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JP4567882B2 - リポソームの製造方法 - Google Patents
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JP4567882B2 - リポソームの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、リポソームの製造方法、それによって得られるリポソーム及びそれらの特に医薬品用途における使用に関する。
リポソームの使用は、医薬品及び化粧品分野を含む種々の分野で周知であり、薬物及び皮膚に塗布するのに好適な他の試薬のキャリヤとして使用される。
【0002】
リポソームの調製のために種々の方法が知られている。例えば、リポソームは脱水/再水和法によって調製することができ、クロロホルム、ジクロロメタン又はメタノール若しくはエタノールのようなアルコールのような有機溶媒中に脂質を溶解する。そして、例えばロータリーエバポレータを用いてその溶液を乾燥し、エバポレータ容器の壁に脂質の被膜を形成する。水又は緩衝液のような水溶液を乾燥被膜に加え、多重膜リポソームを生成する。これは、種々の方法によるベシクル製造の第1工程をなす。次の処理で脱水/再水和ベシクル又はDRVsが導かれる(Kirby及びGregoriadis,Biotechnology(1984) 2,979-984)。代わりに、次処理で脂質懸濁液の超音波処理によって、例えば単層リポソームを生成する(A.D.Banghamら,J.Mol.Biol,13,238(1965))。
【0003】
技術的によく文書で証明されている他の方法としては、清浄剤除去(Y.Kagawaら,J.Biol.chem.(1971 246,5477)、可逆相エバポレーション(F.Szoka及びD.Papahadjopoulous,Proc.Natl.Acad.Sci,USA(1978) 75,4194)及びエーテル注入(D.Deamerら,Biochem.Biophys.Acta,(1976) 433,629)並びに凍結乾燥法(例えばOhsawaら,Chem.Pharm.Bull,(1984) 32,2442-5及び前出のKirby及びGregoriadis(1984)参照)及び凍結溶解法(D.D.Lasic「リポソーム:物理学から応用へ」,Elsevier,1993,p98)が挙げられる。
【0004】
異なる調製法は、異なるサイズ及び他の特性のリポソームを導く。リポソームを用いて、ワクチンを含む医薬品のような生物活性物質、及び人工日焼け調製品や他の美容助剤のような皮膚に作用する物質のような医薬品でない薬剤を封入することができる。封入法は、封入される試薬の性質及び生成されるリポソームのサイズと特性に非常に左右される。
リポソームのサイズは、その用途の見地から重要である。ある場合には、大きいリポソームが必要であり、例えば、WO 95/09619に記載されているようなワクチン用に、細菌のような微生物を含む粒子が封入される。
しかし、多くの用途では小さいリポソームが好ましい。これは、小さいリポソームは、大きいリポソーム(200nm以上のサイズ)に比し、細網内皮系(RES)によってゆっくりかつ低程度に除去されるからである。RESによる摂取は、ベシクルのサイズと共に増加する。さらに、筋肉内に注入される大きいリポソームは、局所的なリンパ節に効率よく到達できず、かつワクチンや他の薬剤をこれら部位に送達できない(Gregoriadis G. 薬物キャリヤとしてのリポソーム:最近の傾向及び発展、Wiley Chichester 1988)。
【0005】
種々の薬物のリポソーム製剤は、薬物含量、安定性、体内分布パターン及び細胞摂取の見地から、相転移温度、サイズ、サイズ分布、表面電荷、親水性の基を担持する化合物との表面水和及びサイズ分布のようなリポソームの物理化学的パラメータを変えることによって最適化することができる。
リポソームのサイズは、RESによって一掃されるフラクションを決定するパラメータである(Seniorら、Biochem.,Biophys,Acta(1985) 839,1-8;Nagayasuら、Biol.Phram.Bull.(1995) 18(7),1020-1023)。小さいリポソームは、高圧ホモジナイザーを用いて調製できるが(Talsmaら,Drug Development and Industrial Pharmacy(1989) 15(2) 197-207、Vemuri Sら,Drug Development and Industrial Pharmacy(1990) 16(15) 2243-2256)、脂質の質量比に対して許容可能な取込み薬物を達成するために多量の脂質が使用される。他のアプローチでは(Gregoriadisら,Int.J.Pharm. 65(1990) 235-242)、未封入薬物の存在下で多重膜の脱水−再水和ベシクル(DRVs)のミクロ流動化によって、本来取込まれる溶質の量を保持しながら、200nm未満のサイズを有するベシクルを製造した。
リポソームの調製後に糖を添加することのベシクル安定化効果は、例えば、リポソーム含有薬物が貯蔵のために凍結乾燥され、使用時に再水和される場合に実証されている(Crowe L.M.ら、Arch.Biochem.Biophys. 242(1987) 240-247、Hauserら、Biochem.Biophys.Acta(1987) 897,331-334)。
【0006】
本出願人らは、調製工程数を減らし、かつ高い取込み効率を有する安定なリポソームを形成するリポソーム特に小さいリポソームを製造する改良された調製方法を見いだした。
本発明によって、試薬のリポソーム調製品を製造する方法であって、以下の工程を有する方法が提供される。
(i)空のリポソームを形成する工程;
(ii)工程(i)によるリポソームを、糖溶液及び前記試薬と混合する工程;
(iii)工程(ii)による混合物を乾燥する工程。
工程(iii)による乾燥混合物を再水和すると、該試薬を封入するリポソームが形成される。糖を含まない調製品のリポソームと比較した場合、工程(i)で得られるリポソームに比べてこのように得られるリポソームのサイズの増加はずっと少ない。従って、上で概要を述べたようなさらなる抽出、ミクロ流動化又は均一化工程の必要性を回避できる。
【0007】
適切な濃度の糖の存在下で乾燥すると、非晶質ガラスの形成(Croweら、Arch.Biochem.Biophys。 242(1985) 240-247)及び糖のリン脂質頭部との相互作用(Croweら、Cryobiology 31(1994) 355-366)によって、リポソームの融解及び凝集がある程度まで妨げられることは実証されている。初期の研究では、脱水/再水和ベシクル(DRV's)は、安定剤として糖を使用せずに、コントロールされた再水和によって達成される小さい単層ベシクルの融解/凝集の誘発に基づいた手順を行っていた(Kirby Gregoriadis,1984)。この基本に基づき、適量の糖の存在による小さい単層ベシクルの全体的な安定化は、元のSUV'sへの再形成によって非常に低い取込みを導くと予測することができた。
予想外に、これはそうでないことがわかった。すべてのリポソームについて、試薬の取込み度は、ある程度まで系の脂質:試薬の比によって決まり、本発明の方法で得られるリポソーム内に封入される試薬の量は良いと予想される。
【0008】
さらに、薬物送達システムとしてのそれらの適用においては、リポソームの物理的及び化学的安定性が必要である。水性分散状態のリポソームは、貯蔵の際に、加水分解又は封入薬物の漏出、凝集又は融解によるベシクルサイズの変化を含む物理的変化を受けやすい。本発明の方法で製造されるリポソームの物理的及び化学的安定性は良いと予想される。
このように、本方法によって、小さい高装填ベシクル又はリポソームを得る可能性が生じ、上に概要を述べたように、医薬品組成物の製造に特に有用である。従って、本方法を用いて多くのタイプの封入物質を調製できる。
【0009】
しかし、本方法は、医薬品用途の小さいリポソームの製造に特に好適である。この場合、本方法で使用される試薬は、医薬品又は薬物のような生物活性物質を含む。この目的のため、工程(i)で得られるリポソームは、例えば25nm〜90nmの範囲、好ましくは50nm〜90nm、好都合には70nm〜90nmの範囲の平均サイズの小さい単層ベシクルが好適である。本発明の方法から最終的に得られるリポソームは、まだ小さく、500nm未満、通常は100〜200nmの平均サイズを有するだろう。
工程(i)で用いるリポソームは、空のリポソームであり、従来のいずれの方法によっても得られ、例えば上述したような古典的な方法で得られる。所望の目的には大きすぎる平均サイズを有して生成されたいずれのリポソームも、技術的に公知の例えば超音波処理、均質化、抽出又はミクロ流動化法によって小さくすることができる。
【0010】
リポソームの製造に用いる脂質は、技術的に周知である。例えば、ホスファチジルコリン(PC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)のようなレシチン又は荷電脂質、詳細にはホスファチジン酸のようなアニオン脂質又はステアリルアミンのようなカチオン脂質が挙げられ、任意にコレステロールが存在する。さらに好ましい脂質は、DSPCである。脂質の選択は、ある程度活性薬剤の性質及びリポソームの意図する目的によって決まる。
工程(ii)で用いる好適な糖としては、グルコース及びフルクトースのような単糖類、ラクトース又はスクロースのような二糖類、及び多糖類の水溶液が挙げられる。本発明の方法で使用するのに特に好適な糖は、スクロース又はラクトースのような二糖類又はグルコースのような単糖類である。特に、糖はスクロースである。
【0011】
工程(ii)で用いる糖の好適な量は、糖の脂質に対する質量比が、1:1〜6:1w/w、好適には1:1〜5:1w/wの範囲であるような量である。存在する糖の量が多いほど、工程(i)で得られるリポソームのサイズに比べて次の再水和で得られるリポソームのサイズの増加が少ないことがわかった。しかし、おそらく試薬の取込み度が低下する。従って、使用する比率の適切な選択は、必要な最終用途に基づき、ある脂質含量に対する取込み度及びリポソームのサイズで決定されるバランスによって決まる。これがもたらすリポソーム形成における相異は、後述するように利用する特定の試薬によってある程度変化する。好適には、存在する糖の量は、組成物の10%w/v未満である。
さらに、このプロセスで使用する糖溶液の濃度を下げることによって糖溶液の体積を増やすと、取込みを促進することができる。好適な糖溶液の濃度は、20〜200mM、好ましくは30〜150mMである。
【0012】
さらに、次の再水和を、高温、例えば30〜80℃、詳しくは40〜65℃、特に約60℃で行うと、取込み値を高めるうることがわかった。これは、通常室温で形成されるPC及びSHOLを有するリポソームに有効であることがわかった。このように高温で用いる場合、最初のリポソームと比べていくらかサイズが増加しうるので、いずれの場合においても、リポソームの製造に用いる特定条件の選択においては、このことを考慮すべきである。
取込みに影響することがわかった他の因子としては、封入される薬物のような試薬の特性、特にその溶解性、及び存在する試薬の量が挙げられる。試薬の溶解性は、工程(ii)で溶解し、そしてリポソーム中に取込まれうる量を制限する場合もある。取込まれる試薬の量に影響する他の因子としては、試薬とリポソームを形成する脂質との相互作用、及びリポソームの該試薬に対する浸透性がある。
【0013】
工程(ii)の反応で用いる溶液中に高濃度の試薬が存在する場合、取込みの割合は減少しうる。従って、経済的理由のため、使用する試薬の量を減らすことが有利だろう。
糖:脂質の質量比、脂質の選択、使用する糖溶液の濃度、溶液に含まれる試薬の量及び再水和の温度を含め、リポソームに所望のサイズ及び装填を与える条件の選択は、いずれの特定試薬についても日常的な方法で決定することができる。上記乾燥工程(iii)は、従来の方法、例えば凍結乾燥、噴霧乾燥、フラッシュ結晶化、空気流乾燥(例えば流動床上で)、減圧乾燥、オーブン乾燥又は技術的に公知のいずれかの他の方法によって行うことができる。これら2段階の生成物の機械的性質は異なるが、個別かつ時には流動性粉末である噴霧乾燥法と、固体ケークを生成する凍結乾燥法の生成物は、それらの安定性及び/又は取込みの見地から、再水和に基づくリポソームの性質は概して同様である。
【0014】
医薬品組成物の製造を含む多くの用途では、さらなる加工のために生成物の機械的性質の安定性の結果として噴霧乾燥が好ましい。
凍結乾燥の生成物は、相対的に機械的性質が劣る多孔性ケークのブロックを含む。より良い性質を達成するためにケークのジェットミルの使用は効果的であるが、この付加的な工程には、破損が起こりうる。
噴霧乾燥は、吸入によって送達可能な、又は水中で再形成されて非経口的経路によって投与可能な優れた機械的性質を有する乾燥品を達成できる。
【0015】
次の再水和工程は、製造プロセスの際行うことができ、又は代わりにその組成物を乾燥状態で供給して所期の使用場所で、例えば、患者に封入医薬品を投与する病院又は薬局で再水和してもよい。
得られるリポソームは安定性に優れ、その結果製品の有効期限が長い。このことは、例えば化粧品、トイレタリー及び医薬品にとって重要である。
上述したように、本方法は、試薬の高装填を伴う比較的小さいリポソームの調製に特に好適である。これは、高分子又はタンパク質薬物、DNAワクチン、遺伝子治療ベクター又は化学薬品のような医薬品用途に特に望ましい。好適な化学薬品としては、オキシテトラクリン、ペニシリンGのようなペニシリン、アンピシリン若しくはアモキシシリンのようなβ−ラクタム抗生物質、又はセファロスポリン、抗癌剤、ホルモン、免疫治療薬、抗ウイルス薬、抗炎症化合物等のような抗生物質が挙げられる。
【0016】
上述の方法によって得られるリポソーム生成物は、例えば、製薬的に許容されるキャリヤ又は賦形剤と混ぜて医薬品組成物として製剤することができる。その製剤は、経口、非経口、特に静脈内、又は局所投与、例えば皮膚若しくは粘膜表面用に好適である。本発明の特に有用な組成物は、エアロゾル又は吸入器による適用に好適な組成物である。この目的のため、DSPCとコレステロールの混合物から生成されるもののような高相転移中性脂質ベースリポソームが好適であることがわかった。本発明で製造する場合、乾燥前の抽出は必要ない。
【0017】
ここで、添付の図面を参照しながら実施例によって詳細に本発明を説明する。
以下の実施例では、卵ホスファチジルコリン(PC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)及びジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)は、Lipoid GmbH,Ludwigshafen,Germanyから、コレステロール、カルボキシフルオレッセイン(CF)、フルオレッセインイソチオシアネート標識アルブミン(FITC−アルブミン)、リボフラビン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トリトンX-100、スクロース、グルコース及びナトリウムドデシルスルフェート(SDS)はSigma Londonから購入した。表皮成長因子(EGF)は、ハバナ生物科学センター、キューバからの好意による。Na125I、C14−標識ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、14C標識ペニシリンは、Amersham International(Amersham,UK)から購入した。125IによるEGFの標識化は、クロラミンT法に従って行った。すべての他の試薬は、分析グレードのものであった。
【0018】
実施例1
凍結乾燥法
溶質含有DRVリポソームは、以下のように調製した。
種々の脂質混合物、特に1:1のモ比のPC:CHOL及びDPPC:CHOLの混合物をクロロホルムに溶解した。37℃でロータリーエバポレータ中溶媒をエバポレーション後、丸底球状フラスコの壁に被膜が形成された。その脂質被膜を、脂質転移温度を超える温度で(>Tc)(室温の場合もある)、2回蒸留した水で分散させることによって、多重膜ベシクル(MLV)を生成した。懸濁液を十分に超音波処理して、小さい単層ベシクル(SUV)を得、遠心分離にかけて金属粒子を除去した。
そして、SUV懸濁液をバイアルに移し、所望量の選択された薬物(FITC−アルブミン(1mg)、CF(1mg)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(2mg)又はEGF(150μg)のどれか)の溶液を0.0357Mスクロースと共に加え、かつ水を加えて所望モル濃度のスクロースを得た。
【0019】
そして、その調製品を凍結してから、十分な時間(最終体積に従って)凍結乾燥した。乾燥ケークを、100μlの蒸留水を添加することによって、Tc(例えば60℃)を超える温度にコントロールされた再水和に15分間供した。その調製品をPBS中に希釈して超遠心分離によってリポソームからの遊離薬物を分離させる比重を得た。
再水和後のリポソームサイズは、25mwヘリウム/ネオンレーザーを備えたAutosizer 2C-Malvern(Malvern Instruments UK)を使用して光子相関スペクトル法によって決定した。平均径及びサイズ分布を得た。
Z平均径、多分散指数の累積分布及び差次分布は、スクロースモル濃度の関数として、又はDRVsがそのサイズに従って押し出されたところで記録した。大きいサイズ(6ミクロンまで)を示す調製品のためには、Mastersizer(Malvern)を使用した。
【0020】
薬物の取込み値は、40,000xgでのリポソームの超遠心分離後に測定した。封入された物質の量は、使用した全体のCF、FITC−アルブミン、EGF又はヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの百分率として計算した。
カルボキシフルオレッセイン及びFITC−アルブミンの総量及び封入量は、蛍光測光法によって、CFについてはλ発光=486nm及びλ励起=514nmで、またトリトン若しくはSDS(5%最終濃度)で溶解されたペレットからのFITC−アルブミンについてはλ発光=495nm及びλ励起=520nmで測定した。標識されたヒドロキシ−β−シクロデキストリンからの炭素14の発光は、βシンチレーションカウンター中での放射能検定によって測定した。
【0021】
結果は、以下の表1に示されている。
【表1】
Figure 0004567882
【0022】
その結果は、スクロースによる適度な安定化のもと、ある程度の融解(図1)を許容する再形成が、かなり高い割合の取込みを導くことができることを示している。
40mMのスクロースが存在しても存在しなくても、同様の割合のFITC−アルブミンの封入が(それぞれ87%及び84%)達成されたが、最終サイズは、スクロースを使用した調製品でずっと小さかった。
FITC−アルブミン含有リポソームの種々の調製品でスクロースのモル濃度を変化させることによって(表1)、リポソームの種々のサイズ分布が得られたが(表2)、取込み値はモル濃度の増加に伴って減少した。
【0023】
EGF及びCFの封入は、種々のモル濃度のスクロースの存在下で達成された。取込み値パーセントは、同量の脂質を用いたがスクロースが存在しない状態で行った他の調製品で得られたものと同様であった(表1参照)。この場合、スクロースのモル濃度は、取込み値パーセンテージに影響しなかったが、サイズ及びサイズ分布に影響した(図3)。
スクロースの存在下又は不在下で生成したDRVリポソームのZ平均径が表1に示されている。結果は、より小さいベシクルサイズは、スクロースを狭いサイズ分布に対応する高いモル濃度で使用した場合に達成され、それで取込み値パーセンテージを調節することを示している。取込みパーセンテージの値は、サイズ及びサイズ分布の幅に比例している。
【0024】
2つの異なるモル濃度のスクロースについて、異なる幅を与えた2集団のベシクルのほぼ同一の平均径を測定することができる(図3)。
35.70mM及び126mMのスクロースで調製されたEGF取込みリポソームについて、再水和後のその2つの平均径は、それぞれ144.8±32nm及び146.4±1.3nmであった。
サイズ分布を見ると、それは126mMスクロース調製品でより狭いことがわかる。リポソームのサイズを小さくし、かつ高いモル濃度(36mM以上)のスクロースを使用することによってサイズ分布を狭くすると、低い取込み値は導かれない。2つの異なる濃度のスクロース(35.7mM及び135mM)を使用して、135mMスクロースで調製されるリポソームよりも狭いサイズ分布(PDI=0.13)を有する同量のCF(ほぼ30%)を取込んだリポソームが調製できた。
【0025】
実施例2
本発明のリポソームと押出型リポソームとの比較
本発明の方法を、ベシクルサイズの減少をも導く押出の方法と比較するために、を押出機を用いて、スクロースを使用せずに調製されるDRVリポソームを処理した。実施例1記載のように調製されたリポソームを、押出プロセスによって得られたリポソームと比較した。
スクロースなしで調製されたDRVリポソームを、高圧フィルターホルダーを用いる押出に供した。取込まれない溶質の除去の前に、孔径が1.2μm.、0.4μm.、0.2μm.及び0.1μm.のポリカーボネート膜にリポソームを通した。各押出工程で、同一膜に5回通した。
そして、押し出されたベシクルから遊離溶質を超遠心分離によって分離した。そのペレットを1mlのPBS(PH=7.4)に懸濁させた。
それから、実施例1記載のようにリポソームのサイズを測定した。そのサイズ分布を、実施例1記載のように得られた同様のリポソームのサイズ分布と比較した。その結果は、図4及び5に示されている。押出型リポソームは、より狭い分布のベシクルサイズを示すことがわかった。
【0026】
その比較のリポソーム内の物質の取込みを、押出前後に測定した。その結果は表2に示されている。
【表2】
Figure 0004567882
【0027】
平均径及び取込み値は、表2に示されている。それらは、押出型リポソームについては、低い取込み値と狭いサイズ分布(PDI≦0.1)が得られることを示している。低い取込み値が、小さいサイズのリポソームを調製するために付加的工程(押出)を必要とすることと相まって、この方法の実際の適用をかなり減少させている。
図5は、CFを取込んでいる(6%取込み)押出型リポソームと、封入された30%のCFを有する135mMスクロース存在下で凍結乾燥されたリポソームとの重なったサイズ分布を示している。
押出によって得られたベシクルサイズの狭い分布は、対応する取込み値パーセンテージが劣るので、最重要なことではない。
【0028】
実施例3
本発明のリポソームのサイズ分布
高い相転移温度を有するリン脂質を使用すると、この技術をサイズ分布幅について改善することができる。これは、EGFを取込んでいる等モルのDPPC:CHOLリポソームを実施例1に記載のように35.71mMスクロースの存在下で製剤した場合に達成される。EGF取込み値は、25%であった。しかし、リポソームは、対応するPC:CHOL調製品よりも狭いサイズ分布(Z平均=128nm)を示した。その結果は、図6に示されている。従って、この場合、高い相転移温度を有する脂質を選択することは、狭いサイズ分布を有するリポソームを達成するために好ましいと考えられる。
【0029】
実施例4
リボフラビンの小さいリポソーム中への高収率取込み
等モルのホスファチジルコリン(390μmoles)と、コレステロールを用いて超音波処理で小さい単層ベシクル(SUV)を調製した。そして、SUVをリボフラビン(12mg)と、スクロースの量を増加しながら(全脂質1mg当たり0〜5mg)混合した。その混合物を噴霧乾燥してから再水和させた。その混合物を遠心分離して調製した懸濁ペレット中で測定した。最終ベシクル調製品中のSUVのサイズを光子相関スペクトル法又はマスターサイザー中で測定した。結果は、表3に示されている。
【0030】
【表3】
Figure 0004567882
【0031】
薬物及びスクロース(1mg/1mg脂質)の存在下、小さいリポソーム(SUV)を噴霧乾燥すると、使用した薬物のほぼ半量(47.5%)を取込んだ比較的小さいリポソームが導かれるようである。存在するスクロースの量を増やすことによって、ベシクルサイズはさらに小さくなるが、取込み値が同時に減少する。
【0032】
実施例5
グルコース含有リポソーム
活性剤として1mgの溶液濃度(1ml中のトータル)を与えるような量のリボソームを使用し、時にはスクロースに代えてグルコースを使用することを除き、実施例1の手順を繰り返した。再水和に基づくリポソームサイズは、実施例1に記載のように測定した。リボフラビン封入効率は、蛍光測光法によって、発光波長=480nm及び励起波長=520nmで、全リボフラビンと封入されたリボフラビンを測定した。その結果は、表4及び5に示されている。
【0033】
【表4】
Figure 0004567882
【表5】
Figure 0004567882
【0034】
品質に関して、SUVリポソームにスクロースに代えてグルコースを添加しても同一の安定化効果が生じた。リボフラビンの取込み値は、3g/g及び5g/gのグルコース又はスクロースの糖比に対する両方の脂質で同オーダーであった(表5)。
等量のグルコースを添加して調製されたリポソームは、スクロースの存在下で調製された試料に比し、再水和によって大きいベシクルサイズを示した。
【0035】
実施例6
リポソーム形成に及ぼす再水和温度の効果
等モルのPC:CHOLリポソーム、スクロース溶液(68.7mM)及び活性剤として5mgの14Cペニシリン(Pen G)を用いて、実施例1の方法を繰り返した。しかし、この場合、再水和を種々の温度で行った。具体的には、いくつかの調製品は室温で再水和させ、他のものは60℃で15分間加熱した。
調製されたリポソームを40,000gで超遠心分離後、取込み効率を測定し、それから14Cペニシリンの放射能をペレットの上澄み中の総量の百分率として表した。その結果は、表6に示されている。
【0036】
【表6】
Figure 0004567882
【0037】
上表、及び以下の表において、「AV」は、平均リポソームサイズを示し、「SD」は、標準偏差であり、かつ「PDI」は、サイズ分布又は多分散指数を示す。
室温で再水和されたリボソームは、サイズが68nm(超音波処理SUV)から平均がたった90nmと、わずかな増加を示しただけであったが、最初に添加したペニシリンの平均6.5%の封入を許容した。高濃度のスクロースにおいてさえ、ある程度の封入を達成できた。100nmのベシクルは、14%の封入率を示す。
再水和工程の際に同様の調製品を加熱すると、ベシクルが大きくなった。平均径230nmのリポソームは、最初に添加した14Cペニシリンの24%を封入することができた(3gスクロース/g脂質の比)。糖/脂質の質量比を3から5に高めてスクロースの量を増やすと、より低い封入率を示すわずかに大きいベシクルを導いた。
【0038】
実施例7
種々のスクロース濃度における 14 Cペニシリンの封入
高モル量のスクロース溶液(68.78mM)又は希釈スクロース溶液(35mM)のどちらかを伴うことを除き、等モルのPC:CHOLリポソームと、活性剤として14Cペニシリン(5mg)を用いて、実施例6の方法を繰り返した。
その結果は表7、並びに前に表6に示した25℃における再水和の結果に示されている。
【0039】
【表7】
Figure 0004567882
【0040】
低モル濃度の糖溶液を用いて製造されたリポソームは、200nm程度の平均サイズを示し、高モル濃度の糖溶液を用いて製造されたものより大きかった。しかし、取込み値は高く、かつ多分散指数は低かった。
リポソーム調製時にスクロースのモル濃度を下げることは、再水和工程の際に高温を用いて(実施例6参照)取込みを促進することのよい代替であると考えられる。同率の封入が達成されるが、低モル濃度スクロースを使用した場合にリポソームが小さいサイズを維持する。
【0041】
実施例8
DSPCリポソームの調製
DSPC及び等モルのコレステロールを用いて実施例6の方法を繰返してリポソームを調製した。この実験では、高いスクロースモル濃度(71mM)及びペニシリン(5mg)を使用した。
その結果は、表8に示されている。
【0042】
【表8】
Figure 0004567882
【0043】
これらの結果は、スクロースの量を増やすと、14Cペニシリンの取込み値が減少し、平均径が減少することを示している。DSPC:CHOLリポソームは、高い取込み値と、PC:CHOLリポソームと比べて小さいサイズを示した。このことは、加熱によって高い安定性を与えるDSPCの高い相転移温度(Tc)に起因するかもしれない。
【0044】
実施例9
ドキソルビシンの封入
表9に示した実験条件で、リポソーム含有ドキソルビシンを調製した。
Figure 0004567882
【0045】
再水和されたリポソームのサイズは、上述の実施例に記載されたように測定した。ドキソルビシンの取込み値は、上述のように超遠心分離後に測定した。全体のドキソルビシン及び封入されたドキソルビシンは、蛍光測光法によって、発光波長490nm及び励起波長560nmで測定した。その結果は、表10に示されている。
【0046】
【表9】
Figure 0004567882
【0047】
ドキソルビシンは、小さいサイズのリポソームにうまく封入された。1gの脂質に対して5gのスクロースで調製した等モルのPC:CHOLリポソームは、116nmのサイズと、45%の封入効率を示した。脂質に対するスクロース比を高めても封入%に実質的に影響しなかった。PCをDSPCで置き換えると、高い封入率を示すリポソームが生成した。
【0048】
実施例10
スクロース濃度増加の効果
かなり高い濃度のスクロースを用いて実施例4の方法を繰り返した。使用した濃度と共にリボフラビンの取込みの数字及びリポソームサイズの結果は、表11に示されている。
【0049】
【表10】
Figure 0004567882
【0050】
これらの結果は、高いスクロース/脂質質量比で、特に10%/v過剰のスクロースにおいて取込みの数字は低いが、リポソームのサイズに及ぼす安定化効果に優れることを示している。
【0051】
実施例11
デゾキシフルクト−セロトニン ( DFS ) の封入
下表12まとめられた条件を用いてDFS含有リポソームを調製した。取込みの数字及び再水和後のサイズを含む結果も、この表に示されている。
【0052】
【表11】
Figure 0004567882
この実施例は、良いレベルの取込みと共に許容可能なサイズ安定化を達成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 超音波処理して0.0357Mスクロースの存在下で凍結乾燥、及び再水和によるジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)とコレステロール(CHOL)のリポソームのサイズ展開を示すグラフである。
【図2】 本発明の方法におけるFITC−アルブミンを取込んだPC:CHOLリポソームについてのスクロースのモル濃度が凍結乾燥及び再水和後に得られるサイズ分布(%分布:強度)に及ぼす効果を示すグラフである。
【図3】 本発明の方法における表皮成長因子(EGF)取込んだPC:CHOLリポソームについてのスクロースモル濃度が再水和後のサイズ分布に及ぼす効果を示すグラフである。
【図4】 FITC−アルブミンを取込んでいる本発明に従って製造された押出及び再水和のPC:CHOLリポソームのサイズ分布の比較を示すグラフである。
【図5】 本発明により得られたカルボキシフルオレッセイン(CF)を封入した押出及び凍結乾燥リポソームのサイズ分布を示すグラフである。
【図6】 本発明の種々のリポソーム組成物のサイズ分布を示すグラフである。

Claims (15)

  1. 試薬の組成物を調製する方法であって、以下の工程、
    (i)空のリポソームを形成する工程;
    (ii)工程(i)によるリポソームを、糖溶液及び試薬と混合する工程;
    (iii)工程(ii)による混合物を乾燥する工程
    を含み、工程(ii)で用いる糖の脂質に対する質量比が、1:1〜5:1w/wであることを特徴とする方法。
  2. さらに、工程(iii)による混合物を再水和する工程を含む請求項1に記載の方法。
  3. 工程(i)で形成されたリポソームが、小さい単層ベシクルである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ベシクルが、25〜100nmの平均サイズを有する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ベシクルの平均サイズが、70〜90nmである、請求項4に記載の方法。
  6. 工程(ii)で用いる糖溶液の濃度が、20〜200mMである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記糖溶液の濃度が、30〜150mMである、請求項に記載の方法。
  8. 工程(ii)で用いる糖が、二糖類である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記糖が、スクロースである、請求項に記載の方法。
  10. 工程(ii)で用いる糖が、単糖類である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記糖が、グルコースである、請求項10に記載の方法。
  12. 工程(iii)が、凍結乾燥によって遂行される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 工程(iii)が、噴霧乾燥によって遂行される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記試薬が、生物活性物質である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記生物活性物質が、医薬品を含む、請求項14に記載の方法。
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