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JP4582786B2 - 光源装置 - Google Patents
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JP4582786B2 - 光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源装置、特にLED素子を用いた光源装置に関するものであり、高輝度の光源を超小型で低コストに提供するものである。
従来、LEDランプは砲弾型リードタイプや樹脂パッケージを用いた表面実装型タイプのランプとしてLEDメーカーから提供されている。しかし、これらのタイプは従来の小電流で使う表示器用途には十分であったが、大電流高発熱の照明用光源用途には不向きである。
近年、LED素子の発光効率を高める開発が進められ、LEDチップ自体の改良やLEDチップサイズの大型化を図ることで放熱性を高める改良、そしてチップ発光面上にレンズや反射板を取り付けることで集光を図った改良が行われてきた。
その結果、2lm/Wの発光効率であったLED素子が30lm/Wを超える効率レベルに達し、照明用途への適用が議論される状況になってきた。
LEDランプは、エネルギーロスが少なく省エネルギーであることや、長寿命であることから環境対策の点で優れており照明用途への期待が高まっている。
ただし、上述の改良されたLEDランプを用いた場合でも照明器具を実現するためには光束が不足するため、複数のLED素子を搭載して装置を構成する必要がある。
ところで、一口に照明器具といっても多種多様なものが含まれるが、高性能な照明装置を得るにあたって共通して言えることとして、高輝度の光源を可能な限り小型のまま提供することが第一義的に挙げられる。
確かに、複数のLED素子を搭載して照明器具を構成するのであれば、LED素子数の多寡により光量を調整することができるので、コストを度外視すれば技術的には数百lmの光量を必要とする蛍光灯等を代替することも可能といえる。しかしながら、当然発熱量も増加するため、従来構造のままでは器具が大型化してしまうという欠点があった。特に、照明器具の中でも大光量を要する照明器具(プロジェクター等の投光器類)では、高輝度大光束の光源を小型に実現する必要があるため、従来のLED素子実装技術による器具設計では全く対応できない。
したがって現時点では、投光器等、大光量を要する照明器具に用いる光源を、大光量が得られる従来光源(キセノンランプや水銀ランプ等)に代えてLED素子からなる光源装置で構成することは未だ実現されていなかった。
高輝度小型光源の用途として投光器の一種であるプロジェクターを例に挙げれば、照明器具として1000lm以上の光束を直径約3cm以下の発光面積で作製することが要求される。この場合、30lm/Wの高輝度LED素子を用いた場合でも30個以上の素子を集積実装しなければならず、また将来技術として50〜100lm/Wの超高輝度素子が仮に開発された場合においても、10個以上の素子実装が要求される。
このような高密度の素子実装においては、エネルギーロスの少ない固体発光素子であるLEDであっても、かなりな発熱密度となる。上記プロジェクターの例でいうと数十Wの熱損失をともなうため、放熱技術が大きな問題となっている。
放熱が不十分な場合、LED素子では、発熱による温度上昇により発光効率が大きく低下することや、LED素子封止樹脂の劣化を招くという問題がある。このとき、素子の発光特性を一定レベルに補正するために素子の出力制御を行うことも一策として考えられるが、その場合、素子への負担が更にかかり寿命を短縮してしまうという問題があった。加えて、R、G、Bなど発光色の違うLED素子を複数用いて混色実装した場合には、R、G、B各色のLED素子では温度依存特性と素子寿命が夫々異なるため、経時的に発色性(演色性)が変化してしまうという問題があった。
このように、高輝度の光源を可能な限り小型のまま提供するには、光束を効率良く取り出すことに加え、安定した放熱能力を確保出来る構成が求められる。
そこで、本発明の対象となるLED光源装置について従来知られた構成を、光束を効率良く取り出す点、及び安定した放熱能力を確保する点の双方から検討する。
まずはじめに、光束を効率良く取り出す点に関して検討すると、従来知られたLED光源装置には、チップを基板平面上に密集配置する構成を備えたものしか存在しなかった(特許文献1、2参照)。
一方、単に集積化だけを考えた場合には、プリント基板等では多層化(4層、6層基板等)を行う手法が多用されている。また、この多層基板中に部品を内蔵する等して、基板の他に部品を多層に配置して集積化を図った例もある。
しかしながら、光束を同一方向に効率よく取り出す手法として、発光素子チップを3次元的に配置する構成は、これまで試みられた例が無かった。
次に、安定した放熱能力を確保する点に関し、近年では放熱性を重視するという観点から、パワーモジュール等の一部の技術分野ではガラス基材のエポキシ樹脂等の基板よりも熱伝導性に優れたセラミック基板や金属基板を使用する例が増加している。
しかしながら、前記のようにチップを基板平面上に密集配置する構成では、金属基板でも出力を上げるとすぐに放熱能力が不足してしまうことから、集積度を期待通りに向上させることができないという問題があった。
又これまでは、放熱性を重視するという観点から金属基板を使用することはあっても、金属基板単体で放熱能力を十分に確保出来ない場合には、金属基板を照明装置等の筐体(シャーシ又はカバー等)に結合するか、或いはこの金属基板の裏側に単に放熱ブロックを結合して対策することが行われているに過ぎなかった(特許文献2参照)。
要するに、光束を同一方向に効率よく取り出すことに加えて、放熱能力を十分に確保可能な構成は、これまで提供されていなかったのである。
特開2004−327138号公報 特開2004−55800号公報
従って本発明は、光束を同一方向に効率よく取り出すことに加えて、放熱能力を十分に確保することができる光源装置を提供することを課題とする。
LED素子を光源として用いた照明器具において発光密度を向上させる上で、LED素子自体の発光効率を改善する以外の方法としては、LED素子の実装方法における飛躍的な革新が必要と言える。本発明者は、この実装方法における革新および上記課題の解決を目指して種々検討を重ねた結果、従来平面上に並べるだけであったLED素子を3次元的に配置する新たな構造とすることで上記課題の解決を図った。
すなわち、本発明者は、放熱を担う基板を多重構造とすれば、各層が放熱効果を有するため単一層に発光素子が高密度に実装された場合に比べて熱拡散効率が倍化し、それゆえ隣接する素子間の熱干渉を考慮しなくても発光素子を狭ピッチに配置又は高密度に実装できることを見い出し、本発明を完成した。
上記課題を解決可能な本発明の光源装置は、(1)上下に基板を複数層重ね合わせた複数層の基板と、前記複数層の基板の夫々実装された複数の発光素子と、を備え、前記複数層の基板のうちの上層側の基板には、これより下層の基板上に実装された前記発光素子の実装位置に対応した位置に貫通孔が設けられ、最上層の基板上に実装された前記発光素子が前記貫通孔を除く領域に配置されるとともに、前記最上層の基板に対し下層側の基板に実装された前記発光素子が前記貫通孔に収容されていることを特徴とするものである。このとき、上記光源装置では、隣接する2枚の基板の上層側の基板に設けられた貫通孔内に、下層側の基板上に実装された発光素子が収容されることになる。
これにより、LED素子を高密度に配置し、かつ実装することが可能となった。
又本発明は、上記の光源装置において更に、(2)前記貫通孔の開口面積が上方に向かって拡開する様に形成されていることを特徴とするものである。
従来は、LED素子の実装基板上に集光レンズや反射板を設けて集光度を上げる構造がとられてきた。しかし、新たにレンズや反射板を付加する構造のため取り付け精度の問題やコスト増の原因になっていた。
本発明(2)では、基板自身に集光効果をもたせる構造を案出し、これらの解決を得た。すなわち、本発明(2)によれば、基板の貫通孔の側壁が集光効果を担う構造のため、レンズや反射板などの新たな部品を個々のLED素子に対して付加する必要が無くなった。
同様に本発明は、上記(1)又は(2)の光源装置において更に、(3)前記基板が金属ベース基板またはセラミック基板からなることを特徴とするものである。
高発熱する高輝度LED素子の実装においては、放熱性を向上させるため高熱伝導性の基板が要求される。ここで、高熱伝導性の配線基板としては、パワーモジュール等に使われるアルミや銅をコアに用いた金属ベース配線基板のほか、アルミナや窒化アルミ等の高熱伝導性セラミック基板に配線パターンを形成した配線基板等が挙げられる。しかしながら、それらの基板は従来、単なる部品実装基板として用いられるに過ぎないものであった。
本発明(3)は、これら高熱伝導性基板を3次元的に有効利用することに着眼したものである。高熱伝導性の基板に傾斜貫通孔を形成することにより、基板自身に上記の集光機能を組み込むほか、放熱性を更に高めることが可能となった。
次に本発明は、上記(1)〜(3)の光源装置において更に、(4)前記発光素子が、実装される基板側に電極面が向けられて前記基板に実装されていることを特徴とするものである。
LED素子の実装密度を高めるためには、砲弾型のLEDランプや表面実装型のLEDランプを実装するだけでは不十分であり、LED素子を樹脂モールド前のベアチップの状態で実装する必要がある。ベアチップ実装の場合、ワイヤーボンド法を用いたフェイスアップ実装方法とフリップチップ法を用いるフェイスダウン実装方法がある。
ここで、フェイスアップ実装方法では、ワイヤーボンド接続のための電極がLEDチップ発光面上に来るため発光面積が減じられるという欠点があった。従ってLED素子から発せられる光の取り出し効率を高めるためには、発光面に電極等の障害物が来ないフェイスダウン実装方法が望ましい。
本発明(4)によれば、LEDチップを前記金属ベース配線基板やセラミック配線基板に対しフリップチップ法を用いて実装することにより、LEDチップを高密度に実装することが可能となると共に、光の取り出し効率を更に向上させることが可能になった。
又本発明は、上記(1)〜(4)の光源装置であって、(5)前記基板の側面に少なくとも一部が接触する放熱手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明(5)は、基板側面方向への熱放散を活用して、熱抵抗の減少と製品の小型化を図った点に特徴がある。本発明(5)によれば、基板側面を有効利用して放熱面積を増やし、熱拡散効率を向上させることが可能となった。
その他本発明は、上記(1)〜(5)の光源装置において更に、(6)前記基板には、各層毎に夫々発光色が異なる発光素子が実装されていることを特徴とするものである。
白色発光ユニットとして用いることの多い照明器具用途において、発光波長の分布は演色性として重要な要素となる。
近年、蛍光体と青色或いは紫色のLED素子の組み合わせによる白色LEDが商品化されているが、演色性を高めるためには赤色成分が不足するため、複数色のLEDを混載することが試みられている。
複数色のLEDを混載実装する場合の問題点は、各色のLED毎に特性と経時変化が異なることから補正制御が困難な点が挙げられる。
しかしながら、本発明(6)の如く基板の多重構造を利用して各層に異なる色のLED素子を割り振って実装し、さらに、各層に割り振られた各色ごとのLED素子の出力を、これら各色のLED素子の特性に応じて独立制御することにより、安定した高演色性を実現することが可能になる。
尚、各層への色配分はかならずしもR、G、Bの3原色に限定するものではない。本発明は当然、青色LEDと赤色LED、または紫色LEDと黄色LED等の2色配分や、それ以上の4色配分にも応用可能である。
以上の通り、本発明によれば、光束を同一方向に効率よく取り出すことに加えて、放熱能力を十分に確保することが可能な装置構成を得ることが出来る。
尚以下では、本発明の説明に用いる用語につき定義をおくものとする。
「フリップチップ接合」とは、バンプを形成したチップを、基板に逆さまに接続する技術を指し示すものとする。なお、「バンプ」とは、半導体チップの素子面に、蒸着法、メッキ法又は印刷法等により形成された突起電極をいう。
フリップチップ法は、パッケージを使用せずベアチップと内部配線だけにすることで実装密度を最大限に高めたものであり、電気的接続でワイヤを使わずに、金やハンダの小粒(バンプ)を用いて接続する実装方法である。
「熱抵抗」とは、半導体パッケージなどの放熱特性を表わす指標をいう。この指標は、ある冷却環境下にあるパッケージ内の半導体素子温度(ジャンクション(接合部)温度)を予測する際、或いは半導体素子温度をある許容温度以下に抑えるためのパッケージの冷却条件(風速、ヒートシンクなど)を決める場合等に活用するものである。熱抵抗の指標は、パッケージ等の放熱性の尺度を与えるものである。熱抵抗は、素子の温度に影響を与える電気的パラメータを利用して測定できる。
熱抵抗の値は、そのパッケージ等に固有の定数値ではなく、チップサイズ、消費電力、実装環境などにより変化する。
また熱抵抗は、半導体チップからの発熱を電流フローのように扱った際に、その電力に対して温度がどの程度上昇するかを規定するものである。この熱抵抗は、熱回路を電気回路に見立てて、電気伝導率を熱伝導率とすることで求められるものである。
「金属ベース基板」とは、アルミニウム、鉄、銅などのベース金属上にエポキシ樹脂やポリイミドなどの有機絶縁層を介して回路パターンを形成した基板をいう。金属基板、絶縁金属基板又は金属系基板とも呼ばれる。金属ベース基板で回路を形成した場合、基板の熱抵抗が非常に小さいため、大きなパワーが扱えることに加え、配線パターンでの発熱も効率よく放熱することが可能である。その他、回路全体が金属基板上にあるため、金属部分をGNDとすることで回路から放射される不要輻射を大幅に低減することも可能である。
「セラミック基板」とは、基板材料にアルミナ(Al)その他のセラミック材料を使用した配線基板をいう。一般的に、セラミック基板は他の有機基板に比べ、熱伝導性、電気絶縁性、及び耐熱性に優れる等の特性を有する。
「指向特性」とは、光出力を、LEDの主たる発光方向を基準として角度をずらして測定し、この時の出力を指向特性図にプロットしたものをいう。指向特性は、配光特性とも呼ばれる。
LED素子を用いた従来技術では、直径3cm程度の発光面積では1000lmを超える光束を得ることはできない。例えば、市販の砲弾型や表面実装型の高出力LEDランプであって30lm/W程度の高発光効率をもつ素子を用いたとしても、通常用いられる実装方式では放熱性能が低いため、定格出力は通常100mW以下に制限される。その結果、1個のLEDあたり最大でも3lmの光出力に制限されるため、1000lmを超える光束を実現するためには334個以上ものLEDランプを搭載しなければならないことになり、このままでは小型で高出力の発光光源を作ることはできない。
他方、LEDランプを実装する基板を高熱伝導性の金属ベース配線基板に換えることで、放熱性能の改善を図ることは可能である。しかしながら、依然として基板やLEDパッケージがもつ熱抵抗による制限を受けることから、実現されている例としては30lm/W級の発光効率を有するLED素子を用い、直径約10cmの領域内に約10個のLED素子を実装したものが最高であり、現状では200〜300lmの光束が得られる程度に留まっている。これ以上に小型で発光出力の高い光源を得るには、より発光効率の高いLED素子が開発されるのを待つしかなかった。
本発明の実装技術と放熱技術によれば、将来の高発光効率LED素子開発を待たずに高効率で小型の高出力光源を提供することができる。一実施例によれば、直径3cmの光源モジュール(後記実施例、図4参照)において、30lm/Wの発光効率のLEDチップを37個実装し、素子あたり1Wの出力を与えた状態で、光源中心部の素子ジャンクション(接合部)温度を49℃程度に抑えることが可能となる(強制冷却を併用する場合)。このとき、LED素子の定格温度80℃を十分下回っていることから、さらに出力を引き上げることも可能であり、従って30lm×37個=1110lm以上の大光束を余裕をもって得られることが分かる。
本発明によれば、小型で大光束の光源が得られるので、小型のプロジェクターや強力スポット光源等を実現することができる。その他、高出力であることから、従来キセノンランプや水銀ランプといった高出力光源を必要としていた分野においても、これらの高出力ランプに代えて本発明のLED光源装置を適用することが可能と言える。
以下、添付図面に基づき、本発明の光源装置について順を追って説明する。図1は本発明の光源ユニットの第1実施形態を示す図、図2は図1の光源ユニットにおけるLEDチップが実装されている部分を拡大した図、図3は本発明の光源ユニットの第2実施形態を示す図、図4は本発明の光源ユニットを組み込んだ光源モジュールの一実施例を示す図、図5は光源モジュールの変形実施例を示す図である。
[第1実施形態]
まずはじめに、本発明の光源装置について、基本構成要素である光源ユニットの一実施形態を、図1に基づき具体的に説明する。図1Aは本発明の光源ユニットの一実施形態を示す平面図、図1Bは図1AのA−A’線断面図である。
図1に示すように、本実施形態では、直径3cmのアルミ金属ベース基板1を2層で用いている。このアルミ金属ベース基板1は、厚さ2mmのアルミ薄板の上に、熱伝導性絶縁層が50〜80μmの厚みで形成され、その上に回路パターンが形成されたCu箔が圧接された構造を有している。
上層に該当する第1層のアルミ金属ベース基板11上には、1mm角のLEDチップCが実装されている。また、基板第1層11において、下層(第2層)のアルミ金属ベース基板12上に実装されるLEDチップCの配置位置に対応する位置には、貫通孔4が設けられている。
次に、第2層のアルミ金属ベース基板12上には、LEDチップCが基板第1層11に穿設された貫通孔4に対応する位置に実装されている。
このように、本実施形態では、隣接する2枚の基板の上層側の基板11に設けられた貫通孔4内に、下層側の基板12上に実装されたLEDチップCが収容されている。
この第1実施形態では、基板第1層11及び基板第2層12上には、共に紫外発光のLEDチップが実装されている。なお、第2層のアルミ金属ベース基板12は、第1層のアルミ金属ベース基板11に高熱伝導性接着剤層を介して接合されている。
本実施形態では、第1層11のLEDチップCと第2層12のLEDチップCはそれぞれ、高密度配置となるよう、両層においてグリッド格子状に均等配置されている。これにより、基板の多重構造を利用して熱拡散効率を大幅に増大する効果を得ている。又本実施形態では、上記構成によってLEDチップの高密度実装を実現している。
ついで、LEDチップ実装部の拡大図を図2に示す。図2Aは貫通孔4の壁面5を垂直壁とした場合、図2Bは壁面5を傾斜させ、貫通孔4を、孔径が上方に向かって拡開する様に形成した場合を示している。
ところで、第1層11の貫通孔4は、第2層12のLEDチップCに対して光反射板の役割を果たすため、集光効果による光束UPに寄与している。貫通孔4を、図2Bに示す通り開口面積が上方に向かって拡開する様に形成した場合、基板材質や壁面5の傾斜角にもよるが、図2Aに示す垂直壁の場合と比較して最大2倍程度の光を取り出すことが可能となる。これは、貫通孔4の壁面5を反射面として考えた場合、この壁面5を傾斜させた方が、乱反射する光の成分が垂直壁の場合に比べて減少するためと考えられる。
又図2に示すとおり、本実施形態では、LEDチップは、金バンプを用いたフリップチップ法(Au−Au接合)により基板1上に実装されている。LEDチップCの電極は、実装される基板1側を向いており、フリップチップ接合部2を介して基板1上に形成された配線パターン3に接合されている。すなわち、フリップチップ接合部2は、LEDチップCと基板1とを、電気的及び機械的に接続する役割を果たしている。
フリップチップ法による場合、ワイヤーボンド法による実装に比べ、発光面に光を阻害する電極やワイヤーがないため、光取り出し効率が約2倍に向上するという効果が得られる。さらに、フリップチップ法の場合、チップ中の発光層が基板側に近くなるため、チップから発する熱を基板へ効率よく放散でき、チップ温度を下げることに有用というさらなる効果も得られている。
本実施形態の光源ユニット10に放熱フィンを取り付けて実際に光源装置を構成した場合(後記[実施例]参照)、30lm/Wの発光効率を有する紫外発光LEDチップを計37個、直径3cmの基板上下2層に高密度実装することにより、37Wの出力において1110lmの光束を得ることが可能となる。
[第2実施形態]
以下では、図3に基づき、本発明の光源ユニット10の第2実施形態につき説明する。図3Aは本発明の光源ユニットの第2実施形態を示す平面図、図3Bは図3AのB−B’線断面図である。
本実施形態では、直径3cmのアルミ金属ベース基板1を3層で用いている。各層基板に対するLEDチップCの実装構造は第1実施形態と同じであるが、各層11〜13に配置したLEDチップCの発光色が異なる。
第1実施形態では、高密度高光束の光源を実現する目的で同一発光色のLEDチップCを用いた例を示したが、本実施形態では、各層に異なる発光色のLEDチップCを使用した。すなわち本実施形態では、3層からなる基板の内、基板第1層11には赤色、基板第2層12には緑色、基板第3層13には青色のR、G、B3原色のLEDチップCを実装し、その上で各層におけるLED出力をそれぞれ独立に制御する構成とした。
また、本実施形態では、基板第1層11から基板第3層13におけるLEDチップCはそれぞれ、最密充填配置となるように正三角形格子状に配置されている。かかる構成であっても、基板の多重構造を利用して熱拡散効率を増大する効果が得られるほか、LEDチップCを高密度に実装することが可能である。
ところで、LEDチップは、発光色に応じて夫々異なる発光特性を持つデバイスである。この発光特性は、温度その他の環境条件によっても相違する。したがって、LED発光色の混色による発光特性を安定させるには、発光色ごとのLEDチップにつき夫々類似した発光特性が得られるように、LED出力を各色毎に独立制御することが望ましい。
本実施形態では、上記の通り各層ごとに異なる発光色のLEDを割り付けた上、LED出力を各層ごとに独立制御している。かかる構成によれば、各層で同じ放熱特性、ひいては温度特性が得られることから、安定した発光特性及び発光色が実現される。
なお、本実施形態では、LEDチップCを、各層毎に1:1:1の比率で実装してあるが、必ずしもこの比率で実装しておく必要はない。例えば、発光色の認識性に配慮した演色性の面からは、青色チップの数を減らしても構わない。このように、要求される演色性に応じて各層発光色のLEDチップの数を適宜調整しても構わない。
又以下では、上で説明した光源ユニットを用いて実際に照明装置を構成した一例につき説明する。図4に、本発明の光源装置(光源モジュール)の一実施例を示す。本実施例では、基本構成となる光源ユニット10として、先に図1で示したものを用いている。図4Aは本発明の光源モジュールの一実施例を示す平面図、図4Bは図4Aに示す光源モジュールの側面図、図4Cは図4AのC−C’線断面図である。
本実施例では、光源モジュール20は、光源ユニット10と、これを収容する放熱フィン筐体22と、光源ユニット10を制御するための制御回路基板26とからなっている。光源ユニット10の側面と下部を覆うように構成された放熱フィン筐体22は、アルミダイキャストにより作製されている。放熱フィン筐体22の各放熱フィン21は、一定角度間隔をあけて略放射状に備えられ、少なくとも一部が光源ユニット10の側面に接する様構成されている。光源ユニット10の各層基板(基板第1層11及び基板第2層12)は、高熱伝導性接着剤により接合されている。光源ユニット10の各層基板上に形成されたLED駆動用の配線回路は、引き出し電極リード25を介して制御回路基板26に接続されている。
又本実施例では、光源ユニット10の前面に蛍光体樹脂層23と集光レンズ24が配されている。尚、蛍光体樹脂層23の蛍光体樹脂は、LEDから放射された光の波長を調整するため、蛍光体を混合した透明樹脂からなっている。集光レンズ24は、光源ユニット10から取り出される全光束を配光するために設けてある。
本実施例の光源モジュール20は、制御回路基板26を一体化したものとなっている。制御回路基板26は、光源ユニット10の下方に設置されている。引き出し電極リード25は、制御回路基板26に載置された制御IC27に接続されている。各層基板上に実装された各LEDチップCの出力制御は、この制御IC27により行われる。
尚、引き出し電極リード25は、光源ユニット10から自由に引き出し可能であり、リードの引き出し位置や本数に特に制限は無い。従って、リード本数を増やして、例えばサーミスタ素子を各層基板に搭載して温度検知等を行うことにより、さらに高精度の調光制御が可能となる。
本実施例によれば、30lm/Wの発光効率をもつLEDチップCを37個実装し、一素子あたり1Wの出力を与えた状態で、冷却ファンによる強制空冷(冷却温度25℃)を併用することにより、光源中心部の素子ジャンクション温度を65℃程度に抑えることが可能となる。このとき、LED素子の定格温度80℃を下回っていることから、さらに出力を上げることも可能であり、30lm×37個=1110lm以上の大光束を余裕をもって得られることが分かる。
自然放熱による場合であっても、従来をはるかに超える量の光束を取り出すことが可能である。
このように、本実施例によれば極めて小型でありながら十分高輝度の光源を提供することが可能となる。本実施例の光源モジュールを利用すれば、例えばポケットサイズの小型プロジェクターを構成することも可能となる。
さらに、図4に示した放熱フィン筐体22全体を覆うようにしてカバーを取り付け、各放熱フィン21の間の部分を流路とした水冷方式を採用すれば、素子ジャンクション温度を49℃程度まで抑えることが可能となる。
なお、水冷システムの具体例としては、カバー内に水を出入り可能にし、その水をマイクロポンプで循環させる構成が挙げられる。この場合、カバーから出た水を照明装置の筐体(シャーシ又はカバー)に設置したラジエーターに通し、最終的には、熱をラジエターからシャーシ等に逃がす構成とすることが好ましい。
このように、水冷方式を採用すれば、LED使用温度定格内での使用を考えても、各素子の出力を空冷時の2倍近くまで引き上げることが十分可能である。この場合、2000〜2500lm程度の最大光束が得られることから商業用プロジェクターの光源として利用することも可能であり、広範な用途への普及が期待できる。
[変形例]
以上、本発明につき各種実施形態等を用いて具体的に説明したが、本発明は上記各種実施形態等に記載の構成に限定されず、種々の設計変更が可能である。
例えば、本発明の光源装置が適用され得る用途の一例としてプロジェクターを挙げたが、スポットライトや自動車ヘッドライト等、小型高集積化が必要な種々の用途に適用することが可能である。
貫通孔4について、形状は円形孔に限らず、楕円や多角形等、所望の孔形状を選択し得る。各層に配置するLEDの指向特性等に合わせて、各層毎に孔形状を変えても良い。夫々の貫通孔についても、下方から上方にかけて孔形状が連続的に変形(例えば円形から楕円形に)するもの等、具体的形状について特に限定は無い。
又貫通孔4を、開口面積が上方に向かって拡開する様に形成する場合、貫通孔4の壁面5を傾斜させる角度は、実際の適用例に合わせて適宜調整して構わない。一般的に、反射面積が増える程、光の取り出し効率が向上するものと考えられる。
さらに、貫通孔4の壁面5を、プリント配線基板のスルーホール同様にメッキ処理等して反射板としての特性を向上させ、光の取り出し効率をさらに改善する工夫を講じても構わない。
或いは、LEDチップから発せられる光の色その他の諸特性に合わせ、金属ベース基板そのものや貫通孔4の傾斜壁面部分5を、反射特性が最適な金属材料等から構成しても構わない。
その他、上記各実施形態等では、貫通孔4の傾斜壁面5は側断面視した状態で略直線状の傾きを備えているが、これを湾曲させて貫通孔4の内壁5全体が略放物面をなす様に形成しても良い。
図4の構成では、光源ユニット10の前面に蛍光体樹脂層23及び集光レンズ24が配置されているが、これらの具体的構成に関しては、従来知られた構成を適宜採用し得る。蛍光体の特性についても特に限定は無い。また、これらのいずれか一方又は全部を省略しても構わない。さらに、光源ユニットの前面に拡散板等が配置される構成であっても構わない。
放熱フィン21に関しては、図4に例示した様な各フィンを放射状に立設する構成に限られず、複数枚の薄い円環状のフィンを、光源ユニット10の側面に沿うように、かつ、基板の積層方向に空隙を挟んで積層配置する構成であっても良い(図5参照)。尚、図5Aは、本発明の光源モジュールの変形実施例を示す平面図、図5Bは図5Aに示す光源モジュールの側面図、図5Cは図5AのC−C’線断面図である。
空冷ファンの配置位置についても特に限定は無く、例えば図4の制御回路基板26の位置にファンを配置し、別の位置に制御回路基板26を配置する構成としても良い。
上記各実施形態等では、光源ユニット10を構成する各層基板をアルミ金属ベース基板からなるものとしたが、基板材質についてはこれに限定されず、銅その他の熱伝導性金属として構わない。また、アルミナや窒化アルミ、或いは窒化シリコン等からなる高熱伝導性セラミック基板としても良い。
上記各実施形態等では、各LEDチップCは、金バンプを用いたフリップチップ法により基板1に接続されているが、フリップチップ接合方式については、金バンプを用いたAu−Au接合に限定されず、C4工法、Au−はんだ工法に代表される金属接合による接続方式、或いはACF工法、NCP工法に代表される接触接合による接続方式等、種々のものを採用して構わない。
その他、上記各実施形態等では、LEDチップCをグリッド格子状や正三角形格子状に基板上に均等配置する例につき説明したが、各層におけるLEDチップCの具体的な配置の仕方について特に限定はなく、放射状や円環状にLEDチップCを配置する構成であっても構わない。LEDチップの実装個数についても配置する構成によって個数は限定されない。
光の取り出し方向についても、基板の積層方向に限られず、取り出し方向を変える構成でも良い。
上記各実施形態等では、基板を2層或いは3層積層した光源ユニット10の構成につき説明したが、積層数については特に限定されず、例えば4層以上の構成を適宜採用して構わない。基板形状についても円盤状のものに限定されない。
LEDチップCの種類や発光色、指向特性その他についても特に限定は無い。
さらに、上記各例では発光素子をLEDとして説明したが、本発明は、ELその他将来開発が期待される小型発光素子に対しても十分適用可能であることは言うまでも無い。
以上説明したとおり、本願発明は、光束を同一方向に効率よく取り出すことに加えて、放熱能力を十分に確保する観点から、素子や基板を多層に構成した、新規かつ有用なるものである。
本発明の光源ユニットの第1実施形態を示す図である。 図1の光源ユニットにおける、LEDチップが実装されている部分を拡大した図である。 本発明の光源ユニットの第2実施形態を示す図である。 本発明の光源ユニットを組み込んだ光源モジュールの一実施例を示す図である。 光源モジュールの変形実施例を示す図である。
符号の説明
C 発光素子チップ
1 基板
2 フリップチップ接合部
3 配線パターン
4 貫通孔
5 壁面
10 光源ユニット
11 基板第1層
12 基板第2層
13 基板第3層
20 光源モジュール
21 放熱フィン
22 放熱フィン筐体
23 蛍光体樹脂層
24 集光レンズ
25 引き出し電極リード
26 制御回路基板
27 制御IC

Claims (6)

  1. 上下に基板を複数層重ね合わせた複数層の基板と、
    前記複数層の基板の夫々実装された複数の発光素子と、
    を備え、
    前記複数層の基板のうちの上層側の基板には、これより下層の基板上に実装された前記発光素子の実装位置に対応した位置に貫通孔が設けられ
    最上層の基板上に実装された前記発光素子が前記貫通孔を除く領域に配置されるとともに、前記最上層の基板に対し下層側の基板に実装された前記発光素子が前記貫通孔に収容されていることを特徴とする光源装置。
  2. 前記貫通孔の開口面積が上方に向かって拡開する様に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記基板が金属ベース基板またはセラミック基板からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
  4. 前記発光素子は、実装される基板側に電極面が向けられて前記基板に実装されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光源装置。
  5. 前記基板の側面に少なくとも一部が接触する放熱手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源装置。
  6. 前記基板には、各層毎に夫々発光色が異なる発光素子が実装されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のLED光源装置。
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