JP4569764B2 - 応力検出装置 - Google Patents
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Description
一方、応力センサとして、磁歪を利用したセンサの提案がなされているが、実用化されているものはないようである(例えば、非特許文献1参照)。
I.J.Garshelis:SAE,Paper No.910856,1991
コアに引張応力が働くと、永久磁石PMからの磁束がコアをより多く通るようになるために、磁気センサFSを通過する磁束が減少する。一方、コアに圧縮応力が作用すると、磁束はコアを通り難くなるため、センサFSを通過する磁束が増加する。このようにして、磁気センサFSからの信号の大きさはコアに働く応力の大きさを反映することになる。
引張応力と圧縮応力では、磁気センサFSの信号の変化の仕方は、圧縮の方が大きく、そのセンサの定格の範囲において、圧縮にて30から80%の変化があることがデータで示されている。
本発明によれば、第1の磁性体と第2の磁性体を一体化するようにしているので、部品点数の少ないコンパクトで安価な装置が実現できる。特に、第2の磁性体を軸状のものとすることによって、回転状態における応力検出も可能となってその有用性を飛躍的に向上させることができる。
なお、図において溝2aは、45度の螺旋状であるからして、正確にはS字状に表されるべきものであるが、作図の便宜上、概略的に直線として表してある。
つまり、軸1の周方向に着磁すると、山部2bの側面に極が現われるため、反磁場が発生し、磁化方向が山部2bの長手方向に向くためである(形状効果、あるいは形状磁気異方性)。したがって、山部2bにおける着磁状態は、図1(c)に示すようなものとなり、当該山部2bが第1の磁性体として機能することになる。
磁気センサ3としては、上記したホールセンサの他には、省電力で小型なホールICやMIセンサなどを使用することができるが、検出感度を大きくする観点から、図に示すように、凹凸部2の端部に近い位置に配置することによって、径方向の磁束を検知するようになすことが望ましい(図2参照)。なお、ここでいうホールICは、リニア出力タイプのものである。
なお、図1(c)に示す「+」はN極を、「−」はS極が現われていることを示している。
一方、軸1に圧縮応力が働くと、軸1を通る磁束が減る(磁束が軸の内部を通り難くなる)ことから、外に漏れる空間磁束が増え、磁気センサ3を通過する磁束が増える。したがって、応力に対応した磁気センサ3の信号が得られることになる。
また、応力が作用する第2の磁性体を軸状のものとしたことによって、回転状態での軸力(引張、圧縮応力)の測定も可能となる。
このようなヨーク5を用いることによって、外部からの電磁雑音に対して耐性が向上することになると共に、磁気センサ3の信号の大きさを倍程度に増やすことが可能となる。
このように2個のセンサ3,4を配置することによって、外部からのほぼ一様な磁場が印加されても、同相の入力となるから、引き算でキャンセルすることができ、外乱に対する耐性が向上する。
また、凹凸部2には、溝2aを形成する代りに、図7に示すように、軸1の表面に螺旋状の突条部2cを形成して、はす歯歯車のような形状とすることも可能である。この場合にはこの突条部2cがその長手方向に沿って着磁されることになる(第1の磁性体)。
図に示すように、溝2aを平行に形成した状態で、図中の矢印方向に大電流を流して、着磁することによって、溝間部分2bが着磁され、当該応力検出装置における第1の磁性体として機能する。
したがって、このような磁性材料としては、析出硬化処理や焼入・焼戻しなどの熱処理を施した鋼、浸炭、表面窒化、高周波焼入・焼戻しといった表面処理を施した鋼が好適である。これら鋼は、一般に、20から数十Oe程度の保磁力を有するからである。
周方向に着磁することも、有効な手段と言うことができる。すなわち、周方向に向いている磁化が多いことが、ヒステリシス低減に効いているものと考えられる。また、周方向に着磁することのメリットは、引張、圧縮の感度が同じようになることである(応力磁気効果は、一般的には圧縮の方が大きい)。この理由も同じであるものと推定される。
一般に、軸材料の持つ保磁力の大きさの2倍以上の磁界がかかった部分が概ね着磁されることになる。したがって、十分な大きさの電流を流した場合、表面を含めた円筒領域においては、確実に周方向に着磁されることになる。なお、溝付軸の場合、溝底部分は周方向に着磁されている。
図7に示したように突状部2cを形成した場合などは、特に突状部のみを着磁すること(突条部のみに長手方向に着磁を残すこと)が容易となる。
第2の磁性体の材料として、マルエージング鋼(日立金属(株)製商品名YAG300、18%Ni−9%Co−5%Mo−Fe)を用いて、図5に示すように、軸径D=19mmの軸1を機械加工によって作製した。
次に、1mm径のエンドミルを用いて、上記軸1の2個所に、軸方向に45度方向に傾いた溝2aを周方向に20本、1mm幅、1.5mm深さに形成し、凹凸部2,2とした。なお、20本の螺旋溝2aが形成された凹凸部2,2の幅は、それぞれ11mmとした(エンドミルのセンター間の距離は10mm)。なお、両凹凸部2,2の間の距離は1mmであった(エンドミルのセンター間距離は2mm)。
次いで、得られた軸1に10000Aの電流を通じることによって着磁した。
ホールセンサ3の出力は引張応力により減少、圧縮応力によって増加し、±40MPaの応力負荷に対して、ヒステリシスのほとんどない特性が得られることが確認された。
また、応力負荷範囲が狭いが、これも試験機の都合によるもので、容量の大きな試験機を用いれば、応力範囲を容易に拡大することができる。
当該実施例においては、軸1の材料として用いた上記マルエージング鋼の降伏応力は2GPaを超えることから、少なくとも1GPa程度までは、十分に再現性の良いデータが得られるものと考えられる。
第2の磁性体の材料として、上記マルエージング鋼を使用して、上記同様に、軸径D=19mmの軸1を機械加工によって作製した。
次に、実施例1と同様に軸方向に45度傾いた20本の溝2aを備えた凹凸部2を、図1に示すように、上記軸1の1個所に形成し、同様の熱処理を施し、さらに10000Aの通電による着磁を実施した。
軸1の材料として、JIS G4051に規定される機械構造用炭素鋼S45Cを用いると共に、熱処理として高周波焼入れを施し、次いで170℃×1時間の焼戻し処理を行ったこと以外は、上記実施例2と同じ操作を繰り返すことによって得られた軸1を用いて、同様の条件のもとにホールセンサ3の出力特性を同様に調査した。
なお、上記熱処理の狙いとしては、焼戻し後の表面硬さをHRC50以上、HRC45以上となる有効硬化層深さを0.8mm狙いとし、焼き戻し後の表面硬さ及び硬化層深さは、狙い条件を満足していた。
2 凹凸部
2a 溝
2b 山部(溝間部分:第1の磁性体)
2c 突条部(第1の磁性体)
3,4 磁気センサ(空間磁束検出手段)
5 ヨーク
Claims (14)
- 着磁された第1の磁性体と、磁歪を有する第2の磁性体と、この第2の磁性体に応力が作用することによって、第1の磁性体から発生し第2の磁性体を通ることなく第2の磁性体外の空間に流れる空間磁束が変化するのを検知する空間磁束検出手段を備え、
上記第1の磁性体が第2の磁性体に一体化されて第2の磁性体の一部を成し、第2の磁性体の長手方向に対して0度以上90度未満の角度を成す複数の溝又は突条部を平行に形成して成る帯状の凹凸部であって、当該凹凸部の溝間部分又は突条部がその長手方向に着磁されていることを特徴とする応力検出装置。 - 上記第2の磁性体が軸状を成し、上記溝又は突条部が軸方向に対して上記角度を成していることを特徴とする請求項1に記載の応力検出装置。
- 上記溝又は突条部が軸方向に対して45度の角度を成していることを特徴とする請求項2に記載の応力検出装置。
- 軸状を成す第2の磁性体が周方向に着磁されていると共に、上記空間磁束検出手段が帯状凹凸部に近接して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の応力検出装置。
- 軸状を成す第2の磁性体が上記帯状凹凸部を相近接して2箇所に備えていることを特徴とする請求項4に記載の応力検出装置。
- 軸方向に働く引張応力及び圧縮応力を検出することを特徴とする請求項4又は5に記載の応力検出装置。
- 軸状を成す第2の磁性体が回転自在に保持されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つの項に記載の応力検出装置。
- 上記空間磁束検出手段が帯状凹凸部の端部に配置され、径方向の磁束を検知することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つの項に記載の応力検出装置。
- 第2の磁性体に対する上記空間磁束検出手段の反対側にヨークが配置されていることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1つの項に記載の応力検出装置。
- 上記ヨークがソフト磁性材料から成るものであることを特徴とする請求項9に記載の応力検出装置。
- 第2の磁性体が中空であることを特徴とする請求項4〜10のいずれか1つの項に記載の応力検出装置。
- 上記空間磁束検出手段が磁気センサであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つの項に記載の応力検出装置。
- 上記磁気センサがホール素子又はホールICであることを特徴とする請求項12に記載のトルク検出装置。
- 第2の磁性体が熱処理された鋼又は表面処理された鋼から成るものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つの項に記載の応力検出装置。
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