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JP4584875B2 - 燃料噴射弁分解用治具 - Google Patents
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JP4584875B2 - 燃料噴射弁分解用治具 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼル機関の燃料噴射弁を整備するための分解用治具に関するものである。
従来より、ディーゼル機関の燃料噴射弁は定期的又は必要に応じて点検・整備されており、この点検・整備時には分解されて消耗部品の交換等も行われている。例えば、ディーゼル機関を搭載した船舶の場合、定期的に整備ドックに入渠して、燃料噴射弁の分解整備が行われている。この船舶のディーゼル機関を例にして、以下に説明する。
船舶のディーゼル機関としては、例えば、1隻当り24本の燃料噴射弁が設けられたものがあり、この場合には、6本程度の予備品を搭載する場合がある。そして、このディーゼル機関を搭載した船舶が整備ドックに入渠した場合、通常、それらの燃料噴射弁がその都度整備されている。
図6は、この種の燃料噴射弁の一例を示す縦断面図である。図示する燃料噴射弁101の場合、噴射弁本体102と噴射ノズル103との間に中間板104が設けられており、これら噴射弁本体102と中間板104との間と、中間板104と噴射ノズル103との間には位置決めピン105,106が設けられている。この位置決めピン105,106は、それぞれ周上に1本が設けられており、この位置決めピン105,106によって、噴射弁本体102と中間板104と噴射ノズル103とに設けられた燃料供給穴107、冷却水穴108の位置決めが図られている。そして、中間板104を覆うように噴射ノズル103の基部に固定ナット109が被せられ、この固定ナット109のネジ部110を噴射弁本体102のネジ部111に締付けて噴射ノズル103の基部を噴射弁本体102側に押圧することにより、噴射ノズル103の先端が固定ナット109から突出した状態で噴射ノズル103と中間板104とが噴射弁本体102に固定されている。この燃料噴射弁101はシリンダヘッド112に固定部材113を介してボルト114で固定され、噴射ノズル103の先端から高圧燃料をシリンダ内に噴射するように構成されている。115は給排気弁である。
このような燃料噴射弁101を点検・整備する場合、前記ボルト114を緩めて固定部材113を外してシリンダヘッド112から燃料噴射弁101を取外し、前記固定ナット109を緩めて外すことにより、噴射ノズル103と中間板104と噴射弁本体102とに分解され、整備されている。
この種の従来技術として、ディーゼル機関の燃料噴射弁を整備する際に、この燃料噴射弁を据付けて固定するための整備治具がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−266729号公報(第2頁、図1)
しかしながら、前記燃料噴射弁101は、図7(a) に示す図6の燃料噴射弁の分解時における縦断面図のように、高温・高圧の運転時に固定ナット109と噴射ノズル103との間にカーボン116が入り、このカーボン116によって固定ナット109と噴射ノズル103とが固着してしまい、分解時に容易に固定ナット109を緩めることができなくなっている。
そのため、燃料噴射弁101の分解時には、噴射弁本体102を固定して過大な力で固定ナット109を緩めているが、固定ナット109が回動するのとカーボン116で固着した噴射ノズル103も一体的に回動してしまう。前記燃料噴射弁101の構成の場合、固定ナット109と一体的に噴射ノズル103が回動すると、この噴射ノズル103と中間板104との間と、中間板104と噴射弁本体102との間との間に滑りを生じ、これらの間に設けられた前記位置決めピン105,106に剪断力が作用する。この剪断力は、噴射弁本体102の軸芯Cから位置決めピン106までの半径r1よりも位置決めピン105までの半径r2の方が大きいため、この位置決めピン105に過大な剪断力が作用してしまう。
図7(b) に示す図7(a) のVII−VII断面図のように、位置決めピン105に過大な剪断力が作用すると、前記燃料噴射弁101の構成の場合、中間板104は硬質部材で形成されるため、位置決めピン105が破損するとともに噴射弁本体102のピン穴117が変形してしまう。このピン穴117が変形すると、新しい位置決めピン105による中間板104と噴射弁本体102との間の正確な位置決めができなくなり、燃料供給穴107、冷却水穴108が周方向にずれて燃料漏れ等を生じる場合がある。
しかも、このような破損は頻繁に起こり、前記位置決めピン105,106や噴射ノズル103を破損した場合には、それらを新品に替えれば容易に復元できるが、噴射弁本体102を破損した場合、高価な部品の購入費用が必要になり、整備コストの上昇を招いてしまう。
また、仮に、噴射ノズル103が回らないように噴射ノズル103の先端部を他の工具等で強制的に把持して固定ナット109を緩めようとすると、噴射ノズル103に過大な力を加えることになり、再使用できる噴射ノズル103も破損させてしまうこととなる。その上、このようにカーボン116で固着した固定ナット109を緩めて噴射ノズル103を外す作業は、多くの時間と労力を要するとともに、その難易度は高く、熟練を要する作業であり、熟練作業者の不足も懸念されている。
なお、前記特許文献1に記載の整備治具は、弁自体の固定方法については提案されているが、カーボンによって固定ナットと固着した噴射ノズルを回動しないように把持し、この固定ナットのみを緩めて安定した分解作業を行えるものではない。
そこで、本発明は、燃料噴射弁を簡単に分解することができる分解用治具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、噴射弁本体の先端に設けた噴射ノズルを固定ナットで噴射弁本体に固定した燃料噴射弁の分解用治具であって、治具本体に前記噴射弁本体の回動を阻止する本体回動阻止部を設け、該治具本体の前記本体回動阻止部で回動を阻止する噴射弁本体の軸方向位置に、前記固定ナットの先端側で前記噴射ノズルを把持して該噴射ノズルの回動の阻止と、該噴射ノズルの開放とができるノズル把持部を設けている。これにより、本体回動阻止部で噴射弁本体の回動を阻止しつつ、固定ナットの先端側でノズル把持部によって噴射ノズルの回動を阻止できるので、固定ナットのみを確実に回動させて緩めることによって安定した燃料噴射弁の分解ができる。
また、前記ノズル把持部に、固定把持部と該固定把持部に対向する可動把持部とを設け、該固定把持部と可動把持部とに前記噴射ノズルの外面に沿う把持面を設け、該可動把持部を前記固定把持部に近接又は離間させて開閉する駆動機構を設けてもよい。これにより、ノズル把持部の固定把持部に噴射ノズルを沿わせた状態で可動把持部でこの噴射ノズルを把持することができ、噴射ノズルを容易に把持することができる。
さらに、前記可動把持部を、前記固定把持部に近接又は離間する時に前記本体回動阻止部側が傾動して開閉するように構成してもよい。これにより、ノズル把持部を開放すれば、可動把持部の本体回動阻止部側が傾動して、可動把持部と固定把持部との間に燃料噴射弁の噴射ノズルを容易にセットすることができる。
また、前記傾動する可動把持部の本体回動阻止部側の開放角度を、該可動把持部の傾動時に前記噴射弁本体と前記本体回動阻止部との係合が解除できる角度にしてもよい。これにより、可動把持部を開放させた状態にすると、燃料噴射弁の着脱をより容易に行うことができる。
さらに、前記本体回動阻止部に、前記噴射弁本体の係止部と係合して該噴射弁本体の回動を阻止する挿入部と、該噴射弁本体の軸方向の移動を所定量許容する逃げ部とを設けてもよい。これにより、固定ナットを緩めるときに、本体回動阻止部の挿入部で噴射弁本体の回動を阻止した状態で、逃げ部で噴射弁本体の軸方向の移動を許容し、スムーズな分解作業を行うことができる。
その上、前記把持面を、前記噴射ノズルの外面との摩擦抵抗を増大させて該噴射ノズルの先端の回動を阻止する係止面に形成すれば、噴射ノズル等をより迅速に把持して分解作業の迅速化を図ることができる。
本発明は、以上説明したような手段により、燃料噴射弁の噴射弁本体と噴射ノズルとを確実に把持して固定ナットを緩めることができるので、安定した燃料噴射弁の分解が可能となる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る燃料噴射弁分解用治具を示す斜視図であり、図2は、図1に示す燃料噴射弁分解用治具の側面図である。この分解用治具1で前記図6に示す燃料噴射弁101を分解する例を説明する。また、この実施の形態では、噴射ノズル103を下側に位置させて燃料噴射弁101を垂直状態にして分解する場合を説明する(後述する図4参照)。
図示するように、分解用治具1は、燃料噴射弁101の軸方向(図の垂直方向)に延びる強度部材たる治具本体2と、この治具本体2の上部に設けられた本体回動阻止部3と、下部に設けられたノズル把持部6とを備えている。ノズル把持部6は、治具本体2の本体回動阻止部3で回動を阻止する噴射弁本体102の軸方向位置に設けられている。治具本体2は、所定の厚みで燃料噴射弁101の軸方向に延びる板状に形成されている。以下、治具本体2の本体回動阻止部3とノズル把持部6とが設けられた側を、正面側という。
前記本体回動阻止部3は、治具本体2の上部において燃料噴射弁101の軸方向と直交する正面側に突出して設けられている。この本体回動阻止部3の反治具本体側の幅方向中央部には、U字状に開口する挿入部4が設けられている。この挿入部4の開口幅寸法は、燃料噴射弁101の噴射弁本体102に形成された平行面の係止部118(図2,3に示す。)を正面側から挿入して係止できる幅寸法に形成されている。この挿入部4によって係止部118を係止して、噴射弁本体102の回動が阻止される。本体回動阻止部3の厚み(図の上下方向)は、係止部118の軸方向寸法と同等に形成されている。また、本体回動阻止部3のノズル把持部6側には、挿入部4の開口寸法を広くした逃げ部5が設けられている。この逃げ部5は、後述するように、燃料噴射弁101の分解時に、本体回動阻止部3で噴射弁本体102の回動を阻止した状態を保ちながら、この噴射弁本体102が軸方向に移動しても本体回動阻止部3と当接しないようにするためのものである。なお、この逃げ部5は必ずしも必要ではなく、本体回動阻止部3の全体の厚みを前記噴射弁本体102が軸方向に移動しても当接しない厚みにしたり、係止部118の軸方向寸法を大きくして噴射弁本体102が移動しても当接しないようにしてもよい。
一方、前記ノズル把持部6も治具本体2の正面側に設けられており、このノズル把持部6には、前記治具本体2と一体的に形成された固定把持部7と、この固定把持部7との間で燃料噴射弁101の噴射ノズル103を保持するように開閉する可動把持部9とが設けられている。固定把持部7は、治具本体2の下部において燃料噴射弁101の軸方向と直交する正面側に突出して設けられている。この固定把持部7は、前記噴射ノズル103を把持できる厚みに形成されている。固定把持部7の反治具本体側には、燃料噴射弁101の噴射ノズル103を把持する凹状の把持面8が形成されている。この把持面8は、燃料噴射弁101の先端から突出した噴射ノズル103の軸方向の所定面積と沿うほぼ半円状に形成されている。例えば、噴射ノズル103の外面が先端に向けて縮径するテーパ状に形成されていれば、その形状に沿うようなテーパ面に形成される。
前記可動把持部9は、前記固定把持部7の反治具本体側に設けられ、固定把持部7と同等の厚みで形成されている。この可動把持部9は、固定把持部7の下面に設けられた保持部材10によって下側から保持されている。この保持部材10は、可動把持部9の幅方向に2本が配設されている。保持部材10は、基部がボルト11で固定把持部7に固定され、先端部が可動把持部9の下側に向けて突出するように設けられている。この保持部材10の突出した部分の上面は、固定把持部側に所定量の平面部12が形成され、その平面部12から先端側が反本体回動阻止部側に向けて下向きに傾斜する傾斜面部13に形成されている。この傾斜面部13は、前記可動把持部9の上側(本体回動阻止部3側)が固定把持部7と近接又は離間するように可動把持部9を傾動させるためのものである。この傾斜面部13により、可動把持部9で噴射ノズル103を把持する時には平面部12で可動把持部9を支持して固定把持部7と対向させて確実に把持し、可動把持部9を開放したときには、自重で傾斜面部13に沿って可動把持部9が下向きに傾いて上側の本体回動阻止部3側が開くようにしている。
また、傾斜面部13には、保持部材10の長手方向(図の左右方向)に延びる長穴14が設けられている。この長穴14の下側から可動把持部9に向けて固定ボルト15が挿通され、この固定ボルト15が可動把持部9の取付ネジ部16に固定されている。長穴14は長手方向に固定ボルト15の移動を許容するが、幅方向はボルト穴の規定量しか許容しないため、固定ボルト15を保持部材10に固定することなく可動把持部9に固定することにより、この固定ボルト15が長穴14の長手方向に移動できる範囲で可動把持部9が移動できるようにしている。
さらに、可動把持部9の固定把持部側における幅方向中央部には、前記固定把持部7に形成された把持面8とによって、燃料噴射弁101の噴射ノズル103を把持する凹状の把持面17が形成されている。この把持面17も、燃料噴射弁101の先端から突出した噴射ノズル103の軸方向の所定面積と沿うほぼ半円状に形成されている。把持面17も、噴射ノズル103の外面が先端に向けて縮径するテーパ状に形成されていれば、その形状に沿うようなテーパ面に形成される。
可動把持部9の把持面17と前記固定把持部7の把持面8とはそれぞれが半円状に形成されているので、噴射ノズル103をほぼ全周で把持することができるが、把持した時には固定把持部7と可動把持部9との間に所定の隙間が形成されるように構成されている。この実施の形態では、これら把持面17,8は平滑面で形成され、これら把持面17,8で噴射ノズル103を把持する時には、摩擦抵抗を増加させるために後述するようにコンパウンド等を塗って確実な把持ができるようにして作業が進められる。この場合、分解後の噴射ノズル103が傷つかないので再利用することができるが、分解した噴射ノズル103を廃棄する場合は、これらの把持面17,8を凹凸状の係止面(例えば、ローレット加工面)に形成して噴射ノズル103との摩擦抵抗を増加させてもよい。このような把持面17,8とすれば、コンパウンド等を使用することなく噴射ノズル103を確実に把持して安定した分解作業を行うことができる。これら把持面8,17の構成は、噴射ノズル103を再利用するか否かによって選択すればよい。
さらに、この可動把持部9の反固定把持部側には、上向きに突出する案内部材18が設けられている。この案内部材18は、可動把持部9の上面から上向きに突出する第1突出部19と、この第1突出部19の上部から反固定把持部側に向けて突出する第2突出部20とからなるL字状に形成されている。この第2突出部20は、下面が端部に向けて上向きに傾斜するテーパ面21に形成されている。
また、この実施の形態では、ノズル把持部6の駆動機構として手動操作のバイス22が用いられており、このバイス22の可動側口金23で前記可動把持部9を押圧するように構成されている。そして、このバイス22の可動側口金23を前記可動把持部9の案内部材18に形成されたテーパ面21に当接させ、可動側口金23を固定側口金24側に締めることにより、この可動側口金23の上部角部がテーパ面21に沿って移動し、傾いた状態の可動把持部9を水平状態に起こして保持部材10の平面部12で支持された状態にして、この可動把持部9の把持面17と前記固定把持部7の把持面8とで前記噴射ノズル103の外面を確実に把持するようにしている。
このように、可動把持部9の反固定把持部側に下面が端部に向けて上向きのテーパ面21を設け、可動把持部9を前記したように保持部材10の長穴14の範囲で移動可能なようにすることにより、可動把持部9をバイス22の可動側口金23で押圧しない時には可動把持部9が反固定把持部側に傾いた状態となり、可動側口金23で押圧すると傾斜状態の可動把持部9が水平状態に起きて固定把持部7に向けて押圧されるようにしている。
さらに、前記治具本体2の背面側には、前記バイス22の固定側口金24に固定するための取付部25が設けられている。この取付部25には、固定側口金24を上下から挟むことができる位置に上側ブラケット26と下側ブラケット27とが設けられており、上側ブラケット26には固定ボルト28が設けられている。この上側ブラケット26と下側ブラケット27とを固定側口金24の上下に位置させた状態で、上側ブラケット26に設けられた固定ボルト28を下向きにねじ込むことにより、この固定ボルト28と下側ブラケット27との間で固定側口金24を挟持して治具本体2、つまり分解用治具1がバイス22の固定側口金24に固定されている。
このように、この実施の形態では、バイス22の固定側口金24に分解用治具1が固定され、可動側口金23で可動把持部9を開閉することによって燃料噴射弁101の噴射ノズル103を把持又は開放するようにしている。この可動把持部9の駆動機構としては、バイス22以外に、油圧ジャッキ等のアクチュエータや、他の構成であってもよい。
図3は、図1に示す燃料噴射弁分解用治具に燃料噴射弁をセットする時の斜視図であり、図4は、図3に示すように燃料噴射弁分解用治具にセットした燃料噴射弁を分解する時の斜視図、図5は、図3,図4における燃料噴射弁分解用治具と燃料噴射弁との先端部分を示す図面であり、(a) は図3における側面図、(b) は図4における側面図である。
図3、図5(a) に示すように、前記分解用治具1によれば、バイス22の可動側口金23が開けられて可動把持部9が傾動した状態で、固定把持部7と可動把持部9との把持面8,17にコンパウンド等が塗られ、その把持面8,17に燃料噴射弁101の噴射ノズル103が挿入される。この時、固定ナット109の部分にレンチ119が予め挿入されている。その後、この燃料噴射弁101の噴射弁本体102に形成された係止部118が、本体回動阻止部3に設けられた挿入部4に挿入される。
そして、図4、図5(b) に示すように、バイス22の可動側口金23で可動把持部9を固定把持部7に向けて押圧することにより、前記した傾倒状態の可動把持部9が水平状態に起きながら固定把持部7に向けて押圧され、固定把持部7の把持面8と可動把持部9の把持面17とによって噴射ノズル103の外面が把持される。この把持された噴射ノズル103は、把持面8,17に塗られたコンパウンド等によって大きな摩擦抵抗で確実に把持される。しかも、コンパウンド等を使用することにより、噴射ノズル103の外面と把持面8,17との間に不均一な隙間があったとしても、その隙間をコンパウンド等が埋めて噴射ノズル103を確実に把持することができる。
このように分解用治具1の本体回動阻止部3で噴射弁本体102の回動を確実に阻止し、固定把持部7と可動把持部9の把持面8,17で噴射ノズル103の回動を確実に阻止した状態で、固定ナット109の部分に挿入されたレンチ119で固定ナット109を緩めることにより、固定ナット109のみを確実に回動させて緩め、安定して噴射ノズル103を分解することができる。また、前記実施の形態では、この分解時に固定ナット109を回すことで緩んだねじのピッチ分で噴射弁本体102が軸方向に移動しても、本体回動阻止部3の逃げ部5によって噴射弁本体102が本体回動阻止部3に当接することなく緩めることができ、噴射弁本体102の回動を阻止した状態を保って作業を中断させることなくスムーズな作業を行うことができる。
さらに、固定ナット109を緩めて燃料噴射弁101を分解した後は、バイス22の可動側口金23を反固定把持部側に移動させることにより、可動把持部9は下面が保持部材10の傾斜面13に沿うように傾動して上側が開いた状態となるので、噴射ノズル103等を分解用治具1から簡単に取外すことができる。
以上のように、前記燃料噴射弁分解用治具1を用いれば、ノズル把持部6を駆動機構たるバイス22で締付けるだけで燃料噴射弁101の噴射弁本体102と噴射ノズル103とを確実に把持することができ、その状態で固定ナット109のみをレンチ119で確実に緩めることができるので、安定した固定ナット109の取外しと、燃料噴射弁101の分解作業を行うことができる。したがって、このような燃料噴射弁分解用治具1を用いて燃料噴射弁101を分解・整備すれば、燃料噴射弁101の分解・整備作業の難易度が低くなり、作業時間を大幅に短縮することができる。また、単純作業なため、取付作業ミスを防ぐことができる。その上、部品(噴射ノズル103、位置決めピン105)の破損を防ぎ、部品破損による新規購入費用を抑制することができる。つまり、駆動機構たるバイス22の操作のみの簡単な操作で分解用治具1による燃料噴射弁101の確実な把持と、取外しが可能となるとともに、固定ナット109のみの安定した取外しが可能となるので、燃料噴射弁101の分解が容易で、作業の難易度が低くなり、例えば、前記した船舶のディーゼル機関の場合、複数本の燃料噴射弁101を分解・整備する全体の作業時間を約3分の1程度に短縮することができる。
なお、前記したように、この実施の形態におけるノズル把持部6の駆動機構たるバイス22を油圧ジャッキ等のアクチュエータで構成すれば、より簡単に噴射ノズル103を締付けて把持することができるとともに、さらに作業の難易度が低くなり、より作業時間の短縮が可能となる。
また、前記実施の形態では、燃料噴射弁の噴射ノズル103を下側に位置させた垂直状態で分解する場合を説明したが、燃料噴射弁101を水平状態や傾斜状態にした場合でも同様に分解することができ、燃料噴射弁101を分解するときの姿勢は前記実施の形態に限定されるものではない。
さらに、前記実施の形態では、固定把持部7および可動把持部9をブロック状の部材で形成した例を説明したが、これらは噴射ノズル103の軸方向の所定面積を把持できるものであれば板状であってもよい。また、前記治具本体と本体回動阻止部3とノズル把持部6とで「コ字状」に形成されているが、この形状もこの実施の形態に限定されるものではない。
さらに、前記説明した船舶のディーゼル機関は一例であり、噴射弁本体102の先端に設けられた噴射ノズル103を固定ナット109で噴射弁本体102に固定するように構成された燃料噴射弁101であれば同様に適用可能である。
また、前述した実施の形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係る燃料噴射弁分解用治具は、噴射弁本体に噴射ノズルを固定ナットで固定した構造の燃料噴射弁を分解する場合に利用できる。
本発明の一実施の形態に係る燃料噴射弁分解用治具を示す斜視図である。 図1に示す燃料噴射弁分解用治具の側面図である。 図1に示す燃料噴射弁分解用治具に燃料噴射弁をセットする時の斜視図である。 図3に示すように燃料噴射弁分解用治具にセットした燃料噴射弁を分解する時の斜視図である。 図3,図4における燃料噴射弁分解用治具と燃料噴射弁との先端部分を示す図面であり、(a) は図3における側面図、(b) は図4における側面図である。 燃料噴射弁の一例を示す縦断面図である。 図6に示す燃料噴射弁の分解時における図面であり、(a) は縦断面図、(b) は(a) に示すVII−VII断面図である。
符号の説明
1…分解用治具
2…治具本体
3…本体回動阻止部
4…挿入部
5…逃げ部
6…ノズル把持部
7…固定把持部
8…把持面
9…可動把持部
10…保持部材
11…ボルト
12…平面部
13…傾斜面部
14…長穴
15…固定ボルト
17…把持面
18…案内部材
19…第1突出部
20…第2突出部
21…テーパ面
22…バイス
23…可動側口金
24…固定側口金
25…取付部
26…上側ブラケット
27…下側ブラケット
28…固定ボルト
101…燃料噴射弁
102…噴射弁本体
103…噴射ノズル
104…中間板
105…位置決めピン
106…位置決めピン
107…燃料供給穴
108…冷却水穴
109…固定ナット
110,111…ネジ部
116…カーボン
117…ピン穴
118…係止部
119…レンチ

Claims (6)

  1. 噴射弁本体の先端に設けた噴射ノズルを固定ナットで噴射弁本体に固定した燃料噴射弁の分解用治具であって、
    治具本体に前記噴射弁本体の回動を阻止する本体回動阻止部を設け、該治具本体の前記本体回動阻止部で回動を阻止する噴射弁本体の軸方向位置に、前記固定ナットの先端側で前記噴射ノズルを把持して該噴射ノズルの回動の阻止と、該噴射ノズルの開放とができるノズル把持部を設けたことを特徴とする燃料噴射弁分解用治具。
  2. 前記ノズル把持部に、固定把持部と該固定把持部に対向する可動把持部とを設け、該固定把持部と可動把持部とに前記噴射ノズルの外面に沿う把持面を設け、該可動把持部を前記固定把持部に近接又は離間させて開閉する駆動機構を設けた請求項1に記載の燃料噴射弁分解用治具。
  3. 前記可動把持部を、前記固定把持部に近接又は離間する時に前記本体回動阻止部側が傾動して開閉するように構成した請求項2に記載の燃料噴射弁分解用治具。
  4. 前記傾動する可動把持部の本体回動阻止部側の開放角度を、該可動把持部の傾動時に前記噴射弁本体と前記本体回動阻止部との係合が解除できる角度にした請求項3に記載の燃料噴射弁分解用治具。
  5. 前記本体回動阻止部に、前記噴射弁本体の係止部と係合して該噴射弁本体の回動を阻止する挿入部と、該噴射弁本体の軸方向の移動を所定量許容する逃げ部とを設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料噴射弁分解用治具。
  6. 前記把持面を、前記噴射ノズルの外面との摩擦抵抗を増大させて該噴射ノズルの先端の回動を阻止する係止面に形成した請求項2〜5のいずれか1項に記載の燃料噴射弁分解用治具。
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