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JP4579641B2 - 月桃茎クッション材の製造方法 - Google Patents
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本発明は、枕やマットなどに用いられるクッション材に関し、特に月桃の茎を用いたクッション材の製造方法に関する。
月桃は、香りが良く、その抗菌作用を有することが広く知られている。
この月桃の葉を用いてさまざまな商品が開発されている。
従来技術としては、月桃の生葉を乾燥し、乾燥した葉をバッグの材料とする従来技術(特開昭52−112474)や、繊維状のものを取り出し、天然繊維糸にする従来技術(特開昭62−215031)や、精油成分を取り出し、取り出した精油成分を防虫抗菌剤とする従来技術(特開平5−201821)などが提案されている。
また、これらの従来技術の延長として、月桃の繊維質であるセルロースを用いた月桃紙が提案されており、さらには、月桃紙に香りと抗菌作用とを与えるため、月桃から別途抽出した精油成分を、この月桃紙に添加することによって所定の効果を得ようとする従来技術も提案されている。
また、常温において草木の香気成分を楽しむ従来技術としては、香気成分を含有する草木を乾燥させた破片を瓶詰にしたポプリなどがある。
また、枕やマットなどの寝装具としては、月桃と木炭を用いたシートとする従来技術(特開平09−121997)や、月桃、檜、楠木の葉を充填材とした健康枕の従来技術(特開平14−102038)や、月桃、桐、竹、熊笹、茶による繊維構造物を充填材とする寝装品の従来技術(特開平14−223916)などが提案されている。
特開平09−121997 特開平14−102038 特開平14−223916
しかしながら、これらの従来技術においては、いずれも、月桃の葉を用いたものであり、また、一部茎を用いているものもあるが、その場合には、葉と茎を乾燥させて、粉砕して使用するものであった。
月桃の抗菌作用に関しては、葉のみではなく、茎や根においても同様に抗菌作用があることが知られており、食品や化粧品などに用いられているものもある。
しかしながら、月桃の茎の部分を積極的に活用する技術は開発されていない。
香りを楽しむポプリなどに使用される場合においても、茎の場合には葉とともに破砕されて使用されている。
また、月桃の葉を枕などの寝装具に用いる場合においては、前記の特開平9−121997号では、月桃の葉と茎を細かく裁断して用いており、特開平14−102038号では、約2×7mm前後の微細に細断もしくは5mmと8mmに輪切りしており、特開平14−223916号では、葉を粉砕装置で平均径2mm、平均長さ30mmの細繊維化しており、いずれも細かく破砕して使用するものである。
これらの従来技術のように、月桃の葉や茎を細かく破砕すると、月桃の香りは強くなるが、持続性の点で問題がある。
また、クッション材としての弾力性についても、十分な反発力が発揮されないという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、月桃の茎を有効利用し、月桃の香りの持続性を高め、かつ、寝装具などの芯材としての十分な弾力性を有し、枕などに使いやすいクッション材及びその製造方法を提供するものである。
本発明は、上記に示す課題を、以下の手段によって解決することができる。
請求項1は、月桃の茎部を採取し、所定の長さに切断後洗浄し、茎部を縦に割く縦割加工を行い、乾燥処理後、両端部を5mm程度切断し、月桃の葉の精油を噴霧処理して浸み込ませることを特徴とする月桃茎クッション材の製造方法である。
該クッション材は、枕やクッション、マット、シートなどの寝装具や、椅子のシートや、運動用具のクッション類などの芯となる材料として使用される緩衝効果を主な目的とした材料である。
該月桃は、インド南部、東南アジア、南西諸島を含む亜熱帯に群生するショウガ科植物であり、 沖縄では、主に野山に自生する他、民家の庭先にもよく植えられている。
高さは2〜3m程度で、長隋円状の緑濃色の葉には独特の芳香があり、初夏には白く可憐な花が咲き、初秋には赤茶色の実がなる。
この月桃の葉は、その優れた抗菌作用と独特の芳香から沖縄の餅菓子を包むときに用いられ、種子は漢方薬として古くから親しまれてきた。
また近年では、活性酵素を除去するポリフェノールが発酵させたエキスに多く含まれている(赤ワインの30倍)ことが明らかになり、健康・美容の分野でも注目されている。
月桃の茎は、繊維質が強いことから、沖縄ではサトウキビを結束するのにも使用されてきており、この繊維質から、抗菌性を有する紙(月桃紙)も作られている。
この月桃の茎部分を用いて、枕などの内部に充填する芯材として用い、クッション材とするものである。
月桃独特の心地よい香りと、抗菌、防虫作用により、衛生的で癒し効果の期待できるクッション材となる。
また、請求項2は、前記の縦割加工において、乾燥状態での茎片の直径が1.0mm〜5mmであることを特徴とする月桃茎クッション材の製造方法である。
月桃の茎は、約1.5mから2.0m程度に成長する。
この茎を使用状態に応じて、30cmから1m程度に切断する。
例えば、枕の心材であれば、30cmから60cm程度が好ましい。
マットなどの大きな寝具の心材などの場合には、80cmから1m程度となる。
所定の長さに切断後、縦に割いて使用する。
月桃の茎の直径は、約10mmから20mm程度であり、小さな径のもので2等分から大きな径のものでは8等分程度とすることが好ましい。
また、請求項3は、前記の月桃茎片を一定数束ね、綿製小袋に収納したことを特徴とする月桃茎クッション材の製造方法である。
該小袋は、縦に割いた月桃の茎片を束ねた直径が20mmから50mm程度が好ましく、枕の場合には直径が30mmから40mm程度が良い。
該小袋は、湿気や香りを透過できるものならばいずれで作製しても良く、布や不織布や綿材などを用いて細長い袋体に縫製したものなどが使用できる。
該小袋の連結は、小袋同士を並列に縫い合わせても良く、小袋を並列に収納できるポケットが設けられた袋体に収納して連結状態としても良い。
連結することで、連結部を折り畳んで、小さく纏めることができ、また、枕などの場合には、折り畳んで高さの調整をすることもできる。
枕は体にあった高さで自然なカーブが保たれ無理がかからないものが良いとされており、枕が低いと、頚椎が後ろに反りすぎてしまい、逆に高すぎると、頚椎に無理な前傾をすることとなってしまう。
枕に使用する場合には、3連結又は5連結が好ましく、後頭部が当たる部分と首筋が当たる部分の高さを違えて調整し、仰向け時の頚椎と背骨の流れが理想的となり、自然なカーブが保たれる逆傾斜型の枕とすることもできる。
月桃を地面より10cm程度の部分より切り取り、葉部を取り除き、使用目的にあった長さに切断機などで切断する。
切断後に水洗い洗浄し、土やゴミなどを洗い流す。
洗浄後、茎部を鎌や斧などで縦に割く。
該乾燥処理は、自然乾燥でも良く、熱風による強制乾燥、あるいは、低温減圧乾燥や凍結乾燥などいずれの乾燥方法でも良い。
乾燥後は、曲げ弾性の良好な棒状の月桃片となる。
月桃の茎の縦割り加工においては、サイズにより2分割から8分割程度すると良い。
乾燥後には、細いもので直径が1mm程度から太いもので直径が5mm程度となる。
通常の枕に使用する場合には、1mmから3mm程度のものが好ましく、背当て枕やマットの芯材として使用する場合には、3mmから5mm程度のものが好ましい。
月桃エキスは、市販の月桃エキスが使用でき、月桃の葉の精油などが好ましい。
月桃のエキスを抽出できるものであれば、熱水抽出でもアルコール抽出などいずれでも良い。
前記の乾燥処理後に月桃エキスを全体に噴霧や塗布して滲み込ませても良く、月桃エキス中に月桃茎片を一定時間、浸漬させたものでも良い。
また、月桃茎片の端部をカットしてから、噴霧、塗布あるいは浸透させても良い。
該綿製小袋は、綿を原料として、細長い小袋状に形成したものであり、綿製であるため、一定の弾力性を有するとともに、内部の月桃茎片の細かな破片などが外部に飛び出すことななく、安全な小袋とすることができる。
また、請求項4は、前記の月桃茎片を月桃繊維を使用した布製袋に収納したことを特徴とする月桃茎クッション材の製造方法である。
該月桃繊維は、月桃の茎を細かく破砕し、繊維化したものであり、この月桃繊維を生糸に一部混合して製作した洋服が市販されている。
このように、月桃繊維を全部または一部を用いて布袋を縫製し、月桃茎片を収納するものである。
月桃による芯材と、月桃による袋を用い、ファスナーやマジックテープ(登録商標)などを使用せずに作り上げることで、月桃素材によるエコロジカル商品となり、自然にやさしい、付加価値の高い商品が開発できる。
本発明では、以下に示すような効果がある。
1)防カビなど抗菌性を有するクッション材となる。
2)月桃独特の心地よい香りを発するクッション材となる。
3)月桃茎片を芯材として使用するので月桃の香りの持続性が高い。
4)縦割りの茎片を用いるのでクッション材としての十分な弾力性を有する。
5)綿製の小袋を用いることにより、縦割茎片の細かな破片が外部に飛散することを防止でき安全性が高まる。
6)枕の芯材とすると、茎の適度な硬さと弾力により、首の頚椎の適度な刺激作用が発揮され、マッサージ効果が高い枕となる。
7)小袋を連結して製作することで、折り畳んだり、広げたりすることで、枕や座布団、背当てなど、多様なクッション用品として利用できる。
7)月桃素材による安心感の高いエコロジー商品を提供できる。
8)自然素材のみで弾力を有するクッション材を提供できる。
9)簡単に高さ調整が可能な枕を実現できる。
10)月桃の香りと硬めの弾力により、ストレス緩和効果、安眠作用を高めることができる。
11)頚椎リハビリ器具用のクッション材を実現できる。
頚椎の自然なカーブを保つように、折り畳んで形成できる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を用いて説明する。
図1は、本発明による月桃茎片を用いたクッション材の製造方法を示すフロー図である。
S−1)月桃茎部採取 月桃の根部より、10cm程度の部分より刈り取り、月桃を採取する。
S−2)葉部除去 採取した月桃の葉部をすべて取り除く。
月桃の葉は、月桃粉末や茶など種々の用途に別途加工することができる。
S−3)所定の長さに切断加工 葉部を除去した後、所定の長さに切断機で切断する。
枕の場合には、40mmの長さに切断する。
S−4)洗浄処理 切断加工した月桃茎を水洗いでシャワー洗浄し、土やゴミを洗い流し、水切りをする。
S−5)縦割加工 洗浄後、茎を鎌などの刃物で縦に割る。
最初に2分割し、サイズに応じて、さらに4分割または6分割する。
直径が5mm以内となるように縦割加工する。
S−6)乾燥処理 縦割加工した月桃茎片を乾燥機で乾燥処理する。
乾燥装置は、三州産業(株)のSP型乾燥機を使用した。
乾燥温度は、80℃で8時間加熱乾燥した。
なお、低温減圧乾燥させることで抗菌効果が高まる。
S−7)乾燥後、月桃の心地良い香りを発し、薄茶色を呈する月桃茎片クッション材ができあがった。
なお、乾燥後、月桃エキスを噴霧処理(S−8)しても良い。この場合には、両端部を5mm程度切断してから噴霧処理すると良い。噴霧後は自然乾燥させる。
この噴霧処理により、月桃エキスの抗菌効果及び香りを強化することができる。
次に、上記の月桃茎片クッション材を用いた枕について図面を用いて説明する。
図2は、本発明による月桃茎片クッション材を用いた枕の実施例を示す概略図である。
(1)は全体外観であり、(2)は(1)のA−A断面図であり、(3)は(1)のB−B断面図である。
この実施例は、小袋を5個連結した枕の実施例を示すものである。
(2)及び(3)に示すように、本実施例の枕1は、最外周部の月桃布製枕カバー2の中に、月桃茎片3の束が充填された綿製の小袋4が5袋連結して収納された小袋収納袋5が装入されている。
小袋4に充填された月桃茎片3により、月桃の香りが発せられる。
月桃茎片3の弾性力により、枕として適度の硬さと反発力を有する。
この月桃茎片枕は、以下の手順で組み立てられている。
図3は、本発明による月桃茎片枕の製作手順を示す概略図である。
(1)上記の月桃茎片3によるクッション材を綿製小袋4に詰める。
(2)該綿製小袋4の入口側4aを先端にして、小袋収納袋5に各々装入する。
本実施例では、5個連結の小袋収納袋5である。
(3)綿製の小袋4を収納した後、該小袋4が抜けないように、小袋収納袋5の先端5aを折り返す。
(4)小袋収納袋5の折り返した側を先端にして、枕カバー2に装入する。
(5)枕カバー2の入り口側2aを折り返して、装入した小袋収納袋5が抜け出ないようにして出来上がりである。
このように、組み立てることにより、月桃茎片3の破片などが外部に飛び出すことを防止することができ、ファスナーたマジックテープ(登録商標)などを使用しないで、月桃素材を十分に活かしたエコロジカルな月桃枕を実現できる。
この月桃枕は、内部の月桃茎片3から月桃の香りが発せられ、その芳香により、ストレス緩和、安眠作用が得られる。
従来の月桃入りの枕の場合には、月桃の葉を用いており、芳香の持続性に問題があったが、この月桃枕では、月桃葉ではなく、月桃の茎を使用しており、さらに月桃茎を破砕して使用するのではなく、縦割加工された茎片を束ねて使用するという新しい使い方であるため、月桃の香りが茎片内部に残存しており、枕の使用時の刺激により、徐々に発散が続くものであり、1ヶ月以上の持続性があり、小袋4を詰め替えて使用することも可能である。
また、この枕は、月桃茎片3の充填された小袋4が5個連結されて構成されているため、その連結部分で折り畳んで使用でき、高さを調整することが可能となり、使用者に合わせた枕の高さを設定可能である。
また、枕は、体にあった高さがよく、仰向け状態で頚椎の自然なカーブが保たれることが良く、かつ、頚椎に無理がかからないことが必要である。
この枕においては、月桃茎片3が用いられているため、適度な弾力性があり、十分な反発力が維持されるので、後頭部における頚椎の自然なカーブが無理なく維持されることととなり、理想的な頚椎から背骨へのラインが形成されることとなる。
また、月桃茎片3は破砕されたものではなく、一定の長さで束ねられているため、柔らかすぎてしまうことはなく、適度な硬さの弾力性を有する今までにない快適な反発感覚を有するクッション材となっている。
本実施例では、枕についての例を示したが、本発明のクッション材は、枕の他に、マットやシートなどのクッション材としても使用でき、他の装身具に広く使用することが可能であり、今までにない新規なクッション感覚と、月桃の芳香性を発するクッション材となる。
月桃茎片を数本の束にして袋詰めして、タペストリーなどに取り付け、「月桃の香りのする室内インテリア」などとすることもできる。
また、月桃の茎片をデザインされた小袋に入れて「匂い袋」としても良い。
また、片手で握れる程度に太く束ねて、袋に詰め、老人などの施設で「匂いの出る握力増進用具」などとしても良い。
本発明による月桃茎片を用いたクッション材の製造工程を示すフロー図である。 本発明によるクッション材を用いた枕の実施例を示す図である。 本発明によるクッション材を用いた枕の組み立て例を示す図である。
符号の説明
1 枕
2 枕カバー
3 月桃茎片
4 綿製小袋
5 小袋収納袋

Claims (4)

  1. 月桃の茎部を採取し、所定の長さに切断後洗浄し、茎部を縦に割く縦割加工を行い、乾燥処理後、両端部を5mm程度切断し、月桃の葉の精油を噴霧処理して浸み込ませることを特徴とする月桃茎クッション材の製造方法。
  2. 前記の縦割加工において、乾燥状態での茎片の直径が1.0mm〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載の月桃茎クッション材の製造方法。
  3. 前記の月桃茎片を一定数束ね、綿製小袋に収納したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の月桃茎クッション材の製造方法。
  4. 前記の月桃茎片を月桃繊維を使用した布製袋に収納したことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの項に記載の月桃茎クッション材の製造方法。
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