JP4568465B2 - 半導体ウエハ保護用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ保護用シートに係り、特に、半導体ウエハを100μm以下の厚さまで研磨でき、半導体ウエハを研磨した後にダイボンディングフィルムを融着させても半導体ウエハが破損しない半導体ウエハ保護用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップの製造に用いられるウエハにはシリコンウエハ、ガリウム−砒素等があり、中でもシリコンウエハが多用されている。シリコンウエハは高純度の単結晶シリコンを厚さ500〜1000μm程度に薄くスライスすることにより製造されているが、近年ICカード(インテグレーテッド サーキット カード)の普及やスタックドCSP(チップ サイズ パッケージ)の多層化により、さらなる薄肉化が望まれており、厚さが350μm程度であった半導体ウエハを100μm以下まで研磨することが必要とされてきた。
【0003】
また、半導体チップを基板へ実装させる際に、半導体チップと基板を安定的に固定するための接着剤として、ダイボンディングフィルムが使用されている。ダイボンディングフィルムは、半導体ウエハに熱融着されるものであり、厚さが350μm程度の半導体ウエハでは、半導体ウエハ保護用シートを剥離させた後に融着させることができる。しかし、厚さが100μm以下の半導体ウエハにあっては、半導体ウエハ保護用シートを剥離させてしまうと半導体ウエハが自重によって破損してしまうため、半導体ウエハ保護用シートを貼り付けたままダイボンディングフィルムを融着させることが必要とされてきた。
【0004】
ここで、半導体ウエハを研磨する際に半導体ウエハを保持するための半導体ウエハ保護用シートとしては、例えば、特開2001−123139号の手段が知られている。この手段は、特定の粘着剤を軟質の支持体上に積層させたものであり、半導体ウエハの裏面へ粘着剤が移行することを防止するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この手段のような半導体ウエハ保護用シートでは、ダイボンディングフィルムを融着させる際に、半導体ウエハ保護用シートの支持体が融着熱によって軟化し、半導体ウエハが安定的に保持されなくなって破損してしまうという課題があった。
【0006】
この課題を解決するために、支持体として硬質のものを採用する手段が考えられるが、単に支持体を硬質のものに変更しただけでは、半導体ウエハを研磨する際に半導体ウエハにかかる応力を緩和することができず、研磨中に半導体ウエハが破損してしまうという新たな課題が発生した。
【0007】
したがって、本発明の目的は、半導体ウエハを100μm以下の厚さまで研磨できるとともに、半導体ウエハを研磨した後にダイボンディングフィルムを融着させても半導体ウエハが破損しない半導体ウエハ保護用シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記に鑑み鋭意検討を行った結果、単層又は複数層からなる支持体と、支持体上に積層された粘着剤層を有する半導体ウエハ保護用シートであって、支持体が、融点160〜300℃で、引張弾性率0.1〜1.5GPaである耐熱支持層を少なくとも1層有することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体ウエハ保護用シートにおける耐熱支持層の融点は、あまりに低いと、ダイボンディングフィルムを融着させる際の融着熱によって支持体が軟化し半導体ウエハが破損してしまい、あまりに高いと、支持体が硬くなってしまい半導体ウエハを研磨する際に発生する応力を緩和できなくなり半導体ウエハが破損してしまう。このため、耐熱支持層の融点にあっては、160〜300℃の範囲が良く、好ましくは、180〜300℃の範囲が良い。ここで融点とは、JIS K 7121に準じて測定して得られた値であり、示差走査熱量計による融解熱量測定で得られた融解曲線における吸熱ピークの頂点の温度をいう。
【0010】
本発明の半導体ウエハ保護用シートにおける耐熱支持層の引張弾性率は、あまりに低いと、研磨時に発生する応力によって半導体ウエハが変形して破損してしまい、あまりに高いと半導体ウエハを研磨する際に発生する応力を緩和できなくなり半導体ウエハが破損してしまう。このため、耐熱支持層の引張弾性率にあっては、0.1〜1.5GPaの範囲が良く、好ましくは、0.1〜1.0GPaの範囲が良い。ここで引張弾性率とは、JIS K 7121に準じて測定して得られた値であり、幅10mmの短冊状の試料を、雰囲気温度23℃、引張速度100%/minで引張試験をして得られた応力−ひずみ曲線から求められる初期弾性率をいう。
【0011】
本発明の半導体ウエハ保護用シートにおける耐熱支持層は、単層で使用する際は何ら問題がない。しかし、耐熱支持層と粘着剤層の間に介在層を設ける際には、介在層の総厚が75μm以下のものが良い。これは、介在層の厚さがあまりに厚いと、耐熱支持層の上記効果が得られなくなってしまうからである。なお、耐熱支持層の粘着剤層を積層させない面に積層させる層については特に限定するものではない。
【0012】
本発明の半導体ウエハ保護用シートの耐熱支持層として採用できる材料としては、融点及び引張弾性率が上記値であれば適宜選択して採用でき、具体的にはポリブチレンテレフタレート、ポリ−1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ナイロン等がある。
【0013】
本発明の半導体ウエハ保護用シートの支持体は、後述する粘着剤層が紫外線硬化型粘着剤の場合には、支持体側から照射される紫外線を粘着剤層にまで届かせる必要があるため、紫外線透過性のものでなければならない。また、支持体は、後述する粘着剤層が加熱硬化型粘着剤や加熱発泡型粘着剤の場合には、加熱時に使用される温度より高い温度の融点を有していなければならない。なお、支持体の厚さにあっては、特に限定するものではないが、一般的な半導体ウエハ保護用シートで採用されている5〜500μmの範囲から適宜選択して採用すれば良い。
【0014】
本発明の半導体ウエハ保護用シートの粘着剤層は、一般的な感圧型粘着剤、紫外線硬化型粘着剤、加熱硬化型粘着剤等を用いることができる。感圧型粘着剤としてはアクリル系、ゴム系、シリコン系等従来公知の粘着剤が用いられる。また、紫外線硬化型粘着剤としてはベースポリマ、紫外線硬化性化合物、紫外線硬化開始剤等を配合したものが採用され、加熱硬化型粘着剤としてはベースポリマ、加熱硬化性化合物、加熱硬化開始剤等を配合したものが採用される。ここで、紫外線硬化型粘着剤及び加熱硬化型粘着剤のベースポリマとしては、一般的なアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。
【0015】
なお、紫外線硬化型粘着剤の硬化を開始するためには、紫外線の照射が必要になる。また、熱硬化型粘着剤及び加熱発泡型粘着剤については剥離時に加熱が必要となる。紫外線照射及び加熱のタイミングとしては、半導体ウエハを研磨し、搬送した後に行われる。なお、粘着剤層の厚さにあっては、特に限定するものではないが、一般的な半導体ウエハ保護用シートで採用されている5〜200μmの範囲から適宜選択して採用すれば良い。
【0016】
本発明にかかる半導体ウエハ保護用シートは、必要に応じて、粘着剤層の粘着面にポリエチレンラミネート紙、剥離処理プラスチックフィルム等の剥離紙又は剥離シートを密着させて保存される。
【0017】
本発明にあっては、単層又は複数層からなる支持体と、支持体上に積層された粘着剤層を有する半導体ウエハ保護用シートであって、支持体が、融点160〜300℃で、引張弾性率0.1〜1.5GPaである耐熱支持層を少なくとも1層有することにより、半導体ウエハを100μm以下の厚さまで研磨できるとともに、半導体ウエハを研磨した後にダイボンディングフィルムを融着させても半導体ウエハが破損しない半導体ウエハ保護用シートが得られた。
【0018】
【実施例】
本発明にかかる半導体ウエハ保護用シートの実施例1を、比較例と比較しつつ、表1及び図1を用いて説明する。ここで、表1は、本実施例及び比較例の半導体ウエハ保護用シートの配合及び特性を示したものであり、図1は、本実施例及び比較例の半導体ウエハ保護用シートを模式的に示した断面図である。
【0019】
【表1】
【0020】
ここで、表1の特性値における「研磨性」は、半導体ウエハ保護用シート上に直径8インチ、厚さ700μmの半導体ウエハを貼り付けてから研磨機(株式会社ディスコ製バックグラインダーDFG−850)を用いて半導体ウエハの厚みが25μmになるまで研磨した後、目視にて半導体ウエハの状態を観察したものである。研磨性にあっては、半導体ウエハが破損していなかったものを○、破損が確認されたものを×として評価した。なお、試験のサンプル数は30とした。
【0021】
また、表1の特性値における「耐熱性」は、研磨性試験に合格したサンプルについてダイボンディングフィルムを融着させる際の条件(140℃、10秒)で熱処理した後、目視にて半導体ウエハの状態を観察したものである。耐熱性にあっては、半導体ウエハが破損していなかったものを○、破損が確認されたものを×として評価した。なお、試験のサンプル数は研磨性と同様に30とした。
【0022】
本実施例の半導体ウエハ保護用シートは、図1に示すように、単層の耐熱支持層3からなる支持体1と、支持体1上に積層された粘着剤層2を有するものである。ここで、耐熱支持層3は、融点220℃、引張弾性率0.3GPa、厚さ150μmのポリブチレンテレフタレート製である。また、粘着剤層2は、厚さ20μmの紫外線硬化型粘着剤であり、ベースポリマとしてのアクリル酸エチル−アクリル酸2−エチルヘキシルの共重合体100重量部、紫外線硬化性化合物としての6官能性ウレタンアクリレートオリゴマ120重量部、紫外線硬化開始剤としてのベンゾインイソプロピルエーテル8重量部、架橋剤としての2,4−トルイレンジイソシアナート3重量部を配合して得られたものである。なお、特に記載しない限り、以下の実施例及び比較例は本実施例と同様なものである。
【0023】
本実施例にあっては、研磨性及び耐熱性が良く、目標とする半導体ウエハ保護用シートが得られた。
【0024】
比較例1及び比較例2について説明する。比較例1は、実施例1の耐熱支持層3を融点90℃のポリエチレンに変更したものであり、比較例2は、実施例1の耐熱支持層3を融点330℃のポリテトラフルオロエチレンに変更したものである。
【0025】
比較例1にあっては耐熱性が悪く、比較例2にあっては研磨性が悪かった。
【0026】
比較例3及び比較例4について説明する。比較例3は、実施例1の耐熱支持層3を引張弾性率0.07GPaのエチレンビニルアセテートに変更したものであり、比較例4は、実施例1の耐熱支持層3を引張弾性率3.0GPaのポリエチレンテレフタレートに変更したものである。
【0027】
比較例3及び比較例4にあっては研磨性が悪かった。
【0028】
本発明における実施例2及び実施例3について、図2及び図3を参照しつつ説明する。実施例2は、図2に示すように、実施例1の耐熱支持層3と粘着剤層2の間に、厚さ70μmのポリエチレンテレフタレート層4を介在させたものであり、実施例3は、図3に示すように、実施例1における耐熱支持層3の粘着剤層2を積層していない面に、厚さ70μmのポリエチレンテレフタレート層4を積層させたものである。
【0029】
これら図2及び図3に示した実施例についても、研磨性及び耐熱性が良く、目標とする半導体ウエハ保護用シートが得られた。
【0030】
【発明の効果】
本発明にあっては、単層又は複数層からなる支持体と、支持体上に積層された粘着剤層を有する半導体ウエハ保護用シートであって、支持体が、融点160〜300℃で、引張弾性率0.1〜1.5GPaである耐熱支持層を少なくとも1層有することにより、半導体ウエハを100μm以下の厚さまで研磨できるとともに、半導体ウエハを研磨した後にダイボンディングフィルムを融着させても半導体ウエハが破損しない半導体ウエハ保護用シートが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例の半導体ウエハ保護用シートを模式的に示した断面図である。
【図2】実施例2の半導体ウエハ保護用シートを模式的に示した断面図である。
【図3】実施例3の半導体ウエハ保護用シートを模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 粘着剤層
3 耐熱支持層
Claims (3)
- 単層又は複数層からなる支持体と、該支持体上に積層された粘着剤層を有し、支持体が、融点160〜300℃で、引張弾性率0.1〜1.5GPaの耐熱支持層を少なくとも1層有する半導体ウエハ保護用シートを用い、半導体ウエハ保護用シートにウエハを貼り付けた状態で半導体ウエハを100μm以下(但し100μmを除く)に研磨することを特徴とする半導体ウエハの研磨方法。
- ポリブチレンテレフタレートを含有する耐熱支持層を用いた請求項1に記載の半導体ウエハの研磨方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の半導体ウエハ保護用シート。
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