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JP4590666B2 - 導電性ペーストおよびこれを用いたセラミック電子部品 - Google Patents
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JP4590666B2 - 導電性ペーストおよびこれを用いたセラミック電子部品 - Google Patents

導電性ペーストおよびこれを用いたセラミック電子部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック電子部品の厚膜電極形成に用いられる導電性ペーストに関し、より特定的には、積層セラミック電子部品の外部電極形成に用いられる導電性ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より導電性ペーストは、例えばAg,Ag/Pd,Au等の貴金属、あるいはCu,Ni等の卑金属からなる導電性粉末と、溶剤に有機バインダを溶解させた有機ビヒクルと、ガラスフリットとから主になる。ガラスフリットは、例えばB23、SiO2、Al23、ZnO、BaO、Bi23、PbO等の金属酸化物等からなる。
【0003】
従来よりセラミック電子部品、例えば積層セラミックコンデンサは、積層体と、内部電極と、外部電極とから主になる。積層体は、例えば誘電体からなる複数のセラミック層が積層され圧着され焼成されてなる。内部電極は、上述したセラミック層の所定枚数に電極膜が印刷され、セラミック層とともに同時焼成されてなる。内部電極の一端は、積層体の一方の端面に露出し、他端は積層体の内部にとどまるように形成されている。外部電極は、積層体の端面に形成された一対の厚膜電極であり、導電性ペースト中に浸漬塗布され乾燥、焼成されてなる。また、外部電極は、積層体の端面に露出された内部電極の一端と電気的かつ機械的に接合されている。
【0004】
また、外部電極の半田濡れ性ならびに半田耐熱性を向上させる目的で、例えばNi、Snあるいは半田等からなるめっき膜が外部電極を覆うように施される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のセラミック電子部品のめっき工程において、外部電極に存在するポアを伝ってめっき液が外部電極の内部に浸入し、場合によってめっき液は積層体にまで達し、複数のセラミック層の層界面に浸入して積層体にクラックが発生する。
【0006】
また、セラミック層ならびに内部電極の薄層化とともに積層されるセラミック層の枚数が増加し、クラック発生の頻度が高くなる傾向にある。
【0007】
本発明の目的は、外部電極を覆うようにNi、Snあるいは半田等からなるめっき膜を形成しても、めっき液が外部電極の内部を伝って積層体に達することを抑え得る導電性ペースト、ならびにめっき液の浸入によるクラックの発生を抑えたセラミック電子部品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の導電性ペーストは、導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとからなり、ガラスフリットは、Cu成分とNi成分から選ばれる少なくとも1種からなる金属酸化物群Aを含有しBi成分を含有せず、金属酸化物群Aは、ガラスフリット100モル%に対し酸化物モル比で6〜8.5モル%含有することを特徴とする。
【0009】
また、ガラスフリットは金属酸化物群Aと金属酸化物群Bとからなり、金属酸化物群Bは、B成分,Si成分,Al成分,Zn成分およびBa成分を含有することが好ましい。
【0010】
また、本発明の導電性ペーストにおける導電性粉末とガラスフリットの容積比率は、導電性粉末50.0〜92.5体積%に対してガラスフリット7.5〜50.0体積%であることが好ましい。
【0011】
また、本発明のセラミック電子部品は、複数のセラミック層が積層されてなる積層体と、積層体の端面に形成された一対の外部電極と、前記外部電極を覆うようにめっき膜を備えるセラミック電子部品であって、外部電極は、本発明の導電性ペーストを焼成してなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性ペーストに用いるガラスフリットとしては、Cu成分とNi成分から選ばれる少なくとも1種からなる金属酸化物群Aと、例えばB成分、Si成分、Al成分、Zn成分、Ba成分を含有する金属酸化物群Bとからなるものが挙げられ、金属酸化物群Aの含有量は、ガラスフリット100モル%に対して、それぞれCuO,NiO,B23,SiO2,Al23,ZnO,BaO換算の酸化物モル比で2〜15モル%の範囲内であることを要する。金属酸化物群Aの含有量が2モル%未満であると、金属酸化物群Aの添加効果が十分に発揮されない。他方、金属酸化物群Aの含有量が15モル%を超えると、ガラスフリット全体の組成が大きく変化し、外部電極を覆うようにめっき膜を形成した場合にめっき液が外部電極内部に浸入し、本発明の効果が得られない。
【0013】
また、本発明の導電性ペーストのガラスフリットは、Bi成分を含有しないことを要する。ガラスフリット中にBi成分を含有すると、外部電極を覆うようにめっき膜を形成した場合に、めっき液が外部電極内部に浸入して本発明の効果が得られにくい。
【0014】
また、導電性粉末とガラスフリットの容積比率は、導電性粉末50.0〜92.5%に対してガラスフリット7.5〜50.0体積%であることが好ましい。ガラスフリットの容積比率が7.5体積%未満になると、Cu成分あるいはNi成分がクラックの発生を抑制する効果が低下する。他方、ガラスフリットの容積比率が50体積%を超えると、めっき付着性が低下する。
【0015】
次に、本発明のセラミック電子部品の一つの実施形態として積層セラミックコンデンサを挙げ、これを図1に示して詳細に説明する。積層セラミックコンデンサ1は、積層体2と、内部電極3と、外部電極4,4と、Niめっき膜5,5と、Snめっき膜6,6を備える。
【0016】
積層体2は、例えば誘電体からなる複数のセラミック層2aが積層され圧着され焼成されてなる。内部電極3は、上述したセラミック層2aの所定枚数に電極膜が印刷され、セラミック層2aとともに同時焼成されてなる。内部電極3,3の一端は、積層体2の一方の端面に露出し、他端は積層体2の内部にとどまるように形成されている。外部電極4,4は、積層体2の端面に形成された一対の厚膜電極であり、導電性ペースト中に浸漬塗布され乾燥、焼成されてなり、積層体2の端面に露出された内部電極3の一端と電気的かつ機械的に接合されている。Niめっき膜5,5は、外部電極4,4を覆うように形成されている。Snめっき膜6,6は、Niめっき膜5,5を覆うように形成されている。
【0017】
なお、上述した本発明のセラミック電子部品の一つの実施形態において、セラミック電子部品として例えば積層セラミックコンデンサを挙げたが、本発明は特にこれに限定されることなく、NTCサーミスタ、PTCサーミスタ、バリスタ等であっても構わない。
【0018】
また、上述した本発明のセラミック電子部品の一つの実施形態において、積層体の内部に内部電極を備えるものを挙げたが、本発明の内部電極の形状ならびに枚数は特にこれに限定されることはなく、内部電極の一端が外部電極と電気的かつ機械的に接合されていなくても構わない。また、積層体の内部に内部電極が積層されていなくても構わない。
【0019】
また、上述した本発明のセラミック電子部品の一つの実施形態において、めっき膜としてNiめっき膜とSnめっき膜を形成したが、本発明のめっき膜の材質ならびに層数は特にこれに限定されることはない。
【0020】
【実施例】
まず、表1に示すようなガラスフリットの組成比率となるように、以下の方法によりガラスフリットを作製した。すなわち、出発原料としてH3BO3、SiO2、Al(OH)3、ZnO、BaCO3、およびCu(OH)2、Ni(OH)2を準備し、それぞれ所定量調合した。次に、アルミナ坩堝中で1200℃で溶融し、水中に投下して急冷してガラス化させ、得られたガラスのカレットをめのう乳鉢で粗粉砕し、ジルコニア球をメディアに用いたボールミルを用いて微粉砕を行い、試料1〜25のガラスフリットを得た。
【0021】
次に、試料1〜25のガラスフリットを用いて導電性ペーストを作製した。すなわち、Cu粉末が80%、試料1〜25のガラスフリットが20%の容積比率となるようにこれらを混合し、さらに有機ビヒクルを適量加えて三本ロールで混練し分散して、試料1〜25の導電性ペーストを作製した。なお、有機ビヒクルは、テルピネオールにアクリル樹脂を10重量%溶解して作製した。
【0022】
次に、上述した図1に示す積層セラミックコンデンサを作製した。すなわち、BaTiO3を主成分として、Niを導電成分とする複数の内部電極3,3を備える積層体2を準備した。次に、この積層体2の両端面を試料1〜25の導電性ペーストに浸漬塗布し、120℃で10分間乾燥させた後、850℃で10分間保持して焼成して外部電極4,4を形成した。なお、焼成はCu粉末が酸化しないよう中性雰囲気中で行った。次に、外部電極を覆うようにNiめっき膜5,5およびSnめっき膜6,6を施して、試料1〜25の積層セラミックコンデンサを各々1000個ずつ得た。
【0023】
そこで、試料1〜25の積層セラミックコンデンサについて、積層体内部の欠陥検査を行い、積層体にクラックが発生しているものを計数してこれを表1にまとめた。また、試料1〜21については、ガラスフリット中の金属酸化物群Aの含有量とクラック発生数の関係を図2のグラフにまとめた。
【0024】
【表1】
Figure 0004590666
【0025】
表1から明らかであるように、ガラスフリット100モル%に対して酸化物モル比で2〜15モル%のNi成分あるいはCu成分を含有する試料3〜8,11〜16,18〜20は、各々1000個中のクラック発生数が0〜25であり、何れも3%を下回る優れた結果が得られた。
【0026】
これに対して、Ni成分およびCu成分を含有しない、あるいはNi成分とCu成分の合計含有量が、NiO,CuO換算で2.0%を下回る試料1,2,10は、93〜221個のクラックが発生して本発明の範囲外となった。
【0027】
また、Ni成分とCu成分の合計含有量が、NiO,CuO換算で15.0%を超える試料9,17,21は、105〜189個のクラックが発生して本発明の範囲外となった。
【0028】
図2の実線から明らかであるように、ガラスフリット中のCu成分の含有量がCuO換算で2モル%を超える付近からクラック発生数が急激に減少する。クラック発生数は、Cu成分の含有量がCuO換算のモル比6〜8.5モル%の付近で最少となり15モル%を超えるとクラック発生数は再び増加した。
【0029】
また、図2の点線から明らかであるように、ガラスフリット中のNi成分の含有量がNiO換算で2モル%を超える付近からクラック発生数が急激に減少する。クラック発生数は、Ni成分の含有量がNiO換算のモル比6〜8.5モル%の付近で最少となり15モル%を超えるとクラック発生数は再び増加した。
【0030】
また、図2の二点鎖線から明らかであるように、ガラスフリット中のNi成分とCu成分の合計含有量が、NiO,CuO換算のモル比で2モル%を超える付近からクラック発生数が急激に減少した。クラック発生数は、Ni成分とCu成分の合計含有量が、NiO,CuO換算のモル比6〜8.5モル%の付近で最少となり、15モル%を超えるとクラック発生数は再び増加した。
【0031】
また、Cu成分およびNi成分の何れも含有しないガラスフリットを用いた試料1と、試料1とほぼ同じガラスフリット組成に加えてBi成分をBi23換算のモル比で1%含有する試料25を比較すると、クラック発生数はそれぞれ221、370個であり、Bi成分を含有することでクラック発生数が増加していることが分かる。この結果を踏まえて、Cu成分をCuO換算のモル比で8.5%、Bi成分をBi23換算のモル比で0.5〜2.0%含有する試料22〜24と、Cu成分をCuO換算のモル比で8.5%含有してBi成分を含有しない試料6を比較すると、試料6のクラック発生数は0個であるのに対して、試料22〜24のクラック発生数はそれぞれ271,386,483個であり、Bi成分のBi23換算のモル比が大きくなるほどクラック発生数が増加することが分かる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明の導電性ペーストは、導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとからなり、ガラスフリットは、Cu成分とNi成分から選ばれる少なくとも1種からなる金属酸化物群Aを含有しBi成分を含有せず、金属酸化物群Aは、ガラスフリット100モル%に対し酸化物モル比で6〜8.5モル%含有することを特徴とすることで、このような導電性ペーストを用いて形成されるセラミック電子部品の外部電極を覆うようにNi、Snあるいは半田めっき膜等を形成しても、めっき液が外部電極の内部を伝って積層体に達することを抑制することができるため、クラックの発生を抑えたセラミック電子部品を得ることができる。
【0033】
また、本発明の導電性ペーストにおけるガラスフリットが、金属酸化物群Aと金属酸化物群Bとからなり、金属酸化物群Bは、B成分,Si成分,Al成分,Zn成分およびBa成分を含有することを特徴とすることで、セラミック電子部品の外部電極形成に好適な、いわゆるB−Si−Al−Zn−O系ガラスフリットを含む導電性ペーストとなり、このような導電性ペーストを用いて形成されるセラミック電子部品の外部電極を覆うようにNi、Snあるいは半田めっき膜等を形成しても、めっき液が外部電極の内部を伝って積層体に達することを抑制することができるため、クラックの発生を抑えたセラミック電子部品を得ることができる。
【0034】
また、本発明の導電性ペーストは、導電性粉末とガラスフリットの容積比率は、導電性粉末50.0〜92.5体積%に対してガラスフリット7.5〜50.0体積%であるとき、Cu成分あるいはNi成分がクラックの発生を抑制する効果が顕著となり好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一つの実施形態のセラミック電子部品の断面図である。
【図2】本発明に係る一つの実施形態のセラミック電子部品における、ガラスフリット中の金属酸化物群Aの含有量とクラック発生数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 セラミック電子部品
2 積層体
3 外部電極
4,5 めっき膜

Claims (4)

  1. 導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルと、からなる導電性ペーストであって、
    前記ガラスフリットは、Cu成分とNi成分から選ばれる少なくとも1種からなる金属酸化物群Aを含有しBi成分を含有せず、
    前記金属酸化物群Aは、前記ガラスフリット100モル%に対し酸化物モル比で6〜8.5モル%含有することを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記ガラスフリットは金属酸化物群Aと金属酸化物群Bとからなり、前記金属酸化物群Bは、B成分,Si成分,Al成分,Zn成分およびBa成分を含有することを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記導電性粉末と前記ガラスフリットの容積比率は、前記導電性粉末50.0〜92.5体積%に対して前記ガラスフリット7.5〜50.0体積%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. 複数のセラミック層が積層されてなる積層体と、前記積層体の端面に形成された一対の外部電極と、前記外部電極を覆うようにめっき膜を備えるセラミック電子部品であって、
    前記外部電極は、請求項1ないし3の何れかに記載の導電性ペーストを焼成してなることを特徴とするセラミック電子部品。
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