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JP4593502B2 - 金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法及び導電部品の形成方法 - Google Patents
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JP4593502B2 - 金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法及び導電部品の形成方法 - Google Patents

金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法及び導電部品の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線基板や電子実装部品(基板等)の製造に用いる金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法及び導電部品の形成方法であって、特に導電路、バンプ、立体金属配線パターン、アンテナパターン、熱伝導路あるいは触媒電極等の導電部品の製造に用いる金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法及び導電部品の形成方法に関する。
金属(あるいは金属酸化物)微細粒子の製造技術、独立分散技術、さらには、超微量インクジェット、精密スクリーン印刷、ナノプリンティング、ナノインプリンティングによる微細配線パターニング技術が、近年著しく進展しているのに伴い、それら技術を応用した直接回路描画法が次世代の電子実装部品形成技術として大いに注目されている。
この直接回路描画法は、それまでリゾグラフィーやエッチングといった複雑な工程を経て製造されていた電子実装部品を、金属(あるいは金属酸化物)粒子の直接描画→焼成→相互融着→導電化といった工程で製造するという手法であり、その詳細については非特許文献1の第71頁に記載されている。この手法の確立により、導電回路パターン、バンプ、パッド、ビア、アンテナパターンやその他の電子実装部品を、安価かつ簡便に製造することが可能になると期待されている。さらには、電子実装部品の熱伝導路としての利用も検討されている。
上記の直接回路描画法に使用される微細粒子として、従来は金もしくは銀からなるナノ粒子が用いられることが多かった。しかしながら、金のナノ粒子を用いる場合は、金自体の材料価格が非常に高価なため、これを用いて形成される電子部品も高価になってしまうといった問題があり、また銀のナノ粒子を用いる場合には、エレクトロマイグレーション現象に起因する断線等の問題を解決しなければならないといった課題が指摘されてきた。
これに対し近年は、上記の金、銀に代わる微細粒子として、安価でかつエレクトロマイグレーションも少ない銅ナノ粒子の利用が検討されている。しかしながら、銅は、貴金属の金・銀と異なって酸化しやすく、室温でも空気中の酸素と容易に反応して表面に酸化被膜を形成してしまうことが知られている。特に、表面積比率の高い微粒子状の銅の場合には、空気中であってもほぼ全体が酸化銅になってしまう。
そこで、上記の直接回路描画法において、銅などの酸化されやすい金属を用いて良好な導電性を有する導電部品等を形成するためには、表面もしくは全体が酸化された金属微粒子(金属酸化物微粒子)の酸化物をまず還元する必要があり、その上で粒子同士を焼成(相互融着)する必要がある。
上記の酸化物粒子を還元・相互融着させる方法として、まず、水素ガス、一酸化窒素ガスをはじめとする還元性気体を用いる方法がある。例えば、特許文献1では、水素ガスまたは水素ガスと不活性ガスとの混合ガス中において、500℃以下の温度で熱処理する方法が開示されている。また、特許文献2では、水素、アンモニア、一酸化炭素あるいはその混合気体中でプラズマを生起・反応させる方法が紹介されている。
同じく酸化物粒子を還元・相互融着させる別の方法として、各種還元剤を混合する方法がある。例えば、特許文献2の技術背景として、水素化ホウ素誘導体等の還元剤を酸化銅に添加して熱処理する方法が記載されている。また、特許文献3では、カーボン材料をはじめとする電磁波吸収性の優れた焼結助剤を混合した後、不活性雰囲気において高周波電磁波を照射する方法が紹介されている。
Nikkei Electronics、Vol.67、No824(2002)、p67−78 特開H10−294018号公報 特開2004−119686号公報 特願2005−082082号公報
しかしながら、上記従来の酸化物粒子の還元・相互融着方法では、以下のような問題があった。
特許文献3に記載の方法では、焼成温度を高くする必要があるため、実装部品の形成に使用できる基板材料が、耐熱温度の高い材料に限定されてしまうといった問題があった。また特許文献1に記載の方法では、高価なプラズマ発生装置を用いる必要があり、また基板上に塗布された酸化物粒子にプラズマを照射した場合、該プラズマによって基板材料が劣化してしまう恐れがあることが知られている。
さらに、特許文献1に記載の水素化ホウ素誘導体を混合する方法では、400℃以上に高温加熱する必要があり、上記と同様、使用可能な基板材料が耐熱温度の高い材料に限定されてしまうといった問題があった。また特許文献2に記載の方法では、高価な高周波電磁波発生装置が必要となるのに加えて、高周波電磁波の照射により、基板上に配置された他の電子部品が劣化損傷してしまう恐れがあることが知られている。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、耐熱温度の低い基板を溶融することなく、塗布またはパターニングされた前記金属酸化物粒子を還元焼成することで、導電性の配線パターンもしくは低抵抗の実装部品を安価に形成することが可能な金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法及び導電部品の形成方法を提供することを目的とする。
この発明の第1の態様は、有機物保護材で表面が被覆された金属酸化物粒子もしくは表面酸化被膜を有する金属粒子と、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、VGCF(気相成長カーボンファイバー)、カーボンフラーレンの少なくともいずれか一つを含むカーボン材料との混合物を、酸素を含有した酸化性ガス中(以下では酸化性雰囲気という)で第1焼成し、さらに不活性ガス中(以下では不活性雰囲気という)で第2焼成することを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第2の態様は、前記酸化性雰囲気の酸素濃度が0.1%(原子数%、以下同じ)以上50%以下であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第3の態様は、前記酸化性雰囲気の酸素濃度が0.5%以上25%以下であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第4の態様は、前記不活性雰囲気に含まれる不活性ガスが、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンのいずれか、もしくは前記不活性ガスの混合気体であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第5の態様は、前記不活性雰囲気に含まれる不活性ガスが、窒素またはアルゴンもしくはその混合気体であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第6の態様は、前記酸化性雰囲気での第1焼成の温度が100℃以上500℃以下であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第7の態様は、前記酸化性雰囲気での第1焼成の温度が150℃以上450℃以下であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第8の態様は、前記不活性雰囲気での第2焼成の温度が150℃以上であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第9の態様は、前記不活性雰囲気での第2焼成の温度が200℃以上であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第10の態様は、前記金属酸化物粒子が酸化銅、酸化銀粒子、酸化ニッケルのいずれかである、もしくは前記表面酸化被膜を有する金属粒子が銅、銀、ニッケルのいずれかであることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第11の態様は、前記金属酸化物粒子もしくは前記金属粒子の平均粒径が1nm〜100nmの微粒子であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜還元焼成方法である。
第12の態様は、前記有機物保護材が、金属酸化物と化学的もしくは物理的に結合、吸着する化合物であることを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法である。
第13の態様は、有機物保護材で表面が被覆された金属酸化物粒子もしくは表面酸化被膜を有する金属粒子と、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、VGCF、カーボンフラーレンの少なくともいずれか一つを含むカーボン材料との混合物を、基板上に塗布もしくは表面パターニングした後、第1の態様から第7の態様のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法を用いて焼成することを特徴とする導電部品の形成方法である。
第14の態様は、前記基板が酸化物、ガラス、セラミックス、金属、半導体、プラスチックのいずれか一つからなることを特徴とする導電部品の形成方法である。
以上説明したように本発明によれば、第1焼成により予め粒子表面に形成された有機被膜を除去した上で、第2焼成により金属粒子の全体あるいは表面に形成された金属酸化物を還元するようにしたことから、導電性の優れた導電部品を形成することが可能となる。
ガラスエポキシ等の耐熱温度の低い基板上においても、塗布またはパターニングされた前記金属酸化物粒子を、基板を溶融することなく還元焼成することで、導電性の配線パターンもしくは低抵抗の実装部品を安価に形成することが可能となる。
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態における金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法及び導電部品の形成方法について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
図1は、本発明の実施の形態に係る金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法を示す工程図である。同図において、第一の工程10では、有機物保護材で表面が被覆された金属酸化物粒子もしくは表面酸化被膜を有する金属粒子と、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、VGCF(気相成長カーボンファイバー)、カーボンフラーレンの少なくともいずれか一つを含むカーボン材料との混合物を生成する。
次の第二の工程20では、第一の工程10で生成した前記混合物60を所定の基板50の上に塗布する。あるいは、混合物60で基板50上に表面パターニングする。基板50として、酸化物、ガラス、セラミックス、金属、半導体、プラスチックのいずれか一つを用いることができる。
第三の工程30では、酸素を含有した酸化性ガス中(酸化性雰囲気)において、基板50上に塗布または表面パターニングされた混合物60を第1焼成する。本実施形態では、第三の工程30における第1焼成により、ナノ粒子表面に形成された有機被膜を酸化分解させるのが特徴である。
前記酸化性雰囲気における酸素以外の成分としては、ガス全体の酸化性を変化させないものであれば何でも良い。しかしながら、好ましくは他の不要な化合物が生成する恐れが少ない窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、もしくはそれらの混合気体、より好ましくは窒素、アルゴンもしくはその混合気体とするのがよい。
第四の工程40では、第三の工程30で第1焼成された基板50上の混合物60を、さらに不活性ガス中で第2焼成する。
上記説明の本実施形態の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法によれば、第三の工程30の第1焼成により予め粒子表面に形成された有機被膜を除去した上で、第四の工程40の第2焼成により金属粒子の全体あるいは表面に形成された金属酸化物を還元するようにしたことから、導電性の優れた導電部品を形成することが可能となる。
混合物60に用いるカーボン材料として、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、VGCF、カーボンフラーレンの少なくともいずれか一つを用いるのがよい。特に、絶縁性のカーボンフラーレンより、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、VGCFなどの導電性カーボンの方が、金属酸化物に対する還元効果がより顕著なことから、混合物60に用いるカーボン材料としてより好ましい。
本発明の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法による効果を、実施例を用いて以下に説明する。ここでは、酸化されやすい金属として銅を選択し、金属微粒子の一例として表面酸化被膜を有する銅ナノ粒子(独立分散型Cuナノメタルインク、平均粒径10nm)を用いる。また、カーボン材料としてカーボンブラック粉末(活性炭)を用い、前記銅ナノ粒子との混合割合を重量比で、前記銅ナノ粒子:前記カーボンブラック粉末=24:1としている。
まず、上記実施形態の第三の工程30で行われる第1焼成の効果を確認した結果について、以下に説明する。第三の工程30では、酸化性雰囲気の中で第1焼成を行っている。そこで、第三の工程30の第1焼成を行う本実施形態と、これを行わない従来例との比較結果を以下に示す。
前記銅ナノ粒子と前記カーボンブラック粉末との混合物を石英硝子基板上に塗布したものを2枚用意し、下記の通り、2種類の熱処理を行った。すなわち、一方の前記基板には第1焼成と第2焼成の2段階の熱処理を行い、他方の前記基板には第2焼成のみの1段階の熱処理を行った。
前記一方の基板は、雰囲気が窒素ガス比率95%、酸素ガス比率5%となるよう調整された電気炉内に入れられ、内部温度を300℃にして30分間保持された(第1焼成)。その後、雰囲気が窒素ガス比率100%に調整された別の電気炉に入れられ、内部温度を300℃にしてさらに30分間保持された(第2焼成)後、炉冷された。
これに対し前記他方の基板は、雰囲気を窒素ガス比率100%に調整された前記別の電気炉に入れられ、内部温度を300℃にして30分間保持された後、さらに同じ窒素ガス比率100%の雰囲気中に300℃で30分間保持され、その後炉冷された。すなわち、前記他方の基板は、前記別の電気炉内で合計1時間の第2焼成のみが行われた。
上記のように熱処理された前記2枚の基板に対し、各々の前記混合物が塗布された部分を粉末X線回折装置(XRD)を用いて測定し、それぞれの結晶構造を同定した。同定した結果を表1に示す。
Figure 0004593502
上記同定結果より、第1焼成と第2焼成の2段階の熱処理を行った場合には、銅酸化物が効率的に還元されていることが確認できた。これにより、カーボン材料を用いた本発明の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法は、酸化性雰囲気における第1焼成を行うようにしたことにより、金属酸化物粒子の還元を効果よく行うことができることが確認できた。
なお、熱処理後の前記基板上には、未反応のカーボン材料が残留していると考えられるが、上記の粉末X線回折による測定結果には、前記カーボン材料の存在を示す顕著なピークは確認されなかった。これは、前記カーボン材料に用いたカーボンブラックの結晶構造が、非晶質状態であったことに起因するものと考えられる。
次に、前記カーボン材料の有無により、金属酸化物の還元性にどのような影響を与えるかを確認した結果を以下に説明する。ここでは、前記銅ナノ粒子と前記カーボンブラック粉末との混合物を石英硝子基板上に塗布したものと、前記銅ナノ粒子のみを石英硝子基板に塗布した2種類のサンプルを用意し、それぞれに対し前記第1焼成と第2焼成の2段階の熱処理を行っている。
前記2段階の熱処理を行った後、前記混合物あるいは前記銅ナノ粒子が塗布された部分を粉末X線回折装置(XRD)を用いて測定し、それぞれの結晶構造を同定した。該測定による同定結果を表2に示す。
Figure 0004593502
上記同定結果より、カーボン材料を用いずに熱処理を行った場合には銅酸化物が残留しているのに対し、カーボン材料を用いて熱処理を行った場合には、銅酸化物が効率的に還元されていることが確認できた。これにより、カーボン材料を用いた本発明の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法は、金属酸化物粒子の還元を効果よく行えることが確認できた。
次に、前記第1焼成を行う前記電気炉内の酸化性雰囲気として、好ましい酸素分圧を検討した。ここでは、前記石英硝子基板を8枚用意し、それぞれに表面酸化皮膜を有する銅ナノ粒子とカーボンブラックからなる前記混合物を部分的に塗布した。そして、前記電気炉内の酸素分圧を0.1%、0.5%、1.0%、10.0%、25.0%、50.0%、75.0%、100.0%とし、それぞれの酸化性雰囲気の中に前記石英硝子基板を1枚ずつ入れて第1焼成を行った。なお、酸素分圧100.0%以外のケースでは、酸素以外は窒素のみが含まれる酸化性雰囲気とした。
前記第1焼成後に前記第2焼成を行い、さらにその後に前記混合物が塗布された部分を粉末X線回折装置(XRD)を用いて測定した。前記酸素分圧毎に同定された結晶構造の結果を表3に示す。
Figure 0004593502
上記同定結果より、前記第1焼成を行う酸化性雰囲気として、酸素分圧が0.1%以上50%以下とするのがよく、より好ましくは0.5%以上25%以下とするのがよい。酸化性雰囲気を上記のようにすることにより、銅酸化物が効率的に還元されることが確認できた。
次に、前記第1焼成を行う前記電気炉内の内部温度が金属酸化物の還元性にどのような影響を与えるかを確認した。ここでは、前記石英硝子基板を10枚用意し、それぞれに表面酸化皮膜を有する銅ナノ粒子とカーボンブラックからなる前記混合物を部分的に塗布した。
そして、前記電気炉内の内部温度を100℃、150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、600℃とし、それぞれの内部温度で第1焼成を行った。なお、前記電気炉内の酸化性雰囲気は、酸素ガス比率5%、窒素ガス比率95%としている。
上記各内部温度で前記第1焼成を行い、続いて前記第2焼成を行った後に、前記混合物が塗布された部分を粉末X線回折装置(XRD)を用いて測定し、それぞれの結晶構造を同定した。前記測定により得られた同定結果を表4に示す。
Figure 0004593502
上記同定結果より、前記第1焼成を行うときの前記電気炉内の内部温度として、100℃以上500℃以下とするのがよく、より好ましくは150℃以上450℃以下とするのがよい。前記第1焼成時の温度を上記のように設定することにより、銅酸化物が効率的に還元されることが確認できた。
前記第1焼成時の温度が、例えば100℃以下と低すぎる場合には、有機被膜の酸化分解反応が進行せず好ましくない。逆に、前記第1焼成時の温度が例えば500℃以上と高すぎる場合には、金属粒子自体がその内部まで強固に酸化され、その後の第2焼成による還元が困難になってしまうため好ましくない。
最後に、前記第2焼成を行う前記別の電気炉内の内部温度が金属酸化物の還元性にどのような影響を与えるかを確認した。ここでも、前記石英硝子基板を10枚用意し、それぞれに表面酸化皮膜を有する銅ナノ粒子とカーボンブラックからなる前記混合物を部分的に塗布した。そして、前記電気炉内の酸化性雰囲気を窒素ガス比率95%、酸素ガス比率5%とし、内部温度200℃で30分間保持して前記各石英硝子基板を第1焼成した。
その後、窒素ガス比率100%の前記別の電気炉内に前記各石英硝子基板を入れ、前記別の電気炉内の内部温度を100℃、150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、600℃とした各ケースについて、それぞれ30分間保持して第2焼成を行い、その後炉冷した。
上記炉冷後に、前記混合物が塗布された部分を粉末X線回折装置(XRD)を用いて測定し、それぞれの結晶構造を同定した。前記測定により得られた結果を表5に示す。
Figure 0004593502
上記同定結果より、前記第2焼成を行うときの前記別の電気炉内の内部温度として、150℃以上とするのがよく、より好ましくは200℃以上とするのがよい。前記第2焼成時の温度を上記のようにすることにより、銅酸化物が効率的に還元されることが確認できた。
前記第2焼成の温度が、例えば150℃以下と低すぎる場合には、酸化物の還元反応(2MO+C→2M+CO、ここで、Cはカーボン、Mは金属元素を表す)が進行しないため好ましくない。なお、金属酸化物の還元方法という観点からは、焼成温度の上限は特に存在しない。但し、金属酸化物を塗布する基板からの制約が考えられ、該基板の耐熱温度以下にする必要があると考えられる。
上記実施形態及び実施例では金属酸化物粒子として酸化銅を対象に説明したが、このほか酸化銀粒子あるいは酸化ニッケルナノ粒子であっても同様である。もしくは、表面酸化被膜を有する銅、銀あるいはニッケルからなる金属粒子であってもよい。上記いずれの金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜に対しても、本発明の還元焼成方法により効率的に還元することが可能となる。
また、前記金属酸化物粒子もしくは前記金属粒子の平均粒径は、1nm〜100nmの微粒子とするのがよく、より好ましくは1nm〜10nmとするのがよい。前記平均粒径を1nm〜10nmとした場合には、焼成後の粒子融着性が向上するといった効果が得られる。
さらに、前記有機物保護材には、金属酸化物と化学的もしくは物理的に結合、吸着する化合物を用いるのが好ましい。具体的には、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質系、デンプン、デキストリン、寒天、アルギン酸ソーダ等の天然高分子や、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸アンモニウム等のアクリル酸系、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ポリエチレングリコール等の合成高分子、クエン酸等の多価カルボン酸、アニリンまたはそれらの誘導体等が挙げられる。特に、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールを用いるのがよい。
上記説明の本発明の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法を用いることで、導電性の優れた導電部品を形成することができる。すなわち、本発明の導電部品の形成方法によれば、前記金属酸化物粒子もしくは表面酸化被膜を有する前記金属粒子と前記カーボン材料との混合物を、基板上に塗布もしくは表面パターニングした後、前記第1焼成と前記第2焼成を行うことで、導電性の優れた導電部品を形成することができる。
前記導電部品として、例えば導電路、バンプ、ビア、アンテナパターン、熱伝導路及び触媒電極等が挙げられる。また、前記基板は前記導電部品の形成に使用されるものであり、例えば、酸化物、ガラス、セラミックス、金属、半導体、プラスチックのいずれかを用いることができる。特に、本発明の導電部品の形成方法によれば、耐熱性の低い汎用樹脂基板(ガラエポやポリイミド等)を用いることも可能となる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法及び導電部品の形成方法の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係る金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法を示す工程図である。
符号の説明
10〜40・・・工程
50・・・基板
60・・・混合物

Claims (14)

  1. 有機物保護材で表面が被覆された金属酸化物粒子もしくは表面酸化被膜を有する金属粒子と、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、VGCF(気相成長カーボンファイバー)、カーボンフラーレンの少なくともいずれか一つを含むカーボン材料との混合物を、酸素を含有した酸化性ガス中(以下では酸化性雰囲気という)で第1焼成し、
    さらに不活性ガス中(以下では不活性雰囲気という)で第2焼成する
    ことを特徴とする金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  2. 前記酸化性雰囲気の酸素濃度が0.1%(原子数%、以下同じ)以上50%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  3. 前記酸化性雰囲気の酸素濃度が0.5%以上25%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  4. 前記不活性雰囲気に含まれる不活性ガスが、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンのいずれか、もしくは前記不活性ガスの混合気体である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  5. 前記不活性雰囲気に含まれる不活性ガスが、窒素またはアルゴンもしくはその混合気体である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  6. 前記酸化性雰囲気での第1焼成の温度が100℃以上500℃以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  7. 前記酸化性雰囲気での第1焼成の温度が150℃以上450℃以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  8. 前記不活性雰囲気での第2焼成の温度が150℃以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  9. 前記不活性雰囲気での第2焼成の温度が200℃以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  10. 前記金属酸化物粒子が酸化銅、酸化銀粒子、酸化ニッケルのいずれかである、もしくは前記表面酸化被膜を有する金属粒子が銅、銀、ニッケルのいずれかである
    ことを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  11. 前記金属酸化物粒子もしくは前記金属粒子の平均粒径が1nm〜100nmの微粒子である
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜還元焼成方法。
  12. 前記有機物保護材が、金属酸化物と化学的もしくは物理的に結合、吸着する化合物である
    ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法。
  13. 有機物保護材で表面が被覆された金属酸化物粒子もしくは表面酸化被膜を有する金属粒子と、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、VGCF、カーボンフラーレンの少なくともいずれか一つを含むカーボン材料との混合物を、基板上に塗布もしくは表面パターニングした後、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の金属酸化物粒子もしくは金属粒子の表面酸化被膜の還元焼成方法を用いて焼成する
    ことを特徴とする導電部品の形成方法。
  14. 前記基板が酸化物、ガラス、セラミックス、金属、半導体、プラスチックのいずれか一つからなる
    ことを特徴とする請求項13に記載の導電部品の形成方法。
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