JP4591685B2 - ダブルトーク状態判定方法、エコーキャンセル方法、ダブルトーク状態判定装置、エコーキャンセル装置およびプログラム - Google Patents
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Description
ところが、実際のマイク出力信号には、スピーカ出力に起因する音響エコー信号だけでなく、直接マイクに入力される音声や暗騒音などが含まれている。室内でスピーカからの音とそれ以外の音の放射が同時に発生している状態のことをダブルトーク状態と呼ぶ。
また、インパルス応答前段の残留パワーと後段の残留パワーとを比較し、残留パワーの後段の増加率が大きい場合にダブルトーク状態と判定し、パラメータの更新を停止する技術が開示されている(特許文献3)。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、係数の更新値に基づいてダブルトーク状態の判定を行うダブルトーク状態判定方法、ダブルトーク状態判定装置およびプログラム、また、ダブルトーク状態・エコーパスの変動の影響を除去しつつ伝達系の推定誤差の増大を阻止することが出来るダブルトーク状態判定方法、エコーキャンセル方法、ダブルトーク状態判定装置、エコーキャンセル装置およびプログラムを提供することを目的としている。
請求項1記載のダブルトーク状態判定方法にあっては、第1の音声信号を、複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する第1の周波数領域の信号に変換する第1の変換過程(FFTユニット、825)と、前記第1の周波数領域の信号の前記各周波数成分毎に、適宜更新され得る係数を乗算する乗算過程(乗算ユニット、400)と、第2の音声信号を複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する第2の周波数領域の信号に変換する第2の変換過程(FFTユニット、800)と、前記第2の周波数領域の信号から、前記乗算過程における乗算結果を減算する減算過程(減算ユニット、500)と、前記減算過程における減算結果である誤差信号と前記第1の周波数領域の信号とに基づいて、前記係数に対する更新加算値を算出する更新加算値算出過程(ΔHユニット、210)と、前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程であって、前記更新加算値の絶対値が所定のダブルトーク判定閾値(α1)以上である場合はダブルトーク状態であると判定し、前記更新加算値の絶対値が前記ダブルトーク判定閾値(α1)よりも低い所定のシングルトーク判定閾値(α2)未満である場合はシングルトーク状態であると判定し、前記更新加算値の絶対値が該シングルトーク判定閾値(α2)以上であって該ダブルトーク判定閾値(α1)未満である所定範囲に属する場合は、前記更新加算値と過去の更新加算値とが、「両者の比の絶対値が1未満の所定の最小値(0.9)を超え1を超える所定の最大値(1.1)未満である」という所定関係を有するか否かの判定を行い、所定関係を有しない場合はダブルトーク状態であると判定する判定過程(SP15、SP35、SP55、SP60)とを処理装置に実行させることを特徴とする。
また、請求項2記載のダブルトーク状態判定方法にあっては、サンプルした第1の音声信号を記憶する信号記憶過程(xレジスタ、305)と、前記信号記憶過程で記憶された信号と、適宜更新され得る係数との畳み込みを行う畳込演算過程(畳込演算ユニット、400)と、第2の音声信号から、前記畳込演算過程の出力信号を減算する減算過程(減算ユニット、505)と、前記減算過程により減算された誤差信号と前記第1の音声信号とに基づいて、前記係数に対する差分である更新加算値を算出する更新加算値算出過程(Δh生成ユニット、215)と、前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程であって、前記更新加算値の絶対値が所定のダブルトーク判定閾値(α3)以上である場合はダブルトーク状態であると判定し、前記更新加算値の絶対値が前記ダブルトーク判定閾値(α3)よりも低い所定のシングルトーク判定閾値(α4)未満である場合はシングルトーク状態であると判定し、前記更新加算値の絶対値が該シングルトーク判定閾値(α4)以上であって該ダブルトーク判定閾値(α3)未満である所定範囲に属する場合は、前記更新加算値と過去の更新加算値とが、「両者の比の絶対値が1未満の所定の最小値(0.9)を超え1を超える所定の最大値(1.1)未満である」という所定関係を有するか否かの判定を行い、所定関係を有しない場合はダブルトーク状態であると判定する判定過程(SP115、SP135、SP155、SP160)とを処理装置に実行させることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1ないし2の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法において、前記判定過程は、前記更新加算値が前記所定範囲に属し、前記更新加算値と過去の更新加算値とが前記所定関係を有し、かつ、前記過去の更新加算値が算出された際に前記係数の更新が行われていたか否かの判定を行い、係数の更新が行われていない場合(SP160:flag_k(n)=0の場合)はシングルトーク状態であると判定する過程である事を特徴とする。
また、請求項4記載のエコーキャンセル方法にあっては、請求項1ないし2の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法における各過程と、前記判定過程の結果、ダブルトーク状態であると判定した場合には前記係数の更新を停止し、前記判定過程の結果、シングルトーク状態であると判定した場合には前記係数を更新する係数更新過程(SP145)とを処理装置に実行させることを特徴とする。
また、請求項5記載のダブルトーク状態判定装置にあっては、請求項1ないし3の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法を実行することを特徴とする。
また、請求項6記載のエコーキャンセル装置にあっては、請求項4記載のエコーキャンセル方法を実行することを特徴とする。
また、請求項7記載のプログラムにあっては、請求項1ないし4の何れかに記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
1.1.実施例の構成
1.1.1.ハードウェア構成
本発明の第1実施例であるエコーキャンセル装置(ダブルトーク状態判定装置)のハードウェア構成を図1を参照して説明する。
図において、10は入出力インターフェースであり、A/D変換器、D/A変換器により構成される。ここで、A/D変換器はアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換し、D/A変換器はデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する。そして、入出力インターフェース10にはマイク600およびスピーカ700が接続される。20はDSPであり、入出力インターフェース10を介して入力された音声信号をデジタル信号処理する。そして、DSP20により信号処理された音声信号が入出力インターフェース10を介して出力される。30は操作部であり、スイッチ、ボリューム等により構成される。40は通信部であり、遠方の相手と通信を行う。50はCPUであり、各部を制御する。60はRAMであり、ワークメモリとして使用される。70はROMであり、プログラム、パラメータが格納される。80はバスラインであり、各部を接続する。以上の要素により、エコーキャンセル装置(エコーキャンセラ、ダブルトーク状態判定装置)100が構成される。
相手側マイクから入力された音声信号は、通信部40、DSP20、入出力インターフェース10を介して、スピーカ700から放音される。また、マイク600から入力された音声信号は、入出力インターフェース10、DSP20、通信部40を介し、相手側スピーカから放音される。これらは、CPU50、DSP20によるソフトウェア処理によって行われる。以下、エコーキャンセル装置100のアルゴリズム構成を図2を参照して説明する。なお、本実施例においては、周波数領域において信号処理する場合について説明する。
Y(i)=H(i)・X(i) ………(1)
ここで、時間領域でサンプルした信号を変数nの小文字x(n),y(n),h(n)等で表し、周波数領域に変換した離散フーリエ変換を変数iの大文字X(i),Y(i),H(i)等で表現している。すなわち、大文字は複素数の信号であることを表現している。
R(i)=Hk(i)・X(i) ………(2)
ここで、Hk(i)は、k回目のフレーム更新におけるフーリエ変換X(i)に対する推定伝達関数であり、後述する処理によりエコーパスCの伝達関数H(i)に徐々に近似するように更新される。すなわち、参照信号R(i)は推定伝達関数Hk(i)とフーリエ変換X(i)とが乗算されたものである。500は減算ユニットであり、フーリエ変換Y(i)の値から参照信号R(i)の値を実部および虚部のそれぞれについて減算し、誤差信号E(i)を得る。ここで、誤差信号E(i)は、次式のように変形される。
E(i)=Y(i)−R(i)
=H(i)・X(i)−Hk(i)・X(i)
={H(i)−Hk(i)}・X(i)
=ΔHk(i)・X(i)
但し、 ΔHk(i)=H(i)−Hk(i)
である。なお、ΔHk(i)を更新加算値といい、推定伝達関数Hk(i)を更新する際の差分である。
そして、iFFTユニット850および通信ユニット1500を介して、誤差信号E(i)を逆変換した音声信号e(n)が相手側スピーカ750から放音される。
E(i)・X*(i)=ΔHk(i)・X(i)・X*(i)
=ΔHk(i)・|X(i)|2
ΔHk(i)=E(i)・X*(i)/|X(i)|2……(3)
すなわち、誤差信号E(i)がフーリエ変換X(i)の複素共役X*(i)に乗算され、音声信号X(i)のパワーによって除算された値が更新加算値ΔHk(i)の値である。
1.2.1.エコーキャンセル装置100の全体動作
前述の通り、相手側マイク650に入力後、サンプルされた音声信号x(n)がスピーカ700から放音されると、該音声信号x(n)がエコーパスCのインパルス応答h(n)によって畳み込まれ、マイク600において集音された音声信号y(n)が出力される。ここで、音響エコーを取り除くためには、マイク600によって集音された音声信号y(n)から音声信号x(n)を取り除く必要がある。しかし、音声信号y(n)はエコーパスCのインパルス応答h(n)と音声信号x(n)とが畳み込まれているので、単純に各信号を減算することによって取り除くことが出来ない。そこで、エコーパスCの伝達関数H(i)に近似する推定伝達関数Hk(i)が求められる。
マイク600にスピーカ700から放音された音声のみがエコーパスCを介して入力されるシングルトーク状態において、乗算ユニット400によって乗算が実行されれば、エコーパスCを介して伝達された信号を模擬した参照データ(擬似エコー)R(i)が生成される。このとき、推定伝達関数Hk(i)は、別途、適応フィルタ200によって設定される。一方、マイク600が出力する音声信号y(n)がFFTユニット800によってフーリエ変換され、フーリエ変換Y(i)が算出される。
適応フィルタ200は、ダブルトーク状態において推定伝達関数Hk(i)の更新を停止し、シングルトーク状態においては誤差信号E(i)を最小にするようにHk(i)が更新される。そのため、k回目のフレーム更新毎に、X(i)に対して、図3のルーチンが起動する。ステップSP10においては、(3)式に基づいて、更新加算値ΔHk(i)が算出される。そして、処理はステップSP15に進む。
0.9<|ΔHk(i)/ΔHk−1(i)|<1.1
などの判定式が適宜用いられる。すなわち、更新加算値が所定範囲にあるか否かが判定される。
第1実施例においては、推定伝達関数Hk(i)の推定を周波数領域に変換して行ったが、時間領域の信号を用いても同様の推定を行うことが出来る。この場合においては、ハードウェア構成は第1実施例と同一でよい。しかし、アルゴリズム構成および動作は第1実施例と異なる。
次に、エコーキャンセル装置100の時間領域におけるアルゴリズム構成を図5を参照して説明する。
図5において、相手側マイク650、相手側スピーカ750、通信ユニット1500は前述した通りである。さらに、215はΔh生成ユニットであり、誤差信号e(n)の値および音声信号x(n)の値を用いて、(4)式に示される学習同定法によって、推定インパルス応答hk(n)を更新する際の差分である更新加算値Δhk(n)の値を算出する。
2.2.1.エコーキャンセルユニット1100の動作
第2実施例の全体動作は第1実施例と同様であるので、エコーキャンセルユニットの動作、適応フィルタの動作に分けて説明する。まず、図5を参照してエコーキャンセルユニットの動作を説明する。
マイク600にスピーカ700から放音された音声のみがエコーパスを介して入力されるシングルトーク状態において、畳込演算ユニット410によって畳込演算が実行されれば、エコーパスCを模擬した擬似エコーが生成される。すなわち、信号x(n)がxレジスタ305に一定時間毎に逐次記憶・更新されることにより、マイク600に入力される信号y(n)が(5)式の畳込演算によって模擬される。このとき、推定インパルス応答hk(n)は、別途、適応フィルタ205によって設定される。ここで、Nの値はインパルス応答h(n)の応答長であり、インパルス応答h(n)の収束時間により決定され、収束時間が長ければ大きなNの値が必要になる。
適応フィルタ205は、ダブルトーク状態において推定インパルス応答の更新を停止し、シングルトーク状態においては誤差信号e(n)を最小にするように推定インパルス応答hk(n)が更新される。そのため、信号x(n)が入力され、k番目の畳込演算が実行される毎に図6のルーチンが起動する。
ステップSP110においては、(4)式に示される学習同定法に基づいて、更新加算値Δhk(n)が算出される。そして、処理はステップSP115に進む。
0.9<|Δhk(n)/Δhk−1(n)|<1.1
などの判定式が適宜用いられる。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能であり、全て本発明の範疇に含まれる。
(1)上記実施例においては、学習同定法によって更新加算値を算出したが、LMS(最小自乗平均)アルゴリズムなど他のアルゴリズムを用いてもよい。
(3)上記実施例は、ROM70に格納されたプログラムによってエコーキャンセル方法を実行したが、このプログラムのみをCD−ROM、フレキシブルディスク等の記憶媒体に格納して頒布し、あるいは電気通信回線を通じて頒布してもよい。
Claims (7)
- 第1の音声信号を、複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する第1の周波数領域の信号に変換する第1の変換過程と、
前記第1の周波数領域の信号の前記各周波数成分毎に、適宜更新され得る係数を乗算する乗算過程と、
第2の音声信号を複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する第2の周波数領域の信号に変換する第2の変換過程と、
前記第2の周波数領域の信号から、前記乗算過程における乗算結果を減算する減算過程と、
前記減算過程における減算結果である誤差信号と前記第1の周波数領域の信号とに基づいて、前記係数に対する更新加算値を算出する更新加算値算出過程と、
前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程であって、前記更新加算値の絶対値が所定のダブルトーク判定閾値以上である場合はダブルトーク状態であると判定し、前記更新加算値の絶対値が前記ダブルトーク判定閾値よりも低い所定のシングルトーク判定閾値未満である場合はシングルトーク状態であると判定し、前記更新加算値の絶対値が該シングルトーク判定閾値以上であって該ダブルトーク判定閾値未満である所定範囲に属する場合は、前記更新加算値と過去の更新加算値とが、「両者の比の絶対値が1未満の所定の最小値を超え1を超える所定の最大値未満である」という所定関係を有するか否かの判定を行い、所定関係を有しない場合はダブルトーク状態であると判定する判定過程と
を処理装置に実行させることを特徴とするダブルトーク状態判定方法。 - サンプルした第1の音声信号を記憶する信号記憶過程と、
前記信号記憶過程で記憶された信号と、適宜更新され得る係数との畳み込みを行う畳込演算過程と、
第2の音声信号から、前記畳込演算過程の出力信号を減算する減算過程と、
前記減算過程により減算された誤差信号と前記第1の音声信号とに基づいて、前記係数に対する差分である更新加算値を算出する更新加算値算出過程と、
前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程であって、前記更新加算値の絶対値が所定のダブルトーク判定閾値以上である場合はダブルトーク状態であると判定し、前記更新加算値の絶対値が前記ダブルトーク判定閾値よりも低い所定のシングルトーク判定閾値未満である場合はシングルトーク状態であると判定し、前記更新加算値の絶対値が該シングルトーク判定閾値以上であって該ダブルトーク判定閾値未満である所定範囲に属する場合は、前記更新加算値と過去の更新加算値とが、「両者の比の絶対値が1未満の所定の最小値を超え1を超える所定の最大値未満である」という所定関係を有するか否かの判定を行い、所定関係を有しない場合はダブルトーク状態であると判定する判定過程と
を処理装置に実行させることを特徴とするダブルトーク状態判定方法。 - 前記判定過程は、前記更新加算値が前記所定範囲に属し、前記更新加算値と過去の更新加算値とが前記所定関係を有し、かつ、前記過去の更新加算値が算出された際に前記係数の更新が行われていたか否かの判定を行い、係数の更新が行われていない場合はシングルトーク状態であると判定する過程である
事を特徴とする請求項1ないし2の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法。 - 請求項1ないし2の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法における各過程と、
前記判定過程の結果、ダブルトーク状態であると判定した場合には前記係数の更新を停止し、前記判定過程の結果、シングルトーク状態であると判定した場合には前記係数を更新する係数更新過程と
を処理装置に実行させることを特徴とするエコーキャンセル方法。 - 請求項1ないし3の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法を実行することを特徴とするダブルトーク状態判定装置。
- 請求項4記載のエコーキャンセル方法を実行することを特徴とするエコーキャンセル装置。
- 請求項1ないし4の何れかに記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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