JP4579792B2 - フィードフォワード歪補償増幅器 - Google Patents
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Description
図5に示すように、一般的なフィードフォワード歪補償増幅器は、方向性結合器1と、ベクトル調整器2と、主増幅器3と、方向性結合器4と、遅延線5と、ベクトル調整器6と、補助増幅器7と、遅延線8と、方向性結合器9と、検波器10と、制御部11′と、検波器12とから構成されている。
方向性結合器1は、入力される高周波信号を2つに分岐して、ベクトル調整器2及び遅延線5に出力するものである。
ベクトル調整器2は、後述する制御部11′からの制御に従って(制御部11′から与えられる制御値(調整量)で)、入力信号の位相のシフト及び振幅の減衰処理調整(ベクトル調整)を行うものであり、例えば可変位相器及び可変減衰器で構成されている。
方向性結合器4は、主増幅器3からの増幅された入力信号をそのまま遅延線8に出力すると共に、主増幅器3から出力された歪成分を含む入力信号と、遅延線5から出力された歪成分を含まない入力信号とを逆位相で合成し、合成結果である歪成分信号をベクトル調整器6に出力するものである。
補助増幅器7は、歪成分信号を増幅するものである。
遅延線8は、補助増幅器7における増幅による歪成分信号の遅延に合わせるため、方向性結合器4から出力された歪成分を含む入力信号を遅延させて、方向性結合器9に出力するものである。
方向性結合器9は、歪成分を含む入力信号と、増幅された歪成分信号とを逆位相で合成して増幅器出力信号を得るものである。
検波器12は、方向性結合器9から出力される出力信号中の残留歪レベルを検波するものである。
入力された信号は、方向性結合器1で分岐され、ベクトル調整器2と遅延線5とに出力される。ベクトル調整器2に入力された入力信号は、位相及び振幅を調整され、主増幅器3において所定の増幅率で増幅される。このとき、基本周波数成分の近傍に歪成分が発生し、共に方向性結合器4に入力される。
方向性結合器9において、遅延線8からの、遅延された、歪を含む増幅された入力信号と、補助増幅器7からの、増幅された歪成分信号とが逆位相で合成され、歪成分が相殺された出力信号が出力される。
制御部11′では、残留歪レベルに基づいて、残留歪レベルが最小となるよう、ベクトル調整器6での調整量を制御し、歪除去ループにおける調整量を最適化する。
このようにして、一般的なフィードフォワード増幅器の動作が行われるものである。
この従来技術は、残留歪の電力レベルにしたがって、ベクトル調整器の振幅変化量、位相変化量を変化させ、歪補償動作が安定状態になったときにはベクトル調整器の状態を保持するようにしたものであり、これにより、高精度・高安定な歪補償を継続して行えるフィードフォワード方式の歪補償増幅器を提供するものである。
本発明のフィードフォワード歪補償増幅器は、入力レベルが一定レベル以下の低電力になった場合に、歪検出ループにおいて位相と振幅の制御値を一定の範囲以上動かして、歪成分の検出値を取得し、検出値に変化がなければ収束したと判断し、また、収束が確認できる最低の入力レベルを求めておき、入力レベルが当該最低の入力レベル未満であった場合には、位相と振幅の制御を停止するものであり、入力信号のレベルが低レベルであっても、検出可能なぎりぎりの低レベルになるまでループ制御を続けることができ、安定した増幅動作を行うことができるものである。
本実施の形態のフィードフォワード増幅器(本装置)の構成は、図5に示した一般的なフィードフォワード増幅器とほぼ同様であり、方向性結合器1と、ベクトル調整器2と、主増幅器3と、方向性結合器4と、遅延線5と、ベクトル調整器6と、補助増幅器7と、遅延線8と、方向性結合器9と、検波器10と、制御部11と、検波器12と、入力レベル検出部13とから構成されている。尚、入力レベル検出部13は、図5では図示しておらず、必須ではないものの、一般的なフィードフォワード歪補償増幅器に設けられていることもあり、入力信号の信号レベルを検出するもの(例えば検波器)である。
但し、本装置では、残留歪レベルを検出する検波器12として、ダイナミックレンジの広い検波器を用いて、主増幅器3のノイズも検出可能としている。
また、制御部11の歪検出ループ制御手段は、定期的に制御を行うほか、従来と同様に、検波器10からの歪成分レベルが基準値を越えた場合にもベクトル調整器2の制御を行うようになっている。
通常、入力レベル検出手段13からの入力レベルが小さい場合には、検波器10からの歪成分信号のレベル自体も小さく、また変化も乏しくなる。
横軸は、ベクトル調整器2に与えられる位相の制御値PH1、縦軸は、振幅の制御値AT1であり、斜線で示された範囲では、検波器10の検波レベルが最小のまま変化しないことを示している。つまり真にループが平衡となる最適な制御値はこの範囲の中央付近に存在すると想定されるが、ループのずれが検出できないほど小さく、特に支障もないのでこの範囲内であれば収束したと見なせるのである。
そして、これにより、できるだけ低レベルまで制御を停止しないようにして、ループの平衡を保つようにしたものである。
図3では、無入力時における振幅の制御値をAT2、位相の制御値をPH2とし、各々の制御値に応じた検波器12からの検波レベルを示したものである。図3でもわかるように、検波レベルが最低となるAT2とPH2の制御値の組合せは一点ではなく、ある範囲に広がっており、この範囲で制御値を変動させたとしても検波器12からの検波レベルに変化はないことがわかる。
本願は、このことを利用して、無入力時や低入力レベル時でも、検波レベルが最低となる範囲に制御値を収束させようとするものである。
適応制御は、基本的には検波器10若しくは12の検出値を取得するステップと、検出値に基づいて制御値(調整量)を更新するステップを繰り返してなされるものである。そしてその繰返しの中に、入力レベルが低い場合の処理として、本発明の特徴的な制御が含まれる。図4では制御値の更新方法として摂動法を想定しており、以下順を追って説明する。
処理S102で入力レベルがPmin以上であった場合(Yesの場合)は、制御部11は、検出値と予め制御部11内部に記憶されている規定レベルとを比較し(S104)、検出値が規定レベル未満のとき(Noの場合)、すなわち入力レベルがある一定水準より低いときはS120に分岐する。尚、規定レベルは、後述する処理S108で用いられる検出値の基準値(ACPTH)と同程度の値であって、収束を検出できる最低限界の入力レベルPminより若干大きい値に設定されている。
この場合、制御部11は、「規定レベルフラグ」を「真(例えば「1」)」に設定する(S106)。「規定レベルフラグ」は、検出値のレベルが予め設定された規定レベルより高いことを示すフラグであり、制御部11内部のワークエリアに保持されている。
これにより、収束状態での無駄な制御値の更新を避け、また検出値の取得時間(平均時間)を長くして精度を向上させることができる。収束状態の判断には、検波器10の検出値(ACP)と基準値(ACPTH)との比較のほか、ACPを入力レベルで正規化したACPRとその基準値(ACPRTH)との比較を併用してもよい。
この処理は従来と同様であるが、簡単に説明する。
摂動法では、制御対象が複数ある場合、それらを1つずつ例えば巡回的に更新する。具体的には、直前に図2に示したAT1、PH1(歪除去ループも一緒に更新する場合は図3に示したAH2、PH2も含む)のどの制御値を更新したかを示す更新制御値情報と、AT1、PH1(AH2、PH2)に対して最も最近に与えたそれぞれの過去摂動量と、前回に検波器10(及び12)が検出した前回検出値を記憶している。
処理S104で検出値が規定レベル未満であった場合(Noの場合)、制御部11は、入力レベルが十分大きいことを示す「規定レベルフラグ」が「真(例えば「1」)」に設定されているかどうかを判断する(S120)。
そして、制御部11は、規定レベルフラグを「偽」に設定し(S124)、処理S110に移行して調整量の更新を行う。
このようにして、本装置の歪検出(及び歪除去)ループ適応制御の処理が行われる。
Claims (1)
- 入力信号の位相と振幅を調整する第1のベクトル調整器と、
前記第1のベクトル調整器の出力を増幅する主増幅器と、
前記主増幅器の出力と前記入力信号とを逆位相で合成して入力信号の歪成分を検出する第1の方向性結合器と、
前記検出された歪成分を検波して歪成分レベルを出力する第1の検波器と、
前記第1の方向性結合器の出力の位相と振幅を調整する第2のベクトル調整器と、
前記第2のベクトル調整器の出力を増幅する補助増幅器と、
前記第1の方向性結合器の出力と前記補助増幅器の出力を逆位相で合成して歪成分を除去する第2の方向性結合器と、
前記第2の方向性結合器の出力を検波して残留歪レベルを出力する第2の検波器と、
前記歪成分レベルに基づいて前記第1のベクトル調整器における調整量を制御して記憶すると共に、前記残留歪レベルに基づいて前記第2のベクトル調整器における調整量を制御する制御部と、
を備えたフィードフォワード歪補償増幅器であって、
前記制御部は、前記歪成分レベル若しくは前記入力信号の入力レベルが予めそれぞれに対応して設定された規定レベルを下回った場合に、前記第1のベクトル調整器の調整量を、前記規定レベルを下回った時点の調整量から予め設定された第1の量以上変動させて記憶し、歪成分レベルを取得して、前記取得された歪成分レベルと前記下回った時点の歪成分レベルとの差が予め設定された第2の量未満であれば、前記第1のベクトル調整器の調整量を制御して記憶する処理を停止する制御部であり、
前記第2の検波器は、前記入力信号が無い時に前記主増幅器が出力する雑音を検出するダイナミックレンジを有する検波器であることを特徴とするフィードフォワード歪補償増幅器。
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