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JP4589676B2 - タイヤ用ゴム部材の製造方法。 - Google Patents
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本発明は、ゴムストリップを周方向かつ螺旋状に重ねて巻き付けることによりタイヤ用ゴム部材を形成するタイヤ用ゴム部材の製造方法に関する。
空気入りタイヤでは、各部位における要求特性が異なるため、例えばトレッドゴム、サイドウォールゴム、クリンチゴム、ブレーカクッションゴム、インナーライナゴムなど、配合及び断面形状を違えた種々のゴム部材から構成されている。そして従来、このゴム部材には、それぞれゴム押出機等によって押出成形された所望断面形状の成形体が使用され、この成形体を生タイヤ成形工程において成形ドラム上等で一周巻きすることにより各ゴム部材が形成される。
これに対して近年、図5(A)に例示するように、ゴムストリップaを周方向かつ螺旋状に重ねて巻き付けることにより、所望の断面形状に近いストリップ巻付け体bをゴム部材cとして成形ドラム上等に直接形成する所謂ストリップワインド方式が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。同図には、ゴム部材cがトレッドゴムである場合を例示している。この方式では、大型のゴム押出機が不要となり、かつゴム部材用の成形体を中間在庫として保管する必要がなくなるため、省スペース化を図ることができるなど、多品種少量生産の傾向が強いタイヤにとって大きなメリットを具えている。
特開平2000−94542号公報 特開平2002−160508号公報 特開平2002−79590号公報
前記ストリップワインド方式では、巻き付けに要する時間が長くなるため、生産性の向上を図るために、断面積が大な厚いゴムストリップaを使用し、巻き付け回数を減じることが望まれている。しかしゴムストリップaの厚肉化は、図5(B)に拡大して示すように、ゴム部材cの表面で生じるゴムストリップa、a間の段差kを増大させるという結果を招く。そして前記段差kの増大は、このゴム部材cと隣接する他のゴム部材cとの間、加硫金型との間、及びブラダーとの間等にエアー残り生じせしめ、ユニフォミティーやタイヤ品質の低下原因となる。又タイヤ表面に傷となって残存し、タイヤ外観を悪化させる原因ともなる。又前記厚肉化は、要求に応じた断面形状のゴム部材をうることを難しくさせるなどゴム部材の形成精度、及び形成形状の自由度を損ねるという問題も招く。
そこで本発明は、ゴムストリップとして、底辺をストリップ巾とした断面不等辺三角形状のものを使用することを基本として、ゴムストリップの断面積を高めてゴム部材の生産性向上を図りつつ、従来の厚肉化に伴う諸問題、即ちユニフォミティーやタイヤ品質の低下、タイヤ外観の悪化、ゴム部材の形成精度や形成形状の自由度の低下等を低減しうるタイヤ用ゴム部材の製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、ゴムストリップを周方向かつ螺旋状に重ねて巻き付けることにより前記ゴムストリップが重置されたタイヤ用ゴム部材を形成するタイヤ用ゴム部材の製造方法であって、
前記ゴムストリップは、その断面形状が、ストリップ巾をなす直線状の底辺と、この底辺の一端から直線状でのび対向頂点に至る第1の斜辺と、前記底辺の他端と前記対向頂点とを直線状で結びかつ前記第1の斜辺よりも短い第2の斜辺とからなる不等辺三角形状をなし、しかも前記底辺の長さL0を15〜40mm、厚さTを0.8〜3.0mm、かつ前記第1の斜辺の前記底辺に沿う長さL1を、前記底辺の長さL0の0.5倍より大かつ0.8倍以下とし
前記タイヤ用ゴム部材は、断面形状が互いに同一の第1、第2のゴムストリップからなり、
前記第1のゴムストリップを、タイヤ用ゴム部材の一端側の巻き始め位置から他端側の巻き終わり位置まで巻き付け、かつ前記第2のゴムストリップを、タイヤ用ゴム部材の他端側の巻き始め位置から一端側の巻き終わり位置まで前記第1のゴムストリップとは行き違い可能に巻き付けるとともに、
各巻き始め位置において、前記第1、第2のゴムストリップはその底辺の前記一端を、軸方向外側に向けて配したことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記ゴムストリップは、前記不等辺三角形状の前記対向頂点を含む各頂点が、半径0.2〜1.0mmの円弧で形成されたことを特徴としている。
本発明は叙上の如く構成しているため、ゴムストリップの断面積を高め、ゴム部材の生産性向上を図りつつ、従来の厚肉化に伴う諸問題、即ちユニフォミティーやタイヤ品質の低下、タイヤ外観の悪化、ゴム部材の形成精度や形成形状の自由度の低下等を低減することができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明の製造方法によって製造されたタイヤ用ゴム部材を用いて加硫成形された空気入りタイヤの一例を示す断面図である。
図1において、空気入りタイヤ1は、ゴム配合を違えた複数種のタイヤ用ゴム部材G、及びタイヤの骨格をなすカーカス6とその半径方向外側に配されるベルト7とを含むコード補強層を具えて形成される。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aからなる。このカーカスプライ6Aは、本例では、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の周りで折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
又前記ベルト7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35°の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bからなり、ベルトコードがプライ間交互で交差することにより、ベルト剛性を高めトレッド部2を強固に補強する。なおベルト7の外側には、高速走行性能を高めることを主目的として、バンドコードをタイヤ周方向に沿って配列させたバンド9を設けることができる。
次に、前記タイヤ用ゴム部材Gとしては、前記トレッド部2に配され接地面をなすトレッドゴムG1と、前記サイドウォール部3に配されタイヤ外側面をなすサイドウォールゴムG2と、前記カーカス6の内側に配されタイヤ内腔面をなすインナーライナゴムG3と、前記ビード部4に配されリムずれを防止するクリンチゴムG4と、前記ベルト7の両端かつカーカス6との間に配されてベルト外端を保護するベルトクッションゴムG5と、前記ビードコア5から半径方向外方にのびるビードエーペックスゴムG6とを含むことができる。
そして、前記タイヤ用ゴム部材G1〜G6のうちの少なくとも一つを、ストリップワインド方式によって形成している。すなわち図2に誇張して示すように、未加硫のゴムストリップ10を、周方向かつ螺旋状に順次重ねて巻き付けることにより、このゴムストリップ10の巻き付け体としてタイヤ用ゴム部材Gを形成している。なお図2には、成形ドラムDの外周面に設けた周方向の凹部Da内に、前記ベルト7、バンド9を順次形成し、成形ドラムDの外周面とバンド9の外周面とを平坦化した後、この平坦化した外周面上に、ゴムストリップ10を巻き付けてトレッドゴムG1を形成した場合を例示している。
そして本発明では、タイヤのユニフォミティーやタイヤ品質の低下、タイヤ外観の悪化、タイヤ用ゴム部材Gの形成精度や形成形状の自由度の低下等を低減しながら、ゴムストリップ10の断面積を高め、タイヤ用ゴム部材Gの生産性の向上を図るために、図3(A)に示すように、前記ゴムストリップ10を、断面不等辺三角形状で形成している。
詳しくは、ゴムストリップ10の断面形状は、ストリップ巾Wをなす直線状かつ最大長さの底辺11と、この底辺11の一端P1から直線状でのび対向頂点P3に至る第1の斜辺12と、前記底辺11の他端P2と前記対向頂点P3とを直線状で結びかつ前記第1の斜辺12よりも短い第2の斜辺13とからなる左右非対称の不等辺三角形状をなす。しかもゴムストリップ10は、前記底辺11の長さL0であるストリップ巾Wを15〜40mm、かつ前記底辺11からの対向頂点P3の高さであるストリップの厚さTを0.8〜3.0mmとするとともに、前記第1の斜辺12の前記底辺11に沿う長さL1を、前記底辺の長さL0の0.5倍より大かつ0.8倍以下に設定している。
このように断面不等辺三角形状をなすことにより、前記厚さTをある程度大として断面積を増加させながらも、図4に拡大して示すように、隣り合うゴムストリップ10、10間の段差kを、従来的な段差k’(一点鎖線で示す)に比して緩和できる。しかも重なり部分10aは、剣先状をなすため、隣りのゴムストリップ10に沿って容易に変形しうる。従って、巻き付け回数を減じて生産性の向上を図りながら、滑らかな外面形状のタイヤ用ゴム部材Gを形成することができ、タイヤのユニフォミティーやタイヤ品質の低下、及びタイヤ外観の悪化等を抑えることができる。
特に「不等辺」であることにより、前記重なり部分10aをより鋭利化でき、外面形状をより円滑化しうる。又タイヤ用ゴム部材Gでは、その両端を剣先状としたプロファイルが要求されるが、「不等辺」であることにより、ゴムストリップ10の前記一端P1側の頂部をより鋭利化でき、前記要求に応じたプロファイルを容易にかつ精度良く作成することができる。
なお、例えばトレッドゴムG1の如く左右対称プロファイルのタイヤ用ゴム部材Gを形成する場合には、前記図2に示すように、断面形状が互いに同一の第1、第2のゴムストリップ10A、10Bを用いる。具体的には、前記第1のゴムストリップ10Aを、タイヤ用ゴム部材Gの一端Ea側の巻き始め位置A1から他端Eb側の巻き終わり位置A2まで巻き付ける。又前記第2のゴムストリップ10Bを、タイヤ用ゴム部材Gの他端Eb側の巻き始め位置B1から一端Ea側の巻き終わり位置B2まで、前記第1のゴムストリップ10Aとは行き違い可能に巻き付ける。この時、各巻き始め位置A1、B1において、前記第1、第2のゴムストリップ10A、10Bは、その底辺11の前記一P1端を、軸方向外側に向けて配置する。これにより、両端Ea、Ebを剣先状とした左右対称プロファイルのタイヤ用ゴム部材Gを形成することができる。なお前記「行き違い」は、第1、第2のゴムストリップ10A、10Bの巻き始め位置A1、B1の周方向の位相を、好ましくは90°以上、例えば180°程度相違させることにより行いうる。
ここで、前記長さL0が15mm未満、及び厚さTが0.8mm未満では、断面積が過小であり、タイヤ用ゴム部材Gの生産性向上効果が充分発揮されない。又前記長さL0が40mmより大、及び厚さTが3.0mmより大では、形成しうるタイヤ用ゴム部材Gの断面形状が制限されるなど形成形状の自由度を損ねるとともに、所望断面形状との形状差が大きくなるなど形成精度の低下を招く。なお前記長さL0と厚さTとの比T/L0は0.02〜0.2が好ましい。
又前記長さL1と長さL0との比L1/L0が0.8より大では、ゴムストリップ10の断面形状が異形となりすぎて、形成形状の自由度を逆に損ねる傾向となり、又形成精度にも不利となる。従って、前記比L1/L0は、0.6〜0.7の範囲がより好ましい。
又ゴムストリップ10では、その断面の各頂点P1〜P3がエッジであると変形しやすく形状安定性に劣る傾向があり、タイヤ用ゴム部材Gの形成精度を減じる恐れがある。従って、頂点P1を代表して示す図3(B)の如く、前記各頂点P1〜P3を、半径rが0.2〜1.0mmの円弧で形成するのが好ましい。
なお本発明においては、図示しないが、トレッドゴムG1以外の例えばサイドウォールゴムG2、インナーライナゴムG3、クリンチゴムG4、ベルトクッションゴムG5、ビードエーペックスゴムG6等の種々のタイヤ用ゴム部材Gを、前記ゴムストリップ10の巻き付けにより形成することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
表1の仕様のゴムストリップを用いてトレッドゴムを形成した空気入りタイヤ(タイヤサイズ215/45ZR17)を試作するとともに、各試供タイヤの外表面におけるディフェクトの発生状況、及びユニフォミティーを比較評価した。表1以外は、同仕様である。
(1) ディフェクトの発生状況;
各30本の試供タイヤに対して、トレッド外表面におけるベア等の状況を目視によって検査し、以下のA、B、Cの基準で評価した。
A:ベア等の発生は認められない。
B:小さなディフェクトが認められる。(修正不要な軽微なレベル)
C:大きなディフェクトが認められる。(修正必要なレベル)
(2)ユニフォミティー;
フォースバリエイション(FV)試験機を用い、JASO C607の規格に基づいてRFV(O.A.)を測定し、各30本の試作タイヤの平均値を記載した。
Figure 0004589676
本発明の製造方法によって製造されたタイヤ用ゴム部材を用いた空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 タイヤ用ゴム部材がトレッドゴムである場合の断面図である。 (A)はゴムストリップの断面形状を示す断面図、(B)はその頂点を拡大して示す部分断面図である。 本発明の作用効果の一つを説明する部分断面図である。 (A)、(B)は、従来技術の問題点を説明する線図である。
符号の説明
10、10A、10B ゴムストリップ
11 底辺
12 第1の斜辺
13 第2の斜辺
A1、B1 巻き始め位置
A2、B2 巻き終わり位置
G タイヤ用ゴム部材
P1 一端
P2 他端
P3 対向頂点
W ストリップ巾

Claims (2)

  1. ゴムストリップを周方向かつ螺旋状に重ねて巻き付けることにより前記ゴムストリップが重置されたタイヤ用ゴム部材を形成するタイヤ用ゴム部材の製造方法であって、
    前記ゴムストリップは、その断面形状が、ストリップ巾をなす直線状の底辺と、この底辺の一端から直線状でのび対向頂点に至る第1の斜辺と、前記底辺の他端と前記対向頂点とを直線状で結びかつ前記第1の斜辺よりも短い第2の斜辺とからなる不等辺三角形状をなし、しかも前記底辺の長さL0を15〜40mm、厚さTを0.8〜3.0mm、かつ前記第1の斜辺の前記底辺に沿う長さL1を、前記底辺の長さL0の0.5倍より大かつ0.8倍以下とし
    前記タイヤ用ゴム部材は、断面形状が互いに同一の第1、第2のゴムストリップからなり、
    前記第1のゴムストリップを、タイヤ用ゴム部材の一端側の巻き始め位置から他端側の巻き終わり位置まで巻き付け、かつ前記第2のゴムストリップを、タイヤ用ゴム部材の他端側の巻き始め位置から一端側の巻き終わり位置まで前記第1のゴムストリップとは行き違い可能に巻き付けるとともに、
    各巻き始め位置において、前記第1、第2のゴムストリップはその底辺の前記一端を、軸方向外側に向けて配したことを特徴とするタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  2. 前記ゴムストリップは、前記不等辺三角形状の前記対向頂点を含む各頂点が、半径0.2〜1.0mmの円弧で形成されたことを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法。
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