JP4589534B2 - 制御された立体規則性を有するα−オレフィンポリマーの製造のための多段法及び該方法により製造された生成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(i)α−オレフィンモノマーを遷移金属化合物、第一の有機金属化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーを含む重合触媒系と重合条件下で接触させて、第一の重合反応混合物を与えることにより第一重合生成物を製造すること、(ii)α−オレフィンモノマーを少なくとも該第一の重合反応混合物と接触させることにより第二重合生成物を製造することの順次の段階を含む、制御された立体規則性を有するα−オレフィンポリマー、とりわけ、ポリプロペンの製造法に関する。
【0002】
術語「含む」は、次に掲げた対象が含まれなければならないが、また更なる対象が含まれてもよいことを意味する。それは開示されている。Chemistry and Biotechnology,Clarendon Press,Oxford,1986年,第220頁のGrubb,P.W.の特許を参照せよ。
【0003】
第一重合生成物及び第二重合生成物は、同一又は異なったメルトフローレート(MFR)値を有し得る。ここに開示されたMFR値は、2.16kg荷重を使用して230℃で標準ISO1133に従って測定される。
【0004】
この文脈においてα−オレフィンモノマーは、挿入(チーグラー‐ナッタ)機構により重合し得るところのα−オレフィンを意味する。α−オレフィンは、構造CH2=CHRを有する化合物であり、ここで、Rは直鎖又は環状アルキル基である。本発明の典型的なα−オレフィンモノマーは、プロペン(R=−CH3)、ブテン−1(R=−CH2CH3)、4−メチルペンテン−1(R=CH2CH(CH3)2)、ヘキセン−1(R=−(CH2)3CH3)及びオクテン−1(R=−(CH2)5CH3)である。α−オレフィンポリマーは、α−オレフィンホモポリマー又はコポリマーを意味する。共重合されるべきモノマーとして、上記のタイプのα−オレフィンモノマーに加えて、エテンがまた使用され得る。この文脈において、遷移金属化合物は、該重合触媒系の重合能力に寄与し得るところの遷移金属化合物を意味する。遷移金属化合物は、チーグラー‐ナッタ系のいわゆる「触媒」又は「プロ触媒」に基く。この文脈において、第一の有機金属化合物は、該重合触媒系の重合能力に寄与し得るところの有機金属化合物を意味する。有機金属化合物はまた、チーグラー‐ナッタ系の「助触媒」と呼ばれる。
【0005】
【従来の技術】
α−オレフィン重合触媒における立体規則性付与電子ドナーの存在は、立体特異性ポリマーを製造する。そのようなポリマーは通常、高いイソタクチック性、即ち、鎖に沿った共通の方向に関して同一の立体配置を有する高分子鎖中に高割合のα−オレフィン部分を有する。沸騰n−ヘキサンに不溶であるポリプロペン試料、又はそのキシレン可溶フラクションXSのパーセンテージとして測定されたプロペンポリマーのイソタクチックインデックスI.I.は、該ポリマーのイソタクチック性の基準である。イソタクチック高分子が結合され、そして結晶化されて、それによりその溶解性がより低くなる。従って、α−オレフィンポリマーのXSが低くなればなるほど、そのイソタクチック性はますます高くなる。イソタクチック性はまた、Fourier Transform Infrared Spectroscopy(FTIR)により測定され得る。
【0006】
多くの相又は段階における、C3〜C10−α−オレフィン、例えば、プロペンの高立体規則性ポリマーの製造は、例えば、特開平9−1048号公報、欧州特許第339804号公報及びフィンランド国特許出願第961722号公報から公知である。
【0007】
最後に挙げた文献の例によれば、プロピレンが、第一段階において、MgCl2/TiCl4/Et3Al/D(D=立体規則性付与外部電子ドナー、Et=エチル)タイプ触媒系の存在下、かつモル質量制限停止剤としての水素の不存在下又は殆ど存在しないところで低MFRを有する立体規則性プロピレンポリマーに重合され、そして第二段階において、同一の触媒系の存在下、かつ大量の水素停止剤の存在下に、高MFRを有する立体規則性プロピレンポリマーに重合される。結果として、低MFR(高モル質量)フラクション及び高MFR(低モル質量)フラクションの形態における広いモル質量分布を有する立体規則性プロペンポリマー生成物を生ずる。
【0008】
全体に亘る高立体規則性及び低MFRのポリマーフラクションの存在は、ポリマー生成物に良好な強度及び剛性並びに低クリープ性を与えることが想定される。一方、高MFRのポリマーフラクションの存在は、ポリマー生成物に良好な溶融加工性及び可撓性を与える。
【0009】
α−オレフィンポリマーの製造のための上記タイプの多相又は多段法において、イソタクチック性は異なる条件及びドナー濃度のために、プロセスの相又は段階の間で変化する傾向にあり、そしてイソタクチック性の制御は時々困難である。例えば、もし、前段階における生成物の平均XSが3〜3.5%であるなら、続く段階において、それは単に2〜2.5%まで減少したかもしれない。実際、それは、続く一つ又は複数の段階において製造されるポリマーフラクションが、1.5%未満のXSを有することを意味する。フィルム及びファイバー製品のようないくつかの適用において、プロペンポリマーのイソタクチック性は、約3.5〜4%のXS値を与えるために制御される必要がある。非制御のプロペン重合プロセスにおける目的生成物のためにそのようなXS値を達成するために、第一反応器におけるXSは5%より多くなければならない。何故ならば、第二反応器は、2〜3%のXSのみを製造するからである。しかし、第一及び第二段階の物質の間のこのようなイソタクチック性及び結晶性の相違は、フィルム及びファイバー製品のための有害であり得るところの均一性の問題をもたらす。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
α−オレフィンポリマー生成物の多段階製造に関する上記の問題及び発見は現在、次の方法で主に対処される。
【0011】
【課題を解決するための手段】
既に述べたように、本発明は、制御された立体規則性を有するα−オレフィンポリマーの重合法に関する。該方法において、第一及び第二重合生成物は、二つの段階(i)及び(ii)において、α−オレフィンを、第一の有機金属化合物を含む高活性重合触媒系と接触させることにより製造される。
【0012】
もし、該方法において、第二重合生成物が、段階(ii)において立体規則性制御剤の存在下に製造されるなら、上記の問題が解決され得ることが理解される。該立体規則性制御剤は、原子基準で、第一の有機金属化合物より多い、金属当りのハロゲンを含むところの第二の有機金属化合物、又は該使用されたα−オレフィンモノマーではないところの、0.01〜1.2%のオレフィンから選ばれる(ここで、該オレフィン量は、該オレフィン及び該α−オレフィンモノマーの合計モル量に基いて計算される)。
【0013】
いくつかの最終製品の品質の観点において、XS値がプロセスの全ての相又は段階において本質的に同一レベルであることは、反応系から得られたポリマーのXSレベルより重要であることがまた分った。とりわけ、非常に良好な品質のファイバー及びフィルム、しかしまた異なる成形適用は、イソタクチック性、即ち、XS値が全ての相又は段階で本質的に同一レベルに制御されるところの多相又は多段階において製造されるところのポリマーにより達成される。
【0014】
本発明の好ましい実施態様によれば、立体規則性を制御することはとりわけ、プロセスの全ての相又は段階において本質的に同一レベルに立体規則性を制御すること、即ち、イソタクチック性又はXS値が、プロセスの全ての相又は段階においてバランスされることを意味する。
【0015】
第二のポリマーフラクションを製造するときに、より多くハロゲン化された有機金属化合物及び/又は少量のオレフィンを使用することにより得られる該改善は、実施例により立証されている
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の方法に従って製造されるポリマー生成物は、狭い又は多少広い分子質量分布を持つ、単モードポリマー又は二モードポリマーであり得る。MFR値は、0.03〜2000g/10分の広い範囲で変化し得る。単モードポリマー、即ち、全ての相で同一のMFR値を有するポリマーは、例えば、ファイバー適用のためにとりわけ適している。
【0017】
α−オレフィンモノマーは上記で定義されている。好ましくは、それはC3〜C8−α−オレフィンである。最も好ましくはα−オレフィンモノマーはプロペンである。段階(i)及び(ii)のいずれか又は両方において、一つ又はそれ以上のコモノマーが使用される。それらは、上記で定義したようなα−オレフィンモノマーであり得る。しかし、コモノマーが使用されるとき、エテンが最も有利なコモノマーである。段階(ii)において、コモノマーの量は、モノマーの合計量に基いて、好ましくは10%より少ない。
【0018】
本発明の実施態様によれば、第一の有機金属化合物は、慣用のいわゆる助触媒、好ましくは第一の有機アルミニウム化合物である。より好ましくは第一の有機アルミニウム化合物は、式(1)
【化4】
R3m-nAlmXn (1)
(ここで、RはC1〜C12アルキルであり、Xはハロゲンであり、mは1又は2であり、かつnは0≦n<3m−1であるような整数である)を有する。好ましくは、式(1)を有する第一の有機アルミニウム化合物は、トリ−C1〜C12アルキルアルミニウムであり、最も好ましくはトリエチルアルミニウムTEAである。
【0019】
本発明の実施態様によれば、第二の有機金属化合物は、第二の有機アルミニウム化合物である。典型的には、それは、より多くハロゲン化された、いわゆるオレフィン重合助触媒の中から選ばれる。上記を参照せよ。好ましくは、第二の有機アルミニウム化合物は、式(2)
【化5】
R’3m'−n'Alm'X’n' (2)
[ここで、R’はC1〜C12アルキルであり、X’はハロゲンであり、m’は1又は2であり、かつn’はn’/m’>n/m(ここで、n及びmは式(1)と同じである)及びn’<3m’であるような整数である]を有する。好ましくは、式(2)を有する第二の有機アルミニウム化合物は、C1〜C4アルキルアルミニウムジハライド、例えば、エチルアルミニウムジクロリド(EADC)、ジ−C1〜C4アルキルアルミニウムハライド、例えば、ジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)及びC1〜C4アルキルアルミニウムセスキハライド、例えば、エチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)、並びにそれらの混合物から選ばれる。式(2)を有するところの最も好ましい第二の有機アルミニウム化合物はEADCである。DEACはまた、それが、例えば、EADCより少ない塩素(EADCの塩素量の約半分)を含み、かつそれ故、低塩素適用、例えば食品包装の非常に広い範囲において使用され得る故に、好ましい。
【0020】
上記の第一及び第二の有機金属化合物は、夫々独立して選ばれず、常に第二の有機金属化合物が、第一の有機金属化合物より多い、金属当りのハロゲンを有するように選ばれることを留意しなければならない。本発明の、典型的な第一の有機金属化合物/第二の有機金属化合物の対は、トリアルキルアルミニウム/ジアルキルアルミニウムハライド、トリアルキルアルミニウム/アルキルアルミニウムセスキハライド、トリアルキルアルミニウム/アルキルアルミニウムジハライド、ジアルキルアルミニウムハライド/アルキルアルミニウムセスキハライド、ジアルキルアルミニウムハライド/アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド/アルキルアルミニウムジハライドである。好ましくは、本発明の第一の有機金属化合物/第二の有機金属化合物の対は、トリエチルアルミニウム/ジエチルアルミニウムクロリド、トリエチルアルミニウム/エチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウム/エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド/エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド/エチルアルミニウムジクロリド及びエチルアルミニウムセスキクロリド/エチルアルミニウムジクロリドである。最も好ましい第一の有機金属化合物/第二の有機金属化合物の対は、トリエチルアルミニウム/エチルアルミニウムジクロリドである。
【0021】
上記のように、イソタクチック性は、第二重合生成物を製造するときハロゲン含有有機金属化合物を使用することにより制御され得る。本発明の他の実施態様によれば、イソタクチック性は、第二重合生成物を製造するときα−オレフィンモノマー以外のオレフィン、例えば、エテンの少量を使用することにより制御され得る。段階(ii)において少量で使用されるオレフィンは、本発明において使用されるα−オレフィンモノマーと同一ではないところのオレフィン(エテン及びα−オレフィン)の中から選ばれる。少量で、段階(ii)において使用される最も好ましいオレフィンはエテンである。該オレフィンは、ハロゲン含有有機金属化合物と共に又はハロゲン含有有機金属化合物をともなわずして使用され得る。オレフィンの量は、オレフィン及びα‐オレフィンモノマーの合計モル量に基いて0.01〜1.2%である。好ましくは、それは0.08〜0.8%、最も好ましくは0.1〜0.4%である。
【0022】
触媒系の立体規則性付与外部電子ドナーと相互作用するそれらの想定された能力に従って、有機金属化合物が選ばれ、かつ少量のオレフィンが使用される。それ故、適切な立体規則性付与外部電子ドナーの選択がまた本発明の非常に重要な部分である。通常、本発明の有機金属化合物は、当業者において使用される慣用の多少ハロゲン化された助触媒の中から選ばれる。従って、立体規則性付与外部電子ドナーはまた通常、対応する、当業者に慣用の電子ドナーの中から選ばれる。
【0023】
立体規則性付与外部電子ドナーは好ましくは、ヒドロカルボキシシラン化合物及びヒドロカルボキシアルカン化合物から選ばれる。より好ましくは立体規則性付与外部電子ドナーは、式(3)
【化6】
R”n"Si(OR”’)4-n" (3)
(ここで、R”及びR”’は、夫々独立してC1〜C12−ヒドロカルビルであり、かつn”は、1〜3の整数である)
を有するところのヒドロカルビルオキシシラン化合物から選ばれる。
【0024】
有用なヒドロカルボキシシラン化合物のより特定の例は、トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランである。
【0025】
更に好ましくは、式(3)を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物は、ジ−C 4 〜C 12 ヒドロカルビルジ−C 1 〜C 3 アルコキシシラン又はC 4 〜C 12 ヒドロカルビルトリ−C 1 〜C 3 アルコキシシランであり、より好ましくはジ−(α又はβ)−分枝C4〜C12−ヒドロカルビル−ジ−C1〜C3−アルコキシシラン又はモノ−(α又はβ)−分枝C4〜C12−ヒドロカルビル−トリ−C1〜C3−アルコキシシランであり、かつ最も好ましくはそれは、ジシクロペンチルジメトキシシラン又はシクロヘキシルメチルジメトキシシランである。
【0026】
また、第二の有機金属化合物は、立体規則性付与電子ドナーと共により強力に配位することによりドナー平衡を妨げる。上記を参照せよ。結果として、アタクチック重合が促進される。第二の有機金属化合物の少しの量でさえ、より高いXS物質を製造する方向に平衡を移すであろうけれども、使用したドナーの量に関して使用した第二の有機金属化合物の量を確立することが重要である。第二の有機金属化合物として有機アルミニウム化合物を使用するとき、アルミニウムAl2として表現されたその量及び立体規則性付与外部電子ドナーDの量は好ましくは、モルフィード比Al2/Dが、約0.1〜約30、より好ましくは約0.5〜約10であるような量である。高XSポリマーフラクションの制御されたより高い量を目的とするとき、第二の有機金属化合物の量は機能的でなければならないが、立体規則性付与電子ドナーの本質的に全てを除去するほど高くない。何故ならば、その時、イソタクチックポリマーが第一に製造されないからである。その場合、第二の有機金属化合物として有機アルミニウム化合物を使用するとき、最適なフィード比Al2/Dは、約0.5〜約1.5、好ましくは約0.6〜約1.4である。もし、重合が、ループ‐ループ反応器系で実行されて、次いで、異なった反応器でXS値をバランスさせるなら、より多くのドナーが第二ループ反応器に添加されなければならない。
【0027】
他の試薬及び/又は成分の量は、請求項に記載された方法において使用される遷移金属化合物に関してより接近して低く規定される。
【0028】
上記のように、本発明は、(i)α−オレフィンを重合触媒系と重合条件下に接触させて、第一の重合混合物を与えることにより、第一重合反応生成物を製造すること、及び(ii)α−オレフィンを該高活性重合触媒系と接触させることにより第二重合生成物を製造することの順次の段階を含む、制御された立体規則性を有するα−オレフィンポリマー生成物を製造する方法に関する。
【0029】
本発明の一実施態様によれば、第一重合生成物は、該α−オレフィンモノマー、好ましくはプロペン及び他のα−オレフィン、又は好ましくはコモノマーとしてのエテンを接触させることにより製造される。好ましいプロペンモノマー及びエテンコモノマーは、いくつかのプロペンポリマーグレードの性質を改善する。次いで、通常、プロペンの90重量%以上がα−オレフィンモノマーとして使用され、かつエテンの10重量%以下がコモノマーとして使用される。コモノマーとしてエテンが、本発明に従って、段階(ii)のXSを調節し得るところのエテンよりかなり多い量で使用されることが注意されなければならない。例えば、欧州特許第339804号公報と比較せよ。
【0030】
チーグラー‐ナッタ触媒の分野において、有機金属化合物の使用は基本的である。該化合物は通常助触媒と呼ばれる。立体規則性付与電子ドナーの使用がまた普通である。それは通常外部電子ドナーと呼ばれる。本発明は、一実施態様に従えば、外部ドナーと二つの異なった有機金属化合物との間の相互作用に基いている。従って、挙げられた第三の触媒成分のタイプ、即ち、遷移金属成分は、それが高活性重合をできる限りは重要ではない。該成分の意味及び役割についての最初の議論を参照せよ。
【0031】
請求項に記載された方法において、高活性かつ立体特異性触媒系が好ましい。好ましくは、高活性重合触媒系は、第一の有機金属化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーと、マグネシウム、チタン、ハロゲン及び任意的に内部ドナーを含む担持された中間体との反応生成物である。該反応生成物は好ましくは、塩化マグネシウム又はその錯体、四塩化チタン及び内部電子ドナーを接触させて固体状の中間体とし、そして該固体状の中間体を第一の有機金属化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーと接触させることにより得られる。
【0032】
該固体状の中間体において四塩化チタン及び内部電子ドナーのための担体として働くために、塩化マグネシウムが化学的に活性な形態になければならない。これは、該塩化マグネシウムが、慣用の市販の塩化マグネシウムより低い結晶性及び高い比表面積を有しなければならないことを意味する。
【0033】
塩化マグネシウムは機械的に活性化され得る。そのようなプロセスにおいて、それは内部電子ドナーと一緒に乾式共粉砕される。次いで、該共粉砕された生成物が、過剰の四塩化チタンと共に熱処理され、続いて、四塩化チタン及び/又は炭化水素による洗浄が繰り返されて、固体状の中間体を与える。典型的には、そのような固体状の中間体は、高い比表面積(50〜300m2/g)を示し、かつ0.5〜3重量%のチタンを含む。
【0034】
好ましくは、塩化マグネシウムは化学的に活性化され得る。それは、塩化マグネシウムの錯体、四塩化チタン及び内部電子ドナーを接触させることにより達成されることができて、それにより、該錯体は、四塩化チタン及び内部電子ドナーを担持する活性化された塩化マグネシウムに転換される。
【0035】
本発明の一つの好ましい実施態様によれば、該塩化マグネシウムの錯体は、式(4)
【化7】
MgCl2・nR””OH (4)
を有する塩化マグネシウムとアルコールとの固体状のアダクトである。上記式中、nは1〜6、好ましくは2〜4であり、かつR””はC1〜C10アルキル、好ましくはC1〜C3アルキルである。nは好ましくは2〜4である。最も好ましくは、式(4)を有する塩化マグネシウムとアルコールとの固体状のアダクトは、式
【化8】
MgCl2・3C2H5OH
の錯体である。
【0036】
式(4)を有する塩化マグネシウムとアルコールとの固体状のアダクトは、塩化マグネシウムとアルコールとを一緒に加熱しかつ溶融することにより、小滴に該溶融物を分散又はスプレーすることにより、そして冷媒と接触させることにより該小滴を固化することにより簡便に製造される。該溶融物の小滴への分散は典型的には、攪拌下に熱シリコーンオイル中に該溶融物を注ぐことによりなされ、それにより、シリコーンオイル中で溶融された小滴の熱分散物が形成し得る。次いで、固化が、冷炭化水素中に該熱分散物を注ぐことにより成し遂げられる。
【0037】
あるいは、塩化マグネシウムとアルコールとの溶融物は、冷不活性ガスを含む空間にダイを通して加圧された不活性ガスによりスプレーされる。これにより、小滴が形成され、そしてほぼ瞬時に固化される。このプロセスはまた、スプレー結晶化と呼ばれる。
【0038】
最後に、粉末状で得られた該固体状の二塩化マグネシウム/アルコールアダクトは、四塩化チタン及び内部電子ドナーと接触させられる。四塩化チタンは両者共アルコールを除去し、それにより、塩化マグネシウム上の配位部位を露出し、そして形成された配位部位の部分に配意する。内部電子ドナーは、該配位部位の他の部分に配意する。アルコールと内部電子ドナーとの間の化学反応があり得る。いずれにしても、該結果物は、四塩化チタン及び内部電子ドナー又はその反応生成物を担持する塩化マグネシウムを含む固体状の中間体である。
【0039】
固体状の中間体を製造するために使用される内部電子ドナーは、電子供与性原子、例えば、N、P、O及びSを含み、触媒活性を与え、かつ立体特異性重合を可能にするところの任意の有機化合物である。この目的のための多数の適切な電子ドナーは、チーグラー‐ナッタ触媒の当業者において公知である。好ましくは、内部電子ドナーは、カルボン酸のC1〜C14アルキルエステルである。典型的なそのようなエステルは、脂肪族ジカルボン酸、例えば、マレイン酸、マロン酸及びシクロヘキサンジカルボン酸のC1〜C14アルキルエステル、芳香族モノカルボン酸、例えば、置換及び非置換の安息香酸のC1〜C14アルキルエステル、及び芳香族ジカルボン酸、例えば、フタル酸のC1〜C14アルキルエステルである。
【0040】
本発明の好ましい実施態様によれば、内部電子ドナーは、芳香族カルボン酸のC4〜C14アルキルエステルである。より好ましくは、内部電子ドナーは、ジカルボン酸のジ‐C4〜C14アルキルエステルである。最も好ましくは、内部電子ドナーは、芳香族ジカルボン酸のジ‐C4〜C14アルキルエステル、例えば、ジ‐C4〜C14アルキルフタレートである。
【0041】
好ましくは、上記の固体状の中間体は、塩化マグネシウム錯体としての二塩化マグネシウムとC1〜C3アルコールとの該固体状のアダクト、及び内部電子ドナーとしてのカルボン酸のC4〜C14アルキルエステルを接触させることにより製造される。それにより、該錯体、該四塩化チタン及び該エステルが最も好ましくは高められた温度で接触されて、エステル交換生成物の形態における該固体状の中間体を製造する。それにより、該アダクト、該四塩化チタン及び該エステルが、エステル交換が生ずるところの温度である110〜200℃、好ましくは120〜150℃で接触させられる。
【0042】
上記の固体状の中間体を製造するとき、塩化マグネシウム又はその錯体及び四塩化チタンの使用される量は、該触媒系において、モル比Mg/Tiが、好ましくは約1〜約200、最も好ましくは約5〜約50であるようである。該内部ドナー(ID)の使用される量は、該中間体において、モル比ID/Tiが、好ましくは約0.1〜約10、最も好ましくは約0.3〜約3である。
【0043】
固体状の中間体が、該高活性重合触媒系を与える第一の有機金属化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーと接触させられるとき、該接触は、一段階、二段階又はそれより多い段階で行われ得る。本発明の一実施態様によれば、該固体状の中間体は、第一の有機アルミニウム化合物を含む二つの部分の一つによりまず予め活性化され、そして次いで、他と接触させられる。該予め行われる活性化において、Al/Ti比は、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜5、最も好ましくは2〜3である。通常、立体規則性付与外部ドナー及び第一の有機アルミニウム化合物は、C5〜C8炭化水素溶液の形態において接触させられる。
【0044】
この種類の重合触媒形に普通であるように、活性触媒系前駆体はあるいは、実際の重合においてそれを使用する前に少量のポリマーにより被覆され得る。これはプレ重合と呼ばれる。プレ重合において、該固体状の中間体は典型的には、立体規則性付与外部ドナー及び第一の有機アルミニウム化合物、並びに少しの部分のオレフィン(実際の重合において使用されるものと同一である必要はない)と重合条件下で接触させられて、ポリオレフィンで被覆されているところの該第一の高活性重合触媒系の粒子を得る。そのようなプレ重合された触媒系は、取扱いが容易であり、かつ所望のモルホロジーを有する。
【0045】
請求項に記載された方法において使用される高活性重合触媒系において、アルミニウムAl1として表現された第一の有機アルミニウム化合物及びチタンTiとして表現された、該固体状の中間体の該四塩化チタンの使用される量は、高活性重合触媒系をもたらすモルフィードAl1/Tiが好ましくは約1〜約1000、より好ましくは約50〜約500、最も好ましくは約100〜約300であるような量である。
【0046】
同様に、アルミニウムAl1として表現された第一の有機アルミニウム化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーDの使用される量は、第一の高活性重合触媒系にもたらす原子対モルフィード比Al1/Dが好ましくは約10〜約200、最も好ましくは約30〜約100であるような量である。立体規則性付与外部電子ドナーD及びチタンTiとして表現された該四塩化チタンの使用される量は、第一の高活性重合触媒系をもたらすモルフィード比D/Tiが好ましくは約1〜約20、最も好ましくは約2〜約10であるような量である。
【0047】
本発明はまた、該例の外にある実施態様をも包含する。本明細書により提供された基礎的な情報を備えて、パラメーター、反応物等は、限定された及び/又は制御されたXS値を有するポリオレフィンを製造するために最適化され得る。従って、(i)第一重合生成物は好ましくは、XS(キシレン可溶フラクション)として表現された、8.0重量%以下及び1.5重量%以上のXS値、より好ましくは5.0重量%以下及び2.0重量%以上のXS値から選ばれるイソタクチック性を有するポリプロピレンを与えるところの条件下で製造される。
【0048】
該プロセスの段階又は基準は、一つ以上の反応器を有する任意の慣用の装置において実行され得る。該プロセスはバッチ又は連続法であり得る。好ましくは該プロセスは、バルク反応器、例えば、ループ反応器を含む二以上の反応器、好ましくは二以上のループ反応器又は一以上のバルク反応器と一以上の気相反応器において実行される。
【0049】
本発明の一実施態様によれば、第一重合生成物は、(i)バルク反応器、好ましくはループ反応器において製造される。最も好ましくは、それは、
40℃以上かつ120℃以下の温度、好ましくは60℃以上かつ100℃以下の温度から選ばれる温度、
20バール以上かつ80バール以下の圧力、好ましくは30バール以上かつ60バール以下の圧力から選ばれる圧力、
自体公知の方法でモル質量を制御するための水素添加
から選ばれる重合条件下において製造される。
【0050】
本発明にしたがプロセスは第二重合生成物の製造を含む。上記の段階(ii)を参照せよ。第二重合生成物は好ましくは、該α‐オレフィンモノマーとしてのプロペンを接触させることにより製造される。
【0051】
第二重合生成物は好ましくは、気相反応器(GPR)で製造される。好ましくは気相重合条件は、
50℃以上かつ130℃以下の温度、好ましくは70℃以上かつ100℃以下の温度から選ばれる温度、
10バール以上かつ60バール以下の圧力、好ましくは20バール以上かつ40バール以下の圧力から選ばれる圧力、
自体公知の方法でモル質量を制御するための水素添加
から選ばれる。
【0052】
請求項に記載されたプロセスの生成物は、該第一重合生成物及び該第二重合生成物の統合された混合物である。これらは、(i)第一重合生成物の存在下に(ii)第二重合生成物を製造することにより統合される。第一重合生成物は、例えば、第一重合からもたらされる全体の反応混合物又は製造されたポリマーを含むそれらのただ一部を意味する。好ましくは、第二の重合は、第一ポリマー及びその触媒系、即ち、該重合触媒系の両方の存在下に実行される。
【0053】
有利には、該第二の有機金属化合物は、(ii)第二重合生成物を製造する前、好ましくは(i)第一重合生成物を製造することと(ii)第二重合生成物を製造することの間で重合触媒系に加えられる。これは、例えば、第二重合反応器、又は好ましくは第一及び第二重合反応器、例えば、夫々ループ反応器及び気相反応器を連結する配管に第二の有機金属化合物を添加することにより容易に成し遂げられる。少量のオレフィン、好ましくはエテンが、該配管又は第二反応器に添加され得る。好ましくは、それは第二反応器に別に加えられる。
【0054】
更に、該方法は好ましくは、20:80以上かつ70:30以下の比、好ましくは30:70以上かつ60:40以下の比、最も好ましくは35:65以上かつ65:35以下の比から選ばれる質量比で(i)第一重合生成物及び(ii)第二重合生成物を製造するところの重合条件下で実行され得る。
【0055】
好ましくは、本発明の方法は、XS(キシレン可溶フラクション)として表現された、8重量%以下、より好ましくは6重量%以下、最も好ましくは5重量%以下のXS値から選ばれるイソタクチック性を有するプロペンポリマー生成物を与えるところの条件下で実行される。好ましくは、XS値は、1.5重量%以上、最も好ましくは2.0重量%以上である。
【0056】
下記の利点は、少量のエテン又は他の立体規則性制御剤がイソタクチック性制御のために使用されたときに達成される。
【0057】
EADCのようなドナー錯化剤の供給が、触媒のために非常に良好な水素感度を与える。
【0058】
段階(ii)への少量のエテン供給が触媒のためにより良好な活性を与える。
【0059】
ポリマーのモルホロジーは、ドナー錯化剤EADC及び少量のエテンが段階(ii)に存在したとき明らかにより良好であった。
【0060】
同一のドナー(ジシクロペンチルジメトキシシラン)が、非常に高いイソタクチック性成形グレード並びにフィルム及びファイバーグレードのために使用され得る。商業規模においてグレード毎に反応系を切り替えるときの切り替え時間がより短くなり、かつ該方法はより経済的であろう。簡便の系において、一つのドナー(シクロヘキシルメチルジメトキシシラン)が、フィルム又はファイバーグレードのために使用され、そして他のドナー(ジシクロペンチルジメトキシシラン)が、成形グレードのために使用される。
【0061】
イソタクチック性の制御は、該方法の観点からエテン及び/又はEADC供給により非常に容易である。一定のドナーフィード(Al/Ti=250及びAl/D=20)が使用されることができ、かつイソタクチック性の最終制御が、エテンフィード及び/又はEADC若しくはDEACを使用することにより達成される。
【0062】
より小さなXS値はフィルムグレードのために要求され、そして従って、少量のエテン又は塩素化有機金属化合物がイソタクチック性をバランスさせるために使用される。
【0063】
適用試験は、最良のファイバーグレードが新規の系を使用することにより作られることを示している。
【0064】
【実施例】
【実施例1】
触媒
Finnish特許第88047号に従って製造された、ZNタイプの高活性のプロピレン重合触媒が使用された。該触媒は、重合に使用される前に少量のTEA(Al/Tiモル比=2.5)で予め活性化された。触媒の予めの活性化において、乾燥触媒がまず30℃の温度で油中に供給された。油/触媒混合物は10℃に冷却され、そしてTEAが混合された(触媒のチタン含有量は2.0重量%であった)。1時間混合した後、温度が上げられ、そして適切な粘度を維持するために、グリースが40℃で加えられた。該混合物は、重合に使用される前に、室温に冷却された。油‐グリース混合物中の触媒濃度は、10g/dm3であった。
【0065】
重合
触媒と粘性媒体の該混合物が、Finnish特許第94164号に従ってノンバルブピストンポンプで供給された。該触媒は、配管中でトリエチルアルミニウム(TEA)及びジシクロペンチルジメトキシシラン(ドナーD)と接触させられた。Al/Tiモル比は約250モル/モルであり、かつAl/Dモル比は20であった。触媒、助触媒及びドナーの間の活性化時間は、これらの化学物質が重合に供給される前の15秒間であった。
【0066】
該触媒は、プレ重合反応器(CCSTR=Compartmented Continuous Stirred Tank Reactor)にプロピレンと一緒にフラッシュされた。該反応器にはまたTEA及びD−ドナーが供給された。CCSTR反応器は、Finnish特許出願第961152号に開示されている。
【0067】
プレ重合は、30℃及び50〜54バールゲージ圧力において行われた。該粒子の滞留時間は8〜10分間であった。プレ重合反応器への水素供給は0.1〜0.2モル%であった。プレ重合された触媒成分が、直列に接続されたループ反応器と気相反応器において使用された。
【0068】
ループ反応器の操作温度は80℃であり、かつ圧力は50〜54バールであった。ループ反応器での滞留時間は35分間であった。
【0069】
気相反応器は、85℃かつ25〜29バールの圧力で操作された。ループ反応器と気相反応器との間の生成物割合は約60/40であった。GPRにおける滞留時間は0.7〜1.3時間であった。
【0070】
この緻密な紡糸ファイバー生成物のMFR(ISO 1133 2.16kg/230℃)は、水素供給により両方の反応器内で約18であるように制御された。
【0071】
ループ生成物のイソタクチック性及び気相生成物のイソタクチック性は、ループ反応器へ(プロピレンフィードから直接に計算された)0.5モル%のエテンを供給することにより、気相反応器へ0.4モル%のエテンを供給することによりバランスされた。
【0072】
キシレン可溶フラクション(XS)は次のように測定されかつ計算された。
【0073】
2.0gのポリマーが、攪拌下に135℃で250ミリリットルのp−キシレンに溶解される。30±2分間後、該溶液は環境温度で15分間放冷され、そして次いで、25±0.5℃で30分間静置を許される。該溶液は、二つの100ミリリットルフラスコにろ紙により濾過される。
【0074】
第一の100ミリリットルの容器からの溶液が、窒素中で蒸発され、そして残渣が、一定量に達するまで90℃で真空下に乾燥される。
【0075】
【数1】
XS%=(100×m1×v0)/(m0×v1)
m0=初期ポリマー量(g)
m1=残渣重量(g)
v0=初期体積(ミリリットル)
v1=分析された試料の体積(ミリリットル)
【0076】
重合条件は表1に示されている。生成物特性は表2に示されている。適用試験は表3に示されている。
【0077】
【実施例2】
手順は、EADC(エチルアルミニウムジクロリド)がループ及び気相反応器から出て来る生成物のイソタクチック性をバランスさせるためのドナー錯化剤として使用されたことを除いて実施例1と同一であった。EADCは、ループ及び気相反応器の間のダイレクトフィード配管に供給された。EADCフィード量は1モル/モル外部ドナーであった。外部ドナー量は、実施例1におけるよりこの試験においてより少なかった(Al/D=72モル/モル)。
【0078】
重合条件は表1に示されている。生成物特性は表2に示されている。適用試験は表3に示されている。
【0079】
【比較例3】
手順は、いずれの種類のドナー錯化剤及びエチレンのいずれもイソタクチック性のバランスのために使用しなかったことを除いて、実施例1と同一であった。ドナーC(シクロヘキシルメチルジメトキシシラン)が外部ドナーとして使用された。外部ドナー量は、実施例1よりこの試験においてより少なかった(Al/D=68モル/モル)。
【0080】
重合条件は表1に示されている。生成物特性は表2に示されている。適用試験は表3に示されている。
【0081】
【表1】
表1 重合条件
*プロペンフィードから直接計算された
【0082】
【表2】
表2 生成物特性
【0083】
【表3】
表3 適用試験
適用試験は、Barmag Spinning Conditions:40000ホール/0.25mmを使用することにより実行された。
Claims (28)
- (i)α−オレフィンモノマーを、遷移金属化合物、第一の有機金属化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーを含む重合触媒系と重合条件下で接触させて、第一の重合反応混合物を与えることにより第一重合生成物を製造すること、(ii)追加のα−オレフィンモノマーを該第一の重合反応混合物と接触させることにより第二重合生成物を製造することの順次の段階を含む、制御された立体規則性を有するα−オレフィンポリマー生成物の製造法において、段階(ii)において第二重合生成物が、原子基準で、第一の有機金属化合物より多い、金属当りのハロゲンを含むところの第二の有機金属化合物、及び上記α−オレフィンモノマーではないところのオレフィンの0.01〜1.2%(ここで、該オレフィン量は、上記オレフィンと上記α−オレフィンモノマーとの合計モル量に基いて計算される)から選択される立体規則性制御剤の存在下に製造され、該第一の有機金属化合物が式(1)
【化1】
R 3m-n Al m X n (1)
(ここで、RはC 1 〜C 12 アルキルであり、Xはハロゲンであり、mは1又は2であり、かつnは0≦n<3m−1であるような整数である)を有する第一の有機アルミニウム化合物であり、該第二の有機金属化合物が式(2)
【化2】
R’ 3m'-n' Al m' X’ n' (2)
[ここで、R’はC 1 〜C 12 アルキルであり、X’はハロゲンであり、m’は1又は2であり、かつn’はn’/m’>n/m(ここで、n及びmは式(1)と同じである)及びn’<3m’であるような整数である]を有する第二の有機アルミニウム化合物であり、該オレフィンがエテンであることを特徴とする方法。 - 第二重合生成物の立体規則性が、上記第一重合生成物の立体規則性と本質的に同一水準に調節されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 上記第一の有機アルミニウム化合物がトリエチルアルミニウム又は他のトリ−C1〜C12アルキルアルミニウムであることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- 式(2)を有する上記第二の有機アルミニウム化合物が、C1〜C4アルキルアルミニウムジハライド、ジ−C1〜C4アルキルアルミニウムハライド及びC1〜C4アルキルアルミニウムセスキハライド並びにそれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
- 式(2)を有する上記第二の有機アルミニウム化合物が、エチルアルミニウムジクロリドEADC及びジエチルアルミニウムクロリドDEACから選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
- 段階(ii)において第二重合生成物が、0.08〜0.8%の上記オレフィン(ここで、該オレフィンは上記α−オレフィンモノマーではない)の存在下に製造されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
- 段階(ii)において第二重合生成物が、0.1〜0.4%の上記オレフィン(ここで、該オレフィンは上記α−オレフィンモノマーではない)の存在下に製造されることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 立体規則性付与外部電子ドナーが、式(3)
【化3】
R”n"Si(OR”’)4-n" (3)
(ここで、R”及びR”’は夫々独立して、C1〜C12ヒドロカルビルであり、かつn”は、1〜3の整数である)
を有するところのヒドロカルビルヒドロカルビルオキシシラン化合物から選ばれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。 - 立体規則性付与外部電子ドナーが、ジ−C4〜C12ヒドロカルビル ジ−C1〜C3アルコキシシラン又はC4〜C12ヒドロカルビルトリ−C1〜C3アルコキシシランであることを特徴とする請求項8記載の方法。
- 立体規則性付与外部電子ドナーが、ジシクロペンチルジメトキシシラン又はシクロヘキシルメチルジメトキシシランであることを特徴とする請求項8記載の方法。
- アルミニウムAl2として表現される、上記第二の有機アルミニウム化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーDの使用量は、原子対モルのフィード比Al2/Dが0.1〜10であるような量であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
- アルミニウムAl2として表現される、上記第二の有機アルミニウム化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーDの使用量は、原子対モルのフィード比Al2/Dが0.5〜1.5であるような量であることを特徴とする請求項11記載の方法。
- アルミニウムAl2として表現される、上記第二の有機アルミニウム化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーDの使用量は、原子対モルのフィード比Al2/Dが0.6〜1.4であるような量であることを特徴とする請求項11記載の方法。
- 段階(i)及び(ii)の重合生成物が、α−オレフィンモノマーとしてのプロペンを接触させることにより製造されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
- 上記第一重合生成物が、上記α−オレフィンモノマー及びコモノマーとしての他のα−オレフィン又はエテンを接触させることにより製造されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
- 高活性重合触媒系が、二塩化マグネシウム又はその錯体、四塩化チタン及び内部電子ドナーを接触させて固体状の中間体とし、そして該固体状の中間体を第一の有機金属化合物及び立体規則性付与外部電子ドナーと接触させることにより製造されたものであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
- (i)第一重合生成物が、8.0重量%以下及び1.5重量%以上の135℃でのキシレン可溶フラクションを有するポリプロペンを与えるところの条件下に製造されることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一つに記載の方法。
- (i)第一重合生成物が、5.0重量%以下及び2.0重量%以上の135℃でのキシレン可溶フラクションを有するポリプロペンを与えるところの条件下に製造されることを特徴とする請求項17記載の方法。
- (i)第一重合生成物が、ループ反応器又は他のバルク反応器において製造されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の方法。
- (ii)第二重合生成物が、気相反応器において製造されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
- 上記の第二の有機金属化合物が、(ii)第二重合生成物の製造前に高活性重合触媒系に加えられることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一つに記載の方法。
- 上記の第二の有機金属化合物が、(i)第一重合生成物の製造と(ii)第二重合生成物の製造との間で高活性重合触媒系に加えられることを特徴とする請求項21記載の方法。
- (i)第一重合生成物の製造と(ii)第二重合生成物の製造が、順次接続された重合反応器において実行されることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一つに記載の方法。
- 上記の0.01〜1.2%のエテンが、二つの順次接続された重合反応器の後者に加えられることを特徴とする請求項23記載の方法。
- 請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法により製造されたα−オレフィンポリマー生成物。
- ファイバー製造のために、請求項25記載のα−オレフィンポリマー生成物又は請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法により製造されたα−オレフィンポリマー生成物を使用する方法。
- フィルム製造のために、請求項25記載のα−オレフィンポリマー生成物又は請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法により製造されたα−オレフィンポリマー生成物を使用する方法。
- 成形品製造のために、請求項25記載のα−オレフィンポリマー生成物又は請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法により製造されたα−オレフィンポリマー生成物を使用する方法。
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