JP4591035B2 - 圧電振動片ならびに圧電デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
図8は、このような圧電デバイスに使用される圧電振動片の公知の構成例(特許文献1参照)を簡略化して示す概略平面図である。
これにより、外部から励振電極に駆動電圧が印加されることで、振動腕3,4内に効率よく電界が発生し、各振動腕3,4は、図8に示すように、その先端部を互いに接近・離間されるように屈曲振動するようになっている。そして、このような振動に基づく振動周波数を取り出すことにより、制御用のクロック信号等の基準信号に利用されるようになっている。
この結果、例えば、振動腕3について見ると、長溝5を挟んだ両側壁部5a,5bの厚みが左右で相違し、この結果、振動腕3は図9に示す仮想の中心線CEに関して、左右の側壁部の剛性が相違する。すなわち、左側の壁部5aが剛性が高く、右側の壁部5bの剛性はこれより低くなる。
ここで、圧電振動片をエッチングにより形成する際に、長時間かけてウエットエッチングすることで、図9において長溝5,6を挟んでいる両側の壁部5a,5bのうち、左側の壁部5aの厚みを十分薄くして、左右の剛性をバランスさせることができる。
しかしながら、その場合には、従来よりも非常に長い時間をエッチング工程に費やさなければならず、生産性が低くなってしまう。
加えて、圧電振動片1が小型化されると、その分長溝5の幅W1が狭くなる。この幅W1が非常に狭くなった場合には、エッチャントが回り込みにくくなり、長時間かけてウエットエッチングした場合でも左右の壁部5a,5bの厚みを等しくできない。
しかしながら、ドライエッチングは、ウエットエッチングに比べるとはるかに長い時間を必要とし、この場合にも生産性が著しく悪化するという問題がある。
前記長溝の位置に、前記長溝よりも浅い溝をウエットエッチングによって形成した後、
浅く形成した前記溝の底部をドライエッチングにより加工する圧電振動片の製造方法により、達成される。
第3の発明の構成によれば、圧電振動片の外形加工だけでなく、長溝の加工も途中まで従来と同じウエットエッチングで行い、ある程度長溝が形成された時点で、ドライエッチングに切り換えることになるので、従来の製造に要していた時間が、極端に延長されることなく、振動バランスを改善し、CI値を低く抑えることができるようにした圧電振動片を迅速に加工形成することができる。
第2の発明の構成によれば、第1の発明と同じ原理により、振動バランスを改善し、CI値を低く抑えることができるようにした圧電デバイスを可能な限り短時間で製造することができる。
図において、圧電デバイス30は、水晶振動子を構成した例を示しており、この圧電デバイス30は、収容容器としてのパッケージ36内に圧電振動片32を収容している。パッケージ36は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間S2を形成するようにされている。この内部空間S2が圧電振動片32を収容するための収容空間である。
蓋体39が、例えば、金属の場合には、一般に他の材料よりも強度が高い利点がある。パッケージ36との熱膨張率が近似したものが適しており、例えば、コバールなどを使用することができる。
また、蓋封止後の周波数調整を可能にするために、蓋体39は、例えばガラスなどの光透過材料で形成される。例えば、硼珪酸ガラスなどの板体を使用することができる。
すなわち、圧電振動片32は、パッケージ36側と固定される基部51と、この基部51を基端として、図において上方に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕34,35を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片が利用されている。
特に、この圧電振動片32においては、後述する製造工程を実行することにより、各長溝56,57がほぼ理想的な形状となっている。
図4の振動腕34について説明すると、図9と比較して理解されるように、長溝56の底部56aは水平であり、長溝56を挟む両方の壁部56bと56cは、その厚みKW1,KW2がほぼ同じ厚みに形成されている。
このため、振動腕34,35の屈曲振動に際して、個々の振動腕の左右の剛性バランスが改善されており、CI値を低く抑えることができるものである。
さらに、図3において、圧電振動片32の基部51の端部(図3では下端部)の幅方向両端付近には、引き出し電極52,53が形成されている。各引き出し電極52,53は、圧電振動片32の基部51の図示しない裏面にも同様に形成されている。
これにより、基部51側への圧電振動片32の振動の漏れを防止して、CI(クリスタルインピーダンス)値を低減することができる。
しかも、圧電振動片32は、全体として、きわめて小型に形成されていて、図3において、例えば、全長が、1300μm程度、振動腕の長さが1040μm程度、腕幅が40μmないし55μm程度とされたきわめて小型の圧電振動片である。
次に、図5のフローチャートを参照しながら、上述の圧電デバイスの製造方法を説明する。
圧電デバイス30の圧電振動片32と、パッケージ36と、蓋体39は、それぞれ別々に製造される。
(蓋体およびパッケージの製造方法)
蓋体39は、例えば、所定の大きさのガラス板を切断し、パッケージ36を封止するのに適合する大きさの蓋体として用意される。
パッケージ36は、上述したように、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。成形の際には、複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間S2を形成する。
図6および図7は、本実施形態の圧電振動片32の製造方法の一例を説明するための主要な工程を示す工程図である。
先ず、圧電基板71を用意し、図6(a)に示すように、ひとつの圧電基板71から所定数の圧電振動片について、同時にその外形をエッチングにより形成する(外形エッチング)。以下の工程は、圧電振動片の振動腕34について、図6(a)に示すCUの位置でカットした断面図6(b)以降に工程順で図示している。
次に、図示しない溝形成用レジストにより、図4で説明した長溝を挟む両側の壁部を残す様にして、溝を形成しない部分に耐蝕膜を残し、外形エッチングと同じエッチング条件で、図6(c)に示すようにウエットエッチングにより長溝に対応した浅い底部56−1を形成する(ST12)。
続いて、図6(d)に示すように、溝を形成しない部分(図4で説明した長溝を挟む両側の壁部)の上側に、メタルマスク73を配置する(ST13)。この状態で、例えば、図示しないチャンバー内に収容し、所定の真空度でエッチングガスを供給して、エッチングプラズマを生成しドライエッチングする(ST14)。つまり、真空チャンバー(図示せず)には、例えば、フレオンガスボンベと酸素ガスボンベとが接続され、さらに、真空チャンバーには、排気管が設けられ、所定の真空度に真空引きされるようになっている。
真空チャンバー内が、所定の真空度に真空排気され、フレオンガスと、酸素ガスが送られ、その混合ガスが所定の気圧になるまで充填された状態にて、直流電圧が印加されると、プラズマが発生する。そして、イオン化された粒子を含む混合ガスは、メタルマスク73から露出した長溝の浅い底部56−1に当たる。この衝撃により、浅い底部の水晶が物理的に削り取られて飛散し、図7(a)に示すように、エッチングが進行する。
かくして、図7(d)に示すように、振動腕34に長溝56,56を完成させることができる。この場合、長溝56の両側の壁部56b,56cの厚みはほぼ同じで、長溝56の底部56aはほぼ水平な理想に近い形態を実現することができる。
この状態に、図3および図4で説明した必要な駆動用の電極を形成することにより、圧電振動片32を完成させることができる。
しかも、この実施形態では、ウエットエッチングによる外形加工を先行させるので、従来の工程をそのまま利用でき、従来工程にドライエッチングの設備を付加するだけで実施可能な利点がある。
また、圧電振動片32の外形加工だけでなく、長溝56,57の加工も途中まで従来と同じウエットエッチングで行い、ある程度長溝が形成された時点で、ドライエッチングに切り換えることになるので、従来の製造に要していた時間を極端に長くすることなく、振動バランスを改善し、CI値を低く抑えることができるようにした圧電振動片32を迅速に加工形成することができる。
また、この発明は、パッケージ内に圧電振動片を収容するものであれば、水晶振動子、水晶発振器、ジャイロ、角度センサ等の名称にかかわらず、全ての圧電振動片とこれを利用した圧電デバイスに適用することができる。
また、上述の実施形態では、パッケージにセラミックを使用した箱状のものを利用しているが、このような形態に限らず、金属製のシリンダー状のケース等のパッケージと同等の収容容器に圧電振動片を収容するものであれば、いかなるパッケージやケースを伴うものについても本発明を適用することができる。
Claims (2)
- 基部と、この基部と一体に形成され、かつ前記基部から平行に延びる少なくとも一対の振動腕と、前記各振動腕の長さ方向に形成される長溝とを備える圧電振動片の外形と前記長溝とをエッチングにより形成する圧電振動片の製造方法であって、
前記圧電基板を用意し、前記圧電振動片の外形を形成後、
前記長溝の位置に、前記長溝よりも浅い溝をウエットエッチングによって形成した後、
浅く形成した前記溝の底部をドライエッチングにより加工することを特徴とする圧電振動片の製造方法。 - パッケージまたはケースに圧電振動片を収容した圧電デバイスの製造方法であって、
前記パッケージまたはケースに前記圧電振動片を固定もしくは接合する接合工程と、 前記パッケージまたはケースを気密に封止する封止工程と、を備えており、
前記圧電振動片が、
基部と、この基部と一体に形成され、かつ前記基部から平行に延びる少なくとも一対の振動腕と、前記各振動腕の長さ方向に形成される長溝とを備える音叉型の圧電振動片であって、
前記圧電振動片が、請求項1に記載の圧電振動片の製造方法で形成されることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
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