JP4582901B2 - 非接触作動式の施錠機構を備えた鞄 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来の挿込式のキーに代えて、IDカード(IDキー)等の、電磁波信号を利用してキーの種類を判別出来る、無線キーを用いることによって、施錠・開錠操作を極めて簡単・迅速に行える様にした、非接触作動式の施錠機構を備えた鞄に関する。
【0002】
【従来の技術】
旅行鞄等の鞄類に取付けられている、従来の錠前は、施錠・開錠する都度、キー穴にキーを挿し込んで廻すことにって、錠前のロック部材を係・脱位置に変位させるか、或いは、キー操作に代えて、施錠機構を構成する回転部材又はスライド部材を操作して、刻印された数字を合わせることにより、施錠・開錠出来る様に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、キーをキー穴に挿し込で廻す操作は、家電製品のリモコン操作に慣れ親しんでいる現代人にとっては、いささか面倒である。
この面倒さは、年を追う毎に増えつつある高齢者や、肢体不自由者にとっては、尚更である。
そして、挿し込んだキーの抜き取りを忘れることも、決して稀ではない。
又、ダイヤルの数字を合わせる方式は、操作の煩わしさもさることながら、合わせるべき数字を忘れ勝ちなのも大いに問題である。
【0004】
そこで、本発明の目的は、キー挿込式や、ダイヤル操作式の従来の錠前の、上述の如き欠点を解消させるべく、昨今、例えば、重要な部屋の出入口等に広く採り入れられている、ID(個人証明)カード乃至はIDキー等の無線キーを活用した、非接触作動式の施錠機構を備えた鞄を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明では、請求項1に記載するように、キーに電磁波を照射することにより、このキーに記録された特定情報を呼び出せる様に構成したIDキー(IDカード)、赤外線キー、超音波キー等の無線キーと、無線キーから受信した情報が、所定の特定情報と同一か否かを判別する特定情報同定手段と、特定情報同定手段から同定信号を入力されて、錠前を構成する施錠用ロック部材を、施錠位置又は開錠位置に交互に変位させる電動式の錠前作動手段と、錠前作動手段の作動を制御する作動制御部と、施錠・開錠のいずれの作動状態にあるかを表示する作動状態表示手段と、作動用電源電池及び該電源電池からの給電断続用の電源スイッチを同定信号に基づいてオン作動させ、所定時間経過後にオフ作動させる電源断続回路と、を具備する施錠機構を備え、施錠機構には、施錠されたままで、電動式の施錠機構が作動不調になった時の為の機械的開錠手段が付設されていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施例に就いて、図1〜図9を参照しながら説明する。
本発明による鞄の特長部分である、非接触作動式の施錠機構は、本発明に言う“無線キー”として、周知のIDカード(IDキー)を用いている。
そして、このIDカードを施錠機構に近づけるだけで、IDカードに記憶された特定情報の確認、施錠機構の作動電源の投入、施錠又は開錠作動、作動状態の表示、そして、作動完了後の電源オフの一連の動作が、逐次自動的に行われる様に構成されている。
【0007】
図1に、この実施例の施錠機構Aを、鞄(スーツケース等)に取付けた状態を、要部の縦断面図として示した。
図中のB1は、鞄の身側の側壁、B2は、蓋側の側壁である。Cは鞄のハンドルで、ハンドルベース10に跨がる様に組付けられている。
そして、ハンドルベース10の左右の側端には、側壁B1の側端近くに迄達する長さの、蓋ロック機構Dを夫々連設している。
【0008】
図1に示した様に、施錠機構Aは、ボックス状のハンドルベース10内と、その底壁面の下側に連設した駆動部ケース20内とに跨がって組付けられている。
図中のEは、施錠機構Aを作動させる電源電池である。
【0009】
ハンドルベース10内には、施錠機構Aに近付けたIDカードからのID情報が、所定の情報と同一か否かを判別する特定情報同定手段としての、アンテナ基板Fを収めている。
又、施錠したままで、電源電池Eが消耗する等して、施錠機構Aが不調を来した時に使用する為の、機械的開錠(及び施錠)手段Gも組付けている。
【0010】
この実施例の蓋ロック機構Dは、周知の構造のものなので、その構成を概略的に説明すると、ハンドルベース10の両側端から延びて側壁B1の末端近くに達する長さのフレーム1を、側壁B1に取付けている。
このフレーム1には、蓋閉じ用のロックバー2を、フレーム1に沿って左右(図中で、以後同様)動可能に組付けている。尚、ロックバー2は、組立等の便宜上、その長手方向に複数部分に分割されている。
【0011】
ロックバー2の先端部(側壁B1の両端側)には、蓋側の側壁B2に設けた掛止孔3の孔縁部に係合させる為の、掛止爪4を設けている。
ロックバー2の基端側は、ハンドルベース10の内空部に迄延びている。
ロックバー2は、常時は、バネ5によって先端方向に前進付勢されることにより、掛止爪4が掛止孔3に係合して、蓋閉じ状態がロックされる。
6は、ロック解除用のプッシュボタンである。
【0012】
図2,3及び図7,8に示した様に、左右1組の帯板状のロックバー2,2は、夫々の基端同士が、ハンドルベース10内で、幾分かの間隙aを隔てて対向する様に配設している。
そして、ロックバー2の基端部を、図6に示した様に、上向きに折曲することによってガイドレール2aを形成させている。
【0013】
このガイドレール2aには、滑走子7を、このレールに沿って前後動し得る様に遊嵌させている。この遊嵌状態で、滑走子7の一部は、間隙aに向けて幾分突出している(図6参照)。
滑走子7の、上記突出側と反対の側面には、図2〜図4に示した様に、ガイドプレート8を摺接させている。
更に、滑走子7の上面には、小溝7aを、ガイドレール2aに対して直交向きに向けて設けている(図6参照)。
【0014】
又、ハンドルベース10の底面には、図6〜図8に示した様に、左右のガイドレール2a,2aに挟まれた間隙aの箇所に於いて、駆動部ケース20内に連通する2つの貫通孔9,9を、互いに前後方向にズラせた位置関係で設けている。
【0015】
ハンドルベース10内には、錠前を操作すべく、施錠機構Aに近づけたIDカードのID情報(特定情報)が、所定の特定情報と同一か否かを判別する機能を備えたアンテナ基板(特定情報同定手段)Fを収めている(図1参照)。
【0016】
その一例を図9に示した様に、アンテナ基板Fには、ID情報の読取用のアンテナ11、読み取ったID情報が、所定のID情報と同一か否かを判別する為の判別回路、そして、施錠機構Aが、施錠・開錠のいずれの作動状態にあるかを表示する為のLED(作動状態表示手段)12等が組付けられている。
【0017】
駆動部ケース20の内部には、図1に示した様に、左右1組のロックバー2,2の後退動を阻止して施錠状態に保つ役割を果たす、施錠用ロック部材21と、この部材を、1組のガイドレール2a,2a間の間隙aに向けて出・没させる錠前作動手段Hと、施錠機構Aの作動を制御する制御基板J(作動制御部)と、施錠・開錠のいずれの状態にあるかを検知する作動状態検知部Kとが組込まれている。wは配線である。
【0018】
施錠用ロック部材21は、図5,図6に示した様に、水平向きの基板21aの、前縁側の右端と後縁側の左端との夫々に、突片状のストッパ21bを上向きに延設した形態を備えている。
この施錠用ロック部材21は、施錠時には押し上げられて、図4,図6に示した様に、そのストッパ21bがハンドルベース10の底面の貫通孔9を通過して間隙aに突出し、開錠時には、図3に示した様に、駆動部ケース20内に引っ込められる。
【0019】
施錠用ロック部材21の上記の作動を司る錠前作動手段Hは、その構成の模式的説明図としての、図3〜図6に示した様に、ブラケット22に横向きに取付けた減速機付のモータ23と、その出力軸23aに軸嵌した偏心回転カム24とを備えている。
施錠用ロック部材21は、偏心回転カム24の上面に圧接させた状態で、ブラケット22に組付けられている。
【0020】
更に、図1に示した様に、モータ23の出力軸23aの先端には回転板25を軸嵌して、その回動位置を、回動位置センサ26に検知させている。
この回転板25と回動位置センサ26とによって、錠前の作動状態検知部Kが構成されている。
【0021】
駆動部ケース20内に収めた制御基板Jには、アンテナ基板FからID情報の同定信号が入力されると、電源電池Eの電源スイッチを投入させ、投入後所定時間が経過するとこのスイッチをオフ作動させる、電源断続回路(図示略)が組込まれている。
そして、同定信号が入力される都度、偏心回転カム24を所定角度づつ回動させる為の、モータ23の作動制御回路が組込まれている。
【0022】
次に、この実施例の機械的開錠手段Gの構造を、図2,3及び図6〜8を参照しながら説明する。
機械的開錠手段Gの本体は、小円柱状の開錠用部材30で、図3に示した様に、間隙aの直上箇所に於いて、その軸心周りに回動させられる様に、ハンドルベース10に組付けられている。
【0023】
開錠用部材30の頂面には、図7に示した様に、この部材を手動操作で回動させる為の、所定の幅と深さの溝30aを設けている。
この溝30aに、IDカドーの縁部等を挿し込めば、開錠用部材30を廻すことが出来る。
【0024】
開錠用部材30の底面には、その直径線の両端箇所に、突起30bを下向きに夫々突設している。
この1組の突起30b,30bは、図7に示した様に、蓋ロック機構Dを構成する1組のロックバー2の各基端に設けたガイドレール2a上の滑走子7の小溝7aに遊嵌させ得る配置で設けられている。
【0025】
次に、施錠機構Aの作用に就いて説明する。
施錠機構Aは、従来のキーに代えて使用する、IDカードに記録されたID情報が、施錠機構Aに記憶させてあるID情報と一致しなければ、操作出来ない。
【0026】
施錠・開錠の仕方は、手に持ったIDカード(図示略)を、施錠機構Aに接近させると、ID情報の検知用のアンテナ11を備えたアンテナ基板Fによって、基板に記憶されたID情報が、IDカードのそれと一致するか否かが判断される。
【0027】
両ID情報が同定されると、先ず、施錠機構Aの第1作動段階として、この同定信号が、制御基板Jの電源断続回路に入力されて、電源電池Eの電源スイッチをオン作動させる。
すると、回動位置センサ26が、施錠・開錠のいずれの状態にあるかを検知して、LED12を、赤(施錠)又は緑(開錠)色に発光させる。その逆でもよい。
【0028】
開錠状態では、偏心回転カム24は、図3に示した回動位置にあり、施錠用ロック部材21のストッパ21bは、駆動部ケース20内に引き込まれている。
【0029】
錠前を施錠したい時に、上記の第1作動段階で、LED12が緑色に発光すれば、鞄の錠前は施錠されていないので、IDカードを施錠機構Aに接近させたままに保つ。
すると、施錠機構Aは第2作動段階に移行して、ID情報の同定信号が、制御基板Jの錠前操作回路(図示略)に入力される。
【0030】
それに伴って、モータ23が、偏心回転カム24を180度回動させて、図3の位置から、図4〜図6に示した位置に変位させる。
その為、施錠用ロック部材21が押上げられて、その1組のストッパ21b,21bは、図6に示した様に、ハンドルベース10の底面に設けた貫通孔9を通過して、間隙aの箇所に突出する。
【0031】
この突出した両ストッパ21b,21bは、夫々ロックバー2の基端のガイドレール2aに組付けた滑走子7の側面に当接した状態になる(図6参照)。
その為、常時は、バネ5により前進付勢されて蓋ロック位置を占めているロックバー2を、バネ5の付勢力に抗して後退動させることが出来なくなる。
即ち、施錠機構Aは、施錠状態になる。施錠されたことは、LED12の発光色が緑から赤に代わることによって確認出来る。
【0032】
この施錠作動後、所定時間が経過すると、電源断続回路が備えるタイマー機能によって、電源電池Eの電源スイッチが自動的に切られて、電池の無駄な消耗が防がれる。
【0033】
次に、施錠状態にある施錠機構Aを、開錠作動させるには、施錠時と同様に、IDカードを、施錠機構Aに接近させる。
すると、先ず、電源スイッチが自動的に投入された後、モータ23が作動して、偏心回転カム24を、更に180度だけ回動させる。
【0034】
それに伴って、偏心回転カム24に押圧付勢されているストッパ21bは、下降動して、貫通孔9の下方に引っ込む。
その為、鞄の蓋を開くべく、プッシュボタン6を押せば、ロックバー2を支障無く後退動させられる。つまり、施錠機構Aは開錠状態となる。
【0035】
次に、機械的開錠手段Gの作用に就いて、図6〜図8を参照しながら説明する。
電動式の施錠機構Aは、施錠状態のままで、電源電池Eが消耗していたり、施錠機構Aそのものが不調を来たしていることも皆無とは言えない。
【0036】
その様な場合には、ハンドルベース10の上面に露出している開錠用部材30の頂面の溝30aに、IDカードの縁部等を挿し込んで、開錠用部材30を反時計廻り方向に回動させる。
開錠用部材30の下面に突設した1組の突起30bの夫々は、図7に示した様に、1組の滑走子7の夫々の小溝7aに遊嵌されているので、開錠用部材30の回動操作に伴って、1組の滑走子7は、図8に示した様に、ガイドレール2aに沿って互いに逆方向に移動される。
【0037】
この移動によって、両滑走子7は、施錠用ロック部材21のストッパ21bに当接した状態から開放される(図8参照)。
従って、ストッパ21bが、間隙aの領域に突出しているにも拘わらず、プッシュボタン6を押せば、両ロックバー2は支障無く後退させられて、蓋のロック状態を解くことが出来る。
【0038】
尚、施錠機構Aを施錠・開錠するのに必要な“無線キー”は、上記のIDカード(IDキー)に限られない。
即ち、キーに、電波、赤外線、超音波等の各種の電磁波を照射することによって、このキーに記録された特定情報(ID情報)を呼び出せる様に構成されていれば足りる。
そして、キーの形態は、勿論カード形である必要はない。
【0039】
又、錠前作動手段H、機械的開錠手段G等の具体的な構造は、上記実施例に限らず、周知の各種の機械要素の組合わせ方を変えることによって、様々に設計変更が可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかな様に、本発明による非接触作動式の施錠機構を備えた鞄は、施錠・開錠の都度、錠前のキー孔にキーを挿し込んで廻したり、ダイヤルの数字合わせをする等の、甚だ面倒な操作を要する従来の鞄に比べて、以下に列挙した如き実用上の優れた効果が得られる
(1)従来の挿込式のキーに代わる、IDカード等の無線キーを施錠機構に近づけるだけで、施錠又は開錠出来て、その操作が極めて簡便である。
(2)施錠機構の電源電池は、IDカードを近付けるだけで自動的に投入出来る。
(3)然も、施錠機構の施錠・開錠作動が終わると、電源が自動的に切られるので、電池の無駄な消耗を防げる。
(4)キー孔にキーを挿し込む操作が不要なので、肢体障害者や高齢者でも極めて容易に施錠・開錠出来る。
(5) 施錠状態で電池が消耗する等していても、付設の、簡単な構造の機械的開錠手段によって容易に開錠(施錠)出来る。
(6)IDカード等の無線キーは、機械的に作動させるキーとは異なって、その種類を容易に、殆ど無限に増やせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、施錠機構を組付けた鞄の要部の縦断面図である。
【図2】同上、ハンドルベースの内部構造に就いて、その要部を示した平面図である。
【図3】同上、施錠機構の全体構成を、開錠状態で示した模式的縦断面図である。
【図4】同上、施錠機構の全体構成を、施錠状態で示した模式的縦断面図である。
【図5】同上、施錠用ロック部材と、その駆動機構(錠前作動手段)を示した部分斜視図である。
【図6】同上、施錠用ロック部材が、左右一組のロックバーの夫々の後退動を阻止した状態(施錠状態)を示す部分斜視図である。
【図7】同上、機械的開錠手段の構成を示した部分斜視図である。
【図8】同上、機械的開錠手段の作動説明図である。
【図9】同上、アンテナ基盤の一例を示した平面図である。
【符号の説明】
A 施錠機構
B1 鞄の身側の側壁
B2 鞄の蓋側の側壁
C ハンドル
D 蓋ロック機構
E 電源電池
F アンテナ基板(特定情報同定手段)
G 機械的開錠手段
H 錠前作動手段
J 制御基板(作動制御部)
K 作動状態検知部
1 フレーム
2 ロックバー
2a ガイドレール
3 掛止孔
4 掛止爪
5 バネ
6 プッシュボタン
7 滑走子
7a 子溝
8 ガイドプレート
9 貫通孔
10 ハンドルベース
11 アンテナ
12 LED(作動状態表示手段)
20 駆動部ケース
21 施錠用ロック部材
21a 基板
21b ストッパ
22 ブラケット
23 モータ
23a 出力軸
24 偏心回転カム
25 回転板
26 回転位置センサ
30 開錠用部材
30a 溝
30b 突起
a 間隙
w 配線
Claims (1)
- キーに電磁波を照射することにより、このキーに記録された特定情報を呼び出せる様に構成したIDキー(IDカード)、赤外線キー、超音波キー等の無線キーと、前記無線キーから受信した情報が、所定の特定情報と同一か否かを判別する特定情報同定手段と、前記特定情報同定手段から同定信号を入力されて、錠前を構成する施錠用ロック部材を、施錠位置又は開錠位置に交互に変位させる電動式の錠前作動手段と、前記錠前作動手段の作動を制御する作動制御部と、施錠・開錠のいずれの作動状態にあるかを表示する作動状態表示手段と、作動用電源電池及び該電源電池からの給電断続用の電源スイッチを前記同定信号に基づいてオン作動させ、所定時間経過後にオフ作動させる電源断続回路と、を具備する施錠機構を備え、前記施錠機構には、施錠されたままで、電動式の施錠機構が作動不調になった時の為の機械的開錠手段が付設されていることを特徴とする非接触作動式の施錠機構を備えた鞄。
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