JP4578628B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に脳神経外科等で微細部位の手術に使用される手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、脳神経外科領域では、より微細な手術を確実に行うために、術部を立体で拡大観察する手術用顕微鏡が多く利用されている。さらに、近年では手術を確実に行なうため、手術用顕微鏡観察下のみで行なっていた従来の手術に、内視鏡観察が併用されており、手術用顕微鏡観察像と内視鏡観撮像とを手術用顕微鏡視野内で同時に観察できることが望まれている。また、内視鏡観撮像にとどまらず、術前のCTやMRの画像及び術中の神経モニター等の情報の同時観察も望まれている。
【0003】
従来技術としては、例えば、特願平10−255557号がある。これは、顕微鏡視野内の一部に別の画像表示手段からの画像を導く導光手段を移動手段により移動可能に構成したものである。顕微鏡視野下で観察の必要な部位が別の画像表示手段の画像により遮られても、導光手段を移動手段により移動させることで別の画像表示手段による画像を観察の邪魔にならない場所に移動させることで、顕微鏡視野と別の画像表示手段による画像の両方を良好に観察できる。
【0004】
また、特願平12−291383号は、顕微鏡観察像と画像表示手段に表示された画像とを同時に観察できる実体顕微鏡において、顕微鏡観察像と画像表示手段に表示された画像とを観察者の眼へ別々に導く二種類の接眼光学系を設けたものである。
【0005】
また、特願平11−288328号は、術部を観察する第1の観察手段としての顕微鏡観察像の視野内に第2の観察手段の観察像の少なくとも一部が表示され、顕微鏡観察像では観察できない死角部分や組織内部の状態を認識できるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特願平10−255557号によれば、補助画像の位置を変更できることで顕微鏡視野と別の画像表示の手段による画像の両方を良好に観察できる。しかし、モーター等の駆動機構を備える移動手段を接眼部近傍に設けると、必然的に接眼部近傍が大型化する。通常手術用顕微鏡にはドレープと呼ばれる滅菌カバーを掛けて使用するが、接眼部の大型化は、観察時に接眼部に眼を近づける際に鼻や頭部が当たり誤って不潔にしてしまうといった問題があった。
【0007】
また、移動手段により導光手段を動かす場合に、その移動手段の一部が顕微鏡視野内に入り顕微鏡の光束を遮る(いわゆる手術用顕微鏡画像の)ケラレを生じさせるという問題があった。
【0008】
また、特願平12−291383号は、顕微鏡観察像と画像表示手段に表示された画像とを観察者の眼へ別々に導くため、接眼光学系が複雑で大型化するという問題がある。
【0009】
また、特願平11−288328号は、内視鏡観察のオリエンテーション操作中に、その画像表示自体が邪魔になったり、逆に大きな画像として観察することができない。
【0010】
この発明は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、顕微鏡観察の死角観察に内視鏡を併用する場合に、内視鏡画像が観察でき、内視鏡観察において、オリエンテーション操作時は、内視鏡画像を小さくし、かつ移動可能とし、顕微鏡観察下で内視鏡の位置操作を行なう際に、邪魔にならず、かつ画像全体も観察でき、操作性を向上させ、術者の負担を軽減できる手術用顕微鏡を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、術部を立体観察する観察光学系を有した鏡体と、前記観察光学系の光路中にモニター像を取り込み観察可能に表示するモニターを含み、前記モニターによるモニター像を光路中に投影する投影光学系と、前記モニター及び前記投影光学系の少なくとも一部を移動して観察画像に対するモニター像の表示位置を移動させる駆動手段と、前記観察画像に対する前記モニター像の表示位置を選択すると共に前記駆動手段を駆動し、前記観察画像に対するモニター像の表示位置を移動させる制御を指令する操作入力手段と、前記操作入力手段の入力結果に基づき、前記観察画像に対するモニター像の表示位置及びこの表示位置に応じたモニター像の大きさを算出し、この算出した表示の位置に前記モニター像を表示するように前記駆動手段を制御すると共に、前記モニター像の表示位置中心が前記観察画像の周辺に移動させるときに前記観察画像の中央側における前記モニター像の場合に比べて前記モニター像の倍率が縮小した小さな画面として前記観察画像に表示するように前記投影光学系を制御する表示制御手段と、を具備したことを特徴とする手術用顕微鏡である。
【0012】
請求項2は、請求項1に記載の手術用顕微鏡において、前記表示制御手段は、前記観察画像における表示位置の移動に応じて前記モニター像の画面の大きさと前記モニター像の倍率を自動的に変化するように制御することを特徴とする。
【0013】
前述した構成によれば、顕微鏡観察の死角観察に内視鏡を併用する場合に、内視鏡画像が観察できる。そして、内視鏡観察において、オリエンテーション操作時は、内視鏡画像を小さくし、かつ移動可能とし、顕微鏡観察下で内視鏡の位置操作を行なう際に、最初は内視鏡画像を小さくすることで邪魔にならず、かつ画像全体も観察できる。また、内視鏡観察に注目する際には、内視鏡画像を大きく、見やすくすることで、顕微鏡観察視野における死角を無くすことができ、十分な確認を行なえる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図7は第1の実施形態を示す。図1及び図2は手術用顕微鏡の接眼鏡筒3の光学系の構成を示し、図1は双眼接眼鏡筒部3の内部構成を示す図で、図2は、図1における側面図で、図中左側観察光学系を示している。
【0016】
図1に示すように、鏡体1には接続部2を介して一体的に取付けられる固定ハウジング6が設けられている。固定ハウジング6の内部には左右一対の結像レンズ8a,8bが配置されており、前記結像レンズ8a,8bは前記鏡体1から出射される左右観察光束を入射させるベく、鏡体1の観察光学系と光学的に接続されている。
【0017】
また、9a,9bは前記結像レンズ8a,8bを介した光束を各々90°外方に反射させるミラーで、その出射光軸上にはイメージローテータプリズム10a,10bが配置されている。前記イメージローテータプリズム10a,10bの後方には、両観察光束を各々180°反転させるプリズム11a,11bが配置されており、さらにその後方には前記プリズム11a,11bからの出射光軸を、後述する接眼光学系による観察光軸OL、ORと並行方向に反射させる三角プリズム12a,12bが配置固定されている。三角プリズム12a,12bの後方には、前記結像レンズ8a,8bにより結像された第1の中間結像点13a,13bが位置する。
【0018】
ここで、前記第1の中間結像点13aの近傍には後述する導光手段としてのプリズム14aの上面が略一致するよう設けられるとともに、前記第1の中間結像点13a,13bの後方には像をリレーするリレーレンズ15a,15bが設置固定されている。ここで、前記プリズム11a,11b、三角プリズム12a,12b、リレーレンズ15a,15bは可動ハウジング16内に内蔵されている。
【0019】
前記可動ハウジング16は、接続部17a,17bを介して軸O、すなわち前記プリズム11a,11bの入射光軸まわりに回転可能になっている。また、前記ローテータプリズム10a,10bは図示しないカム機構等により、前記可動ハウジング16の固定ハウジング7に対する回転に対して1/2の角度だけ軸O中心に回転可能になっている。
【0020】
また、符号18a,18bは入射反射面19a,19bと出射反射面20a,20bからなり、前記眼幅調整ハウジング4a,4bに内蔵された反射部材としての平行プリズムである。前記第1の中間結像点13a,13bから前記リレーレンズ15a,15bにより伝達された像は、前記平行プリズム18a,18bの出射反斜面20a,20bから各々第2の中間結像点21a,21bに結像される。そして、前記接眼ハウジング5a,5bに内蔵された一対の接眼光学系22a,22bに導かれ、顕微鏡光学観察像として観察光軸OR、OLを構成している。
【0021】
ここで前記眼幅調整ハウジング4a,4bは、前記可動ハウジング16に対し三角プリズム12a,12bからの出射光軸(図中垂直方向)と略一致した軸周りに回転自在に、また、図2に示すように、抜け止め部村23a,23b(図中23aのみ)により軸方向には不動に支持されている。本構造と前記平行プリズム18a,18bにより、いわゆるジーテントップ眼幅調整機構を構成している。
【0022】
図3は、図2に示した左右の観察光学系に組み込まれたLCD光学系の斜視図である。符号24a,24bは、図示しないコントローラからの制御により、内視鏡等の画像を電子画像として表示する小型LCDモニターである。符号25aは前記LCDモニター24aの出射光軸上に配置される投影光学系としての結像レンズで、LCDモニター24aの画像を前記プリズム14aの上面に結像させるよう配置固定されている。これらLCDモニター24a、結像レンズ25a、プリズム14aはLCD光学系26aを構成している。LCD光学系26aは左側観察光学系に組み込まれる。
【0023】
LCD光学系26aの固定板27aには前記LCDモニター24a、結像レンズ25a、プリズム14aからなるLCD光学系26aが固定されている。前記固定板27aには光束を避ける穴部27a’が設けられている。前記固定板27aは駆動手段としてのXYテーブル28aのXテーブル29a上に固定されており、前記Xテーブル29aは光軸と直交する平面をXY方向に移動可能に設けられている。LCD光学系26bは右側観察光学系に組み込まれることになっており、同様なため説明は省略する。
【0024】
図4はXYテーブル28aの内部構造を示す斜視図及び制御系のブロック図である。Xテーブル29aはラック部29a’と軸受け部29a”を備えている。
ラック部29a’にはモータ30aの回転軸に固定されたピニオンギア31aが噛み合っている。また、軸受け部29a”にはガイド軸32aが貫通している。
前記モータ30aとガイド軸32aは後述するYテーブル33aに固定されている。
【0025】
前記Yテーブル33aはラック部33a’と軸受け部33a”を備えている。
ラック部33a’にはモータ34aの回転軸に固定されたピニオンギア35aが噛み合っている。また、軸受け部33a”にはガイド軸36aが貫通している。
【0026】
前記モータ30aとモータ34aはエンコーダを内蔵すると共に、後述する制御系と電気的に接続されている。すなわち、モータ30aはモータ駆動回路41と接続され、エンコーダはXテーブル位置検出回路42に接続されている。また、モータ34aはモータ駆動回路43と接続され、エンコーダはXテーブル位置検出回路44に接続されている。そして、モータ駆動回路41、Xテーブル位置検出回路42、モータ駆動回路43及びXテーブル位置検出回路44はXYテーブル制御部45に接続されている。
【0027】
一方、51は術者が操作する操作入力手段としての操作部であり、この操作部51にはXYテーブル28aを操作するXYの4方向スイッチ52、表示位置移動モードスイッチ53及び画像選択スイッチ54が設けられている。
【0028】
この操作部51は表示制御部55に接続されているとともに、この表示制御部55には前記XYテーブル制御部45が接続されている。表示制御部55は映像変換回路部56及び映像セレクタ57に接続され、映像セレクタ57は内視鏡TVカメラ58及びナビゲーション装置59に接続されている。映像変換回路部56は表示駆動回路61を介して左側観察光学系のLCDモニター24a及び表示駆動回路62を介して右側観察光学系のLCDモニター24bに接続されている。
【0029】
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
【0030】
術者は図示しない架台アームを操作して鏡体1を所望の位置に配置固定し、さらに可動ハウジング16を軸O周りに回転させ、術者の眼の位置に接眼光学系22a,22bを配置する。この時、固定ハウジング6内のイメージローテータプリズム10a,10bが前記可動ハウジング16の軸Oまわりの回転に対して1/2の回転が行われる。
【0031】
術部を発した光は、鏡体1内の図示しない拡大光学系を介して、結像レンズ8a,8bに入射される。左右の光束はイメージローテータプリズム10a,10bを介すことで、前記可動ハウジング16の軸Oまわりの回転による像の回転が補正される。その後、プリズム11a,11b及び三角プリズム12a,12bで反射され、第1の中間結像点13a,13bにて結像する。
【0032】
その後、リレーレンズ15a,15bにより伝達され、平行プリズム18a,18bにより反射された後、第2の中間結像点にて再度結像する。そして接眼光学系22a,22bに導かれ、術者によって所望の拡大倍率で立体観察が行われる。左右の観察光軸OL〜OR間の距離と術者の眼幅がずれていて立体観察できない場合は、接眼鏡筒4aおよび4bを回転させることで、左右の観察光軸OL、ORと術者の眼幅に合わせるいわゆる眼幅調整を行う。
【0033】
一方、内視鏡観察像や、CT、MRなどの画像を顕微像と同時に観察したい場合は、術者は操作部51を操作して、前記LCDモニター24aに表示させる。
この時、LCDモニター24aを発した光は結像レンズ25aによりプリズム14aの上面上にて結像される。プリズム14aの上面は第1の結像点近傍にあるため図5に示すように顕微鏡像上に内視鏡画像が表示される。図5中、符号37は顕微鏡像、符号38は内視鏡画像である。三角プリズム12a〜第1の中間結像点13aに至る顕微鏡の光束は、プリズム14aを支持する固定板27aの穴部27a’を通るため遮られることはない。
【0034】
次に、顕微鏡像37上に内視鏡画像38を表示する場合について説明する。制御部51の画像選択スイッチ54によって内視鏡TVカメラ58(内視鏡画像)とナビゲーション装置(ナビゲーション画像)を選択することにより、映像セレクタ57から映像変換回路部56に信号が入力される。
【0035】
また、画像選択スイッチ54によって内視鏡TVカメラ58(内視鏡画像)を選択した状態で、制御部51の表示位置移動モード選択スイッチ53をONすると、4方向スイッチ52がステップモードとなり、OFFするとフリーモードとなる。4方向スイッチ52を選択的にON操作してXYテーブル28aを駆動する。4方向スイッチ52の操作によりモータ駆動回路41を介してモータ30aを駆動すると、ピニオンギア31aが回転する。前記Xテーブル29aはYテーブル33aに固定されたガイド軸32aにより軸受け部29a”が支持されており、前記ピニオンギア31aの回転力をラック部29a’が受けることでガイド軸32aに沿ってX方向に動く。これによりXテーブル29a上に固定された固定板27aも動き、プリズム14aが第1の中間結像点13a上で動き、この結果、内視鏡画像38がX方向に動く。
【0036】
4方向スイッチ52の操作によりモータ駆動回路43を介してモータ34aを駆動すると、ピニオンギア35aが回転する。前記Yテーブル33aはXテーブル33aに固定されたガイド軸36aにより軸受け部33a”が支持されており、前記ピニオンギア35aの回転力をラック部33a’が受けることでガイド軸36aに沿ってY方向に動く。これによりYテーブル33a上に固定された固定板27aも動き、プリズム14aが第1の中間結像点13a上で動き、この結果、内視鏡画像38がY方向に動く。
【0037】
従って、図5に示すように、例えば、表示位置移動モード選択スイッチ53をONしてステップモードとし、4方向スイッチ52を操作して顕微鏡像37に対して内視鏡画像38をA、B、C、D、E、F方向にXY方向に移動させることができる(なお、Aは顕微鏡像37の視野外)。また、内視鏡画像38の中心a,b,c,d,e,fの点を結ぶ実線は内視鏡画像38の画像中心の移動軌跡を示し、内視鏡画像38を術者の好みによって変更できる。なお、表示位置移動モード選択スイッチ53をOFFしてフリーモードとし、4方向スイッチ52を選択して押し続けることによりその方向に連続的に移動する。
【0038】
図6は制御部51の画像選択スイッチ54によってナビゲーション装置(ナビゲーション画像)を選択した場合であり、横と縦の関係が4:3で表示される。
図6(a)に示すナビゲーション画像39は、図5のC位置での表示であり、大画面Lの場合は大部分が顕微鏡像37の視野外となるが、縮小して小画面Sとすることにより、ケラレを少なくすることができ、さらに、斜線で示すように、右下に移動して表示することにより全画面S1を視野内に入れることができる。
【0039】
図6(b)に示すナビゲーション画像39は、図5のE位置での表示であり、大画面Lの場合は大部分が顕微鏡像37の視野外となるが、縮小して斜線で示すように、左下に移動して表示することにより全画面S1を視野内に入れることができる。
【0040】
図6(c)は制御部51の画像選択スイッチ54によって内視鏡TVカメラ58(内視鏡画像)を選択した場合であり、横と縦の関係が3:3で表示される。
内視鏡画像は、図5のC位置での表示であり、大画面Lの場合は大部分が顕微鏡像37の視野外となるが、縮小して小画面Sとすることにより、ケラレを少なくすることができ、移動して表示することにより全画面を視野内に入れることができる。
【0041】
図7は表示位置移動モード選択スイッチ53をOFFしてフリーモードとし、4方向スイッチ52を操作して顕微鏡像37に対して左側は、内視鏡画像38を位置Cから位置D方向に移動させた場合であり、内視鏡画像38は最初は小画像であるが、内視鏡画像38を位置Cから位置D方向への移動に伴って大画面に自動的に拡大する様子を示し、また、右側は、内視鏡画像38を位置Cから位置D方向に移動させた場合であり、内視鏡画像38は最初は小画像であるが、内視鏡画像38を位置Cから位置D方向への移動に伴って大画面に自動的に拡大する様子を示し、内視鏡画像38を位置Fから位置E方向に移動させた場合であり、大画像の内視鏡画像38は位置Fから位置E方向への移動に伴って小画面に自動的に縮小する様子を示す。
【0042】
図8はナビゲーション画像の場合であり、ナビゲーション画像39は最初は小画像Sであるが、ナビゲーション画像39を位置Cから位置D方向への移動に伴って大画面Lに自動的に拡大する様子を示し、逆に位置Dから位置Cへ移動すると、大画面Lが自動的に縮小して小画面Sとなる。
【0043】
従って、内視鏡観察において、オリエンテーション操作時は、内視鏡画像を小さくし、かつ移動可能とし、顕微鏡観察下で内視鏡の位置操作を行なう際に、最初は内視鏡画像を小さくすることで邪魔にならず、かつ画像全体も観察できる。
また、内視鏡観察に注目する際には、内視鏡画像を大きく、見やすくすることで、顕微鏡観察視野における死角を無くすことができ、十分な確認を行なえる。
【0044】
なお、第1の実施形態では、LCDモニター24a,24bを含むLCD光学系26a,26b全体を移動するよう構成したが、これに限らずLCD光学系にアフォーカル光束部を構成し、LCDモニター24a,24bは固定して前記アフォーカル光束部でプリズム14a,14bを動かすように構成してもよいのは周知である。
【0045】
図9〜図13は第2の実施形態を示し、図9は手術用顕微鏡装置のシステム全体構成を示す斜視図である。図9に示すように、手術用顕微鏡装置は実体顕微鏡を有する手術用顕微鏡101と、この手術用顕微鏡101の観察像とは異なる観察像を得る硬性鏡からなる内視鏡121と、手術用顕微鏡101及び内視鏡121の観察画像を表示させる表示手段としての表示用モニター141を備えている。
【0046】
また、手術用顕微鏡101には架台102と、この架台102の上部に配設されたバランスアーム103と、このバランスアーム103に支持された鏡体104とが設けられている。
【0047】
ここで、バランスアーム103には複数の可動アームと、6軸の回動軸105a〜105fとが設けられている。さらに、各回動軸105a〜105fにはバランスアーム103の各回動アームの回動位置を固定するロック状態と、この回動位置のロックを解除するロック解除状態とに切り換える電磁鎖錠(図示しない)が設けられている。そして、鏡体104の電磁鎖錠のロック/ロック解除の切り換え動作に伴いバランスアーム103の各回動アームの6軸の各回動軸105a〜105fを中心に空間的に位置移動自在に支持されている。
【0048】
また、鏡体104には図10に示すように、対物光学系155と、変倍光学系154と、接眼光学系とが内蔵され、各々左右一対の光路が設けられている。ここで、対物光学系155には焦点可変機構及び焦点距離検出用センサが設けられている。さらに、変倍光学系154には変倍機構及び変倍検出用センサが設けられている。
【0049】
鏡体104にはハーフミラーからなる光路挿入手段153及び画像挿入光学系152が設けられ、この画像挿入光学系152は画像重畳用モニター151から出射した光束をアフォーカル光束にして光路挿入手段153に入射させるようになっている。なお、151aは画像重畳用モニター151に画像信号を送るためのケーブルである。
【0050】
また、鏡体104には、図9に示すように、センサアーム106と、この鏡体104の位置操作用のグリップ107とが設けられている。このグリップ107には焦点調整用、変倍操作用、アーム操作用の各操作スイッチが設けられている。
【0051】
また、手術用顕微鏡101には鏡体制御部111及びアーム制御部112が内蔵されている。グリップ107の各スイッチには鏡体制御部111及びアーム制御部112に接続されている。さらに、これらの鏡体制御部111及びアーム制御部112にはグリップ107の各スイッチと同様に焦点調整用、変倍操作用の各スイッチを有するフットスイッチ113が設けられている。
【0052】
また、前記内視鏡121は手術台(図示しない)に取り付けられたスコープホルダ122により支持されている。このスコープホルダ122は複数の可動アーム123を備えた多関節アームによって構成され、各可動アーム123間の関節部がそれぞれ回動可能に連結されている。そして、内視鏡121はこのスコープホルダ122によって移動自在に支持されている。
【0053】
さらに、スコープホルダ122の各回動部にはスコープホルダ122の各可動アーム123の回動位置を固定するロック状態と、この回動位置のロックを解除するロック解除状態とに切り換える電磁鎖錠が設けられている。そして、内視鏡121はこのスコープホルダ122の電磁鎖錠のロック/ロック解除の切り換え動作に伴い移動可能に支持されている。
【0054】
また、各回動部の電磁鎖錠は各々スコープホルダ駆動制御部124に接続されている。さらに、スコープホルダ122の先端部には電磁鎖錠操作用のスイッチ122Aが設けられている。このスイッチ122Aはスコープホルダ駆動制御部124に接続されている。さらに、内視鏡121にはTVカメラ125と、略V字状の内視鏡用センサアーム126とが取り付けられている。
【0055】
また、手術用顕微鏡101及び内視鏡121の観察位置を検出する撮影装置としてのデジタイザ134が設けられている。このデジタイザ134は手術用顕微鏡1の鏡体104におけるセンサアーム106及び内視鏡121におけるセンサアーム126とを検出することにより、手術用顕微鏡101及び内視鏡121の観察位置を検出するようになっている。
【0056】
デジタイザ134はナビゲーション装置135が接続されている。このナビゲーション装置135には診断画像用のメモリ装置が内蔵され、診断画像との相関処理手段も備えている。さらに、ナビゲーション装置135には表示用モニター141と、インターフェースユニット136とが接続されている。そして、デジタイザ134による画像情報がナビゲーション装置135に入力され、患者頭部に取り付けられた基準指標との相関をナビゲーション装置135で算出するようになっている。
【0057】
ナビゲーション装置135は、図11に示すように、表示位置算出部66を介して表示駆動回路156に接続され、表示駆動回路156は前記画像重畳用モニター151に接続されている。そして、ナビゲーション装置135によって顕微鏡観察視野における内視鏡観察部位を検出し、その位置に応じて内視鏡画像の表示位置を設定するようになっている。
【0058】
図12(a)(b)は顕微鏡観察視野Oを示し、この視野O内には内視鏡画像M及び内視鏡121の観察方向を示すナビゲーション画像Pが重畳表示されている。
【0059】
図13は内視鏡の観察位置検出に従う相関位置演算フローを示し、ステップS1で顕微鏡観察視野O内に内視鏡121の先端部があるか否かを判断し、YESの場合にはステップS2に移り、内視鏡観察方向Pを視野O内に表示する。ステップS1でNOの場合にはスタートに戻る。
【0060】
内視鏡観察方向Pを視野O内に表示した後、ステップS3に移り、内視鏡121の先端部位置が右側(R)の場合にはステップS4に移り、図12(a)に示すように表示し、左側(L)の場合にはステップS5に移り、図12(b)に示すように表示する。このように、内視鏡121の先端部の挿入位置に応じて内視鏡121の画像表示位置を移動できるため、術者は内視鏡装置に集中でき、操作性を向上できるとともに、内視鏡121の斜視方向も簡単に認識できるため、オリエンテーションも付けやすくなる。
【0061】
図14〜図18は第3の実施形態を示し、図14は接眼鏡筒の光学系の構成について説明する。固定ハウジング16の内部には左右一対の結像レンズ8aが配置されている。該結像レンズ8aは鏡体から出射される左右観察光束を入射させるべく、鏡体の図示しない観察光学系と光学的に接続されている。
【0062】
また、10aは前記結像レンズ8aを介した光束を各々90°外方に反射させるミラーで、その出射光軸上にはイメージローテータプリズム11aが配置されている。イメージローテータプリズム11aの後方には、両観察光束を各々180°反転させるプリズム12aが配置されている。さらに、その後方には該プリズム12aからの出射光軸を、後述する第1の接眼光学系による観察光軸OL、ORと平行方向に反射させる三角プリズム(図示しない)が光学的に配置固定されており、前記プリズム12a、三角プリズムは可動ハウジング内に内蔵されている。
【0063】
また、18aは入射反射面19a、出射反射面20aからなり、前記眼幅調整ハウジング4aに内蔵された平行プリズムで、その出射反射面20aからの光束は各々接眼ハウジングに内蔵された左右一対の第1の接眼光学系25aに導かれ、顕微鏡観察像として、観察光軸OLを構成している。
【0064】
一方、177は第2の観察光学系を収納する第2の接眼ハウジングで、第2の観察光学系は以下により構成されている。図中左側光路のみであるが、右側も同様の構成となっている。171は図示しないコントローラからの制御により、内視鏡等の画像を電子画像として表示する小型LCDモニターで、前記眼幅調整ハウジング4aの下方における可動ハウジングとの間に配置固定されている。
【0065】
174は前記LCDモニター171からの出射光軸O2L上に配置されるリレー光学系で、その内部には該光軸O2Lを略90°反射させる、プリズム172、173が配置されている。
【0066】
また、175は前記プリズム172、173によって反射せしめられた光軸を前記観察光軸OL方向に向かって偏向させるプリズムで、その出射光軸O2L上には、第2の接眼光学系176が光学的に配置接続されており、前記観察光軸OLとO2Lはその射出瞳位置近傍で各々交差している。
【0067】
178は第2の接眼光学系176を含む第2の観察光学系を一体的に収納する接眼ハウジングである。この接眼ハウジング178の内部における第1の接眼光学系、第2の接眼光学系176には視野絞り板180が設けられ、この視野絞り板180には視野絞りつまみ181が設けられている。視野絞り板180は、図15及び図16に示すように、円板状で、周方向が90度ずつ4等分されており、中心を挟んで対称位置に(イ)と(ハ)及び(ロ)と(ニ)には大きさの異なる顕微鏡画像用絞り孔182a,182b及びモニター画像用絞り孔182c,182dが設けられている。これら絞り孔182a〜182dには結像レンズ183が設けられている。
【0068】
このように構成することにより、視野絞りつまみ181によって視野絞り板180を回動し、絞り孔182a〜182dを選択することができる。図17は絞り孔182bによる顕微鏡画像Aと絞り孔182cによるモニター画像Bとを上下方向に近づけたものであり、図18は絞り孔182bによる顕微鏡画像Aと絞り孔182cによるモニター画像Bとを左右方向に近づけたものである。従って、顕微鏡画像Aとモニター画像Bの観察において、各々の大きさを変えることができるとともに、両観察像を近づけることで、画像観察時に顕微鏡画像Aを観察しやすくなり、モニター画像Bの観察時も術部の光学像が容易に観察でき、術部から目を離す心配を気にせずに、画像情報が入手できる。
【0069】
前述した各実施の形態によれば、次のような構成が得られる。
【0070】
(付記1)術部を立体観察する鏡体と、各々の光路に表示するモニターと、その画像を表示する投影光学系と、前記モニター及び投影光学系を移動する駆動手段とを備えた手術用顕微鏡において、前記投影光学系による画像表示位置を操作するとともに、前記駆動手段を駆動制御する操作入力手段を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0071】
(付記2)術部を立体観察する鏡体と、各々の光路に表示するモニターと、その画像を表示する投影光学系と、前記モニター及び投影光学系を移動する駆動手段とを備えた手術用顕微鏡において、前記投影光学系による位置を検出する位置検出手段と、前記投影光学系による画像表示位置を操作するとともに、前記駆動手段を駆動制御する操作入力手段と、前記位置検出手段の結果に基づき前記モニターへ表示させる画像の大きさを算出し、画像の位置及び大きさを変換処理する表示制御手段とを具備したことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0072】
(付記3)前記表示制御手段は、位置検出手段に基づく画像縮小処理回路であることを特徴とする付記2記載の手術用顕微鏡。
【0073】
(付記4)前記画像縮小処理回路は、位置検出手段により顕微鏡視野内の表示範囲、位置を算出する手段と、その結果により画像を縮小する手段と、表示位置をシフトさせる変換手段とから構成されていることを特徴とする付記2記載の手術用顕微鏡。
【0074】
(付記5)前記位置検出手段は、駆動手段に設けられた位置センサと、演算回路であることを特徴とする付記2記載の手術用顕微鏡。
【0075】
(付記6)術部を立体観察する鏡体と、各々の光路に表示するモニターと、その画像を表示する投影光学系と、前記モニター及び投影光学系を移動する駆動手段と、前記鏡体の光学観察像に画像を重畳させる画像重畳手段と、前記鏡体による観察位置と内視鏡による観察位置とを検出する位置検出手段とを備えた手術用顕微鏡において、前記投影光学系による画像表示位置の操作入力手段と、前記操作入力手段により前記鏡体と前記内視鏡の観察位置との相関算出する手段とを設け、内視鏡観察方向を画像重畳装置で重畳用モニターに表示することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0076】
(付記7)前記内視鏡観察位置表示が、内視鏡の観察方向であることを特徴とする付記6記載の手術用顕微鏡。
【0077】
(付記8)前記位置検出手段の前記鏡体と前記内視鏡の観察位置の相関算出する手段により、内視鏡画像表示位置を移動させる表示位置算出手段を有することを特徴とする付記6記載の手術用顕微鏡。
【0078】
(付記9)術部を立体観察する鏡体と、前記鏡体の接眼部の異なる画像観察を行なうモニター画像観察手段とを有する手術用顕微鏡において、前記鏡体に視野絞り手段を設け、前記モニター画像観察手段に設けた視野絞り手段と連動させる機構を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0079】
(付記10)前記視野絞り手段は、前記鏡体を構成する接眼光学系内に設けられた中間結像面と、前記モニター画像観察手段とに設けたことを特徴とする付記9記載の手術用顕微鏡。
【0080】
(付記11)前記鏡体は、第1の結像光学系と第1の接眼光学系を有し、前記画像観察手段は、第2の結像光学系と第2の接眼光学系を有する鏡筒から構成され、前記視野絞り手段は、前記第1の結像光学系の一部のレンズと視野絞り、第2の結像光学系の一部のレンズと連動する機構とからなることを特徴とする手術用顕微鏡。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、顕微鏡観察の死角観察に内視鏡を併用する場合に、内視鏡画像が観察でき、内視鏡観察において、オリエンテーション操作時は、内視鏡画像を小さくし、かつ移動可能とし、顕微鏡観察下で内視鏡の位置操作を行なう際に、邪魔にならず、かつ画像全体も観察でき、操作性を向上させ、術者の負担を軽減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示し、手術用顕微鏡の双眼接眼鏡筒部の光学構成を示す図。
【図2】同実施形態を示し、図1における図中左側観察光学系を示す側面図。
【図3】同実施形態を示し、LCD光学系の斜視図。
【図4】同実施形態を示し、XYテーブルの斜視及び制御系のブロック図。
【図5】同実施形態を示し、顕微鏡観察視野を示す図。
【図6】同実施形態を示し、(a)(b)はナビゲーション画像、(c)は内視鏡画像の作用説明図。
【図7】同実施形態を示し、内視鏡画像の作用説明図。
【図8】同実施形態を示し、ナビゲーション画像の作用説明図。
【図9】この発明の第2の実施形態を示す手術用顕微鏡システムの全体構成図。
【図10】同実施形態を示し、鏡体の縦断側面図。
【図11】同実施形態を示し、XYテーブルの斜視及び制御系のブロック図。
【図12】同実施形態を示し、(a)(b)は顕微鏡視野の説明図。
【図13】同実施形態を示すフローチャート図。
【図14】この発明の第3の実施形態を示す左側観察光学系を示す側面図。
【図15】同実施形態の視野絞り板の平面図。
【図16】同実施形態の視野絞り板の断面図。
【図17】同実施形態の観察視野を示す図。
【図18】同実施形態の観察視野を示す図。
【符号の説明】
1…鏡体
3…接眼鏡筒
26…LSD光学系(投影光学系)
28…XYテーブル(駆動手段)
51…操作部(操作入力手段)
Claims (2)
- 術部を立体観察する観察光学系を有した鏡体と、
前記観察光学系の光路中にモニター像を取り込み観察可能に表示するモニターを含み、前記モニターによるモニター像を光路中に投影する投影光学系と、
前記モニター及び前記投影光学系の少なくとも一部を移動して観察画像に対するモニター像の表示位置を移動させる駆動手段と、
前記観察画像に対する前記モニター像の表示位置を選択すると共に前記駆動手段を駆動し、前記観察画像に対するモニター像の表示位置を移動させる制御を指令する操作入力手段と、
前記操作入力手段の入力結果に基づき、前記観察画像に対するモニター像の表示位置及びこの表示位置に応じたモニター像の大きさを算出し、この算出した表示の位置に前記モニター像を表示するように前記駆動手段を制御すると共に、前記モニター像の表示位置中心が前記観察画像の周辺に移動させるときに前記観察画像の中央側における前記モニター像の場合に比べて前記モニター像の倍率が縮小した小さな画面として前記観察画像に表示するように前記投影光学系を制御する表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする手術用顕微鏡。 - 前記表示制御手段は、前記観察画像における表示位置の移動に応じて前記モニター像の画面の大きさと前記モニター像の倍率を自動的に変化するように制御することを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡。
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