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JP4586331B2 - セパレータ - Google Patents
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JP4586331B2 - セパレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池のセパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池を搭載した車両(以下「燃料電池搭載車両」という。)においては、積層型の燃料電池によって発生させられた電流を駆動モータに供給し、該駆動モータを駆動することによってトルクを発生させるようにしている。
【0003】
そのために、前記燃料電池搭載車両に車載燃料電池システムが配設され、該車載燃料電池システムは、液体水素が貯蔵された燃料タンク、該燃料タンクから水素ガスが供給されるとともに、空気が供給され、前記積層型の燃料電池を構成する燃料電池スタック、該燃料電池スタックから排出されたガス中の蒸気を凝縮させ、ガスと水とに分離させる凝縮器等を備える。
【0004】
そして、前記燃料電池スタックにおいては、スタックケース内にモジュールが収容され、該モジュールにおいて、水素と空気中の酸素とが反応させられて水が生成されるとともに、前記水素と酸素との反応に伴って電流が発生させられる。そのために、前記モジュールは、燃料電池の要素を構成する複数の単セルを備え、かつ、該各単セルを互いに電気的に直列に接続することによって構成された集合体から成り、前記各単セルは、電解質膜を挟んで、拡散層を構成する空気極、及び反応層を構成する燃料極を配設することによって形成されたメンブレン・エレクトロード・アッセンブリ(MEA)、及び該各メンブレン・エレクトロード・アッセンブリを分離するとともに、前記空気極に臨ませて空気供給路を、前記燃料極に臨ませて燃料供給路を形成するカーボン製のセパレータから成る。そして、前記各単セルに所定の組付荷重を加え、モジュールを組み立てるようにしている。
【0005】
ところで、該モジュールは、前述されたように単セルの集合体から成り、各単セルを電気的に直列に接続することによって、燃料電池スタックの全体の出力電圧(例えば、220〔V〕)を得るようにしているが、各単セルの製造上のばらつき、メンブレン・エレクトロード・アッセンブリの濡れ具合等によって各単セルの出力特性にばらつきが発生する。そこで、各単セルの出力電圧、すなわち、セル電圧を電圧センサによって検出し、所定の単セルのセル電圧が閾(しきい)値より低くなると、燃料電池スタックから取り出す出力電流を小さくするようにしている。
【0006】
そのために、例えば、厚さ8〔mm〕で前記セパレータを形成し、該セパレータの側壁に径が4〔mm〕の挿入穴を形成し、該挿入穴にバナナクリップを挿入し、該バナナクリップを介してセル電圧を検出するための検出端子を接続するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、他の燃料電池スタックにおいては、モジュールの外部において、各セパレータと、等間隔で配設された検出端子とを接触させるようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−283166号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−184434号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のセパレータにおいて、前記カーボン製のセパレータを使用する場合、前記バナナクリップに外力が加わると、バナナクリップがセパレータから外れたり、セパレータが破損したりしてしまう。特に、燃料電池スタックを燃料電池搭載車両に搭載した場合、燃料電池搭載車両が受ける振動によって前記バナナクリップがセパレータから外れやすい状況になる。
【0011】
したがって、燃料電池スタックの耐久性が低下してしまう。しかも、挿入穴を形成する必要があるので、セパレータが厚くなり、燃料電池スタックが大型化してしまう。
【0012】
また、各検出端子をセパレータに接触させる場合、組付荷重によって各単セルの厚さにばらつきが発生し、各セパレータが等間隔にならない。したがって、各セパレータと検出端子との間にずれが発生し、正確なセル電圧を検出することができない。
【0013】
本発明は、前記従来のセパレータの問題点を解決して、燃料電池スタックの耐久性を向上させることができ、燃料電池スタックを小型化することができ、正確なセル電圧を検出することができるセパレータを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のセパレータにおいては、金属製の第1、第2の薄板を貼り合わせることによって形成されるようになっている。
そして、空気極側の面を形成する前記第1の薄板に、空気供給路を形成するための第1の凹凸が、燃料極側の面を形成する前記第2の薄板に、燃料供給路を形成するための第2の凹凸が形成され、前記第1、第2の薄板の外周縁の所定の箇所に、外方に向けて突出させて、前記第1、第2の薄板に被覆材料を被覆する際に前記第1、第2の薄板を保持するための接続端子が一体に形成され、該接続端子にリード線を通すための開孔が形成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるセパレータの空気極側の面を示す図、図2は本発明の第1の実施の形態における車載燃料電池システムの概念図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるスタックユニットの平面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるスタックユニットの側面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるモジュールの要部拡大図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるセパレータの燃料極側の面を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における検出端子の接続状態を示す図である。
【0023】
図において、10は積層型の燃料電池、本実施の形態においては、固体高分子型燃料電池(PEFC)を構成する燃料電池スタック、20は該燃料電池スタック10に燃料ガスとしての水素ガスを供給するための水素ガス供給系、30は前記燃料電池スタック10に媒体としての空気を供給する空気供給系、40は前記燃料電池スタック10に水を供給するための水供給系、50は前記燃料電池スタック10からガスを排出するためのガス排出系である。
【0024】
本実施の形態においては、燃料電池として固体高分子型燃料電池を使用しているが、該固体高分子型燃料電池に代えてリン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、ヒドラジン型燃料電池、直接メタノール型燃料電池(DMFC)等を使用することもできる。
【0025】
図3及び4に示されるように、前記燃料電池スタック10は、筐(きょう)体としての図示されないスタックケース、及び該スタックケース内に配設された横長の矩(く)形の形状を有するスタックユニット59を備え、該スタックユニット59は、モジュールユニット55を、横長の矩形の形状を有する第1、第2の保持部材としてのエンドプレート57、58によって挟み、ボルトb1、b2、及びナットn1、n2によって所定の組付荷重で締め付けることによって組み立てられる。そのために、前記エンドプレート57、58の両端には、ボルトb1、b2を貫通させるための図示されない穴が形成される。また、前記ボルトb1、b2は、ヘッド部hd、該ヘッド部hdから延在させて形成されたロッド部rd、及び該ロッド部rdより先端側(図3において下端側)に形成されたねじ部scを備え、該ねじ部scにおいて前記ナットn1、n2と螺(ら)合させられる。前記ボルトb1、b2及びナットn1、n2は表面が絶縁処理される。
【0026】
前記モジュールユニット55は、一つ又は二つ以上のモジュール52、該モジュール52を挟んで配設され、燃料電池の端子を構成するターミナル53、54、並びに前記モジュール52及びターミナル53、54を挟んで配設され、絶縁材料によって形成された絶縁材としてのインシュレータ56を備える。
【0027】
ところで、前記モジュール52において、前記水素ガス供給系20によって供給された水素ガスを構成する水素と、前記空気供給系30によって供給された空気を構成する酸素とが反応させられて水が生成されるとともに、前記水素と酸素との反応に伴って電流が発生させられる。そのために、前記モジュール52は、燃料電池スタック10の要素を構成する薄い膜状の単セル62を複数個積層し、互いに電気的に直列に接続することによって形成された集合体から成る。前記各単セル62は、固体高分子から成る電解質膜12を挟んで、拡散層を構成する空気極11、及び反応層を構成する燃料極13を配設することによって形成されたメンブレン・エレクトロード・アッセンブリ(MEA)61、及び該各メンブレン・エレクトロード・アッセンブリ61を分離するとともに、前記空気極11に臨ませて空気供給路18を、前記燃料極13に臨ませて燃料供給路19を形成するセパレータ16から成る。なお、該各セパレータ16は、二つの隣接するメンブレン・エレクトロード・アッセンブリ61間に共通の分離部材として配設される。また、本実施の形態において、前記燃料極13は水素極によって形成される。
【0028】
前記空気極11及び燃料極13における電解質膜12と接触する面には、水素と酸素との反応を促進するために、図示されないカーボンに、白金系触媒及び固体高分子を混合してペースト状とした物質がある程度の厚さで均一に分散させられ、触媒層が形成される。また、空気極11に代えて酸素極を配設し、媒体としての空気に代えて純酸素を燃料電池スタック10に供給することもできる。
【0029】
前記スタックケース内には、前記燃料電池スタック10より上方に、各空気極11に空気を分配し、供給するための供給用のマニホールド14が、燃料電池スタック10より下方に、空気極11内のガスを集合させ、ガス排出系50に排出するための排気用のマニホールド15が形成され、マニホールド14、15は前記空気供給路18と連通させられ、燃料供給路19と遮蔽(へい)される。そのために、前記セパレータ16における空気極11と面する側には、垂直方向に延びる複数の突起71が形成され、該各突起71間の溝72によって前記空気供給路18が構成される。また、前記突起71及び溝72によって第1の凹凸が構成される。空気は、マニホールド14に供給された後、前記各空気供給路18に分配され、空気供給路18を下方に向けて流れ、マニホールド15に送られる。
【0030】
また、前記セパレータ16における燃料極13と面する側においては、全周が隣接するメンブレン・エレクトロード・アッセンブリ61に対して接着剤によって接着され、シールされるとともに、シールされた部分の内側には、マトリックス状に突出させて複数の突起73が形成され、該各突起73間の平坦(たん)部74に、燃料極13に水素ガスを供給するための複数の水平な燃料供給路19が構成される。前記突起73及び平坦部74によって第2の凹凸が構成される。水素ガスは、水素ガスを供給するための供給用のマニホールド75に供給された後、前記燃料供給路19を水平に流れ、水素ガスを排出するための排出用のマニホールド76に送られる。なお、前記マニホールド75、76は、後述されるように、各セパレータ16を積層することによって形成される。
【0031】
前記水素ガス供給系20は、液体水素が貯蔵された燃料供給装置及び水素供給装置としての燃料タンク21、該燃料タンク21から前記マニホールド75を介して燃料極13に水素ガスを供給するための供給管22、及び該供給管22に配設され、前記燃料極13に供給される水素ガスの圧力を調整する水素供給調整部としての調圧弁23を備える。
【0032】
なお、前記燃料タンク21に代えて、水素ガスが充填(てん)された水素吸蔵合金を収容する水素吸蔵合金タンクを使用することもできる。その場合、前記水素吸蔵合金は、常温下で水素ガスを放出し、低温下で水素ガスを吸蔵する性質を有するので、調圧弁23の開度を変えるだけで水素ガスの圧力を調整することができる。なお、寒冷地においては、燃料電池搭載車両が極めて低温の環境に置かれることになるので、水素吸蔵合金は水素ガスを放出しなくなる。そこで、外気の温度が設定値より低くなると、図示されない加熱部としてのヒータが通電させられ、水素吸蔵合金が加熱される。
【0033】
また、前記空気供給系30は、空気搬送部材としてのブロア(B)38、該ブロア38からマニホールド14に空気を供給するための供給管31等を備え、前記ガス排出系50は、ガス中の蒸気を凝縮させて水を回収する回収部材としての凝縮器33、マニホールド15から排出されたガスを凝縮器33に供給するための排出管32、前記凝縮器33によって水が回収された後のガスを大気中に排出するための排気管36等を備える。
【0034】
したがって、前記ブロア38を作動させることによって、車外から取り込まれた空気を前記マニホールド14に供給することができる。また、マニホールド15から排出されたガスは、排出管32を介して凝縮器33に供給され、該凝縮器33によって、ガス中の蒸気が凝縮されて水になり、ガス(この場合、空気)が排気管36を介して大気中に排出される。なお、前記凝縮器33に凝縮促進部材として冷却ファン60が配設され、該冷却ファン60の回転速度を高くし、送風量を多くすることによって、蒸気の凝縮量を多くすることができる。
【0035】
そして、前記水供給系40は、水供給源としての水タンク42、水搬送部材としてのポンプ(P)46、空気極冷却手段としての噴射装置(インジェクタ)41、前記水タンク42から排出された水を噴射装置41に供給するための供給管45、マニホールド15の下部に溜(た)まり、マニホールド15から排出された水を水タンク42に供給するための排出管43、前記凝縮器33から排出された水を水タンク42に供給するための排出管34、マニホールド15から排出された水、及び前記凝縮器33から排出された水を回収し、水タンク42に供給する水回収ポンプ47を備える。また、図示されない制御装置によって燃料電池搭載車両に加わる負荷を検出し、該負荷に対応させてポンプ(P)46に印加する電圧を調整することにより、噴射装置41に供給される水の圧力を調整することができる。
【0036】
前記凝縮器33においてガスと分離させられた水は、排出管34、43を流れ、最終的に水タンク42に排出され、水タンク42に蓄えられる。該水タンク42に水位検出部としての水位センサ39が配設され、該水位センサ39によって水タンク42内の水のレベル、すなわち、水位が検出される。そして、水位があらかじめ設定された下限値以下になると、通知部材としてのアラーム44が点滅し、水が不足していることをオペレータに通知する。この場合、オペレータは、例えば、前記冷却ファン60の回転速度を高くすることによって凝縮器33の能力を高くし、水の回収量を多くする。
【0037】
なお、水位があらかじめ設定された上限値以上になったときに、水が過剰であることをオペレータに通知することもできる。その場合、オペレータは、例えば、前記冷却ファン60の回転速度を低くすることによって凝縮器33の能力を低くし、水の回収量を少なくする。また、前記水位センサ39及び冷却ファン60を図示されない制御装置に接続し、水位センサ39によって検出された水位に対応させて自動的に冷却ファン60の回転速度を変更することもできる。
【0038】
ところで、前記空気極11はカソードとして、燃料極13はアノードとして機能し、空気極11に空気を、燃料極13に水素ガスを供給し、空気極11及び燃料極13に前記セパレータ16を介して負荷28を接続すると、燃料極13において形成される水素イオンが、プロトン(H+ )の形態で水分を含んだ電解質膜12内を空気極11側に移動し、空気中の酸素と結合して水を生成する。また、前記燃料極13で発生した電荷が負荷28を介して空気極11側に移動し、これに伴って出力電流が発生する。すなわち、水素と酸素とを反応させることによって前記燃料電池スタック10において出力電流が発生させられ、該出力電流を負荷28に供給することができる。
【0039】
なお、燃料極13から排出された水素ガスの一部を、排気ガスとして排気管24を介して間欠的に大気中に排出するために、前記排気管24に排気弁25が配設される。この場合、燃料電池搭載車両の負荷が大きくなると、燃料極13に供給される水素ガスの量が多くされるので、燃料極13から排出される水素ガスの量も多くなる。そこで、前記制御装置は、燃料電池搭載車両の負荷に応じて間欠的に排気弁25を開閉し、負荷が大きくなると、排気弁25を開放する間隔を狭くする。また、前記燃料極13から排出される水素ガスの残りは、水素循環ポンプ49によって循環路48を流れた後、前記供給管22に戻される。なお、燃料極13から排出された水素ガスのすべてを大気中に排出することもできる。
【0040】
本実施の形態において、前記負荷28は、前記出力電流において直流を相電流に変換する図示されないインバータ、及び前記相電流が供給されて駆動される図示されない駆動モータから成る。なお、前記各単セル62において発生させられたセル電圧は、第1の検出部としての電圧センサ(V)29によって、単セル62によって発生させられた出力電流は第2の検出部としての図示されない電流センサによって検出される。
【0041】
そのために、前記各セパレータ16の外周縁の所定の箇所、本実施の形態においては、側縁には、外方に向けて突出させて接続端子77が一体に形成され、図3及び7に示されるように、各接続端子77と検出端子79とが接続され、該検出端子79に前記電圧センサ29及び電流センサが接続される。なお、図7に示されるように、接続端子77には、配線用の開孔78が形成され、検出端子79のリード線91が開孔78に通されて、接続端子77とリード線91とが結ばれ、連結部がはんだ付けされた後、絶縁性の材料、本実施の形態においては、熱硬化性樹脂から成る熱収縮性チューブ92によって包囲され、シールされる。したがって、接続端子77とリード線91とが外れたり、接続端子77が他の部材に短絡したりするのを防止することができる。
【0042】
ところで、前記水素と酸素とが反応する際に熱が発生するが、該熱によって燃料電池スタック10の温度が高くなると、前記水素と酸素との反応の速度が低くなってしまう。そこで、前記マニホールド14の上端に前記インジェクタ41を配設し、該インジェクタ41からスタックユニット59に向けて、冷却用の水を霧状に噴射するようにしている。
【0043】
そして、前記水は、空気と共に空気供給路18を下方に向けて流れ、その間に周囲の空気、空気極11の表面、電解質膜12の表面等から熱を奪って蒸発して蒸気となり、該蒸気によって蒸発潜熱による冷却、すなわち、潜熱冷却が行われ、燃料電池スタック10が冷却される。さらに、前記蒸気又は蒸気にならない液滴の水は、空気極11を通過して電解質膜12に供給される。したがって、ブロア38による送風によって電解質膜12が必要以上に乾燥するのを防止することができる。
【0044】
このように、燃料電池スタック10が冷却されるので、水素と酸素との反応の速度が低下するのを防止することができる。また、燃料電池スタック10、特に、空気極11、電解質膜12等が熱によって破損するのを防止することができるだけでなく、電解質膜12において水分が蒸発するのを防止することができる。
【0045】
そして、空気中の反応した酸素以外の成分、燃料電池スタック10の冷却に伴って発生した蒸気、及び反応によって生成された水は、ガスとしてマニホールド15に送られる。
【0046】
なお、前記空気極11は、燃料電池スタック10を作動させている間、生成された水、及び噴射された水に常に接触させられるので、耐水性の高い材料によって形成する必要がある。また、空気極11の表面に水の膜が形成されると、空気極11の実効面積が小さくなるので、空気極11を撥(はっ)水性の高い材料によって形成する必要がある。そこで、本実施の形態においては、空気極11として、カーボンクロスを基材とし、(C+PTFE)を塗布して拡散層を形成したものを使用した。また、電解質膜12としてはナフィオン(商品名:デュポン社製)の汎(はん)用的な薄膜を使用した。電解質膜12の膜厚は、空気極11側において生成された水を燃料極13側に逆浸透させることができるように設定される。前記燃料極13としては、部品を共通化させるために空気極11と同じものを使用した。
【0047】
ところで、前記モジュール52は、前述されたように単セル62の集合体から成り、各単セル62を電気的に直列に接続することによって、各単セル62のセル電圧を加算した電圧を、燃料電池スタック10の全体の出力電圧(例えば、220〔V〕)として発生させるようになっているが、各単セル62の製造上のばらつき、メンブレン・エレクトロード・アッセンブリ61の濡れ具合等によって各単セル62の出力特性にばらつきが発生する。そこで、各単セル62のセル電圧を電圧センサ29によって検出し、所定の単セル62のセル電圧が閾値より低くなると、燃料電池スタック10から取り出す出力電流を小さくするようにしている。
【0048】
そして、前記各セパレータ16は、前記各メンブレン・エレクトロード・アッセンブリ61を挟んで配設され、前記セル電圧を出力するための集電部材として機能する。そのために、前記セパレータ16は、ステンレス、ニッケル合金、チタン合金等の金属から成る導電性を有する材料、すなわち、導電性材料によって形成された薄板に、プレス加工を施すことにより形成された第1、第2の薄板81、82を貼り合わせることによって形成され、図1及び6に示されるように、横長の矩形の形状を有する。そして、前記第1の薄板81には前記突起71及び溝72が形成され、前記第2の薄板82には前記突起73及び平坦部74が形成される。
【0049】
また、前記第1、第2の薄板81、82には、プレス加工が施されるのに伴って、左右の側縁の近傍に、第1、第2の穴として長穴83、84が形成され、各セパレータ16を積層することによって、前記長穴83が連通させられてマニホールド75になり、前記長穴84が連通させられてマニホールド76になる。さらに、前記第1、第2の薄板81、82には、プレス加工が施されるのに伴って、一方の端部、本実施の形態においては、長穴83が形成される側の端部に前記接続端子77が一体に形成され、該接続端子77に開孔78が形成される。なお、本実施の形態においては、第1、第2の薄板81、82の側縁の高さ方向における実質的に中央部分に前記接続端子77が形成される。
【0050】
前記第1、第2の薄板81、82は、前記突起71及び溝72を空気極11に向けて、かつ、突起73及び平坦部74を燃料極13に向けて、所定の接着剤によって貼り合わされ、セパレータ16の板厚は0.1〔mm〕程度にされる。
【0051】
なお、前記第1、第2の薄板81、82を貼り合わせることによって、第1、第2の薄板81、82間に隙(すき)間が形成されるが、該隙間を、前記空気供給路18に供給される空気及びインジェクタ41から噴射された水を一旦(いったん)取り込み、水を蒸発させて潜熱冷却を行うための冷却部の役割と水を通過させるための流路の役割とを有することができる。そして、該流路と前記空気供給路18との間に小径の穴が形成され、流路内の空気及び水は穴を介して空気供給路18に供給される。この場合、前記流路内及び空気供給路18内に空気及び水を十分な時間滞留させることができるので、燃料電池スタック10の潜熱冷却における冷却能力を高くすることができる。
【0052】
ところで、前述されたように、スタックユニット59は、モジュールユニット55を所定の組付荷重で締め付けることによって組み立てられ、それに伴って、各セパレータ16とメンブレン・エレクトロード・アッセンブリ61とが電気的に接続されるようになっている。そして、各単セル62に一様に、かつ、均一な面圧が加えられるが、メンブレン・エレクトロード・アッセンブリ61と各セパレータ16との間、及び前記第1、第2の薄板81、82間の接触抵抗が大きいと、各単セル62によって十分なセル電圧を発生させることができない。
【0053】
また、前記セパレータ16は、酸性の環境で、かつ、常に出力電流が流れる状態で使用されるので、前記導電性材料が腐蝕してしまう。
【0054】
そこで、前記第1、第2の薄板81、82は、プレス加工によって形成された後、貼り合わせられる前に、表面(表裏の両面)の所定の箇所に、表面処理、本実施の形態においては、メッキ処理が施され、厚さが0.01〔mm〕程度の表面処理層が形成される。本実施の形態においては、めっき材料として導電性が高く、耐蝕性が高い被覆材料、例えば、金が使用され、被覆される。
【0055】
ところで、前記第1、第2の薄板81、82に前記表面処理層を形成するに当たり、メッキ材料として、前記金のように高価なものが使用される場合には、各セパレータ16の単価が高くなり、燃料電池スタック10のコストが高くなってしまう。そこで、前記第1、第2の薄板81、82において、少なくとも前記接続端子77が形成される部分以外の領域、本実施の形態においては、接続端子77及び長穴83が形成される部分以外の領域AR1にメッキ処理が施され、少なくとも前記接続端子77が形成される部分、本実施の形態においては、接続端子77及び長穴83が形成される部分の領域AR2にはメッキ処理が施されないようにしている。そのために、図示されない支持機構によって前記接続端子77を把持した状態で第1、第2の薄板81、82を支持し、領域AR1だけをメッキ槽内のメッキ液に浸漬させる。
【0056】
このように、前記接続端子77の部分を、第1、第2の薄板81、82を支持するために使用することができるので、メッキ処理を容易に施すことができる。
【0057】
また、前記接続端子77がセパレータ16の側縁に形成され、セパレータ16の上縁又は下縁に形成されないので、セパレータ16の高さ方向の寸法を小さくすることができる。したがって、燃料電池スタック10の高さ方向の寸法を小さくし、燃料電池搭載車両を小型化することができる。そして、例えば、前記燃料電池スタック10を燃料電池搭載車両の床下に搭載することが容易になり、燃料電池スタック10の搭載性を向上させることができる。
【0058】
さらに、セパレータ16が金属製の第1、第2の薄板81、82によって形成されるので、セパレータ16を薄くすることができる。したがって、燃料電池スタック10を小型化することができる。
【0059】
また、セパレータ16が金属製の第1、第2の薄板81、82によって形成されるので、接続端子77、検出端子79に外力が加わっても、検出端子79がセパレータ16から外れたり、セパレータ16が破損したりすることがない。したがって、燃料電池スタック10の耐久性を向上させることができる。しかも、セパレータ16の端面に挿入穴を形成する必要がないので、セパレータ16を薄くすることができ、燃料電池スタック10を小型化することができる。
【0060】
また、接続端子77がセパレータ16と一体に形成され、前記接続端子77と検出端子79とが接続されるので、組付荷重によって各単セル62の厚さにばらつきが発生して、各セパレータ16が等間隔にならなくても、各セパレータ16と検出端子79との間にずれが発生することがない。したがって、正確なセル電圧を検出することができる。
【0061】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0062】
図8は本発明の第2の実施の形態における検出端子用のコネクタを示す斜視図、図9は本発明の第2の実施の形態における接続端子と検出端子とを接続した状態を示す図である。
【0063】
この場合、93は検出端子、94は該検出端子93の先端に取り付けられた雌型の接続子である。前記接続端子77(図1)を接続子94内に挿入した後、接続子94を変形させ、偏平にすることによって、接続端子77と検出端子93とを連結することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、セパレータにおいては、金属製の第1、第2の薄板を貼り合わせることによって形成されるようになっている。
そして、空気極側の面を形成する前記第1の薄板に、空気供給路を形成するための第1の凹凸が、燃料極側の面を形成する前記第2の薄板に、燃料供給路を形成するための第2の凹凸が形成され、前記第1、第2の薄板の外周縁の所定の箇所に、外方に向けて突出させて、前記第1、第2の薄板に被覆材料を被覆する際に前記第1、第2の薄板を保持するための接続端子が一体に形成され、該接続端子にリード線を通すための開孔が形成される。
【0065】
この場合、金属製の第1、第2の薄板を貼り合わせることによって形成されるので、セパレータを薄くすることができる。したがって、燃料電池スタックを小型化することができる。
【0066】
また、接続端子に外力が加わっても、セパレータが破損したりすることがない。したがって、燃料電池スタックの耐久性を向上させることができる。しかも、セパレータに挿入穴を形成する必要がないので、セパレータを薄くすることができ、燃料電池スタックを小型化することができる。
【0067】
また、接続端子がセパレータと一体に形成され、接続端子と検出端子とが接続されるので、組付荷重によって各単セルの厚さにばらつきが発生して、各セパレータが等間隔にならなくても、各セパレータと検出端子との間にずれが発生することがない。したがって、正確なセル電圧を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるセパレータの空気極側の面を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における車載燃料電池システムの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるスタックユニットの平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるスタックユニットの側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるモジュールの要部拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるセパレータの燃料極側の面を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における検出端子の接続状態を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における検出端子用のコネクタを示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における接続端子と検出端子とを接続した状態を示す図である。
【符号の説明】
11 空気極
13 燃料極
16 セパレータ
18 空気供給路
19 燃料供給路
71、73 突起
72 溝
74 平坦部
75、76 マニホールド
77 接続端子
81、82 第1、第2の薄板
83、84 長穴

Claims (6)

  1. 金属製の第1、第2の薄板を貼り合わせることによって形成されたセパレータにおいて、空気極側の面を形成する前記第1の薄板に、空気供給路を形成するための第1の凹凸、燃料極側の面を形成する前記第2の薄板に、燃料供給路を形成するための第2の凹凸が形成され、前記第1、第2の薄板の外周縁の所定の箇所に、外方に向けて突出させて、前記第1、第2の薄板に被覆材料を被覆する際に前記第1、第2の薄板を保持するための接続端子が一体に形成され、該接続端子にリード線を通すための開孔が形成されることを特徴とするセパレータ。
  2. 前記接続端子は、前記被覆材料を被覆する際に前記第1、第2の薄板の任意の領域だけをメッキ液に浸漬させることができるように、前記第1、第2の薄板の長手方向における一端側に形成される請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記第1、第2の薄板の表面に導電性及び耐食性が高い被覆材料が被覆される請求項1に記載のセパレータ。
  4. 前記被覆材料は、前記接続端子が形成される部分以外の領域に被覆される請求項3に記載のセパレータ。
  5. 前記第1、第2の薄板の長手方向における両端の近傍に、燃料ガスを供給するためのマニホールド、及びガスを排出するためのマニホールドを構成する穴が形成される請求項1に記載のセパレータ
  6. 記第1、第2の薄板間に、空気及び冷却用の水を通過させるための流路が形成される請求項に記載のセパレータ。
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