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JP4580766B2 - 薄膜圧電共振器及び薄膜圧電共振器の製造方法 - Google Patents
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薄膜圧電共振器及び薄膜圧電共振器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜圧電共振器に関し、特に、高周波帯域で用いられる薄膜圧電共振器及びその製造方法に関する。
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信機器、コンピュータ間のデータを高速に転送する無線ローカルエーリアネットワーク(LAN)システム等の無線通信システムでは、GHz以上の高周波数帯を利用する。このような無線通信システム等の高周波数帯電子機器に用いられる高周波素子として、薄膜圧電共振器(FBAR)がある。
これまで、高周波領域における共振器として、バルク(セラミック)誘電体共振器や、弾性表面波(SAW)素子が用いられている。これらの共振器と比較し、FBARは小型化に適し、更に高周波化に対応が可能等の特徴がある。このため、FBARを用いた高周波フィルタや共振回路等の開発が進められている。
FBARの基本構成においては、窒化アルミニウム(AlN)や酸化亜鉛(ZnO)等の圧電膜が、対向する下部電極及び上部電極の間に挟まれている。高性能化のため、FBARの共振部は、空洞の上に浮かして配置される。例えば、積層空洞型のFBARでは、支持基板上に堆積した犠牲層を加工し、犠牲層を覆うように下部電極、圧電膜及び上部電極を順次形成した後、犠牲層を除去してFBARの共振部の下部に空洞を作製する(例えば、特許文献1参照)。また、シリコン(Si)基板表面に形成した絶縁層上に下部電極、AlN層、及び上部電極を積層し、AlN層を貫通するビアを通して下部電極の下側に空洞部を形成し、FBARを作製するものもある(例えば、特許文献2参照)。
下部及び上部電極には、FBARの共振特性の向上のため、圧電共振振動での弾性損失が少ないこと等が求められる。また、共振周波数を調整するための機能等も求められる。また、下部及び上部電極に印加される電気信号の損失を抑制するために、低抵抗金属が望まれる。更に、下部電極に関しては、圧電膜を配向性よく成膜するためのシード層としての機能が求められる。単体金属としては、高融点で比較的に抵抗率の低いモリブデン(Mo)やタングステン(W)等が良好とされている。特に、AlN等圧電体がc軸配向を取りやすいMoが良く使用されている。しかし、共振周波数を高周波化する場合、圧電体膜厚はもちろん電極膜厚を薄くする必要が出てくる。この場合、電極抵抗が上昇して高周波特性が劣化するため、より抵抗の低い材料を使用する必要性が生じる。
米国特許第6060818号明細書 米国特許第6355498号明細書
本発明は、共振特性の向上ができ、高周波特性の劣化の抑制が可能なFBAR及びFBARの製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、(イ)基板上の第1の金属膜と、(ロ)第1の金属膜上の非晶質金属膜と、(ハ)非晶質金属膜上で、非晶質金属膜の表面に垂直な方向に配向した第2の金属膜と、(ニ)第2の金属膜上で、第2の金属膜の表面に垂直な方向に配向した圧電膜とを備える薄膜圧電共振器であることを要旨とする。
本発明の第2の態様は、(イ)基板上に第1の金属膜を形成し、(ロ)第1の金属膜上に非晶質金属膜を形成し、(ハ)非晶質金属膜上に非晶質金属膜の表面に垂直な方向に配向した第2の金属膜を形成し、(ニ)第2の金属膜上に第2の金属膜の表面に垂直な方向に配向した圧電膜を形成し、(ホ)圧電膜を、非晶質金属膜をエッチングストップ層として選択的に除去することを含む薄膜圧電共振器の製造方法であることを要旨とする。
本発明によれば、共振特性の向上ができ、高周波特性の劣化の抑制が可能なFBAR及びFBARの製造方法を提供することが可能となる。
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るFBARは、図1に示すように、絶縁膜32表面上に設けられた下部電極14と、下部電極14の表面上に設けられた圧電膜15と、圧電膜15の表面上に設けられた上部電極16とを備える。空洞17の上で下部及び上部電極14、16の対向する領域と、対向する下部及び上部電極14、16で挟まれた圧電膜15とで共振部20が規定される。
また、図2に示すように、下部電極14、圧電膜15及び上部電極16は、空洞17を有する基板11及び絶縁膜32により支持されている。共振部20は、空洞17上に配置されている。下部電極14は、基板11表面の絶縁膜32上に設けられた第1の金属膜21、第1の金属膜21表面上に設けられた非晶質金属膜22、及び非晶質金属膜22表面上に設けられ、非晶質金属膜22の表面に垂直な方向に配向した第2の金属膜23を有する。第2の金属膜23は、圧電膜15で覆われた部分だけに設けられている。圧電膜15で覆われた下部電極14の端部は、絶縁膜32表面に対して直角より小さな角度で傾斜している。基板11は、例えばSi等の半導体基板である。絶縁膜32は、SiO2膜等である。
共振部20の圧電膜15では、下部電極14あるいは上部電極16に印加された高周波信号で励振されたバルク音響波の共振により、高周波信号が伝達される。例えば、下部電極14から印加されたGHz帯域の高周波信号は、共振部20の圧電膜15を介して上部電極16に伝達される。共振部20の良好な共振特性を得るために、結晶の配向等を含む膜質や膜厚の均一性に優れたAlN膜やZnO膜が、圧電膜15として用いられる。
圧電膜15の性能は、圧電効果の大きさの指標である電気機械結合係数、及び共振周波数における機械的な振動の鋭さの指標である品質係数Qm等で表すことができる。圧電膜15の電気機械結合係数を上げるには、圧電結晶の分極軸を圧電膜15の厚み方向に揃えることが重要となる。また、高純度の圧電結晶を用いて、圧電膜の結晶方位を分極方向に揃えることで、大きな品質係数Qmが得られる。
下部電極14の第1の金属膜21及び上部電極16は、低抵抗の金属膜で、FBARの高周波特性の劣化を抑制する。例えば、FBARの共振周波数、及び下部、上部電極14、16に用いる金属材料等が決まると、電気機械結合係数が最大となる下部、上部電極14、16、及び圧電膜15の厚さは、ほぼ一義的に決まる。また、このときの電気機械結合係数の最大値は、電極に用いられる金属材料の弾性係数等に大いに依存するとともに、金属材料の密度が小さければ、その最適な電極厚さは厚くなる傾向にある。したがって、下部及び上部電極14、16の抵抗を低減するには、低抵抗率を有し、且つ、密度の小さな金属材料を用いることが望ましい。
第1の金属膜21及び上部電極16に用いる金属膜の室温での抵抗率は、約10×10-8Ωm以下の範囲、望ましくは約5×10-8Ωm以下の範囲、更に望ましくは約3×10-8Ωm以下の範囲である。第1の金属膜21及び上部電極16として、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、及びタングステン(W)等の低抵抗金属が用いられる。また、Al、Cu、Au、及びAg等の低抵抗金属を主成分とし、Ni、Pt、Mo、及びW等を約10wt%以下、望ましくは約5wt%以下添加した合金でもよい。これらを添加することで、熱工程でのヒロック抑制による平坦性の確保や、電極硬度増大に起因する品質係数Qmの向上が期待できる。更に、合金に、Si及び炭素(C)等を約5wt%以下添加してもよい。なお、上部電極16は、共振部20の共振周波数を調整するためのTiW膜等の負荷電極を含むことができる。
下部電極14の非晶質金属膜22及び第2の金属膜23は、第2の金属膜23表面に堆積される圧電膜15の配向性を制御する。非晶質金属膜22には、アルミニウムタンタル(AlxTa1-x)、2ホウ化チタン(TiB2)等の合金が用いられる。AlxTa1-xについては、例えばスパッタ等により室温近傍で成膜した場合、Al組成xが約0.1から約0.9の範囲で非晶質となることが、X線回折(XRD)や反射電子回折(RHEED)等により確認されている。第2の金属膜23には、Al、Au、Mo、及びW等の晶癖を有する金属が用いられる。AlやAuは、面心立方格子(fcc)金属で、晶癖面である(111)方位に配向しやすい。MoやWは、体心立方格子(bcc)金属で、晶癖面である(110)方位に配向しやすい。
例えば、一般的な多結晶金属層では、種々の結晶方位を持つ結晶粒の表面が現われている。多結晶金属層の表面は、結晶粒に依存した凹凸等により、平坦性に劣る。一方、金属や絶縁膜等の非晶質層の表面は、均一であり、平坦である。例えば、表面粗さ計や原子間力顕微鏡(AFM)等で検出される二乗平均粗さは、多結晶金属表面では、3nm以上であるのに対し、非晶質金属表面では、3nm以下である。したがって、fcc金属やbcc金属は、非晶質層表面上で、それぞれの晶癖面に配向して成膜されやすい。
また、基板表面の下地層或いは犠牲層として通常使用されるSiO2等の非晶質絶縁膜と比較すると、一般に非晶質金属膜は、表面エネルギーが大きい。したがって、非晶質金属膜の上に成長する結晶が層状成長して表面エネルギーを下げようとする性質があるため、非晶質金属層表面では、更に配向性を向上させることができる。例えば、第2の金属膜23としてAlを用いる場合、非晶質金属膜22表面に成膜された第2の金属膜23は(111)方位の高配向膜となる。
また、圧電膜15として用いるAlN或いはZnO等の圧電結晶は六方晶系に属する。六方晶系の結晶は、本来(0001)方位に配向しやすい性質を有している。第2の金属膜23の高配向性を受け継いで、AlNやZnO等の圧電結晶を、第2の金属膜23表面に垂直な方向で(0001)方位、即ちc軸に高配向させて形成することができる。ここで、これら第2の金属膜23や圧電膜15は、例えばXRDにより測定されるロッキングカーブの半値幅が3°以下程度の高配向膜として形成すればよい。このように、圧電結晶の分極方向であるc軸に圧電膜15を単一配向させることによって分極軸を揃えることができる。その結果、圧電膜15の電気機械結合係数及び品質係数Qmを確保することが可能となる。
また、圧電膜15は、絶縁膜32上に下部電極14が形成された表面に成膜される。絶縁膜32と下部電極14との段差部では、圧電膜15の配向が変化する。その結果、圧電膜15に応力が集中し、圧電特性が劣化したり、圧電膜15にクラックが発生してしまうという問題がある。段差部の影響を緩和するために、下部電極14の端部を20度以下の傾斜となるように傾斜加工を施す。このようにして、傾斜加工された下部電極14の段差部に成膜された圧電膜15の応力集中を緩和しクラック発生を抑制している。
第1の実施の形態によれば、共振特性の向上ができ、高周波特性の劣化の抑制が可能なFBARを実現することが可能となる。
次に、第1の実施の形態に係るFBARの製造方法を、図3〜図7に示す工程断面図を用いて説明する。ここで、説明に使用する工程断面図には、図1に示したA−A線に相当する断面が示されている。
(イ)図3に示すように、熱酸化等により、基板11の表面にSiO2等の絶縁膜32を1μmの厚さで形成する。
(ロ)スパッタ等により、基板11の温度を室温付近に保持しながら、例えば、Al合金層、AlTa非晶質金属層及びAl金属層をそれぞれ、約200nm、約100nm及び約5nmの厚さで成膜する。図4に示すように、フォトリソグラフィ及びRIE等により、Al金属層、AlTa非晶質金属層及びAl合金層を選択的に除去して第1の金属膜21、非晶質金属膜22及び第2の金属膜23を有する下部電極14を形成する。なお、フォトリソグラフィ条件を調整して、レジストマスクの端部を傾斜させることにより、下部電極14の端部を傾斜させている。
(ハ)スパッタ等により、AlN等の圧電体層を所望の厚さで成膜する。図5に示すように、フォトリソグラフィ及びRIE等により、AlN圧電体層を選択的に除去して圧電膜15を形成する。なお、AlN圧電体層のエッチングは、アルカリ溶液を用いたウェットエッチングでもよい。
(ニ)スパッタ等により、圧電膜15上にAl合金層を成膜する。図6に示すように、フォトリソグラフィ及びウェットエッチング等により、Al合金層を選択的に除去して上部電極16を形成する。
(ホ)研磨等により、基板11の裏面研磨を行い、例えば、約200μmの厚さに薄膜化する。図7に示すように、フォトリソグラフィ及びRIE等により、絶縁膜32をエッチングストップ層として基板11を裏面から選択的に除去して開口部を形成する。ウェットエッチング等により、基板11の開口部を介して、下部電極14下の絶縁膜32を選択的に除去して空洞17を形成する。このようにして、図2に示したように、空洞17上に下部電極14、圧電膜15及び上部電極16を有する共振部20が形成される。
なお、第1の金属膜21のAl合金層を成膜後、大気中に一旦取り出してAl合金層の表面に酸化膜を形成してもよい。薄い表面酸化膜を第1の金属膜21上に形成することで、非晶質金属膜22であるAlTa非晶質金属層の非晶質構造を維持しやすくなり、ひいては第2の金属膜23の薄いAl金属膜及び圧電膜15のAlN圧電体層の配向性を向上させることができる。
また、圧電膜15で覆われず露出した非晶質金属膜22を除去してもよい。露出した非晶質金属膜22の除去は、例えば、圧電膜15のエッチング後に引き続き、RIEあるいはケミカルドライエッチング(CDE)等により行えばよい。
上記説明では、第1の金属膜21が、約200nmの厚さで成膜されている。第1の金属膜21の抵抗値は、厚さに逆比例するので、厚膜化した方が望ましい。なお、Alのような低硬度の金属材料を厚く成膜すると、圧電膜15で生じた圧電共振振動のエネルギーの吸収量が増大して、弾性損失を招く恐れがある。しかし、第1の金属膜21と圧電膜15との間に、一般に高い硬度を有する非晶質金属膜22を介在させることで、第1の金属膜21における振動のエネルギー吸収を抑止でき、ひいては大きな弾性損失を招くことなく第1の金属膜21を厚膜化することが可能となる。また、非晶質金属膜22が、約100nmの厚さで成膜されている。非晶質金属膜22は、圧電膜15のエッチングにおいて、エッチングストップ層としても用いられる。AlTaに対するAlNのエッチングの選択比は、エッチング条件により変化する。例えば、AlN及びAlは、塩化物系ガスを用いたRIEでエッチングされる。AlTaは、フッ化物系ガスを用いたRIEでエッチングされる。また、塩化物系ガスを用いたRIEでは、AlTaのエッチング速度は、AlN及びAlに比べて遅い。したがって、非晶質金属膜22に対する圧電膜15のエッチング選択比、及び非晶質金属膜22による重量付加効果を考慮しつつ、非晶質金属膜22の必要な厚さを決定すればよい。なお、非晶質金属膜22は、平坦性を確保するために、約3nm以上の厚さが望ましい。
また、第2の金属膜23は、約5nmの厚さで成膜されている。第2の金属膜23は、平坦性を確保するために、約3nm以上の厚さとすればよい。ただし、第2の金属膜23が厚すぎると、第2の金属膜23を構成している低硬度のAl膜中でのエネルギー吸収に伴う弾性損失多大になり、品質係数Qmが低下する傾向があるため、第2の金属膜23は約10nm以下の厚さで形成することが望ましい。
また、FBARの共振周波数、及び下部、上部電極14、16に用いる金属材料により、下部及び上部電極14、16の電極厚さが規定される。金属材料の密度が小さければ、電極厚さは厚くなる。したがって、下部及び上部電極14、16の抵抗を低減するには、低抵抗率を有し、且つ、密度の小さな金属材料を用いることが望ましい。例えば、Al、Cu等の金属、及びAl、Cu等を主成分とする合金が望ましい。
また、非晶質金属膜22として用いるAlTaの抵抗率は、Al等の低抵抗率金属に比べて、約2桁高い。一方、圧電膜15直下の第2の金属膜23の薄いAl金属膜は、圧電膜15のAlN圧電層のエッチング時に除去されてしまう。しかし、非晶質金属膜22が、圧電膜15のエッチングにおいてエッチングストップ層として機能するため、非晶質金属膜22下の第1の金属膜21は、エッチングされない。第1の実施の形態では、第1の金属膜21として、低抵抗率を有し、且つ、密度の小さな金属材料を用いている。したがって、低抵抗率の第1の金属膜21の厚さを厚くして下部電極14を低抵抗にすることができ、高周波帯域での共振特性の劣化を抑制することが可能となる。
第1の実施の形態では、絶縁膜32表面に第1の金属膜21及び非晶質金属膜22が平坦に成膜される。平坦な非晶質金属膜22表面には、Al等の第2の金属膜23を(111)方位に高配向させて成膜することができる。その結果、第2の金属膜23表面に圧電膜15をc軸に高配向させて成膜することが可能となる。また、下部電極14が空洞17を覆うように形成されているため、圧電膜15の機械的強度を向上させることができる。
第1の実施の形態によれば、共振特性の向上ができ、高周波特性の劣化の抑制が可能なFBARの製造が可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るFBARは、図8及び図9に示すように、絶縁膜32にバリア膜34を介して埋め込まれた第1の金属膜21aと、埋め込まれた第1の金属膜21a及び絶縁膜32の平坦化された表面に設けられた非晶質金属膜22と、非晶質金属膜22表面に設けられた第2の金属膜23とを有する下部電極14を備える。また、圧電膜15で覆われた下部電極14の端部は、絶縁膜32表面に対して直角より小さな角度で傾斜している。また、圧電膜15は、下部電極14の傾斜端部側に延在している。上部電極16は、圧電膜15表面に延在して設けられている。共振部20は、空洞17上に配置された下部電極14、圧電膜15及び上部電極16で規定される。
第2の実施の形態では、第1の金属膜21aが絶縁膜32に埋め込まれて設けられている点が、第1の実施の形態と異なる。他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、重複する記載は省略する。
第2の実施の形態では、下部電極14の第1の金属膜21aは、低抵抗の金属膜で、FBARの高周波特性の劣化を抑制することが可能となる。下部電極14の非晶質金属膜22上に、配向した第2の金属膜23が設けられている。配向した第2の金属膜23上に設けられる圧電膜15をc軸に高配向させることができる。したがって、圧電膜15の電気機械結合係数及び品質係数Qmを確保することができる。また、第1の金属膜21が絶縁膜32に埋め込まれている。そのため、下部電極14の傾斜端部の段差が低減される。したがって、傾斜加工された下部電極14の段差部に成膜された圧電膜15の応力集中が緩和され、クラック発生を抑制することが可能となる。
第2の実施の形態によれば、共振特性の向上ができ、高周波特性の劣化の抑制が可能なFBARを実現することが可能となる。
次に、第2の実施の形態に係るFBARの製造方法を、図10〜図15に示す工程断面図を用いて説明する。
(イ)図10に示すように、熱酸化等により、基板11の表面にSiO2等の絶縁膜32を1.3μmの厚さで形成する。図11に示すように、フォトリソグラフィ及びRIE等により、絶縁膜32を選択的に除去して溝27を形成する。化学気相成長(CVD)等により、溝27を有する絶縁膜32の表面にSi34等のバリア膜34を成膜する。
(ロ)図12に示すように、スパッタ等により、バリア膜34の表面に溝27を埋め込むようにCu等の金属層を成膜する。CMP等により、絶縁膜32の表面が露出するように金属層を平坦化して、第1の金属膜21aを形成する。
(ハ)図13に示すように、スパッタ等により、例えば、AlTa非晶質金属層及びAl金属層をそれぞれ、約100nm及び約5nmの厚さで成膜する。フォトリソグラフィ及びRIE等により、Al金属層及びAlTa非晶質金属層を選択的に除去して第1の金属膜21a、非晶質金属膜22及び第2の金属膜23を有する下部電極14を形成する。なお、フォトリソグラフィ条件を調整して、レジストマスクの端部を傾斜させることにより、非晶質金属膜22及び第2の金属膜23の端部を傾斜させている。
(ニ)図14に示すように、スパッタ等により、AlN等の圧電体層を所望の厚さで成膜する。スパッタ等により、圧電膜15上にCu合金層等を、例えば約300nmの厚さで成膜する。フォトリソグラフィ及びウェットエッチング等により、Cu合金層を選択的に除去して上部電極16を形成する。引き続き、フォトリソグラフィ及びRIE等により、AlN圧電体層を選択的に除去して圧電膜15を形成する。
(ホ)基板11の裏面研磨を行い、例えば、約200μmの厚さに薄膜化する。図15に示すように、フォトリソグラフィ及びRIE等により、絶縁膜32をエッチングストップ層として基板11を裏面から選択的に除去して開口部を形成する。ウェットエッチング等により、基板11の開口部を介して、下部電極14下の絶縁膜32及びバリア膜34を選択的に除去して空洞17を形成する。このようにして、図9に示したように、空洞17上に下部電極14、圧電膜15及び上部電極16を有する共振部20が形成される。
第2の実施の形態では、第1の金属膜21aとして、低抵抗率を有し、且つ、密度の小さな金属材料を用いている。したがって、電極厚さを厚くして低抵抗にすることができ、高周波帯域での共振特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、第2の実施の形態では、絶縁膜32及び第1の金属膜21a表面に非晶質金属膜22が平坦に成膜される。平坦な非晶質金属膜22表面には、Al等の第2の金属膜23を(111)方位に高配向させて成膜することができる。その結果、圧電膜15をc軸に高配向させて成膜することが可能となる。また、下部電極14が空洞17を覆うように形成されているため、圧電膜15の機械的強度を向上させることができる。
第2の実施の形態によれば、共振特性の向上ができ、高周波特性の劣化の抑制が可能なFBARの製造が可能となる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の第1及び第2の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明の第1及び第2の実施の形態においては、第1の金属膜21及び上部電極16として、単層の低抵抗金属膜が用いられる。しかし、第1の金属膜21及び上部電極16は、単層の金属膜に限定されない。低抵抗が確保されれば、複数の金属膜を用いてもよい。例えば、第1の金属膜21及び上部電極16に、共振部20の共振周波数を調整するためのTiW膜等の負荷電極を含ませてもよい。
このように、本発明はここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係るFBARの一例を示す平面図である。 図1に示したFBARのA−A断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第1の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第1の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第1の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その5)である。 本発明の第2の実施の形態に係るFBARの一例を示す平面図である。 図8に示したFBARのB−B断面を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第2の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第2の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第2の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その5)である。 本発明の第2の実施の形態に係るFBARの製造方法の一例を示す工程断面図(その6)である。
符号の説明
11 基板
14 下部電極
15 圧電膜
16 上部電極
17 空洞
20 共振部
21、21a 第1の金属膜
22 非晶質金属膜
23 第2の金属膜
27a 溝
32 絶縁膜
34 バリア膜

Claims (4)

  1. 基板上の第1の金属膜と、
    前記第1の金属膜上のタンタルアルミニウムからなる非晶質金属膜と、
    前記非晶質金属膜上で、前記非晶質金属膜の表面に垂直な方向に配向した第2の金属膜と、
    前記第2の金属膜上で、前記第2の金属膜の表面に垂直な方向に配向した圧電膜
    とを備えることを特徴とする薄膜圧電共振器。
  2. 前記第1の金属膜が、室温で10×10-8Ωm以下の抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜圧電共振器。
  3. 前記第2の金属膜が、(111)及び(110)方位のいずれかに配向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜圧電共振器。
  4. 基板上に第1の金属膜を形成し、
    前記第1の金属膜上に非晶質金属膜を形成し、
    前記非晶質金属膜上に前記非晶質金属膜の表面に垂直な方向に配向した第2の金属膜を形成し、
    前記第2の金属膜上に前記第2の金属膜の表面に垂直な方向に配向した圧電膜を形成し、
    前記圧電膜を、前記非晶質金属膜をエッチングストップ層として選択的に除去する
    ことを含むことを特徴とする薄膜圧電共振器の製造方法。
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