を生ずる。即ち、付勢手段は、一般的に下型の下方に設置され、付勢手段の設置スペース上に位置する下型の部分は浮き支持された状態になる。そして、付勢手段は、各打抜き孔に挿通するカウンタパンチを上方に付勢するものであるため、始端の打抜き孔から終端の打抜き孔までの範囲に亘って設置されることになる。従って、始端の打抜き孔から終端の打抜き孔までの距離が長くなると、付勢手段の設置スペースの送り方向長さも長くなり、下型の支持剛性が低下して、ダイの撓みを生じ易くなり、エレメントの打抜き成形精度が悪化する。
本発明は、以上の点に鑑み、1回のショットで打抜かれるエレメントの個数を多くして、且つ、エレメントの打抜き成形精度も確保できるようにした無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き成形方法を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、無段変速機用のベルトの構成部品である、ベルト内周側のボデー部と、ボデー部にネック部を介して連設されるベルト外周側のヘッド部と、ボデー部の片面にベルト内周側に向かって板厚が減少するように形成された傾斜部とを有するエレメントを、下面側に畝状に盛り上がる厚肉部を有する帯状のブランク材から打抜き成形する方法であって、下型に、エレメントのボデー部の傾斜部になる部分がブランク材の下面の厚肉部の側部の傾斜段差部に合致するような位置関係で、エレメントに合致する形状の打抜き穴を所定の配列で複数形成したダイと、これら打抜き穴に挿通され、付勢手段で上方に付勢される複数のカウンタパンチとを配置し、昇降動する上型に、これら打抜き穴に対向する複数の打抜きパンチを垂設して成る打抜き成形装置を用い、ブランク材を打抜き成形装置に間歇送りし、ブランク材の送り停止時に、上型の下降により、ブランク材を各打抜きパンチと各カウンタパンチとの間に挟持し、この状態で各打抜きパンチを各打抜き穴に押し込んで複数のエレメントを打抜くようにしたものにおいて、ブランク材として幅方向両側に傾斜段差部を有する厚肉部を幅方向に間隔を存して少なくとも3条形成し、幅方向片側にのみ傾斜段差部を有する厚肉部を0又は1条形成したものを用い、幅方向両側に傾斜段差部を有する厚肉部については、1条の厚肉部の幅方向一側の半部と他側の半部とからエレメントが打抜かれるように、ダイに形成する打抜き穴を2個、幅方向片側にのみ傾斜段差部を有する厚肉部についてはダイに形成する打抜き穴を1個とし、これら打抜き穴をブランク材の送り方向に所定距離の間隔を存して配置すると共に、これら打抜き穴の内、幅方向に関して個の打抜き穴が中間に存するように離れた各一対の打抜き穴の組を少なくとも2組選定して、これら各組の一対の打抜き穴をブランク材の送り方向に関して同一位置に配置することを特徴とする。
尚、幅方向片側にのみ傾斜段差部を有する厚肉部は、ブランク材の外縁に達するように形成された比較的幅狭の厚肉部であって、ブランク材の外縁側とは反対の内寄りの側部にのみ傾斜段差部が形成されたものを意味する。
上記の構成によれば、1回のショットで幅方向両側の傾斜段差部を有する各厚肉部から各2個(片側にのみ傾斜段差部を有する厚肉部からは1個)のエレメントが打抜かれ、厚肉部が複数条形成されていることから、エレメントの多数個取りが可能となる。
ところで、ダイの強度を確保し、また、打抜き孔の周囲のブランク材の押え面積を確保する上で、打抜き孔間の距離は厚肉部の並設ピッチの2倍程度にすることが望ましい。ここで、上記の如く複数条の厚肉部を形成したブランク材を用いる場合、幅方向に関して3個の打抜き穴が中間に存するように離れた各一対の打抜き穴の組については、打抜き穴間の幅方向の間隔が厚肉部の並設ピッチの2倍程度になる。従って、各組の一対の打抜き穴をブランク材の送り方向に関して同一位置に配置しても、打抜き穴間の距離を確保できる。
そして、本発明では、幅方向に厚肉部の並設ピッチの2倍程度離れた打抜き穴の組を少なくとも2組選定でき、これら各組の一対の打抜き穴をブランク材の送り方向に関して同一位置に配置することより、送り方向始端の打抜き孔から終端の打抜き孔までの長さを短縮して、カウンタパンチの付勢手段の設置スペースの送り方向長さも短縮できる。その結果、付勢手段の設置スペース上に位置する、浮き支持される下型の部分の長さも短くなり、下型の支持剛性の低下によるダイの撓みを防止できる。かくして、1回のショットで多数のエレメントを打抜くことができると共に、エレメントの打抜き成形精度も確保でき、生産性が大幅に向上する。
図2は、図1に示す無段変速機用ベルトのエレメント1を帯状のブランク材Bから打抜く打抜き成形装置100を示している。
ここで、ブランク材Bとしては、図6(b)に示す如く、打抜き成形装置100への供給時に下向きになる面を下面(図6(b)で右側の面)として、下面側に畝状に盛り上がる厚肉部を幅方向に間隔を存して3条形成して成るものを用いる。即ち、ブランク材Bには、その幅方向一方の外縁側の第1の厚肉部B1aと、中間の第2の厚肉部B2aと、幅方向他方の外縁側の第3の厚肉部B3aとが形成されている。ブランク材Bの下面のこれら各厚肉部B1a,B2a,B3aの両側の側部には、隣接する薄肉部に向けて肉厚が漸減するように傾斜段差部B1b,B2b,B3bが形成されている。
先に説明したように、エレメント1のボデー部2の片面には傾斜部6が形成される。そして、傾斜部6になる部分がブランク材Bの厚肉部の側部の傾斜段差部に合致するような位置関係でブランク部材Bを打抜くと、傾斜部6をうまく形成できる。ブランク材Bに、上記の如く両側部に傾斜段差部B1b,B2b,B3bを有する3条の厚肉部B1a,B2a,B3aを形成すれば、図6(a)に示すように、各厚肉部B1a,B2a,B3aの幅方向一側の半部と他側の半部とからエレメント1を打抜くことができる。そこで、本実施形態の打抜き成形装置100は、1回のショットで各厚肉部B1a,B2a,B3aから各2個、計6個のエレメント1を打抜くようにしている。
打抜き成形装置100は、下型101と、昇降動する上型102(図4参照)とを備えるプレス装置で構成されている。下型101は、ボルスタ103と、ボルスタ103上に基盤104を介して載置したダイとを備えている。ダイは、図3に示すように、ピアス加工用の前段のダイ105と、エレメント打抜き用の中間のダイ106と、エレメント切離し用の後段のダイ107とで構成されている。
そして、前段のダイ105上で、上型に垂設した一対のピアスパンチ(図示せず)によりブランク材Bに送り基準となる一対のピアスBcを形成し、中間のダイ106上で、後記詳述するようにブランク材Bからエレメント1を輪郭の一部が切り残されるように打抜き、後段のダイ107上で、上型102に垂設したカッター(図示せず)によりエレメント1の切残し部2aを切断してエレメント1をブランク材Bから切り離すようにしている。
エレメント打抜き用のダイ106には、ブランク材Bの各厚肉部B1a,B2a,B3aについて各2個、計6個の打抜き穴108が設けられている。即ち、図6(a)で斜線を付した部分に合致する、第1厚肉部B1aの外寄りの半部に対応するNo1の打抜き穴108と、第1厚肉部B1aの内寄りの半部に対応するNo2の打抜き穴108と、第2厚肉部B2aの第1厚肉部B1a寄りの半部に対応するNo3の打抜き穴108と、第2厚肉部B2aの第3厚肉部B3a寄りの半部に対応するNo4の打抜き穴108と、第3厚肉部B3aの内寄りの半部に対応するNo5の打抜き穴108と、第3厚肉部B3aの外寄りの半部に対応するNo6の打抜き穴108とが設けられている。各打抜き穴108は、エレメント1に合致する形状に形成され、エレメント1のボデー部2の傾斜部6になる部分がブランク材Bの各厚肉部B1a,B2a,B3aの傾斜段差部B1b,B2b,B3bに合致するような位置関係でダイ106に配置される。
ここで、ダイ106の強度を確保し、また、打抜き穴108の周囲のブランク材Bの押え面積を確保する上で、打抜き孔108,108間の距離はあまり狭めることはできない。そのため、打抜き穴108をブランク材Bの送り方向に充分な間隔を存して配置する必要がある。但し、幅方向に厚肉部の並設ピッチの2倍程度離れる、No1の打抜き穴108とNo5の打抜き穴108とから成る組、及び、No2の打抜き穴108とNo6の打抜き穴108とから成る組については、各組の一対の打抜き穴をブランク送り方向に関して同一位置に配置しても、一対の打抜き穴間に充分な間隔を確保できる。そこで、本実施形態では、ブランク送り方向から見て一番手前に、No3の打抜き穴108を配置し、そこからブランク送り方向に所定距離だけ離して、No1とNo5の一対の打抜き穴108,108を並設し、そこからブランク送り方向に所定距離だけ離して、No2とNo6の一対の打抜き穴108,108を並設し、そこからブランク送り方向に所定距離だけ離して、No4の打抜き穴108を配置している。これにより、ブランク送り方向始端のNo3の打抜き穴108から終端のNo4の打抜き穴108までの距離が長大化することを回避できる。
尚、ダイ106の打抜き穴108の設置部には、ダイインサート109を装着し、ダイインサート109に打抜き穴108を形成して、打抜き穴108の磨耗を生じたときに、ダイインサート109の交換で対処できるようにしている。
また、各打抜き穴108にはカウンタパンチ110が挿通されている。カウンタパンチ110は、ボルスタ103の下方に配置した付勢手段たる皿ばねユニット111で上方に付勢される昇降プレート112に立設されている。昇降プレート112は、ボルスタ103の上面に凹設したストローク規制室113に収納されており、規制室113の上壁面となる基盤104の下面への昇降プレート112の当接でカウンタパンチ110の上昇端位置が規制され、規制室113の下壁面への昇降プレート112の当接でカウンタパンチ110の下降端位置が規制される。
尚、本実施形態では、皿ばねユニット111と昇降プレート112とを前後2組に分け、前側の昇降プレート112に、送り方向手前側に配置したNo3とNo1とNo5の3個の打抜き穴108に挿通する3個のカウンタパンチ110を立設し、後側の昇降プレート112に、送り方向後側に配置したNo2とNo6とNo4の3個の打抜き穴108に挿通する3個のカウンタパンチ110を立設している。また、昇降プレート112の上面には、カウンタパンチ110を直立状態に嵌合保持する、昇降プレート112より若干小さな支持プレート112aが載置されている。そして、基盤104の下面に、支持プレート112aを受け入れる、ストローク規制室113より若干小さなガイド室113aを凹設し、基盤104の下面のガイド室113aの開口縁部に昇降プレート112が当接することで、カウンタパンチ110の上昇端位置が規制されるようにしている。
カウンタパンチ110の上端には、図4に示す如く、エレメント1のボデー部2の傾斜部6に対応する斜状の成形部110aと、ヘッド部4の突起7に対応する突起成形穴110bとが形成されている。また、カウンタパンチ110には、突起成形穴110bの底部に連通するオイル抜き用のドレン孔110cが形成されている。
上型102は、図4に示す如く、不図示の付勢手段で下方に付勢されるパッド114を備え、更に、ダイ106の各打抜き穴108に対向する計6個の打抜きパンチ115がパッド114を貫通するようにして上型102に垂設されている。また、各打抜きパンチ115には、エレメント1のヘッド部4の突起7と凹孔8とを形成するための小パンチ116が付設されている。
尚、打抜き穴108と打抜きパンチ115とは、上型102の下降でエレメント1が打抜かれたときに、エレメント1のボデー部2のベルト内周側の輪郭の一部が切残されるように形成されており、この切残し部2aが後段のダイ107上で切断されるまで、エレメント1は切残し部2aを介してブランク材Bに連結されたまま送られる。また、下型101には、ブランク材Bの外縁を受ける送りガイド117が上方に付勢支持されている。
エレメント1の打抜きに際しては、先ず、図4(a)に示す如く、上型102を上昇させた状態でブランク材Bを所定ピッチ間歇送りし、次に上型102を下降させる。これによれば、図4(b)に示す如く、パッド114によりブランク材Bが送りガイド117と共に押し下げられ、ダイ106の上面にブランク材Bが押さえ付けられる。上型102はパッド114の付勢手段を圧縮しつつ更に下降し、これにより打抜きパンチ115とカウンタパンチ110との間にブランク材Bが挟持され、この状態で、図4(c)に示す如く、打抜きパンチ115が打抜き穴108に押し込まれ、エレメント1が打抜かれる。同時に、皿ばねユニット111によりカウンタパンチ110に付与される上方への付勢力(カウンタ荷重)により、エレメント1が打抜きパンチ115とカウンタパンチ110との間で鍛圧され、ブランク材Bの傾斜段差部がエレメント1のボデー部2の傾斜部6に合致する形状に成形されると共に、小パンチ116によりエレメント1のヘッド部4が、突起となる部分をカウンタパンチ110の突起成形穴110bに押出すようにして半抜き加工され、突起7と凹孔8とが形成される。
尚、カウンタパンチ110が上昇端位置に存する状態でカウンタパンチ110に付与される上方への付勢力(初期カウンタ荷重)が小さいと、エレメント1になる部分の不均一な材料伸びを生じて、エレメント1の打抜き成形精度が悪くなる。この場合、皿ばねユニット111のばね定数を大きくし、所要の初期カウンタ荷重を得られるようにすることも考えられるが、これでは、カウンタパンチ110の下降端位置でカウンタパンチ110に付与される上方への付勢力(最終カウンタ荷重)が過大になり、戻り衝撃が問題になる。そこで、本実施形態では、皿ばねユニット111として、ばね定数が比較的小さく、自由長が比較的長いものを用い、カウンタパンチ110の上昇端位置での皿ばねユニット111の圧縮代を比較的大きく取ることで、所要の初期カウンタ荷重を得られるようにしている。これによれば、最終カウンタ荷重が初期カウンタ荷重に比し左程大きくならず、エレメント1の打抜き成形精度を確保して、且つ、戻り衝撃も軽減できる。
ところで、本実施形態では、上記の如くNo1とNo5の一対の打抜き穴108,108と、No2とNo6の一対の打抜き穴108,108を夫々ブランク送り方向に関して同一位置に配置して、送り方向始端のNo3の打抜き穴108と終端のNo4の打抜き穴108との間の距離を短くしている。そのため、打抜き穴108の配置範囲とほぼ同範囲に配置されるカウンタパンチ110用の付勢手段たる皿ばねユニット111の配置範囲のブランク送り方向長さも短くなる。ここで、皿ばねユニット111の配置範囲では、ボルスタ103が床面に対し浮いた状態になり、また、基盤104も昇降プレート112用の規制室113を形成する関係でボルスタ103から浮いた状態になる。従って、皿ばねユニット111の配置範囲のブランク送り方向の長さが長くなると、ダイ106の支持剛性が低下し、打抜き時にダイ106の撓みを生じ易くなって、エレメント1の打抜き成形精度が悪化する。然し、本実施形態では、皿ばねユニット111の配置範囲のブランク送り方向長さが短くなるため、かかる不具合は生じない。
尚、送り方向始端の打抜き穴108と終端の打抜き穴108との間の距離が短くなるとはいっても、1回のショットでエレメントを2個取りするような場合に比較すると、送り方向始端の打抜き穴108と終端の打抜き穴108との間の距離は長くなる。ここで、ブランク材Bの摺動性低下によるエレメント1の打抜き成形精度の悪化を防止するため、ブランク材Bの上下両面に打抜き成形装置100の入口側で潤滑油を塗布している。然し、このままでは、ブランク材Bが送り方向終端側の打抜き穴108に到達するまでに、ブランク材Bの下面に塗布した潤滑油が垂れ落ちてしまい、終端側の打抜き穴108で打抜かれるエレメント1の打抜き成形精度が潤滑油切れにより悪化してしまう。
そこで、本実施形態では、ダイ106の上面に、図3および図5に示す如く、各打抜き穴108に対しブランク材Bの送り方向手前側に位置させて、潤滑油の溜り部となるオイルポケット118を凹設している。オイルポケット118は、各打抜き穴108の手前側にブランク材Bの1回の送りピッチに等しい間隔で複数設けられている。尚、ダイ106の上面の各打抜き穴108のブランク送り方向後方部分には、打抜かれたエレメント1に対する逃げ溝119が凹設されている。
これによれば、ブランク材Bに塗布された潤滑油がブランク材Bから垂れ落ちても、この潤滑油はオイルポケット118に溜る。そして、ブランク材Bの間歇送りに続く上型102の下降でブランク材Bがダイ106の上面に押し下げられる度に、オイルポケット118に溜まった潤滑油がブランク材Bの下面に塗布される。従って、ブランク材Bは終端側の打抜き穴108までその手前側のオイルポケット118で潤滑油を塗布されつつ送られ、潤滑油切れによるエレメント1の打抜き成形精度の悪化といた不具合は生じない。
尚、上記の如くオイルポケット118を設け、ブランク材Bに十分に潤滑油を塗布した状態で打抜き穴108での打抜きが行われるようにすると、以下の不具合を生ずる可能性がある。即ち、打抜き穴108に挿設したカウンタパンチ110の突起成形穴110bにヘッド部4の半抜き加工で突起7になる部分が押し込められたとき、潤滑油が圧力媒体となって突起成形穴110bの内面に圧力が掛る。従って、突起成形穴110bが底の閉じられた袋穴状に形成されていると、突起成形穴110bの穴底コーナー部に応力集中による亀裂が発生する可能性がある。本実施形態では、カウンタパンチ110に、突起成形穴110bに連通するオイル抜き用のドレン孔110cが形成されているため、潤滑油が圧力媒体となって突起成形穴110bの内面に圧力が掛ることを防止でき、上記の不具合は生じない。
以上、ブランク材Bとして、両側部に傾斜段差部B1b,B2b,B3bを有する3条の厚肉部B1a,B2a,B3aを形成したものを用いた実施形態について説明したが、図7に示す如く、図6のブランク材Bの第3厚肉部B3aの外側に、両側部に傾斜段差部B4bを有する第4の厚肉部B4aを追加したブランク材Bを用い、1回のショットでエレメント1を8個取りすることも可能である。この場合、ブランク材Bの送り方向に関して、第4厚肉部B4aの内寄りの半部に対応するNo7の打抜き穴108をNo3の打抜き穴108と同一位置に配置すると共に、第4厚肉部B4aの外寄りの半部に対応するNo8の打抜き穴108をNo4の打抜き穴108と同一位置に配置することにより、打抜き穴108の配置範囲の送り方向長さを上記実施形態と同一にできる。
また、第4厚肉部B4aを、図8に示すように、内寄りの側部にのみ傾斜段差部B4bを有する幅狭の厚肉部とし、第4厚肉部B4aに対応するNo7の打抜き穴108をブランク材Bの送り方向に関してNo3の打抜き穴108と同一位置に配置し、1回のショットでエレメント1を7個取りすることも可能である
尚、上記実施形態では、カウンタパンチ110の付勢手段として皿ばねユニット111を用いているが、他の付勢手段、例えば油圧式の付勢手段でカウンタパンチ110を上方に付勢することも可能である。但し、油圧式の付勢手段を使用した場合は、油圧制御の応答遅れに起因して打抜きの高速化を図ることが困難になるため、高速化を図るには上記実施形態のように皿ばねユニット111を用いることが望ましい。
(a)エレメントの正面図、(b)エレメントの断面図 本発明で使用する打抜き成形装置の下型の側面図。 下型の平面図。 打抜き工程を示す打抜き成形装置の要部の断面図。 図3のV−V線で切断したダイの切断面図。 (a)第1実施形態のブランク材と打抜き穴との位置関係を示す図、(b)ブランク材の断面図。 (a)第2実施形態のブランク材と打抜き穴との位置関係を示す図、(b)ブランク材の断面図。 (a)第3実施形態のブランク材と打抜き穴との位置関係を示す図、(b)ブランク材の断面図。 (a)従来のブランク材と打抜き穴との位置関係を示す図、(b)ブランク材の断面図。 従来のブランク材を用いてエレメントを6個取りする場合のブランク材と打抜き穴との位置関係を示す図。
符号の説明
1…エレメント、2…ボデー部、3…ネック部、4…ヘッド部、6…傾斜部、100…打抜き成形装置、101…下型、102…上型、106…ダイ、108…打抜き穴、110…カウンタパンチ、111…皿ばねユニット(付勢手段)、115…打抜きパンチ、B…ブランク材、B1a−B4a…厚肉部、B1b−B4b…傾斜段差部

Claims (1)

  1. 無段変速機用のベルトの構成部品である、ベルト内周側のボデー部と、ボデー部にネック部を介して連設されるベルト外周側のヘッド部と、ボデー部の片面にベルト内周側に向かって板厚が減少するように形成された傾斜部とを有するエレメントを、下面側に畝状に盛り上がる厚肉部を有する帯状のブランク材から打抜き成形する方法であって、
    下型に、エレメントのボデー部の傾斜部になる部分がブランク材の下面の厚肉部の側部の傾斜段差部に合致するような位置関係で、エレメントに合致する形状の打抜き穴を所定の配列で複数形成したダイと、これら打抜き穴に挿通され、付勢手段で上方に付勢される複数のカウンタパンチとを配置し、昇降動する上型に、これら打抜き穴に対向する複数の打抜きパンチを垂設して成る打抜き成形装置を用い、
    ブランク材を打抜き成形装置に間歇送りし、ブランク材の送り停止時に、上型の下降により、ブランク材を各打抜きパンチと各カウンタパンチとの間に挟持し、この状態で各打抜きパンチを各打抜き穴に押し込んで複数のエレメントを打抜くようにしたものにおいて、
    ブランク材として幅方向両側に傾斜段差部を有する厚肉部を幅方向に間隔を存して少なくとも3条形成し、幅方向片側にのみ傾斜段差部を有する厚肉部を0又は1条形成したものを用い、
    幅方向両側に傾斜段差部を有する厚肉部については、1条の厚肉部の幅方向一側の半部と他側の半部とからエレメントが打抜かれるように、ダイに形成する打抜き穴を2個、幅方向片側にのみ傾斜段差部を有する厚肉部についてはダイに形成する打抜き穴を1個とし、
    これら打抜き穴をブランク材の送り方向に所定距離の間隔を存して配置すると共に、これら打抜き穴の内、幅方向に関して個の打抜き穴が中間に存するように離れた各一対の打抜き穴の組を少なくとも2組選定して、これら各組の一対の打抜き穴をブランク材の送り方向に関して同一位置に配置することを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き成形方法。
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