しかしながら、上記回路を適用した表示パネルの製造プロセスにおいて、画素を構成する被駆動素子Lの特性については、表示パネルの各画素にわたって比較的均一に構成することができるのに対し、駆動トランジスタTr1の特性については、半導体膜の膜質や、膜厚、不純物濃度や拡散領域、ゲート絶縁膜等の材質、膜厚、動作温度などの各種条件により、表示パネルの各画素にわたって均質化することは難しい。
ここで、上記回路における各トランジスタを、薄膜トランジスタにより構成する場合、各トランジスタの特性にバラツキが生じやすく、とくに上記回路を用いて表示パネルを構成したときには、駆動トランジスタTr1のゲート電圧に対するドレイン・ソース間電流の特性のバラツキが問題となる。すなわち、各画素の駆動トランジスタTr1のゲートに共通の電圧を印加しても、有機EL素子を流れる電流量は、上記バラツキの存在により画素毎に異なるため、各画素の発光輝度にむらが生じて表示パネルの画像品質が著しく損なわれてしまうことになる。
このような事情から、電流型の被駆動素子を駆動する駆動トランジスタのバラツキを補償するための回路が必要とされている。
本発明に係る電子装置は、上記の問題に対して顕著な効果を奏する。
本発明の電子装置は、複数の第1の信号線と、複数の第2の信号線と、複数の単位回路と、複数の電源線と、を含み、前記複数の単位回路の各々は、第1のゲートを含む駆動トランジスタと、第2のゲートを含むスイッチングトランジスタと、を備え、前記第2のゲートは前記複数の第1の信号線のうちの一つの第1の信号線に接続され、前記第1のゲートのゲート電圧は、前記スイッチングトランジスタを介して前記複数の第2の信号線のうちの一つの第2の信号線と前記複数の電源線のうちの一つの電源線との間に流れるデータ電流よって設定され、前記複数の電源線の各々は、複数の電位に設定可能であることを特徴とする。
本発明の他の電子装置は、複数の第1の信号線と、複数の第2の信号線と、複数の単位回路と、複数の電源線と、前記複数の電源線の電位を複数の電位に設定する、または、前記複数の電源線と所定電位との切断及び接続を制御する電源線制御回路と、を含み、前記複数の単位回路の各々は、第1のゲートを含む駆動トランジスタと、第2のゲートを含むスイッチングトランジスタと、を備え、前記第2のゲートは前記複数の第1の信号線のうちの一つの第1の信号線に接続され、前記第1のゲートのゲート電圧は、前記スイッチングトランジスタを介して前記複数の第2の信号線のうちの一つの第2の信号線と前記複数の電源線のうちの一つの電源線との間に流れるデータ電流よって設定されることを特徴とする。
上記の電子装置において、前記複数の単位回路の各々は、さらに第3のゲートを備えた補償トランジスタを含み、前記データ電流は、前記補償トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタを介して前記一つの第2の信号線と前記一つの電源線との間に流れるようにしてもよい。
上記の電子装置において、前記第3のゲートは、前記補償トランジスタのソースまたはドレインのいずれかに接続されていてもよい。
上記の電子装置において、前記複数の単位回路の各々に含まれるトランジスタは、3個のみであってもよい。
上記の電子装置において、前記複数の単位回路の各々に含まれるトランジスタは、前記駆動トランジスタ、前記スイッチングトランジスタ及び前記補償トランジスタのみであってもよい。
上記の電子装置において、前記補償トランジスタと前記駆動トランジスタの導電型は同一であることが好ましい。
上記の電子装置において、前記複数の単位回路の各々は、さらに被駆動素子を含み、前記被駆動素子に供給される駆動電流の電流レベルは、前記第1のゲートの前記ゲート電圧に対応していることが好ましい。
上記の電子装置において、前記第1のゲートの前記ゲート電圧の設定は第1の期間に行われ、前記被駆動素子に対する前記駆動電流の供給は、前記第1の期間とは異なる第2の期間に行われてもよい。
上記の電子装置において、前記複数の電源線は、前記複数の走査線の延設方向に沿って配置されていることが好ましい。
上記の電子装置において、前記駆動トランジスタの閾値電圧は、前記補償トランジスタの閾値電圧より高くならないように設定されていることが好ましい。
上記の電子装置において、前記被駆動素子は、電気光学素子であり、前記複数の第1の信号線の各々が走査線として機能し、前記複数の第2の信号線の各々がデータ線として機能してもよい。
上記の電子装置において、前記電気光学素子は、有機EL素子であってもよい。
上記の電子装置において、前記複数の第1の信号線の各々に沿って、前記被駆動素子として同色の電気光学素子が配置されていてもよい。
本発明の他の電子装置は、複数の第1の信号線と、複数の第2の信号線と、複数の単位回路と、複数の電源線と、前記複数の電源線の電位を複数の電位に設定する、または、前記複数の電源線と所定電位との切断及び接続を制御する電源線制御回路と、を含み、前記複数の単位回路の各々は、第1のゲートを含む駆動トランジスタと、第2のゲートを含むスイッチングトランジスタと、を備え、前記第2のゲートは前記複数の第1の信号線のうちの一つの第1の信号線に接続され、前記第1のゲートのゲート電圧は、前記スイッチングトランジスタを介して前記複数の第2の信号線のうちの一つの第2の信号線と前記複数の電源線のうちの一つの電源線との間に流れるデータ電流よって設定され、前記電源線制御回路は、バッファ回路及びソースフォロワ回路のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする。
本発明の他の電子装置は、複数の第1の信号線と、複数の第2の信号線と、複数の単位回路と、複数の電源線と、前記複数の電源線の電位を複数の電位に設定する、または、前記複数の電源線と所定電位との切断及び接続を制御する電源線制御回路と、を含み、前記複数の単位回路の各々は、第1のゲートを含む駆動トランジスタと、第2のゲートを含むスイッチングトランジスタと、を備え、前記第2のゲートは前記複数の第1の信号線のうちの一つの第1の信号線に接続され、前記第1のゲートのゲート電圧は、前記スイッチングトランジスタを介して前記複数の第2の信号線のうちの一つの第2の信号線と前記複数の電源線のうちの一つの電源線との間に流れるデータ電流よって設定され、前記電源線制御回路は、前記複数の電源線のインピーダンスを低下させる手段を備えていることを特徴とする。
上記の電子装置において、前記駆動トランジスタはpチャネル型であることが好ましい。
上記の電子装置は電子機器に実装することができる。
本発明に係る単位回路は、被駆動素子と、前記被駆動素子への電流量を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲートに接続された容量素子と、前記ゲートに直接接続され、ダイオード接続された補償トランジスタとを含み、前記補償トランジスタを通過する、データ信号として供給されるデータ電流に応じて前記駆動トランジスタの導通状態が設定されることを特徴とする。この構成によれば、例えば、補償トランジスタが駆動トランジスタのゲートに直接接続されているので、これら2つのトランジスタは互いに近接して設けられる結果、その2つのトランジスタの特性を揃えること、または特性比を調整することが容易となる。また、補償トランジスタを通過するデータ電流が、駆動トランジスタによって制御される電流量に直接反映される。ここで、前記補償トランジスタと、ソースまたはドレインのいずれか一方を介して直列に接続された第1のスイッチングトランジスタとを含み、前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインの他方は、信号線に接続され、前記第1のスイッチングトランジスタを介して前記信号線と前記補償トランジスタとが電気的に接続された時に前記データ電流が前記補償トランジスタを通過する構成が好ましい。
本発明の他の単位回路は、被駆動素子と、前記被駆動素子への電流量を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲートに接続された容量素子と、前記駆動トランジスタのゲートに接続された第1のスイッチングトランジスタと、前記第1のスイッチングトランジスタのゲートに接続された第1の信号線と、前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか一方に接続された第2の信号線と、電源電圧が印加された電源線とを備えた単位回路であって、前記電源線と前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方との間にて直列に接続された補償トランジスタ及び第2のスイッチングトランジスタを有し、前記補償トランジスタはダイオード接続され、前記第2のスイッチングトランジスタのゲートは前記第1の信号線とは異なる第3の信号線に接続されている構成を特徴とする。また、本発明は、電流駆動される被駆動素子と、前記被駆動素子への電流量を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲートに接続された容量素子と、前記駆動トランジスタのゲートに接続された第1のスイッチングトランジスタと、前記第1のスイッチングトランジスタのゲートに接続された第1の信号線と、前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか一方に接続された第2の信号線と、電源電圧が印加された電源線とを備えた単位回路であって、前記電源線と前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方との間にて直列に接続された補償トランジスタ及び第2のスイッチングトランジスタを有し、前記補償トランジスタはダイオード接続され、前記第2のスイッチングトランジスタのゲートは前記第1の信号線に接続されている構成を特徴とする。いずれの構成においても、駆動トランジスタのバラツキを補償することが可能となる。ここで、前者と後者とを比較すると、後者に係る構成の方では、第1及び第2のスイッチングトランジスタのゲートが同一の第1の信号線に接続されるので、第3の信号線が不要となり、配線数を削減することが可能となる。なお、ダイオード接続されたトランジスタとは、そのソースまたはドレインのいずれか一方が、ゲートに接続された状態にあるトランジスタをいう。また、前者に係る構成において、前記第1のスイッチングトランジスタ及び前記第2のスイッチングトランジスタが共にオン状態となる期間が設けられている構成が好ましい。
ここで、前者および後者に係る構成において、前記第2の信号線は、データ信号として電流を供給するデータ線である構成が好ましい。
また、前記補償トランジスタに流れる電流量に応じた電荷が前記容量素子に蓄電される構成でも良い。
前記駆動トランジスタと前記補償トランジスタとにおいてゲート電圧に対するソース・ドレイン間の電流特性が略同一であることも好ましいが、前記補償トランジスタに流れる電流量は、前記駆動トランジスタによって制御された電流量よりも大きい構成であっても良い。
さらに、前記被駆動素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることが望ましい。
また、前記駆動トランジスタ、前記第1及び第2のスイッチングトランジスタ、前記補償トランジスタは、それぞれ薄膜トランジスタであることが好ましいが、前記駆動トランジスタについては、経年変化の少ないpチャネル型であることが望ましい。
上記目的を達成するために、本発明は、第1の走査線に供給される走査信号に応じてオンまたはオフするとともに、ソースまたはドレインのいずれか一方がデータ線に接続された第1のスイッチングトランジスタと、電源電圧が印加される電源線と前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方との間にて直列に接続された補償トランジスタ及び第2のスイッチングトランジスタであって、ダイオードとして機能する補償トランジスタと、前記第1の走査線とは異なる第2の走査線に供給される走査信号に応じてオンまたはオフする第2のスイッチングトランジスタと、ゲートが前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方に接続されて、被駆動素子を駆動する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電圧を保持する容量素子とを具備する構成を特徴とする。
また、本発明は、第1の走査線に供給される走査信号に応じてオンまたはオフするとともに、ソースまたはドレインのいずれか一方がデータ線に接続された第1のスイッチングトランジスタと、電源電圧が印加される電源線と前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方との間にて直列に接続された補償トランジスタ及び第2のスイッチングトランジスタであって、ダイオードとして機能する補償トランジスタと、前記第1の走査線に供給される走査信号に応じてオンまたはオフする第2のスイッチングトランジスタと、ゲートが前記第1のスイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方に接続されて、被駆動素子を駆動する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電圧を保持する容量素子とを具備する構成を特徴とする。いずれの構成においても、駆動トランジスタのバラツキを補償することが可能となる。ここで、前者と後者とを比較すると、後者に係る構成の方では、第1及び第2のスイッチングトランジスタのゲートが同一の走査線に接続されるので、第2の走査線が不要となり、配線数を削減することが可能となる。
上記目的を達成するために、本発明は、走査線に供給される走査信号に応じてオンまたはオフするとともに、ソースまたはドレインのいずれか一方がデータ線に接続されたスイッチングトランジスタと、前記スイッチングトランジスタがオンする期間の少なくとも一部または全部の期間にて第1の電源電圧が印加される第1の電源線と前記スイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方との間にてダイオードとして機能する補償トランジスタと、ゲートが前記スイッチングトランジスタのソースまたはドレインの他方に接続されるとともに、自己のソースまたはドレインの一方が第2の電源電圧が印加された第2の電源線に接続されて、被駆動素子を駆動する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電圧を保持する容量素子とを具備する構成を特徴とする。
また、本発明は、走査信号が供給される走査線にゲートが接続されるとともに、ソースまたはドレインのいずれか一方がデータ線に接続されたスイッチングトランジスタと、ソースまたはドレインにゲートが接続された補償トランジスタであって、前記走査信号に応じて前記スイッチングトランジスタがオンする期間の少なくとも一部または全部の期間にて第1の電源電圧が印加される第1の電源線にソースまたはドレインのいずれか一方が接続され、前記スイッチングトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方に、自己のソースまたはドレインのいずれか他方が接続された補償トランジスタと、ゲートが前記スイッチングトランジスタのソースまたはドレインの他方に接続されるとともに、自己のソースまたはドレインの一方が第2の電源電圧が印加された第2の電源線に接続されて、被駆動素子を駆動する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量素子とを具備する構成を特徴とする。いずれの構成においても、駆動トランジスタのバラツキを補償するとともに、トランジスタを1個減らすことが可能となる。
ここで、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とは略等しいことが望ましい。
また、上記単位回路を少なくとも1つ用いて、電気光学装置、記憶装置、センサー装置等の種々の電子装置を構成しても良い。例えば、上記単位回路を画素回路として用いれば電気光学装置を構成することが可能である。このような電気光学装置を電子機器に実装しても良い。
上記目的を達成するために、本発明は、複数の単位回路を含む電子回路であって、前記複数の単位回路の各々は、第1の端子及び第2の端子を含む駆動トランジスタと、第3の端子及び第4の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲートに前記第3の端子が接続された補償トランジスタと、第5の端子及び第6の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲート及び前記第3の端子に前記第5の端子が接続されたスイッチングトランジスタと、前記補償トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタを経由して流れる電流に応じた電荷量を保持するとともに、前記駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量素子とを含み、前記第4の端子は前記複数の単位回路のうち他の単位回路の前記第4の端子と共に第1の電源線に接続され、前記第2の端子は第2の電源線に接続され、前記第1の電源線を複数の電位に設定する、または、前記第1の電源線と電源電位との切断・接続を制御する制御回路を備える構成を特徴とする。この構成によれば、簡素な構成で駆動トランジスタの閾値電圧を補償することができる。
この電子回路において、前記単位回路の各々には、前記駆動トランジスタ、前記補償トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタ以外のトランジスタは存在しない。したがって、駆動トランジスタの閾値電圧を補償しつつ、使用するトランジスタの個数を従来のものに較べて1個低減させることできる。
この電子回路において、前記補償トランジスタは、そのゲートが前記第3の端子に接続されている。したがって、駆動トランジスタを流れる電流は、容量素子に充電される電圧で制御することができる。
この電子回路において、前記駆動トランジスタと前記補償トランジスタの導電型は同じである。これによれば、駆動トランジスタを容易に補償することができる。
この電子回路において、前記第1の端子には電子素子が接続されている。駆動トランジスタの閾値電圧は補償されているので、電子素子に流れる電流値を精度良く制御することができる。なお、電子素子としては、電流駆動される被駆動素子である。
この電子回路において、前記制御回路は、第7の端子及び第8の端子を含むトランジスタであり、前記第7の端子は電源に接続され、前記第8の端子は前記第1の電源線に接続されている。これによれば、制御回路を容易に構成することができる。
この電子回路において、前記補償トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタを経由して電流が流れている期間、少なくとも前記第1の電源線及び前記第2の電源線の電位は実質的に同電位となるように設定されている。これによれば、補償トランジスタで生成された駆動トランジスタの閾値電圧とほぼ等しい電圧を該駆動トランジスタのゲートに確実に供給することができる。
この電子回路において、前記第1の電源線と前記第2の電源線とが同電位を有する電源に電気的に接続可能である。これによれば、第1の電源線と第2の電源線とに供給される電圧を容易にほぼ等しくさせることができる。
この電子回路において、前記駆動トランジスタの閾値電圧は前記補償トランジスタの閾値電圧より高くならないように設定されている。これによれば、駆動トランジスタの閾値電圧を確実に補償することができる。
この電子回路において、前記補償トランジスタに流れる電流量は、前記駆動トランジスタによって制御された電流量よりも大きい構成が好ましい。この構成によれば、スイッチングトランジスタがオンしたときに、当該スイッチングトランジスタ及び補償トランジスタに流れる電流量に応じた電荷を迅速に容量素子に蓄積することが可能となる。
上記の電子回路を少なくとも1つ用いて、例えば、電気光学装置、記憶装置、センサー装置等の種々の電子装置を構成しても良い。
また、本発明は、複数の単位回路を備えた電気光学装置であって、前記複数の単位回路の各々は、第1の端子及び第2の端子を含む駆動トランジスタと、第3の端子及び第4の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲートに前記第3の端子が接続された補償トランジスタと、第5の端子及び第6の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲート及び前記第3の端子に前記第5の端子が接続されたスイッチングトランジスタと、前記第1の端子に接続された電気光学素子と、前記補償トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタを経由して流れる電流に応じた電荷量を保持し、前記駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量素子とを含み、前記第4の端子に接続された第1の電源線は、前記複数の単位回路のうち少なくとも1つの他の単位回路の前記第4の端子にも共通接続され、前記第2の端子は第2の電源線に接続され、前記第1の電源線を複数の電位に設定する、または、前記第1の電源線と電源電位との切断・接続を制御する制御回路を備える。これによれば、駆動トランジスタの閾値電圧を補償しつつ、従来のものと較べて使用するトランジスタが1個低減されるので、開口率を向上させて、表示品質の高くすることが可能となる。また、単位回路を構成するトランジスタの数を従来のものと較べて1個低減させることができるため、歩留まりを向上させることができる。
この電気光学装置において、前記電気光学素子は有機EL素子である。これによれば、従来のものと較べて使用するトランジスタを1個低減させることで開光率が高く、かつ、有機EL素子の輝度階調を精度良く制御することができる。
この電気光学装置において、前記制御回路は、第7の端子及び第8の端子を含むトランジスタであり、前記第7の端子は電源に接続され、前記第8の端子は前記第1の電源線に接続されている。駆動トランジスタの閾値電圧を補償しつつ、従来のものと較べて使用するトランジスタを1個低減した単位を容易に構成することができる。
この電気光学装置において、前記補償トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタを経由して電流が流れている期間は少なくとも前記第1の電源線及び前記第2の電源線の電位は実質的に同電位となるように設定されている。これによれば、補償トランジスタで生成された駆動トランジスタの閾値電圧とほぼ等しい電圧を同駆動トランジスタのゲートに確実に供給することができる。この電気光学装置において、前記第1の電源線と前記第2の電源線とが同電位を有する電源に電気的に接続可能である。これによれば、単位回路に接続される第1の電源線と第2の電源線とに供給される電圧を容易にほぼ等しくさせることができる。
この電気光学装置において、前記駆動トランジスタの閾値電圧は前記補償トランジスタの閾値電圧より高くならないように設定されている。これによれば、駆動トランジスタの閾値電圧を確実に補償することができる。したがって、電気光学素子の輝度階調を精度良く制御することができる。
本発明は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との各交差部に対応してそれぞれ配置された単位回路と、複数の第1の電源線とを含む電気光学装置であって、前記単位回路の各々は、第1の端子及び第2の端子を含む駆動トランジスタと、第3の端子及び第4の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲートに前記第3の端子が接続された補償トランジスタと、第5の端子及び第6の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲート及び前記第3の端子に前記第5の端子が接続されたスイッチングトランジスタと、前記第1の端子に接続された電気光学素子と、前記補償トランジスタ及び前記スイッチングトランジスタを経由して流れる電流値に応じた電荷量を保持し、前記駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量素子とを含み、一連の単位回路に含まれるスイッチングトランジスタのゲートは一つの走査線に共通接続され、前記一連の単位回路における第4の端子は一つの第1の電源線に共通接続され、前記第1の電源線の各々を複数の電位に設定する、または、一つの第1の電源線と電源電位との切断・接続を制御する制御回路を備える。これによれば、単位回路内に設けられたすべての駆動トランジスタの閾値電圧を補償しつつ、従来のものと較べて使用するトランジスタが1個低減されるので、開口率を向上させて、表示品質の高くすることが可能となる。また、単位回路を構成するトランジスタの数を従来のものと較べて1個低減させることができるため、歩留まりを向上させることができる。
この電気光学装置において、前記一連の単位回路における第2の端子は、一つの第2の電源線に共通接続されている。これによれば、表示品質の高くすることが可能となる。
この電気光学装置において、前記補償トランジスタのゲートは、自己の第3の端子に接続されている。これによれば、補償トランジスタで生成された駆動トランジスタの閾値電圧とほぼ等しい電圧を同駆動トランジスタのゲートに確実に供給することができる。
この電気光学装置において、前記電気光学素子は有機EL素子である。これによれば、有機EL素子の輝度階調を精度良く制御することができる。この電気光学装置において、前記走査線に沿って、同色の電気光学素子が配置されるようにした。これによれば、開口率を更に向上させることができる。
本発明は、第1の端子及び第2の端子を含む駆動トランジスタと、第3の端子及び第4の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲートに前記第3の端子が接続された補償トランジスタと、第5の端子及び第6の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲート及び前記第3の端子に前記第5の端子が接続されたスイッチングトランジスタと、前記駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量素子とを含む単位回路を複数備え、一連の単位回路における第4の端子は第1の電源線に共通接続された電子回路の駆動方法であって、前記一連の単位回路の第4の端子の各々を所定電位に電気的接続し、かつ、前記一連の単位回路に含まれるスイッチングトランジスタの各々をオン状態とすることにより、前記補償トランジスタを経由して流れる電流に応じた電荷量を容量素子に保持し、前記電荷量に応じた電圧を前記駆動トランジスタに印加して、前記第1の端子と前記第2の端子との間の導通状態を設定するステップと、前記一連の単位回路の第4の端子の各々を前記所定電位から電気的に切り離すステップとを含む。これによれば、駆動トランジスタの閾値電圧を補償して電子回路を駆動させることができる。
本発明は、第1の端子及び第2の端子を含む駆動トランジスタと、第3の端子及び第4の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲートに前記第3の端子が接続された補償トランジスタと、第5の端子及び第6の端子を含み、前記駆動トランジスタのゲート及び前記第3の端子に前記第5の端子が接続されたスイッチングトランジスタと、前記第1の端子に接続された電気光学素子と、前記駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量素子とを含む単位回路が、複数の走査線と複数のデータ線の各交差部に対応してそれぞれ配置され、一連の単位回路に含まれるスイッチングトランジスタのゲートが一つの走査線に共通接続され、前記一連の単位回路における第4の端子が一つの第1の電源線に共通接続された電気光学装置の駆動方法であって、前記一連の単位回路の第4の端子の各々を所定電位に電気的接続し、かつ、前記一連の単位回路に含まれるスイッチングトランジスタのゲートにそれぞれ走査信号を供給しオン状態として、前記複数のデータ線の対応するデータ線と電気的に接続する期間に、前記補償トランジスタを経由して流れる電流の電流レベルに応じた電荷量を容量素子に保持し、前記電荷量に応じた電圧を前記第1のゲートに印加して、前記第1の端子と前記第2の端子との間の導通状態を設定するステップと、前記一連の単位回路の第4の端子の各々を前記所定電位から電気的に切り離すステップとを含む。これによれば、駆動トランジスタの閾値電圧を補償して電気光学装置を駆動させることができる。
本発明の電子機器は、上記電子回路または上記電気光学装置を実装しているので、回路内における駆動トランジスタの閾値電圧を補償することができる上、従来のものと較べて使用するトランジスタを1個低減することができるので、電子機器の歩留まりを向上させることができる。
以上説明したように本発明によれば、駆動トランジスタのバラツキの影響を受けにくくして、有機EL素子などのような電流型の被駆動素子に、目的とする電流を供給することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る単位回路が適用される電気光学装置の構成を示す図である。この図に示されるように、この電気光学装置においては、複数の走査線(S1、S2、S3、……、)および複数のデータ線(D1、D2、D3、……、)が互いに交差するように配設されるとともに、その交差の各々に、本実施形態に係る単位回路の一例である画素回路20がそれぞれマトリクス状に設けられている。
走査線駆動回路130は、走査線S1、S2、S3、……、に対し、所定のタイミングで選択電位Vselをそれぞれ印加する。データ線駆動回路140は、データ線D1、D2、D3、……、に対し、データ電流Idataを、それぞれデータ信号として供給する。
なお、図1においては、後述する電源線Vが省略されている。また、この説明においては、画素回路20がマトリクス状に配列している部分を表示パネルと呼ぶこともある。本実施形態においては、表示すべき画素の1つが、1つの画素回路20に対応しているが、1つの画素を複数のサブ画素によって表示する構成としても良い。
図2(a)は、本実施形態に係る単位回路としての画素回路20の詳細な構成を示す回路図である。なお、この図における画素回路は、一般的な走査線Sとデータ線Dとの交差に対応するものの1つである。
この図において、被駆動素子Lは、例えば、電流駆動される有機EL素子であり、この図ではダイオードとして表記している。この単位回路は、被駆動素子Lのほかに、駆動トランジスタTr1、スイッチングトランジスタTr2(第2のスイッチングトランジスタ)、スイッチングトランジスタTr3(第1のスイッチングトランジスタ)、補償トランジスタTr4、電荷を蓄積する容量素子Cを含んでいる。このうち、駆動トランジスタTr1、補償トランジスタTr4は、いずれも経時劣化の少ないpチャネル型の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)であり、スイッチングトランジスタTr2、Tr3はnチャネル型のTFTである。
なお、各トランジスタにpチャネル型もしくはnチャネル型のいずれの導電型を用いるかの選択は、ここで示したものに限られる訳ではない。また、スイッチングトランジスタTr2、Tr3導電型(nチャネル型であるか、pチャネル型であるか)については互いに異なっていてもよい。ただし、スイッチングトランジスタTr2、Tr3との導電型を互いに異ならせる場合には、走査線Sにくわえて、これとは排他的な論理レベルをとる走査線を別途設けて、pチャネル型をとるスイッチングトランジスタのゲートを接続する必要がある。
被駆動素子Lの一端は、図示しない正孔注入用電極を介して駆動トランジスタTr1のドレインに接続される一方、被駆動素子Lの他端は陰極Eに接続されている。
また、駆動トランジスタTr1のソースは電源線Vに接続される一方、そのゲートは、容量素子Cの一端と、スイッチングトランジスタTr3のドレインと、トランジスタTr4のドレインとにそれぞれ接続されている。容量素子Cの他端は電源線Vに接続されている。
補償トランジスタTr4のドレインは自己のゲートに接続されている。したがって、補償トランジスタTr4はダイオード接続となっている。
なお、補償トランジスタTr4のドレインとゲートとは、容量素子Cの一端(駆動トランジスタTr1のゲート、スイッチングトランジスタTr3のドレイン)に接続され、また、補償トランジスタTr4のソースは、スイッチングトランジスタTr2のソースに接続されている。スイッチングトランジスタTr2のドレインは電源線Vに接続されている。スイッチングトランジスタTr3のソースはデータ線Dに接続され、スイッチングトランジスタTr2、Tr3のゲートは、それぞれ走査線Sに接続されている。
つぎに、図2(a)の単位回路の動作について説明する。スイッチングトランジスタTr2、Tr3は、走査線Sを介して各ゲートに印加される選択電位Vselによりオン・オフ制御される。ここで本実施形態において、スイッチングトランジスタTr2、Tr3は、ともにnチャネル型であるため、選択電位Vselがハイレベルのときにそれぞれオンとなる。スイッチングトランジスタTr2、Tr3がオンの状態のときにデータ線Dを介してデータ電流Idataが供給されると、補償トランジスタTr4のゲートとソースの電位が等しくなるので、補償トランジスタTr4では、
Vgs(ゲートとソースの電位差)=Vds(ドレインとソースの電位差)
となり、この状態に対応した電荷が容量素子Cに蓄電され、これにより容量素子Cの端子間電圧が駆動トランジスタTr1のゲートに印加される。すなわち、データ線Dから供給されるデータ電流Idataの量により駆動トランジスタTr1のゲート電圧が制御され、これにより駆動トランジスタTr1のドレイン・ソース間における電流量が制御され、被駆動素子Lを流れる電流Idsの値が制御されることになる。
上記回路において、駆動トランジスタTr1と補償トランジスタTr4とは、いわゆるカレント・ミラー回路を構成しており、駆動トランジスタTr1のドレイン・ソース間における電流Idsの値、すなわち、被駆動素子Lに供給される電流の値は、補償トランジスタTr4のドレイン・ソース間における電流量に比例する。
また、駆動トランジスタTr1のドレイン・ソース間における電流Idsと、補償トランジスタTr4のドレイン・ソース間を流れるデータ電流Idataとの比は、駆動トランジスタTr1と補償トランジスタTr4との特性により定まる。したがって、駆動トランジスタTr1と補償トランジスタTr4との特性の一つである利得係数(トランジスタのゲートおよびソースに一定の電圧を印加したときにそのトランジスタに流れる電流量)を一致させておくことで、駆動トランジスタTr1に流れる電流Idsと、補償トランジスタTr4を流れるデータ電流Idataとを一致させることができる。特に、本実施形態では、補償トランジスタTr4のドレインは駆動トランジスタTr1のゲートに直接接続されているので、補償トランジスタTr4を通過するデータ電流Idataが、駆動トランジスタによって制御される電流Idsに直接反映されて、両者の一致性を高めることができる。
このため、駆動トランジスタTr1と補償トランジスタTr4との利得係数を一致するように表示パネルを構成すれば、たとえ表示パネルの画素ごとに形成されている駆動トランジスタTr1にバラツキが発生しても、表示パネルの各画素に含まれる被駆動素子Lに同じ大きさの電流Idsを供給することができる。よって、駆動トランジスタTr1の特性バラツキに起因する輝度むらを抑えることができる。
よく知られているように、被駆動素子Lを含む表示パネルの製造プロセスにおいて、近接するトランジスタの特性を互いに一致させることは容易である。上述したように本実施形態では、補償トランジスタTr4のドレインは駆動トランジスタTr1のゲートに直接接続されてほどに近接している。このため、同一の画素回路において、駆動トランジスタTr1と補償トランジスタTr4との利得係数を一致するように構成することは、困難なことではなく、したがって、輝度むらの少ない表示パネルを製造することは、比較的容易である。
また、本実施形態では、データ線駆動回路140により供給されるデータ電流Idataに応じて駆動トランジスタTr1のゲート電圧が設定されるが、駆動トランジスタTr1と補償トランジスタTr4とがいわゆるカレント・ミラー回路を構成しているので、温度変化などによる駆動トランジスタTr1のドレイン・ソース間における電流Idsの変動が抑制されて、安定化が図られることにもなる。
図2(a)の回路では、補償トランジスタTr4を、スイッチングトランジスタTr2と、スイッチングトランジスタTr3との間に介在させているが、図2(b)に示すように、スイッチングトランジスタTr2と電源線Vとの間に介在させるようにしてもよい。なお、この回路においても駆動トランジスタTr1のドレイン・ソース間電流Idsが、補償トランジスタTr4を流れるデータ電流Idataにより定まることは、図2(a)に示される回路と同様である。
図3は、図2(a)に示した単位回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
まず、走査線駆動回路130が走査線Sに供給する選択電位Vselをハイレベルにする一方、データ線駆動回路140がデータ線Dにデータ電流Idataを供給する。
選択電位Vselがハイレベルになると、スイッチングトランジスタTr2、Tr3がともにオン状態になるので、データ電流Idataは、電源線V、スイッチングトランジスタTr2、補償トランジスタTr4、スイッチングトランジスタTr3、およびデータ線Dという経路にて流れる。
このデータ電流Idataに応じて、駆動トランジスタTr1のゲート電圧が定められて、該ゲート電圧に応じた電流Idsが電源線Vより供給されて被駆動素子Lが発光するとともに、該ゲート電圧は、容量素子Cによって保持される。したがって、選択電位Vselがローレベルになって、スイッチングトランジスタTr2、Tr3がともにオフ状態になっても、保持されたゲート電圧に応じた電流Idsが被駆動素子Lに流れ続けるので、被駆動素子Lの発光状態は、次回選択電位Vselが再びハイレベルになるまで、維持されることとなる。
ところで、カレント・ミラー回路を構成している駆動トランジスタTr1と補償トランジスタTr4との利得係数は、上述したようにこれを一致させる場合に限られず、この単位回路が適用される表示パネルのサイズや走査周波数等の種々の要求に応じて適宜設定することができる。
例えば、補償トランジスタTr4の利得係数を、駆動トランジスタTr1の利得係数よりも大きくした構成としても良い。このような構成によれば、補償トランジスタTr4に流れる電流Idataが、駆動トランジスタTr1に流れる電流Idsよりも大きくなるので、容量素子Cにおいて電荷蓄積に要する時間を短縮化することができる。このため、表示パネルの画素数の増大や大サイズ化に伴って要求される走査周波数の高周波数化に対処することが可能となる。
これとは逆に、補償トランジスタTr4の利得係数を、駆動トランジスタTr1の利得係数よりも小さくした構成としても良い。この構成によれば、補償トランジスタTr4によるデータ電流Idataが、駆動トランジスタTr1による電流Idsよりも小さくなるので、容量素子Cにおける電荷蓄積の際に消費される電力を抑えることができる。
また、図2(a)または図2(b)において、同一行の画素回路20におけるスイッチングトランジスタTr2、Tr3のゲートは、互いに同一の走査線Sに接続された構成となっていた。この構成に限られず、走査線Sとは異なる走査線を設けて、すなわち、1行につき2本の走査線を設けて、スイッチングトランジスタTr2、Tr3のゲートが互いに異なる走査線Sに接続された構成としても良い。ここで、両構成を比較すると、前者に係る構成(1行の画素回路20につき1本の走査線を有する構成)の方が、後者に係る構成(1行の画素回路20につき2本の走査線を有する構成)と比較して、配線に要する領域が少なくて済むので、有効光学面積を確保することによる開口率の向上が容易となる。
次に、上記画素回路20における製造プロセスについて、TFTおよび画素の製造プロセスについて説明する。
まず、ガラス基板1上に、SiH4を用いたPECVDや、Si2H6を用いたLPCVDにより、アモルファスシリコンを形成するとともに、該アモルファスシリコンを、エキシマレーザー等のレーザー照射や、固相成長によって多結晶化させて、多結晶シリコン層2を形成する(図4(a)参照)。
多結晶シリコン層2をパターニングして、ゲート絶縁膜3を形成した後、さらにゲート4を形成する(図4(b)参照)。
続いて、リンやボロンなどの不純物を、ゲート4をマスクとして用いて自己整合的に多結晶シリコン層2に打ち込み、トランジスタ5a、5bを形成する。なお、ここではトランジスタ5a、5bの導電型は、それぞれp型、n型である。第1層間絶縁膜6を形成した後、コンタクトホールを開孔し、さらに、ソースおよびドレイン7を形成する(図4(c)参照)。
そして、第2層間絶縁膜8を形成した後、コンタクトホールを開孔し、さらにITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極9を形成する(図4(d)参照)。
このように形成された第2層間絶縁膜8および画素電極9を覆うように、密着層10を形成し、発光領域に対応して開口部を形成する。さらに、層間層11を形成して、同じく発光領域に対応して開口部を形成する(図5(a)参照)。
つぎに、酸素プラズマやCF4プラズマなどのプラズマ処理によって、基板表面の濡れ性を制御する。その後、正孔注入層12および発光層13を、それぞれ液相プロセスや真空プロセスにより形成する。なお、液相プロセスには、スピンコートや、スキージ塗り、インクジェットプロセスなどが挙げられ、また、真空プロセスには、スパッタリングや、蒸着などが挙げられる。さらに、アルミニウムなどの金属を含んだ陰極14を形成する。最後に、封止層15を形成し、有機EL素子を完成させる(図5(b)参照)。
ここで、密着層10の役割は、基板と層間層11との密着性を向上し、また、正確な発光面積を得ることにある。また、層間層11の役割は、ゲート4やソース、ドレイン7から陰極14を遠ざけて寄生容量を低減すること、液相プロセスで正孔注入層12や発光層13を形成する際に、表面の濡れ性を制御して正確なパターニングができるようにすることとにある。なお、発光層13の上に電子輸送層(図示しない)を設けてもよい。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、例えば、駆動トランジスタTr1と補償トランジスタTr4との利得係数が同じとなるように形成することによって、駆動トランジスタTr1のドレイン・ソース間における電流Idsを、補償トランジスタTr4のドレイン・ソース間を流れるデータ電流Idataに一致させることができた。このため、駆動トランジスタTr1に特性バラツキが発生しても、各画素にわたって被駆動素子Lに同じ大きさの電流Idsを供給することができ、駆動トランジスタの特性バラツキに起因する輝度むらを抑えることが可能となった。
しかしながら、第1実施形態では、図2(a)または図2(b)から明らかなように、1つの画素において計4個のトランジスタが必要である。このため、表示パネルとしてみた場合、トランジスタの数の分だけ、歩留まりの低下や、開口率の低下を招きやすい。
そこで、駆動トランジスタTr1の特性バラツキに起因する輝度むらを抑えた上で、1つの画素において必要となるトランジスタの個数を減少させた第2実施形態について説明することにする。
図6は、第2実施形態に係る単位回路が適用される有機ELディスプレイの構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、有機ELディスプレイ100は、信号生成回路110、表示パネル部120、走査線駆動回路130、データ線駆動回路140および電源線制御回路150を備えている。
有機ELディスプレイ100における信号生成回路110、走査線駆動回路130、データ線駆動回路140および電源線制御回路150は、それぞれが独立した電子部品によって構成されていてもよい。例えば、信号生成回路110、走査線駆動回路130、データ線駆動回路140および電源線制御回路150が、各々1チップの半導体集積回路装置によって構成されていてもよい。また、信号生成回路110、走査線駆動回路130、データ線駆動回路140および電源線制御回路150の全部若しくは一部がプログラマブルなICチップで構成され、その機能が当該ICチップに書き込まれたプログラムによってソフトウェア的に実現されてもよい。
信号生成回路110は、図示しない外部装置からの画像データに基づいて、表示パネル部120に画像を表示させるための走査制御信号およびデータ制御信号を作成する。そして、信号生成回路110は、前記走査制御信号を走査線駆動回路130に出力するとともに、前記データ制御信号をデータ線駆動回路140に出力する。さらに、信号生成回路110は、電源線制御回路150に対してタイミング制御信号を出力する。
図7は、表示パネル部120およびデータ線駆動回路140の内部構成を示す図である。この図に示されるように、表示パネル部120は、列方向に沿って延びるM本のデータ線Xm(m=1〜M;mは整数)と、行方向に沿って延びるN本の走査線Yn(n=1〜N;nは整数)との交差部に対応する位置に単位回路としての画素回路200をそれぞれ有している。つまり、各画素回路200は、列方向に沿って延びるデータ線Xmと、行方向に沿って延びる走査線Ynとにそれぞれ接続されることによってマトリクス状に配列して、電子回路を構成している。
また、行毎に、それぞれ行方向(走査線の延設方向)に沿って第1の電源線L1と第2の電源線L2とが設けられている。
画素回路200は、第1実施形態の被駆動素子Lと同様な有機EL素子210を含む。1行分の画素回路200は、当該行に対応する第1の電源線L1および第2の電源線L2に接続されている。すなわち、1行分の画素回路200は、第1の電源線L1および第2の電源線L2を互いに共用している。
ここで、各行における第1の電源線L1は、それぞれトランジスタQを介して間接的に電圧供給線VLに接続されているが、各行における第2の電源線L2は、それぞれ直接的に電圧供給線VLに接続されて、画素回路200に、駆動電圧Vddを供給する構成となっている。
走査線駆動回路130は、信号生成回路110から出力される走査制御信号に応じて、複数の走査線Ynのうち順番に1本ずつ走査線を選択するとともに、選択した走査線に対し、その選択を示す走査信号を供給する。
データ線駆動回路140は、データ線の1本毎にラインドライバ230を備え、1つのラインドライバ230は、それに対応するデータ線の一端に接続されている。ここで、ラインドライバ230は、信号生成回路110から出力されたデータ制御信号に基づいて、データ電流Idataを生成し、対応するデータ線に供給する。
一般的に言えば、m列目のラインドライバ230は、n行目の走査線Ynが選択されたときに、n行m列に位置する画素回路200に含まれる有機EL素子210の輝度を指示するデータ電流Idataをm列目のデータ線Xmに供給する。
なお、画素回路200では、後述するように、対応するデータ線に供給されるデータ電流Idataに応じて内部状態が設定されると、該内部状態に応じて有機EL素子210に供給される駆動電流Idsが制御される構成となっている。
電源線制御回路150は、行毎に設けられる電源線制御線Fに電源線制御信号をそれぞれ供給して、各行のトランジスタQのオン・オフを制御する。詳細には、電源線制御回路150は、信号生成回路110から出力される走査制御信号に基づき、ある行の電源線制御信号について、当該行の走査線の選択を示す走査信号と完全に一致するように生成して、または、その選択状態が時間的に一部重複するように生成して、当該行に対応する電源線制御線Fに供給する。
図8は、第2実施形態に係る単位回路としての画素回路200の詳細な構成を示す回路図である。この図においては、各画素回路200のうち、n行目の走査線Ynとm列目のデータ線Xmとの交差に対応するものが例示されている。
図8に示されるように、画素回路200は、3つのトランジスタと1つの容量素子とを含んでいる。詳細には、画素回路200は、駆動トランジスタTrd、補償トランジスタTrc、スイッチングトランジスタTrsおよび容量素子としての保持用キャパシタC1を含んでいる。
なお、本実施形態では、駆動トランジスタTrdおよび補償トランジスタTrcの導電型は、それぞれ、p型(pチャネル)であり、スイッチングトランジスタTrsの導電型は、n型(nチャネル)であるが、これらの導電型の選択については、ここで示したものに限られない。また、画素回路200に含まれるトランジスタは、通常、TFT(薄膜トランジスタ)で形成される。
駆動トランジスタTrdのドレイン(第1の端子)は、有機EL素子210の陽極に接続されている。有機EL素子210の陰極は接地されている。駆動トランジスタTrdのソース(第2の端子)は、第2の電源線L2に接続されている。第2の電源線L2は、表示パネル部120の右端側に設けられた電圧供給線VLに接続されている。駆動トランジスタTrdのゲート(第1のゲート)は、ノードNに接続されている。なお、ノードNとは、駆動トランジスタTrdのゲートと、保持用キャパシタC1の一端と、スイッチングトランジスタTrsのドレインと、補償トランジスタTrcのドレインとの接続点である。保持用キャパシタC1の他端は、駆動トランジスタTrdのソース、すなわち、第2の電源線L2に接続されている。
スイッチングトランジスタTrsのドレイン(第6の端子)は、データ線Xmと接続され、そのドレイン(第5の端子)は、ノードNに接続されている。また、スイッチングトランジスタTrsのゲートは、走査線Ynに接続されている。したがって、走査線Ynに、当該走査線Ynが選択されたことを示す走査信号が供給されると(ハイレベルになると)、スイッチングトランジスタTrsは導通状態となる。
ノードNには、補償トランジスタTrcのドレイン(第3の端子)のみならず、そのゲートも接続されている。また、補償トランジスタTrcのソース(第4の端子)は、第1の電源線L1に接続されている。したがって、補償トランジスタTrcは、第1の電源線L1からノードNまでを順方向とするダイオードとして機能する。
なお、各画素回路200内に配置形成されるトランジスタは、通常、TFT(薄膜トランジスタ)で構成されている。
第1の電源線L1は、制御回路としてのトランジスタQを介して電圧供給線VLに接続されている。なお、第1の電源線L1と第2の電源線L2とで電源線Lが構成されている。
トランジスタQのゲートは、電源線制御線Fに接続されている。トランジスタQは、電源線制御回路150から電源線制御線Fを介して供給される電源線制御信号に応じて、電気的切断の状態(オフ状態)または電気的接続の状態(オン状態)のいずれかとなる。トランジスタQの導電型はp型(pチャネル)であるので、電源線制御信号がローレベルとなったときに、トランジスタQがオン状態となる。
次に、有機ELディスプレイ100における画素回路200の駆動方法について図9を参照して説明する。図9は、この駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
まず、データ書き込み期間Trpにおいて、走査線Ynの選択を示す走査信号が走査線駆動回路130によって供給されると(走査線Ynがハイレベルになると)、スイッチングトランジスタTrsがオン状態となる。このような走査信号の供給に合わせて、トランジスタQをオン状態にするローレベルの電源線制御信号が電源線制御線Fに供給されるので、データ書き込み期間Trpでは、トランジスタQもオン状態となる。
したがって、電流が、電圧供給線VL、トランジスタQ、第1の電源線L1、補償トランジスタTrc、スイッチングトランジスタTrsおよびデータ線Xmという経路で流れる。このときに流れる電流は、ラインドライバ230によって生成されるデータ電流Idata、すなわち、n行m列の画素回路200に含まれる有機EL素子210の輝度を指示するデータ電流Idataである。
そして、このときに流れるデータ電流Idataに応じた電圧VC1がノードNに発生して、保持用キャパシタC1に保持されるとともに、駆動トランジスタTrdのゲートに印加される。このため、駆動用トランジスタTrdに駆動電流Idsが流れ、有機EL素子210が発光し始める。
次に、データ書き込み期間Trpが終了して、発光期間Telに至ると、走査線Ynがローレベルになる。このため、スイッチングトランジスタTrsがオフ状態となる。このような走査信号が状態遷移に合わせて、電源線制御信号がハイレベルに変化するので、トランジスタQもオフ状態となる。スイッチングトランジスタTrsおよびトランジスタQがともにオフ状態となっても、駆動トランジスタTrdのゲートには、保持用キャパシタC1によって保持された電圧VC1が印加されるので、有機EL素子210の発光状態は、次回、走査線Ynが再び選択されるまで(トランジスタQが再びオンになるまで)、維持されることになる。
なお、このような動作は、走査線Ynに対応する1行分の画素回路200の各々においても、それぞれ同時に実行される。また、画素回路200の全体についてみると、1、2、3、…、N行目の走査線について順番に実行される。
また、データ書き込み期間Trpと発光期間Telとで、駆動周期Tcが構成される。この駆動周期Tcとは、有機EL素子210の輝度が1回ずつ更新される周期を意味しており、いわゆるフレーム期間(垂直走査期間)と同義である。
上記の画素回路の動作機構を簡単に説明するために、補償用トランジスタTrcの閾値電圧Vth2を考慮して表すとすれば、前記ノードNでの電位Vnは、保持用キャパシタC1に生じた電圧VC1と、駆動電圧Vddから補償用トランジスタTrcの閾値電圧Vth2を差し引いた値(Vn=Vdd−Vth2)とを加算した値で表現される。すなわち、次式(1)で表される。
Vg=VC1+Vdd−Vth2 …(1)
駆動トランジスタTrdのゲート・ソース間電圧Vgsは、そのゲート電位Vgと駆動用トランジスタTrdのソース電位Vs(=Vdd)との差(Vg−Vs)であるので、駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧Vgsは、次式(2)のように変形できる。
Vgs=Vg−Vs …(2)
この式(2)に、式(1)で示されるVgおよびVs(=Vdd)を代入すると、次式(3)が得られる。
Vgs=VC1+Vdd−Vth2−Vdd
=VC1−Vth2 …(3)
ここで、上述したように補償トランジスタTrcの閾値電圧Vth2を駆動トランジスタTrdの閾値電圧Vth1とほぼ等しいとすれば、式(3)で示されるゲート・ソース間電圧Vgsは、次式(4)のように表すことができる。
Vgs=VC1−Vth1 …(4)
一方、駆動トランジスタTrdのソース・ドレイン間に流れる電流Idsは、次式(5)で表される。
Ids=(1/2)β(−Vgs−Vth1)2 …(5)
この式におけるβは、利得係数であり、
β=(μAW/L)
で示される。ここで、μはキャリアの移動度、Aはゲート容量、Wはチャネル幅、Lはチャネル長を、それぞれ示している。
式(5)に、式(4)で示されるVgsを代入すると、
Ids=(1/2)β(−VC1+Vth1−Vth1)2
=(1/2)β(−VC1)2 …(6)
この式(6)を見ても判るように、駆動トランジスタTrdのソース・ドレイン間に流れる電流Idsは、保持用キャパシタC1に生じた電圧VC1のみで決定される。
一般に、互いに近接するトランジスタの閾値特性等を揃えることは容易である。このため、同一画素回路のような、極めて近接する補償トランジスタTrcと駆動トランジスタTrdの閾値電圧特性を揃えることも容易であるので、有機EL素子210に流れる駆動電流Idsを、駆動トランジスタTrdの閾値電圧特性に依存することなく、データ電流Idataで決定することができる。
すなわち、第2実施形態においても、補償トランジスタTrcのドレインは駆動トランジスタTrdのゲートに直接接続されているので、近接する結果、両トランジスタの特性を揃えることが容易であるとともに、補償トランジスタTrcを通過するデータ電流Idataが、駆動トランジスタTrdによって制御される電流Idsに直接反映されて、両者の一致性を高めることができる。
したがって、表示パネル部120において画素回路200毎に、駆動トランジスタTrdの閾値電圧がバラツキによって相違しても、有機EL素子210に流れる電流Idsに影響を与えないので、駆動トランジスタの特性バラツキに起因する輝度むらを抑えることが、上記第1実施形態と同様に可能となる。
さらに、第2実施形態では、1つの画素回路200に形成されるトランジスタは3個であり、第1実施形態の画素回路20の4個と比較して、1個少なくすることができる。このため、第2実施形態によれば、駆動トランジスタの特性バラツキに起因する輝度むらを抑えることができる点にくわえて、トランジスタの不良による歩留まり低下を抑えることができるとともに、1画素当たりの開口面積を確保して開口率を向上させることが可能となる。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に適宜設定して良い。例えば、補償トランジスタTrcの利得係数を、駆動トランジスタTrdの利得係数よりも大きくした構成としても良い。このような構成によれば、補償トランジスタTrcに流れる電流Idataが、駆動トランジスタTrdに流れる電流Idsよりも大きくなるので、容量素子Cにおいて電荷蓄積に要する時間を短縮化することができる。このため、表示パネルの画素数の増大や大サイズ化に伴って要求される走査周波数の高周波数化に対処することが可能となる。
これとは逆に、補償トランジスタTrcの利得係数を、駆動トランジスタTrdの利得係数よりも小さくした構成としても良い。この構成によれば、補償トランジスタTrcによるデータ電流Idataが、駆動トランジスタTrdによる電流Idsよりも小さくなるので、容量素子Cにおける電荷蓄積の際に消費される電力を抑えることができる。
第2実施形態では、スイッチング用トランジスタTrsおよびトランジスタQは、データ書き込み期間Trpにおいてともにオン状態となり、発光期間Telにおいてともにオフ状態となるように設定されていることが好ましいが、特にこれには限定されない。また、駆動電流Idsは、有機EL素子210にデータ書き込み期間Trpに流れず、発光期間Telに流れるように設定されていることが好ましいが、特にこれには限定されない。
駆動トランジスタTrdに対して補償トランジスタTrcのチャネル幅等を大きくすることにより、駆動トランジスタTrdと補償トランジスタTrcのサイズが同一である場合に比べて、低階調のデータを供給する際もデータ電流Idataとして相対的に高い電流を利用できるので、寄生容量等による動作遅延を抑制することができる。
また、画素回路200において、駆動トランジスタTrdの閾値電圧Vth1が補償トランジスタTrcの閾値電圧Vth2以上となるように設定されることが好ましいが、特にこれには限定されない。例えば、有機EL素子210をデータ書き込み期間Trpにおいても発光させるときは、駆動トランジスタTrdの閾値電圧Vth1を補償用トランジスタTrcの閾値電圧Vth2より低くなるように設定してもよい。
くわえて、電源線制御信号が供給される期間と走査信号が供給させる期間とは完全、あるいは、一部時間的に重なるように設定される。つまり、トランジスタQはデータ書き込み期間Trpとほぼ同じ期間でオン状態となるように設定されている。しかし、トランジスタQをオンさせる電源線制御信号を、走査線の選択を示す走査信号よりも先に供給することにより、データ電流Idataによって設定された駆動用トランジスタTrdのゲートの電圧が駆動電圧Vddにより変化するのを抑制することができるので、望ましい場合がある。
また、図7において、電圧供給線VLを表示パネル部120の右端側に設けたが、これに限定されることはなく、例えば、表示パネル部120の左端側に設けてもよいし、また、トランジスタQおよび電圧供給線VLを、電源線制御回路150とは別体として構成したが、電源線制御回路150の内部に設けるようにしてもよい。
さらに、制御回路としてトランジスタQを用いたが、トランジスタQに替えて、低電位と高電位との間で切換え可能なスイッチを設けてもよい。駆動用トランジスタTrdの駆動能力を向上させるためにバッファ回路やソースフォロワ回路を含むボルテージフォロワ回路などを用いて、第2の電源線L2や電圧供給線VLのインピーダンスを十分に低くしても良い。
<第2実施形態の応用>
図7に示した表示パネルでは、説明を簡略化のために単色で階調表示する例を挙げて説明したが、実際の表示パネルとしての機能を考えた場合には、カラー表示することが要求される場合がある。そこで、カラー表示のための電気光学装置を、第2実施形態の応用例として説明する。
図10は、この応用例に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。なお、図10における電気光学装置は、電気光学素子として有機EL素子を用いた有機ELディスプレイであり、図7と同じ構成部材については同一の符号を付与して、その詳細な説明を省略する。
図10において、表示パネル部120は、赤色の光を放射する有機EL素子210を有した赤用画素回路200Rと、緑色の光を放射する有機EL素子210を有した緑用画素回路200Gと、青色の光を放射する有機EL素子210を有した青用画素回路200Bとで構成される。
ここで、表示パネル部120において、1行目には赤用画素回路200Rが配列し、2行目には緑用画素回路200Gが配列し、3行目には青用画素回路200Bが配列し、4行目には赤用画素回路200Rが配列し、以降、この配列が繰り返されている。すなわち、同色の画素回路は、走査線の延設方向に沿って1行分配列するとともに、1行分の同色画素回路が、走査線、第1の電源線L1および第2の電源線L2を兼用している。
なお、各色の画素回路200R、200G、200Bの回路構成は、それぞれ、図8に示した画素回路200の回路構成と等しい。
この応用例において電圧供給線は、色毎に専用の駆動電圧を供給するために3本設けられている。すなわち、電圧供給線VLRは、赤用画素回路200Rの駆動電圧VddRを供給し、電圧供給線VLGは、緑用画素回路200Gの駆動電圧VddGを供給し、電圧供給線VLBは、青用画素回路200Bの駆動電圧VddBを供給する。
また、第1の電源線L1および第2の電源線L2が、それぞれ行方向に沿って、行毎に設けられている。ここで、同一行に位置する赤用画素回路200Rに対応する第1の電源線L1は、トランジスタQRを介して電圧供給線VLRとは間接的に接続されて、当該トランジスタQRがオンしたときに駆動電圧VddRを供給する一方、第2の電源線L2は、電圧供給線VLRとは直接的に接続されて、駆動電圧VddRを常時供給する。
同一行に位置する緑用画素回路200G、青用画素回路200Bについてもそれぞれ同様である。すなわち、同一行に位置する緑用画素回路200Gについての第1の電源線L1は、トランジスタQGがオンしたときに駆動電圧VddGを供給する一方、第2の電源線L2は、駆動電圧VddGを常時供給し、また、同一行に位置する青用画素回路200Gについての第1の電源線L1は、トランジスタQBがオンしたときに駆動電圧VddBを供給する一方、第2の電源線L2は、駆動電圧VddBを常時供給する。
次に、応用例に係る電気光学装置において、画素回路200R、200G、200Bの駆動方法について説明する。
まず、1行目の走査線Y1が選択されて、その旨を示す走査信号が供給されると(走査線Y1がハイレベルになると)、1行目に位置する赤用画素回路200Rの各々においてスイッチングトランジスタTrsがオン状態となる。このような走査信号が供給に合わせて、1行目の電源線制御信号がローレベルになるので、1行目のトランジスタQRもオン状態となる。
さらに、該走査信号の供給に合わせて、1行目の画素回路200Rに含まれる有機EL素子210の輝度を指示するデータ電流Idataが、各列のデータ線にそれぞれ供給される。
このため、1行目の画素回路200Rの各々においては、データ電流Idataに応じた電荷が保持用キャパシタC1に蓄積されることによって駆動トランジスタTrdのゲート電圧が保持される。したがって、駆動トランジスタTrdは、当該ゲート電圧に応じた駆動電流Idsを赤用の有機EL素子210に供給し始め、これにより、赤用の有機EL素子210の発光が開始する。
続いて、2行目の走査線Y2が選択されて、その旨を示す走査信号が供給されると(走査線Y2がハイレベルになると)、2行目に位置する緑用画素回路200Gの各々においてスイッチングトランジスタTrsがオン状態となる。このような走査信号が供給に合わせて、2行目の電源線制御信号がローレベルになるので、2行目のトランジスタQGもオン状態となる。
該走査信号の供給に合わせて、2行目の画素回路200Gに含まれる有機EL素子210の輝度を指示するデータ電流Idataが、各列のデータ線にそれぞれ供給される。
このため、2行目の画素回路200Gの各々においては、データ電流Idataに応じた電荷が保持用キャパシタC1に蓄積されることによって駆動トランジスタTrdのゲート電圧が保持される。したがって、駆動トランジスタTrdは、当該ゲート電圧に応じた駆動電流Idsを緑用の有機EL素子210に供給し始め、これにより、緑用の有機EL素子210の発光が開始する。
なお、2行目の走査線Y2が選択されると、1行目の画素回路200Rの各々において、スイッチングトランジスタTrsおよびトランジスタQRがともにオフ状態となるが、その駆動トランジスタTrdは、保持用キャパシタC1によって保持されたゲート電圧に応じた駆動電流Idsを赤用の有機EL素子210に供給するので、赤用の有機EL素子210の発光状態は維持される。
次に、3行目の走査線Y3が選択されて、その旨を示す走査信号が供給されると(走査線Y3がハイレベルになると)、3行目に位置する青用画素回路200Bの各々においてスイッチングトランジスタTrsがオン状態となる。このような走査信号が供給に合わせて、3行目の電源線制御信号がローレベルになるので、3行目のトランジスタQBもオン状態となる。
該走査信号の供給に合わせて、3行目の画素回路200Bに含まれる有機EL素子210の輝度を指示するデータ電流Idataが、各列のデータ線にそれぞれ供給される。
このため、3行目の画素回路200Gの各々においては、データ電流Idataに応じた電荷が保持用キャパシタC1に蓄積されることによって駆動トランジスタTrdのゲート電圧が保持される。したがって、駆動トランジスタTrdは、当該ゲート電圧に応じた駆動電流Idsを青用の有機EL素子210に供給し始め、これにより、青用の有機EL素子210の発光が開始する。
なお、3行目の走査線Y3が選択されると、2行目の画素回路200Rの各々において、スイッチングトランジスタTrsおよびトランジスタQRがともにオフ状態となるが、その駆動トランジスタTrdは、保持用キャパシタC1によって保持されたゲート電圧に応じた駆動電流Idsを緑用の有機EL素子210に供給するので、緑用の有機EL素子210の発光状態は維持される。
以降同様な動作が、4、5、6、…、N行目まで順番に繰り返されると、再び1行目の走査線Y1が選択されて、データ(保持用キャパシタC1に蓄積されたデータ電流Idataに応じた電荷)が書き換えられることになる。
このように応用例に係る有機ELディスプレイ100においても、第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
一般に、赤、緑、青の有機EL素子210の発光効率は、互いに異なるので、駆動電圧についても、色毎に最適な値を設定する必要となる場合がある。応用例では、同一行に同一色の画素回路を配列させるとともに、第1の電源線L1および第2の電源線L2を共用させて、色毎に駆動電圧を供給する構成となっているので、色毎に最適な駆動電圧を設定することが容易である。また、有機EL素子210が長期間の発光により経時劣化等して、色毎に、駆動電圧を再設定する必要が生じる場合もあるが、応用例では、そのような色毎に駆動電圧の再設定も容易となる。
なお、上述した第1、第2実施形態や、その応用例では、単位回路(電子回路)として画素回路を例示したが、RAM等(特にMRAM)の記憶装置に適用しても良い。また、被駆動素子として有機EL素子を例に挙げたが、無機EL素子でも良いしLEDやFEDでも良い。更には光検出素子等のセンサー素子であっても良い。
<電子機器>
つぎに、第1、第2実施形態やその応用例に係る単位回路を含む電気光学装置を適用した電子機器のいくつかの事例について説明する。
図11は、この電気光学装置を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。この図に示されるように、実施形態に係る単位回路を含む電気光学装置300は、パーソナルコンピュータ2100の表示ユニットとしても用いられている。なお、パーソナルコンピュータ2100の本体2104には、キーボード2102が備えられる。
図12は、上記電気光学装置300を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機2200は、複数の操作ボタン2202のほか、受話口2204、送話口2206とともに、前述の電気光学装置300を備えている。
図13は、前述の電気光学装置300をファインダに適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。銀塩カメラは、被写体の光像によってフィルムを感光させるのに対し、ディジタルスチルカメラ2300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号を生成・記憶するものである。ここで、ディジタルスチルカメラ2300における本体2302の背面には、上述した電気光学装置300が設けられている。この電気光学装置300は、撮像信号に基づいて表示を行うので、被写体を表示するファインダとして機能することになる。また、本体2302の前面側(図13においては裏面側)には、光学レンズやCCDなどを含んだ受光ユニット2304が設けられている。
撮影者が電気光学装置300に表示された被写体像を確認して、シャッタボタン2306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板2308のメモリに転送・記憶される。
また、このディジタルスチルカメラ2300にあって、ケース2302の側面には、外部表示を行うためのビデオ信号出力端子2312と、データ通信用の入出力端子2314とが設けられている。
なお、上記電気光学装置が適用される電子機器としては、図11に示されるパーソナルコンピュータや、図12に示される携帯電話機、図13に示されるディジタルスチルカメラの他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、実施形態に係る電気光学装置が適用可能であることは言うまでもない。