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JP4581328B2 - 高分子光導波路及び光学素子の製造方法 - Google Patents
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高分子光導波路及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子光導波路及び光学素子の製造方法並びに光学素子に関し、特に、可撓性に優れた高分子光導波路及び光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子導波路の製造方法としては、(1)フイルムにモノマーを含浸させてコア部を選択的に露光して屈折率を変化させフイルムを張り合わせる方法(選択重合法)、(2)コア層及びクラッド層を塗布後、反応性イオンエチングを用いてクラッド部を形成する方法(RIE法)、(3)高分子材料中に感光性の材料を添加した紫外線硬化樹脂を用いて、露光・現像するフォトリソグラフィー法を用いる方法(直接露光法)、(4)射出成形を利用する方法、(5)コア層及びクラッド層を塗布後、コア部を露光してコア部の屈折率を変化させる方法(フォトブリーチング法)等が提案されている。
しかし、(1)の選択重合法はフイルムの張り合わせに問題があり、(2)や(3)の方法は、フォトリソグラフィー法を使うためコスト高になり、(4)の方法は、得られるコア径の精度に課題がある。また、(5)の方法はコア層とクラッド層との十分な屈折率差がとれないという問題がある。
現在、性能的に優れた実用的な方法は、(2)や(3)の方法だけであるが前記のごときコストの問題がある。そして(1)ないし(5)のいずれの方法も、大面積でフレキシブルなプラスチック基材に高分子導波路を形成するのに適用しうるものではない。
【0003】
また、高分子光導波路を製造する方法として、キャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板(クラッド)にコア用のポリマー前駆体材料を充填し、その後硬化させてコア層を作り、その上に平面基板(クラッド)を貼り合わせる方法が知られているが、この方法ではキャピラリー溝にだけでなく、パターン基板と平面基板の間にも全面的にポリマー前駆体材料が薄く充填され硬化されて、コア層と同じ組成の薄い層が形成される結果、この薄い層を通って光が漏洩してしまうという問題があった。
この問題を解決する方法の1つとして、デビット・ハートはキャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板と平面基板とをクランプ用治具で固着し、さらにパターン基板と平面基板との接触部分を樹脂でシールなどした後減圧して、モノマー(ジアリルイソフタレート)溶液をキャピラリーに充填して、高分子光導波路を製造する方法を提案した(以下の特許文献1を参照)。この方法はコア形成用樹脂材料としてポリマー前駆体材料を用いる代わりにモノマーを用いて充填材料を低粘度化し、キャピラリー内に毛細管現象を利用して充填させ、キャピラリー以外にはモノマーが充填されないようにする方法である。
しかし、この方法はコア形成用材料としてモノマーを用いているため、モノマーが重合してポリマーになる際の体積収縮率が大きく、高分子光導波路の透過損失が大きくなるいう問題がある。また、この方法は、パターン基板と平面基板とをクランプで固着する、あるいはこれに加えさらに接触部を樹脂でシールするなど煩雑な方法であり、量産にはむかず、その結果コスト低下を期待することはできない。また、クラッドとして厚さがmmオーダーあるいは1mm以下のフィルムを用いる高分子光導波路の製造に適用することは不可能である。
【0004】
また、最近、ハーバード大学のGeorge M. Whitesidesらは、ナノ構造を作る新技術として、ソフトリソグラフィーの一つとして毛細管マイクロモールドという方法を提唱している。これは、フォトリソグラフィーを利用してマスター基板を作り、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の密着性と容易な剥離性を利用してマスター基板のナノ構造をPDMSの鋳型に写し取り、この鋳型に毛細管現象を利用して液体ポリマーを流し込んで固化させる方法である。以下の非特許文献1には詳しい解説記事が記載されている。
【0005】
また、ハーバード大学のGeorge M. WhitesidesのグループのKim Enochらによって毛細管マイクロモールド法に関する特許が出願されている(以下の特許文献2を参照)。しかし、この特許に記載の製造方法を高分子光導波路の製造に適用しても、光導波路のコア部は断面積が小さいので、コア部を形成するのに時間がかかり、量産に適さない。また、モノマー溶液が重合して高分子になるときに体積変化を起こしコアの形状が変化し、透過損失が大きくなるという欠点をもつ。
【0006】
また、IBMチュリッヒ研究所のB. MichelらはPDMSを用いた高解像度のリソグラフィー技術を提案しており、この技術により数十nmの解像力が得られると報告している。詳しい解説記事は、以下の非特許文献2に記載されている。
このように、PDMSを使ったソフトリソグラフィー技術や、毛細管マイクロモールド法は、ナノテクノロジーとして最近、米国を中心に注目を集めている技術である
【0007】
しかしながら、前記のごときマイクロモールド法を用いて光導波路を作製すると、硬化時の体積収縮率を小さくする(したがって透過損失を小さくする)ことと、充填を容易にするために充填液体(モノマー等)を低粘度化することを両立させえない。したがって、透過損失を小さくすることを優先的に考慮すると、充填液体の粘度をある限度以下にすることができず、充填速度が遅くなり、量産は望めない。また前記のマイクロモールド法は、基板としてガラスやシリコン基板を用いることが前提になっており、フレキシブルなフィルム基材を用いることは考慮されていない。
【0008】
一方、下記の特許文献3には、高分子光導波路を、剛性の低い型を用いることにより作製する方法が示されている。この方法は、第1の凹型から第2の凸型を作製し、第2の凸型に樹脂を塗布硬化させてコアパターンとなる凹部を有する第1のクラッドを形成し、第2の凸型を剥離した後、コアパターンとなる凹部に樹脂を塗布硬化させてコアを形成し、その後、さらに樹脂を塗布硬化させて第2クラッドを形成する方法であるが、凹部だけにコア用樹脂を充填することは難しく、微細なコアパターンを精度高く作製することは困難である。
【0009】
ところで、最近、IC技術やLSI技術において、動作速度や集積度向上のために、高密度に電気配線を行なう代わりに、機器装置間、機器装置内のボード間、チップ内において光配線を行なうことが注目されている。
光配線のための素子として、例えば、以下の特許文献4には、コアとコアを包囲するクラッドを有する高分子光導波路の、コア・クラッド積層方向に発光素子および受光素子を備え、さらに発光素子からの光をコアに入射させるための入射側ミラーとコアからの光を受光素子に出射させるための出射側ミラーを有する光学素子であって、発光素子から入射側ミラーおよび出射側ミラーから受光素子に至る光路に相当する箇所において、クラッド層を凹状に形成し、発光素子からの光および出射側ミラーからの光を収束させた光学素子が記載されている。また、以下の特許文献5には、コアとコアを包囲するクラッドを有する高分子光導波路のコア端面に発光素子からの光を入射させる光学素子において、コアの光入射端面を発光素子に向かって凸面となるように形成し、発光素子からの光を収束させて導波損失を抑えた光学素子が記載されている。
さらに、以下の特許文献6には、電子素子と光素子とを集積化した光電融合回路基板の上に高分子光導波路回路が直接組み立てられた光電子集積回路が記載されている。
【0010】
ところで、前記光配線において前記のごとき素子を曲げたりして、装置内に組み込むことができれば、光配線の組み立てを考える際の自由度を大きくすることが可能になり、その結果ICやLSIの集積度を高めることになる。
しかしながら、前記光学素子及び光電子集積回路は、いずれも可撓性(フレキシビリティー)がないため、これらを曲げるなどして装置内に組み込むことは不可能である。また、前記光学素子及び光電子集積回路は、コアの端面を凸状に形成したりミラーを併用する必要があり、複雑な構造を採用せざるを得ないものとなっている。前記のようにコア端面を凸状にしたり、レンズを用いて集光したりすることが必要な理由は、前記光学素子等に用いられている発光素子としての半導体レーザー素子は発熱が大きく、これを単に高分子導波路に密着させて使用すれると熱が逃げなくなり動作不良の原因となるので、高分子導波路部分と発光素子との間にギャップを設けて熱を逃がしてやる必要がある一方、半導体レーザーのスポットには広がり角が存在(したがって、前記ギャップが大きくなるに従い、光が広がり光導波路に光を閉じこめることが困難になる)するからである。
さらに、前記光学素子及び光電子集積回路はいずれも高分子光導波路を含んでいるが、いずれも、フォトリソグラフィー法を利用して作製しており、工程が複雑であり廃液等の問題もあり環境に対する負荷も大きい。
【0011】
このように、可撓性を有する高分子光導波路シート自体これまで全く提供されていないことに加えて、この可撓性を損なわないように、高分子光導波路シートの端面に発光素子を接続して光配線に用いる光学素子とするという考え方は全く提起されていない。
【0012】
【特許文献1】
特許公報3151364号明細書)
【特許文献2】
米国特許6355198号明細書
【特許文献3】
特開2002−311273号公報
【特許文献4】
特開2000−39530号公報
【特許文献5】
特開2000−39531号公報
【特許文献6】
特開2000−235127号公報
【非特許文献1】
SCIENTIFIC AMERICAN SEPTEMBER 2001(日経サイエンス2001年12月号)
【非特許文献2】
IBM J. REV. & DEV. VOL. 45 NO. 5 SEPTEMBER 2001
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、極めて低コストで単純化された簡便な方法により高分子光導波路及び光学素子を製造する方法並びに光学素子を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の高分子光導波路の製造方法、光学素子の製造方法及び光学素子を提供することにより解決される。
(1)1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する複数の凹部と、該複数の凹部の一端に共通して連通する液だめのための貫通孔及び他端に共通して連通する減圧吸引のための貫通孔が2以上設けられた鋳型であって、前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である、鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用可撓性フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型をクラッド用可撓性フィルム基材から剥離する工程、5)コアが形成されたクラッド用可撓性フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程、を有する高分子光導波路の製造方法。
【0015】
(2)前記5)の工程の後、コア端部を切断して光学的な鏡面を持つコア面を形成する工程を行うことを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(3)前記液だめのための貫通孔は、その断面積が、クラッド用可撓性フィルム基材に接する側が大きく、クラッド用可撓性フィルム基材から離れるに従って小さくなることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
【0016】
(4)前記クラッド用可撓性フィルム基材の屈折率が1.55以下であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(5)前記クラッド用可撓性フィルム基材が脂環式オレフィン樹脂フイルムであることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(6)前記脂環式オレフィン樹脂フイルムが主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖に極性基をもつ樹脂フィルムであることを特徴とする前記(5)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(7)前記2)の工程において、前記クラッド用可撓性フィルム基材を平坦度の高い剛体で保持することを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
【0017】
(8)前記鋳型形成用硬化性樹脂が液状シリコーンゴムであることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(9)前記鋳型の表面エネルギーが10dyn/cm〜30dyn/cmであることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(10)前記鋳型のシェア(Share)ゴム硬度が15〜80であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(11)前記鋳型の表面粗さが0.1μm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(12)前記鋳型が紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
【0018】
(13)前記クラッド層がクラッド用硬化性樹脂を塗布した後硬化させることにより形成されることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(14)前記クラッド層がクラッド用フィルムを該フィルムと近い屈折率をもつ接着剤により貼り合わせることにより形成されることを特徴とする前記(1)に記載の高分子光導波路の製造方法。
(15)1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する複数の凹部と、該複数の凹部の一端に共通して連通する液だめのための貫通孔及び他端に共通して連通する減圧吸引のための貫通孔が2以上設けられた鋳型であって、前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である、鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用可撓性フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、を有する高分子光導波路の製造方法。
【0019】
(16)1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する複数の凹部と、該複数の凹部の一端に共通して連通する液だめのための貫通孔及び他端に共通して連通する減圧吸引のための貫通孔が2以上設けられた鋳型であって、前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である、鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用可撓性フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型をクラッド用可撓性フィルム基材から剥離する工程、5)コアが形成されたクラッド用可撓性フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程、6)コアを切断して光学的な鏡面を持つコア端面を形成する工程、7)発光部を取り付ける工程、を有する光学素子の製造方法。
【0020】
(17)コア端面がコア長手方向に対し90°に切断され、発光部がコア端面に直接接続されることを特徴とする前記(16)に記載の光学素子の製造方法。
(18)コア端面がコア長手方向に対し45°に切断されてミラー面が形成され、発光部からの光がミラー面によりコアに導かれることを特徴とする前記(16)に記載の光学素子の製造方法。
(19)前記7)の工程の後、光コネクタを取り付ける工程をさらに有することを特徴とする前記(16)に記載の光学素子の製造方法。
(20)可撓性フィルム基材からなるクラッド、クラッドの上に設けられたコア形成用硬化性樹脂の硬化物からなるコア及びコアを覆うように形成されたクラッド層を有する可撓性高分子光導波路シートに、発光部と光コネクタを設けた光学素子。
【0021】
【発明の実施の形態】
[高分子光導波路の製造方法]
初めに、高分子光導波路の製造方法について説明する。本発明の高分子光導波路の製造方法は以下の工程により行われる。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する複数の凹部と、該複数の凹部の一端に共通して連通する液だめのための貫通孔及び他端に共通して連通する減圧吸引のための貫通孔が2以上設けられた鋳型であって、前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である、鋳型を準備する工程
2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材(以下において、単にクラッド用フィルム基材ということがある)を密着させる工程
3)クラッド用可撓性フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を鋳型の凹部に充填する工程
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型をクラッド用可撓性フィルム基材から剥離する工程
5)コアが形成されたクラッド用可撓性フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程
【0022】
本発明の高分子光導波路の製造方法は、前記のごとく鋳型に、鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させると、両者を特別な手段を用いて固着させなくても(前記特許第3151364号明細書に記載のごとき固着手段)、鋳型に形成された凹部構造以外には、鋳型とクラッド用基材の間に空隙が生ずることなく、コア形成用硬化性樹脂を前記凹部のみに進入させることができることを見い出したことに基づくもので、本発明の高分子光導波路の製造方法は、製造工程が極めて単純化され容易に高分子光導波路を作製することができ、従来の高分子光導波路の製造方法に比較し、極めて低コストで高分子光導波路を作製することを可能にする。また、本発明の高分子光導波路の製造方法は、鋳型に貫通孔を設け、鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂排出側を減圧吸引するので、鋳型とフイルム基材との密着性が更に向上し、気泡の混入を避けることができる。
したがって、本発明の高分子光導波路の製造方法により、損失ロスが少なく高精度であり、かつ各種機器への自由な装填を可能とするフレキシブルな高分子光導波路が低コストで得られる。さらに高分子光導波路の形状等を自由に設定することができる。
【0023】
以下に、本発明による高分子光導波路の製造方法を工程順に説明する。以下においては、凸部に対応する凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔を2つ設ける例について説明するが、貫通孔は、2以上設けることができる。例えば、Y分岐を1カ所持つ場合には3つの貫通孔を、Y分岐を3カ所持ち1対8に分岐させる場合には、9個の貫通孔を設けて凹部にコア形成用の硬化性樹脂を充填する必要がある。また、分岐は、多段の場合も含む。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する複数の凹部と、該複数の凹部の一端に共通して連通する液だめのための貫通孔及び他端に共通して連通する減圧吸引のための貫通孔が2以上設けられた鋳型であって、前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である、鋳型を準備する工程
鋳型の作製は、光導波路コアに対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。
<原盤の作製>
光導波路コアに対応する凸部を形成した原盤の作製には、従来の方法、例えばフォトリソグラフィー法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により高分子光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤を作製するのに適用できる。原盤に形成される光導波路に対応する凸部の大きさは高分子光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm程度とさらに大きなコア部を持つ光導波路も利用される。
【0024】
<鋳型の作製>
鋳型の作製の一例として、前記のようにして作製した原盤の凸部形成面に、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型するなどの方法により鋳型形成用硬化性樹脂の層を形成した後、必要に応じ乾燥処理をし、硬化処理を行い、その後硬化樹脂層を原盤から剥離して前記凸部に対応する凹部が形成された型をとり、その型凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔(前記型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である)を形成する方法が挙げられる。前記通孔は、例えば前記型を所定形状に打ち抜くことにより形成できる。打ち抜いた貫通孔の場合であっても、鋳型とクラッド用フィルム基材との密着性がよく、鋳型凹部以外にクラッド用フィルム基材との間に空隙が形成されないため、凹部以外にコア形成用硬化性樹脂が浸透する虞はない。
前記型(樹脂硬化層)の厚さは、鋳型としての取り扱い性を考慮して適宜決められるが、一般的に0.1〜50mm程度が適切である。
また、前記原盤にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行なって鋳型との剥離を促進することが望ましい。
【0025】
コア形成用硬化性樹脂進入側に設ける貫通孔は液(コア形成用硬化性樹脂)だめの機能を有する。また、コア形成用硬化性樹脂排出側に設ける貫通孔は、該樹脂を鋳型凹部に充填する際、鋳型凹部を減圧するための減圧吸引用に用いられる。進入側の貫通孔の形状や大きさは、貫通孔が凹部の進入端に連通しかつ液だめの機能を有していれば特に制限はない。また、排出側の貫通孔は、凹部の排出端に連通しかつ減圧吸引用に用いることができれば、その形状や大きさに特に制限はない。
【0026】
鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂進入側に設けた貫通孔は液だめの機能をもっているため、その断面積が、鋳型をクラッド用フィルム基材に密着させた場合、該基材に接する側が大きく、基材から離れるに従って小さくなるようにすると、コア形成用硬化性樹脂を凹部に充填、硬化後、鋳型と基材との剥離がしやすくなる。コア形成用硬化性樹脂排出側の貫通孔には、液だめの機能を持たせる必要はないので、特にこのような断面構造を採用することを要しない。
【0027】
また、鋳型作製の他の例として、原盤に光導波路コアに対応する凸部だけでなく貫通孔形成のための凸部(この凸部の高さは鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層の厚さより高くする)を設け、この原盤に鋳型形成用硬化性樹脂を貫通孔形成のための凸部が樹脂層を突き抜けるように塗布等し、次いで樹脂層を硬化させ、その後硬化樹脂層を原盤から剥離する方法を挙げることができる。
【0028】
図1に本発明において用いる鋳型の一例の模式図を示す。図1(A)は鋳型20の平面図を示し、鋳型凹部22の、コア形成用硬化性樹脂の進入側及び排出側に設けた2つ貫通孔26及び28は打ち抜き孔であり、貫通孔の平面形状は円形である。また、図1(B)は鋳型凹部22及び2つの貫通孔26、28が顕れるように鋳型長手方向に沿って切断した鋳型断面を示し、進入側の貫通孔26の断面積は、クラッド用フィルム基材に接触する側(凹部が形成されている側)が大きく、該基材から遠くなるほど小さくなっている。一方、排出側の貫通孔28は、クラッド用フィルム基材に接触する側の断面積がより大きくなっている(減圧吸引管の口径に合わせて)が、このような断面構造に限られるものではない。
【0029】
図2は、貫通孔形成用の凸部を設けた原盤の一例を示す斜視図で、10は原盤、12は光導波路コアに対応する凸部、14aはコア形成用硬化性樹脂進入側の貫通孔形成のための凸部、14bは樹脂排出側の貫通孔形成のための凸部をそれぞれ示す。
【0030】
鋳型作製に用いる鋳型形成用硬化性樹脂しては、その硬化物が原盤から容易に剥離できること、鋳型(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、クラッド用フィルム基材との密着性が良好なことが好ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂は、原盤の表面に塗布や注型等することが可能で、また、原盤に形成された個々の光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取らなければならないので、ある限度以下の粘度、たとえば、500〜7000mPa・s程度を有することが好ましい。(なお、本発明において用いる「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に加えることができる。
【0031】
前記鋳型形成用硬化性樹脂としては、前記のごとき剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、クラッド用基材との密着性の点から、硬化後、シリコーンゴム(シリコーンエラストマー)又はシリコーン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。前記硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが好ましい。また、前記硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでもまた硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでもまた室温硬化型(例えば空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
【0032】
硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコーンゴムとなるものが好ましく、これには通常液状シリコーンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられ、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが好ましく、中でも付加型の液状シリコーンゴムは、表面と内部が均一にかつ短時間に硬化し、またその際副生成物が無く又は少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので好ましい。
【0033】
前記液状シリコーンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の点から好ましい。また、液状ジメチルシロキサンゴムの硬化物は、一般に屈折率が1.43程度と低いために、これから作った鋳型は、クラッド用基材から剥離させずに、そのままクラッド層として好ましく利用することができる。この場合には、鋳型と、充填したコア形成用樹脂及びクラッド用基材とが剥がれないような工夫が必要になる。
【0034】
液状シリコーンゴムの粘度は、光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取り、かつ気泡の混入を少なくして脱泡し易くする観点と、数ミリの厚さの鋳型形成の点から、500〜7000mPa・s程度のものが好ましく、さらには、2000〜5000mPa・s程度のものがより好ましい。
【0035】
鋳型の表面エネルギーは、10dyn/cm〜30dyn/cm、好ましくは15dyn/cm〜24dyn/cmの範囲にあることが、基材フィルムとの密着性の点からみて好ましい。
鋳型のシェア(Share)ゴム硬度は、15〜80、好ましくは20〜60であることが、型取り性能や凹部形状の維持、剥離性の点からみて好ましい。
鋳型の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下にすることが、型取り性能の点からみて好ましい。
また、鋳型は、紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることが好ましい。鋳型が可視領域において光透過性であることが好ましいのは、以下の2)の工程において鋳型をクラッド用フィルム基材に密着させる際、位置決めが容易に行え、また、以下の3)の工程においてコア形成用硬化性樹脂が鋳型凹部に充填される様子が観察でき、充填完了等が容易に確認しうるからである。また、鋳型が紫外領域において光透過性であることが好ましいのは、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に、鋳型を透して紫外線硬化を行うためであり、鋳型の、紫外領域(250nm〜400nm)における透過率が80%以上であることが好ましい。
【0036】
前記硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムは、クラッド用フィルム基材との密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を写し取る能力を持ち、シリコーンゴムとクラッド用基材とを密着させると液体の進入させ防ぐことができる。このようなシリコーンゴムを用いた鋳型は高精度に原盤を写し取り、クラッド用基材に良く密着するため、鋳型とクラッド用基材の間の凹部のみに効率よくコア形成用樹脂を充填することが可能となり、さらにクラッド用基材と鋳型の剥離も容易である。したがって、この鋳型からは高精度に形状を維持した高分子光導波路を、極めて簡便に作製することができる。
【0037】
2)鋳型に、鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させる工程
本発明の高分子光導波路から作製される光学素子は、種々の階層における光配線に用いられるので、前記クラッド用可撓性フィルム基材の材料は光学素子の用途に応じ、屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、鋳型との密着性、フレキシビリティー等を考慮して選択される。前記フィルムとしては脂環式アクリル樹脂フイルム、脂環式オレフィン樹脂フイルム、三酢酸セルロースフイルム、含フッ素樹脂フイルム等が挙げられる。フィルム基材の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55より小さく、好ましくは1.53より小さくすることが望ましい。
【0038】
前記脂環式アクリル樹脂フイルムとしてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100(日立化成(株)製)等が用いられる。
また、脂環式オレフィン樹脂フイルムとしては主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも前記のごとき主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア・クラッドの屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れているので特に本発明の光導波路シートの作製に適している。
また、前記フィルム基材の厚さはフレキシビリティーと剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.1mm〜0.5mm程度が好ましい。
【0039】
3)クラッド用フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程
この工程においては、コア形成用硬化性樹脂を、該樹脂の進入部側に設けた貫通孔に充填し、該樹脂の排出部側に設けた貫通孔から減圧吸引して、鋳型とクラッド用フィルム基材との間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填する。減圧吸引することにより、鋳型とクラッド用フイルム基材との密着性が向上し、気泡の混入を避けることができる。減圧吸引は、例えば、吸引管を排出部側に設けた貫通孔に挿入し、吸引管をポンプにつなげて行われる。
コア形成用硬化性樹脂としては放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
前記コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が好ましく用いられる。
また、前記紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。
【0040】
コア形成用硬化性樹脂は、毛細管現象により鋳型とフィルム基材との間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填されるため、用いるコア形成用硬化性樹脂はそれが可能なように十分低粘度であることが必要である。したがって、前記硬化性樹脂の粘度は、10mPa・s〜2000mPa・s、望ましくは20mPa・s〜1000mPa・s、更に好ましくは30mPa・s〜500mPa・sにするのが好ましい。
このほかに、原盤に形成された光導波路コアに対応する凸部が有する元の形状を高精度に再現するため、前記硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことが必要である。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になる。したがって、コア形成用硬化性樹脂は、体積変化ができるだけ小さいものが望ましく、10%以下、好ましくは6%以下であるのが望ましい。溶剤を用いて低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が好ましい。
【0041】
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、前記樹脂にポリマーを添加することができる。前記ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが好ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点を高度に制御できる。前記ポリマーとしては例えばアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるがこれに限定されるものではない。
【0042】
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッドとなる前記フィルム基材(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)より大きいことが必要で、1.50以上、好ましくは1.53以上である。クラッド(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)とコアの屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.03以上である。
【0043】
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離する工程
この工程では充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられ、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
また、前記1)〜3)の工程で用いる鋳型は、屈折率等の条件を満たせばそのままクラッド層に用いることも可能で、この場合は、鋳型を剥離する必要はなくそのままクラッド層として利用することができる。この場合、鋳型とコア材料の接着性を向上させるために鋳型をオゾン処理することが好ましい。
【0044】
5)コアが形成されたクラッド用フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程
コアが形成されたフィルム基材の上にクラッド層を形成するが、クラッド層としてはフィルム(たとえば前記2)の工程で用いたようなクラッド用フィルム基材が同様に用いられる)や、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
クラッド用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、該樹脂と相溶性を有し、また該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(例えばメタクリル酸系、エポキシ系)を該樹脂に添加することができる。
【0045】
クラッド層としてフィルムを用いる場合は、接着剤を用いて貼り合わされるが、その際、接着剤の屈折率が該フィルムの屈折率と近いことが望ましい。用いる接着剤は紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
前記紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、クラッド層に添加するポリマーと同様のポリマーを添加することができる。
クラッド層の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55以下、好ましくは1.53以下にすることが望ましい。また、クラッド層の屈折率を前記フィルム基材の屈折率と同じにすることが、光の閉じ込めの点からみて好ましい。
【0046】
次に、図を用いて本発明の高分子光導波路の製造方法の一例について説明する。
図3(A)は光導波路コアに対応する凸部12が形成された原盤10を、凸部12の長手方向に直角に切断した切断面を示す。最初に図3(B)で示すように、原盤10の凸部12が形成された面に、鋳型形成用硬化性樹脂の層を塗布などにより形成しその後硬化させて硬化層20aを形成する。図3(B)は原盤の上に硬化層20aを形成したものを、凸部12の長手方向に直角に切断した切断面を示す。次に、硬化層20aを原盤10から剥離し(型取り)、その後、型に形成された前記凸部に対応する凹部22の両端が露出するように貫通孔を2つ設けて(図示せず)鋳型20を作製する。図3(C)は、鋳型20を、凹部22の長手方向に直角に切断した面が顕れるように切断した面を示す。
このようにして作製した鋳型に、該鋳型との密着性がよいクラッド用フィルム基材30を密着させる。図3(D)は、鋳型とフィルムを密着させたものを、鋳型凹部22の長手方向に直角に切断した面が顕れるように切断した面を示す。次に、鋳型の図示しない貫通孔の一つにコア形成用硬化性樹脂40aを充填し、図示しないもう1つの貫通孔から減圧吸引して鋳型の凹部22に毛細管現象を利用して前記樹脂を充填する。図3(E)は鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂40aが充填された状態において、鋳型凹部22の長手方向に直角の切断面が顕れるように切断した面を示す。その後、凹部内の硬化性樹脂を硬化させ、鋳型を剥離する(図示せず)。図3(F)は、クラッド用フィルム基材の上に光導波路コア40が形成されたものを、コア長手方向に直角に切断した切断面を示す。
さらに、クラッド用フィルム基材のコア形成面にクラッド層50を形成することにより、本発明の高分子光導波路シート60が作製される。図3(G)は、高分子光導波路シート60をコア長手方向に直角に切断した切断面を示す。
【0047】
また、図4に、コアが形成されたフィルム基材の上にクラッドとなるフィルムを接着剤により接着させる例を示す。図4(A)から図4(F)までは、図3(A)から図3(F)で表される工程と共通で、原盤からスタートして、フィルム基材の上にコアを形成する工程までを示す。図4(G)は、フィルム基材のコア形成面に接着剤54を用いてクラッドとなるフィルム52を貼り合わせる工程により得られた高分子光導波路シート60を、コア長手方向に直角に切断した切断面を示す。
【0048】
本発明の高分子光導波路の製造方法において、特に、鋳型形成用硬化性樹脂として硬化してゴム状になる液状シリコーンゴム、中でも液状ジメチルシロキサンゴムを用い、クラッド用フィルム基材として主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂を用いる組み合わせは、両者の密着性が特に高く、また、鋳型凹部構造の変形がなく、さらに凹部構造の断面積が極めて小さくても(たとえば10×10μmの矩形)毛細管現象により素早く凹部に硬化性樹脂を充填することができる。
【0049】
前記のごとき高分子光導波路の製造方法により作製される高分子光導波路は、可撓性を有しシート状のもの(可撓性高分子光導波路シート)として得られる。
【0050】
[光学素子の製造方法]
本発明の光学素子の製造方法は、前記の様にして作製した高分子光導波路である可撓性高分子光導波路シート(以下において、「光導波路シート」ということがある)のコア端部を切断して光学的な鏡面を持つコア端面を形成した後、発光部を取り付けることにより製造される。また、発光部を取り付けた後、さらに光コネクタを接続することができる。
コア端部を切断するには、ダイシングソーを用いることが好ましい。発光部を光導波路シートのコア端面に直接接続する場合には、コアを、コア端面がコア長手方向に対し90°になるように切断する。また、コアを、コア端面がコア長手方向に対し45°になるように切断してミラー面を形成し、発光部をクラッド用フィルム基材又はクラッド層の平面上端部に置くことにより、発光部からの光はミラー面によりコアに導くことができる。この場合は、コア径は発光部の広がり角を考慮すると、50μm程度が実質的に必要である。なお、45°ミラーの形成は、45°の角度を持ったブレードを用いてダイシングソーで切断するだけでよく、光の全反射を利用した45°ミラーが形成される。
図5に光学素子の一例を示す概念図である。光学素子100は、高分子光導波路のコア40の端面をダイシングソーで45°に切断してミラー面42を形成し、ミラー面に発光部からの光(矢印で示す)が入射し反射してコアに導入されるように、クラッド層50の上に発光部70を配置したものである。また、80は光コネクターである。
【0051】
発光部は、集積回路の集積度を上げるために、面発光レーザーアレイ(VCSELアレイ)を用いることが好ましい。
面発光レーザーアレイの半導体レーザー素子は発熱があるため、発熱による悪影響を防ぐためには、半導体レーザー素子とコア端面との間に間隔を保ち放熱させる必要があるが、半導体レーザービームは広がり角度を有するため、前記間隔がある限度を超えるとコア端面におけるレーザー光スポット直径が、コアが許容する以上(例えばコア直径が50μmの場合、許容直径は45μm)のものになってしまう。
しかし、面発光レーザーアレイにおける半導体レーザーのスポット径、レーザービームの広がり角度を考慮することにより、前記のレンズ等を設けなくても半導体レーザーとコア端面の間の間隔を、発熱の影響を十分避けることができる程度に空けることが可能になる。
【0052】
例えば、半導体レーザーのスポット径が10μm、ビーム広がり角度が25°、アレイ間隔が250μmの面発光レーザーアレイ(富士ゼロックス株式会社製、VCSEL-AM-0104)を、コア径が50μmのマルチモード光導波路シートの端面に取り付ける場合、コア面におけるレーザー光スポット直径が45μm程度まで許容されるため、半導体レーザーとコア端面との間隔は最大79μmまで可能となる。また、コア端面におけるレーザー光直径を30μmに設定する場合には、半導体レーザーとコア端面との間隔は45μm程度となるが、この程度の間隔があれば半導体レーザー素子が100℃位まで温度上昇することを考慮しても十分熱を逃がすことが可能である。
したがって、面発光レーザーアレイにおける半導体レーザーのスポット径が1〜20μm、レーザービームの広がり角度が5°〜30°程度のものが好ましく用いられ、また、アレイ間隔は100〜500μm程度のものが好ましい。例えば、富士ゼロックス株式会社のVCSEL-AM-0104、VCSEL-AM-0112等が好ましく用いられる。
【0053】
また、光導波路シートのコア端面と、面発光レーザーアレイの半導体レーザーとの間の間隔を前記のように保つ手段としては、面発光レーザーアレイに前記間隔を維持するに十分な高さの枠を設ければよく、枠と光導波路シートとの取り付けは、接着剤などを用いて行なわれる。
【0054】
また、本発明の光学素子には、光コネクタを接続する方が良い。光コネクターとしては、光ファイバーとの接続を容易にするために、MTコネクターなどのファイバーアレイ用のコネクターと互換性を持たせる方が好ましい。
【0055】
本発明の光学素子の製造方法は、前記のようにして作製した光導波路シートのコア端部又はクラッド面端部に面発光レーザー(あるいはさらに光コネクター)を取り付けるだけであるので、全体として非常に簡易な方法であり、従来の光学素子の製造方法に対して比較にならないほどの低コストが達成できる。
【0056】
前記の製造方法により作製される光学素子は、可撓性フィルム基材からなるクラッド、クラッドの上に設けられたコア形成用硬化性樹脂の硬化物からなるコア及びコアを覆うように形成されたクラッド層を有する可撓性高分子光導波路シートの、コア端面あるいはクラッド面端部の上に発光部を取り付け、さらに光コネクタを設けたものである。
前記光学素子は、レンズやミラーなどの光路変更素子が不要であるため、素子として極めて単純化されている。また、前記光学素子は、可撓性を有する高分子光導波路シートを用い、かつそのコア端面あるいはクラッド面端部に発光部を設けたため、素子全体のフレキシビリティーが高く、簡単に曲げるなどの変形をさせることができ、また変形させた状態で集積回路内に組み込むことができ、前記単純化された素子であることと相俟って、集積回路の集積度を大幅に高めることが可能になる。
前記光学素子は、種々の階層における光配線、例えば機器装置間、機器装置内のボード間、ボード内のチップ間における光配線など、広範な用途に用いうる。
図6に前記光学素子の他の一例を概念図(斜視図)として示す。図6中、110は光学素子、120は下部クラッド(クラッド用可撓性フィルム基材)、140はコア、160は上部クラッド(クラッド層)、170は発光部(例えば1×4のVCSEL Array)および180は受光部(例えば1×4のPhoto Diode Array)をそれぞれ示す。また、190は光コネクター(例えばMTコネクター)を示す。
【0057】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
Si基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像して、4本の、断面が正方形の凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:80mm)を形成した。凸部と凸部の間隔は250μmとした。次に、これを120℃でポストベークして、高分子光導波路作製用原盤を作製した。
次に、この原盤に離型剤を塗布した後、熱硬化性液状ジメチルシロキサンゴム(ダウ・コウニングアジア社製:SYLGARD184、粘度5000mPa.s)及びその硬化剤を混合したものを流し込み、120℃で30分間加熱して硬化させた後、剥離して、前記断面が矩形の凸部に対応する凹部を持った型(型の厚さ:5mm)を作製した。
さらに、図1で示すような、平面形状が円形で鋳型厚さ方向の断面形状がテーパー状の貫通孔を、凹部の一端及び他端において、凹部と連通するように、打ち抜きにより形成して鋳型を作製した。鋳型のコア形成用硬化性樹脂が進入する側の貫通孔は、鋳型がクラッド用フィルム基材に接する面においては直径を4mm、鋳型の反対側の面においては直径を3.5mmとした。また、減圧吸引用の貫通孔は、進入側の貫通孔とはその大きさが同じで、テーパーが逆になるように形成した。
鋳型は表面エネルギーが22dyn/cm、シェアゴム硬度が60、表面粗さが10nm以下、紫外線透過率80%以上であり、また、透明で下のものがよく観察できた。
【0058】
この鋳型と、鋳型より一回り大きい膜厚188μmのクラッド用フィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.510)を密着させた。次に、鋳型の進入側貫通孔に、粘度が1300mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製:PJ3001)を数滴落とし、排出側(減圧吸引側)貫通孔から減圧吸引したところ、20分で前記凹部に紫外線硬化性樹脂が充填された。次いで、50mW/cm2のUV光を鋳型の上部から5分間照射して紫外線硬化させた。鋳型をアートンフイルムから剥離したところ、アートンフイルム上に前記原盤凸部と同じ形状のコアが形成された。コアの屈折率は1.591であった。
次に、アートンフイルムのコア形成面に、硬化後の屈折率がアートンフイルムと同じ1.510である紫外線硬化性樹脂(JSR(株)製)を全面に塗布した後、50mW/cm2のUV光を5分間照射して紫外線硬化させ(硬化後の膜厚10μm)た。フレキシブルな光導波路シート(50mm×300mm)が得られた。
次に、Si用のブレードを備えたダイシングソーを使って、この光導波路シートをコアの長手方向に対し直角に切断し、鏡面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。この高分子光導波路の損失は、0.33dB/cmであった。
次に、前記のようにして作製した光導波路シートのコア端面に、1X4面発光レーザーアレイ(富士ゼロックス製:VCSEL-AM-0104、半導体レーザーのスポット径が10μm、ビーム広がり角度が25°、アレイ間隔が250μm)を、50μmのギャップを設けて取り付けて、面発光レーザーアレイ付きのフレキシブルな光学素子とした。
【0059】
実施例2
実施例1と同じ方法により断面が正方形の凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:80mm)を4本持った高分子光導波路作製用の原盤を作製した。
次に、実施例1と同じ方法で型を作った後、実地例1と同じようなテーパーを持つ2カ所の貫通孔を設けて鋳型とした。
この鋳型と鋳型より一回り大きいアートンフイルム(膜厚188μm)を密着させ、鋳型の1カ所の貫通孔に、粘度が500mPa・sの熱硬化性樹脂(JSR(株)製)を数滴落とし、他方の貫通孔から吸引したところ前記凹部に5分で熱硬化性樹脂が充填された。これを130℃のオーブン中で30分間加熱して熱硬化させた。鋳型をアートンフイルムから剥離したところ、アートンフイルム上に前記原盤凸部と同じ形状のコアが形成された。コアの屈折率は1.570であった。
さらに、アートンフイルムのコア形成面に、硬化後の屈折率がアートンフイルムと同じ1.510の熱硬化性樹脂(JSR(株)製)を全面に塗布した後、加熱硬化させ(硬化後の膜厚10μm)た。フレキシブルな光導波路シート(50mm×300mm)を得た。
次に、Si用のブレードを備えたダイシングソーを使って、この光導波路シートをコアの長手方向に対し直角に切断し、鏡面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。この高分子光導波路の損失は、0.33dB/cmであった。
次に、前記のようにして作製した光導波路シートのコア端面に、1X4面発光レーザーアレイ(富士ゼロックス製:VCSEL-AM-0104)を、50μmのギャップを設けて取り付けて、面発光レーザーアレイ付きのフレキシブルな光学素子とした。
【0060】
実施例3
実施例1におけるアートンフイルム上にコアを形成する工程までを同じ方法により実施した。次に、アートンフイルムのコア形成面に、アートンフイルム(膜厚188μm)を、屈折率1.510の接着剤(JSR(株)製)を使って貼り合わせ、フレキシブルな光導波路シートを作製した。
次に、Si用のブレードを備えたダイシングソーを使って、この光導波路シートをコアの長手方向に対し直角に切断し、鏡面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。この高分子光導波路の損失は、0.33dB/cmであった。
次に、前記のようにして作製した光導波路シート(50mm×300mm)のコア端面に、1X4面発光レーザーアレイ(富士ゼロックス製:VCSEL-AM-0104)を、50μmのギャップを設けて取り付けて、面発光レーザーアレイ付きのフレキシブルな光学素子とした。
【0061】
実施例4
実施例3におけるアートンフイルム上にコアを形成する工程までを、コア径が100μmであることを除いて同じ方法により実施した。次に、アートンフイルムのコア形成面に、アートンフイルム(膜厚100μm)を、屈折率1.510の接着剤(JSR(株)製)を使って貼り合わせ、フレキシブルな光導波路シートを作製した。
次に、45°の角度付きSi用のブレードを備えたダイシングソーを使ってこの光導波路シートをコアの長手方向に対し45°に切断し、45°ミラー面を持ったコアを露出させ、光の入出力部とした。
次に、前記のようにして作製した光導波路シート(50mm×300mm)のクラッド層たるアートンフイルム面上に、1X4面発光レーザーアレイ(富士ゼロックス製:VCSEL-AM-0104)を、密着させて取り付けて面発光レーザーアレイ付きのフレキシブルな光学素子とした。
【0062】
【発明の効果】
本発明の高分子光導波路の製造方法は、製造工程が極めて単純化され容易に高分子光導波路を作製することができ、従来の高分子光導波路の製造方法に比較し、極めて低コストで高分子光導波路を作製することができ、さらに、鋳型に貫通孔を設け、鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂排出側を減圧吸引するので、鋳型とフイルム基材との密着性が向上し、気泡の混入を避けることができる。したがって、本発明の製造方法により作製される高分子光導波路は、損失ロスが少なく高精度であり、かつ各種機器への自由な装填を可能とするフレキシブルな高分子光導波路である。また、高分子光導波路の形状等を自由に設定することができる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、前記のようにして作製した高分子光導波路(光導波路シート)のコア端部又はクラッド面端部に面発光レーザー(あるいはさらに光コネクター)を取り付けるだけであるので、全体として非常に簡易な方法であり、従来の光学素子の製造方法に対して比較にならないほどの低コストが達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる鋳型の一例を示す概念図で、図1(A)はその平面図を、図1(B)は断面図を示す。
【図2】 鋳型作製に用いる原盤の一例を示す斜視図である。
【図3】 本発明の高分子光導波路の製造工程を示す概念図である。
【図4】 本発明の高分子光導波路の他の製造工程を示す概念図である。
【図5】 本発明の高分子光導波路のコア端面を切断し、発光部及び光コネクターを付けた光学素子の断面を示す概念図である。
【図6】 本発明の製造方法により作製される光学素子の他の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
10 原盤
20a 鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層
20 鋳型
22 鋳型凹部
26 進入側貫通孔
28 排出側貫通孔
30 クラッド用可撓性フィルム基材
40a コア用硬化性樹脂
40 コア
50 クラッド層
52 クラッド用フィルム
54 接着剤
70 発光部
80 光コネクター
100、110 光学素子
120 クラッド用可撓性フィルム基材
140 コア
160 クラッド層
170 発光部
190 光コネクター

Claims (19)

  1. 1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する複数の凹部と、該複数の凹部の一端に共通して連通する液だめのための貫通孔及び他端に共通して連通する減圧吸引のための貫通孔が2以上設けられた鋳型であって、前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である、鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用可撓性フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型をクラッド用可撓性フィルム基材から剥離する工程、5)コアが形成されたクラッド用可撓性フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程、を有する高分子光導波路の製造方法。
  2. 前記5)の工程の後、コア端部を切断して光学的な鏡面を持つコア面を形成する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  3. 前記液だめのための貫通孔は、その断面積が、クラッド用可撓性フィルム基材に接する側が大きく、クラッド用可撓性フィルム基材から離れるに従って小さくなることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  4. 前記クラッド用可撓性フィルム基材の屈折率が1.55以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  5. 前記クラッド用可撓性フィルム基材が脂環式オレフィン樹脂フイルムであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  6. 前記脂環式オレフィン樹脂フイルムが主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖に極性基をもつ樹脂フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の高分子光導波路の製造方法。
  7. 前記2)の工程において、前記クラッド用可撓性フィルム基材を平坦度の高い剛体で保持することを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  8. 前記鋳型形成用硬化性樹脂が液状シリコーンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  9. 前記鋳型の表面エネルギーが10dyn/cm〜30dyn/cmであることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  10. 前記鋳型のシェア(Share)ゴム硬度が15〜80であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  11. 前記鋳型の表面粗さが0.1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  12. 前記鋳型が紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  13. 前記クラッド層がクラッド用硬化性樹脂を塗布した後硬化させることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  14. 前記クラッド層がクラッド用フィルムを該フィルムと近い屈折率をもつ接着剤により貼り合わせることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
  15. 1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する複数の凹部と、該複数の凹部の一端に共通して連通する液だめのための貫通孔及び他端に共通して連通する減圧吸引のための貫通孔が2以上設けられた鋳型であって、前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である、鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用可撓性フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、を有する高分子光導波路の製造方法。
  16. 1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化層から形成され、かつ、光導波路コア凸部に対応する複数の凹部と、該複数の凹部の一端に共通して連通する液だめのための貫通孔及び他端に共通して連通する減圧吸引のための貫通孔が2以上設けられた鋳型であって、前記液だめのための貫通孔及び減圧吸引のための貫通孔が、鋳型の凹部が形成された面及び前記面に対向する面を貫通する孔である、鋳型を準備する工程、2)前記鋳型に該鋳型との密着性が良好なクラッド用可撓性フィルム基材を密着させる工程、3)クラッド用可撓性フィルム基材を密着させた鋳型の凹部の一端にある前記貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を充填し、鋳型の凹部の他端にある前記貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を前記鋳型の凹部に充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型をクラッド用可撓性フィルム基材から剥離する工程、5)コアが形成されたクラッド用可撓性フィルム基材の上にクラッド層を形成する工程、6)コアを切断して光学的な鏡面を持つコア端面を形成する工程、7)発光部を取り付ける工程、を有する光学素子の製造方法。
  17. コア端面がコア長手方向に対し90°に切断され、発光部がコア端面に直接接続されることを特徴とする請求項16に記載の光学素子の製造方法。
  18. コア端面がコア長手方向に対し45°に切断されてミラー面が形成され、発光部からの光がミラー面によりコアに導かれることを特徴とする請求項16に記載の光学素子の製造方法。
  19. 前記7)の工程の後、光コネクタを取り付ける工程をさらに有することを特徴とする請求項16に記載の光学素子の製造方法。
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