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JP4580201B2 - 圧電素子の再生方法および液体吐出装置 - Google Patents
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JP4580201B2 - 圧電素子の再生方法および液体吐出装置 - Google Patents

圧電素子の再生方法および液体吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、変位性能が低下した圧電素子を再生して、本来の変位性能を回復させるための再生方法と、この再生方法によって圧電素子を再生する機能を備えた液体吐出装置とに関するものである。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタ等の、インクジェット記録方式を利用した記録装置が、コンシューマ向けの小型プリンタ等だけでなく、例えば、電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも、広く利用されている。
インクジェット記録方式の記録装置においては、インクジェットヘッドを主走査方向に移動させると共に、記録紙や基板等を、上記主走査方向と交差する副走査方向に移動させながら、記録情報に応じてインクジェットヘッドを駆動させて、当該インクジェットヘッドのノズルの開口から断続的にインク滴を吐出させることにより記録が行われる。例えば、小型プリンタの場合は記録紙等の表面に文字や画像が記録され、工業用の記録装置の場合は基板等の表面に電子回路、液晶ディスプレイのカラーフィルタ、有機ELディスプレイの発光セル等が形成される。
ノズルの開口からインク滴を吐出させるためには、当該ノズルと連通する、内部にインクが充填される加圧室の容積を所定のタイミングで増減させることで、ノズル内に形成されるインクの液面のメニスカス(ノズルにおいて露出したインクの自由表面)を振動させてインク滴を発生させると共に、インク滴発生時のインクの運動エネルギーによって、ノズルの開口から吐出させることが行われる。また、加圧室の容積を増減させる手段としては、圧電素子および振動板を含み、圧電素子が変形して振動板が撓むことによって加圧室の容積を増減させる圧電アクチュエータや、加圧室内のインクを加熱して気化させることにより、加圧室内に気泡を発生させて、その容積を減少させるヒータ等が一般的に用いられる。しかし、工業用途では、水性のインクだけでなく、有機溶媒を用いたインクも使用されることから、上記手段としては、噴射できるインクの種類に制限が少なく、しかも、耐久性にも優れた圧電アクチュエータの活用が注目されている。
圧電アクチュエータを用いたインクジェットヘッドにおいては、圧電素子の変位性能を向上して、インクの吐出特性を向上させるために、圧電素子を分極処理するのが一般的である。ところが、圧電素子の分極は、時間の経過と共に次第に失われて行き、変位性能も徐々に低下する傾向にある。
そこで、経年使用後においても、インクを所望の吐出特性でもって吐出させるべく、圧電素子の変位性能を維持するために、当該圧電素子を、インクジェットヘッドの使用時の任意の時点において、環境温度以上で、かつキュリー温度未満に加熱しながら、インク滴を吐出する際に印加する駆動電圧波形と同極性の電圧を印加することで、再分極させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、圧電素子を、例えば、電荷制御や注入エネルギー制御等の制御を行って駆動させる場合には、印加した電界の方向と逆方向に内部電界が形成されるため、分域に有効に作用する電界が低下する。また、低電界の領域(電界が0または弱い逆電界)でも、必要以上の逆電界が分域に作用する。そのため、単に駆動電圧波形と同極性の電圧を印加しただけでは、圧電素子の変位に及ぼす90°分域反転の寄与が大きくなり、また、場合によっては変位に無関係な180°分域反転も発生することから、1サイクル中の損失エネルギーが増加してしまい、十分な変位性能の回復が期待できないという問題がある。
圧電素子に、その使用時の任意の時点において、駆動電圧波形と逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値が圧電素子の抗電界の電圧値以上である電圧を印加して、内部電界を解消することによって、圧電素子の変位性能を回復する再生方法が提案されている(特許文献2参照)。
この再生方法によれば、上記のように、その使用時の任意の時点において、圧電素子の内部電界を解消できることから、その後、引き続いて、例えば圧電素子を駆動させるべく、駆動電圧波形を印加した際等に、内部電界を解消せずに再生処理する場合に比べて、より効率よく圧電素子を再分極させて、その変位性能を十分に回復させることが可能である。
ただし、インクジェットヘッド上に配列される複数の圧電素子においては、その駆動履歴の違いによって、上記の処理を行った際の、内部分極の解消状態にばらつきが生じるおそれがある。そこで、これら複数の圧電素子に、まず、駆動電圧波形と同極性の電圧を印加した後、引き続いて、駆動電圧波形と逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値が圧電素子の抗電界の電圧値以上である電圧を印加して、内部電界を解消することも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−141866号公報(請求項1、第0006欄〜第0007欄、第0028欄、図5) 特開平6−342946号公報(請求項1、第0006欄〜第0007欄、第0009欄〜第0010欄、第0015欄〜第0021欄) 特開2002−355967号公報(請求項1、請求項2、第0007欄〜第0011欄、第0036欄〜第0041欄)
特許文献3に記載の再生方法によれば、インクジェットヘッド上に配列される複数の圧電素子を、その駆動履歴の違いに関係なく、均一に、内部電界を解消して、その後、引き続いて、駆動電圧波形を印加した際等に、より効率よく、かつ均一に圧電素子を再分極させて、その変位性能を十分に、しかも均一に回復させることが可能である。
しかし、再生時には、まず駆動電圧波形と同極性の電圧を印加し、次いで逆極性の電圧を印加するという、急激な電圧の変化を伴うパルス波形の電圧を、インクジェットヘッド上の全ての圧電素子に、同時に印加する必要があることから、圧電素子の充放電に伴って、インクジェットヘッドの駆動回路を流れる電流値が大きくなる。そのため、特に、1つのインクジェットヘッド上に搭載される圧電素子の数が多くなるほど、駆動回路への負担が大きくなるという問題がある。
また、圧電素子は、かかる急激な電圧の変化に伴って、駆動電圧波形と同極性の電圧が印加された変形状態から、逆極性の電荷が印加された、上記と逆方向の変形状態に急激に変形させられるため、圧電素子の負担も大きくなる。また、かかる急激な変形をした直後の圧電素子が慣性力によって振動し、それに伴って不必要なインク滴の吐出が発生して、インクの消費量を増加させるおそれもある。
本発明の目的は、駆動回路や圧電素子への負担を低減すると共に、不必要なインク滴の吐出を防止しつつ、例えばインクジェットヘッド上に配列される複数の圧電素子の変位性能を、駆動履歴の違いに関係なく均一に、しかも十分に、回復させることができる再生方法と、この再生方法によって圧電素子を再生する機能を備えた液体吐出装置とを提供することにある。
請求項1記載の発明は、圧電素子に、駆動電圧波形と同極性の電圧Vを印加した後、当該電圧Vと逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値が圧電素子の抗電界の電圧値以上である電圧Vを印加する工程を含む圧電素子の再生方法であって、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vに変化させる途中の段階で、圧電素子に、電圧Vと同極性で、かつ、その電圧値の絶対値がV<Vである電圧Vを一定時間、印加することを特徴とする圧電素子の再生方法である。
請求項2記載の発明は、電圧Vを、圧電素子の分極方向の再反転が起こらない電圧値に設定する請求項1記載の圧電素子の再生方法である。
請求項3記載の発明は、
(1) 液体が充填される加圧室と、
(2) 加圧室に連通するノズルと、
(3) 圧電素子を含み、圧電素子の変形によって撓んで加圧室の容積を増減させることで、加圧室内の液体を、ノズルを通して液滴として吐出させるための圧電アクチュエータと、
を備える液体吐出装置の、上記圧電アクチュエータに組み込まれる圧電素子を再生する請求項1記載の圧電素子の再生方法である。
請求項4記載の発明は、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、電圧Vを印加する時間tとの和T=t+tを、加圧室に液体が充填された状態での、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.15≦T/T≦0.3
を満足する範囲に設定する請求項3記載の圧電素子の再生方法である。
請求項5記載の発明は、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、上記時間Tとの和T=T+tを、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.2≦T/T≦0.6
を満足する範囲に設定する請求項4記載の圧電素子の再生方法である。
請求項6記載の発明は、電圧Vを印加する時間Tを、加圧室に液体が充填された状態での、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.7≦T/T
を満足する範囲に設定する請求項3記載の圧電素子の再生方法である。
請求項7記載の発明は、電圧Vを一定時間、印加後、電圧Vと同極性または逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値がV<Vである電圧Vを一定時間、印加し、次いで電圧Vと同極性である電圧Vを印加する請求項3記載の圧電素子の再生方法である。
請求項8記載の発明は、電圧Vを、電圧Vと同極性で、かつ、圧電素子の分極方向の再反転が起こらない電圧値に設定する請求項7記載の圧電素子の再生方法である。
請求項9記載の発明は、電圧Vの電圧値の絶対値を、電圧V=電圧Vに設定する請求項7記載の圧電素子の再生方法である。
請求項10記載の発明は、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、電圧Vを印加する時間tとの和T=t+tを、加圧室に液体が充填された状態での、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.15≦T/T≦0.3
を満足する範囲に設定する請求項7記載の圧電素子の再生方法である。
請求項11記載の発明は、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、上記時間Tとの和T=T+tを、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.2≦T/T≦0.6
を満足する範囲に設定する請求項10記載の圧電素子の再生方法である。
請求項12記載の発明は、液体吐出装置が、インクジェット記録方式の記録装置に組み込まれる圧電インクジェットヘッドであり、記録装置の電源投入直後、ノズルクリーニング時、記録紙の排紙時、および記録開始直前に、圧電素子の再生処理を行う請求項3記載の圧電素子の再生方法である。
請求項13記載の発明は、
(1) 液体が充填される加圧室と、
(2) 加圧室に連通するノズルと、
(3) 圧電素子を含み、圧電素子の変形によって撓んで加圧室の容積を増減させることで、加圧室内の液体を、ノズルを通して液滴として吐出させるための圧電アクチュエータと、
を備えると共に、圧電素子に駆動電圧を印加する駆動電源と、この駆動電源を制御して、圧電素子に駆動電圧を印加させる制御手段とを有し、この制御手段が、任意の時点で、圧電素子に、請求項1〜12のいずれかに記載の圧電素子の再生方法を実施して圧電素子を再生させるべく、駆動電源を制御する素子再生機能を有することを特徴とする液体吐出装置である。
請求項14記載の発明は、インクジェット記録方式の記録装置に組み込まれる圧電インクジェットヘッドであり、制御手段は、記録装置の電源投入直後、ノズルクリーニング時、記録紙の排紙時、および記録開始直前に、圧電素子の再生処理を行う請求項13記載の液体吐出装置である。
請求項1記載の発明によれば、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vに変化させる途中の段階で、圧電素子に、電圧Vと同極性で、かつ、その電圧値の絶対値がV<Vである電圧Vを一定時間、印加しているため、従来のように、電圧Vの印加後、すぐに電圧Vを印加する場合に比べて、V−V間およびV−V間の電位差を小さくすることができる。そのため、圧電素子の充放電に伴って、インクジェットヘッドの駆動回路を流れる電流値を小さくして、当該駆動回路への負担を低減することができる。また、圧電素子の急激な変形も緩和できるため、圧電素子の負担を軽減できる。さらに、圧電素子の変形速度を低下させることができるため、変形直後の圧電素子が慣性力によって振動し、それに伴って不必要なインク滴の吐出が発生して、インクの消費量が増加するのを抑制することもできる。
しかも、請求項1記載の発明によれば、前記特許文献3に記載された方法と同様に、圧電素子に、まず、駆動電圧波形と同極性の電圧Vを印加した後、上記のように電圧Vを経て、逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値が圧電素子の抗電界の電圧値以上である電圧Vを印加していることから、例えばインクジェットヘッド上に配列される複数の圧電素子を、その駆動履歴の違いに関係なく、均一に、その内部電界を解消して、その後、引き続いて駆動電圧波形を印加した際等に、より効率よく、かつ均一に再分極させて、その変位性能を十分に、しかも均一に回復させることができる。
請求項2記載の発明によれば、電圧Vを、上記のように、電圧Vと同極性、つまり電圧Vと逆極性で、かつ、圧電素子の分極方向の再反転が起こらない電圧値に設定して、分極方向の再反転を防止しながら、電圧Vを印加した状態と逆方向に変形させた状態を一定時間、維持することによって、圧電素子に、上記電圧Vを印加して変形させた状態と逆方向の機械的応力を付与して、電圧Vを印加して変形させた状態において圧電素子内に発生する、残留分極を低下させる方向に生じるドメインの配向を、元の方向に戻すことができる。そのため、圧電素子の内部電界を、より効果的に、解消することができる。
請求項3記載の発明によれば、インクジェットヘッドなどの液体吐出装置の圧電アクチュエータに組み込まれた圧電素子を、上記請求項1記載の発明の再生方法によって再生することができる。
上記の液体吐出装置において、圧電アクチュエータに組み込まれ、電圧Vが印加された圧電素子は、圧電効果によってその平面方向に生じる引張応力と、機械的な変形による圧縮応力の両方が作用している状態に置かれている。圧電素子に印加する電圧を、電圧Vから、電圧Vへ向けて徐々に変化させ始めると、当該圧電素子を含む圧電アクチュエータは、液体が充填された加圧室の体積変動を伴って、その固有振動周期Tで自由振動を開始する。そして、この自由振動に伴って、圧電素子に機械的に作用する応力が、まず圧縮側に、次いで引張側にと、周期的に作用しながら減衰する。
ここにおいて、請求項4に記載したように、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、電圧Vを印加する時間tとの和T=t+tを、上記固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.15≦T/T≦0.3
を満足する範囲に設定すると、圧電素子に作用する応力がまだ圧縮側にある時間内に、印加電圧を電圧Vまで変化させることができる。そして、圧電素子に電圧Vを一定時間、印加する間、当該圧電素子に圧縮応力を作用させ続けることができる。そのため、圧電素子の内部電界を、より効果的に、解消することができる。
請求項5記載の発明によれば、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、上記時間Tとの和T=T+tを、上記固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.2≦T/T≦0.6
を満足する範囲に設定しているため、電圧の変化に伴う圧電素子の、そして圧電アクチュエータの振動を、電圧が電圧Vから電圧Vまで変化することによって生じる、分極方向の反転に伴う圧電素子の変形による振動と打ち消し合わせて、不必要なインク滴の吐出と、それに伴うインクの消費量の増加とを、さらに抑制することができる。
請求項6記載の発明によれば、電圧Vを印加する時間Tを、上記固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.7≦T/T
を満足する範囲に設定しているため、時間Tが経過した後の圧電アクチュエータの圧電素子に、先に述べた自由振動と逆位相の駆動電圧波形を印加して駆動させることができ、圧電アクチュエータの共振を防いで、不必要なインク滴の吐出と、それに伴うインクの消費量の増加とを、さらに抑制することができる。また、圧電素子の内部電界をより確実に解消して、その後、引き続いて駆動電圧波形を印加した際等に、より効率よく再分極させて、その変位性能を十分に回復させることができる。
請求項7記載の発明によれば、電圧Vを一定時間、印加して圧電素子の内部電界を解消した後、圧電素子に印加する電圧を、一旦、電圧Vを経て電圧Vに変化させることにより、先の、請求項1の場合と同様に駆動回路や圧電素子への負担を軽減しながら、当該圧電素子を、より効率よく再分極させて、その変位性能を十分に回復させることができる。また、圧電素子の変形速度を低下させることができるため、変形直後の圧電素子が慣性力によって振動し、それに伴って不必要なインク滴の吐出が発生して、インクの消費量が増加するのを抑制することもできる。
請求項8記載の発明によれば、電圧Vを、電圧Vと同極性、つまり電圧Vと逆極性で、かつ、圧電素子の分極方向の再反転が起こらない電圧値に設定して、分極方向の再反転を防止しながら、電圧Vを印加した状態と逆方向に変形させた状態を一定時間、維持することによって、圧電素子に、上記電圧Vを印加して変形させた状態と逆方向の機械的応力を付与して、電圧Vを印加して変形させた状態において圧電素子内に発生する、残留分極を低下させる方向に生じるドメインの配向を、元の方向に戻すことができる。そのため、圧電素子の内部電界を、より効果的に、解消することができる。
電圧Vが印加された圧電素子は、電圧Vが印加された場合と同様に、圧電効果によってその平面方向に生じる引張応力と、機械的な変形による圧縮応力の両方が作用している状態に置かれており、圧電素子に印加する電圧を、電圧Vから、電圧Vへ向けて徐々に変化させ始めると、圧電アクチュエータが、固有振動周期Tで自由振動を開始する。そして、この自由振動に伴って、圧電素子に機械的に作用する応力が、まず圧縮側に、次いで引張側にと、周期的に作用しながら減衰する。
したがって、請求項9に記載したように、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、電圧Vを印加する時間tとの和T=t+tを、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.15≦T/T≦0.3
を満足する範囲に設定すると、先の、請求項4の場合と同様に、圧電素子に作用する応力がまだ圧縮側にある時間内に、印加電圧を電圧Vまで変化させることができる。そして、圧電素子に電圧Vを一定時間、印加する間、当該圧電素子に圧縮応力を作用させ続けることができるため、圧電素子の内部電界を、より効果的に、解消することができる。
請求項10記載の発明によれば、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、上記時間Tとの和T=T+tを、上記固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.2≦T/T≦0.6
を満足する範囲に設定しているため、電圧の変化に伴う圧電素子の、そして圧電アクチュエータの振動を、電圧が電圧Vから電圧Vまで変化することによって生じる、分極方向の反転に伴う圧電素子の変形による振動と打ち消し合わせて、不必要なインク滴の吐出と、それに伴うインクの消費量の増加とを、さらに抑制することができる。
請求項11〜13に記載したように、液体吐出装置が、インクジェット記録方式の記録装置に組み込まれる圧電インクジェットヘッドである場合に、上述した圧電素子の再生処理を、記録装置の電源投入直後、ノズルクリーニング時、記録紙の排紙時、および記録開始直前等の、記録を行うにあたって必要とされる待機時間中に行うようにすると、圧電インクジェットヘッドの稼働率を低下させることなしに、圧電素子の変位性能を常に良好な状態に維持することができる。そのため、例えば工業用途の記録装置においては、電子回路や、液晶ディスプレイのカラーフィルタ、有機ELディスプレイの発光セル等を、生産性を低下させることなく、所望の形状に、精度良く形成し続けることができる。また、コンシューマ向けの小型プリンタ等においては、上記の、通常の待機時間以外は待機時間を増加させて動作速度を低下させることなく、文字や画像などを記録し続けることができる。
以下に、本発明を、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタ等の記録装置に組み込まれるインクジェットヘッドに適用した場合を例に挙げて説明する。
〈インクジェットヘッド〉
図1は、この例のインクジェットヘッドの一部を拡大した断面図である。また、図2(a)〜(c)は、上記例のインクジェットヘッドを用いて本発明の駆動方法を実施する過程を示す、インクジェットヘッドのノズルの部分をさらに拡大した断面図である。
図1を参照して、この例のインクジェットヘッドは、図においてその上面側に、インクを充てんするための加圧室11が面方向に複数個、所定のドットピッチで配列された、流路部材としての基板1と、この基板1の上面に、加圧室11を閉じるように積層された圧電アクチュエータ2と、圧電アクチュエータ2を動作させるための駆動回路3と、駆動回路3を制御して圧電アクチュエータ2を動作させるための制御手段4とを備えている。
また、圧電アクチュエータ2は、基板1上に、この順に積層された、いずれも複数個の加圧室11を覆う大きさを有する振動板21と、共通電極22と、平板状の圧電セラミック層23(圧電素子)と、そして、それぞれの加圧室11に対応して分離形成した複数個の個別電極24とを備えている。
各加圧室11には、それぞれ、基板1の、圧電アクチュエータ2を積層した側と反対側である、図において下側の面に達する、インク滴吐出のためのノズル12が連通されている。また図示していないが、各加圧室11には、それぞれ、インクジェットプリンタのインク補給部からインクを供給するための共通供給路が、供給口を介して連通されている。
そして、インク補給部から、共通供給路と供給口とを介してインクを各加圧室11に充てんした状態で、共通電極22と、複数個の個別電極24のうち、インク滴を吐出させるノズル12に対応した個別電極24との間に、駆動回路3から、所定のパルス波形を有する駆動電圧を印加すると、それに応じて、圧電セラミック層23のうち、駆動電圧を印加した領域が変形することで、圧電アクチュエータ2の同領域が動作して、加圧室11の容積が所定のタイミングで増減される。そして、それに伴って、ノズル12内に形成されるインクの液面のメニスカスが振動して、ノズル12から、インク滴が吐出されて記録が行われる。
上記のうち基板1は、金属製の板材や、セラミック製の板材等を用いて形成される。例えば金属製の基板1は、圧延法等によって所定の厚みに形成された板材をエッチング加工して、加圧室11とノズル12とを形成することによって作製される。かかる基板1を形成する金属材料としては、例えば、Fe−Cr系合金、Fe−Ni系合金、WC−TiC計合金等が挙げられ、中でもインクに対する耐食性と、加工性とを考慮すると、Fe−Ni系合金が好ましい。
圧電アクチュエータ2のうち、圧電セラミック層23は、例えば、圧電体グリーンシートを焼成したり、圧電材料の焼結体を薄板状に研磨したりして形成される。圧電セラミック層23を構成する圧電セラミックとしては、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)や、当該PZTにランタン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガンなどの酸化物の1種または2種以上を添加したもの、例えばPLZTなどの、PZT系の圧電材料を挙げることができる。また、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN)、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウムなどを主要成分とするものを挙げることもできる。圧電体グリーンシートは、焼成によって上記いずれかの圧電材料となる化合物を含んでいる。
また、振動板21は、例えば、モリブデン、タングステン、タンタル、チタン、白金、鉄、ニッケルなどの単体金属や、これら金属の合金、あるいはステンレス鋼などの金属材料によって形成することもできるが、特に、上で説明した圧電セラミック層23と同じ圧電セラミックによって形成されるのが好ましい。
また、振動板21と、共通電極22と、圧電セラミック層23とは、振動板21および圧電セラミック層23のもとになるセラミックグリーンシートと、共通電極のもとになる導電ペーストの層との積層体を、同時に焼結して形成されるのが好ましい。これにより、圧電セラミック層23の反り変形を矯正することができる。
共通電極22を形成する金属としては、例えば、Ag、Pd、Pt、Rh、Au、Ni等の金属単体、もしくはこれらの金属を含む合金が挙げられ、特にAg−Pd系合金が好ましい。共通電極22は、上で説明したように、上記金属や合金の粉末を含む導電性のペーストを、振動板21および圧電セラミック層23のもとになるセラミックグリーンシートと同時に焼結して形成されるのが好ましく、その厚みは、十分な導電性を確保しつつ、圧電アクチュエータ2の変形を妨げない範囲として0.5〜8μmであるのが好ましく、1〜3μmであるのがさらに好ましい。
個別電極24を形成する金属としては、上記と同様の金属または合金が挙げられ、特に電気抵抗および耐食性等を考慮するとAuが好ましい。個別電極の厚みは0.5〜5μmであるのが好ましく、0.5〜2μmであるのがさらに好ましい。個別電極24は、例えば上記Au等の導電性に優れた金属の粉末を含む導電性のペーストを、圧電セラミック層23の表面に、スクリーン印刷法などの印刷法によって所定の形状に印刷して形成したり、上記金属からなる薄板を、圧電セラミック層23の表面に、例えば接着剤を用いて接着して一体化したのち、フォトリソグラフ法を利用したエッチングなどによって所定の形状に形成したり、あるいは圧電セラミック層23の表面に、フォトリソグラフ法などを利用して、所定の形状の開口部を有するめっきレジスト層を形成し、上記金属をめっきしたのちレジスト層を除去して所定の形状に形成したりすることができる。
圧電アクチュエータ2の総厚みは、駆動回路3から駆動電圧が印加された際に良好に変形させることを考慮すると、100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは65μm以下、特に50μm以下であるのが良い。また、十分な機械的強度を付与し、取り扱い時および動作時に破損するの防止することを考慮すると、3μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは20μm以上であるのが良い。
基板1と圧電アクチュエータ2とは、例えば接着剤の層(図示せず)を介して接着して一体化することができる。接着剤としては、従来公知の種々の接着剤が挙げられるが、インクジェットヘッドの耐熱性や、インクに対する耐性を向上することを考慮すると、熱硬化温度が100〜250℃であるエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等の、熱硬化性の接着剤を使用するのが好ましい。これら接着剤の層を介して、基板1と圧電アクチュエータ2とを積層して、接着剤の熱硬化温度まで加熱することによって、インクジェットヘッドが製造される。
上記インクジェットヘッドの圧電アクチュエータ2のうち、共通電極22と、個別電極23とは、それぞれ駆動回路3に接続されており、駆動回路3は、制御手段4に接続されている。
制御手段4は、記録時には、例えば、ホストコンピュータから送信された文字や画像等の記録情報をもとに駆動回路3を制御して、当該駆動回路3により、共通電極22と、任意の個別電極23との間に、所定のパルス波形を有する駆動電圧を印加させる。そうすると、圧電アクチュエータ2の、駆動電圧が印加された領域が動作して、その領域に対応する加圧室11に連通したノズル12から、インク滴が吐出されて記録が行われる。
詳しくは、ノズル12内にインクの液面のメニスカスが形成された状態で、圧電アクチュエータ2を動作させて、加圧室11の容積を所定のタイミングで増減させる。そうすると、供給口、加圧室11、およびノズル12内のインクが振動を起こし、それに伴ってメニスカスが振動する。そして、振動の速度が結果的にノズル12の外方へ向かうことによって、メニスカスが外部へと柱状に押し出される。この押し出されたインクは、その形状からインク柱と呼ばれる。
振動の速度は、やがてノズル12の内方向へ向かうが、インク柱はそのまま外方向に運動を続けるため、メニスカスから切り離される。そして、切り離されたインク柱は1〜2滴程度のインク滴にまとまり、それが記録紙等の方向に飛翔して、当該記録紙等の表面にドットを形成する。そして、このドットの集合によって、記録紙等の表面に、文字や画像等が記録される。
圧電アクチュエータ2を動作させてインク滴を吐出させる駆動方法としては、いわゆる引き打ち式の駆動方法と、押し打ち式の駆動方法とがあり、このうち、引き打ち式の駆動方法においては、待機時に、図4(a)に示すように、圧電アクチュエータ2のうち圧電セラミック層23の、すべての加圧室11に対応する領域に駆動電圧を印加し続けて、いずれも充電された変形状態を維持することで、加圧室11の容積を減少させた状態を維持しておく。
記録を行うに際して、ノズル12からインク滴を吐出させる加圧室11においては、
(1) まず図4(a)のS1の時点で、圧電セラミック層23の該当する領域を放電させて変形解除状態として、加圧室11の容積を増加させることで、ノズル12内のメニスカスを加圧室11の側に引き込んだ後、
(2) 図4(a)のS2の時点で、再び、圧電セラミック層23の該当領域に充電して変形状態として、加圧室11の容積を減少させることによって、
ノズル12内のメニスカスを振動させて、前記のメカニズムによってインク滴を発生させると共に、ノズル12から吐出させる。また、この間、インク敵を吐出させない加圧室11においては、圧電セラミック層23の該当する領域の充電された変形状態を維持し続ける。
そうすると、上記(1)(2)の操作を行った加圧室11に対応するノズル12のみから選択的にインク滴を吐出させて記録を行うことができる。
一方、押し打ち式の駆動方法においては、待機時には、図4(b)に示すように、圧電アクチュエータ2のうち圧電セラミック層23の、すべての加圧室11に対応する領域に駆動電圧を印加せずに、放電された変形解除状態を維持することで、加圧室11の容積を平常の状態に維持しておく。
記録を行うに際して、ノズル12からインク滴を吐出させる加圧室11においては、図4(b)のS1の時点で、圧電セラミック層23の該当する領域に充電して変形状態として、加圧室11の容積を減少させることによってインク滴を発生させる。
また、この間、インク敵を吐出させない加圧室11においては、圧電セラミック層23の該当する領域の放電された変形解除状態を維持し続ける。そうすると、上の操作を行った加圧室11に対応するノズル12のみから選択的にインク滴を吐出させて記録を行うことができる。ドットの形成後は、図4(b)のS2の時点で、圧電セラミック層23の該当領域を放電させて変形解除状態とすることにより、待機状態に復帰させることができる。
〈圧電素子の再生方法〉
制御手段4は、上で説明した、インク滴を吐出させて記録を行う動作が行われないものの、記録を行うにあたって必要とされる待機時間中、詳しくは、記録装置の電源投入直後、ノズルクリーニング時、記録紙の排紙時、および記録開始直前に、圧電アクチュエータ2の圧電セラミック層23に、所定の電圧波形の電圧を印加して、当該圧電セラミック層23内に生じた内部電界を解消して、当該圧電セラミック層2を再生させる素子再生機能を有している。
詳しくは、制御手段4は、上記の待機時間中に、駆動回路3を制御して、図2に示すように、まず、圧電セラミック層23に、電圧Vを印加する。なお、圧電アクチュエータ2が、前記のように引き打ち式の駆動方法で駆動される場合は、その待機時に印加し続けている駆動電圧でもって、この電圧Vに代えることができる。一方、押し打ち式の駆動方法の場合は、この電圧Vを新たに印加することになる。
次に、制御手段4は、駆動回路3を制御して、圧電セラミック層23に印加している電圧を、電圧Vから、時間tをかけて、電圧Vと逆極性で、かつ、電圧値の絶対値がV<Vに設定された電圧Vまで変化させ、この電圧Vを時間tの間、維持した後、さらに時間tをかけて、電圧を、電圧Vから、電圧Vと逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値が圧電素子の抗電界の電圧値以上に設定された電圧Vまで変化させ、そして、この電圧Vを時間Tの間、維持する。
以上の操作を行うと、先に説明したメカニズムにより、駆動回路や圧電セラミック層23への負担を低減すると共に、不必要なインク滴の吐出を防止しながら、圧電セラミック層23内に発生した内部電界を効率よく解消することができる。そのため、例えば、押し打ち式の駆動方法の場合は、図に示すように、時間Tが経過した後、記録可能な待機状態に復帰させるべく、圧電セラミック層23に、電圧Vと同極性で、かつ図の例の場合は電圧値の絶対値が等しい電圧Vを印加することにより、圧電セラミック層23を良好に再分極させることができる。また、押し打ち式の駆動方法の場合は、電圧Vを一定時間、印加して、圧電セラミック層23を良好に再分極させた後、その印加を停止することで、待機状態に復帰させることができる。
なお、上記のうち電圧Vは、圧電素子の分極方向の再反転が起こらない電圧値に設定するのが好ましい。また、時間t、tの和T=t+tは、加圧室に液体が充填された状態での、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.15≦T/T≦0.3
を満足する範囲に設定するのが好ましい。また、時間tと、上記時間Tとの和T=T+tは、上記固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.2≦T/T≦0.6
を満足する範囲に設定するのが好ましい。さらに、時間Tは、固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.7≦T/T
を満足する範囲に設定するのが好ましい。
これらの設定を行うことにより、先に説明したように、ノズル12からインク滴が吐出されてインクの消費量が増加するのをさらに確実に防止しつつ、圧電セラミック層23の内部電界を、より一層、効率よく解消することが可能となる。
図3は、制御手段4による素子再生機能の別の例を示すグラフである。図の例において、制御手段4は、駆動回路3を制御して、圧電セラミック層23に印加している電圧を、電圧Vから、時間tをかけて、電圧Vと逆極性で、かつ、電圧値の絶対値がV<Vに設定された電圧Vまで変化させ、この電圧Vを時間tの間、維持した後、さらに時間tをかけて、電圧を、電圧Vから、電圧Vと逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値が圧電素子の抗電界の電圧値以上に設定された電圧Vまで変化させ、そして、この電圧Vを時間Tの間、維持する。ここまでの工程は、図2の例と同様である。各電圧値の好適な範囲、および時間の好適な範囲も、図2の例と同様である。
時間Tが経過した後、制御手段4は、駆動回路3を制御して、圧電セラミック層23に印加している電圧を、電圧Vから、時間tをかけて、図の例の場合は電圧Vと同極性で、かつ、電圧値の絶対値がV<Vである電圧Vまで変化させ、この電圧Vを時間tの間、維持した後、さらに時間tをかけて、電圧を、電圧Vから、電圧Vと同極性で、かつ図の例の場合は電圧値の絶対値が等しい電圧Vまで変化させる。
この操作を行うと、やはり先に説明したメカニズムにより、駆動回路や圧電セラミック層23への負担を低減すると共に、不必要なインク滴の吐出を防止しながら、圧電セラミック層23内に発生した内部電界を効率よく解消すると共に、圧電セラミック層23を良好に再分極させることができる。
この後、引き打ち式の駆動方法では、電圧Vを維持することにより、待機状態に復帰させることができる。また、押し打ち式の駆動方法の場合は、電圧Vを一定時間、印加して、圧電セラミック層23を良好に再分極させた後、その印加を停止することで、待機状態に復帰させることができる。
なお、上記のうち電圧Vは、電圧Vと逆極性でもよい。また、時間t、tの和T=t+tは、加圧室に液体が充填された状態での、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.15≦T/T≦0.3
を満足する範囲に設定するのが好ましい。また、時間tと、上記時間Tとの和T=T+tは、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
0.2≦T/T≦0.6
を満足する範囲に設定するのが好ましい。
これらの設定を行うことにより、先に説明したように、ノズル12からインク滴が吐出されてインクの消費量が増加するのをさらに確実に防止しつつ、圧電セラミック層23の内部電界を、より一層、効率よく解消することが可能となる。
なお、本発明の用途は、以上で説明したインクジェットヘッドには限定されず、例えばマイクロポンプ等にも適用することが可能である。
本発明の圧電素子の再生方法が適用される液体吐出装置としての、インクジェットヘッドの一部を拡大した断面図である。 図1のインクジェットヘッドの圧電素子を、本発明の再生方法によって再生するために、圧電素子に印加する電圧の波形の一例を示すグラフである。 図1のインクジェットヘッドの圧電素子を、本発明の再生方法によって再生するために、圧電素子に印加する電圧の波形の他の例を示すグラフである。 同図(a)(b)は、図1のインクジェットヘッドを駆動する際に、圧電素子に印加する駆動電圧波形の例を示すグラフである。
符号の説明
11 加圧室
12 ノズル
2 圧電アクチュエータ
23 圧電セラミック層(圧電素子)
3 駆動電源
4 制御手段
〜V 電圧

Claims (13)

  1. 圧電素子に、駆動電圧波形と同極性の電圧Vを印加した後、当該電圧Vと逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値が圧電素子の抗電界の電圧値以上である電圧Vを印加する工程を含む圧電素子の再生方法であって、圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vに変化させる途中の段階で、圧電素子に、電圧Vと同極性で、かつ、その電圧値の絶対値がV<Vである電圧Vを一定時間、印加することを特徴とする圧電素子の再生方法。
  2. 電圧Vを、圧電素子の分極方向の再反転が起こらない電圧値に設定する請求項1記載の圧電素子の再生方法。
  3. (1) 液体が充填される加圧室と、
    (2) 加圧室に連通するノズルと、
    (3) 圧電素子を含み、圧電素子の変形によって撓んで加圧室の容積を増減させることで、加圧室内の液体を、ノズルを通して液滴として吐出させるための圧電アクチュエータと、
    を備える液体吐出装置の、上記圧電アクチュエータに組み込まれる圧電素子を再生する請求項1記載の圧電素子の再生方法。
  4. 圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、電圧Vを印加する時間tとの和T=t+tを、加圧室に液体が充填された状態での、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
    0.15≦T/T≦0.3
    を満足する範囲に設定する請求項3記載の圧電素子の再生方法。
  5. 圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、上記時間Tとの和T=T+tを、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
    0.2≦T/T≦0.6
    を満足する範囲に設定する請求項4記載の圧電素子の再生方法。
  6. 電圧Vを印加する時間Tを、加圧室に液体が充填された状態での、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
    0.7≦T/T
    を満足する範囲に設定する請求項3記載の圧電素子の再生方法。
  7. 電圧Vを一定時間、印加後、電圧Vと同極性または逆極性で、かつ、その電圧値の絶対値がV<Vである電圧Vを一定時間、印加し、次いで電圧Vと同極性である電圧Vを印加する請求項3記載の圧電素子の再生方法。
  8. 電圧Vを、電圧Vと同極性で、かつ、圧電素子の分極方向の再反転が起こらない電圧値に設定する請求項7記載の圧電素子の再生方法。
  9. 圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、電圧Vを印加する時間tとの和T=t+tを、加圧室に液体が充填された状態での、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
    0.15≦T/T≦0.3
    を満足する範囲に設定する請求項7記載の圧電素子の再生方法。
  10. 圧電素子に印加する電圧を電圧Vから電圧Vまで変化させるのに要する時間tと、上記時間Tとの和T=T+tを、圧電アクチュエータの固有振動周期Tに対する比T/Tが、
    0.2≦T/T≦0.6
    を満足する範囲に設定する請求項9記載の圧電素子の再生方法。
  11. 液体吐出装置が、インクジェット記録方式の記録装置に組み込まれる圧電インクジェットヘッドであり、記録装置の電源投入直後、ノズルクリーニング時、記録紙の排紙時、および記録開始直前に、圧電素子の再生処理を行う請求項3記載の圧電素子の再生方法。
  12. (1) 液体が充填される加圧室と、
    (2) 加圧室に連通するノズルと、
    (3) 圧電素子を含み、圧電素子の変形によって撓んで加圧室の容積を増減させることで、加圧室内の液体を、ノズルを通して液滴として吐出させるための圧電アクチュエータと、
    を備えると共に、圧電素子に駆動電圧を印加する駆動電源と、この駆動電源を制御して、圧電素子に駆動電圧を印加させる制御手段とを有し、この制御手段が、任意の時点で、圧電素子に、請求項1〜11のいずれかに記載の圧電素子の再生方法を実施して圧電素子を再生させるべく、駆動電源を制御する素子再生機能を有することを特徴とする液体吐出装置。
  13. インクジェット記録方式の記録装置に組み込まれる圧電インクジェットヘッドであり、制御手段は、記録装置の電源投入直後、ノズルクリーニング時、記録紙の排紙時、および記録開始直前に、圧電素子の再生処理を行う請求項12記載の液体吐出装置。
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