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JP4577066B2 - 可撓性ブイ - Google Patents
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Description

本発明は、可撓性を有するブイに関する。
更に詳しくは、海底にある油田の石油掘削において、海中に設けられる送油管の重量を軽減させるためなどに用いられるものであり、海中(水中)深度の変化にも応じて使用することができるように構造的に工夫をした新規なブイに関するものである。
従来、ブイは海や港湾の水面上に浮かべて使用されることが通常であり、深い水深での使用がされることは考慮されていなかった。
すなわち、深い水深にブイが沈むと水圧によりブイの容積が減少し、浮力が減少してブイの役目を果たすことは不可能となる。
一方で、海底と海上をむすぶ海中の送油管の重量を軽減させることなどを目的として用いるブイの使い方があるが、設置水深によって上述のようなブイの浮力減少の問題があって、海中(水中)深度に拘わらず、ブイの浮力機能を発揮できるブイは実現されていなかったのが実状である。
本発明のブイは後述するが、構造が二重構造のようになっているが、従来、二重構造のような構造を呈して構成されているもの(空気式防舷材など)としては、いくつかのものが提案されている(特許文献1−4)。
しかし、これらのものは、海面(水面)上で浮遊使用される際の耐損傷性や耐久性を向上させるために、被覆するなどの手段によって二重構造としたというのがその基本技術思想であり、特別に、深度の深い海中(水中)で使用されるブイの構造について考慮しているものではなかったのが現状である。
特開平5−25812号公報 特開平6−255579号公報 特開平6−255580号公報 特開2003−90025号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、使用される海中(水中)深度の大小・変化にも応じて使用することができる新規なブイを提供せんとするものである。
上述した目的は、以下の(1) の構成からなる可撓性ブイとすることにより達成することができる。
(1)主ブイと、該主ブイに内包される補助ブイとからなり、該主ブイの口金上に主ブイ用給排気口と補助ブイ用給排気口とが設けられ、該補助ブイ用給排気口と前記補助ブイは連通管により連通されてなることを特徴とする可撓性ブイ。
また、かかる本発明の可撓性ブイにおいて、好ましくは、以下の(2) または(3) の構成からなるものである。
(2)補助ブイが、該補助ブイ中の空気が排気されたときに、主ブイの口金を外した開口部から出し入れ可能なものであることを特徴とする上記(1) 記載の可撓性ブイ。
(3)水深30m〜1000mの水深域にて用いられることを特徴とする上記(1) または(2) 記載の可撓性ブイ。
また、上述した目的は、以下の(4) の構成からなる可撓性ブイとすることにより達成することができる。
(4)主ブイと、該主ブイに内包される補助ブイとからなり、該主ブイを構成する膜材または主ブイを構成する膜材に設けられた口金には主ブイ用給排気口と補助ブイ用給排気口とが設けられ、該補助ブイ用給排気口と前記補助ブイは連通管により連通されていて、該主ブイ内の気体充填圧と該補助ブイ内の気体充填圧とを独立して設定することが可能に構成されていることを特徴とする可撓性ブイ。
本発明によれば、使用される海中(水中)深度の大小・変化にも応じて使用することのできる、すなわち、使用される海中(水中)深度の大小・変化に拘わらずブイとしての浮力性能を保持して使用することができるブイが提供される。
特に、本発明にかかるブイは、補助ブイに充填する空気圧の高低にもよるが、一般に、水深30m〜1000mの水深域にて、ブイの機能を充分に働かせて好適に用いることができる。
また、例えば、水中に設置される前述した送油管、送水管、海底・海中ケーブルなどの重量を軽減したい場合などに、設置水深の深浅に拘わらず使用することができる。
また、本発明によれば、大深度のブイを安いコストで提供できるものである。
たとえば、ゴム膜を補強する繊維コード等の補強材の単位強度および構成が同一の場合、ブイの耐圧力はブイの直径におおむね反比例する。例えば、主ブイの内径が2000mm、補助ブイの内径が400mmであれば、補助ブイの耐圧力は主ブイのおおむね5倍となる。ここで、主ブイと補助ブイの補強材の単位強度および構成を同一とし、主ブイの耐圧力を500kPa以上、補助ブイの耐圧力を主ブイの5倍の2500kPa以上として、空中でそれぞれ500kPa、2500kPaの空気を充填した場合、水深約50mでは主ブイの有する浮力がこの可撓性ブイの浮力となり、水深約250mでは補助ブイの有する浮力がおおむねこのブイの浮力となる。もし、補助ブイを複数とし、その合計容積が主ブイの80%であれば、水深約250mにおいても、50mのときの浮力の80%を維持することができる。
従来のブイの場合は、補助ブイが存在しないので、上述と同等のブイを得るためには内径2000mmのブイの耐圧力を5倍の2500kPa以上としなければならないが、この場合、ブイのコストは非常に高くなるばかりでなく、生産設備等の関係で製造できないことも現実の問題としてあり、本発明の可撓性ブイの構造であれば、そのような問題はほぼないものである。
以下、更に詳しく本発明の可撓性ブイについて、説明する。
本発明にかかる可撓性ブイ1は、図1、図2に示すように、繊維等で補強した可撓性を有する膜材からなり、該可撓性ブイ1の端部に穴を有するフィッティングを設け、その穴を塞ぐように着脱可能に口金を取り付けた密閉された主ブイ2と、該主ブイ2の中に設けられた同じく繊維などで補強された可撓性の膜材からなる密閉された補助ブイ3から構成された可撓性のブイである。
本発明において可撓性ブイとは、ブイの外形がステンレススチール等の剛性の高いもので形成され、少々の外力によってはほとんど形態変化をせず、大きな外力によって変形すると原形には復さず、または破壊してしまう従来のブイとは異なり、上述した如く、繊維等で補強したゴム等の可撓性を有する膜材からなっていて、外力により変形するが、いかに大きな変形であっても、外力が除かれれば原形に復するブイのことである。特に、初期の形状への復元性があり、空気を抜いて折り畳んでも、空気を入れれば原形に復元し、大きく凹んでも直ちに復元する、したがって、船等が衝突してもブイが損傷しないばかりでなく、船もほとんど損傷することはない。
本発明にかかる可撓性ブイ1において、主ブイ2に設けられた口金部10には、主ブイ2と補助ブイ3のそれぞれに空気を給排気するための主ブイ用給排気口4と補助ブイ用給排気口5とが設けられており、補助ブイ用給排気口5と補助ブイ3は、ホースなどの連通管6で連結され、該補助ブイ3への給排気が主ブイ2に設けられた口金部10にある補助ブイ用給排気口5を利用して主ブイ2の外側から行えるようにされている。なお、補助ブイ3への給排気は、補助ブイ用給排気口5を、主ブイ2に設けられた口金部10以外の箇所に別々に設けてもよいものである。
図1において、8は主ブイ2を構成する可撓性の膜材、9は補助ブイ3を構成する可撓性の膜材であり、10は主ブイ2に設けられた口金部である。11は補助ブイ3に設けられた口金部である。
かかる構造例を有する本発明の可撓性ブイ1は、図3にモデル図を示したように、チェンネット7に収められ、複数個が垂直方向につなげられて、例えば海面上から海底までつなげられて使用される場合もある。
本発明にかかる可撓性ブイ1の作用について説明すると、図4に示すように、例えば、主ブイ2に600kPa、補助ブイ3に2000kPaの高圧の空気を封入した本発明にかかる可撓性ブイを水深約50mの海中で使用するときでも、該可撓性ブイ1は初期の形状と空気圧を保つことができる。そして、この状態は海水の圧力が600kPaになる水深の位置まで保たれるのである。そして、更に、該可撓性ブイ1を、特に空気を充填することなく、そのままでさらに水深の深い位置、例えば水深180mの位置に沈めて使用するとすると、主ブイ2の空気圧はその位置でのブイ回りの海水圧、1800kPaとなるが、補助ブイ3は2000kPaを維持している。このときにおいて、主ブイ2の容積は減じ、浮力は減少するが、補助ブイ3の容積は特に変化しないので、可撓性ブイ全体としての浮力はそれほど減少することがないのである。そして、この状態は、海水圧が2000kPaに達するまで保たれ得るものである。
すなわち、海水圧が2000kPaに達するまで、所期のブイとしての浮力機能をほとんど保持しつつ使用することができるのである。
本発明の可撓性ブイ1は、その使用水深域は限定されず、水深30m〜1000mの水深域でより効果的にブイの機能を働かせることができる。30m以下の水深域では、二重構造にせずとも、従来の一重構造の耐圧力で、水深変化に対し浮力変化をほとんど起こさずに対応できる。また、1000m以上の水深域では、補助ブイ3の補強材の強度および構造を強化して補助ブイ3の耐圧力をそれ相応に上げなければならないので、あまり大きな補助ブイ3は作り難い。そのため、水深の変化により浮力差が比較的大きくなる。
特に、主ブイ2、補助ブイ3のそれぞれについては、内部に充填される空気圧に耐え得るだけの十分な耐圧性、高強度を有する膜材で構成することが重要である。
本発明者らの各種知見によれば、通常は、繊維、繊維糸、繊維コードあるいは繊維布等で補強をしたゴム製の膜などを、主ブイ2、補助ブイ3の外形形成膜材とするのがよい。
また、本発明者らの各種知見によれば、主ブイ2と補助ブイ3は、図1に示したような状態、すなわち、主ブイ2の浮力作用を利用する状態のときで、主ブイ2の容積(補助ブイ3の容積も含む):補助ブイ3の容積=100:20〜85程度とすることが好ましいが、特にこの範囲のみに限定されず、補助ブイ3がたとえ10%程度しかないような構造でも、その10%分の容積の絶対量が大きければブイとしての機能を十分に発揮することができる。
また、補助ブイ3は、一個に限られず、複数個を主ブイ2中に設けてもよいものである。その場合、補助ブイ3どうしで充填気圧に差異を持たせてもよく、形状、大きさが異なってもよい。そのような構成にすれば、2段階よりもさらに多い多段階での水深(水圧)対応能力を持たせることができる。
また、補助ブイ3中に、さらに補助ブイ(孫的な補助ブイ)を内包させることもできるが、構造的に複雑になってくる点は注意が必要である。
結局、本発明の可撓性ブイにおいて機構的に重要な点は、主ブイ2を構成する膜材に、主ブイ用給排気口4と補助ブイ用給排気口5とを設け、補助ブイ用給排気口と補助ブイ3を連通管6により連通させて、主ブイ2内の気体充填圧と補助ブイ3内の気体充填圧とを独立して設定することが可能に構成させていることである。むろん、各給排気口は、直接、膜材に設けられている必要はなく、適宜の口金などの部材を利用して設けられていてもよいものであり、その方が実際的である。
本発明の可撓性ブイによれば、主ブイ2の耐圧力が最初に使用する浅い水深での海水圧力以上であれば、より深い水深位置に沈めても、補助ブイ3の働きにより、主ブイ2の容積の減少、すなわち、浮力の減少を少なく抑えることができるので、主ブイ2の耐圧力に見合った空気圧を主ブイ2に最初に封入しておけば、該可撓性ブイ1の使用深度(使用水深)が大きく変化しても、多少の浮力の減少はあるものの、浮力体としての機能を十分に保持することができるものである。
補助ブイ3は、空気を抜いた状態にあるときは、主ブイ2の口金を取り外した穴を通して出し入れできるように構成されていることが、補助ブイ3のメンテナンスなどにも便利で好ましい。
更にまた、その場合、主ブイ2と補助ブイ3とを別途に作製してから組み合わせればよいこととなり、このことから、安価にして、しかも、適宜に補助ブイ3の耐圧能力の高低レベルが相違するものを選択して、主ブイ2と組合わせて用いることにより、より大きな使用水深域の変化に対応することができる可撓性ブイを提供することを可能にするものである。
本発明の可撓性ブイ1は、本来、可撓性のある膜材などで構成されているものであり、内部の空気を抜けば、主ブイ2も補助ブイ3も折り畳むことができ、保管・運搬がしやすく、また保管・運搬中における耐衝撃性、耐外傷性などでも良好なものである。従って、コンパクトに折り畳んだ状態で保管・輸送ができるので、船舶輸送や航空機輸送などにも好都合である。
そして、その折り畳んだ状態や、凹んだ状態からの復元も簡単なものである。
図1は、本発明にかかる可撓性ブイの1例構造を説明する概略断面モデル図である。 図2は、図1にモデル構造を示した本発明にかかる可撓性ブイの口金部分の構造の1例を説明する要部概略断面モデル図である。 図3は、本発明にかかる可撓性ブイの一使用態様例を示したものであり、チェンネットに収められて複数個が垂直方向につなげられて使用される例をモデル的に示したものである。 図4(a)と(b)は、本発明にかかる可撓性ブイの作用について説明をする概略断面モデル説明図である。
符号の説明
1:可撓性ブイ
2:主ブイ
3:補助ブイ
4:主ブイ用給排気口
5:補助ブイ用給排気口
6:ホース(連通管)
7:チェンネット
8:主ブイを構成する可撓性の膜材
9:補助ブイを構成する可撓性の膜材
10:主ブイに設けられた口金部
11:補助ブイに設けられた口金部

Claims (4)

  1. 主ブイと、該主ブイに内包される補助ブイとからなり、該主ブイの口金上に主ブイ用給排気口と補助ブイ用給排気口とが設けられ、該補助ブイ用給排気口と前記補助ブイは連通管により連通されてなることを特徴とする可撓性ブイ。
  2. 補助ブイが、該補助ブイ中の空気が排気されたときに、主ブイの口金を外した開口部から出し入れ可能なものであることを特徴とする請求項1記載の可撓性ブイ。
  3. 水深30m〜1000mの水深域にて用いられることを特徴とする請求項1または2記載の可撓性ブイ。
  4. 主ブイと、該主ブイに内包される補助ブイとからなり、該主ブイを構成する膜材または主ブイを構成する膜材に設けられた口金には主ブイ用給排気口と補助ブイ用給排気口とが設けられ、該補助ブイ用給排気口と前記補助ブイは連通管により連通されていて、該主ブイ内の気体充填圧と該補助ブイ内の気体充填圧とを独立して設定することが可能に構成されていることを特徴とする可撓性ブイ。
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