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JP4569752B2 - 粉末状の金属酸化物粒子の製造方法 - Google Patents
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JP4569752B2 - 粉末状の金属酸化物粒子の製造方法 - Google Patents

粉末状の金属酸化物粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池用電極の製造に用いられる粉末状の金属酸化物粒子の製造方法に関する。
固体酸化物形燃料電池のセルは、電解質を燃料極及び空気極で挟み込んむようにして構成され、該電解質、該燃料極及び該空気極ともに金属酸化物又は金属で構成されており、全て固体である。
該固体酸化物形燃料電池において、電池反応は、ガス、イオン、電子のいずれもが反応可能な三相界面で起こる。そのため、電池性能を向上させるためには、該三相界面を増加させることが必要である。
そこで、従来より、電解質物質を電極物質に混合させ、更に該電極を多孔体構造にすることにより、該三相界面を、電解質と電極の接触面だけでなく、電極内部にも形成させ、該三相界面を増加させることが行われてきた。すなわち、母粒子に子粒子が固定化されており、該母粒子又は該子粒子のいずれか一方を電解質物質とし、他方を燃料極物質又は空気極物質とする粉末状の複合粒子を、電極に成形することにより、電極材料に電解質材料が混合されており、且つ多孔質構造の電極が製造されてきた。なお、本発明において、燃料極物質とは、燃料の水素及び酸化物イオンから水及び電子を生成させ且つ電子を導電する性質を持つ物質を指し、空気極物質とは、酸素及び電子から酸化物イオンを生成させ且つ電子を導電する性質を持つ物質を指し、電解質物質とは、空気極で生成する酸化物イオンを燃料極に導電させる性質を持つ物質を指す。
該複合粒子及び該複合粒子により形成される電極としては、例えば、特許文献1の特開平10−144337号公報には、酸素イオン導電性を有する酸化物(例えば、イットリア安定化ジルコニア)の表面に、電極活性を有する金属(例えば、酸化ニッケル)が固定化されている複合粒子、及び該複合粒子からなる固体電解質形燃料電池用の燃料電極が開示されている。
特開平10−144337号公報(実施例1)
更なる電池性能の向上を目的として、該複合粒子の表面積を増加させるためには、該複合粒子を形成する母粒子又は子粒子の大きさを、小さくする必要がある。ところが、該粒子の工業的な製造において、該粒子の粒子径を小さくするには限界があるので、特開平10−144337号公報に記載されている複合粒子の比表面積及び燃料電極の比表面積を、一定値以上に大きくすることは困難であった。
そこで、もし、該母粒子自体又は該子粒子自体の比表面積を大きくすることができれば、該複合粒子又は該電極の比表面積を大きくすることができる。
従って、本発明の課題は、固体酸化物形燃料電池用電極の製造用の複合粒子の製造、又は固体酸化物形燃料電池用電極の製造に用いられる粉末状の金属酸化物粒子であって、該複合粒子又は該電極の比表面積を大きくすることができる粉末状の金属酸化物粒子、すなわち、比表面積が大きい粉末状の金属酸化物粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)粉末状の原料金属酸化物凝集体、及び炭素粉末等の可燃物質の混合物に、機械的エネルギーを加えて、該原料金属酸化物凝集体の表面に、炭素粉末等をめり込ませることにより、該原料金属酸化物凝集体の表面を窪ませることができること、(2)めり込んだ該炭素粉末等は、焼成することによって焼失するので、焼失痕が窪みとなり、窪みを有する金属酸化物粒子を得ることができること、(3)該窪みを有する金属酸化物粒子を用いれば、比表面積が大きい複合粒子又は固体酸化物形燃料電池用電極を製造できること等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、粉末状の原料金属酸化物凝集体(a)、及び炭素粉末、熱可塑性樹脂粉末、熱可塑性樹脂繊維、熱硬化性樹脂粉末、熱硬化性樹脂繊維、天然繊維又は天然繊維の誘導体(b)の混合物に、機械的エネルギーを加えることにより、該原料金属酸化物凝集体(a)に該(b)が固定された粉末状の前駆体を得る前駆体製造工程、及び該粉末状の前駆体を焼成して該(b)を焼失させることにより、表面に窪みを有する粉末状の金属酸化物粒子を得る焼成工程を有することを特徴とする窪みを有する粉末状の金属酸化物粒子の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、固体酸化物形燃料電池用電極の製造用の複合粒子の製造、又は固体酸化物形燃料電池用電極の製造に用いられる粉末状の金属酸化物粒子であって、窪みを有する粉末状の金属酸化物粒子、すなわち、比表面積が大きい粉末状の金属酸化物粒子の製造方法を提供することができる。
本発明の窪みを有する粉末状の金属酸化物粒子の製造方法(以下、単に粉末状の金属酸化物粒子の製造方法とも記載する。)は、粉末状の原料金属酸化物凝集体(a)(該粉末状の原料金属酸化物凝集体とは、該粉末状の金属酸化物粒子の製造方法の原料として用いられる粉末状の金属酸化物凝集体を指す。)、炭素粉末、熱可塑性樹脂粉末、熱可塑性樹脂繊維、熱硬化性樹脂粉末、熱硬化性樹脂繊維、天然繊維又は天然繊維の誘導体(b)(以下、炭素粉末等(b)とも記載する。)の混合物に、機械的エネルギーを加えて粉末状の前駆体を得る前駆体製造工程、及び該粉末状の前駆体を焼成し、窪みを有する粉末状の金属酸化物粒子(以下、粉末状の生成物金属酸化物粒子とも記載する。)を得る焼成工程を有する。
先ず、該粉末状の金属酸化物粒子の製造方法により製造される該生成物金属酸化物粒子及びその生成機構について、図1を参照に説明する。図1は、該粉末状の金属酸化物粒子の製造方法における、生成物金属酸化物粒子の生成機構を示す模式図であり、図1中、(I)は粉末状の原料金属酸化物凝集体、及び炭素粉末の混合物10を示し、(II−a)は前駆体11の外観を示し、(II−b)は該前駆体11を任意の面で切った時の端面を示し、(III−a)は生成物金属酸化物粒子15の外観を示し、(III−b)は該生成物金属酸化物粒子15を任意の面で切った時の端面を示す。なお、(II−a)の該生成物金属酸化物粒子15中の斜線部分は、該生成物金属酸化物粒子15に形成されている窪みを表す。先ず、粉末状の原料金属酸化物凝集体及び炭素粉末の混合物10に、機械的エネルギーを加えることにより、原料金属酸化物凝集体12に、炭素粉末13が固定化された前駆体11が生成する(II−a)。この時、該炭素粉末13は、該原料金属酸化物凝集体12にめり込み、固定化されている(II−b)。次いで、該前駆体11を焼成することにより、窪み16が形成されている生成物金属酸化物粒子15が生成する(III−a)。該窪み16は、該炭素粉末13が燃焼して焼失することにより形成される(II−b及びIII−bを比較)。すなわち、該粉末状の金属酸化物粒子の製造方法では、該炭素粉末が該原料金属酸化物凝集体にめり込むことにより、該原料金属酸化物凝集体の表面が窪み、次いで、該炭素粉末が焼失することにより、焼失した該炭素粉末の痕が、該生成物金属酸化物粒子の窪みとなる。
該粉末状の原料金属酸化物凝集体について、図2を参照に説明する。図2は、原料金属酸化物凝集体を表す模式図である。図2に示すように、原料金属酸化物凝集体17は、金属酸化物(一次粒子)18が凝集した凝集体(二次粒子)である。なお、本発明において、該粉末状の原料金属酸化物凝集体の記載は、該粉末状の原料金属酸化物凝集体の個々の粒子(二次粒子)を指すことも、該粒子(二次粒子)の集合体を指すこともある(粉末状の生成物金属酸化物粒子についても同じ。)。
該粉末状の原料金属酸化物凝集体は、(1)電解質物質として用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子を製造する場合、(2)燃料極物質として用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子を製造する場合、(3)空気極物質として用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子を製造する場合、(4)電解質物質及び燃料極物質のいずれにも用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子を製造する場合、(5)電解質物質及び空気極物質のいずれにも用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子を製造する場合で異なる。
(1)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物は、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、ガリウム(Ga)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ケイ素(Si)、ガドリニウム(Gd)、ストロンチウム(Sr)、イッテルビウム(Yb)、鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物である。該(1)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物のうち、金属種が2種以上である金属酸化物としては、例えば、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ;Sc−ZrO)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ;Y−ZrO)、ランタンストロンチウムマグネシウムガレート(LSGM;La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2)等のランタンガレート、ガドリニア安定化ジルコニア(Gd−ZrO)、サマリアドープセリア(Sm−CeO)、ガドリニアドープセリア(Gd−CeO)、酸化イットリウム固溶酸化ビスマス(Y−Bi)等が挙げられ、これらの金属酸化物のうち、酸素イオン導電性が良好であり、また、動作温度においても熱的に安定な点で、スカンジア安定化ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、ランタンストロンチウムマグネシウムガレート等のランタンガレートが好ましい。なお、サマリアドープセリア、ガドリニアドープセリアは、イオン導電性及び電子伝導性の両方を有しているので、電解質物質の金属酸化物として用いることも、酸化ニッケルと混合物して、後述する燃料極物質の金属酸化物として用いることもできる。そして、(1)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体は、該(1)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物の1種又は2種以上の凝集体である。
なお、該(1)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体が、2種以上の金属種の金属酸化物により構成される場合、例えば、X、Y及びZが金属種であるとして、該(1)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体は、Xの酸化物及びYの酸化物の混合物のような複数の酸化物の混合物が凝集した凝集体、Xの酸化物とZの酸化物の固溶体(X−Z酸化物固溶体)のような複数の酸化物の固溶体が凝集した凝集体、Yの酸化物及びX−Z酸化物固溶体の混合物のような酸化物及び固溶体の混合物が凝集した凝集体のいずれでもよい(該(2)〜(5)のいずれの場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体についても同様である。)。
(2)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物は、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、シリコン、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、ニッケル及びカルシウム(Ca)から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物である。そして、該(2)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体は、該(2)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物の1種又は2種以上の凝集体であり、例えば、酸化ニッケル(NiO)とサマリアドープセリア(Sm−CeO)の混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物(NiO−YSZ)の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアの混合物(NiO−ScSZ)の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアと酸化セリア(CeO)の混合物の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアと酸化セリアの混合物の凝集体、酸化コバルト(Co)とイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化コバルトとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ルテニウム(RuO)とイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ルテニウムとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとガドリニアドープセリア(Gd−CeO)の混合物の凝集体等が挙げられる。これらのうち、酸化ニッケルとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体及び酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体が、電解質物質と反応せず、また、電解質物質と熱膨張率が近いので接合が良好である点で好ましい。
(3)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物は、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、シリコン、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、ニッケル、カルシウム及びマンガン(Mn)から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物である。該(3)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物のうち、金属種が2種以上である該金属酸化物としては、例えば、ランタンストロンチウムマンガネート(La0.8Sr0.2MnO)、ランタンカルシウムコバルテート(La0.9Ca0.1CoO)、ランタンストロンチウムコバルテート(La0.9Sr0.1CoO)、ランタンコバルテート(LaCoO)、ランタンカルシウムマンガネート(La0.9Ca0.1MnO)等が挙げられ、これらの金属酸化物のうち、ランタンストロンチウムマンガネートが、電解質物質と反応せず、また、電解質物質と熱膨張率が近いので接合が良好である点で好ましい。そして、(3)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体は、該(3)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物の1種又は2種以上の凝集体である。
(4)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体は、該(1)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物の1種又は2種以上と、該(2)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物の1種又は2種以上のそれぞれを含む混合物の凝集体である。
(5)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体は、該(1)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物の1種又は2種以上と、該(3)の場合に係る粉末状の原料金属酸化物凝集体を構成する金属酸化物の1種又は2種以上のそれぞれを含む混合物の凝集体である。
また、該粉末状の原料金属酸化物凝集体の平均粒径は、特に制限されないが、該粉末状の生成物金属酸化物粒子が、後述する複合粒子の母粒子として用いられる場合は、好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは0.1〜20μm、更に好ましくは0.1〜10μmであり、また、該粉末状の生成物金属酸化物粒子が、該複合粒子の子粒子として用いられる場合は、好ましくは0.01〜10μm、特に好ましくは0.01〜5μm、更に好ましくは0.01〜1μmである。
該粉末状の原料金属酸化物凝集体は、公知の方法を用いて得られ、また、市販の金属酸化物を粉砕及び分級することによっても得られる。
また、該粉末状の原料金属酸化物凝集体は、本発明の粉末状の金属酸化物粒子の製造方法により製造される該粉末状の生成物金属酸化物粒子であってもよい。
該炭素粉末としては、特に制限されず、例えば、カーボンブラック、活性炭、グラファイト(黒鉛)、無定形炭素等が挙げられる。該炭素粉末中の金属成分の含有量は、好ましくは100mg/kg以下、特に好ましくは金属成分を含有しないことである。
該熱可塑性樹脂粉末、該熱可塑性樹脂繊維、該熱硬化性樹脂粉末又は該熱可塑性樹脂繊維としては、該焼成工程で焼失するものであれば、特に制限されず、例えば、ポリビニルブチラール、ポリスチレン等の炭化水素化合物であってもよいし、ポリメタクリル酸メチル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の含酸素有機化合物;ポリアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン等の含窒素化合物;ポリスルホン等の含硫黄化合物等の、炭素原子及び水素原子以外の原子を含む化合物であってもよい。これらのうち、燃焼時に炭酸ガス以外のガスが発生しない点で、炭化水素化合物及び含酸素有機化合物が好ましい。
該天然繊維としては、例えば、セルロース繊維、タンパク繊維等が挙げられ、該セルロース繊維には、半人造のアセテートやレーヨンも含まれる。また、該天然繊維の誘導体としては、エチルセルロース等の天然繊維のエチルエステル等が挙げられる。
該炭素粉末、該熱可塑性樹脂粉末又は該熱硬化性樹脂粉末の平均粒径は、該粉末状の原料金属酸化物凝集体の平均粒径により異なり、一概に定めることができないが、通常、0.001〜10μm、好ましくは0.001〜1μm、特に好ましくは0.01〜1μmである。
該粉末状の原料金属酸化物凝集体の平均粒径に対する該炭素粉末、該熱可塑性樹脂粉末又は該熱硬化性樹脂粉末の平均粒径の比(炭素粉末等/原料金属酸化物凝集体)は、特に制限されないが、通常、0.001〜0.5、好ましくは0.01〜0.2、特に好ましくは0.01〜0.1である。該炭素粉末、該熱可塑性樹脂粉末又は該熱硬化性樹脂粉末の平均粒径が、該粉末状の原料金属酸化物凝集体に対して小さくなる程、該粉末状の原料金属酸化凝集体に固定化し易くなる。ただし、該平均粒径の比が、0.001未満だと、該炭素粉末、該熱可塑性樹脂粉末又は該熱硬化性樹脂粉末を多量に混合しなければならず、取り扱いも困難になり、また、0.5を超えると該炭素粉末、該熱可塑性樹脂粉末又は該熱硬化性樹脂粉末が、粉末状の原料金属酸化物凝集体に固定化され難くなる。
該熱可塑性樹脂繊維、該熱硬化性樹脂繊維、該天然繊維又は該天然繊維の誘導体の平均繊維径及び平均繊維長は、該粉末状の原料金属酸化物凝集体の平均粒径により異なり、一概に定めることができないが、該平均繊維径は、通常、0.01〜50μm、好ましくは0.1〜10μm、該平均繊維長は、通常、0.01〜100μm、好ましくは0.1〜50μmである。
該粉末状の原料金属酸化物凝集体の平均粒径に対する該熱可塑性樹脂繊維、該熱硬化性樹脂繊維、該天然繊維又は該天然繊維の誘導体の平均繊維径の比(熱可塑性樹脂繊維等の平均繊維径/原料金属酸化物凝集体の平均粒径)は、特に制限されないが、通常、0.001〜0.5、好ましくは0.01〜0.2、特に好ましくは0.01〜0.1である。該熱可塑性樹脂繊維、該熱硬化性樹脂繊維、該天然繊維又は該天然繊維の誘導体の平均繊維径が、該粉末状の原料金属酸化物凝集体に対して小さくなる程、該粉末状の原料金属酸化凝集体に固定化し易くなる。ただし、該平均粒径の比が、0.001未満だと、該熱可塑性樹脂繊維、該熱硬化性樹脂繊維、該天然繊維又は該天然繊維の誘導体を多量に混合しなければならず、取り扱いも困難になり、また、0.5を超えると該熱可塑性樹脂繊維、該熱硬化性樹脂繊維、該天然繊維又は該天然繊維の誘導体が、粉末状の原料金属酸化物凝集体に固定化され難くなる。
また、該炭素粉末、該熱可塑性樹脂粉末、該熱可塑性樹脂繊維、該熱硬化性樹脂粉末、該熱硬化性樹脂繊維、天然繊維及び天然繊維の誘導体の2種以上を併用することもできる。
該前駆体製造工程にかかる該混合物中、該粉末状の原料金属酸化物凝集体に対する該炭素粉末等(b)の重量比(炭素粉末等(b)/原料金属酸化物凝集体)は、通常、0.001〜1000、好ましくは0.01〜100、特に好ましくは0.01〜10である。
そして、該粉末状の原料金属酸化物凝集体、及び該炭素粉末等(b)の混合物に、機械的エネルギーを加え、該粉末状の前駆体を製造する。
該混合物に該機械的エネルギーを加える方法としては、特に制限されず、母粒子に子粒子が固定化されている複合粒子の製造に用いられる公知の方法を適宜採用することができ、例えば、(i)該混合物に、加圧力及びせん断力を加える方法、(ii)該炭素粉末等(b)を、該粉末状の原料金属酸化物凝集体に衝突させる方法等が挙げられる。
該(i)の方法としては、例えば、図3に示す粉体処理装置を用いて、該混合物に、加圧力及びせん断力を加える方法が挙げられる。該粉体処理装置について、図3及び図4を参照に説明する。図3は、粉体処理装置を示す模式図であり、図4は、粉体処理装置20をX−X面で切った断面図である。図3中、粉体処理装置20は、台座21に設置された外筒22、該外筒22の内部に回転可能なように設置される回転体23、及びプレスヘッド25を有する。該回転体23の壁面には孔29が設けられており、該回転体23の外周部には一定間隔で羽根部材30が取り付けられている。また、該回転体23及び該プレスヘッド25は、その間に隙間27が形成されるように設置されている。
そして、該粉体処理装置20に、粉体混合物24を投入し、該回転体23を回転させることにより、該粉体混合物24が、該プレスヘッド25と該回転体23の受け面26の間に入り込み、該粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる。加圧力及びせん断力が加えられた該粉体混合物24は、該孔29から該回転体23の外側に排出され、該羽根部材30によって、再び該回転体23の内側に循環される。
該粉体処理装置20中で、該粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる様子を、図5を参照して説明する。図5は、粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる様子を示す模式図であり、図4の粉体処理装置20中、粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる部分、すなわち、図4中、該プレスヘッド25及び該回転体23が、該粉体混合物24を挟み込む部分の拡大図である。図5中、(IV)は粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる前の状態を示し、(V)及び(VI)は粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられている状態を示す。該回転体23(移動部材)が、移動方向32の方向に移動することにより、該粉体混合物24が該プレスヘッド25(固定部材)に向かって移動し、該粉体混合物24が、該プレスヘッド25と該回転体23の間に挟みこまれるようにして、該隙間27に入り込む。この時に該粉体混合物24に加圧力が加えられる(V)。次いで、該回転体23が、該プレスヘッド25との間に該粉体混合物24を挟み込んだ状態で移動することにより、該粉体混合物24にせん断力が加えられる(VI)。従って、該(i)の方法では、該加圧力及び該せん断力は、固定部材(プレスヘッド25)と移動部材(回転体23)の隙間の幅((IV)中の31)、及び移動部材の移動速度により規定される。該固定部材と移動部材の隙間の幅(以下、クリアランスとも記載する。)は、処理する粉体の粒径により適宜調節することができるが、通常0.01〜5mm、好ましくは0.1〜2mmである。該移動速度は、通常10〜100m/s、好ましくは20〜80m/sである。なお、図3及び図4に示す粉体処理装置20では、プレスヘッド25及び受け面26は、いずれも曲面であるが、図5では、説明の便宜上いずれも平面で示した。
また、該(i)の方法では、該前駆体製造工程に係る該混合物は、該粉末状の原料金属酸化物凝集体及び該炭素粉末等(b)を含有するスラリー又は懸濁液であってもよい。
該(i)の方法では、該炭素粉末等(b)が、該粉末状の原料金属酸化物凝集体に強い力で押し付けられながら、該粉末状の原料金属酸化物凝集体の表面を引きずられることにより、該炭素粉末等(b)が該粉末状の原料金属酸化物凝集体にめり込み、固定化される。
また、(ii)の方法としては、例えば、特開平05−168895号公報に記載されている固体粒子の表面改質方法が挙げられ、具体的には、衝撃板が設けられた回転体を回転させ、該回転体に該混合物を投入することにより、該混合物と該衝撃板を衝突させ、更に該衝撃板の回転による高速気流により、該混合物を対流させ、繰り返し該衝撃板と衝突させる方法である。該表面改質方法では、該混合物が該衝撃板に衝突する際に、該混合物中の粒子の1つが、該衝撃板と該混合物中の他の粒子に挟まれ、粒子同士の衝突が起こる。従って、該(ii)の方法では、該混合物を衝突させる力は、該混合物の衝突速度によって規定される。上記表面改質方法では、該衝撃板の方が移動するので、該衝撃板の移動速度が、相対的に該混合物の衝突速度であり、該衝撃板の移動速度は、通常、10〜100m/s、好ましくは20〜80m/sである。
次に、該粉末状の前駆体を焼成し、該粉末状の生成物金属酸化物粒子を得る焼成工程を行う。
該焼成工程を行う際の焼成温度は、100〜1500℃、好ましくは100〜1000℃、特に好ましくは100〜600℃である。また、該焼成工程を行う際の焼成時間は、10分〜5時間、好ましくは10分〜2時間、特に好ましくは10分〜1時間である。
そして、該焼成工程を行うことにより、該粉末状の金属酸化物凝集体の表面に多数の窪みが形成されている該粉末状の生成物金属酸化物粒子が得られる。該粉末状の生成物金属酸化物粒子の比表面積は、通常3〜30m/g、好ましくは4〜25m/g、特に好ましくは5〜20m/gである。
また、該粉末状の生成物金属酸化物凝集体の平均粒径は、該粉末状の生成物金属酸化物粒子が、後述する複合粒子の母粒子として用いられる場合は、好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは0.1〜20μm、更に好ましくは0.1〜10μmであり、また、該粉末状の生成物金属酸化物粒子が、該複合粒子の子粒子として用いられる場合は、好ましくは0.01〜10μm、特に好ましくは0.01〜5μm、更に好ましくは0.01〜1μmである。
また、該粉末状の生成物金属酸化物粒子を、本発明の粉末状の金属酸化物粒子の製造方法に係る該粉末状の原料金属酸化物凝集体として用いて、繰り返し本発明の粉末状の金属酸化物粒子の製造方法を行うことができる。
このように、該粉末状の生成物金属酸化物粒子は、表面に窪みを有するので、比表面積が大きい。従って、本発明の粉末状の金属酸化物の製造方法によれば、比表面積が大きい粉末状の金属酸化物粒子を製造することができる。
このようにして得られる該粉末状の生成物金属酸化物粒子には、前述のように(1)〜(5)の場合、すなわち、(1)電解質物質として用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子(以下、粉末状の生成物金属酸化物粒子(A)とも記載する。)、(2)燃料極物質として用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子(以下、粉末状の生成物金属酸化物粒子(B)とも記載する。)、(3)空気極物質として用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子(以下、粉末状の生成物金属酸化物粒子(C)とも記載する。)、(4)電解質物質及び燃料極物質のいずれにも用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子(以下、粉末状の生成物金属酸化物粒子(D)とも記載する。)、(5)電解質物質及び空気極物質のいずれにも用いられる粉末状の生成物金属酸化物粒子(以下、粉末状の生成物金属酸化物粒子(E)とも記載する。)がある。
該粉末状の生成物金属酸化物粒子(該粉末状の生成物金属酸化物粒子(A)〜(E))は、固体酸化物形燃料電池用電極の製造用の、粉末状の複合粒子を製造するための母粒子又は子粒子として好適に用いられる。
該粉末状の複合粒子としては、(6)母粒子に子粒子が固定化されている複合粒子であって、該母粒子が該粉末状の生成物金属酸化物粒子である粉末状の複合粒子、(7)母粒子に子粒子が固定化されている複合粒子であって、該子粒子が該粉末状の生成物金属酸化物粒子である粉末状の複合粒子、(8)母粒子に子粒子が固定化されている複合粒子であって、該母粒子が該粉末状の生成物金属酸化物粒子であり、該子粒子も該粉末状の生成物金属酸化物粒子である粉末状の複合粒子である。
該粉末状の複合粒子について、図6を参照して説明する。図6は、複合粒子を示す模式図である。図6中、複合粒子40は、母粒子41に子粒子42が固定化されている。そして、該母粒子41若しくは該子粒子42として、又は該母粒子41及び該子粒子42の双方として、該生成物金属酸化物粒子(A)〜(E)を用いることができるので、該複合粒子40の母粒子41と子粒子42の組み合わせには、表1及び表2に示す組み合わせがある。表1は、固体酸化物形燃料電池用の燃料極を製造する場合の組合わせを、表2は固体酸化物形燃料電池用の空気極を製造する場合の組み合わせを示す。なお、表1及び表2中、電解質物質用の粒子(窪みなし)とは、従来複合粒子の製造に用いられていた電解質用の粒子のように、窪みが形成されていない電解質物質用の粒子のことを指す。また、燃料極物質用の粒子(窪みなし)、及び空気極物質用の粒子(窪みなし)についても同様である。
Figure 0004569752
Figure 0004569752
該粉末状の複合粒子の比表面積は、通常3〜30m/g、好ましくは4〜25m/g、特に好ましくは5〜20m/gである。
該母粒子の平均粒径に対する該子粒子の平均粒径の比(子粒子/母粒子)は、特に制限されないが、好ましくは0.001〜0.5、特に好ましくは0.01〜0.1である。
該粉末状の複合粒子は、上記組み合わせの母粒子及び子粒子の混合物に、機械的エネルギーを加え、該母粒子の表面に該子粒子を固定化させることにより製造される。該機械的エネルギーを加える方法は、前記本発明の粉末状の金属酸化物粒子の製造方法の説明で記載した方法と同様である。
該粉末状の複合粒子は、母粒子又は子粒子が該粉末状の生成物金属粒子なので、従来の複合粒子に比べ比表面積が大きい。
該粉末状の複合粒子は、図7中の(VII)に示すように、固体酸化物形燃料電池用電極の製造、更に詳しくは、固体酸化物形燃料電池用の燃料極又は固体酸化物形燃料電池用の空気極の製造に、好適に用いられる(以下、該粉末状の複合粒子を用いて製造される固体酸化物形燃料電池用電極を、固体酸化物形燃料電池用電極(F)とも記載する。)。図7は、金属酸化物粒子、複合粒子、及び固体酸化物形燃料電池用電極を表す模式図である。図7中(VII)に示すように、固体酸化物形燃料電池用電極(F)54は、母粒子51に子粒子52を固定化させて、一旦複合粒子53を得、得られる複合粒子53を成形して製造される。
該粉末状の複合粒子を用いて、該固体酸化物形燃料電池用電極(F)を製造する方法としては、特に制限されず、複合粒子を成形して固体酸化物形燃料電池用電極を製造するために用いられている公知の方法を、適宜採用することができる。該方法としては、例えば、ドクタープレート法が挙げられる。
また、前記粉末状の生成物金属酸化物粒子のうち、前記粉末状の生成物金属酸化物粒子(D)又は(E)は、図7中の(VIII)に示すように、固体酸化物形燃料電池用電極の製造に好適に用いられる(以下、該粉末状の生成物金属酸化物粒子(D)又は(E)を用いて製造される固体酸化物形燃料電池用電極を、固体酸化物形燃料電池用電極(G)とも記載する。)。更に詳しくは、該粉末状の生成物金属酸化物粒子(D)を用いて製造されるのは固体酸化物形燃料電池用の燃料極であり、該粉末状の生成物金属酸化物粒子(E)を用いて製造されるのは固体酸化物形燃料電池用の空気極である。図7中(VIII)に示すように、固体酸化物形燃料電池用電極(G)56は、生成物金属酸化物粒子(D)55(又は生成物金属酸化物粒子(E))を成形して製造される。
該粉末状の生成物金属酸化物粒子(D)又は(E)を用いて、固体酸化物形燃料電池用電極(G)を製造する方法としては、特に制限されず、金属酸化物粒子を成形して固体酸化物形燃料電池用電極を製造するために用いられている公知の方法を、適宜採用することができる。該方法としては、例えば、ドクタープレート法が挙げられる。
該固体酸化物形燃料電池用電極(F)及び該固体酸化物形燃料電池用電極(G)は、表面積が大きいので、単位面積当りに取り出すことができる電流が多く、電圧の低下も少ないことから、該固体酸化物形燃料電池用電極(F)又は該固体酸化物形燃料電池用電極(G)を用いれば、高出力密度の電池を製造することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(粉末状の生成物金属酸化物粒子の製造)
平均粒径0.6μmのスカンジア安定化ジルコニア粉末(ScSZ、第一希元素社製)と、平均粒径0.15μmのポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂粉末(MP−1451、綜研化学社製)を、重量比で3:1となるように、ポリ容器に加え、振騰し、粉体混合物を得た。次いで、該粉体混合物を、粉体処理装置(ハイブリダイザー、奈良機械製作所社製)に投入し、回転移動体(衝撃板)の回転速度が70m/sの条件下で、該粉体混合物に機械的エネルギーを加え(前記(ii)の方法、すなわち、該炭素粉末等(b)を、該粉末状の原料金属酸化物凝集体に衝突させる方法)、粉末状の前駆体を得た。次いで、該粉末状の前駆体を、空気雰囲気の電気炉中500℃で、1時間焼成し、粉末状の生成物金属酸化物粒子(A)を得た。得られた粉末状の生成物金属酸化物粒子(A)の比表面積は16.1m/gであった。
(走査型電子顕微鏡による表面観察)
得られた粉末状の生成物金属酸化物粒子(A)を、走査型電子顕微鏡を用いて表面観察したところ、該生成物金属酸化物粒子(A)の表面に、多数の窪みが形成されていることが確認された。
(実施例2)
(粉末状の生成物金属酸化物粒子の製造)
平均粒径0.6μmのスカンジア安定化ジルコニア粉末に代え、平均粒径7.0μmの酸化ニッケル(NiO、高純度化学研究所社製)とする以外は実施例1と同様の方法で行い、粉末状の生成物金属酸化物粒子(B)を得た。該粉末状の生成物金属酸化物粒子(B)の比表面積は5.1m/gであった。
(走査型電子顕微鏡による表面観察)
得られた粉末状の生成物金属酸化物粒子(B)を、走査型電子顕微鏡を用いて表面観察したところ、該生成物金属酸化物粒子(B)の表面に、多数の窪みが形成されていることが確認された。
(実施例3)
(LSM粉末の製造)
酸化ランタン(La)、酸化マンガン(MnO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)を、各化合物中の金属元素のモル比でLa:Mn:Sr=0.8:1.0:0.2となるように秤量し、混合した。次いで、混合物を、空気中、1200℃で、10時間焼成し、ランタンストロンチウムマンガネート(LSM)粉末を得た。得られたランタンストロンチウムマンガネート粉末のX線回折分析を行い、該ランタンストロンチウムマンガネート粉末が、ペロブスカイト構造のLa0.8Sr0.2MnOであることを確認した。また、該ランタンストロンチウムマンガネート粉末の平均粒径は10.0μmであった。
(粉末状の生成物金属酸化物粒子の製造)
平均粒径0.6μmのスカンジア安定化ジルコニア粉末に代え、上記のようにして得たランタンストロンチウムマンガネート粉末とする以外は実施例1と同様の方法で行い、粉末状の生成物金属酸化物粒子(C)を得た。該粉末状の生成物金属酸化物粒子(C)の比表面積は3.2m/gであった。
(走査型電子顕微鏡による表面観察)
得られた粉末状の生成物金属酸化物粒子(C)を、走査型電子顕微鏡を用いて表面観察したところ、該生成物金属酸化物粒子(C)の表面に、多数の窪みが形成されていることが確認された。
(製造例1)
(粉末状の複合粒子の製造)
実施例1で得られた該粉末状の生成物金属酸化物粒子(A)と、実施例2で得られた該粉末状の生成物金属酸化物粒子(B)とを、重量比で1:1となるように、ポリ容器に加え、振騰し、粉体混合物を得た。次いで、該粉体混合物を、実施例1で用いた粉体処理装置に投入し、回転移動体の回転速度が50m/sの条件で、該粉体混合物に機械的エネルギーを加えた。得られた粉末状の複合粒子(D)の比表面積は10.2m/gであった。
(電極の作成)
次に、上記のようにして得られた粉末状の複合粒子(D)、溶媒としてイソプロピルアルコール、及びバインダーとしてポリビニルブチラールを混合してスラリーを調製した。そして、該スラリーを用いて、ドクタープレート法により製膜し、電極テープを作成した。次いで、該電極テープを1400℃で焼成し、電極を作成した。
(製造例2)
(粉末状の複合粒子の製造)
実施例2で得られた該粉末状の生成物金属酸化物粒子(B)に代え、実施例3で得られた該粉末状の生成物金属酸化物粒子(C)とする以外は、製造例1と同様の方法で行い、粉末状の複合粒子(E)を得た。得られた粉末状の複合粒子(E)の比表面積は8.2m/gであった。
(電極の作成)
粉末状の複合粒子(D)に代え、粉末状の複合粒子(E)とする以外は、製造例1と同様の方法で行い、電極テープを作成した。次いで、該電極テープを1400℃で焼成し、電極を作成した。
(比較例1)
実施例1で用いたスカンジア安定化ジルコニア粉末の比表面積を測定した。該比表面積は11.4m/gであった。
(比較例2)
実施例2で用いた酸化ニッケル粉末の比表面積を測定した。該比表面積は2.8m/gであった。
(比較例3)
実施例3で用いたランタンストロンチウムマンガネート粉末の比表面積を測定した。該比表面積は1.2m/gであった。
実施例1で得られた生成物金属酸化物粒子(A)と、比較例1の金属酸化物凝集体の比表面積を比較すると、実施例1で得られた生成物金属酸化物粒子(A)の方が比表面積が大きかった。また、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3についても同様であった。このことから、本発明の粉末状の金属酸化物粒子の製造方法を用いれば、比表面積が大きい粉末状の金属酸化物粒子を製造できることがわかった。
本発明に係る生成物金属酸化物粒子の生成機構を示す模式図である。 原料金属酸化物凝集体を表す模式図である。 粉体処理装置を示す模式図である。 粉体処理装置20をX−X面で切った断面図である。 粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる様子を示す模式図である。 複合粒子を示す模式図である。 金属酸化物粒子、複合粒子、及び固体酸化物形燃料電池用電極を表す模式図である。
符号の説明
10 混合物
11 前駆体
12 金属酸化物凝集体
13 炭素粉末
15 生成物金属酸化物凝集体
16 窪み
17 原料金属酸化物凝集体(二次粒子)
18 金属酸化物(一次粒子)
20 粉体処理装置
21 台座
22 外筒
23 回転体
24 粉体混合物
25 プレスヘッド
26 受け面
27 隙間
29 孔
30 羽根部材
31 クリアランス
32 移動方向
33 加圧力及びせん断力が加えられる部分
40、53 複合粒子
41、51 母粒子
42、52 子粒子
54 固体酸化物形燃料電池用電極(F)
55 生成物金属酸化物粒子(D)(又は生成物金属酸化物粒子(E))
56 固体酸化物形燃料電池用電極(G)

Claims (1)

  1. 粉末状の原料金属酸化物凝集体(a)、及び炭素粉末、熱可塑性樹脂粉末、熱可塑性樹脂繊維、熱硬化性樹脂粉末、熱硬化性樹脂繊維、天然繊維又は天然繊維の誘導体(b)の混合物に、機械的エネルギーを加えることにより、該原料金属酸化物凝集体(a)に該(b)が固定された粉末状の前駆体を得る前駆体製造工程、及び該粉末状の前駆体を焼成して該(b)を焼失させることにより、表面に窪みを有する粉末状の金属酸化物粒子を得る焼成工程を有することを特徴とする窪みを有する粉末状の金属酸化物粒子の製造方法。
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