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JP4589530B2 - ワイヤの下の水重量擾乱センサ - Google Patents
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JP4589530B2 - ワイヤの下の水重量擾乱センサ - Google Patents

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、連続抄紙機プロセスでの擾乱(以下、擾乱は、抄紙機のウェットエンドでの水流の乱れを意味する。)監視に関し、特にウェットエンド測定による抄紙機のワイヤ上の擾乱を監視しているセンサーに関する。
【0002】
技術の現況
連続抄紙機による紙の製造では、ファブリックの水性懸濁液(紙料)から紙のウェブが形成される。紙料は、ヘッドボックスと呼ばれる分散ユニットから、移動する編まれたワイヤまたはファブリック(ワイヤ)上に分散され、水は重力およびファブリックを通じた真空吸引により切られる。このウェブは、次に、プレス部に移され、ここで乾燥したフェルトと圧力によってさらに多くの水が除去される。ウェブは次に乾燥部に入り、ここで蒸気加熱乾燥機が乾燥プロセスを完了させる。抄紙機は、基本的には、脱水、つまり水除去システムである。抄紙の技術では、機械方向(MD)という言葉は、製造過程で紙の移動方向を指すのに対して、交差方向(CD)とは、機械方向とは直角の、紙の幅方向を指す。さらに、一般的にいって、ヘッドボックス、ウェブ、および乾燥部の直前にある各部を含むシステムの各要素は、「ウェットエンド」と呼ばれる。「ドライエンド」とは、一般に、プレス部から下流の各部を含んでいる。製紙の各要素と各機械は、この技術分野ではよく知られており、『Handbook for Pulp & Paper Technologists』(第2版、G.A. Smook, 1992, Angus Wilde Publications, Inc.)および『Pulp and Paper Manufacture』(第3巻、Papermaking and Paperboard Making)(R. MacDonald, ed. 1970, McGraw Hill)などにその記述がある。
【0003】
シート形成(つまり、小規模ベーシスウェイト(basis weight:斤量、坪量)変化)は、最終的なシート製品の光学的特性および強度特性に大きな影響を及ぼす基本シート特性である。シート形成は、平均フロック(つまり、粒子の群隗)のサイズまたは密度が低下すると向上する。紙料アプローチシステム(つまり、紙料を流すヘッドボックスの前の各要素)およびヘッドボックスは、均一かつ最大に分散された紙料を流す上で重要な要素である。しかし、これは、通常、良好に成形されたシートを生産するのに十分ではない。特に、さらに必要とされるものは、非均一な紙料粒子の凝集を最小化する解膠である。解膠または分散は、成形ワイヤの下で各要素を擾乱誘導したり、ファブリック(例:ダンディーロールまたはトップフォーマ)の上で各要素をせん断誘導したり、あるじはワイヤを揺するなど、いくつかの方法で生成できる。さらに、抄紙機での誘導される擾乱は、粒子の方向に影響を与え、またそれによってシート強度も決定される。
【0004】
この製紙技術では、シートの特性(シートの強度、厚さ、および重量など)が連続的に監視され、抄紙機は、シートの品質を保証し、不合格となる最終製品の料を最小にするよう制御および調節される。この制御は、製造プロセス内の各段階で、シートのベーシスウェイト、水分、キャリパー(つまり、厚さ)などのシート特性を測定し、そしてこの情報を使って抄紙機内の各要素を調節して抄紙プロセスへの各変動を補償することにより実行される。
【0005】
一般的に、走査センサーは、抄紙機のドライエンドで最終シートのベーシスウェイト測定を実行するのに使用される。走査センサーは、この分野では公知であり、米国特許No. 5,094,535、4,879,471、5,315,124、および5,432,353などにその記述がある。このスキャナから取得されたベーシスウェイト測定値は、抄紙機内の各要素を制御して、ベーシスウェイト、そして紙品質を調節するのに使用される。
【0006】
現在まで、オンライン紙品質の監視に使用されてこなかった一つの特性は、ワイヤ擾乱である。これは、実験環境の中で、解膠に対するその影響を決定し、また最適な擾乱プロファイルを決定するために評価されてきた。特に、B.A. ThorpとR.A. Reeseが著した「Turbulence Approach to Optimizing Fourdrinier Performance」(Tappi Journal, March 1985, pp: 70-73) という記事の中で、擾乱は、単位面積当たりのピーク数に基づくスケールによって、そしてまたピークの高さに基づく強度によって評価されている。これらの特性(つまり、スケールと強度)は、完全に視覚的属性に基づくものであるため、これらの特性の測定は、紙料の動きを「止めて」観察できるようにする装置を使用して実行される。そのため、この場合においては、擾乱は、高輝度ストロボとストロボ付きインスタントカメラを使用して評価される。撮影した写真は、訓練された個人が評価し、単位面積当たりのピーク数をカウントし、ピーク高さを評価しなければならない。想像される通り、この方法による擾乱測定は、すぐに入手することはできず、生産環境内で使用可能な適切なオンライン情報にはならない。望ましいことは、オンライン擾乱測定を取得して、生産環境内での製紙システムを最適化することである。
【0007】
発明の開示
本発明は、抄紙機のウェットエンドでの水流擾乱変化を測定し、システム内の各要素にオンライン制御を提供して、最適な擾乱プロファイルの確立により最終シート製品の形成と強度を改善するするシステムおよび方法である。抄紙機は、同時複数点ウェットエンド、抄紙機の機械方向(MD)および交差方向(CD)のいずれかもしくは両方での水重量測定を行う非走査センサー付きで設計される。これらの水重量測定値は、擾乱測定値または擾乱プロファイルに変換される。擾乱測定値またはプロファイルは、抄紙機内の各擾乱調整要素を調節して、シート品質を高めるのに使用される。非走査センサーは、独立したMDおよびCD水重量測定値を取得し、それによって、機械方向と交差方向の擾乱を独立して監視および調整することができる。
【0008】
擾乱測定は、水重量測定値を擾乱強度に関連付けることにより決定される。各センサーからの累積水重量測定読取り値は、各間隔が一つの水重量範囲に対応する複数の事前に決められた強度間隔へと分類される。強度間隔は低強度から高強度まであり、低い範囲強度は、低い水重量測定値と相関し、高い範囲強度は高い水重量測定値と相関している。擾乱測定を取得するために、間隔当たりの読取り値の数が評価される。一つの実施態様では、各センサーが取った、予め決められた数の水重量測定値が10の強度間隔に分けられ、各間隔は特定範囲の測定水重量に相関している。さらにもうひとつの実施態様では、単一擾乱値は、間隔に重み値を付け、全間隔を追加して単一値を取得することによって得られる。
【0009】
一つの実施態様では、複数のセンサーから提供される擾乱測定値を処理して、オンライン擾乱プロファイルを取得する。特に、CD、MD、またはアレー構成のセンサーからの擾乱測定値から、擾乱のCD、MD、あるいは三次元プロファイルが生成される。前に決定された最適化目標擾乱プロファイルは、測定されたオンラインプロファイルに比較され、システム操作変数を制御するためのフィードバック信号として使用されるエラー信号を得る。
【0010】
特定の実施態様では、ワイヤの各側に沿って、また真中に沿って一列のセンサーが配置され、水重量測定値を得て、擾乱測定値を生成する。ひとつの実施態様では、ウェットエンドのセンサーが、システムのウェットエンドの水性紙料の導電性の変化に敏感なアンダーワイヤ水重量(UW3)センサーである。
【0011】
測定システムの実施態様では、水重量測定値が擾乱センサープロセッサに提供されて、擾乱測定値が生成される。この擾乱測定値は少なくとも1台のコントローラに提供され、このコントローラは、それに呼応して、擾乱調整抄紙機各要素の運転変数を調節するためのオンライン制御信号を提供する。ひとつの実施態様では、オンライン制御信号により調整できる運転変数としては、ヘッドボックス圧力、ヘッドボックスフロー、ヘッドボックス希釈、ヘッドボックスエアパッド、およびジェットからワイヤへの比、スライス形状、スライスリップ「スティックダウン」、機械速度、成形板位置、ワイヤシェーク量、ならびにフォイルもしくは真空ボックスなどの水抜き真空要素の真空効果と位置、などがある。
【0012】
好適な実施形態の詳細な説明
本発明は、オンライン擾乱測定を取得し、抄紙機内の擾乱調整各要素のオンライン制御を提供して良好なシート形成を維持するためのシステムと方法である。
【0013】
図1は、ウェット紙料のソース各要素10、ウェブまたはワイヤ12、成形板13、カレンダースタック14、乾燥部15、およびリール16などの処理段階を含む、連続シートを生産するための抄紙機を示している。ヘッドボックス11の中のアクチュエータ(示されていない)は、ウェット紙料(パルプスラリーなど)を、スライスと呼ばれる複数の開口部から、支持ワイヤ12の上に排出し、またはこのワイヤはローラ17と18の間で回転する。紙料がスライスから排出される速度は、スライスジェット速度と呼ばれる。このスライスは、希望の紙料流量を出せるよう完全調整式になっている。スライスの形状と開口状態がスライスジェットの厚さを決定し、ヘッドボックス圧力が速度を決定する。フォイル19と真空ボックス20は、ワイヤ上のウェット紙料から一般に「ホワイトウォータ」と呼ばれる水を除去して、リサイクル用のワイヤピット(示されていない)の中へ入れる。ドライエンドBW測定は、走査センサー21またはUW3センサー(上記に説明)を使って実行できる。走査センサー21は連続的に完成シート(例:紙)を連続的に横断し特性を測定することで、シート完成品の品質を監視する。複数の固定センサーも使用できる。この分野では走査センサーが公知であり、本文書に組み入れた、米国特許5,094,535、4,879,471、5,315,124、および5,432,353にその記述がある。完成シートはリール16に巻かれる。
【0014】
複数のセンサー23は、抄紙機のウェットエンドでMDとCDのいずれか一方または両方の機械方向に、独立して多点同時ウェットエンド水重量測定を行うことができる。これらの複数のセンサーは、抄紙機の進行方向にワイヤ上を移動するウェット紙料懸濁液の物理特性の変化を検出する。検出された物理特性の変化は、センサー23によって水重量測定値24に変換され、それが水重量擾乱センサープロセッサ25によって擾乱強さのレベルの各間隔に相関される。擾乱測定信号25Aは次に機械要素コントローラ26に提供される。コントローラ26は制御信号(CD26C、MD26C、MD26D、MD26E、MD26A、CD26A、およびMD268など)を生成して、事前に決められた目標擾乱情報27によって、抄紙機内の擾乱に影響を与える機械各要素の運転変数を制御する。
【0015】
ロール17と18の間のワイヤ12からの、図1に示すセンサーの位置は特定の配置を示していないこと注意する。これらのセンサーは、ウェット紙料が水のすべてまたは大半がウェット紙料のファイバーによって保持されるなどの状態にある場所であれば、どこでもワイヤに沿って配置できる。センサーは、センサーセルのアレイの中に、あるいは交差または機械方向のいずれかの方向に個々に配置できる。たとえば、センサーセルは、本書でさらに記述されるCDアレイの中で構成できる。この場合、アレイ内の各センサーセルは、ウェット紙料を支持するワイヤ部の下に交差方向に配置される。ひとつの実施形態では、一列の個々の機械方向(MD)センサーが当該アレイの各側に沿って、またアレイの中間に沿って配置される。各場所での複数の水重量測定値で構成されるプロファイルが、擾乱プロファイルを決定するために作成および利用される。
【0016】
「水重量」という用語は、ワイヤ上のウェット紙料の単位面積当たりの水の質量または重量を指す。一般的に、センサーは、ワイヤの下に配置されて、平方メートル当たりのグラム数(gsm)のエンジニアリングユニットを提供するよう較正される。近似値として、10,000gsmという読取り値は、ファブリック上の厚さ1cmの紙料に相当する。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、擾乱センサープロセッサ25は、所与の測定期間中に各センサーの水重量測定読取り値を累積することにより、水重量測定値を相関させて擾乱測定値を導く。たとえば、機械方向にワイヤの側面に添って3個のセンサーが存在する場合、各々は擾乱センサープロセッサ25に多くの水重量読取り値を提供する。しかし、アンダーワイヤ水重量(UW3)センサーが(本書記載通りに)使用される実施形態では1秒当たり1000の測定読取り値があるが、読取り値の数は、他の実施形態では1秒当たり1000前後である。強度の擾乱範囲(または間隔)は、水重量範囲によって決められる。たとえば、擾乱強度の10間隔は、各範囲が1つの水重量範囲に対応するように決められる。強度間隔は、最も重い水重量範囲に対応する最高強度間隔から、最も軽い水重量範囲に対応する最低強度間隔まで多岐にわたる。あらかじめ決められた数の水重量測定読取り値(この例では1000)が、各強度読取り値に分類される。たとえば、あらかじめ決められた数の読取り値が1000である場合は、1000の測定値の各々がその重量に従って1つの強度レベル間隔に分類される。表1は、擾乱強度間隔/重量範囲に従って分類された水重量測定読取り値を示している。
【0018】
【表1】
Figure 0004589530
【0019】
表1に示されている通り、各間隔は、対応する数の測定読取り値(カウントまたはスケールとも呼ばれる)を有する。たとえば、間隔1(最低強度レベル)のカウントは、測定読取り値50個である。間隔1は、Wt0からWt1の範囲にある重量に対応している。表1に示す擾乱曲線は、1000個の測定読取り値を得た測定期間中における、当該センサー箇所での擾乱プロファイルを表している。
【0020】
1つの実施形態では、全間隔の全重量範囲が、総測定読取り値数の正規化平均(例:30)、最大重量測定読取り値、最小重量測定読取り値、および所与のセンサーからみた擾乱の量に基づいていることに注意する必要がある。その結果、範囲はセンサーごとに異なる場合がある。たとえば、ヘッドボックスにより近い場所で、そして特に成形板の近くで測定される擾乱(そして水重量)の量は、ワイヤ端でみられる擾乱より大きいのが普通である。そのため、ヘッドボックスの近くに配置されたセンサーは、さらにドライエンドの方向にワイヤに沿って配置されているセンサーよりもその重量はかなり大きい。その結果、ひとつの実施形態では、各センサーの重量範囲は、当該ワイヤに沿ってその位置に従って設定され、平均重量は、所与の測定期間中に測定される。
【0021】
所与のセンサー用の全重量範囲を決定する1つのやり方は、まず所与のセンサーで測定された平均重量を決定することである。たとえば、所与のセンサーは、測定期間中に、所与の平均重量をもつ読取り値を1000個取ることができる。平均重量を決定した後に、最大重量(例:表1の10番目の間隔重量)および最小重量(表1の1番目の間隔重量)が選択される。ひとつの実施形態では、全重量範囲の選択済み最小重量は自由に取ることができるが、全重量範囲の選択済み最大重量は測定された最大重量に対応している。中間間隔重量(例:表1の5番目の間隔重量)は、全読取り値(例:1000個の読取り値)の決定済み平均重量に対応している。全範囲は、各測定期間に合わせて常に調整できるが、一般に、所与のセンサーは、抄紙機内の他のパラメータが調整されない場合には、その場所によって、所与の範囲を維持するのが普通である。
【0022】
図1に示す擾乱制御システムを使用する抄紙機の一実施態様において、ワイヤ12は分速2000フィート(約秒速33フィート)で移動し、毎秒1000回の測定が読み取られる。各1000回の測定読取り値に対して、シートの4インチがセンサ上を通過し、続いて10マイクロ秒ごとに読み取られる各測定に対して、シートの0.4インチがセンサ上を通過する。10マイクロ秒の間に測定されたシートの部分は、ワイヤの下に存在する読取を行うセンサの形状に対応する。
【0023】
一度分類されると、擾乱測定信号25Aを出すために各強度レベルの間隔は擾乱センサプロセッサ25によって求められる。表1はデータの分類方法を示していることを理解されたい。しかしながら、この表は水重量測定を擾乱測定読取と相関させるために作成される必要がないこともさらに理解されたい。
【0024】
擾乱測定信号25Aは、相関する擾乱強度レベル読取り値が評価され、擾乱センサプロセッサ25により処理される方法に依存した擾乱情報の様々な形態を表している。例えば、一実施態様において、各センサから測定時間に対して信号25Aは擾乱曲線(表1を参照)を形成する。次いでこの情報はコントロールCDおよびMD制御信号を生じるためにコントローラ26によって処理される。
【0025】
別の実施形態においては、擾乱測定読取り値は、表1に示されるように、各センサが一組の擾乱測定読取を同時に得る測定時間中に一列のMDセンサによって得られる。測定時間中に各センサから読み取られた測定は、その時間中にセンサにおける擾乱強度レベルを示す単一擾乱強度の値を出すために処理される。次いでMDセンサからの単一擾乱強度値を収集して、この間のMD擾乱プロファイルを生じる。強度値を得るための測定時間中に収集された単一のセンサからの擾乱測定読取り値を処理する一方法は、表1に示されるある強度間隔の付加量を増量し、次いで以下の式に示されるように単一値を得るために総量を加える。
I=W1(I1count)+W2(I2count)+W3(I3count)…+W10(I10count)
式中、I1count...I10countは各強度間隔に入る読取り値の数を示し、W1...W10は各強度間隔の重み係数を示す。最も一般的な擾乱が起きる間隔に対しては、重み係数は高い。したがって、さほど重要でもなく滅多に起こることもない極度に高いまたは低い擾乱強度間隔の読取り値の重み係数は低い。次いでこの測定時間中に得られた単一値はMD方向のプロファイルを生じるために使用される。
【0026】
単一擾乱値を決定する別の方法は、測定時間内に各センサから得られる水重量の測定の二乗平均(RMS)を決定し、平均の水重量値を得、重さに従ってその値を強度範囲に相関させることである。
【0027】
ワイヤの両側に1列ずつあり、ワイヤの中央に1列ある、MD方向に3列のセンサを含む一実施形態は、3次元の擾乱プロファイルを得ることができる。最後に、CD擾乱プロファイルを得るために、センサの列はCD方向にワイヤを横切って配置してもよい。
【0028】
別の実施態様においては、センサは、各センサ位置にセンサセルの小さなアレイとして表される(例えば、図1のセンサ位置23)。例えば、本実施形態による図1のセンサ23は、センサセルの小さなアレイを備える。
【0029】
様々なプロファイル(例えば、MD、CD)を得る利点は、その各々が異なる擾乱条件を有することである。例えば、一般的に、最適なMD擾乱プロファイルは、ピークに達するワイヤの始点において最初により高い擾乱を有し、その後、ワイヤの末端に近づくにつれて減少する。図2は、B.A. ThorpとR.A. Reeseが著した「Turbulence Approach to Optimizing Fourdrinier Performance」(Tappi Journal, 1985年3月、第70〜73頁)において詳細に説明されている様々な最適なMD擾乱プロファイル実施形態を示す。最適なCD擾乱プロファイルは、これとは対照的にシートに均一に横切っている。
【0030】
図1は、測定された擾乱信号25Aと目標擾乱情報27に応じて、抄紙機要素コントローラ26によって生成された制御信号CD26A,MD26A,MD26B,CD26C,MD26C,MD26D,MD26Eを示している。図2は、目標擾乱情報27のために使用され得る最適プロファイルの実施形態を示す。図示の通り、擾乱プロファイルは、異なったシステムタイプ、シート重量、操作条件等に対して最適化される。他の擾乱プロファイルは図2に示されたものの他にも開発されうることに注目すべきである。目標情報27はプロファイルの代わりに単一擾乱測定値として具体化されうることも理解されるべきである。目標擾乱プロファイルもしくは測定擾乱値(すなわち、目標擾乱情報27)および実際の測定擾乱プロファイルもしくは測定値(すなわち、擾乱信号25A)を使用する際に、エラー信号が、制御信号MD26A−EおよびCD26AおよびCに変換されるコントローラ26によって判定される。図1に示されたMDおよびCD制御信号は、ある場合には、コントローラ26によって与えられた1つよりも多い制御信号を表している。例えば、制御信号CD26Aは、ヘッドボックスを制御するためのすべての交差方向の制御信号を表している。したがって、それは図1には単一信号として示されているが、実際には、CD26Aは交差方向における擾乱を制御するヘッドボックスへのすべての制御信号を表わす。
【0031】
制御装置26によって擾乱の調整を制御されるいくつかの抄紙機要素は、ヘッドボックス、成形板、ワイヤ、および排水真空要素を含む。これらの要素の各々は、抄紙機で発生された擾乱を制御するように調整され得る操作変数を有する。
【0032】
擾乱を調整するために制御されるヘッドボックスの操作変数は、ヘッドボックス希釈、ヘッドボックス圧力、ヘッドボックス・フロー、ヘッドボックス空気パッド、およびジェット対ワイヤ比を含む。
【0033】
ヘッドボックス紙料希釈は、ヘッドボックスのスライス開口を上にしたり、下にすることによって変えられる。ウェット紙料材料追加率はヘッドボックスに送り込むベーシスウェイトバルブ(示されていない)によってだけ通常は制御されるので、スライス開口の変化がワイヤ・ピットから循環するホワイトウォータの量に主に影響を及ぼす。多くのホワイトウォータを追加することによって擾乱が増加する。したがって、スライス開口の調整は擾乱を調整する一つの方法である。CDヘッドボックス擾乱制御信号CD26Aはヘッドボックススライスに与えられて交差方向(CD)擾乱に影響を及ぼす。この場合に、制御信号はCD擾乱を制御するために複数のスライスの各々を個別に調整する複数の制御信号を表わす。一実施形態において、複数のヘッドボックススライスは、スライス開口サイズを調整し、それによって各スライスセグメント従ってCD擾乱に対するCD方向におけるウェット紙料の希釈を個別に調整する制御信号の各々によって制御される関連アクチュエーターをそれぞれ有する。CD擾乱は装置のCDを横断して一定となるように調整される。
【0034】
同じような方法で、MD擾乱制御信号MD26Aが総スライス開口調整を制御して擾乱を調整する。換言すれば、MD制御信号は、MD擾乱を調整するためにすべてのスライスを同じ量だけ開閉するようにスライス開口アクチュエーターのすべてに結合される。
【0035】
同様に、ヘッドボックス・スライスの形状が擾乱に影響を及ぼす。特に、各スライスはトップリップおよびエプロン(ボトムリップ)を有する。図8A〜8Cは様々なスライスのデザインを示す。トップリップは上下に調整可能であり寸法b(すなわち、垂直のリップとエプロンの端の間のスライス開口)を決定し、エプロンは水平方向に調整可能であり寸法L(すなわち、内側の表面を超えたエプロンの突出)を決定する。スライスのL/b比(スライス形状とも称される)がワイヤにおける紙料の入射角度に影響を及ぼし、したがって擾乱に影響を及ぼす。したがって、擾乱は、制御信号CD26Aを使用してスライス形状のすべてまたは個別に調整することによって調整され得る。
【0036】
擾乱に影響を及ぼす別の方法は、上部スライス・リップの「スティックダウン」を調整することである。図9を参照すると、「スティックダウン」は、トップリップの端がヘッドボックスの壁を超えてどこまで延びるかに対応する。「ステックダウン」は、せん断力を生ずる擾乱を与えるバックウオッシュ(逆渦流)を起こす効果がある。したがって、制御信号CD26Aでもって個別またはすべてのスライスを上下に調整することは、擾乱を調整するために使用され得る。
【0037】
別の実施形態において、MD制御信号は、成形プロセス中にワイヤから抜かれた再利用水でウェット紙料を希釈することによってヘッドボックス全希釈フローを制御するために使用されて、それによって擾乱に影響を及ぼす。この場合に、MD制御信号MD26Aは、ヘッドボックス内でウェット紙料を希釈するために使用されるワイヤの下のワイヤ・ピットから送られるホワイトウォータの量を決定するホワイトウォータ取水バルブを制御する。
【0038】
ジェットのワイヤ(網)に対する比(ジェット−ツウ−ワイヤ・レシオ、ジェット対ワイヤ比)は、ジェットがワイヤにぶつかる力を決定するので、やはり擾乱に影響する。ジェットのワイヤに対する比は、ワイヤの速度またはジェットの速度の変更によって調節できる。
【0039】
ワイヤ速度は、ワイヤの移動の始端および終端にある大径ロール(17,18)の速度を変更することによって、典型的には調節される。第1図に示される実施形態の制御システムでは、MD(機械方向)制御信号MD26Bが、ロール(17及び又は18)駆動用の電気機械的制御システムに対して与えられて制御が行われ、駆動速度の調節がされ、もって、ジェットのワイヤに対する比が調節される。
【0040】
ジェットの速度は、実際的には測定されず、ヘッドボックスの圧力から推測される。従って、ジェット速度は、ヘッドボックスの圧力を変動させることによって調節される。ヘッドボックス圧は、従ってジェット速度は、ヘッドボックスのタイプに依存して調節される。特に、開放型(非加圧)のヘッドボックスでは、ボックス内の紙料(紙料)の高さ(深さ)によって、圧力が、従ってジェット速度が決定される。それ故、開放型(非加圧)ヘッドボックスにおいては、制御信号MD26Aでもって、ウエット・紙料の取り入れバルブを制御することによって、ウエットな紙料のヘッドボックス内でのレベルを調節できる。
【0041】
加圧型のヘッドボックスは、開放型ヘッドボックスとは異なった方法で調節される。加圧型ヘッドボックスには、液圧タイプと空気緩衝タイプを含む少なくとも2つのタイプがある。液圧タイプの加圧型ヘッドボックスでは、圧力は給送ポンプの圧力に直接的に依存するので、ヘッドボックス圧(および擾乱)は、給送ポンプ圧の変更によって調節される。従って、液圧タイプの加圧型ヘッドボックスにおいて圧力を調節するためには、MD制御信号MD26Aによって給送ポンプ速度を調節し、給送ポンプ速度の調節によって給送ポンプの給送圧力が変化させられる。
【0042】
一方、空気緩衝タイプの加圧型ヘッドボックスでは、圧力は、給送ポンプ圧に依存するとともに、閉じたヘッドボックス内における紙料の上方のスペースの空気(「空気パッド」と称する)に依存する。「空気パッド」は、レギュレータ・バルブを開くことによってより多くの空気を導入するか、または、紙料のレベルを高めることによって調節される。従って、擾乱は、制御信号MD26Aをレギュレータ・バルブに与えて空気パッドの調節をするか、制御信号MD26Aでベーシス・ウエイト・バルブ(basis weight valve)を制御して紙料のレベルの調節をするか、制御信号MD26Aで給送ポンプ速度を調節するかによって、調節することができる。
【0043】
抄紙機における形成板(フォーミング・ボード)は、ジェットのワイヤに対しての衝突における初期衝撃に耐えさせるよう機能する。形成板は、ワイヤに対する角度に依存して生じる初期の水切りの量(ドレイン量)をも決定する。一般に、水切り量が少なければ、ウエットな紙料(ウエット紙料)はより希釈された(液体が多い)状態になり、液体分が多ければ擾乱が増加してしまう。一方、水切り量が多ければ、擾乱は少なくなる。本発明の一実施形態における制御装置では、擾乱制御信号MD26CおよびCD26Cが用いられて形成板の角度が調節され、もって、水切り量と擾乱とが調節される。本発明の実施形態では、形成板に機械的に取り付けられた液圧リフターが制御信号MD26CおよびCD26Cによって制御されて、形成板の角度が調節される。MD(機械方向)における角度が調節されて、ワイヤに対しての形成板の全体的な角度の調節ができるようにされる。CD(直交方向)における角度も制御信号CD26Cで調節できる。例えば、形成板の一方の辺を、他方の辺よりも高い位置に置くことができる。
【0044】
ワイヤの下方にある真空ボックスは、真空の程度の増減によって、擾乱の制御のためにより多いか少ない液体を除去するようにできる。それ故、第1図に示される制御システムの他の実施形態では、制御信号MD26Dは真空ボックスの真空の程度(真空度)を制御して擾乱制御を行う。
【0045】
擾乱の調整のためにフォイルも調節できる。特に、フォイルのワイヤに対する角度を、より多いか少ない擾乱を生じさせるように制御できる。加えて、フォイルは、ワイヤの下に真空を生成する機能をも有する。その結果、フォイルの角度の調節によって、生成される真空の程度を増減させて水切り量が増減させられ、擾乱の低下・増加がさせられる。図1に示される制御システムの他の実施形態では、制御信号MD26Eはフォイル角度を調節して擾乱の調節を行う。
【0046】
抄紙機の速度の増減は、擾乱に影響を与える。抄紙機の速度は、ジェット速度とワイヤ速度の双方を次のように増減させることによって、すなわち、ジェットのワイヤに対する比(ジェット−ツウ−ワイヤ・レシオ)を維持しつつ、抄紙機の全体速度が増減させられるように、ジェット速度とワイヤ速度を増減させることによって調節できる。この場合には、(ワイヤ速度調節用の)制御信号MD26Bと、(ジェット速度調節用の)制御信号MD26Aを用いて、擾乱の調節が行われる。上述の如く、ジェット速度はヘッドボックスの圧力の調節によって間接的に調節され、ワイヤ速度は、ロール17及び/又は18の駆動用の電気機械制御装置によって制御される。
【0047】
擾乱は、抄紙機のワイヤの振動(揺すること)によっても生じさせられる。それ故、本発明の他の実施形態では、制御信号MD26Bが用いられて、どの程度ワイヤを揺するかを制御して、所望の擾乱量が求められる。
【0048】
ワイヤの下の水重量(UW 3 Under Wire Water Weight) センサ
このセンサは最も広い意味で、図3Aに示されるようなブロック図で示すことができる。図3Aでは、固定インピーダンス素子(Zfixed)と可変インピーダンス素子(Zsensor)とが直列に結合されて、入力信号(Vin)と接地との間に設けられている。固定インピーダンス素子は、抵抗器,インダクタ(誘導器),キャパシタ(容量)、または、それらの組合わせとすることができる。固定インピーダンス素子とインピーダンス(Zsensor)とは、分圧器を構成し、インピーダンス(Zsensor)の変化がVoutの電圧変化となって表れる。図3Aのインピーダンス・ブロック(Zsensor)は、2つの電極と、それらの間に存在した物質とを示すものである。インピーダンス・ブロック(Zsensor)は、図3Bの等価回路で表される。図3Bにおいて、Rmは2つの電極間の物質の抵抗を示し、Cmは電極間の物質のキャパシタンスである。センサは、米国特許出願第08/766,864号(1996年12月13日出願)に開示されており、参照によりこの明細書に含まれるものとする。
【0049】
上に述べたように、ウエットエンドでのBW測定値は、1以上のUW3 センサによって得ることができる。さらに、2以上のセンサが用いられるときには、それらのセンサは、好ましくは、センサ・セルのアレイに構成される。もっとも、アレイが抄紙機への取付けに適合しないような場合には、単一のセンサ・セルを使用する。
【0050】
センサは、検出対象物質の物理的性質を3つ、つまり、導電度若しくは抵抗、誘電率、物質からセンサまでの近接度を感知する。物質によって、これらの特性の1つ或いは2つが優勢となる。物質のキャパシタンスは、電極形状,誘電率,センサへの接近度に依存する。純粋な誘電物質に対しては、それらの電極間で無限であり(例えばRm=4)、センサは物質の誘電率を測定する。高度に導電性の物質では、物質の抵抗は、キャパシティブ・インピーダンスより大幅に小さく(すなわち、Rm*Zcm)、 センサは物質の導電度を測定する。
【0051】
センサの具体化のために、信号Vinが図3Aに示される分圧器に結合され、可変インピーダンス素子(Zsensor)における変化が測定されてVoutに表れる。この構成によれば、センサ・インピーダンス(Zsensor)は、 Zsensor=Zfixed*Vout/(Vin−Vout) (式1)Zセンサのインピーダンスにおける変化は、物質の重量,温度,化学組成のような物質の物理特性に関連を持つ。Zsensorが、Zfixedと同じか又はZfixedのレンジ内にあるときに、最適なセンサ感度が得られることに留意されたい。
【0052】
セルアレイ
図4は、セルアレイ24,信号発生器25,検出器26及び任意のフィードバック回路27を含むセンサ装置の一構成例を示すブロック図である。セルアレイ24は、延在しかつ接地された2つの電極24Aと24Bと、電極24Aと24Bの間に離間して配置された中央電極24Cを有し、中央電極24Cはサブ電極24D(1)−24D(n)からなっている。アレイ24において、セルとは、接地された電極24Aと24Bのそれぞれの一部分の間に位置するサブ電極24Dの一つを含むものと定義される。例えば、セル2は、サブ電極24D(2) 及び接地された電極の一部分24A(2) と24B(2) とを含む。図1,図2に示すようなシステムにおいて使用する際には、セルアレイ24は、支持ワイヤ12の下にこれと接触して設置されて、所望する情報のタイプに応じて機械方向(MD)又は交差方向(CD)に平行に位置取りすることができる。このセンサ装置を用いて紙料混合物の導電率を計測することによってその重さを決定するには、紙料は全ての又はほとんどの水が繊維によって保持されている状態になければならない。この状態において、紙料の水重量は繊維の重さと直接関係し、水重量の導電率を計測しこれを用いて紙料内の繊維の重さを決定することができる。
【0053】
各セルは、インピーダンス要素Zfixed を介して信号発生器25からの入力電圧(Vin)と個別に接続され、それぞれバス上の電圧検出器26へ出力電圧Vout を供給する。信号発生器25はVinを供給する。ひとつの実施の形態においては、Vinはアナログ波形信号であるが、他の信号タイプ、例えば直流信号を用いることもできる。信号発生器25が波形信号を供給する実施の形態においては、様々な方法で実現することができ、通常は正弦波信号を生成するための水晶発振器と信号安定のための位相ロックとを含む。直流(DC)信号とは対照的に、交流(AC)信号を用いた際の利点は、AC接続し直流オフセットを取り除けることである。
【0054】
検出器26は、サブ電極24Dの各々からの電圧におけるばらつきを検出する回路と、電圧変化を水を含む混合物の物理的特性に関係する有用な情報に変換する変換回路とを含む。任意のフィードバック回路27は、センサアレイにおける1つのセルのように同様に構成された3つの電極を有する参照セルを有する。参照セルは、アレイによって計測したい水混合物の物理的特性を除き、水混合物の欲しない物理的特性の変化に反応するように機能する。例えば、センサが水重量の変化による電圧の変化を検出しているとすると、参照セルは一定の水重量を計測するように構成されている。その結果、参照セルが示すいかなる電圧/導電率の変化も、水混合物の物理的特性の変化のうち重量変化以外のもの(例えば温度や化学物質)に基づくものである。フィードバック回路は、参照セルによって生成された電圧変化を用いてフィードバック信号(Vfeedback)を生成し、(さらに詳細については後述するように)これらの欲しない水混合物の特性変化に対しVinを補償かつ調整する。参照セルによってもたらされる水重量に関係しない水混合物の導電性情報は抄紙プロセスにおける有用なデータともなり得る。
【0055】
センサ24の各セルは、個別のセル(1〜n)のそれぞれが機械又は横断方向のUW3 センサのそれぞれに対応するように、図1及び図2のシステム中において容易に用いることができる。各サブ電極(24D(n)) の長さは各セルの分解能を決定する。通常は1インチ(約2.5cm)から6インチ(約15cm)である。
【0056】
センサセルはワイヤの下であって、望ましくはウェットラインの上流に配置される。ここでウェットラインは、長ワイヤ抄紙機においては、通常は紙料の上に光沢のある水の層がもはや存在しないポイントに対応する、目に見える境界線である
【0057】
アレイを構築する方法は、アレイの部品の支持として、ハイドロフォイルアセンブリからのハイドロフォイル又はフォイルを使用する。好適な実施形態においては、接地された電極と中央電極はそれぞれ、フォイルの表面と接触する表面を持つ。
【0058】
図5Aは、センサセルアレイ24(セル1〜nを含む)と水混合物(すなわち紙料)の導電性の変化を計測するように機能する際の動作を電気的に表現したものである。図示されたように、各セルは、本実施の形態においては抵抗要素Ro であるインピーダンス要素を介して信号発生器25からのVinに接続されている。セルnを参照すると、抵抗Ro は中央電極24D(n) に接続されている。外側の電極部分24A(n) と24B(n) は共に接地されている。また、図5Aには、各外側電極と中央電極との間の水混合物のコンダクタンスを表す抵抗Rs1とRs2が示されている。外側電極は本質的に中央電極から等距離に設計されており、したがって、各外側電極と中央電極との間のコンダクタンスは本質的に等しい(Rs1=Rs2=Rs)。 その結果、Rs1とRs2は、Rsの半分(すなわちRs/2) の実効コンダクタンスを有する平行抵抗枝を形成する。それはまた、抵抗Ro, Rs1及びRs2はVinと接地の間で分圧ネットワークを形成すると見ることもできる。また、図5Bは、電極24A(n),24B(n),24D(n) が水混合物に浸されたワイヤの下に直接設置された抄紙機に関し、セル電極の形態の一つの構成の断面を示している。
【0059】
センサ装置は、水混合物の抵抗Rs と水混合物の重さ/量が反比例するというコンセプトに基づいている。したがって、重量が増大/減少するにつれて、Rs は減少/増大する。Rs の変化は、電圧Voutに対応する変動を引き起こし、これはRo,Rs1及びRs2を含む分圧ネットワークによって読み取られる。
【0060】
各セルからの電圧Vout は検出器26に接続される。したがって、水混合物の抵抗の変化に直接比例する電圧の変化は、検出器26によって検出され、これによって上記各セルの近傍における水混合物の重さと量に関係する情報を提供する。検出器26は各セルの出力信号を増幅する手段を含んでも良く、アナログ信号の場合は、アナログ信号をDC信号に変換するためにその信号を整流する手段を含む。電気的なノイズの多い環境に適合した一つの構成例においては、整流器は、Vinによって制御された位相ロックループ(PLL)を有するスイッチ整流器である。その結果として、整流器は入力信号と同じ周波数を持った信号を除く全ての信号成分を受け付けず、よって相当良いフィルタにかけられたDC信号を供給する。また、通常検出器26は、セルの出力信号を水混合物の重さなどの特定の性質を表す情報に変換するための他の回路を有している。
【0061】
図5Aはまた、参照セル28とフィードバック信号発生器29を含むフィードバック回路27を示している。フィードバック回路27のコンセプトは、システムによって感知されるべき水混合物の物理的特性を除く他の物理的特性の変化によって影響されるように、参照セルを分離することである。例えば、もし水重量を検出したいならば、水重量は一定に保たれ、参照セルによって生成される電圧変化が水重量変化以外の物理的特性による。ひとつの実施の形態においては、参照セル28は、セルアレイ24が浸される水と同じ化学的、温度的特性を有する循環水の水混合物中に浸される。したがって、アレイ24が経験する導電性に影響するいかなる化学的又は温度的変化もまた参照セル28によって検出される。さらに、参照セル28は水の重さが一定に保たれるように構成される。その結果、参照セルによって生成される電圧変化Vout(ref.cell)は、重さではなく、水混合物の導電率の変化によるものである。フィードバック信号発生器29は、参照セルより生成された望ましくない電圧変化を、Vinを増大又は減少させるフィードバック信号に変換し、これによって検知システム上の誤った電圧変化の影響を打ち消す。例えば、アレイにおける水混合物の導電率が温度上昇によって増大したとすると、その時Vout(ref.cell) は減少し、対応する増大をフィードバック信号に生じさせる。増大するVfeedbackは、Vinを増大させ、その代わり、温度上昇による水混合物の導電率の初期の上昇を補償する。その結果、セルのVout は水混合物の重さが変化したときにのみ変化する。
【0062】
セルアレイを、図5Aに示すように、接地された2つの電極の間に配置された中央電極を有する構成とする理由の一つは、中央電極を電気的に分離し、中央電極とシステム内の他の要素との間の外部のいかなる影響も排除することである。しかしながら、セルアレイを2つの電極のみで構成することも可能であることは理解されるべきである。図6Aはセンサにおいて用いられるセルアレイの第2の実施の形態を示している。この実施の形態においては、センサは、接地されかつ延在する第1の電極30と、サブ電極32からなる分割された第2の電極31からなる。単一のセルは、サブ電極32の一つと対応するサブ電極に隣り合う接地された電極30の一部分とを有すると定義される。図6Aは、それぞれがサブ電極32と隣り合う電極30の一部分とからなるセル1〜nを示している。図6Bは、単一のセルnを示しており、ここでサブ電極32は固定されたインピーダンス要素Zfixed を介して信号発生器25からのVinに接続されており、出力信号Vout はサブ電極32から検出される。各セルより検出される電圧は、今度は分圧ネットワークと、各セルによって提供される可変インピーダンスと、各サブ電極32に接続された固定インピーダンスとに依存することは明らかであろう。したがって、ここでは各セルにおけるコンダクタンスの変化は、Rs1のコンダクタンスの変化に依存する。センサの残りの部分は、図5Aに示した実施の形態と同様に機能する。特に、信号発生器は各セルに信号を供給し、フィードバック回路27は、測定している特性によるものではないコンダクタンスの変動に対しVinを補償する。
【0063】
更に図7A及び図7Bに示すセルアレイの他の実施の形態においては、セルアレイは、離間して延在しかつ分割された第1と第2の電極33と34を有し、各電極はそれぞれサブ電極36と35の第1と第2の集合からなる。単一のセル(図7B)は、隣り合うサブ電極35と36の対からなり、ここであるセルのサブ電極35は独立して信号発生器に接続され、あるセルのサブ電極36はZfixed を与える高インピーダンス検出増幅器にVout を供給する。この実施の形態は、電極間にある材料がセンサのインピーダンスを高くする誘電体として機能する場合に有益である。電圧Vout の変化はその材料の誘電率に依存する。乾燥した紙は高抵抗でありその誘電率は簡単に測定できるので、この実施の形態は、抄紙機の(特に乾燥したシートの下でこれに接触する)乾燥端において提供されるのに貢献する。
【0064】
したがって、水重量計測を用いて擾乱を計測し擾乱を制御するためのシステム及び方法が説明される。
【0065】
本発明は長ワイヤ抄紙機の一部として表現されるものの、本発明は、例えばツインワイヤやマルチヘッドボックスの他の抄紙機やシリンダ機械又はコバヤシ・フォーマ等のペーパーボードフォーマを含む、他の抄紙機に適用できることは理解されるべきである。抄紙機のいくつかの従来の要素は、本発明の要素の説明をわかりにくくしないように、以下の開示においては省略されている。
【0066】
本発明の原理、好適なる実施の形態および動作モードはすでに説明された。しかしながら、発明は議論した特定の実施の形態に限定されるように解釈すべきではない。したがって、上述の実施の形態は制限というよりむしろ例示と考えるべきであり、当業者が以下のクレームによって提起される本発明の範囲から逸脱することなくこれらの実施の形態に変更を加えられることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の制御システムの1つの実施形態を含む抄紙機の図である。
【図2】 発明が公表される前に知られていたあるいは知ることが可能であった、最適化された擾乱プロファイルの例である。
【図3A】 測定装置内のインピーダンスを示したブロック図である。
【図3B】 センサーセルインピーダンスの電気表現である。
【図4】 本発明によるセンサアレイを含む測定装置のブロック図を示す。
【図5A】 図4で示すブロック図の電気表現である。
【図5B】 本発明の測定装置に従って抄紙機支持ウェブの下に属する単一センサーセルである。
【図6A】と【6B】 センサーアレイの2番目の実施形態とそれに相当する電気表現である。
【図7A】と【7B】 センサーアレイの3番目の実施形態とそれに相当する電気表現である。
【図8A】〜【8C】 様々なスライスデザインである。
【図9】 スライスの「スティックダウン」である。

Claims (21)

  1. ウエットエンドの水重量測定読取り値を同時に複数の箇所で得る測定手段と、
    前記水重量測定読取り値の水重量を基準として複数に分けた数値範囲を、擾乱(以下、擾乱は、抄紙機のウェットエンドでの水流の乱れを意味する。)強度を表す間隔として関係づけることによって、水重量測定読取り値を擾乱測定値として関係づける相関手段とを有し、
    前記水重量測定読取り値を得る測定手段が、水重量測定読取り値を読み取る複数のセンサを有し、
    前記相関手段が、一定時間内に読み取られた複数の水重量測定読取り値を対応する前記水重量を基準として複数に分けられた数値範囲に分類して、その数値範囲に属する読み取り値を累積する擾乱センサプロセッサである抄紙機において擾乱を測定する測定システム。
  2. 前記擾乱測定値が製造現場内でオンラインで提供される請求項1記載の測定システム。
  3. 前記複数のセンサが抄紙機の機械方向に沿って配置されている請求項1又は2記載の測定システム。
  4. 前記複数のセンサが抄紙機の機械方向に交差する方向に沿って配置されている請求項1又は2記載の測定システム。
  5. 前記抄紙機が移動する水切りコンベアをウエットエンド側に含み、かつ前記複数のセンサが抄紙機の機械方向に沿って前記水切りコンベアの両端に並べられた第1のセンサ列と第2のセンサ列を形成し、さらに、第3のセンサ列が水切りコンベアの中央に機械方向に沿って並べられている請求項1又は2記載の測定システム。
  6. 前記相関手段が、測定期間の間に取られた水重量測定読取り値の累積値から前記複数のセンサに対応する擾乱センサプロセッサにより前記擾乱測定値を処理した擾乱値信号を決定する請求項1乃至5に記載のいずれか1項に記載の測定システム。
  7. 抄紙機における擾乱調整を行う制御システムであって、
    ウエットエンドの水重量測定読取り値を同時に複数の箇所で得る測定手段と、
    前記水重量測定読取り値の水重量を基準とし複数に分けた数値範囲を、擾乱強度を表す間隔として関係付けることによって水重量測定読取り値を擾乱測定値に関係付ける相関手段と、
    目標擾乱情報と前記擾乱測定値に応答して擾乱制御信号を生成する手段とを有し、
    前記測定手段が水重量測定読取り値を読み取る複数のセンサを含み、
    前記相関手段が読み取った水重量測定読取り値を対応する前記水重量を基準として複数に分けた範囲に分類して、その数値範囲に属する読み取り値を累積する擾乱センサプロセッサを有する制御システム。
  8. 前記制御が製造現場内でオンラインで行われる請求項7記載の制御システム。
  9. 前記複数のセンサが抄紙機の機械方向に沿って配置されている請求項7又は8に記載の制御システム。
  10. 前記複数のセンサが抄紙機の機械方向に交差する方向に沿って配置されている請求項7乃至9に記載のいずれか1項記載の制御システム。
  11. 前記抄紙機が移動する水切りコンベアをウエットエンド側に含み、かつ前記複数のセンサが抄紙機の機械方向に沿って前記水切りコンベアの両端に並べられた第1のセンサ列と第2のセンサ列を形成し、さらに、第3のセンサ列が水切りコンベアの中央に機械方向に沿って並べられている請求項7乃至10に記載のいずれか1項に記載の制御システム。
  12. さらに、擾乱調整要素含み、この擾乱調整要素が、少なくとも一つの空気緩衝型タイプの加圧型ヘッドボックスのエアパッド、紙料の水分量及びポンプ圧力に依存するヘッドボックス圧力を有するヘッドボックスを有し、前記ポンプ圧力が、前記擾乱調整を実施するための前記制御信号によってエアパッドを調整する圧力バルブ、前記擾乱調整を実施するための前記制御信号によって紙料の水分量を調整する取り入れバルブ及び前記擾乱調整を実施するための前記制御信号によって前記ポンプ圧力を調整するポンプの速度の少なくもと一つを制御することによって制御される請求項7に記載の制御システム。
  13. さらに、擾乱調整要素含み、この擾乱調整要素がヘッドボックス希釈器を持つヘッドボックスを含み、かつ、前記ヘッドボックス希釈器が開口を調整できる複数のオリフィスを含み、前記ヘッドボックス希釈器が、前記擾乱調整を実施するための前記制御信号による前記オリフィス開口のそれぞれの個々の制御によって調整される請求項7に記載の制御システム。
  14. さらに、擾乱調整要素含み、この前記擾乱調整要素がヘッドボックス希釈器を持つヘッドボックスを含み、かつ、前記ヘッドボックス希釈器が開口を調整できる複数のオリフィスを含み、前記ヘッドボックス希釈器が、前記擾乱調整を実施するための前記制御信号で前記オリフィス開口の全体を同時に制御することによって調整される請求項7に記載の制御システム。
  15. さらに、擾乱調整要素含み、この擾乱調整要素がヘッドボックス希釈器を持つヘッドボックスを含み、ヘッドボックス希釈器が前記擾乱調整を実施するための前記制御信号でホワイトウォータ取り入れバルブを制御することによって調整される請求項7に記載の制御システム。
  16. 前記抄紙機がヘッドボックスと移動する水切りコンベアとを有し、さらに、擾乱調整要素含み、この擾乱調整要素が前記擾乱調整を実施するための前記制御信号で水切りコンベア駆動ローラを制御して前記水切りコンベア速度を制御することによって調整できるヘッドボックスのJ/W比を持つヘッドボックスを含む請求項7に記載の制御システム。
  17. さらに、擾乱調整要素含み、この擾乱調整要素が、前記擾乱調整を実施するための前記制御信号で真空度が制御されることによって調整される真空度を有する少なくとも一つの前記水切りコンベアの下にある真空ボックスを有する請求項7に記載の制御システム。
  18. 前記抄紙機が移動する水切りコンベアを含み、さらに、擾乱調整要素含み、この擾乱調整要素が、真空度と前記擾乱調整を実施するための前記制御信号で水切りコンベアに対するフォイルの角度位置を制御することによって調整される擾乱効果とを有する請求項7乃至17に記載のいずれか1項に記載の制御システム。
  19. 前記抄紙機が水切りコンベアを揺する手段を前記移動する水切りコンベアに備えており、前記擾乱制御信号が擾乱調整を実施するために前記揺する手段を制御する請求項7乃至18に記載のいずれか1項記載の制御システム。
  20. 前記抄紙機が移動する水切りコンベアを含み、前記擾乱調整装置が複数のスライスを持つヘッドボックスを含み、各スライスがトップリップとボトムリップとを含み、そのトップとボトムとの相対位置がスライス寸法比L/b{トップリップは上下に調整可能であり寸法b(すなわち、垂直のリップとエプロンの端の間のスライス開口)を決定し、エプロン(ボトムリップ)は水平方向に調整可能であり寸法L(すなわち、内側の表面を超えたエプロン(ボトムリップ)の突出を決定する}によって示され、ウェット紙料のヘッドボックスから移動する水切りコンベア入射角度が前記擾乱調整を実施するための前記制御信号で前記寸法比を調整することによって調整される請求項7乃至19に記載のいずれか1項記載の制御システム。
  21. 抄紙機が、スティックダウン位置を持つトップリップを含む複数のスライスを持つヘッドボックスを含み、前記スティックダウン位置が前記擾乱調整を実施するための前記制御信号によって調整される請求項7乃至20に記載のいずれか1項記載の制御システム。
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