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JP4590777B2 - ヒートポンプ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン冷却水で冷媒を加熱する熱交換器を有するヒートポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
先ず、図10のヒートポンプ1の概要について説明する。図10のヒートポンプ1は、エンジン冷却水で冷媒を加熱する熱交換器17を有するものであり、冷却水回路2と冷媒回路3から構成されている。
【0003】
この点、冷却水回路2においては、エンジン12や排気熱交換器18で加熱されて高温となったエンジン冷却水をウォーターポンプ11でラジエータ13に導くことにより、エンジン冷却水の温度を低くしている。このとき、エンジン12が冷えすぎても不調をきたすので、サーモスタット14によって、ラジエータ13に向かうエンジン冷却水の流量とバイパス流路15に向かうエンジン冷却水の流量とを自動的にコントロールしている。また、上述したように、エンジン冷却水で冷媒を加熱する熱交換器17を設けており、電動水三方弁16によって、熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量とサーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量とをコントロールしている。
【0004】
尚、ラジエータ13の下流側に設けられたラジエータ・キャップ20は、ラジエータ13内の圧力を調節することによりエンジン冷却水の蒸発量を少なくするものであり、その圧力は大気圧より高く設定される。また、ラジエータ・キャップ20の上流側で分岐して設けられたリザーブ・タンク19は、エンジン冷却水の蒸気が冷えて液体に戻ったものを溜めるものである。
【0005】
一方、冷媒回路3には、エンジン12で駆動する圧縮機21と、冷媒と冷凍機油を分離するオイルセパレータ22、冷房・暖房の冷媒回路に切り替える四方弁23、室外空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器24、室内空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器27、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換を行う熱交換器17、液冷媒とガス冷媒を分離するアキュムレータ25、液流量調整弁30などが設けられている。
【0006】
尚、オイルセパレータ22は、キャピラリー29を介して、圧縮機21の吸入口とアキュムレータ25に接続されている。
【0007】
ここで、図10のヒートポンプ1が暖房運転を行うときは、以下のような暖房サイクルが行われる。すなわち、四方弁23が暖房の冷媒回路に切り替えると、圧縮機21で高温・高圧となった冷媒は、四方弁23を介して室内熱交換器27へと流入する。このとき、室内熱交換器27では、室内空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷媒が凝縮する一方、冷媒の凝縮熱により室内空気が加熱されて温風となり、暖房効果が生じる。そして、室内熱交換器27を流出した冷媒は、膨張弁23で膨張した後に、室外熱交換器24へと流入する。このとき、室外熱交換器24では、室外空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷媒が加熱されて蒸発する。さらに、室外熱交換器24を流出した冷媒は、四方弁23を介して熱交換器17へと流入する。このとき、熱交換器17では、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換を行うことにより、エンジン冷却水が冷却される一方、冷媒が加熱されて蒸発する。そして、熱交換器17を流出した冷媒は、アキュムレータ25で液冷媒が分離された後に圧縮機21に戻る。
【0008】
従って、上述した暖房サイクルでは、室外熱交換器24及び熱交換器17での冷媒の蒸発熱量が多くなるほど、室内熱交換器27での室内空気の加熱量を大きくすることができるので、熱交換器17において、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換をできる限り多く行うことが暖房能力の増加につながることなる。
【0009】
一方、図10のヒートポンプ1が冷房運転を行うときは、以下のような冷房サイクルが行われる。すなわち、四方弁23が冷房の冷媒回路に切り替えると、圧縮機21で高温・高圧となった冷媒は、四方弁23を介して室外熱交換器24へと流入する。このとき、室外熱交換器24では、室外空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷媒が凝縮される。そして、室外熱交換器24を流出した冷媒は、膨張弁23で膨張した後に、室内熱交換器27へと流入する。このとき、室内熱交換器27では、室内空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷媒が加熱されて蒸発する一方、冷媒の蒸発熱により室内空気が冷却されて冷風となり、冷房効果が生じる。さらに、室内熱交換器27を流出した冷媒は、四方弁23を介して熱交換器17へと流入し、熱交換器17を流出した冷媒は、アキュムレータ25で液冷媒が分離された後に圧縮機21に戻る。
【0010】
そして、図10のヒートポンプ1が冷房運転を行う場合において、室内熱交換器27における冷媒の蒸発が不足しているときは、液流量調整弁30を介して、室外熱交換器24から流出した冷媒の一部を熱交換器17に流入させるとともに、電動水三方弁16を介して、エンジン12から流出したエンジン冷却水の一部を熱交換器17に流入させており、このとき、熱交換器17では、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換を行うことにより、エンジン冷却水が冷却される一方、冷媒が加熱されて蒸発するので、これにより、室内熱交換器27における冷媒の蒸発不足を解消させることができる。
【0011】
もっとも、成績係数の低下を防止する観点から、室内熱交換器27における冷媒の蒸発が不足しているときであっても、エンジン12の見掛け回転数(室内熱交換器27の冷媒流量に相当するもの)が最低でないときは、エンジン12の回転数を下げる制御を優先しており、エンジン12の見掛け回転数が最低であるときのみに、電動水三方弁16の開度及び液流量調整弁30の開度を制御することにより、エンジン冷却水及び冷媒を熱交換器17に通過させている。
【0012】
この点、図10のヒートポンプ1では、エンジン12の回転数の制御と、電動水三方弁16の開度及び液流量調整弁30の開度の制御を、同一の冷媒目標温度を使用して連携させながら行っているが、これでは、急激な運転状況の変化に追従しにくくなるので、エンジン12の回転数の制御や、電動水三方弁16の開度及び液流量調整弁30の開度の制御を割り込ませて行うことにより、応答性を向上させている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジン12の回転数の制御や、電動水三方弁16の開度及び液流量調整弁30の開度の制御を割り込ませて行うと、エンジン12の見掛け回転数が最低でないときにエンジン冷却水が熱交換器17を通過するイレギュラーな状態になることがあり、かかるイレギュラーな状態になると、エンジン12の見掛け回転数が最低であるときにエンジン冷却水が熱交換器17を通過するレギュラーな状態に戻るまでに、各制御が不安定となる問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、成績係数の低下を防止するとともに、エンジンの回転数の制御と電動水三方弁の開度及び液流量調整弁の開度の制御とを安定して行うことができるヒートポンプを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、駆動源であるエンジンの排熱を回収するための冷却水回路と、冷凍サイクルにより冷房・暖房を行うための冷媒回路と、前記冷媒回路の冷媒を低温流体とするとともに前記冷却水回路のエンジン冷却水を高温流体とする熱交換器と、前記熱交換器に向かう前記冷媒の流量をコントロールする液流量調節弁と、前記熱交換器に向かう前記エンジン冷却水の流量をコントロールする電動水三方弁と、を有し、前記冷媒回路の冷媒目標温度に基づいて前記エンジンの回転数を制御することにより前記冷媒回路の冷媒循環量をコントロールするとともに、前記冷媒回路の冷媒目標温度に基づいて前記電動水三方弁の開度及び前記液流量調節弁の開度を制御することにより前記冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を前記熱交換器で補うヒートポンプにおいて、前記電動水三方弁の開度及び前記液流量調節弁の開度の制御と前記エンジンの回転数の制御とを独立して行うとともに、前記電動水三方弁の開度及び前記液流量調節弁の開度の制御で使用する冷媒目標温度を前記エンジンの回転数の制御で使用する冷媒目標温度よりも低く設定したこと、を特徴としている。
【0016】
このような特徴を有する本発明のヒートポンプは、冷媒回路の冷媒目標温度に基づいてエンジンの回転数を制御することにより冷媒回路の冷媒循環量をコントロールするものである。従って、例えば、冷媒回路の冷媒目標温度より冷媒回路の冷媒温度が高いときは、エンジンの回転数を上げ方向に制御して、冷媒回路の冷媒循環量を多くしていき、冷媒回路の冷媒目標温度と冷媒回路の冷媒温度が等しいときは、エンジンの回転数を維持するように制御して、冷媒回路の冷媒循環量を保持し、冷媒回路の冷媒目標温度より冷媒回路の冷媒温度が低いときは、エンジンの回転数を下げ方向に制御して、冷媒回路の冷媒循環量を少なくしていく。
【0017】
その一方で、本発明のヒートポンプは、冷媒回路の冷媒目標温度に基づいて電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度を制御することにより冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を熱交換器で補うものである。従って、例えば、冷媒回路の冷媒目標温度より冷媒回路の冷媒温度が高いときは、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度を閉じ方向に制御して、熱交換器を通過するエンジン冷却水及び冷媒を少なくしていき、冷媒回路の冷媒目標温度と冷媒回路の冷媒温度が等しいときは、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度を維持するように制御して、熱交換器を通過するエンジン冷却水及び冷媒を保持し、冷媒回路の冷媒目標温度より冷媒回路の冷媒温度が低いときは、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度を開け方向に制御して、熱交換器を通過するエンジン冷却水及び冷媒を多くしていく。
【0018】
この点、本発明のヒートポンプでは、電動水三方弁液の開度及び液流量調節弁の開度の制御の基準となる冷媒目標温度をエンジンの回転数の制御で基準となる冷媒目標温度よりも低く設定しており、各制御の定常時において、エンジンの回転数が最低でないときは、必ず、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度が全閉となり、逆に、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度が開いているときは、必ず、エンジンの回転数が最低となる。従って、冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を補う際は、エンジンの回転数を最低にすることが熱交換器で補うことよりも優先される。
【0019】
すなわち、本発明のヒートポンプでは、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御で基準となる冷媒目標温度をエンジンの回転数の制御で基準となる冷媒目標温度よりも低く設定することにより、冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を補う際(各制御の定常時)に、エンジンの回転数を最低にすることを熱交換器で補うことよりも優先して行うことが可能となるので、成績係数の低下を防止することができ、さらに、このとき、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御とエンジンの回転数の制御とが独立して行われるので、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御とエンジンの回転数の制御とを安定に行うことができる。
【0020】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載するヒートポンプであって、前記電動水三方弁の開度及び前記液流量調節弁の開度が維持される第1不感帯と前記エンジンの回転数が維持される第2不感帯とを隣接して設けたこと、を特徴としている。
【0021】
さらに、本発明のヒートポンプにおいて、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度が維持される第1不感帯とエンジンの回転数が維持される第2不感帯とを隣接して設ければ、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御とエンジンの回転数の制御とをより安定に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。先ず、第1実施の形態のヒートポンプについて説明する。第1実施の形態のヒートポンプの構成は、「従来の技術」の欄で説明した図10のヒートポンプ1と同じである。
尚、室内熱交換器31には、室内熱交換器31内の冷媒温度を測定するための温度センサー31が設けられている。また、圧縮機21には、吸入口側の冷媒温度を測定するための温度センサー32と、吐出口側の冷媒温度を測定するための温度センサー33とが設けられている。また、エンジン12には、エンジン冷却水の温度を測定するための温度センサー34が設けられている。また、圧縮機21には、吸入口側の冷媒圧力を測定するための圧力センサー(図示せず)が設けられている。
【0023】
そして、第1実施の形態のヒートポンプ1において、冷房運転を行う場合には、図9に示すようにして、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とを所定時間毎(例えば、1分毎)に行っている。
【0024】
ここで、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とで使用される冷媒回路3の冷媒温度には、室内熱交換器22内の冷媒温度(以下、「室内熱交換器温度」という)を用いる。
【0025】
また、電動水三方弁16の開度が全開とは、エンジン冷却水の全流量が熱交換器17に向かうことを意味し、電動水三方弁16の開度が全閉とは、エンジン冷却水の全流量がサーモスタット14に向かうことを意味する。従って、電動水三方弁16の開度が開方向に移動すると、熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量が増加するとともにサーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量が減少する。一方、電動水三方弁16の開度が閉方向に移動すると、熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量が減少するとともにサーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量が増加する。
【0026】
また、液流量調整弁30の開度が全開とは、冷媒の可能な限りの最大量が熱交換器17に向かうことを意味し、液流量調整弁30の開度が全閉とは、冷媒の全流量が室内熱交換器22に向かうことを意味する。従って、液流量調整弁30の開度が開方向に移動すると、熱交換器17に向かう冷媒の流量が増加するとともに室内熱交換器22に向かう冷媒の流量が減少する。一方、液流量調整弁30の開度が閉方向に移動すると、熱交換器17に向かう冷媒の流量が減少するとともに室内熱交換器22に向かう冷媒の流量が増加する。
【0027】
さて、第1実施の形態のヒートポンプ1で冷房運転を行う場合には、上述したように、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とが所定時間毎(例えば、1分毎)に行われる。
すなわち、図9のフローチャートに示すように、先ず、S210において、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより高いか否かを判断する。ここで、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより高いと判断する場合には(S201:Yes)、S202に進んで、エンジン12の回転数の制御を行って、エンジン12の回転数を上げていく。そして、S203に進んで、電動水三方弁16の開度の制御を行って、電動水三方弁16の開度を閉じていく。さらに、S204に進んで、液流量調整弁30の開度の制御を行って、液流量調整弁30の開度を閉じていく。
【0028】
一方、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより高いと判断しない場合には(S201:No)、S205に進んで、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETと等しいか否かを判断する。ここで、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETに等しいと判断する場合には(S205:Yes)、S206に進み、エンジン12の回転数の制御を行って、エンジン12の回転数を維持する。そして、S207に進んで、電動水三方弁16の開度の制御を行って、電動水三方弁16の開度を閉じていく。さらに、S208に進んで、液流量調整弁30の開度の制御を行って、液流量調整弁30の開度を閉じていく。
【0029】
一方、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETと等しいと判断しない場合には(S205:No)、S209に進んで、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより2℃未満で低いか否かを判断する。ここで、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより2℃未満で低いと判断する場合には(S209:Yes)、S210に進み、エンジン12の回転数の制御を行って、エンジン12の回転数を下げていく。そして、S211に進んで、電動水三方弁16の開度の制御を行って、電動水三方弁16の開度を閉じていく。さらに、S212に進んで、液流量調整弁30の開度の制御を行って、液流量調整弁30の開度を閉じていく。
【0030】
一方、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより2℃未満で低いと判断しない場合には(S209:No)、S213に進んで、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより2℃低いか否かを判断する。ここで、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより2℃低いと判断する場合には(S213:Yes)、S214に進み、エンジン12の回転数の制御を行って、エンジン12の回転数を下げていく。そして、S215に進んで、電動水三方弁16の開度の制御を行って、電動水三方弁16の開度を維持する。さらに、S212に進んで、液流量調整弁30の開度の制御を行って、液流量調整弁30の開度を維持する。
【0031】
一方、「室内熱交換器温度」が冷媒回路3の冷媒目標温度ETより2℃低いと判断しない場合には(S213:No)、S217に進み、エンジン12の回転数の制御を行って、エンジン12の回転数を下げていく。そして、S218に進んで、電動水三方弁16の開度の制御を行って、電動水三方弁16の開度を開けていく。さらに、S219に進んで、液流量調整弁30の開度の制御を行って、液流量調整弁30の開度を開けていく。
【0032】
以上詳細に説明したように、第1実施の形態のヒートポンプ1は、図9に示すように、冷媒回路3の冷媒目標温度ETに基づいてエンジン12の回転数を制御することにより冷媒回路3の冷媒循環量をコントロールするものである。すなわち、冷媒回路3の冷媒目標温度ETより「室内熱交換器温度」が高いときは(S201:Yes)、エンジン12の回転数を上げ方向に制御して(S202)、冷媒回路3の冷媒循環量を多くしていき、冷媒回路3の冷媒目標温度ETと「室内熱交換器温度」が等しいときは(S205:Yes)、エンジン12の回転数を維持するように制御して(S206)、冷媒回路3の冷媒循環量を保持し、冷媒回路3の冷媒目標温度ETより「室内熱交換器温度」が低いときは(S205:No)、エンジン12の回転数を下げ方向に制御して(S210,S214,S217)、冷媒回路3の冷媒循環量を少なくしていく。
【0033】
その一方で、第1実施の形態のヒートポンプ1は、図9に示すように、冷媒回路3の冷媒目標温度ETに基づいて電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度を制御することにより冷房運転時の冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を熱交換器17で補うものである。すなわち、冷媒回路3の冷媒目標温度ETから2℃引いた値より「室内熱交換器温度」が高いときは、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度を閉じ方向に制御して(S203,S204,S207,S208,S211,S212)、熱交換器17を通過するエンジン冷却水及び冷媒を少なくしていき、冷媒回路3の冷媒目標温度ETから2℃引いた値と「室内熱交換器温度」が等しいときは(S213:Yes)、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度を維持するように制御して(S215,S216)、熱交換器17を通過するエンジン冷却水及び冷媒を保持し、冷媒回路3の冷媒目標温度ETから2℃引いた値より「室内熱交換器温度」が低いときは(S213:No)、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度を開け方向に制御して(S218,S219)、熱交換器17を通過するエンジン冷却水及び冷媒を多くしていく。
【0034】
この点、第1実施の形態のヒートポンプ1では、電動水三方弁液16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御で基準となる冷媒目標温度ETから2℃引いた値は、エンジン12の回転数の制御で使用する冷媒目標温度ETよりも2℃低く設定されているので、各制御の定常時において、エンジン12の回転数が最低でないときは、必ず、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が全閉となり、逆に、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が開いているときは、必ず、エンジン12の回転数が最低となる。従って、冷房運転時の冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を補う際は、エンジン12の回転数を最低にすることが熱交換器17で補うことよりも優先されることになる。
【0035】
すなわち、第1実施の形態のヒートポンプ1では、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御で基準となる冷媒目標温度ETから2℃引いた値をエンジン12の回転数の制御で基準となる冷媒目標温度ETよりも低く設定することにより、冷房運転時の冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を補う際(各制御の定常時)に、エンジン12の回転数を最低にすることを熱交換器17で補うことよりも優先して行うことが可能となるので、成績係数の低下を防止することができ、さらに、このとき、図9に示すように、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御(S203,S204,S207,S208,S211,S212,S215,S216,S218,S219)とエンジン12の回転数の制御(S202,S206,S210,S214,S217)とが独立して行われるので、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とを安定に行うことができる。
【0036】
次に、第2実施の形態のヒートポンプについて説明する。第2実施の形態のヒートポンプの構成は、「従来の技術」の欄で説明した図10のヒートポンプ1と同じであり、すなわち、第1実施の形態のヒートポンプ1と同じである。
【0037】
そして、第2実施の形態のヒートポンプ1において、冷房運転を行う場合には、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とを所定時間毎(例えば、1分毎)に行っている。
【0038】
ここで、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とで使用される冷媒回路3の冷媒温度には、室内熱交換器22内の冷媒温度(以下、「室内熱交換器温度」という)を用いる。
【0039】
また、電動水三方弁16の開度が最大開度とは、エンジン冷却水の全流量が熱交換器17に向かうことを意味し、電動水三方弁16の開度が最小開度とは、エンジン冷却水の全流量がサーモスタット14に向かうことを意味する。従って、電動水三方弁16の開度が開方向に移動すると、熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量が増加するとともにサーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量が減少する。一方、電動水三方弁16の開度が閉方向に移動すると、熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量が減少するとともにサーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量が増加する。
【0040】
また、液流量調整弁30の開度が最大開度とは、冷媒の可能な限りの最大量が熱交換器17に向かうことを意味し、液流量調整弁30の開度が最小開度とは、冷媒の全流量が室内熱交換器22に向かうことを意味する。従って、液流量調整弁30の開度が開方向に移動すると、熱交換器17に向かう冷媒の流量が増加するとともに室内熱交換器22に向かう冷媒の流量が減少する。一方、液流量調整弁30の開度が閉方向に移動すると、熱交換器17に向かう冷媒の流量が減少するとともに室内熱交換器22に向かう冷媒の流量が増加する。
【0041】
尚、エンジン12の回転数の制御は、図示しないが、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とは独立して行われる。具体的には、「室内熱交換器温度」>冷媒回路3の冷媒目標温度ET+「2℃」のときは、エンジン12の回転数を上げ方向に制御して、冷媒回路3の冷媒循環量を多くしていき、冷媒回路3の冷媒目標温度ET+「2℃」≧「室内熱交換器温度」>冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」のときは、エンジン12の回転数を維持するように制御して、冷媒回路3の冷媒循環量を保持し、冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」≧「室内熱交換器温度」のときは、エンジン12の回転数を下げ方向に制御して、冷媒回路3の冷媒循環量を少なくしていく。すなわち、エンジン12の回転数の制御において、冷媒回路3の冷媒目標温度ET+「2℃」≧「室内熱交換器温度」>冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」のときは、エンジン12の回転数を維持するように制御するので、第2不感帯となる。従って、エンジン12の回転数の制御に対する第2不感帯は3℃の幅を持つ。また、冷媒回路3の冷媒目標温度ETがエンジン12の回転数の制御の基準となる。
【0042】
一方、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御は、図1〜図8に基づいて行われる。先ず、図1のS11において、図2の電動水三方弁16の制御量の計算が行われる。すなわち、電動水三方弁16の制御量の計算を行うためには、先ず、図2のS111において、圧縮機21の吐出口側の冷媒温度と、圧縮機21の吸入口側の冷媒温度、エンジン12のエンジン冷却水の温度を使用して、電動水三方弁16の上限開度を制御マップから求める。次に、S112において、「室内熱交換器温度」を使用して、電動水三方弁16の要求開度を制御マップから求める。そして、S113において、上限開度が要求開度以上であるか否かを判断する。ここで、上限開度が要求開度以上であると判断する場合には(S113:Yes)、S114に進んで、電動水三方弁16の制御量として要求開度を選択した後、S115に進んで、制御フラグとして「回避要求なし」とし、図1に戻る。一方、上限開度が要求開度以上であると判断しない場合には(S113:No)、S116に進んで、電動水三方弁16の制御量として上限開度を選択した後、S117に進んで、制御フラグとして「回避要求あり」とし、図1に戻る。
【0043】
そして、図2の電動水三方弁16の制御量の計算が行われると、図1に戻って、S12に進み、図3の液流量調整弁30の制御量の計算が行われる。すなわち、液流量調整弁30の制御量の計算を行うためには、先ず、図3のS121において、圧縮機21の吐出口側の冷媒温度と圧縮機21の吸入口側の冷媒温度を使用して、液流量調整弁30の下限開度を制御マップから求める。次に、S122において、圧縮機21の吸入口側の冷媒過熱度(圧縮機21の吸入口側の冷媒温度と、圧縮機21の吸入口側の冷媒圧力に対する飽和ガス温度とみなせる値との差)を使用して、液流量調整弁30の上限開度を制御マップから求める。さらに、S123において、「室内熱交換器温度」を使用して、液流量調整弁30の要求開度を制御マップから求める。そして、S124において、下限開度が要求開度より大きいか否かを判断する。
【0044】
ここで、下限開度が要求開度より大きいと判断する場合には(S124:Yes)、S125に進んで、上限開度が下限開度より大きいか否か判断する。このとき、上限開度が下限開度より大きいと判断する場合には(S125:Yes)、S126に進んで、液流量調整弁30の制御量として下限開度を選択した後、S127に進んで、制御フラグとして「回避要求あり」とし、図1に戻る。一方、上限開度が下限開度より大きいと判断しない場合には(S125:No)、S128に進んで、上限開度と下限開度が等しいか否か判断する。ここで、上限開度と下限開度が等しいと判断する場合には(S128:Yes)、S126に進んで、液流量調整弁30の制御量として下限開度を選択した後、S127に進んで、制御フラグとして「回避要求あり」とし、図1に戻る。一方、上限開度と下限開度が等しいと判断しない場合には(S128:No)、S129に進んで、液流量調整弁30の制御量として上限開度を選択した後、S130に進んで、制御フラグとして「回避要求あり」とし、図1に戻る。
【0045】
また、上述したS124において、下限開度が要求開度より大きいと判断しない場合には(S124:No)、S131に進んで、下限開度と要求開度とが等しいか否かを判断する。
【0046】
ここで、下限開度と要求開度とが等しいと判断する場合には(S131:Yes)、S132に進んで、上限開度が要求開度より大きいか否か判断する。このとき、上限開度が要求開度より大きいと判断する場合には(S132:Yes)、S133に進んで、液流量調整弁30の制御量として要求開度を選択した後、S134に進んで、制御フラグとして「回避要求なし」とし、図1に戻る。一方、上限開度が要求開度より大きいと判断しない場合には(S132:No)、S135に進んで、上限開度と要求開度が等しいか否か判断する。ここで、上限開度と要求開度が等しいと判断する場合には(S135:Yes)、S133に進んで、液流量調整弁30の制御量として要求開度を選択した後、S134に進んで、制御フラグとして「回避要求なし」とし、図1に戻る。一方、上限開度と要求開度が等しいと判断しない場合には(S135:No)、S136に進んで、液流量調整弁30の制御量として上限開度を選択した後、S137に進んで、制御フラグとして「回避要求あり」とし、図1に戻る。
【0047】
また、上述したS131において、下限開度と要求開度とが等しいと判断しない場合には(S131:No)、S138に進んで、上限開度が要求開度より大きいか否か判断する。このとき、上限開度が要求開度より大きいと判断する場合には(S138:Yes)、S139に進んで、液流量調整弁30の制御量として要求開度を選択した後、S140に進んで、制御フラグとして「回避要求なし」とし、図1に戻る。一方、上限開度が要求開度より大きいと判断しない場合には(S138:No)、S141に進んで、上限開度と要求開度が等しいか否か判断する。ここで、上限開度と要求開度が等しいと判断する場合には(S141:Yes)、S139に進んで、液流量調整弁30の制御量として要求開度を選択した後、S140に進んで、制御フラグとして「回避要求なし」とし、図1に戻る。一方、上限開度と要求開度が等しいと判断しない場合には(S141:No)、S142に進んで、液流量調整弁30の制御量として上限開度を選択した後、S143に進んで、制御フラグとして「回避要求あり」とし、図1に戻る。
【0048】
そして、図3の液流量調整弁30の制御量の計算が行われると、図1に戻り、S13において、「室内熱交換器温度」<冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「3℃」であるか否かの判断をもって、上げ要求があるか否かを判断するとともに、S14において、「室内熱交換器温度」>冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」であるか否かを判断をもって、下げ要求があるか否かを判断する。
【0049】
ここで、「室内熱交換器温度」<冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「3℃」であると判断する場合、すなわち、上げ要求があると判断する場合には(S13:Yes)、S15に進んで、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であるか否かを判断する。このとき、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であると判断する場合には(S15:Yes)、図4に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御を行った後に、図1のフローチャートを終了する。一方、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であると判断しない場合には(S15:No)、図5に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御を行った後に、図1のフローチャートを終了する。
【0050】
一方、上述したS13において、「室内熱交換器温度」<冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「3℃」であると判断しない場合、すなわち、上げ要求があると判断しない場合(S13:No)には、S14に進む。
【0051】
そして、S14において、「室内熱交換器温度」≧冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」であると判断する場合、すなわち、下げ要求があると判断する場合には(S14:Yes)、S17に進んで、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であるか否かを判断する。このとき、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であると判断する場合には(S17:Yes)、図6に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御を行った後に、図1のフローチャートを終了する。一方、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であると判断しない場合には(S17:No)、図7に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御を行った後に、図1のフローチャートを終了する。
【0052】
一方、上述したS14において、「室内熱交換器温度」≧冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」であると判断しない場合、すなわち、下げ要求があると判断しない場合には(S14:No)、S18に進んで、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であるか否かを判断する。このとき、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であると判断する場合には(S18:Yes)、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度を維持したままで、図1のフローチャートを終了する。一方、各制御フラグの全てが「回避要求なし」であると判断しない場合には(S18:No)、図8に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御を行った後に、図1のフローチャートを終了する。
【0053】
ここで、図4に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御について説明すると、先ず、S21において、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が最小開度であるか否かを判断する。ここで、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が最小開度であると判断する場合には(S21:Yes)、S22に進んで、電動水三方弁16の開度を要求開度にするとともに、S23に進んで、液流量調節弁30の開度を要求開度にする。一方、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が最小開度であると判断しない場合には(S21:No)、S24に進んで、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が最大開度であるか否かを判断する。
【0054】
このとき、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が最大開度であると判断する場合には(S24:Yes)、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度を維持する。一方、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が最大開度であると判断しない場合には(S24:No)、S25に進んで、電動水三方弁16の開度又は液流量調節弁30の開度が最大開度であるか否かを判断する。
【0055】
ここで、電動水三方弁16の開度又は液流量調節弁30の開度が最大開度であると判断する場合には(S25:Yes)、S26に進んで、液流量調節弁30の開度が最大開度であるか否かを判断する。このとき、液流量調節弁30の開度が最大開度であると判断する場合には(S26:Yes)、S27に進んで、電動水三方弁16の開度を要求開度にする。一方、液流量調節弁30の開度が最大開度であると判断しない場合には(S26:No)、S28に進んで、液流量調節弁30の開度を要求開度にする。
【0056】
また、上述したS25において、電動水三方弁16の開度又は液流量調節弁30の開度が最大開度であると判断しない場合には(S25:No)、S29に進んで、液流量調節弁30の開度の制御が前回の制御で行われたか否かを判断する。このとき、液流量調節弁30の開度の制御が前回の制御で行われたと判断する場合には(S29:Yes)、S30に進んで、電動水三方弁16の開度を要求開度にする。一方、液流量調節弁30の開度の制御が前回の制御で行われたと判断しない場合には(S29:No)、S31に進んで、液流量調節弁30の開度を要求開度にする。
【0057】
また、図5に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御について説明すると、先ず、S41において、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であるか否かを判断する。ここで、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断する場合には(S41:Yes)、S42に進んで、液流量調節弁30の開度を要求開度にするとともに、S43に進んで、電動水三方弁16の開度を上限開度にする。一方、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断しない場合には(S41:No)、S44に進んで、液流量調節弁30の制御フラグのみが「回避要求あり」であるか否かを判断する。
【0058】
このとき、液流量調節弁30の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断する場合には(S44:Yes)、S45に進んで、液流量調節弁30の開度の制御が開方向となるか否かを判断する。ここで、液流量調節弁30の開度の制御が開方向となると判断する場合には(S45:Yes)、S46に進んで、液流量調節弁30の開度を下限開度にする。一方、液流量調節弁30の開度の制御が開方向となると判断しない場合には(S45:No)、S47に進んで、電動水三方弁16の開度を要求開度にするとともに、S48に進んで、液流量調節弁30の開度を上限開度にする。
【0059】
また、上述したS44において、液流量調節弁30の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断しない場合には(S44:No)、S49に進んで、電動水三方弁16の開度を上限開度にするとともに、S50に進んで、図1のS12の計算結果に基づいて、液流量調節弁30の開度を上限開度又は下限開度にする。
【0060】
また、図6に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御について説明すると、先ず、S61において、電動水三方弁16の開度が最小開度であるか否かを判断する。ここで、電動水三方弁16の開度が最小開度であると判断する場合には(S61:Yes)、S62に進んで、液流量調節弁30の開度を要求開度にする。一方、電動水三方弁16の開度が最小開度であると判断しない場合には(S61:No)、S63に進んで、液流量調節弁30の開度の制御が前回の制御で行われた否かを判断する。このとき、液流量調節弁30の開度の制御が前回の制御で行われたと判断する場合には(S63:Yes)、S64に進んで、電動水三方弁16の開度を要求開度とする。一方、液流量調節弁30の開度の制御が前回の制御で行われたと判断しない場合には(S63:No)、液流量調節弁30の開度を要求開度とする。
【0061】
また、図7に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御について説明すると、先ず、S71において、電動水三方弁16の制御フラグ及び液流量調節弁30の制御フラグが「回避要求あり」であるか否かを判断する。ここで、電動水三方弁16の制御フラグ及び液流量調節弁30の制御フラグが「回避要求あり」であると判断する場合には(S71:Yes)、S72に進んで、電動水三方弁16の開度を上限開度とするとともに、S73に進んで、図1のS12の計算結果に基づいて、液流量調節弁30の開度を上限開度又は下限開度にする。一方、電動水三方弁16の制御フラグ及び液流量調節弁30の制御フラグが「回避要求あり」であると判断しない場合には(S71:No)、S74に進んで、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であるか否かを判断する。
【0062】
ここで、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断する場合には(S74:Yes)、S75に進んで、電動水三方弁16の開度を上限開度とする。一方、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断しない場合には(S74:No)、S76に進んで、電動水三方弁16の開度が最小開度であるか否かを判断する。
【0063】
このとき、電動水三方弁16の開度が最小開度であると判断する場合には(S76:Yes)、S77に進んで、図1のS12の計算結果に基づいて、液流量調節弁30の開度を上限開度又は下限開度にする。一方、電動水三方弁16の開度が最小開度であると判断しない場合には(S76:No)、S78に進んで、液流量調節弁30の開度の制御が開方向となるか否かを判断する。
【0064】
ここで、液流量調節弁30の開度の制御が開方向となると判断する場合には(S78:Yes)、S79に進んで、電動水三方弁16の開度を要求開度とするとともに、S80に進んで、液流量調節弁30の開度を上限開度にする。一方、液流量調節弁30の開度の制御が開方向となると判断しない場合には(S78:No)、S81に進んで、液流量調節弁30の開度を下限開度にする。
【0065】
また、図8に示した電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御について説明すると、先ず、S91において、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であるか否かを判断する。ここで、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断する場合には(S91:Yes)、S92に進んで、電動水三方弁16の開度を上限開度とする。一方、電動水三方弁16の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断しない場合には(S91:No)、S93に進んで、液流量調節弁30の制御フラグのみが「回避要求あり」であるか否かを判断する。
【0066】
このとき、液流量調節弁30の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断する場合には(S93:Yes)、S94に進んで、図1のS12の計算結果に基づいて、液流量調節弁30の開度を上限開度又は下限開度にする。一方、液流量調節弁30の制御フラグのみが「回避要求あり」であると判断しない場合には(S93:No)、S95に進んで、図1のS12の計算結果に基づいて、液流量調節弁30の開度を上限開度又は下限開度にするとともに、S96に進んで、電動水三方弁16の開度を上限開度とする。
【0067】
以上より、第2実施の形態のヒートポンプ1では、図1に示すように、冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「3℃」≦「室内熱交換器温度」≦冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」のときは(S13:No,S14:No,S18:No)、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度を維持するように制御するので、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御に対する第1不感帯となる。従って、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御に対する第1不感帯は2℃の幅を持つ。また、冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「2℃」が電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御の基準となる。また、上述したように、エンジン12の回転数の制御に対する第2不感帯は、冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」<「室内熱交換器温度」≦冷媒回路3の冷媒目標温度ET+「2℃」であるので、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御に対する第1不感帯と隣接することになる。
【0068】
尚、第2実施の形態のヒートポンプ1では、室内熱交換器22の冷媒温度を適正に保つことに加えて、圧縮機21の吸入口側の冷媒温度や、圧縮機21の吐出口側の冷媒温度、圧縮機21の吸入口側の冷媒過熱度を適正に保つことも考慮されている。具体的には、「室内熱交換器温度」を使用して制御マップから求められた電動水三方弁16の要求開度への制御と、「室内熱交換器温度」を使用して制御マップから求められた液流量調整弁30の要求開度への制御とが、室内熱交換器22の冷媒温度を適正に保つものであり、電動水三方弁16の上限開度又は下限開度への制御と、液流量調整弁30上限開度又は下限開度への制御とが、圧縮機21の吸入口側の冷媒温度や、圧縮機21の吐出口側の冷媒温度、圧縮機21の吸入口側の冷媒過熱度を適正に保つためのものである。
【0069】
そして、電動水三方弁16の制御フラグや液流量調節弁30の制御フラグの「回避要求なし」とは、室内熱交換器22の冷媒温度を適正に保つことが優先されることを意味し、電動水三方弁16の制御フラグや液流量調節弁30の制御フラグの「回避要求あり」とは、圧縮機21の吸入口側の冷媒温度や、圧縮機21の吐出口側の冷媒温度、圧縮機21の吸入口側の冷媒過熱度を適正に保つことが優先されることを意味する。従って、冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「3℃」≦「室内熱交換器温度」≦冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」のときであって(S13:No,S14:No)、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御に対する第1不感帯にあっても、圧縮機21の吸入口側の冷媒温度や、圧縮機21の吐出口側の冷媒温度、圧縮機21の吸入口側の冷媒過熱度を適正に保つことが優先される状態にあり、電動水三方弁16の制御フラグ又は液流量調節弁30の制御フラグが「回避要求あり」であるときは(S18:No)、電動水三方弁16の開度又は液流量調節弁30の開度の制御が行われる。
【0070】
以上詳細に説明したように、第2実施の形態のヒートポンプ1は、冷媒回路3の冷媒目標温度ETに基づいてエンジン12の回転数を制御することにより冷媒回路3の冷媒循環量をコントロールするものである。その一方で、第2実施の形態のヒートポンプ1は、図1に示すように、冷媒回路3の冷媒目標温度ETに基づいて電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度を制御することにより冷房運転時の冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を熱交換器17で補うものである。
【0071】
この点、第2実施の形態のヒートポンプ1では、電動水三方弁液16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御の基準となる冷媒目標温度ET−「2℃」をエンジン12の回転数の制御で基準となる冷媒目標温度ETよりも低く設定しており、各制御の定常時において、エンジン12の回転数が最低でないときは、必ず、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が全閉となり、逆に、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が開いているときは、必ず、エンジン12の回転数が最低となる。従って、冷房運転時の冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を補う際は、エンジン12の回転数を最低にすることが熱交換器17で補うことよりも優先される。
【0072】
すなわち、第2実施の形態のヒートポンプ1では、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御で基準となる冷媒目標温度ET−「2℃」をエンジン12の回転数の制御で基準となる冷媒目標温度ETよりも低く設定することにより、冷房運転時の冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を補う際(各制御の定常時)に、エンジン12の回転数を最低にすることを熱交換器17で補うことよりも優先して行うことが可能となるので、成績係数の低下を防止することができ、さらに、このとき、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とが独立して行われるので、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とを安定に行うことができる。
【0073】
さらに、第2実施の形態のヒートポンプ1においては、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度が維持される第1不感帯(冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「3℃」≦「室内熱交換器温度」≦冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」)とエンジン12の回転数が維持される第2不感帯(冷媒回路3の冷媒目標温度ET−「1℃」<「室内熱交換器温度」≦冷媒回路3の冷媒目標温度ET+「2℃」)とを隣接して設けているので、電動水三方弁16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御とエンジン12の回転数の制御とをより安定に行うことができる。
【0074】
尚、第1実施の形態及び第2実施の形態のヒートポンプ1では、電動水三方弁液16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御の基準を冷媒目標温度ET−「2℃」としているが、この点、冷媒目標温度ETから大きく離すと、室内熱交換器22の冷媒温度を適正に保つことができなくなるので、電動水三方弁液16の開度及び液流量調節弁30の開度の制御の基準は、冷媒目標温度ETに近いことが望ましい。
【0075】
【発明の効果】
本発明のヒートポンプでは、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御で基準となる冷媒目標温度をエンジンの回転数の制御で基準となる冷媒目標温度よりも低く設定することにより、冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を補う際(各制御の定常時)に、エンジンの回転数を最低にすることを熱交換器で補うことよりも優先して行うことが可能となるので、成績係数の低下を防止することができ、さらに、このとき、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御とエンジンの回転数の制御とが独立して行われるので、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御とエンジンの回転数の制御とを安定に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第2実施の形態のヒートポンプにおいて、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御を示すフローチャート図である。
【図2】第2実施の形態のヒートポンプにおいて、電動水三方弁の開度の制御量の計算手順を示すフローチャート図である。
【図3】第2実施の形態のヒートポンプにおいて、液流量調整弁の開度の制御量の計算手順を示すフローチャート図である。
【図4】第2実施の形態のヒートポンプにおいて、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御を示すフローチャート図である。
【図5】第2実施の形態のヒートポンプにおいて、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御を示すフローチャート図である。
【図6】第2実施の形態のヒートポンプにおいて、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御を示すフローチャート図である。
【図7】第2実施の形態のヒートポンプにおいて、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御を示すフローチャート図である。
【図8】第2実施の形態のヒートポンプにおいて、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御を示すフローチャート図である。
【図9】第1実施の形態のヒートポンプにおいて、エンジンの回転数の制御と、電動水三方弁の開度及び液流量調節弁の開度の制御とを示すフローチャート図である。
【図10】本発明及び従来技術のヒートポンプの回路図である。
【符号の説明】
1 ヒートポンプ
2 冷却水回路
3 冷媒回路
12 エンジン
16 電動水三方弁
17 熱交換器
30 液流量調節弁

Claims (2)

  1. 駆動源であるエンジンの排熱を回収するための冷却水回路と、冷凍サイクルにより冷房・暖房を行うための冷媒回路と、前記冷媒回路の冷媒を低温流体とするとともに前記冷却水回路のエンジン冷却水を高温流体とする熱交換器と、前記熱交換器に向かう前記冷媒の流量をコントロールする液流量調節弁と、前記熱交換器に向かう前記エンジン冷却水の流量をコントロールする電動水三方弁と、を有し、前記冷媒回路の冷媒目標温度に基づいて前記エンジンの回転数を制御することにより前記冷媒回路の冷媒循環量をコントロールするとともに、前記冷媒回路の冷媒目標温度に基づいて前記電動水三方弁の開度及び前記液流量調節弁の開度を制御することにより前記冷凍サイクルの蒸発工程の不足分を前記熱交換器で補うヒートポンプにおいて、
    前記電動水三方弁の開度及び前記液流量調節弁の開度の制御と前記エンジンの回転数の制御とを独立して行うとともに、前記電動水三方弁の開度及び前記液流量調節弁の開度の制御で使用する冷媒目標温度を前記エンジンの回転数の制御で使用する冷媒目標温度よりも低く設定したこと、を特徴とするヒートポンプ。
  2. 請求項1に記載するヒートポンプであって、
    前記電動水三方弁の開度及び前記液流量調節弁の開度が維持される第1不感帯と前記エンジンの回転数が維持される第2不感帯とを隣接して設けたこと、を特徴とするヒートポンプ。
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