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JP4575800B2 - 堤防の補強構造および補強工法 - Google Patents
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JP4575800B2 - 堤防の補強構造および補強工法 - Google Patents

堤防の補強構造および補強工法 Download PDF

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この発明は、土質改良と補強材の敷設との組み合わせによって堤防の強化が図れる補強構造および補強工法に関するものである。
河岸や海岸や湖岸の堤防は、水の浸透によって土質が軟弱化したり、水によって浸食されたりする。台風や豪雨時においては、河などの水位が上がり、堤防の内部へ浸透する水嵩が増すと、堤防土砂(築堤土)が滑り破壊を起こしやすくなり、破堤に繋がる可能性が高まるのである。その場合、河などの水位が上がることで越水(堤防を越える流水)が生じやすくなり、堤防の水面と反対側において、越水により浸食が早められる。また、地震や地盤沈下も堤防の脆弱化を招来する要因に挙げられる。地震や地盤沈下により、堤防が大きく変形したり、亀裂等が発生しかねない。
このため、堤防の強化が強く要請される。堤防の強化するものとしては、従来からコンクリート護岸が知られている(特許文献1、参照)。また、堤防をより安定的な構造に強化するため、堤防の傾斜(勾配)を緩和するように施工する対処法もある。
特開2003−206520号
コンクリート護岸は、建設に膨大な費用が掛かる上、堤防の表層を強化するに過ぎないので、地震や地盤沈下により、これに亀裂等が発生すると、堤防の内部へ水が浸透しやすくなり、堤防の土質を保護しえなくなってしまう。堤防の傾斜(勾配)を緩和する対処法においては、堤防の断面が拡幅されるため、広い用地が必要になり、適用が困難な場合が考えられる。
この発明は、このような課題に着目してなされたものであり、水の浸透や水による浸食等に対する抵抗力が強く、地震や地盤地下に伴う大きな変形に対しても、強靱性に富む堤防を実現しえる、補強構造および補強工法の提供を目的とする。
第1の発明は、堤防の補強構造において、土と短繊維と固化材との混合物を材料に堤防の法面を被覆するように構築される強化土壁と、この土壁内部から堤防内部に渡って層状に敷設される補強材と、を備え、前記堤防の水面と反対側の前記補強材は、前記強化土壁に排水機能を与える透水性を備えることを特徴とする。
の発明は、堤防の補強工法において、土と短繊維と固化材との混合物を材料に堤防の法面を被覆するように強化土壁を段階的に構築する工程と、前記堤防の水面と反対側の前記強化土壁に排水機能を与える透水性を備える補強材を敷設する高さに合わせて前記堤防の斜面を段状に掘削する工程と、前記強化土壁を次の段階に高く構築する前の前記強化土壁の上面から前記堤防の段状の掘削面に渡って前記補強材を敷いて前記堤防に掘削した土砂を埋め戻す工程と、を備えることを特徴とする。
の発明は、堤防の補強工法において、堤防の法面に接して前記堤防の水面と反対側の強化土壁に排水機能を与える透水性を備える補強材を敷設する高さに合わせて段状の盛土を構築する工程と土と短繊維と固化材との混合物を材料に盛土の斜面を被覆するように前記強化土壁を構築する工程と、前記段状の盛土を次の段階に高く構築する前の前記強化土壁の上面から前記段状の盛土の上面に渡って前記補強材を敷く工程と、を備えることを特徴とする。
第1の発明によると、強化土壁は、固化材により剛性と耐力が大きく、短繊維を含みことで引張荷重に対する抵抗力を備えるため、強度や強靱性に富む変形しにくい安定した構造となり、水の浸透や浸食に対して大きな抵抗力を発揮するばかりでなく、地震や地盤沈下に伴う大きな変形に対しても粘り強い抵抗力を発揮する。この土壁により、河水などの堤防内部への浸透が抑制され、堤防土砂(築堤土)の滑りや浸食による破壊の防止が得られるのである。強化土壁の内部と堤防の内部は、補強材によって連結されるため、水の浸透や浸食および地震や地盤沈下に対しても一体として抵抗する構造となり、補強材が強化土壁の受ける土圧を軽減するだけでなく、堤防土砂の滑りや浸食による破壊に抵抗するため、堤防の強度および強靱性をさらに高めることができる。
また、堤防の水面と反対側において、強化土壁が透水性を持つ補強材により排水可能となり、強化土壁により水の堤防内部への浸透を抑えつつ、浸透した水は、強化土壁からも排出しえるようになり、堤防土砂の滑りや浸食による破壊の防止を有効に促進できる。
の発明によると、強化土壁の構築および補強材の敷設が能率よく合理的に施工しえる。堤防の斜面を段状に掘削する工程は、強化土壁を段階的に構築する工程の進度に合わせて行われる。この場合、強化土壁の厚み分の掘削を堤防の斜面に追加えることにより、堤防の断面が拡幅不能な場合においても、堤防の補強が可能となる。
の発明によると、堤防の断面が拡幅可能な場合において、既設の堤防に強化土壁の構築および補強材の敷設を腹づける形に能率よく合理的に施工しえる。
図1は、この発明の実施形態を表すものであり、堤防の補強構造は、土と短繊維と固化材との混合物(短繊維混合改良土)を材料に堤防の法面を被覆するように構築される強化土壁10a,10bと、その内部から堤防の内部に渡って層状に敷設される補強材11a,11bと、を備える。
短繊維混合改良土は、土に短繊維と固化材を混入して攪拌することにより生成される。土は、基本的に現地の発生土を使用する。固化材は、発生土の土質に適合するものが使用される。例えば、発生土が砂質土の場合、セメント系の固化材、発生土が粘性土の場合、石灰系の固化材、を使用する。短繊維は、長さ3〜10cm程度,太さ数十ミクロン程度、の弾性のある石油化学系繊維を使用する。
補強材11a,11bは、強化土壁10a,10b(強化域1,4)と堤防土砂(既存部)との剛性差を緩和して連続的な力学挙動を可能とする遷移域(強化域2,3)を構成するものである。補強材11a,11bは、強化土壁10a,10bおよび堤防土砂(築堤土)との摩擦抵抗が十分に得られるようなもの(例えば、ジオグリッド)が使用される。堤防の水面と反対側の補強材11bについては、強化土壁10bおよび堤防土砂との摩擦抵抗が得られるばかりでなく、強化土壁10bに排水機能を与える透水性を備えると共に強度の高いものを使用する。
強化土壁10a,10bの厚みおよび補強材11a,11bの堤防内部に渡る長さについては、堤防の断面や土質などの条件に応じて設計されるが、堤防土砂の滑りや浸食による破壊を防止するのに必要な強度および強靱性を効率よく確保するため、高位のものは小さく、低位のもの程、大きく設定する。
図1において、12a,12bは強化土壁10a,10bの外面を被覆する法覆工であり、コンクリートのパネルやブロックから構成される。13は堤防の水面側の法覆工12aの根固め工であり、その反対側は法覆工12bの下端に沿う排水溝14が形成され、堤防の下部にドレン部15が埋設される。10cは強化土壁10a,10bの上部であり、堤防の頂面を被覆する。▽は河川の定常時の水面、▽HW1は、河川の増水時の水面、を例示する。強化土壁10a〜10cの構築する短繊維混合改良土については、透水係数が堤防土に較べて1/10〜1/100程度と小さく設定される。
堤防の補強工法については、土と短繊維と固化材との混合物を材料に堤防の法面を被覆するように強化土壁10a,10bを段階的に構築する工程と、補強材11a,11bを敷設する高さに合わせて図1の点線のように堤防の斜面を段状に掘削する工程と、強化土壁10a,10bを次の段階に高く構築する前の強化土壁10a,10bの上面から堤防の段状の掘削面に渡って補強材11a,11bを敷いて堤防に掘削した土砂を埋め戻す工程と、を備える。
堤防の水面側の補強工法について、具体的に説明すると、(1)短繊維混合改良土を基盤上に巻き出し、敷き均しながら、転圧により締め固めつつ、堤防の斜面に接して強化土壁10aを補強材11aの敷設高さに築造する。(2)補強材11aの敷設高さに合わせて堤防の斜面を段状に掘削する。(3)強化土壁10aを次の段階に高く築造する前の強化土壁10aの上面から堤防の段状の掘削面に渡って補強材11aを敷いてアンカーピン等で定着させる。(4)堤防に掘削した土砂を埋め戻すことにより、堤防に補強材11aの一部を埋設する。(5)既設の強化土壁10aの上面に短繊維混合改良土を巻き出し、敷き均しながら、転圧により締め固めつつ、堤防の復元された斜面に接して強化土壁10aを次の段階における補強材11aの敷設高さに築造することにより、強化土壁10aに補強材11aの残りの部分を埋設する。
これらの工程(1)〜(5)を繰り返すことにより、強化土壁10aの構築および補強材11aの敷設が能率よく合理的に施工しえるである。
堤防の水面と反対側の施工については、(a)ドレン部15を堤防に埋設する。その後は、堤防の水面側と同様の工程(1)〜(5)を繰り返すことにより、強化土壁10bの構築および補強材11bの敷設が能率よく合理的に施工される。
強化土壁10a〜10cは、固化材により剛性と耐力が大きく、短繊維を含みことで引張荷重に対する抵抗力を備えるため、強度や強靱性に富む変形しにくい安定した構造となり、水の浸透や浸食に対して大きな抵抗力を発揮するばかりでなく、地震や地盤沈下に伴う大きな変形に対しても粘り強い抵抗力を発揮する。この土壁10a〜10cにより、河水などの堤防内部への浸透が抑制され、堤防土砂の滑りや浸食による破壊の防止が図れるのである。
強化土壁10a,10bの内部と堤防の内部は、補強材11a,11bによって連結されるため、水の浸透や浸食および地震や地盤沈下に対しても一体として抵抗する構造となり、補強材11a,11bが強化土壁10a,10bの受ける土圧を軽減するだけでなく、堤防土砂の滑りや浸食による破壊に抵抗するため、堤防の強度および強靱性をさらに高めることができる。
強化土壁10a〜10cにより、水の浸食防止および堤防内部からの土砂の流出防止が得られる。台風や豪雨時においては、河の水位が上がり、堤防の内部へ浸透する水嵩が増すと、堤防土砂が滑り破壊を起こしやすくなり、破堤に繋がる可能性が高まるが、強化土壁10a〜10cは、透水係数が小さいため、河水や雨水の堤防内部への浸透も抑制されるのである。また、越水による浸食も抑えられる。その一方、堤防の水面と反対側において、排水設備(ドレン部15および排水溝14)が配置され、補強材11bが強化土壁11bに排水機能を与える透水性を備えるため、堤防土砂の滑りや浸食による破壊の防止に堤防内部の水捌けも良好に維持されるのである。
強化土壁10a,10bの厚みおよび補強材11a,11bの堤防内部に渡る長さは、高位のものは小さく、低位のもの程、大きくなるので、堤防土砂の滑りや浸食による破壊を防止するのに必要な強度および強靱性を効率よく確保できる。強化土壁10a,10bの外面を被覆する法覆工12a,12bは、強化土壁10a〜10cおよび補強材11a,11bにより堤防が強度や強靱性に富む変形しにくい安定した構造となるので、薄肉化が可能となり、コストの低減が図れる。法覆工12a,12bは、この場合、コンクリートパネルから構成されるが、美観の面から、強化土壁への覆土(客土層を形成する)により、植生可能なものに構成することもできる。
図示の実施形態において、堤防の断面は、強化土壁10a,10b(および法覆工12a,12b)の厚み分だけ拡幅することになるが、断面の拡幅が許容されない場合においては、補強工法の(1)および(2)において、強化土壁の厚み分の掘削を堤防の斜面に追加することにより、堤防の断面が拡幅不能な場合においても、堤防の補強が可能となる。
堤防の断面を大きく拡幅可能な場合においては、(A)堤防の法面に接して補強材を敷設する高さに合わせて段状の盛土を構築する工程と、(B)土と短繊維と固化材との混合物を材料に盛土の斜面を被覆するように強化土壁を構築する工程と、(C)段状の盛土を次の段階に高く構築する前の強化土壁の上面から段状の盛土の上面に渡って補強材を敷く工程と、を備える補強工法により、既設の堤防に図1のような強化域1,4および強化域3,4を腹づける形に効率よく合理的に施工しえることになる。この補強工法において、(A)〜(C)の各工程は、強化域1,4および強化域3,4を段階的に築き上げるように繰り返されるのである。
この発明の実施形態を表す堤防の断面図である。
符号の説明
10a〜10c 強化土壁
11a,11b 補強材
12a,12b 法覆工
14 排水溝
15 ドレン部

Claims (3)

  1. 土と短繊維と固化材との混合物を材料に堤防の法面を被覆するように構築される強化土壁と、この土壁内部から堤防内部に渡って層状に敷設される補強材と、を備え
    前記堤防の水面と反対側の前記補強材は、前記強化土壁に排水機能を与える透水性を備えることを特徴とする堤防の補強構造。
  2. 土と短繊維と固化材との混合物を材料に堤防の法面を被覆するように強化土壁を段階的に構築する工程と
    前記堤防の水面と反対側の前記強化土壁に排水機能を与える透水性を備える補強材を敷設する高さに合わせて前記堤防の斜面を段状に掘削する工程と
    前記強化土壁を次の段階に高く構築する前の前記強化土壁の上面から前記堤防の段状の掘削面に渡って前記補強材を敷いて前記堤防に掘削した土砂を埋め戻す工程と、を備えることを特徴とする堤防の補強工法。
  3. 堤防の法面に接して前記堤防の水面と反対側の強化土壁に排水機能を与える透水性を備える補強材を敷設する高さに合わせて段状の盛土を構築する工程と
    土と短繊維と固化材との混合物を材料に盛土の斜面を被覆するように前記強化土壁を構築する工程と
    前記段状の盛土を次の段階に高く構築する前の前記強化土壁の上面から前記段状の盛土の上面に渡って前記補強材を敷く工程と、を備えることを特徴とする堤防の補強工法。
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