JP4580955B2 - 床下通気制御部材およびこれを用いた建築構造 - Google Patents
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Description
このような通気制御部材は、建物の外壁と壁構造材の間に形成された外部通気層の入口部分、壁構造材と室内壁との間に形成される内部通気層と床下空間との連通部分、屋根裏と連通する軒先部分、屋根裏の棟部分や建物の基礎部分等に配設されている。
すなわち、壁構造材と室内壁との間に、床下空間と屋根裏に連通する内部通気層が設けられた建物に配設される床下通気制御部材であって、前記床下空間と前記内部通気層とを連通させる連通部および通気路が形成された本体部と、前記連通部の少なくとも一方側に配設され、板厚方向に貫通して形成された貫通孔の位置により前記連通部を開放状態と閉止状態に切り替える遮蔽板と、前記遮蔽板の貫通孔位置を閉止位置と開放位置との間でスライドさせる開閉機構と、を備え、該開閉機構は、前記本体部の下側空間に配設されると共に、形状記憶合金からなるバネ体およびバイアスバネを有し、前記形状記憶合金からなるバネ体は建物の基礎部分と土台部分との間に形成される隙間部分からの室外空気に直接接触するように配設され、該バネ体およびバイアスバネは、外気温に応じて相互間に生じるバネ圧の差により、前記遮蔽板を開放位置と閉止位置との間でスライドさせ、前記床下空間と前記内部通気層との通気が制御されていることを特徴とする床下通気制御部材である。
また、建物内の空気の流通状態を、それぞれの季節に適した状態にすることができるため、冷暖房に必要なエネルギーの消費を最小限にすることができ、経済的である。さらには、エネルギーの使用量が削減でき、エネルギー消費に伴う二酸化炭素の排出量が削減するので地球温暖化を抑制することが可能になる。
(通気断熱構造)
はじめに、本発明に係る通気制御装置を用いた建築構造(通気断熱構造)ついて説明する。図1に示す建物は、断熱材からなる壁構造材10の外側に、壁構造材10との間に通気層を設けて外壁12を設置し、壁構造材10の内側に、壁構造材10との間に通気層を設けて室内壁14を設置した構造を備える。壁構造材10に沿って外壁12と壁構造材10とに挟まれた部位が外部通気層16であり、壁構造材10と室内壁14とによって挟まれた部位が内部通気層18である。
基礎20には外部と連通する開口部20aが形成され、開口部20aに開閉機構付き地窓21が取り付けられている。この開閉機構付き地窓21は、開放位置と閉止位置との間で回動する遮蔽板を備え、形状記憶合金を用いたモジュールを利用して遮蔽板を開放位置と閉止位置に回動することによって、夏期のように外気温が高いときには開放され、冬期のように外気温が低いときには閉止されるように制御される。
なお、形状記憶合金からなるバネ体を利用した開閉機構モジュールは、形状記憶合金からなるバネ体64Aと、通常の弾性材からなるバイアスバネ64Bとを、互いの弾性力(引っ張り力)が逆向きとなるように取り付け、夏期のように外気温が高くなったときには形状記憶合金からなるバネ体64Aによる弾性力が通常の弾性材からなるバイアスバネ64Bの弾性力を上回るように設定し、その弾性力の差が駆動力として利用できるように構成されている。
小屋裏25の頂部には、屋根26と小屋裏25とを連通する開口部25aが設けられ、小屋裏25と屋根裏30とは開口部25aを介して連通する。
こうして、建築物全体が通気循環状態となり、居住室13においては室内壁14から内部通気層18へ熱気、湿気が透過し、室内環境が快適な状態に維持されるようになる。
このため、室内の換気用に排気ファン40を取り付ける場合がある。この排気ファン40を作動させる際には外気を取り入れる必要があり、本実施形態の通気構造を備えた建物であれば内部通気層18を介して居住室13に外気を取り込むことも可能であるが、より直接的に外気を取り込む方法として、本実施形態では、構造材10と居住室13の室内壁14との間を横断するように居住室用通気制御部材42を取り付ける構成を採用した。
居住室用通気制御部材42の開閉動作は、手動により作動させる形態、他の通気制御部材と同様に形状記憶合金からなるバネ体を用いた温度変化に基づいて自動的に作動させる形態のいずれの形態であってもよい。
図2〜図5に、本実施形態における床下通気制御部材を示す。図2は、本実施形態における床下通気制御部材の配設状態を示す斜視図である。図3は本実施形態における床下通気制御部材内の空気の流れを示す説明図である。図4は夏季における床下通気制御部材の状態を示す説明図である。図5は、冬季における床下通気制御部材の状態を示す説明図である。ここで、図4と図5は、ダクト60Bの表示を省略した図面になっている。
遮蔽板62には板厚方向に貫通する貫通孔62Aが形成されている。遮蔽板62の貫通孔62Aは、遮蔽板62がスライドする方向に所要間隔をあけてスリット状に配設されている。より詳細には、貫通孔62Aの配設間隔は連通部60Aにおける開口部のスリット間隔と同じスリット間隔となるように形成されている。遮蔽板62のスライド量は、貫通孔62Aの位置が連通部60Aのスリット状に形成された開口部を完全に閉止する状態から完全に開口する状態の範囲でなされる。
なお、本実施形態における建物の床下空間23と室外との連通は、床下通気制御部材24を介してのみ連通させるため、通気窓60Yが面しない建物の基礎20の上端部と建物の土台22との間の隙間部分Sにはコーキング材Cにより気密にシールされている。
これに対し、温度変化に応じて徐々にバネ体64Aのバネ性を減らす設定を採用すれば、春や秋等において、床下空間23と内部通気層18とを完全に遮断することなく、半開き(半連通)状態にすることができる。形状記憶合金の設定は建物を建設する地区の気候条件や居住者の好みに応じて適宜選択すればよい。
続いて、本実施形態の床下通気制御部材24の作用について説明する。
先にも説明したように、形状記憶合金からなるバネ体を利用した開閉機構モジュール(開閉機構)64は、形状記憶合金からなるバネ体64Aと、通常の弾性材により形成されたバネからなるバイアスバネ64Bを、互いの弾性力(引っ張り力)が逆向きとなるように取り付け、その弾性力の差を駆動力として利用している。
バネ体64Aおよびバイアスバネ64Bの弾性力およびバネの長さは、夏季においては連通部60Aの開口部を開放させる位置(図4)とし、冬季においては連通部60Aの開口部を閉止させる位置(図5)となるように設定されている。
例えば、開閉機構64のバネ体64Aとバイアスバネ64Bのバネ圧の設定は、夏季においてバネ体64Aのバネ圧をバイアスバネ64Bよりも大きくする形態としているが、逆のバネ圧の設定形態であってもよいのはもちろんである。要は、夏季と冬季におけるバネ体64Aとバイアスバネ64Bのバネ圧に差をもたせることにより、本体部60の連通部60Aの位置に対して遮蔽板62の貫通孔62Aの位置をスライドさせることができればよいのである。
例えば図6に示すように、ダクト60Bを内部通気層18側の各連通部60A,60Aに共有させる形態としても良い。そしてこの構成を採用する場合、ダクト60Bと壁面内の柱等が干渉する部分においては、ダクト60Bを回避させるための切欠部を柱等に形成しておけばよい。このような構成にすることで、床下通気制御部材24を壁面内(柱間)に配設する作業負担が大幅に軽減されるため、施工コストを大幅に削減することができる。また、床下通気制御部材24の取り付け精度を向上させることができるため好都合である。
12 外壁
13 居住室
16 外部通気層
17、34、37 通気制御部材
18 内部通気層
20 基礎
20a 地窓孔
21 開閉機構付き地窓
22 土台
23 床下空間
24 床下通気制御部材
25 小屋裏
26 屋根
28 小屋裏材
30 屋根裏
32 軒先
36 ハット部材
40 排気ファン
60 本体部
60A 連通部
60B 係合ピン
60C 通気路
60D 保持片
60Y 通気窓
60Z 下側空間
62 遮蔽板
62A 貫通孔
62B 係合部
64 開閉機構
64A バネ体
64B バイアスバネ
C コーキング
S 隙間部分
Claims (3)
- 壁構造材と室内壁との間に、床下空間と屋根裏に連通する内部通気層が設けられた建物に配設される床下通気制御部材であって、
前記床下空間と前記内部通気層とを連通させる連通部および通気路が形成された本体部と、
前記連通部の少なくとも一方側に配設され、板厚方向に貫通して形成された貫通孔の位置により前記連通部を開放状態と閉止状態に切り替える遮蔽板と、
前記遮蔽板の貫通孔位置を閉止位置と開放位置との間でスライドさせる開閉機構と、を備え、
該開閉機構は、前記本体部の下側空間に配設されると共に、形状記憶合金からなるバネ体およびバイアスバネを有し、前記形状記憶合金からなるバネ体は建物の基礎部分と土台部分との間に形成される隙間部分からの室外空気に直接接触するように配設され、該バネ体およびバイアスバネは、外気温に応じて相互間に生じるバネ圧の差により、前記遮蔽板を開放位置と閉止位置との間でスライドさせ、前記床下空間と前記内部通気層との通気が制御されていることを特徴とする床下通気制御部材。 - 前記形状記憶合金からなるバネ体と、前記バイアスバネが直列配置に接続されていることを特徴とする請求項1記載の床下通気制御部材。
- 壁構造材と室内壁との間に、床下空間と屋根裏に連通する内部通気層が設けられ、前記床下空間と前記内部通気層との連通状態、および前記屋根裏と戸外との連通状態を外気温に応じて連通・遮断制御する通気断熱構造を備えた建築構造であって、
前記床下空間と内部通気層とを連通する床下通気制御部材として、
前記床下空間と前記内部通気層とを連通させる連通部および通気路が形成された本体部と、
前記連通部の少なくとも一方側に配設され、板厚方向に貫通して形成された貫通孔の位置により前記連通部を開放状態と閉止状態に切り替える遮蔽板と、
前記遮蔽板の貫通孔位置を閉止位置と開放位置との間でスライドさせる開閉機構と、を備え、
該開閉機構は、前記本体部の下側空間に配設されると共に、形状記憶合金からなるバネ体およびバイアスバネを有し、前記形状記憶合金からなるバネ体は建物の基礎部分と土台部分との間に形成される隙間部分からの室外空気に直接接触するように配設され、該バネ体およびバイアスバネは、外気温に応じて相互間に生じるバネ圧の差により、前記遮蔽板を開放位置と閉止位置との間でスライドさせることにより、前記床下空間と前記内部通気層との通気状態を制御する床下通気制御部材が取り付けられていることを特徴とする建築構造。
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