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JP4575172B2 - 排気流路制御弁 - Google Patents
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JP4575172B2 - 排気流路制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関(例えば、自動車のエンジン等)の排気流路に配置される排気流路制御弁に関する。詳しくは、排気流路を流れる排気ガスの圧力が所定値以上となったときに開弁する排気流路制御弁に関する。
内燃機関の排気流路には、排気ガスの圧力が所定値以上となると開弁する排気流路制御弁が配置される。例えば、自動車のエンジンの排気系では、消音器内に消音器の通気抵抗を低減させるバイパス流路が設けられ、このバイパス流路に排気流路制御弁が配置される。排気流路制御弁は、排気ガスの圧力が高圧のときは開弁してエンジン出力を高出力化し、排気ガスの圧力が低いときは閉弁して消音性能を高める。
従来、この種の排気流路制御弁としてはバタフライ弁が用いられてきたが、バタフライ弁は弁開度に比例してばね荷重が線形的に増加する。したがって、排気ガスの圧力が所定値となって開弁を開始しても、弁が全開となるためには排気ガスの圧力がかなり高くなる必要があった。そこで、弁開度の増加に対する弁開き荷重の増加率を緩やかとし、排気ガスの圧力が所定値を超えると一気に全開となり、充分な弁開度を得ることができる排気流路制御弁が開発されている(特許文献1)。
特許文献1の排気流路制御弁は、エンジンの排気ガスが流れるハウジングと、ハウジングに装着した弁体と、弁体を閉じ側に付勢するねじりコイルばねを備える。ねじりコイルばねは弁体の反ハウジング側に配置される。ねじりコイルばねのコイル部は、弁体の略中央に設けたばね受け部に支持され、コイル部の巻回軸線は弁体表面に略平行となっている。ねじりコイルばねのアームは、ばね取付部材に支持されており、ばね取付部材に対してその軸線方向に摺動自在となっている。これらの部品が組み立てられるとアームが回転変位し、アームの回転変位により発生するコイル部の撓み反力によって弁体が閉じ側に付勢される。
この排気流路制御弁では、弁体が開き側に変移すると、ねじりコイルばねのアームがばね取付部材に対して摺動し、コイル部の撓み反力を生じるアームの有効長(荷重作用半径)が変化する。したがって、弁体の開き側への変移に伴ってアームの有効長が長くなるように設定することで、弁開き荷重の増加を低く抑えることができる。これにより、排気ガスの圧力が所定値を超えると一気に全開となり、充分な弁開度を得ることができる。
特許3326746号
上述した説明から明らかなように特許文献1の排気流路制御弁では、組立時におけるねじりコイルばねのアームの回転角度によって開弁時の弁開き荷重が決定される。組立時のアームの回転角度は、組立前のアーム角度と、組立後のアーム角度によって決まる。組立後のアーム角度はハウジングやばね取付部材の寸法から一定値となるため、開弁時の弁開き荷重を所望の値とするためには、組立前のアーム角度をコントロールする必要がある。
しかしながら、ねじりコイルばねの製造工程には時効処理等の熱処理工程が含まれ、この熱処理工程によってねじりコイルばねの形状、特に自由時のアーム相対角度が変化する。熱処理工程による形状変化の程度はバラツキが大きく、ねじりコイルばねの形状精度を高めることは困難であった。特に、排気流路制御弁に用いられるねじりコイルばねは、高温の排気ガス(例えば、500〜600℃)によって加熱されるものであるため、インコネル等の特殊な材料が用いられる。このような特殊な材料を用いた場合、熱処理による形状変化のバラツキがより大きくなり、熱処理後の形状精度を高めることは困難であった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ねじりコイルばねの形状にバラツキが生じる場合であっても、所望の弁開き荷重(開弁時の弁開き荷重)に設定することができる排気流路制御弁とその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願第1の排気流路制御弁は、内燃機関からの排気ガスが流れる排気流路に配置され、排気ガスの圧力が所定値以上となると開弁する排気流路制御弁である。この排気流路制御弁は、排気流路が形成されたハウジングと、ハウジングの一端から離れて排気流路を開く開位置と、ハウジングの一端に当接して排気流路を閉じる閉位置とに移動可能とされる板状の弁体と、弁体の反ハウジング側に配置されたねじりコイルばねと、ねじりコイルばねのアームをその軸線方向に摺動自在に支持するばね取付部材を備えている。ねじりコイルばねは、ばね素線がコイル状に巻回されたコイル部と、コイル部の両端に設けられたアームとを有し、コイル部は弁体の略中央でその巻回軸線が弁体表面と略平行となるように配置されており、コイル部の撓み反力によって弁体を閉じ側に付勢する。ばね取付部材には、弁体を案内する案内部と、ねじりコイルばねのアームをその軸線方向に摺動自在に支持するばね取付孔が形成されている。そして、ばね取付部材のばね取付孔にねじりコイルばねのアームを組付けた状態で、弁体が閉位置にあるときのアームの回転角度が変更できるように、ハウジングに対するばね取付部材の取付位置が調整可能となっている。
この排気流路制御弁では、ハウジングとばね取付部材が別部材で構成され、ハウジングに対するばね取付部材の取付け位置が調整可能となっている。このため、ねじりコイルばねの形状にバラツキが生じても、ハウジングに対するばね取付部材の取付け位置を調整することで、開弁時の弁開き荷重を所望の値に調整することができる。
また、上記課題を解決するために、本願第2の排気流路制御弁は、内燃機関からの排気ガスが流れる排気流路に配置され、排気ガスの圧力が所定値以上となると開弁する排気流路制御弁である。この排気流路制御弁は、排気流路が形成されたハウジングと、ハウジングの排気流路を開閉する弁体と、弁体の反ハウジング側に配置されたねじりコイルばねを備えている。ねじりコイルばねは、ばね素線がコイル状に巻回されたコイル部と、コイル部の両端に設けられたアームとを有し、コイル部は弁体の略中央でその巻回軸線が弁体表面と略平行となるように配置されており、コイル部の撓み反力によって弁体を閉じ側に付勢する。そして、ハウジングには、ねじりコイルばねのアームをその軸線方向に摺動自在に支持するばね取付孔が複数形成されており、アームを取付けるばね取付孔を変更することで弁体が閉じ位置にあるときのアームの回転角度が変更される。
この排気流路制御弁では、ハウジングに複数のばね取付孔が形成されており、ねじりコイルばねの取付け位置を変更することができる。このため、ねじりコイルばねの形状にバラツキが生じても、そのバラツキに応じてねじりコイルばねの取付け位置を変更することで、開弁時の弁開き荷重を所望の値に調整することができる。
上記の各排気流路制御弁においては、弁体が閉じ位置にあるときに、アーム取付位置(すなわち、第1の排気流路制御弁におけるばね取付部材へのアーム取付け位置、第2の排気流路制御弁におけるばね取付孔の位置)の高さがコイル部の上面より低く、かつ、コイル部の下面より高いことが好ましい。
アーム取付位置の高さをコイル部の上面より低くするのは、アーム取付位置の高さがコイル部の上面より高いと、弁体の開き側への移動に伴ってアームの有効長が短くなり、弁開度の増加に対する弁開き荷重の増加率が大きくなってしまうためである。一方、アーム取付位置の高さをコイル部の下面より高くするのは、アーム支持位置の高さがコイル部の下面より低くなると、アーム取付け部に対するアームの摺動量が増加してしまうためである。
また、ハウジングと弁体とのシール面には金属メッシュシートが配設されていることが好ましい。ハウジングと弁体とのシール面に金属メッシュシートを配設することで、閉弁時のシール性を向上でき、また、閉弁時の打音の発生を抑制することができる。ハウジングと弁体とのシール面に金属メッシュシートを配設する場合には、金属メッシュシートは、ハウジングに溶接される溶接部と、ハウジングと弁体とのシール面をシールするシール部と、を有しており、シール部ではハウジングに溶接されていないことが好ましい。
さらに、弁体の略中央にはねじりコイルばねのコイル部を保持するばね受け部が形成されており、コイル部とばね受け部との間に金属メッシュシートが配設されていることが好ましい。コイル部とばね受け部との間に金属メッシュシートを配することで、コイル部とばね受け部の摩擦抵抗が減少し、過大なヒステリシスの発生を抑制することができる。
また、本発明は、上記第1の排気流路制御弁を製造するための新規な製造方法を提供する。すなわち、本発明の排気流路制御弁の製造方法は、上記第1の排気流路制御弁を製造する方法であって、ハウジングに弁体を組付ける工程と、ねじりコイルばねのアームをばね取付部材に組付ける工程と、弁体が組み付けられたハウジングに対して、ねじりコイルばねが組み付けられたばね取付部材を固定する工程と、を有する。
そして、前記固定工程は、(1)ハウジングに対するばね取付部材の取付位置を変更しながらねじりコイルばねから弁体に作用する押圧力を計測する工程と、(2)測定された押圧力が設定値となった位置でばね取付部材をハウジングに固定する工程とを有する。
この製造方法によると、ねじりコイルばねから弁体に作用する押圧力を計測し、その計測値が設定値となったときにばね取付部材をハウジングに固定する。このため、開弁時の弁開き荷重を所望の値に設定することができる。
次に、本発明を具現化した第1実施形態の排気流路制御弁について添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜4には本実施形態に係る排気流路制御弁の全体構成が示されている。図1〜4に示すように、排気流路制御弁は管状のパイプ材からなるハウジング30を備えている。ハウジング30の下端(排気管接続口)には自動車等のエンジンから排出されるガスが導入され、ハウジング30内を排気ガスが流れるようになっている。ハウジング30の上端(排気口)は、弁体20によって開閉可能に閉じられている。
弁体20は、プレス成形等によって製造される板成形品である。図4に良く示されるように弁体20は、その中央にばね受け部22が形成され、その外周上の対向する位置に一対の溝24a,24bが形成されている。ばね受け部22は、ハウジング側に凹に形成されており、ねじりコイルばね40のコイル部41の形状に応じた形状に形成されている。
弁体20の裏面(ハウジング側の面)には、リング形状の金属メッシュシート32がスポット溶接等によって固着されている。金属メッシュシート32は、金属線を編込んでメッシュ状にしたものであり、ある程度の弾力性を備えている。金属メッシュシートとしては、例えばステンレス鋼線を用いたものがあり、その他焼結多孔質金属板、黒鉛と金属線の複合体、セラミックス繊維からなるシート等を用いることができる。弁体20がハウジング30の上端(排気口)を閉じると、金属メッシュシート32がハウジング30のシール面と当接するようになっている。金属メッシュシート32が弾力性を有することから、金属メッシュシート32によってシール性の向上と、弁体20が閉弁する時の弁体20とハウジング30との打音の発生防止が図られている。
弁体20の反ハウジング側にはねじりコイルばね40が配されている。ねじりコイルばね40は、ばね素線をコイル状に巻回したコイル部41と、コイル部41の両端に形成されたアーム42a、42bを備えている。コイル部41は、弁体20のばね受け部22に保持されている。コイル部41の外周がばね受け部22に保持されると、コイル部41の巻回軸線が弁体20(弁体20の上面)と略平行となっている。
ねじりコイルばね40のアーム42a,42bは、ばね取付部材12に形成された取付孔14a,14bにそれぞれ取付けられる。アーム42a,42bは、取付孔14a,14bに対してその長手方向に摺動自在に支持される。
また、ばね取付部材12には、弁体20を案内する案内部16a,16bと、それら案内部16a,16bの下端に連なる固定部18a,18bが形成されている。案内部16a,16bは、ばね取付部材12がハウジング30に固定されたときに、弁体20の溝24a,24bを案内する。弁体20は、案内部16a,16bに案内されることで、図1に示す閉弁状態から図3に示す開弁状態まで移動することができる。なお、図3に示す開弁状態では、弁体20の上面がばね取付部材12に当接し、弁体20のそれ以上の開弁方向への移動が規制される。
固定部18a,18bは、溶接等によってハウジング30に固定される部位である。ばね取付部材12にねじりコイルばね40を取付けた状態で固定部18a,18bがハウジング30に固定されると、アーム42a、42bが回転方向に撓み、コイル部の撓み反力によって弁体20を閉じ側に付勢する。ねじりコイルばね40から弁体20へ作用する押圧力は、ばね取付部材12のハウジング30への取付位置を調整することで調整することができる。
図5はばね取付部材12のハウジング30への取付位置の調整方法を模式的に示す図である。ばね取付部材12をハウジング30へ取付るためには、まず、図5(a)に示すように、ハウジング30に弁体20を組付けた状態とする共に、ばね取付部材12にねじりコイルばね40を組付けた状態とする。
次に、図5(b)に示すように、ばね取付部材12に操作力P’を加えて、ばね取付部材12をハウジング30の上方から下方にスライド移動させる。ばね取付部材12に加える操作力P’は、ねじりコイルばね40からの反力と釣り合い、また、ねじりコイルばね40から弁体20に作用する押圧力P’に等しい。したがって、ばね取付部材12に加える操作力P’を計測しながらばね取付部材12を下方に移動させ、操作力P’が所望の値となったときに固定部18a,18bをハウジング30に固定する。このような組付方法を用いると、ねじりコイルばね40を所望のセット荷重に設定することができ、これによって所望の排気ガス圧力となったときに弁体20を開弁させることができる。
上述した排気流路制御弁では、ハウジング30内を流れる排気ガスの圧力が所定値より低いと弁体20がハウジング30の排気口を閉じ、排気ガスの圧力が所定値より高くなると弁体20がハウジング30の排気口を開ける。弁体20が開き方向に移動すると、ねじりコイルばね40のアーム42a,42bが摺動し、アーム42a,42bの荷重作用半径が長くなる。このため、弁体の移動量(弁開度)の増加に対して弁開き荷重の増加率を低く抑えることができる。ここで、荷重作用半径とは、コイル中心から取り付け位置までの距離をいう。
図6は上述した排気流路制御弁の弁開度と弁開き荷重の関係を示すグラフである。図中、比較例としてバタフライ式の排気流路制御弁の結果と、ばねの形状誤差による影響(ばね取付部材12の位置調整を行わないときの結果)を併せて示している。図6より明らかなように、本実施形態の排気流路制御弁は、弁開度に対する弁開き荷重の上昇率が低く抑えられている。このため、排気ガスの圧力が所定値を越えると速やかに弁体20が開き、充分な弁開度を得ることができる。
また、図に示すように、ばねに形状誤差が生じると、所望の「弁開度−弁開き荷重」の特性(図中、中心値で示されている)からのずれが生じる。しかしながら、本実施形態では、ハウジング30に対するばね取付部材12の取付位置を調整することで、所望の「弁開度−弁開き荷重」に設定することができる。
上述したことから明らかなように、第1実施形態の排気流路制御弁では、ねじりコイルばね40に形状誤差があっても、ハウジング30に対するばね取付部材12の取付位置を調整することで、所望の「弁開度−弁開き荷重」特性に設定することができる。
また、本実施形態では、弁体12を板成形品として一体で成形しているため強度が向上し、これによって振動の低減や、耐久性や信頼性を向上することができる。また、弁体12に直接ねじりコイルばね40を受けるばね受け部22を設けているため、部品点数が削減でき低コストで製造することができる。
さらに、弁体12の反ハウジング側にねじりコイルばね40を配することから、ねじりコイルばね40が高温の排気ガスに直接晒されることが防止され、ばねの熱へたりが抑制される。
(第2実施形態) 次に、第2実施形態に係る排気流路制御弁を説明する。図7,8は第2実施形態に係る排気流路制御弁を示す斜視図である。
図7,8に示すように、第2実施形態の排気流量制御弁では、ハウジング60にばね取付部62,66が立設されている。ばね取付部62,66には3つのばね取付孔64,68が形成されている。3つのばね取付孔64,68には、ねじりコイルばね40のアーム42a,42bが選択的に取付けられる。したがって、ねじりコイルばね40のアーム42a,42bを取付ける位置を調整することで、ねじりコイルばね40から弁体20に作用する押圧力及び「弁開度−弁開き荷重」特性を選択することができる。
図9は3つのばね取付孔64(63)にねじりコイルばね40のアーム42a(42b)を取付けたときのアーム42a(42b)のねじり角がそれぞれ示されている。図9に示すように、アーム42a(42b)を取付けるばね取付孔64を上から下に移動すると、アーム42a(42b)のばねねじり角が増加していることが示されている。
図10は各ばね取付孔の位置での「弁開度−弁開き荷重」特性が示されている。ばね取付孔が上(−)側の位置では、開弁時の弁開き荷重を低くできる一方で、弁開度が増加するにつれて荷重作用半径が短くなるため、弁開き荷重は徐々に増加する傾向を示している。ばね取付孔が中央(正規)の位置では、開弁時の弁開き荷重が高くなるものの、弁開度が増加するにつれて荷重作用半径が長くなるため、弁開き荷重の増加が抑制されている。ばね取付孔が下(+)側の位置では、上記の傾向がより顕著となる。このため、ばね取付孔64(63)の位置を変えることで、開弁時の弁開き荷重と「弁開度−弁開き荷重」特性を選択することができる。
また、ハウジング60の上端(排気口)は拡径されてフランジ63が形成され、フランジ63において弁体70の下面と当接する。ハウジング60には金属メッシュシート80が固定される。金属メッシュシート80は、ハウジング60のフランジ63に当接するシール部82と、ハウジング60の拡径部61(R形状部)に当接する溶接部84を備えている。金属メッシュシート80は、溶接部84においてハウジング60に溶接されており、シール部82では溶接されていない。すなわち、溶接箇所では「へこみ」や硬化が生じるため、緩衝性能の低下やシール性が悪化する。このため、ハウジング60と弁体70のシール面をシールするシール部82で溶接を行わないことで、シール性能の向上と、緩衝性能の維持を図っている。
なお、弁体20の上面にばね受け部72が形成される点、弁体70の外周に溝74a,74bが形成される点は第1実施形態と同様である。弁体70の溝74a,74bはハウジング60のばね取付部62,66に案内され、弁体70が閉弁状態から開弁状態までスライド移動する。
上述したことから明らかなように、第2実施形態の排気流路制御弁では、ハウジング60に立設したばね取付部62,66に複数のばね取付孔64,68を形成されている。このため、同一のねじりコイルばねを用いて、異なる開弁時の弁開き荷重と「弁開度−弁開き荷重」特性を実現することができる。また、ねじりコイルばねの形状に誤差が生じても、そのねじりコイルばねの形状に応じてばね取付孔64,68を選択することで、開弁時の弁開き荷重と「弁開度−弁開き荷重」特性を許容範囲内とすることができる。
また、第2実施形態では、部品点数がより少なくなっているため、製造コストを抑えることができる。
なお、上述した第1及び第2実施形態の説明からも明らかなように、ねじりコイルばねから弁体に作用する力は、ばね取付位置によって大きく変化する。ばねに発生する荷重の方向と、ねじりコイルばねから弁体に作用する力の方向が異なるためである。
例えば、図11に示すようにばね取付孔位置がねじりコイルばねのコイル部中心となる場合、アームに作用するトルクと、ねじりコイルばねから弁体70に作用する力は同一方向となる。一方、図12に示すようにばね取付孔位置がねじりコイルばねのコイル部上面となる場合、アームに作用するトルクと、ねじりコイルばねから弁体70に作用する力はアームの角度θだけ異なる方向となる。したがって、第2実施形態において、ばね取付孔の位置をいかなる位置に設けるかは、「弁開度−弁開き荷重」特性を決定する上で重要となる。
図13は、ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの上面高さとした場合と、ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの中心高さとした場合と、ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの下面高さとした場合の、「弁開度−弁開き荷重」特性を示している(ただし、ねじりコイルばねの位置は閉弁時の位置(セット位置)を基準としている。)。
図13から明らかなように、ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの上面高さとした場合は、弁開度の増加に応じて荷重作用半径も短くなるため、弁開き荷重の増加が顕著となる。この場合における、閉弁時と最大開弁時にアームに作用する荷重の方向とねじりコイルばねに作用する弁体からの反力の関係を図16に示している。図中(a)は弁体が最大開弁時の状態を示し、(b)は弁体が閉じた状態を示している。(a)と(b)の比較から明らかなように、弁体の開度が大きくなるに伴ってばね取付孔から突出しているアーム長が長くなり、荷重作用半径が短くなっている。
また、ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの中心高さとした場合は、弁開度の増加に応じて荷重作用半径が若干長くなるため、弁開き荷重の増加を抑制することができる。この場合における、閉弁時と最大開弁時にアームに作用する荷重の方向とねじりコイルばねに作用する弁体からの反力の関係を図15に示している。図中(a)は弁体が最大開弁時の状態を示し、(b)は弁体が閉じた状態を示している。(a)と(b)の比較から明らかなように、弁体の開度が大きくなるに伴ってばね取付孔から突出しているアーム長が短くなり、荷重作用半径が長くなっている。
さらに、ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの下面高さとした場合は、弁開度の増加に応じて荷重作用半径が長くなる程度が大きいため、逆に弁開き荷重は小さくなっている。この場合における、閉弁時と最大開弁時にアームに作用する荷重の方向とねじりコイルばねに作用する弁体からの反力の関係を図14に示している。図中(a)は弁体が最大開弁時の状態を示し、(b)は弁体が閉じた状態を示している。(a)と(b)の比較から明らかなように、弁体の開度が大きくなるに伴ってばね取付孔から突出しているアーム長が短くなり、荷重作用半径が長くなっている。また、図14と図15の比較から明らかなように、図14に示す場合は弁開度に伴って荷重作用半径が長くなる程度が大きい。このため、図13に示すように、弁開度が増加すると弁開き荷重が減少することとなる。
したがって、上述した「弁開度−弁開き荷重」特性を考慮してばね取付孔位置を考慮する必要がある。
ただし、上述した説明からも明らかなように、ばね取付孔の位置を変えると、弁体が最大弁開度まで移動する間のアームのばね取付孔に対するスライド量も変化する。アームのスライド量が大きくなると、その分摩擦損失が大きくなり、ヒステリシスも大きくなる。適度なヒステリシスは振動低減等に有用であるが、過剰なヒステリシスは弁体が完全に閉まらないという事態を招くこととなる。
図17は、ばね取付孔の位置と、その位置におけるばね取付孔から突出するアームの長さとの関係を模式的に示す図である。図17から明らかなように、ばね取付孔の位置がばね中心のとき、ばね取付孔から最もアームが突出している。そして、ばね取付孔の位置がばね中心から離れるに応じてばね取付孔からのアーム突出長さは小さくなる。したがって、ばね取付孔がばね中心を挟んで+D/2から−D/2の範囲にあると、最もスライド量を少なくすることができる。
図18は、セット時のばね取付孔の位置と、その位置にばねをセットしたときの弁開度最大のときのアームのスライド量との関係を示している。図18から明らかなように、セット時のばね取付孔位置がコイル中心より上にあると(図中の右側)、弁体が閉弁した状態から最大開度まで移動するとアーム突出長さは増大する。一方、セット時のばね取付孔位置がコイル中心より下にあると(図中の左側)、弁体が閉弁した状態から最大開度まで移動するとアーム突出長さが減少する。アーム突出長さが減少しすぎると、アームがばね取付孔より外れる危険性があり採用できない。
これらの結果から、セット時のばね取付孔位置は、ねじりコイルばねのコイル上面高さより低く、コイル下面高さより高いところで決定することが好ましいこととなる。
なお、セット時のばね取付孔の位置は、ねじりコイルばねの素線に作用する応力にも影響する。図19はセット時のばね取付孔の位置と、セット時にばね素線に作用する応力の関係を示している。同図はセット荷重を所望の値に調整した時の各ばね取付孔位置での応力値を示している。図19に示すように、セット時のばね取付孔の位置がばね中心高さのときに最も応力が小さく、ばね中心から遠くなるに伴って応力も高くなる。これは、セット時のばね取付孔の位置がばね中心から遠くなるにつれて、ばねに作用するモーメントが弁体を押圧する力として有効に利用されないためである。ばね素線に作用する応力が大きくなると、ばねのへたりや耐久性の面で問題となる。したがって、応力の観点からも、セット時のばね取付孔の位置をね中心高さの付近に設定することが好ましい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した実施形態では、ねじりコイルばねのアームが直線状のものを例に説明したが、本発明はこのような形態に限られない。例えば、図20に示すように、ばね取付孔の位置が制限される場合は、屈曲したアームを有するねじりコイルばねを用いることもできる。
また、図21に示すように、ねじりコイルばね40と弁体70のばね受け部との間に金属線ニットメッシュの圧縮成形品86を配設することもできる。このような構成を採用すると、弁体とねじりコイルばねとの間の摩擦係数が低く抑えられ、ヒステリシスの発生を抑制することができる。図22に圧縮成形品86を配したときと、配していないときのヒステリシスループを示している。図22から明らかなように、圧縮成形品86を配することでヒステリシスを低減することができる。
さらに、図23に示すように、排気流路制御弁10の排気口側をパンチングメタルで覆うことも好ましい。排気口側をパンチングメタルで覆い、開弁時に発生する排気ガスの乱れを整流することで気流音を低減することができる。また、図24に示すように、弁体20にパンチングメタル26を取付けるようにしてもよい。図24に示す構造を採る場合、弁体20に均一に排気ガスの圧力が作用するため、気流音低減に加えて、弁体の安定した開閉動作を行うことができる。なお、図25にはパンチングメタルを設けたときと、設けていないときの音圧レベルの測定結果を示している。図25から明らかなように、パンチングメタルを設けることで、気流音の高周波成分が低減されていることが分かる。
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施形態に係る排気流路制御弁の閉弁時の斜視図。 第1実施形態の排気流路制御弁を異なる方向から見た斜視図。 第1実施形態の排気流路制御弁の開弁時の斜視図。 第1実施形態の排気流路制御弁の分解斜視図。 ばね取付部材のハウジングへの取付位置の調整方法を模式的に示す図。 第1実施形態の排気流路制御弁の弁開度と弁開き荷重の関係を示すグラフ。 第2実施形態に係る排気流路制御弁の閉弁時の斜視図。 第2実施形態に係る排気流路制御弁の分解斜視図。 ばね取付孔位置とねじりコイルばねのアーム角度の関係を模式的に示す図。 取付孔位置を変えたときの「弁開度−弁開き荷重」特性を示す図。 アームに作用するモーメントと、弁体に作用する押圧力の関係の一例を併せて示す図。 アームに作用するモーメントと、弁体に作用する押圧力の関係の他の例を併せて示す図。 ばね取付孔を変えたときの「弁開度−弁開き荷重」特性を示す図。 ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの下面高さとした場合の、閉弁時と最大開弁時にアームに作用するトルクの方向とねじりコイルばねに作用する弁体からの反力の関係を示す図。 ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの中央高さとした場合の、閉弁時と最大開弁時にアームに作用するトルクの方向とねじりコイルばねに作用する弁体からの反力の関係を示す図。 ばね取付孔の位置をねじりコイルばねの上面高さとした場合の、閉弁時と最大開弁時にアームに作用するトルクの方向とねじりコイルばねに作用する弁体からの反力の関係を示す図。 ばね取付孔の位置と、その位置におけるばね取付孔から突出するアームの長さとの関係を模式的に示す図。 セット時のばね取付孔の位置と、その位置にばねをセットしたときの弁開度最大のときのアームのスライド量との関係を示す図。 セット時のばね取付孔の位置と、セット時にばね素線に作用する応力の関係を示す図。 本実施形態に係る排気流路制御弁の変形例を説明するための図。 本実施形態に係る排気流路制御弁の他の変形例を説明するための図。 図21に示す変形例のヒステリシス低減効果を説明するための図。 本実施形態に係る排気流路制御弁の他の変形例を説明するための図。 本実施形態に係る排気流路制御弁の他の変形例を説明するための図。 気流音を実測した結果を示す図。
符号の説明
10・・排気流路制御弁
12・・ばね取付部材
20・・弁体
30・・ハウジング
40・・ねじりコイルばね

Claims (6)

  1. 内燃機関からの排気ガスが流れる排気流路に配置され、排気ガスの圧力が所定値以上となると開弁する排気流路制御弁であって、
    排気流路が形成されたハウジングと、
    ハウジングの一端から離れて排気流路を開く開位置と、ハウジングの一端に当接して排気流路を閉じる閉位置とに移動可能とされる板状の弁体と、
    弁体の反ハウジング側に配置され、ばね素線がコイル状に巻回されたコイル部と、コイル部の両端に設けられたアームとを有し、コイル部は弁体の略中央でその巻回軸線が弁体表面と略平行となるように配置されており、コイル部の撓み反力によって弁体を閉じ側に付勢するねじりコイルばねと、
    ねじりコイルばねのアームをその軸線方向に摺動自在に支持するばね取付部材と、を備えており、
    ばね取付部材には、弁体を案内する案内部と、ねじりコイルばねのアームをその軸線方向に摺動自在に支持するばね取付孔が形成されており、
    ばね取付部材のばね取付孔にねじりコイルばねのアームを組付けた状態で、弁体が閉位置にあるときのアームの回転角度が変更できるように、ハウジングに対するばね取付部材の取付位置が調整可能となっていることを特徴とする排気流路制御弁。
  2. 内燃機関からの排気ガスが流れる排気流路に配置され、排気ガスの圧力が所定値以上となると開弁する排気流路制御弁であって、
    排気流路が形成されたハウジングと、
    ハウジングの排気流路を開閉する弁体と、
    弁体の反ハウジング側に配置され、ばね素線がコイル状に巻回されたコイル部と、コイル部の両端に設けられたアームとを有し、コイル部は弁体の略中央でその巻回軸線が弁体表面と略平行となるように配置されており、コイル部の撓み反力によって弁体を閉じ側に付勢するねじりコイルばねと、を有し、
    ハウジングには、ねじりコイルばねのアームをその軸線方向に摺動自在に支持するばね取付孔が複数形成されており、
    アームを取付けるばね取付孔を変更することで、弁体が閉位置にあるときのアームの回転角度が変更されることを特徴とする排気流路制御弁。
  3. 弁体が閉位置にあるときに、アーム取付位置の高さがコイル部の上面より低く、かつ、コイル部の下面より高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の排気流路制御弁。
  4. ハウジングと弁体とのシール面には金属メッシュシートが配設されており、
    その金属メッシュシートは、ハウジングに溶接される溶接部と、ハウジングと弁体とのシール面をシールするシール部と、を有しており、シール部ではハウジングに溶接されていないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排気流路制御弁。
  5. 弁体の略中央にはねじりコイルばねのコイル部を保持するばね受け部が形成されており、コイル部とばね受け部との間に金属メッシュシートが配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の排気流路制御弁。
  6. 排気流路が形成されたハウジングと、ハウジングの排気流路を開閉する弁体と、弁体の反ハウジング側に配置され、ばね素線がコイル状に巻回されたコイル部と、コイル部の両端に設けられたアームとを有し、コイル部は弁体の略中央でその巻回軸線が弁体表面と略平行となるように配置されており、コイル部の撓み反力によって弁体を閉じ側に付勢するねじりコイルばねと、ねじりコイルばねのアームをその軸線方向に摺動自在に支持するばね取付部材と、を備えており、弁体が閉位置にある状態のままアームの回転角度が変更できるようにハウジングに対するばね取付部材の取付位置が調整可能となっている排気流路制御弁を製造する方法であって、
    ハウジングに弁体を組付ける工程と、
    ねじりコイルばねのアームをばね取付部材に組付ける工程と、
    弁体が組み付けられたハウジングに対して、ねじりコイルばねが組み付けられたばね取付部材を固定する工程と、を有し、
    前記固定工程は、(1)ハウジングに対するばね取付部材の取付位置を変更しながらねじりコイルばねから弁体に作用する押圧力を計測する工程と、(2)測定された押圧力が設定値となった位置でばね取付部材をハウジングに固定する工程とを有することを特徴とする排気流路制御弁の製造方法。
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