JP4582373B2 - アルミニウム導体と電子部品の接続構造および方法ならびにそれを用いたicカードとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム導体と電子部品の接続構造および方法ならびにそれを用いたICカードとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在広く用いられているキャッシュカード、クレジットカード等は、プラスチックカードに磁気ストライプを設け、これに記録された情報を読み取りできるようにしたものである。このような磁気記録方式のものでは、第三者によって情報が解読され易い、記録可能な情報量が少ないといった欠点がある。
【0003】
そこで近年、メモリ、CPU等の機能を有するICチップを装備したICカードが開発され実用段階に達しつつある。中でも、非接触で信号の送受信を行う非接触ICカードとして、質問器(リーダ/ライタ)が発した電磁波により、応答器(非接触式ICカード)のアンテナコイルに誘導電圧を発生させ電源として利用すると共に、データの通信を行うものが注目されている。
【0004】
このような非接触式ICカードとして、その基本的な回路構成は、図4に示すように、プラスチックフィルム1の一方の面にアンテナコイルパターン2と回路パターン3が形成され、その裏面側にアンテナコイルパターン2と回路パターン3とをスルーホール4を介して接続するジャンパーパターン5が形成された基板に、異方導電性接着剤6を介してICチップ7をフェイスダウン式に直接接続し、内層材を介して、ICカードの外層となるプラスチックフィルム8で挟んだICカードが、特開平8−310172号公報に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のICカードの回路には、基板に貼った銅箔を選択的にエッチング除去して形成したり、基板に貼ったアルミニウム箔を選択的にエッチング除去して形成したり、基板に導電性ペーストを回路の形状に印刷して形成していたが、安価なアルミニウム箔を回路の導体として用い、その上に異方導電性接着剤を介して、電子部品を接続したときに、図3に示すように、高温・高湿度の加速試験を行うと、アルミニウムの表面に酸化皮膜が形成されやすいので、接続抵抗が大きくなって、場合によっては、通信性能が不安定になるという課題があった。
【0006】
本発明は、低抵抗な回路が形成でき、安価で、しかも接続の信頼性に優れたアルミニウム導体と電子部品の接続構造および方法ならびにそれを用いたICカードとその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下のことを特徴とする。
(1)アルミニウム導体と、導電性ペーストと、接着剤と、電子部品をこの順に接続した接続構造。
(2)接着剤が、異方導電接着剤である(1)に記載の接続構造。
(3)接着剤が、異方導電性フィルムである(1)に記載の接続構造。
(4)アルミニウム導体の一部に、導電性ペーストの一部が重なるように形成し、その導電性ペーストの上に接着剤を重ね、接着剤の上に電子部品を重ね、加熱・加圧する接続方法。
(5)接着剤が、異方導電接着剤である(4)に記載の接続方法。
(6)接着剤が、異方導電性フィルムである(4)に記載の接続方法。
(7)アルミニウム導体によるアンテナ回路と、導電性ペーストと、異邦導電接着剤と、電子部品をこの順に接続したICカード。
(8)接着剤が、異方導電接着剤である(7)に記載のICカード。
(9)接着剤が、異方導電性フィルムである(7)に記載のICカード。
(10)アルミニウム導体によるアンテナ回路の一部に、導電性ペーストの一部が重なるように形成し、その導電性ペーストの上に接着剤を重ね、接着剤の上に電子部品を重ね、加熱・加圧するICカードの製造方法。
(11)アルミニウム導体によるアンテナ回路の裏面にスルーホールを形成し、そのスルーホール内と連続した回路を導電性ペーストで形成し、その導電性ペーストの上に接着剤を重ね、接着剤の上に電子部品を重ね、加熱・加圧するICカードの製造方法。
(12)接着剤が、異方導電接着剤である(10)または(11)に記載のICカードの製造方法。
(13)接着剤が、異方導電性フィルムである(10)または(11)に記載のICカードの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミニウム導体の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。厚さが5μm未満であると、抵抗値が大きく回路として実用的でなく、50μmを越えると、厚くなり過ぎ、エッチングして回路の形状を形成することが困難となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下のことを特徴とする。
(1)アルミニウム導体によるアンテナ回路の裏面にスルーホールを形成し、そのスルーホール内と連続した回路を導電性ペーストで形成し、その導電性ペーストの上に接着剤を重ね、接着剤の上に電子部品を重ね、加熱・加圧するICカードの製造方法。
(2)接着剤が、異方導電接着剤である(1)に記載のICカードの製造方法。
(3)接着剤が、異方導電性フィルムである(1)に記載のICカードの製造方法。
【0010】
接着剤には、未硬化および/または半硬化の熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、未加硫(未架橋)のゴム、あるいは嫌気性接着剤を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シロキサン変性エポキシ樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したもの、あるいはこれらを加熱し、半硬化状にしたものが使用できる。これらの樹脂を、直接、基板と基板、あるいは、基板とICチップを接続する箇所に塗布することもできるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなプラスチックフィルムや銅箔あるいはアルミニウム箔のような金属箔をキャリアとし、その表面に塗布し、加熱乾燥してドライフィルム状にした接着剤シートとして、必要な大きさに切断し、直接、基板と基板、あるいは、基板とICチップを接続する箇所にラミネートや仮接着して用いることもできる。
光硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その光開始剤、硬化剤、硬化促進剤などを混合したもの、あるいはこれらを露光あるいは加熱し、半硬化状にしたものが使用できる。これらの樹脂を、直接、基板と基板、あるいは、基板とICチップを接続する箇所に塗布することもできるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなプラスチックフィルムや銅箔あるいはアルミニウム箔のような金属箔をキャリアとし、その表面に塗布し、露光、加熱乾燥してドライフィルム状にした接着剤シートとして、必要な大きさに切断し、直接、基板と基板、あるいは、基板とICチップを接続する箇所にラミネートや仮接着して用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、六フッ化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオキシベンゾエート樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したもの、あるいはこれらを加熱し、半硬化状にしたものが使用できる。これらの樹脂を、直接、基板と基板、あるいは、基板とICチップを接続する箇所に塗布することもできるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなプラスチックフィルムや銅箔あるいはアルミニウム箔のような金属箔をキャリアとし、その表面に塗布し、加熱乾燥してドライフィルム状にした接着剤シートとして、必要な大きさに切断し、直接、基板と基板、あるいは、基板とICチップを接続する箇所にラミネートや仮接着して用いることもできる。
未加硫(未架橋)のゴムとしては、天然ゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴム、イソブチレンゴム、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その架橋剤などを混合したもの、あるいはこれらを加熱し、半硬化状にしたものが使用できる。これらの樹脂を、直接、基板と基板、あるいは、基板とICチップを接続する箇所に塗布することもできるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなプラスチックフィルムや銅箔あるいはアルミニウム箔のような金属箔をキャリアとし、その表面に塗布し、加熱乾燥してドライフィルム状にした接着剤シートとして、必要な大きさに切断し、直接、基板と基板、あるいは、基板とICチップを接続する箇所にラミネートや仮接着して用いることもできる。
これらの接着性樹脂層は、共重合体であってもよく、または異種の樹脂の混合体であってもよく、さらに、シリカや金属酸化物などの無機フィラーを含むものでもよく、ニッケル、金、銀などの導電粒子、あるいはこれらの金属をめっきした樹脂粒子を含む導電性接着剤であってもよい。また、このようなニッケル、金、銀などの導電粒子、あるいはこれらの金属をめっきした樹脂粒子を含む組成を、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなプラスチックフィルムや銅箔あるいはアルミニウム箔のような金属箔をキャリアとし、その表面に塗布し、加熱乾燥してドライフィルム状にした異方導電性フィルムとしても用いることができる。
この接着剤の厚さは、3〜50μmであることが好ましい。厚さが3μm未満であると、導電ペーストと電子部品との間に空洞を生じ、接着剤によるクッション効果が低下し、50μmを越えると、厚くなり過ぎ、電子部品の端子が導電ペーストまで届かなくなるおそれがある。
【0011】
電子部品には、ICチップ、チップ型コンデンサ、チップ型抵抗などのチップ部品を用いることができ、端子の形状は、100μm角以上の面積を有する高さ15μm程度の金めっき端子であることが好ましい。
【0012】
本発明の接続構造は、上記アルミニウム導体、導電性ペースト、接着剤、電子部品をこの順に重ねた構造である。このようにすることで、アルミニウム導体と導電性ペーストと電子部品との接続が、高温・高湿度の加速試験におても劣化の少ない、高い接続信頼性を保つことができるものである。
【0013】
このような構造とするためには、アルミニウム導体の一部に、導電性ペーストの一部が重なるように形成し、その導電性ペーストの上に接着剤を重ね、接着剤の上に電子部品を重ね、加熱・加圧することによって行う。この加熱・加圧の条件は、使用する接着剤や、導電ペーストに用いるバインダの種類、これらの厚さによって異なり、それぞれに、予め実験的に行うことにより求めておくことができる。一般的には、加熱温度は、100〜200℃とするのが好ましく、100℃未満では、どのような接着剤やバンダでも硬化せず、接続信頼性を保つことが困難であり、200℃を越えると、基板が劣化することもあり好ましくない。また、加圧条件は、一般的に0.3〜30MPaの範囲であることが好ましく、0.3MPa未満であると、電子部品の端子が十分に導電性ペーストに接続されないこともあり、30MPaを越えると、基板やアルミニウム箔の強度を超えるので好ましくない。
【0014】
アルミニウム導体による回路に、アンテナ回路を含ませれば、ICカードとすることができ、上記の方法によって、ICカードを製造することができる。また、アルミニウム導体によるアンテナ回路の裏面にスルーホールを形成し、そのスルーホール内と連続した回路を導電性ペーストで形成し、その導電性ペーストの上に接着剤を重ね、接着剤の上に電子部品を重ね、加熱・加圧してもICカードを製造することができる。
【0015】
【実施例】
実施例1
図1に示すように、厚さ9μmのアルミニウム箔を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに貼り合わせた基材を用い、アルミニウム箔の表面の回路となる箇所に、エッチングレジストを形成し、不要な箇所のアルミニウム箔をエッチング除去して、アンテナコイルパターン2と接続回路パターン3とを形成した。
その一部に重なる箇所に、不飽和ポリエステル樹脂系のバインダを用いた導電性ペースト9を、印刷法で、厚さが20μmになるように形成した。
その導電性ペーストの上に、以下の組成の接着剤10を、25μmの厚さになるように塗布し、その接着剤の上にICチップを重ね、180℃で、1接続端子あたり1MPaの条件で加熱・加圧してICカードを作製した。このときの、ICチップは、1.9×2.8mmの大きさで、端子が2箇所対角線上に設けられているものを用い、端子の高さは、15μmであった。このICカードを、500枚作製した。
(接着剤の組成)
・シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂 …75重量部
(シロキサン含有量:24.8wt%)
・ビスフェノールAエポキシ樹脂 …25重量部
・エポキシ化ポリブタジエンゴム …0.8重量部
・硬化剤:イミダゾール …0.02重量部
・溶剤:(N−メチルピロリジノン)…上記シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が30〜35wt%となる量
【0016】
実施例2
図2に示すように、アルミニウム導体によるアンテナコイルパターンの裏面となる箇所にスルーホールとなる穴をあけたポリエチレンテレフタレートフィルムと、アルミニウム箔を貼り合わせた基材を用い、アルミニウム箔の表面の回路となる箇所に、エッチングレジストを形成し、不要な箇所のアルミニウム箔をエッチング除去して、アンテナコイルパターン2を形成した。アルミニウム箔とポリエチレンテレフタレートフィルムには、実施例1と同じ厚さの材料を用いた。
ポリエチレンテレフタレートフィルムにあけた穴を含む回路を、アンテナコイルパターン2とは別の面に、不飽和ポリエステル樹脂系のバインダを用いた導電性ペースト9を、印刷法で、厚さが20μmになるように形成した。この穴の直径は、0.5mmであった。
その導電性ペースト9の上に、ドライフルム状の導電性接着剤11を重ね、その導電性接着剤11の上にICチップ7を重ね、180℃で、1接続端子あたり1MPaの条件で加熱・加圧してICカードを作製した。このときの、ICチップ7は、1.5×2.5mmの大きさで、端子が2箇所対角線上に設けられているものを用い、端子の高さは、15μmであった。このICカードを、500枚作製した。
導電性接着剤は、以下の組成の樹脂を、厚さ80μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、厚さが45μmとなるように、2度塗布し、100℃で10分間乾燥し、ドラオフィルム状にしたものを用いた。
(接着剤の組成)
・フェノキシ樹脂 …200g
・ビスフェノールAエポキシ樹脂 …300g
・ニッケル粒子(平均直径3μm) …2vol%
・硬化剤:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール
… 30g
・酢酸エチル …350g
【0017】
比較例
導電ペーストを用いず、アルミニウム導体の上に、直接接着剤を塗布した以外は、実施例1と同様にしてICカードを作製した。
【0018】
比較例
導電性ペーストを用いずに、アルミニウム導体の上に、直接接着剤を塗布した以外は、実施例1と同様にしてICカードを作製した。
【0019】
このようにして作製したICカードを、温度85℃で相対湿度85%の高温・高湿度槽に500時間放置した。その結果、実施例ではいずれも通信性能に異常はなかったものの、比較例では、7%に通信製造の低下が発生した。
【0020】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によって、低抵抗な回路が形成でき、安価で、しかも接続の信頼性に優れたアルミニウム導体と電子部品の接続構造および方法ならびにそれを用いたICカードとその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す上面図と断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す上面図と断面図である。
【図3】従来例の課題を説明するための線図である。
【図4】従来例を示す上面図と断面図である。
【符号の説明】
1.プラスチックフィルム
2.アンテナコイルパターン
3.接続回路パターン
4.スルーホール
5.ジャンパーパターン
7.ICチップ
8.プラスチックフィルム
9.導電性ペースト
10.接着剤
11.導電性接着剤
Claims (3)
- アルミニウム導体によるアンテナ回路の裏面にスルーホールを形成し、そのスルーホール内と連続した回路を導電性ペーストで形成し、その導電性ペーストの上に接着剤を重ね、接着剤の上に電子部品を重ね、加熱・加圧するICカードの製造方法。
- 接着剤が、異方導電接着剤である請求項1に記載のICカードの製造方法。
- 接着剤が、異方導電性フィルムである請求項1に記載のICカードの製造方法。
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