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JP4573299B2 - 導電性ロール及びその製造方法 - Google Patents
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JP4573299B2 - 導電性ロール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真式複写機及びプリンタ、またはトナージェット式複写機及びプリンタ等の画像形成装置の感光体等に一様な帯電を付与するために用いられる導電性ロール及びその製造方法に関する。
従来、注型ウレタンタイプの導電性ロールとしては、ウレタンに過塩素酸リチウムなどのアルカリ金属塩を添加したイオン導電タイプの導電性ロールが使用されているが、温湿度などの環境により電気抵抗が変化するという環境依存性が大きいことから、導電性カーボンブラックなどを添加した電子導電タイプの導電性ロールが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、電子導電タイプの導電性ロールにおいては、ウレタンゴム内における均一なカーボンブラックの分布が良好な画像を得るために必要不可欠であるが、ウレタンの成形に際してウレタン反応と共に、熱によるカーボンブラックの再凝集が起こるために、ウレタン内のカーボンブラックの分布に差が生じ、この導電性ロールの電気抵抗値が不均一となる。その結果、この導電性ロールを用いて印刷した印刷物は画像不良となりやすい。そこで、カーボンブラックが再凝集するよりも速くウレタンを硬化させてカーボンブラックの動きを止め、均一なカーボンブラックの分布が得られるように、ウレタンの原料の温度、ウレタンの成形に用いる金型の温度、及びウレタン反応で用いる触媒を変えることでウレタン反応速度の制御を図っている。
しかしながら、金型を高温にしてウレタンの成形をすると、その金型の表面近傍において、熱によるウレタンの原料粘度の低下が起こるため、カーボンブラックの凝集を加速することになり、その結果、均一なカーボンブラックの分布が得られない。一方、触媒量を増やすと、ウレタンの原料を混合した段階から急激に反応が進んで、その原料が増粘するため、金型へその原料を充填させる際に、気泡を抱き込みやすくなり、そのまま硬化するためピンホール不良が発生しやすくなる。したがって、均一なカーボンブラックの分布が得られるようにウレタン反応を制御することは非常に困難であるという問題があった。
特開2003−202750号公報(特許請求の範囲等)
本発明はこのような事情に鑑み、ウレタン反応初期でのウレタン原料の増粘による気泡の巻き込みを抑制し、且つ加熱によるカーボンブラックの再凝集前にウレタンを硬化させることによって、カーボンブラックが均一に分散した環境依存性の少ない導電性ロール、並びにその導電性ロールの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、芯金の外周に少なくとも一層のカーボンブラックにより導電性が付与された導電性弾性層を有する導電性ロールであって、前記導電性弾性層が、少なくともポリエーテル系ポリオールを主体とするポリオールとジイソシアネートとを、触媒として4価の有機錫系化合物と有機ビスマス系組成物とを用いて反応させたポリウレタンからなることを特徴とする導電性ロールにある。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記有機錫系化合物と前記有機ビスマス系組成物との重量比が9:1〜1:9であり、且つ前記ポリオールに対する前記有機錫系化合物と前記有機ビスマス系組成物との総重量が0.001〜0.05重量%である導電性ロールにある。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記有機ビスマス系組成物が、有機ビスマス系化合物又は有機ビスマス系化合物をカルボン酸で希釈したものであることを特徴とする導電性ロールにある。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記導電性弾性層の表面に、少なくともイソシアネート成分を含有する表面処理液で表面処理された表面処理層を具備することを特徴とする導電性ロールにある。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記表面処理液が、さらにカーボンブラックと、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーとの少なくとも一方を含有したものであることを特徴とする導電性ロールにある。
本発明の第6の様態は、第1〜5の何れかの態様において、前記導電性弾性層に周波数1Hzの交流電圧0.2Vを印加した際のインピーダンスZ(Ω)から算出される抵抗成分Zr(Ω)と容量性リアクタンス成分Zc(Ω)の関係が、下記式を満足することを特徴とする導電性ロールにある。
Figure 0004573299
本発明の第7の態様は、芯金の外周に少なくとも一層のカーボンブラックにより導電性が付与された導電性弾性層を有する導電性ロールの製造方法において、ポリエーテル系ポリオールを主体とするポリオールとジイソシアネートとを、4価の有機錫系化合物と有機ビスマス系組成物との存在下で反応させたポリウレタンを前記導電性弾性層とすることを特徴とする導電性ロールの製造方法にある。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記有機錫系化合物と前記有機ビスマス系組成物との重量比が9:1〜1:9であり、且つ前記ポリオールに対する前記有機錫系化合物と前記有機ビスマス系化合物との総重量が0.001〜0.05重量%である導電性ロールの製造方法にある。
本発明の第9の態様は、第7又は第8の態様において、前記有機ビスマス系組成物が、有機ビスマス系化合物又は有機ビスマス系化合物をカルボン酸で希釈したものであることを特徴とする導電性ロールの製造方法にある。
本発明の第10の態様は、第7〜9の何れかの態様において、前記導電性弾性層の表面に、少なくともイソシアネート成分を含有する表面処理液で表面処理された表面処理層を形成する工程を具備することを特徴とする導電性ロールの製造方法にある。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記表面処理液が、さらにカーボンブラックと、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーとの少なくとも一方を含有したものであることを特徴とする導電性ロールの製造方法にある。
本発明の第12の態様は、第7〜11の何れかの態様において、前記導電性弾性層に周波数1Hzの交流電圧0.2Vを印加した際のインピーダンスZ(Ω)から算出される抵抗成分Zr(Ω)と容量性リアクタンス成分Zc(Ω)の関係が、下記式を満足することを特徴とする導電性ロールの製造方法にある。
Figure 0004573299
本発明は、導電剤としてカーボンブラックが添加されたポリエーテル系ポリオールを主体とするポリオールとジイソシアネートとの反応において、触媒として4価の有機錫系化合物と有機ビスマス系組成物とを用いることで、ウレタン反応初期でのウレタン原料の増粘による気泡の巻き込みを抑制し、且つ加熱によるカーボンブラックの再凝集前にウレタンを硬化させることによって、カーボンブラックが均一に分散した環境依存性の少ない導電性ロールを製造する製造方法を特徴とするものである。ここで、有機ビスマス系組成物とは、有機ビスマス系化合物又は有機ビスマス系化合物をカルボン酸で希釈したものである。
かかる本発明の方法により製造された導電性ロールは、ポリエーテル系ポリオールを主体とするポリオールとジイソシアネートとの反応の際に、触媒として4価の有機錫系化合物単体又は有機ビスマス系組成物単体を用いたものとは異なるものとなる。すなわち、4価の有機錫系化合物と有機ビスマス系組成物とを併用しないでそれぞれ単独で用いた場合には、ウレタン反応初期でのウレタン原料の増粘によって気泡の巻き込みが生じる、又は、ウレタンを硬化させる前にカーボンブラックの再凝集が生じるため、カーボンブラックが均一に分布しなくなるという欠点がある。本発明のようなポットライフのある有機ビスマス系組成物を4価の有機錫系化合物と共に触媒として用いると、初期の反応速度を抑えることが可能となり、結果として原料の増粘による気泡の巻き込みを抑制しつつ、加熱によるカーボンブラック凝集前にウレタンを硬化させることが可能になるためと考えられる。
ここで、本発明で用いられる4価の有機錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ビスイソノニル3−メルカプトプロピオネート(ネオスタンU−340(商品名;日東化成社製))、ジブチル錫ジラウレート(ネオスタンU−100(商品名;日東化成社製))、ジブチル錫ジアセテート(ネオスタンU−200(商品名;日東化成社製))、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(ネオスタンU−220(商品名;日東化成社製))などを挙げることができるが、勿論これに限定されるものではない。
また、本発明で用いられる有機ビスマス系化合物としては、例えば、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどを挙げることができる。なお、上述したように、有機ビスマス系化合物はカルボン酸と混合して有機ビスマス系組成物としてもよく、例えば、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルヘキサン酸=55〜58%:42〜45%(ネオスタンU−600(商品名;日東化成社製))などを挙げることができ、カルボン酸としては、2−エチルヘキサン酸、オクチル酸、ネオデカン酸、安息香酸、フタル酸などを挙げることができる。
本発明の導電性ロールのマトリックスは、ポリエーテル系ポリオールを主体とするポリウレタンであり、好ましくは、1分子あたりの平均官能基数が2.5以上であるポリエーテル系ポリオールと平均官能基数が2より大きいポリイソシアネートとをNCO/OHのモル比が1未満で反応させて得られる熱硬化性ポリウレタンである。
本発明の方法に好適に用いられるエーテル系ポリウレタンは、エーテル系ポリオールを主体とするポリオールとポリイソシアネートとを反応することにより得られる、いわゆる注型タイプのポリウレタンである。
一方、ポリオールと反応させるイソシアネートとしては、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどの3官能イソシアネート単体、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート変性ポリイソシアネート(3量体:3官能、5量体:4官能)やポリメリックMDIなどの混合物を用いることができる。また、これらの3官能以上のポリイソシアネートと、一般的な2官能イソシアネート化合物との混合物としても良い。2官能イソシアネート化合物の例として、2,4−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフ
ェニル−4,4´−ジイソシアネート(TODI)、及びこれらのイソシアネートを両末端に有するプレポリマー等の変性体や多量体などを挙げることができる。
また、本発明で用いることができるカーボンブラックは特に制限されず、例えば、導電性カーボンブラック、カーボングラファイト、カーボンナノチューブなどを用いることができる。
本発明の導電性ロールは、導電性弾性層の表面に一体的に表面処理層が設けられる。かかる表面処理層はイソシアネート化合物を主体として有機溶剤に溶解させた表面処理液を含浸させて硬化させたものであるので、表面処理層は表面から内部に向かって漸次疎になるように一体的に形成される。従って、有機感光体に接触しても汚染することはなく、電気特性の環境依存性が小さく、トナー成分の耐フィルミング性に優れた帯電部材として好適な導電性ロールを提供することができる。
表面処理液は、イソシアネート化合物を主成分として含有するものであればよいが、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、導電性付与剤との少なくとも一方を添加するようにしてもよい。
ここで、イソシアネート化合物としては、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルジフェニル−4,4´−ジイソシアネート(TODI)および前記記載の多量体および変性体などを挙げることができる。
また、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーは、所定の溶剤に可溶でイソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものである。アクリルフッ素系ポリマーは、例えば、水酸基、アルキル基、又はカルボキシル基を有する溶剤可溶性のフッ素系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。また、アクリルシリコーン系ポリマーは、溶剤可溶性のシリコーン系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸シロキサンエステルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。
本発明の表面処理において、このようなポリマーを表面処理液中に一種又は二種以上混合して用いる場合には、表面処理液中のポリマーは、イソシアネート成分に対して2〜30重量%とするのが好ましい。少ないとカーボンブラックを表面処理層中に保持する効果が小さくなり、多すぎると相対的にイソシアネート成分が少なくなって有効な表面処理層が形成できないからである。
また、表面処理液には導電剤としてカーボンブラックが用いられる。カーボンブラックの種類は特に限定されず、例えば、ケッチェンブラック(ライオン社製)、トーカブラック#5500(東海カーボン社製)などが挙げられる。表面処理液中のカーボンブラックは、イソシアネート成分に対して10〜40重量%であるのが好ましい。これより少ないと有効な導電特性が発揮できず、多すぎると脱落等の問題が生じ好ましくないからである。
さらに、表面処理液は、これらアクリルフッ素系ポリマー又はアクリルシリコーン系ポリマー及びイソシアネート化合物を溶解する溶剤を含有する。溶剤としては特に限定されないが、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン等の有機溶剤を用いればよい。
また、カーボン微粉末の分散状態を詳細に観察すると、分散状態が多少悪いものに関してはカーボン微粉末が局部的な凝集を起こした結果生じるカーボンの抜けたゴム領域が観察でき、このカーボンの抜けたゴム領域の有無は、電気抵抗値には影響を殆ど与えないが、インピーダンスの容量性リアクタンス成分に変化が生じることを知見した。
すなわち、本発明の導電性ロールは、周波数1Hzの交流電圧0.2Vを印加した際のインピーダンスZ(Ω)から算出される抵抗成分Zr(Ω)と容量性リアクタンス成分Zc(Ω)の関係が25≧Zr/Zc≧5、好ましくは、25≧Zr/Zc≧10の関係を満たす導電性ゴム弾性層を有するものである。本発明の導電性ロールは、このような導電性ゴム弾性層を有すれば、1層構造でも2層構造でもよい。また、表面に、汚染防止やリーク防止などの目的で保護層や高抵抗層を有するものであっても、その下のゴム弾性層が上述した条件を満足するものであれば、周波数1Hzの交流電圧0.2Vを印加した際のインピーダンスZ(Ω)から算出される抵抗成分Zr(Ω)と容量性リアクタンス成分Zc(Ω)の関係が25≧Zr/Zc≧5となる。
なお、上述したように、ゴム弾性層がポリウレタンからなり、当該ゴム弾性層の表面にイソシアネートを含む表面処理液により表面処理された表面処理層が設けられている場合には、当該表面処理層を除去したゴム弾性層が上述した条件を満足するのは勿論であるが、表面処理層を設けたゴム弾性層自体も、周波数1Hzの交流電圧0.2Vを印加した際のインピーダンスZ(Ω)から算出される抵抗成分Zr(Ω)と容量性リアクタンス成分Zc(Ω)の関係が25≧Zr/Zc≧5となるのが好ましい。
本発明によれば、ウレタン反応初期でのウレタン原料の増粘による気泡の巻き込みを抑制し、且つ加熱によるカーボンブラックの再凝集前にウレタンを硬化させることによって、カーボンブラックが均一に分散した環境依存性の少ない導電性ロール、並びにその導電性ロールの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明の構成は以下の説明に限定されない。
(実施例1)
<ロールの製法> ポリエーテル系ポリオールであるPP−2000(三洋化成社製)100重量部に、導電剤としてVULCAN XC(キャボット社製)を3重量部添加し、粒度が20μm以下になる程度まで分散させ、ここに硬化触媒として4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−340(ジブチル錫ビスイソノニル3−メルカプトプロピオネート/日東化成社製)と有機ビスマス系組成物であるネオスタンU−600(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルヘキサン酸=55〜58%:42〜45%/日東化成社製)を80:20で混合したものを0.01重量部加え、80℃に温調した後、減圧下にて6時間、脱泡、脱水操作を行ってA液を得た。一方、SF8427(東レ・ダウコーニング社製)20重量部にジフェニルメタンジイソシアネート4重量部、コロネートC−HX(日本ポリウレタン社製)12重量部を添加・混合し、120℃にて15分間反応させ、80℃に温調してB液を得た。このA液とB液とを混合し、予めシャフト(φ:8mm、l:270mm)が配置されている120℃に予熱された金型に注入し、120℃にて60分間加熱し、両端部を除くシャフト表面に導電性ポリウレタン層が形成されたロールを得た。この導電性ロールの表面を1.5mm研磨し、外径を20mmに調整した。
<表面処理液の調製> KF−6001(信越化学社製)50重量部、MR400(日本ポリウレタン社製)20重量部を添加・混合し、120℃で15分間反応させた後、酢酸エチル180重量部に溶解させ、ここにアセチレンブラック(電気化学社製)3重量部をボールミルで3時間分散混合して、表面処理液を作製した。この溶質中におけるシロキサン結合単位は約60重量%であった。
<ロールの表面処理> 上記表面処理液を20℃に保ったまま、上記ロールを30秒間浸漬後、100℃に保持されたオーブンで10時間加熱することにより表面処理層を形成したものを実施例1の導電性ロールとした。
(実施例2)
硬化触媒として、4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−340(ジブチル錫ビスイソノニル3−メルカプトプロピオネート/日東化成社製)と有機ビスマス系組成物であるU−600(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルヘキサン酸=55〜58%:42〜45%/日東化成社製)を60:40で混合し、0.01重量部加えた以外は、実施例1と同様に製造して実施例2の導電性ロールとした。
(実施例3)
硬化触媒として、4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−100(ジブチル錫ジラウリレート/日東化成社製)と有機ビスマス系組成物であるU−600(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルヘキサン酸=55〜58%:42〜45%/日東化成社製)を80:20で混合し、0.01重量部加えた以外は、実施例1と同様に製造して実施例3の導電性ロールとした。
(実施例4)
硬化触媒として、4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−100(ジブチル錫ジラウリレート/日東化成社製)と有機ビスマス系組成物であるU−600(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルヘキサン酸=55〜58%:42〜45%/日東化成社製)を60:40で混合し、0.01重量部加えた以外は、実施例1と同様に製造して実施例4の導電性ロールとした。
(実施例5)
<ロールの製造> 3官能ポリエーテル系ポリオールであるGP−3000(三洋化成社製)100重量部に、トーカブラック#5500(東海カーボン社製)を4重量部およびVULCAN XC(キャボット社製)3重量部を添加し、粒度が20μm以下となる程度まで分散させ、ここに硬化触媒として4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−340(ジブチル錫ビスイソノニル3−メルカプトプロピオネート/日東化成社製)と有機ビスマス系組成物であるネオスタンU−600(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルへキサン酸=55〜58%:42〜45%/日東化成社製)を80:20で混合したものを0.01重量部加え、80℃に温調した後、減圧下にて6時間、脱泡、脱水操作を行ってC液を得た。一方、プレポリマーアジプレンL100(ユニロイヤル社製)25重量部に、コロネートC−HX(日本ポリウレタン社製)11重量部を添加・混合し、80℃に温調してD液を得た。このC液とD液とを混合し、あらかじめシャフト(φ:8mm、l:270mm)が中央に配置されると共に内壁面に密着するようにポリプロピレン製押し出しチューブ(外径23mm、厚さ0.2mm)が挿入してあり、110℃に予熱されたφ23mmの鉄製パイプ金型に注入し、ロール表面を1.5mm研磨し、外径を20mmに調整した。
<表面処理液の調製> 酢酸エチル100重量部、アセチレンブラック(電気化学社製)3重量部、及びアクリルフッ素ポリマー(ノバフッソ:大日本色材製)2重量部をボールミルで3時間分散混合した後、イソシアネート化合物(MDI)20重量部を添加混合溶解させ、表面処理液を作製した。
<ロール表面処理> 表面処理液を20℃に保ったまま、前記ロールを10秒間浸漬後、120℃に保持されたオーブンで1時間過熱することにより表面処理層を形成したものを実施例5の導電ロールとした。
(実施例6)
硬化触媒として、4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−340(ジブチル錫ビスイソノニル3−メルカプトプロピオネート/日東化成社製)と有機ビスマス系組成物であるU−600(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルへキサン酸=55〜58%:42〜45%/日東化成社製)を60:40で混合し、0.01重量部加えた以外は、実施例5と同様に製造して実施例6の導電性ロールとした。
(比較例1)
VULCAN XCの代わりに導電剤として過塩素酸リチウムを0.1重量部加えた以外は、実施例1と同様に製造して比較例1の導電性ロールとした。
(比較例2)
ネオスタンU−340とネオスタンU−600との代わりに硬化触媒として4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−340(ジブチル錫ビスイソノニル3−メルカプトプロピオネート/日東化成社製)を0.01重量部加えた以外は、実施例1と同様に製造して比較例2の導電性ロールとした。
(比較例3)
ネオスタンU−340とネオスタンU−600との代わりに硬化触媒として4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−100(ジブチル錫ジラウレート/日東化成社製)を0.01重量部加えた以外は、実施例1と同様に製造して比較例3の導電性ロールとした。
(比較例4)
ネオスタンU−340とネオスタンU−600との代わりに硬化触媒として2価の有機錫系化合物であるネオスタンU−28(オクチル酸錫/日東化成社製)を0.01重量部加えた以外は、実施例1と同様に製造して比較例4の導電性ロールとした。
(比較例5)
ネオスタンU−340とネオスタンU−600との代わりに硬化触媒として有機ビスマス系組成物であるU−600(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルへキサン酸=55〜58%:42〜45%/日東化成社製)を0.01重量部加えた以外は、実施例1と同様に製造して比較例5の導電性ロールとした。
(比較例6)
ネオスタンU−340とネオスタンU−600との代わりに硬化触媒として4価の有機錫系化合物であるネオスタンU−100(ジブチル錫ジラウレート/日東化成社製)を0.01重量部加えた以外は、実施例5と同様に製造して比較例6の導電性ロールとした。
(比較例7)
ネオスタンU−340とネオスタンU−600との代わりに硬化触媒として有機ビスマス系組成物であるU−600(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート):2−エチルへキサン酸=55〜58%:42〜45%/日東化成社製)を0.01重量部加えた以外は、実施例5と同様に製造して比較例7の導電性ロールとした。
(試験例1):画像評価
各実施例及び各比較例の導電性ロールを現像ロールとして市販のプリンタに実装し、LL環境(10℃、30%RH)、NN環境(25℃、50%RH)、及びHH環境(35℃、85%RH)の下で印刷を行い、その印刷物の画像評価を行った。この結果を下記表1に示す。
Figure 0004573299
上記表1に示すように、実施例1〜6の導電性ロールは環境依存性が小さいので、これを現像ロールとして用いて印刷した印刷物の画像は、それぞれの環境下で良好な評価が得られ、有機錫系化合物や有機ビスマス系組成物を単独で用いた比較例2〜5と比較して顕著な効果を示した。
これに対し、比較例1の導電性ロールは環境依存性が大きいので、NN環境下で、これを現像ロールとして用いて印刷した印刷物の画像は良好な評価が得られたが、LL環境下では、印字が不足し、やや不良の評価が得られ、HH環境下ではカブリが発生して不良の評価が得られた。
また、比較例2の導電性ロールは環境依存性が小さいので、これを現像ロールとして用いて印刷した印刷物の画像は、それぞれの環境下で良好な評価が得られたが、実施例1、2と比較すると、劣るものであった。
一方、比較例3の導電性ロールは、初期の反応速度が速く、気泡を巻き込んだ状態でロールが成形されるので、これを現像ロールとして用いて印刷した印刷物の画像は、いずれの環境下でも不良の評価が得られた。
また、比較例4の導電性ロールは、A液を製造する過程での真空脱水操作において、触媒(ネオスタンU−28)が揮発することにより触媒量が減少し、それに伴ってウレタン反応速度が低下するため、ウレタンの硬化前に熱でカーボンブラックが再凝集し、カーボンブラックの分散にムラが生じたものとなる。そのため、これを現像ロールとして用いて印刷した印刷物の画像は、LL環境下では印字濃度にバラつきが見られて不良の評価が得られ、NN環境下及びHH環境下では、やや不良な評価が得られた。
また、比較例5の導電性ロールは、ウレタン反応速度が遅く、ウレタンの硬化前に熱でカーボンが再凝集したために、NN環境下でこれを現像ロールとして用いて印刷した印刷物の画像は、印字濃度にバラツキがあり、不良の評価が得られ、LL環境下及びHH環境下では、共に不良の評価が得られた。

また、比較例6の導電性ロールは、ポリプロピレン製押出しチューブを用いて成形しているので、比較例3のように気泡の巻き込みは生じなかったが、反応の進行によりカーボンブラックが固定されるまでの時間が長いために再凝集が生じたためか、いずれの環境でもやや不良の評価であった。
また、比較例7の導電性ロールも、反応速度が遅すぎるためにカーボンの再凝集が生じ、いずれの環境でも不良の評価であった。
(試験例2):カーボンブラックの分散評価
実施例1〜6、比較例2〜7の導電性ロールの断面を顕微鏡で観察し、各現像ロール表面近傍のカーボンブラックの分散具合を評価した。この結果を下記表2に示す。また、実施例1、3、5及び比較例2〜7(比較例3は除く)に係る導電性ロールの断面の拡大写真をそれぞれ図1〜8に示す。
Figure 0004573299
上記表2に示すように、実施例1の導電性ロールは、とても均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。具体的には、図1に示すように、その他の実施例(実施例2を除く)や比較例2と比べ、カーボンブラックは、より均一に分散していた。
また、実施例2の導電性ロールも、とても均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。断面は図1と同等であった。
実施例3の導電性ロールは、均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。具体的には、図2に示すように、カーボンブラックは、均一に分散していた。
また、実施例4の導電性ロールも、均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。断面は図2と同等であった。
実施例5の導電性ロールは、均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。具体的には、図3に示すように、カーボンブラックは均一に分散していた。
また、実施例6の導電性ロールも、均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。断面は図5と同等であった。
一方、比較例2の導電性ロールも、実施例1〜6には及ばないが、均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。具体的には、図4に示すように、カーボンブラックは、均一に分散していたが、ビスマス系組成物を併用した実施例1〜6と比較するとカーボンの均一分散性に若干難が見られた。
また、比較例3の導電性ロールは、ピンホールが発生しており、不均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。
比較例4の導電性ロールは、やや不均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。具体的には、図5に示すように、カーボンブラックは、やや不均一に分散していた。
また、比較例5の導電性ロールは、不均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。具体的には、図6に示すように、再凝集した結果、生じるカーボンの抜けたゴム領域の部分(黒く見える部分)がとても大きく発達しているのが観察された。
一方、比較例6の導電性ロールは、やや不均一なカーボンブラック分散の評価が得られた。具体的には、図7に示すように、カーボンブラックはやや不均一に分散していた。
さらに、比較例7の導電性ロールは、不均一なカーボンブラック分散の評価が得られ、具体的には、図8に示すように、再凝集した結果、生じるカーボンの抜けたゴム領域の部分(黒く見える部分)が多く観察された。
(試験例3):インピーダンス測定
各実施例及び各比較例(比較例1を除く)の導電性ロール(処理品という)と、表面処理を行う前の導電性ロール(未処理品という)のインピーダンス特性をそれぞれインピーダンスアナライザー(BHA社製;インピーダンスアナライザーIM6e)を用いて測定した。測定は、N/N環境(25℃、50%RH)下、ロールの両端に500gの荷重をかけた状態で、印加電圧を0.2Vとして測定し、交流周波数1HzにおけるインピーダンスZ(Ω)から抵抗成分Zr(Ω)と容量性リアクタンス成分Zc(Ω)の比であるZr/Zcを求めた。その結果を表3に示す。また、実施例1〜6及び比較例2〜7の未処理品の周波数特性を図9〜図20に示す。
Figure 0004573299
上記表3に示すように、実施例1〜6の未処理品は、Zr/Zcが5〜25の範囲に入り、カーボンの分散状態が良好であることが裏付けられた。一方、比較例3はピンホールがあるためか、Zr/Zcが5より小さかった。また、比較例4は、熱でカーボンが凝集してストラクチャーが大きく発達したため、Zr/Zcが5より小さかった。比較例5においては、さらに熱でカーボンが凝集してストラクチャーが大きく発達したために、Zr/Zcが5より小さかった。比較例6では、カーボンの再凝集が生じているためか、Zr/Zcが25を超え、分散状態がやや不良であることが確認された。さらに比較例7においては、カーボンの再凝集がより進んだためかZr/Zcが25を大きく超えて、分散状態が不良であることが確認された。なお、表面処理を行った処理品の表面処理層を研磨して同様にインピーダンスを測定したところ、Zr/Zcは未処理品のそれと同等な値になることが確認された。
本発明の実施例1に係る導電性ロールの断面の拡大写真である。 本発明の実施例3に係る導電性ロールの断面の拡大写真である。 本発明の実施例5に係る導電性ロールの断面の拡大写真である。 比較例2に係る導電性ロールの断面の拡大写真である。 比較例4に係る導電性ロールの断面の拡大写真である。 比較例5に係る導電性ロールの断面の拡大写真である。 比較例6に係る導電性ロールの断面の拡大写真である。 比較例7に係る導電性ロールの断面の拡大写真である。 本発明の実施例1に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 本発明の実施例2に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 本発明の実施例3に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 本発明の実施例4に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 本発明の実施例5に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 本発明の実施例6に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 比較例2に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 比較例3に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 比較例4に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 比較例5に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 比較例6に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。 比較例7に係る表面処理を行う前の導電性ロールのZrおよびZcの周波数特性のグラフである。

Claims (12)

  1. 芯金の外周に少なくとも一層のカーボンブラックにより導電性が付与された導電性弾性層を有する導電性ロールであって、前記導電性弾性層が、少なくともポリエーテル系ポリオールを主体とするポリオールとジイソシアネートとを、触媒として4価の有機錫系化合物と有機ビスマス系組成物とを用いて反応させたポリウレタンからなることを特徴とする導電性ロール。
  2. 請求項1において、前記有機錫系化合物と前記有機ビスマス系組成物との重量比が9:1〜1:9であり、且つ前記ポリオールに対する前記有機錫系化合物と前記有機ビスマス系組成物との総重量が0.001〜0.05重量%である導電性ロール。
  3. 請求項1又は2において、前記有機ビスマス系組成物が有機ビスマス系化合物又は有機ビスマス系化合物をカルボン酸で希釈したものであることを特徴とする導電性ロール。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記導電性弾性層の表面に、少なくともイソシアネート成分を含有する表面処理液で表面処理された表面処理層を具備することを特徴とする導電性ロール。
  5. 請求項4において、前記表面処理液が、さらにカーボンブラックと、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーとの少なくとも一方を含有したものであることを特徴とする導電性ロール。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記導電性弾性層に周波数1Hzの交流電圧0.2Vを印加した際のインピーダンスZ(Ω)から算出される抵抗成分Zr(Ω)と容量性リアクタンス成分Zc(Ω)の関係が、下記式を満足することを特徴とする導電性ロール。
    Figure 0004573299
  7. 芯金の外周に少なくとも一層のカーボンブラックにより導電性が付与された導電性弾性層を有する導電性ロールの製造方法において、ポリエーテル系ポリオールを主体とするポリオールとジイソシアネートとを、4価の有機錫系化合物と有機ビスマス系組成物との存在下で反応させたポリウレタンを前記導電性弾性層とすることを特徴とする導電性ロールの製造方法。
  8. 請求項7において、前記有機錫系化合物と前記有機ビスマス系組成物との重量比が9:1〜1:9であり、且つ前記ポリオールに対する前記有機錫系化合物と前記有機ビスマス系化合物との総重量が0.001〜0.05重量%である導電性ロールの製造方法。
  9. 請求項7又は8において、前記有機ビスマス系組成物が、有機ビスマス系化合物又は有機ビスマス系化合物をカルボン酸で希釈したものであることを特徴とする導電性ロールの製造方法。
  10. 請求項7〜9の何れかにおいて、前記導電性弾性層の表面に、少なくともイソシアネート成分を含有する表面処理液で表面処理された表面処理層を形成する工程を具備することを特徴とする導電性ロールの製造方法。
  11. 請求項10において、前記表面処理液が、さらにカーボンブラックと、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーとの少なくとも一方を含有したものであることを特徴とする導電性ロールの製造方法。
  12. 請求項7〜11の何れかにおいて、前記導電性弾性層に周波数1Hzの交流電圧0.2Vを印加した際のインピーダンスZ(Ω)から算出される抵抗成分Zr(Ω)と容量性リアクタンス成分Zc(Ω)の関係が、下記式を満足することを特徴とする導電性ロールの製造方法。

    Figure 0004573299


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