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JP4593264B2 - N−メチル−2−ピロリドン回収装置及びその回収方法 - Google Patents
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JP4593264B2 - N−メチル−2−ピロリドン回収装置及びその回収方法 - Google Patents

N−メチル−2−ピロリドン回収装置及びその回収方法 Download PDF

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Description

この発明は、N−メチル−2−ピロリドン回収装置に関する。
リチウムイオン電池、ポリマー電池等の電極を製造する際、溶剤や分散剤として、N−メチル−2−ピロリドンが使用される場合がある。このN−メチル−2−ピロリドンは、使用後、系の排ガスに同伴されて排出される。この排ガスについては、環境上の問題から、N−メチル−2−ピロリドンを取り除く必要がある。また、このN−メチル−2−ピロリドンを回収することにより、溶剤や分散剤として再利用することができる。
上記のN−メチル−2−ピロリドンの回収方法としては、上記排ガスを冷却して分離する方法、上記排ガスを水に通して、N−メチル−2−ピロリドンを水に溶解させる方法、吸着剤を用いて吸着回収する方法等があげられる。
しかし、上記のいずれの方法でも、処理された排ガス中に残存するN−メチル−2−ピロリドンの量が多くなる傾向がある。また、排ガス中に残存するN−メチル−2−ピロリドンの量をより減らすようにすると、排ガス温度のさらなる低下や、排ガスと水との接触時間のさらなる増加、及び入り口部のNMP濃度の低下が必要である。よって、いずれの場合も、NMP除去効率の点から、不満足である。
そこで、この発明は、効率よく、排ガス中のN−メチル−2−ピロリドンを高濃度で回収し、この排ガス中の残存N−メチル−2−ピロリドン量をより低くすることを目的とする。
この発明は、N−メチル−2−ピロリドンを同伴するガス、及び水又は水系液をそれぞれ流して、両者を接触させることにより、N−メチル−2−ピロリドンを上記水に吸収させる複数の吸収部を有し、この吸収部には充填物が充填され、この吸収部を直列に配した、N−メチル−2−ピロリドン回収装置を用いることにより、上記課題を解決したのである。
N−メチル−2−ピロリドンを同伴するガス、及び水又は水系液を、充填物を有する吸収部を通して流すことにより、両者の接触の程度を増加させることができる。これにより、効率よく、排ガス中のN−メチル−2−ピロリドンを回収し、かつ、この排ガス中の残存N−メチル−2−ピロリドン量をより低くすることができる。
この発明にかかるN−メチル−2−ピロリドン回収装置は、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と略する。)を同伴するガス(以下、「同伴ガス」と称する。)、及び水又は水系液(以下、「水系液等」と称する。)をそれぞれ流して、両者を接触させることにより、NMPを上記水に吸収させる複数の吸収部を有する装置である。
上記同伴ガスは、リチウムイオン電池、ポリマー電池等の電極の製造工程等で使用されるNMPを加熱して、これを逸散させる際に空気等のガスに同伴させたガスである。また、上記水系液等中の水系液とは、水にNMPを含有させた液をいう。
この発明にかかるNMP回収装置に使用される上記同伴ガスの温度は、50〜140℃がよく、60〜120℃が好ましい。この温度範囲のものを使用することにより、上記NMP回収装置において、上記同伴ガス中の水分を蒸発又は揮散させることができ、回収NMPの濃度をより向上させることができる。50℃より低いと、上記の効果を得ることができず、回収NMPの濃度の向上が不十分となる場合がある。一方、140℃より高くてもよいが、上記同伴ガスの温度として、140℃より高い場合が少ない。
また、上記同伴ガスの圧力は、大気圧(1atm)程度が好ましい。圧力を高くすると、同伴ガスブロアーの動力が増える。また、圧力を大気圧より小さくする意味はない。具体的には、無弁の排風配管を通じて大気に排出されるので、各部の圧力損失に相当する圧力が自然である。
さらに、上記同伴ガスに含まれる水分量は、不飽和状態の水分量が好ましい。上記同伴ガスに含まれる水分量が飽和状態だと、上記NMP回収装置において、上記同伴ガス中の水分を蒸発又は揮散させることが困難となる場合があり、回収NMPの濃度の向上が不十分となる場合がある。
上記吸収部とは、上記同伴ガスと水系液等とを接触させる部分をいい、この吸収部には充填物が充填されている。これにより、吸収部内部の気液接触面積を増加させると共に、吸収部内部の空間部分を減少させ、上記同伴ガスと水系液等との接触機会をより向上させる。
このような充填物としては、リング状、ボール状、網状のものや、網状体や多数の穴を開けた平板体を円柱状又は塔の形状に加工した規則充填物等があげられる。上記リング状、ボール状の充填物は、多数が上記吸収部内に充填される。また、上記網状の充填物は、複数枚が上記吸収部内に積層されて充填される。さらに、規則充填物は、その径や高さを上記吸収部の径や高さに合わせたものが使用される。これらの中でも、上記規則充填物が、圧損をより低減することができ、好ましい。このような規則充填物としては、エムシーパック(菱化フォワード(株)製)等があげられる。
上記の吸収部は、複数、すなわち、少なくとも2つ有することが必要で、かつ、直列に配することが必要である。吸収部内の充填物の高さを高くして、吸収部を1つとした場合、上記同伴ガスからNMPを回収し、同伴ガス中のNMP残量を低減させるために、水系液中のNMP濃度を上げることが困難となる傾向がある。
また、上記の複数の吸収部を直列に配するのは、同伴ガスと水系液等を向流又は並流に流すことにより、同伴ガス中のNMPの、水系液への移行をより効率的に行うためである。
この発明にかかるNMP回収装置によりNMPを回収された後の同伴ガス中のNMP量は、100ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましく、5ppm以下がさらに好ましい。100ppmより多量のNMPを含有すると、排ガスにNMP臭が残る問題がある。
次に、この発明にかかるNMP回収装置の例を、図1〜2を用いて説明する。
図1に示すNMP回収装置11aは、3つの吸収部12(12a、12b、12c)を、1つの吸収塔13a内に上下方向に直列に配したものであり、その内部には、上記充填物が充填される。なお、図1においては、吸収部を3つ記載したが、NMPの回収効率の点で、少なくとも2つの吸収部を有すればよく、少なくとも3つの吸収部を有すれば、よりよい。また、設ける吸収部の数の上限は、特に限定されないが、圧損の点で、5以下が好ましい。
さらに、最下段の吸収部12aの下方には、液貯蔵部14が設けられる。
また、2つの吸収部(12aと12b、又は12bと12c)の境界部には、集液装置15が設けられる。
上記集液装置15は、図2(a)(b)に示すように、上記吸収塔内壁16の周縁部に液溜め部17が設けられ、また、この液溜め部17以外の部分を開放して開口部18が形成される。この開口部18の上方には、上方から落下する水又は水系液を上記液溜め部17に送る送り板19が設けられる。図2に示した送り板19は、断面がV字状で、液溜め部17と開口部18との境界壁21上で支持され、上方から落下してきた水系液等が送り板19のV字状の溝に落ち、液溜め部17に送られる。なお、この発明で使用される送り板19の形状、構成等は、上方から落下してきた水系液等を液溜め部17に送ることができれば、特に限定されない。
上記の液溜め部17に溜まった水系液等は、上記液溜め部17から溢れると、上記開口部18から上記吸収塔13aの下方に落下する。具体的には、開口部18の下方の集液部22を経由して、その下方に設けられた受け部23に集められ、スプレー装置24(図1参照)から、下方の吸収部12に送られる。
上記吸収塔13aには、図1に示すように、上記液貯蔵部14内の水系液等の一部、及び上記液溜め部17内の水系液等の一部又は全部をその直上にある吸収部12に送る送液配管25(25a、25b、25c)が設けられる。この送液配管25には、それぞれ送液ポンプ26が設けられ、上記液貯蔵部14内の水系液等や上記液溜め部17内の水系液等をその直上にある吸収部12、特にその吸収部12内の充填物の上方、具体的には、その吸収部12内の充填物の直上にある集液装置15の集液部22に送ることができる。これにより、上記液貯蔵部14や液溜め部17と、その直上にある吸収部12との間で、水系液等を循環させることができる。
また、液貯蔵部14からでる送液配管25aには、上記液貯蔵部14内の水系液等の一部を、外部に取り出す回収配管27が設けられ、この回収配管27から、NMP吸収液を回収することができる。
さらに、上記吸収塔13aの最上段にある吸収部12cの下の液溜め部17の水系液等を、この吸収部に送る配管、すなわち、吸収部12cに水系液等を送る送液配管25cには、必要に応じて、水供給配管28が設けられる。この水供給配管28より水を供給することにより、排ガスと共に吸収塔13aから出て行く水を補給することができる。このとき使用される水としては、特に限定されないが、純水や蒸留水を用いると、この発明にかかかるNMP回収の次に行われる、NMP精製工程で水垢(スケール)が発生しないので好ましい。
さらにまた、排ガスと共に吸収塔13aから出て行く水を極力減らし、水供給配管28から供給する補給水量を減少させるために、送液配管25cの途中に、この水系液等を冷却する熱交換器29を配することができる。これにより、吸収部12cの上部にあるスプレー装置24cから降らせる水系液等の温度をより低下させることができ、吸収部12cを通って上昇する排ガスの温度をより低下させることができ、排ガス中の水分を回収し、排ガス中の水分量をより減らすことができる。
次に、図1に示すNMP回収装置11aを用いたNMPの回収方法について説明する。
まず、NMP回収装置11aの液貯蔵部14内の水系液等の一部、及び各液溜め部17内の水系液等Aの一部又は全部を、その直上にある吸収部12に送って、その水系液等Aをそれぞれの吸収部12の充填物の中を上方から下方に向かって流す。
さらに、最下段の吸収部12aと液貯蔵部14との間に、上記同伴ガスBを導入し、この同伴ガスBを上記N−メチル−2−ピロリドン回収装置の上方に向かって流す。このため、水系液等Aと同伴ガスBとは向流となり、これらは、上記のそれぞれの吸収部12内で接触する。そして、同伴ガスB中のNMPが上記水系液等Aに吸収される。
各吸収部12を通過したガスは、分離フィルター31を通して、排ガスCとして、NMP回収装置11aより排出される。この分離フィルター31は、排ガスC中の水系液等を最後に分離するためのフィルターであり、3μm以上の液滴を分離できるものであればよい。このような例として、東京特殊金網(株)製:ワイヤーメッシュフィルター等があげられる。
また、吸収部12bや12cを通った水系液等Aは、液溜め部17に溜められるが、その全部又は一部は、送液配管25で循環される。そして、バランスアウトした水系液等Aがこの液溜め部17で溢れると、開口部18から、集液部22、受け部23及びスプレー装置24を経由して、その下の吸収部12a又は12bに送られる。
このように水系液等Aが循環されながら、下方に落下し、かつ、同伴ガスBが上昇していくと、吸収部12a、吸収部12b、及び吸収部12cの順に、その吸収部を通る水系液等のNMP濃度が低下していく。このため、液貯蔵部14中のNMP濃度が最も高くなり、ここより、回収配管27を通じて、NMP水溶液Eを回収することができる。
また、上記分離フィルター31で、残存する水系液等は回収される。そして、排ガス中に操作温度見合いの水分が蒸留同伴されるので、水供給配管28より、補給水Dを補給する必要がある。
一方、熱交換器29を設けて、送液配管25cを通って循環する同伴ガスBを冷却して、スプレー装置24cより落下させることにより、吸収部12cを上昇する同伴ガスBを冷却することができる。これにより、この水系液等Aに含まれる水の水滴をより大きくすることができ、吸収部12c又は分離フィルター31で、水系液等Aの水滴を分離し、排ガスCと共に、系外に出るのを防止できる。
なお、図1においては、3つの吸収部12を1つの吸収塔13aの中に、直列に並べたが、それぞれの吸収部12をそれぞれ別の吸収塔に入れ、同伴ガスBの流れが直列になるように、それぞれを連結してもよい。この場合、水系液等Aと同伴ガスBとの流れは、それぞれ並流であっても、向流であってもよい。
次に、この発明にかかるNMP回収装置の他の例を、図3を用いて説明する。
図3に示すNMP回収装置11bは、同伴ガスB中のNMPをまず、濃縮器41で濃縮除去して、NMP濃度の低下した同伴ガスB’を、図1に示す吸収塔13aと同様の吸収塔13bに送り、同伴ガスB’中のNMPを回収する装置である。
上記濃縮器41は、その内部に、上記した吸収部12と同様の吸収部48を有する。そして、その下方には、NMPを濃縮した水系液等、すなわち、濃縮液を溜める濃縮液溜め部49が設けられる。そして、この濃縮液溜め部49から、その濃縮液を上記吸収部48に、詳しくは、上記吸収部48内の充填物の上方に送る循環配管44が設けられ、この濃縮液を濃縮器41内で循環させることができる。
なお、図3に示すように、循環ラインの上端は、濃縮器41内の上端部に導入して、スプレー装置51より下方に降らせてもよく、濃縮器41より上方の同伴ガスBの導入配管52に接続してもよく、また、その両方に配管を設けてもよい。循環ラインの上端を、濃縮器41より上方の同伴ガスBの導入配管52に接続することにより、同伴ガスB中のNMP濃度が高いとき、これを希釈することが可能となる。
図3に示す上記吸収塔13bは、2段であるが、濃縮器41が1段分の能力を有するので、NMP回収装置11b全体としては、実質3段の段数を有する。また、上記吸収塔13bの機能は、吸収塔13aの機能と同様であり、図3においては、図1の中段部分(吸収部12b等)を除いた形で、記載した。
上記濃縮器41と吸収塔13bとの間には、上記濃縮器41から排出される排ガス、すなわち、同伴ガスB’を吸収塔13bの最下段の吸収部12aと液貯蔵部14との間の部分に送る送ガス配管42が設けられている。
さらに、上記液貯蔵部14内の水系液等の一部を、上記濃縮器41又は上記濃縮器41に配された配管に送る送液配管43が設けられる。そして、図1の回収配管27の代わりに、濃縮器41の循環配管44から分岐させて、回収配管45が設けられる。これは、このNMP回収装置11bのうち、最もNMP濃度が高いのが、濃縮器41内の水系液等であるので、ここから、NMP水溶液Eを回収するためである。
上記濃縮器41から同伴ガスB’を排出する排ガス排出部46には、分離フィルター47が設けられる。この分離フィルター47は、上記した分離フィルター31と同様のものであり、上記濃縮器から排出される同伴ガスB’から、この排ガスに含まれる水系液分を分離することができる。
次に、図3に示すNMP回収装置11bを用いたNMPの回収方法について説明する。
まず、NMP回収装置11bの濃縮器41内の濃縮液Fをこの濃縮器41内で循環させる。また、吸収塔13b内は、上記吸収塔13aの場合と同様に、水系液等Aをそれぞれ循環させる。
そして、この濃縮器41の上部に同伴ガスBを導入する。導入された同伴ガスBは、吸収部48内で濃縮液Fと接触し、同伴ガスB中のNMPを濃縮液Fに吸収させる。
次いで、NMPがある程度除かれた同伴ガスB’は、分離フィルター47を通って、吸収塔13bの、最下段の吸収部12aと液貯蔵部14との間の部分に導入される。そして、上記した吸収塔13aの場合と同様にして、NMPが吸収され、排ガスCが吸収塔13bの上部より排出される。
吸収塔13bの中で、NMP濃度の最も高い液貯蔵部14中の水系液等Aの一部は、送液配管43を経由して、濃縮器41又はその配管に送られる。この液貯蔵部14中の水系液等Aの一部が送られる場所は、循環配管44、濃縮器41、又は濃縮器41の分離フィルター47の前流部のいずれであってもよい。この水系液等Aの一部は、濃縮液FよりNMP濃度が低いので、循環液として使用するには好適である。また、濃縮器41の分離フィルター47の前流部にスプレーすることにより、分離フィルター47を洗浄すると同時に、同伴ガスB’中のNMPを水系液等に濃縮することができる。そして、分離フィルター47で分離した水系液等を濃縮器41内に洗い落とすことができる。
そして、循環配管44から分岐した回収配管45から、NMP水溶液を回収することができる。
ところで、図3のNMP回収装置11bの濃縮器41の同伴ガスBと濃縮液Fとは、並流であるが、図4に示すように、同伴ガスBと濃縮液Fとが向流となるような濃縮器41’を用いたNMP回収装置11cを使用してもよい。この場合、同伴ガスBの導入部は、吸収部48の下方となり、分離フィルター47は必要なくなる。その他は、図3に示すNMP回収装置11bと同様で、NMPの回収方法も同様である。
上記の各NMP回収装置において、液貯蔵部14及び濃縮液溜め部49の液量等を制御することにより、自動運転が可能となる。その例を図3に示すNMP回収装置11bを用いて説明する。
液貯蔵部14の液量は、濃縮器41へ水系液等を送ったり、排ガスC中に同伴されて出て行く水分量によって、減少していく。このため、液貯蔵部14の所定位置にセンサ61を設け、液貯蔵部14の液量によって、水供給配管28にあるバルブ62を開閉するようにする。これにより、液貯蔵部14の液量を一定量以下とならないようにすることができ、吸収塔13bを安定的に運転することができる。
また、NMP水溶液Eを抜き出すと、濃縮液溜め部49の液量が減少し、濃縮器41内の循環が困難となる場合がある。この場合、濃縮液溜め部49の所定の位置にセンサ63を設けることにより、所定量以下となると、バルブ64を開放し、液貯蔵部14から水系液等を濃縮器41内に送り込み、そして、濃縮液溜め部49の液量が所定量となると、バルブ64を閉めることにより、濃縮液溜め部49の液量をほぼ一定に保つことができる。
さらに、NMP水溶液Eの取り出しは、濃縮液Fの濃度で判断することができる。このため、循環配管44に濃度センサ65を取り付け、濃縮液Fが所定の濃度となると、バルブ66を開け、NMP水溶液を取り出すことができる。すると、濃縮液溜め部49の液量が減少するので、上記したように、液貯蔵部14から水系液等を濃縮器41内に送り込まれる。これにより、濃縮液FのNMP濃度が低下し、所定濃度以下となると、バルブ66が閉まる。これらにより、安定的に、所定濃度のNMP水溶液Eを回収することができる。
また次に、図5に示すNMP回収装置11dを用いたNMPの回収について説明する。この装置は、図3及び図4においては濃縮器41、41’で行う同伴ガスB中のNMPの濃縮を、吸収塔13cに同伴ガスBを導入する液接触配管71と、この液接触配管71に水系液等を送る還流配管72とにより行い、同伴ガスB中のNMPを回収する装置である。
このNMP回収装置11dの吸収塔13cは、上記の吸収塔13bと同様に、複数の吸収部12を上下方向に直列に配し、2つの吸収部12の間の境界部に、上記の液溜め部17、開口部18、送り板19などを設け、さらに、液溜め部17から溢れる水系液等を下方に落下させる集液装置15を設けてある。また、同様に最下段の吸収部12aの下方に液貯蔵部14を設け、その最下段の吸収部12aと液貯蔵部14との間の下段境界部にも、液溜め部17を設けてあるが、この下段境界部にある液溜め部17の下には、水系液等を下方へ落下させる受け部23やスプレー装置24を設けていない。
また、上記の下段境界部に設けた液溜め部17と、上記の液貯蔵部14との間に分離フィルター73を設けてある。この分離フィルター73と液貯蔵部14との間に、吸収塔13c外から同伴ガスBを供給する導入配管52と吸収塔13cとを接続する液接触配管71の出口71aを設けてある。この液接触配管71は、内部に設けた供給口であるスプレーノズル74から供給された水系液等と上記ガスBとを内部で接触させ、かつ、吸収塔13cの外部から吸収塔13c内に水系液等を導入するものである。
この液接触配管71は、導入配管52から吸収塔13cへ向けて上方向から下方向となる傾斜を有しているとよく、鉛直方向に延びた部分又は鉛直方向に近い角度である部分を有していてもよい。鉛直方向に延びた部分や傾斜があることにより、液接触配管71に供給される水系液等を吸収塔13cの液貯蔵部14に向かって落とすことができる。
上記の出口71aは、液接触配管71が水平に近い傾斜を有している場合は、その傾斜のまま吸収塔13c内に導入された先端部分に設けられてよい。また、液接触配管71が鉛直方向又は鉛直方向に近い角度である部分を有している場合は、より水平に近くなるように折り曲げた部分を設け、その折り曲げた先に出口71aを設けると、吸収塔13cに導入しやすい。
なお、液接触配管71が、図5の記載のように鉛直方向に延びた部分又は鉛直方向に近い部分を有していて、かつ、その部分の内部にスプレーノズル74を設けていると、スプレーノズル74から供給された、微細化して散布された水系液等が重力に引かれて液接触配管71の内面に落下するまで、長時間に亘って微細化した状態で同伴ガスBと接触し続けさせることが出来るので好ましい。
上記のスプレーノズル74は、図5の記載では液接触配管71が鉛直方向へ延びた箇所に高さ方向に複数個並べ、それぞれの散布する方向を同伴ガスBの流れ方向へ向けて設けてあるが、水平方向に並べてもよいし、同伴ガスBの流れ方向と反対方向に向けてもよい。ただし、複数個設ける場合には、高さ方向に並べると、水平方向に並べるよりも、液接触配管71の必要な断面積を小さくすることができる。また、同伴ガスBの流れ方向と反対方向にスプレーノズル74を向けても、散布した水系液等は落下するので、最終的には順流となる。
上記の液接触配管71に導入された同伴ガスB中のNMPの少なくとも一部は、スプレーノズル74から液接触配管71内に供給されて散布された水系液等により吸収されて液貯蔵部14に蓄積される。この液接触配管71には充填物が無いために、同伴ガスBが通過する際の圧力損失をほとんど生じさせることなく、同伴ガスBからNMPを回収することができる。こうして水系液等に吸収されることでNMPの含有量が減少した同伴ガスB’は、吸収塔13cの下部に導入され、分離フィルター73を通して吸収塔13cの上方へ向かう。液貯蔵部14に蓄積された水系液等の一部は、液貯蔵部14から送液ポンプ26を用いて還流配管72を通して供給口であるスプレーノズル74から散布されて液接触配管71内に供給され、接触した同伴ガスBから再びNMPを吸収する。このようにしてNMPを何度も吸収して濃縮した水系液等が、液貯蔵部14に蓄積されていき、その一部は、回収配管45から回収される。
上記の同伴ガスB’が吸収塔13cの下部から上方へ向かう際に通過する、吸収部12aと分離フィルター73との間の下段境界部には、吸収部12aから落下した水系液等を分離フィルター73まで落とさないための液溜め部17及び送り板19が設けられ、かつ、その間を通すための開口部18が形成されている。ただし、この下段境界部に設けられた液溜め部17の下には吸収部12が無いため、さらに下方へ落下させることは好ましくない。そのため、この液溜め部17に蓄積された水系液等は、送液ポンプ26から送液配管25を通じて、吸収部12aの上方にあるスプレー装置24に送り、吸収部12aに送って同伴ガスB’中のNMPを吸収する。また、吸収塔13a及び13bと同様に、吸収部12aでもNMPを吸収して、排ガスCを吸収塔13cの塔頂から排出される。
また、上記下段境界部にある液溜め部17の液量を調整して溢れないようにするために、その液溜め部17の水系液等の一部は、送液ポンプ26により、送液配管25(25a)から移送配管75を経由して還流配管72の先の、液接触配管71内にあるスプレーノズル74へ送られる。また、液溜め部17から水系液等を抜き出す移送配管75を、液貯蔵部14に直接繋げてもよい。ただし、この液溜め部17に溜まった水系液等は、液貯蔵部14に蓄積された水系液等よりもNMP濃度が低いため、移送配管75から還流配管72を通して液接触配管71に供給することで、液接触配管71内でNMPを吸収させてから液貯蔵部14に送るようにすると、供給される水系液等の濃度が低いために、NMPをより効率的に吸収できるので好ましい。どちらの場合も、上記下段境界部にある液溜め部17から移送配管75を通った水系液等が液貯蔵部14に溜まることになり、NMP濃度の高い水系液等を回収配管45から回収することで減った液貯蔵部14の水系液等を補充することができる。
この液貯蔵部14の水系液等の量の調整は、液貯蔵部14の所定位置にセンサ76を設けて、液貯蔵部14の液量をチェックすることによって、移送配管75のバルブ77、水供給配管28のバルブ62及び回収配管45のバルブ78を適切に開閉して調整するようにする。これにより、液貯蔵部14の液量を一定量以下とならないようにすることができ、吸収塔13cを安定的に運転することができる。また、上記下段境界部の液溜め部17の所定位置にもセンサ79を設けて、このセンサ79に従ってバルブ77を適切に調整すると、この液溜め部17が溢れることを防止できる。
なお、吸収塔13cの上部では、上記の吸収塔13a及び13bと同様に、吸収部に送られた水系液等を、吸収部の充填物の中を上方から下方に向かって流し、NMPの含有量が低下した同伴ガスB’からさらにNMPを吸収する。ここで供給する水系液等は、送液配管25から送られてくる水系液等だけではなく、外部から補給水Dとして追加される分も含む。
このような吸収塔13cとそれに繋がる液接触配管71を有するNMP回収装置11dに、導入配管52から液接触配管71の上方より同伴ガスBを導入し、液接触配管71の内部でスプレーノズル74から供給された水系液等と同伴ガスBとを接触させて同伴ガスB中のNMPを吸収しつつ、同伴ガスBと水系液等とを液接触配管71の上方から下方に向かって流して、吸収塔13c内に導入する。ここまででNMP濃度の減少した同伴ガスB’を、吸収塔13c内の吸収部12において水系液と接触させて、さらにNMPを吸収させた排ガスCが吸収塔13cの上部より排出される。図5に示す吸収塔13cは2段であるが、液接触配管71が1段分の能力を有するので、NMP回収装置11d全体としては、実質3段の段数を有する。
なお、吸収塔13a及び13bと同様に、吸収塔13cの送液配管25に、水系液等を冷却する熱交換器29を設けていると、同様にガスを冷却して、排ガスC中の水分量をより減らすことができるので好ましい。
この発明にかかるNMP回収装置11a〜11dに供される同伴ガスB中のNMP量は、100ppm以上がよく、500ppm以上が好ましい。100ppmより少ないと、この発明にかかるNMP回収装置11a〜11dを用いる必要性がなくなる。一方、同伴ガスB中のNMP量の上限値は、NMPの爆発下限界となる濃度の1/4がよい。具体的には、空気中だと、2250ppmがよく、2000ppmが好ましく、1000ppmがより好ましい。NMPの爆発下限界となる濃度の1/4より高い濃度だと、この発明にかかるNMP回収装置11a〜11dの工程内において、安全上好ましくない濃度領域に入るので、好ましくない。
次に、この発明について実施例を用いてより詳細に説明する。
NMP回収装置として、図3に示す装置を用いた。また、各吸収部内の充填物として、菱化フォワード(株)製、規則充填物を用いた。さらに、各分離フィルターとしては、東京特殊金属金網(株)製:ワイヤーメッシュフィルターを用いた。
また、濃縮器41内の総体積は52.0m、吸収部48に使用した充填物の体積は9.3m、吸収塔13b内の総体積は102.8m、各吸収部12に使用した充填物の体積は、それぞれ40.0mであった。
(実施例1)
表1に示す成分を有するガスを表1に示す流速で、濃縮器41に導入した。そして、NMP濃度が80重量%のときに、回収配管45からNMP水溶液Eを回収するように、各センサやバルブ等を調整した。なお、熱交換器29による水系液等Aの熱交換は、行わなかった。
その結果、12時間連続運転したところ、排ガスC中のNMP濃度は1ppm未満で安定していた。12時間経過後の結果を表1に示す。
Figure 0004593264
なお、表1中の圧力は、ゲージ圧を示す。
(実施例2)
熱交換器29に流して、水系液等Aを冷却する冷却水の温度を7℃とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。その結果、排ガスC中のNMP量は1ppm未満、NMP水溶液E中のNMP濃度は80重量%、補給水Dの補給量はゼロであった。
この発明にかかるNMP回収装置の例を示すプロセス図 (a)図1の集液装置の拡大断面図、(b)(a)のA−A断面図 この発明にかかるNMP回収装置の他の例を示すプロセス図 この発明にかかるNMP回収装置の他の例を示すプロセス図 この発明にかかるNMP回収装置の他の例を示すプロセス図
符号の説明
11a、11b、11c、11d NMP回収装置
12、12a、12b、12c 吸収部
13、13a、13b、13c 吸収塔
14 液貯蔵部
15 集液装置
16 吸収塔内壁
17 液溜め部
18 開口部
19 送り板
21 境界壁
22 集液部
23 受け部
24 スプレー装置
25 送液配管
26 送液ポンプ
27 回収配管
28 水供給配管
29 熱交換器
31 分離フィルター
41、41’ 濃縮器
42 送ガス配管
43 送液配管
44 循環配管
45 回収配管
46 排ガス排出部
47 分離フィルター
48 吸収部
49 濃縮液溜め部
51 スプレー装置
52 導入配管
61、63 センサ
62、64,66 バルブ
65 濃度センサ
71 液接触配管
71a 出口
72 還流配管
73 分離フィルター
74 スプレーノズル
75 移送配管
76,79 センサ
77,78 バルブ
A 水系液等
B、B’ 同伴ガス
C 排ガス
D 補給水
E NMP水溶液
F 濃縮液

Claims (9)

  1. N−メチル−2−ピロリドンを同伴するガス、及び水又は水系液をそれぞれ流して、両者を接触させることにより、N−メチル−2−ピロリドンを上記水又は水系液に吸収させる複数の吸収部を有し、
    この吸収部には充填物が充填され、
    上記複数の吸収部を、1つの吸収塔内に上下方向に直列に配し、最下段の吸収部の下方に液貯蔵部を設け、
    2つの吸収部の境界部には、上記吸収塔内壁の周縁部に液溜め部を設けると共に、液溜め部以外の部分を開放し、この開口部の上方に、上方から落下する水又は水系液を上記液溜め部に送る送り板を設け、かつ、上記液溜め部から溢れる水又は水系液を、上記開口部から上記吸収塔の下方に落下させる集液装置を設け、
    上記液貯蔵部内の水又は水系液の一部、及び上記液溜め部内の水又は水系液の一部又は全部をその直上にある吸収部に送る送液配管を設け、
    上記液貯蔵部内の水又は水系液の一部を、N−メチル−2−ピロリドン吸収液として回収する回収配管を設けるN−メチル−2−ピロリドン回収装置。
  2. 上記吸収部と同様の吸収部を濃縮器に配し、
    上記濃縮器から排出される排ガスを上記吸収塔の最下段の吸収部と液貯蔵部との間の部分に送る送ガス配管を設けると共に、上記液貯蔵部内の水又は水系液の一部を、上記濃縮器又は上記濃縮器に配された配管に送る送液配管を設け、
    上記濃縮器から排出される排ガスから、この排ガスに含まれる水又は水系液分を分離する分離フィルターを、上記濃縮器の上記排ガス排出部に設け、
    上記濃縮器内に溜められた水又は水系液を、上記濃縮器内で循環するための循環ラインを設ける請求項に記載のN−メチル−2−ピロリドン回収装置。
  3. 上記吸収塔の最上段にある吸収部の下の液溜め部の水又は水系液を、この吸収部に送る配管の途中に、この水又は水系液を冷却する熱交換器を配する請求項又はに記載のN−メチル−2−ピロリドン回収装置。
  4. 請求項乃至のいずれかに記載のN−メチル−2−ピロリドン回収装置の液貯蔵部内の水又は水系液の一部、及び各液溜め部内の水又は水系液の一部又は全部を、その直上にある吸収部に送って、その水又は水系液をそれぞれの吸収部の充填物の中を上方から下方に向かって流すと共に、最下段の吸収部と液貯蔵部との間に、上記N−メチル−2−ピロリドンを同伴するガスを導入して、このガスを上記N−メチル−2−ピロリドン回収装置の上方に向かって流し、
    上記水又は水系液と上記ガスとを上記吸収部内で接触させて、上記ガスに同伴するN−メチル−2−ピロリドンを上記水又は水系液に吸収させる、N−メチル−2−ピロリドンの回収方法。
  5. 請求項又はに記載のN−メチル−2−ピロリドン回収装置の濃縮器内の水又は水系液をこの濃縮器内で循環させると共に、この濃縮器の上部又は下部に上記N−メチル−2−ピロリドンを同伴するガスを導入し、
    かつ、上記N−メチル−2−ピロリドン回収装置吸収塔内の液貯蔵部内の水又は水系液の一部、及び各液溜め部内の水又は水系液の一部又は全部を、その直上にある吸収部に送って、その水又は水系液をそれぞれの吸収部の充填物の中を上方から下方に向かって流すと共に、最下段の吸収部と液貯蔵部との間に、上記濃縮器から排出されるガスを導入して、このガスを上記N−メチル−2−ピロリドン回収装置の上方に向かって流し、
    上記水又は水系液と上記ガスとを上記吸収部内で接触させて、上記ガスに同伴するN−メチル−2−ピロリドンを上記水又は水系液に吸収させる、N−メチル−2−ピロリドンの回収方法。
  6. N−メチル−2−ピロリドンを同伴するガス、及び水又は水系液をそれぞれ流して、両者を接触させることにより、N−メチル−2−ピロリドンを上記水又は水系液に吸収させる複数の吸収部を有し、
    この吸収部には充填物が充填され、
    上記複数の吸収部を、1つの吸収塔内に上下方向に直列に配し、最下段の吸収部の下方に液貯蔵部を設け、
    2つの吸収部の境界部、及び上記最下段の吸収部と上記液貯蔵部との下段境界部には、上記吸収塔内壁の周縁部に液溜め部を設けると共に、液溜め部以外の部分を開放し、この開口部の上方に、上方から落下する水又は水系液を上記液溜め部に送る送り板を設け、かつ、上記境界部に設けた液溜め部から溢れる水又は水系液を、上記開口部から上記吸収塔の下方に落下させる集液装置を設け、
    上記下段境界部に設けた液溜め部と上記液貯蔵部との間に分離フィルターを設け、
    上記吸収塔外から上記ガスを供給する導入配管と上記吸収塔とを接続する液接触配管を設け、この液接触配管は、内部に設けた供給口から供給された水又は水系液と上記ガスとを内部で接触させるものであり、かつ、上記吸収塔の上記分離フィルターと上記液貯蔵部との間に、水又は水系液と上記ガスとを導入する出口を有するものであり、
    上記液溜め部内の水又は水系液の一部又は全部を、その直上にある吸収部に送る送液配管を設け、
    上記液貯蔵部内の水又は水系液の一部を、上記液接触配管内部の上記供給口に供給する還流配管を設け、
    上記液貯蔵部内の水又は水系液の一部を、N−メチル−2−ピロリドン吸収液として回収する回収配管を設ける、N−メチル−2−ピロリドン回収装置。
  7. 上記吸収塔の最上段にある吸収部の下の液溜め部の水又は水系液を、この吸収部に送る配管の途中に、この水又は水系液を冷却する熱交換器を配する請求項に記載のN−メチル−2−ピロリドン回収装置。
  8. 上記液溜め部内の水又は水系液の一部を、上記液接触配管内に供給する移送配管を設けた、請求項又はに記載のN−メチル−2−ピロリドン回収装置。
  9. 請求項乃至のいずれかに記載のN−メチル−2−ピロリドン回収装置の、
    上記吸収部に送られた水又は水系液を、上記の吸収部の充填物の中を上方から下方に向かって流し、
    かつ、上記液接触配管内に供給された水又は水系液を、上記供給口から上記液接触配管の中を上方から下方に向かって流すと共に、上記液接触配管の上方から上記N−メチル−2−ピロリドンを同伴するガスを導入し、上記吸収塔の上記液貯蔵部と最下段の上記分離フィルターとの間を経由して上記吸収塔の上方に向かって流し、
    上記水又は水系液と上記ガスとを上記液接触配管内及び上記吸収部内で接触させて、上記ガスに同伴するN−メチル−2−ピロリドンを上記水又は水系液に吸収させる、N−メチル−2−ピロリドンの回収方法。
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