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JP4596936B2 - ビア導体用導電性ペーストとこれを用いたセラミック配線板およびその製造方法 - Google Patents
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ビア導体用導電性ペーストとこれを用いたセラミック配線板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、ビア導体用導電性ペースト、このビア導体用導電性ペーストを用いてビア導体を形成したセラミック配線板と、当該セラミック配線板の製造方法とに関するものである。
近年、積層セラミックコンデンサなどの電子部品を構成する、特に、2層以上の積層構造を有するセラミック配線板においては、積層構造の内部に設けられる導体配線の、等価直列抵抗や等価直列インダクタンスを低くするために、上記導体配線を、セラミック配線板の積層方向を貫くビア導体と導電接続した構造を採用する場合が増加しつつある。
図5は、上記構造を採用した積層セラミックコンデンサ90の一例を示す断面図である。
図5を参照して、この例の積層セラミックコンデンサ90は、セラミックで形成された複数の誘電体層92を積層した誘電体ブロック91を備えている。
誘電体ブロック91を形成する各誘電体層92の層間には、導体配線としての内部電極93、94が、複数層ずつ、交互に設けられている。
また、誘電体ブロック91には、その積層方向を貫いて、ビア導体95、96が形成されていると共に、誘電体ブロック91の表面には、ビア導体95と導電接続された外部電極97と、ビア導体96と導電接続された外部電極98とが形成されている。
内部電極93は、誘電体ブロック91の、図において、上面側から数えて偶数番目の誘電体層92の上面に設けられていると共に、それぞれ、ビア導体95の周囲に電極のない領域91aを設けて、ビア導体95との接触を回避した状態で、ビア導体96および外部電極98と導電接続されている。
また、内部電極94は、誘電体ブロック91の、図において、上面側から数えて奇数番目の誘電体層92(最上層、つまり1番目の誘電体層92は除く)の上面に設けられていると共に、それぞれ、ビア導体96の周囲に電極のない領域91bを設けて、ビア導体96との接触を回避した状態で、ビア導体95および外部電極97と導電接続されている。
そして、ビア導体96を介して外部電極98と導電接続された内部電極93と、ビア導体95を介して外部電極97と導電接続された内部電極94とが、図中に示した領域Xにおいて、誘電体層92をはさんで対峙した、等価的にコンデンサとして機能する回路が構成されている。
誘電体層92は、セラミック成分と、有機バインダ樹脂とを含むグリーンシートを焼成して形成される。
内部電極93、94は、導電成分としてのNiと、有機バインダ樹脂とを含む導体配線用導電性ペーストを、グリーンシートの表面に、スクリーン印刷などによって、所定の平面形状となるように塗布した後、グリーンシートと共に焼成して形成される。
ビア導体95、96は、ビア導体用導電性ペーストを、グリーンシートに形成した貫通孔内に充てんした状態で、グリーンシートと共に焼成して形成される。
ビア導体用導電性ペーストとしては、Cu粉末、Ni粉末、セラミック成分および有機バインダ樹脂を含有するものが好適に使用される。
上記ビア導体用導電性ペーストにおいて、Cu粉末は、焼成時に、Ni粉末と固溶体を形成することで、焼成によるビア導体95、96の収縮を抑制して、内部電極93、94と良好に導電接続するために機能する。
また、セラミック成分は、焼成時に、ビア導体用導電性ペーストの焼結が、グリーンシートの焼成よりも速く進行するのを抑制するために機能する。
そのため、積層セラミックコンデンサ90にクラックが生じるのを防止することができる。
上記積層セラミックコンデンサ90などの、セラミック配線板を形成するための焼成時には、デラミネーションなどの内部欠陥の原因となる、グリーンシートや導電性ペーストに含まれる有機バインダ樹脂を、十分に燃焼させて分解させるために、焼成の途中で、所定濃度の酸素を導入することが行われる。
ところが、この酸素を導入した焼成時や、あるいは、ビア導体用導電性ペーストを、大気中で、長期間に亘って保管している間に、ペースト中で互いに近接して存在するCu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成される場合があり、Cu−Ni合金が生成されると、ビア導体の電気抵抗が増大して、導電性が低下するという問題がある。
本発明の目的は、Cu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成されるのを防止して、従来に比べてより一層、良好な導電性を有するビア導体を形成することができるビア導体用導電性ペーストを提供することにある。
また、本発明の目的は、上記のビア導体用導電性ペーストを用いて形成されたビア導体を有するセラミック配線板と、その製造方法とを提供することにある。
本発明のビア導体用導電性ペーストは、セラミック成分を含むグリーンシートに形成した貫通孔内に充てんされ、グリーンシートと共に焼成されてビア導体を形成するものであって、表面にガラス層を有するCu粉末と、表面に金属酸化物層を有するNi粉末と、グリーンシートに含まれるセラミック成分と同質のセラミック成分とを含有することを特徴とする。
また、Cu粉末の体積比率Vaと、Ni粉末の体積比率Vbと、セラミック成分の体積比率Vcとが、式(1)〜(5)を全て満足することを特徴とする。
0.01≦Va≦0.1 (1)
0.9≦Vb≦0.99 (2)
0.01≦Vc≦0.3 (3)
Va+Vb=1 (4)
1.01≦Va+Vb+Vc≦1.3 (5)
さらに、Cu粉末の表面の、ガラス層の平均厚みが5.0〜50nm、Ni粉末の表面の、金属酸化物層の平均厚みが1.0〜20nmであることを特徴とする。
また更に、Cu粉末の平均粒径が0.1〜1.0μm、Ni粉末の平均粒径が0.1〜10μm、セラミック成分の平均粒径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする。
更にまた、Ni粉末として、平均粒径が異なる2種のNi粉末を併用することを特徴とする。
本発明のセラミック配線板は、請求項1のビア導体用導電性ペーストを焼成して形成されたビア導体を有することを特徴とする。
本発明のセラミック配線板の製造方法は、グリーンシートに貫通孔を形成する工程と、形成した貫通孔に、請求項1のビア導体用導電性ペーストを充てんする工程と、焼成によって導体配線を形成する、導電成分としてNiを含む導体配線用導電性ペーストを、グリーンシートの表面に、その一部が、貫通孔に充てんしたビア導体用導電性ペーストと接するように塗布する工程と、グリーンシート、ビア導体用導電性ペースト、および導体配線用導電性ペーストを同時に焼成する工程とを含むことを特徴とする。
また、貫通孔にビア導体用導電性ペーストを充てんし、表面に導体配線用導電性ペーストを塗布したグリーンシートを、複数枚、焼成前に重ねる工程を含み、重ねた複数枚のグリーンシートを、焼成によって一体化させることを特徴とする。
また、本発明のセラミック配線板の製造方法は、焼成によって導体配線を形成する、導電成分としてNiを含む導体配線用導電性ペーストを、グリーンシートの表面に、その一部が、グリーンシートの、貫通孔を形成する領域に重なるように塗布する工程と、グリーンシートに貫通孔を形成すると共に、貫通孔に重なる導体配線用導電性ペーストを除去する工程と、形成した貫通孔に、グリーンシートの表面に塗布した導体配線用導電性ペーストの一部と接するように、請求項1のビア導体用導電性ペーストを充てんする工程と、グリーンシート、ビア導体用導電性ペースト、および導体配線用導電性ペーストを同時に焼成する工程とを含むことを特徴とする。
また、表面に導体配線用導電性ペーストを塗布したグリーンシートを、複数枚、貫通孔を形成する前に重ねる工程を含み、重ねた複数枚のグリーンシートを貫通させて貫通孔を形成して、ビア導体用導電性ペーストを充てんした後、重ねた複数枚のグリーンシートを、焼成によって一体化させることを特徴とする。
本発明のビア導体用導電性ペーストによれば、Cu粉末の表面をガラス層で被覆すると共に、Ni粉末の表面を金属酸化物層で被覆しているため、Cu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成されるのを有効に防止することができる。
そのため、良好な導電性を有するビア導体を形成することが可能となる。
本発明のビア導体用導電性ペーストにおいては、Cu粉末の体積比率Vaと、Ni粉末の体積比率Vbと、セラミック成分の体積比率Vcとが、式(1)〜(5)を全て満足しているのが好ましい。
0.01≦Va≦0.1 (1)
0.9≦Vb≦0.99 (2)
0.01≦Vc≦0.3 (3)
Va+Vb=1 (4)
1.01≦Va+Vb+Vc≦1.3 (5)
体積比率Va〜Vcを上記の範囲内とすれば、先に説明したCu粉末の機能やセラミック成分の機能を、いずれも効果的に発揮させて、良好な特性を有するセラミック配線板を製造することができる。
すなわち、Cu粉末の機能によって、焼成時に、ビア導体の収縮を抑制して、内部電極などの導体配線と、より一層、良好に導電接続することができる。
また、セラミック成分の機能によって、焼成時に、ビア導体用導電性ペーストの焼結が、グリーンシートの焼成よりも速く進行するのを抑制して、セラミック配線板にクラックが生じるのを、より一層、確実に防止することもできる。
本発明のビア導体用導電性ペーストにおいては、Cu粉末の表面の、ガラス層の平均厚みが5.0〜50nm、Ni粉末の表面の、金属酸化物層の平均厚みが1.0〜20nmであるのが好ましい。
ガラス層および金属酸化物層の平均厚みを、それぞれ、上記の範囲内とすれば、Cu粉末とNi粉末との反応による、Cu−Ni合金の生成を、さらに確実に防止して、ビア導体に、より一層、良好な導電性を付与することができる。
本発明のビア導体用導電性ペーストにおいては、Cu粉末の平均粒径が0.1〜1.0μm、Ni粉末の平均粒径が0.1〜10μm、セラミック成分の平均粒径が0.1〜1.0μmであるのが好ましい。
Cu粉末、Ni粉末およびセラミック成分の平均粒径を上記の範囲内とすれば、ビア導体用導電性ペースト中において、Cu粉末、Ni粉末、およびセラミック成分を、それぞれ、凝集を生じさせることなく、均一に分散させることができる。
そのため、焼成時に、Cu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成されるのを効果的に防止すると共に、ビア導体中で、Cu粉末同士、Ni粉末同士が偏在するのを防止して、ビア導体に、より一層、良好な、しかも、均一な導電性を付与することができる。
また、焼成時に、ビア導体用導電性ペーストの焼結が、グリーンシートの焼成よりも速く進行するのを抑制して、セラミック配線板にクラックが生じるのを、より一層、確実に防止することもできる。
また、Ni粉末としては、平均粒径が上記の範囲内で、なおかつ、互いに異なる2種のNi粉末を併用するのが好ましい。平均粒径が異なる2種のNi粉末を併用すると、Ni粉末の充てん密度を高めて、ビア導体に、より一層、良好な、しかも、均一な導電性を付与することができる。また、焼成時に、ビア導体の収縮を抑制して、内部電極などの導体配線と、より一層、良好に導電接続することもできる。
本発明のセラミック配線板は、本発明のビア導体用導電性ペーストを焼成して形成されたビア導体を有することを特徴とするものである。
したがって、本発明のセラミック配線板によれば、ビア導体の導電性を向上すると共に、導体配線と良好に導電接続することができる。
そのため、特に、2層以上の積層構造を有するセラミック配線板において、積層構造の内部に設けられる導体配線の、等価直列抵抗や等価直列インダクタンスを低くすることが可能となる。
また、焼成時に、ビア導体用導電性ペーストの焼結が、グリーンシートの焼成よりも速く進行するのを抑制して、セラミック配線板にクラックが生じるのを防止することも可能となる。
本発明のセラミック配線板の製造方法は、グリーンシートに貫通孔を形成する工程と、形成した貫通孔に、クレーム1のビア導体用導電性ペーストを充てんする工程と、焼成によって導体配線を形成する、導電成分としてNiを含む導体配線用導電性ペーストを、グリーンシートの表面に、その一部が、貫通孔に充てんしたビア導体用導電性ペーストと接するように塗布する工程と、グリーンシート、ビア導体用導電性ペースト、および導体配線用導電性ペーストを同時に焼成する工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の製造方法によれば、上記の各工程を経ることによって、前記のように導電性に優れると共に、導体配線と良好に接続されたビア導体を有し、なおかつ、クラックを有しないセラミック配線板を、効率よく、製造することができる。
また、上記本発明の製造方法によって、2層以上の積層構造を有するセラミック配線板を製造するためには、貫通孔にビア導体用導電性ペーストを充てんし、表面に導体配線用導電性ペーストを塗布したグリーンシートを、複数枚、焼成前に重ねる工程を含み、重ねた複数枚のグリーンシートを、焼成によって一体化させるのが好ましい。
本発明のセラミック配線板の製造方法は、焼成によって導体配線を形成する、導電成分としてNiを含む導体配線用導電性ペーストを、グリーンシートの表面に、その一部が、グリーンシートの、貫通孔を形成する領域に重なるように塗布する工程と、グリーンシートに貫通孔を形成すると共に、貫通孔に重なる導体配線用導電性ペーストを除去する工程と、形成した貫通孔に、グリーンシートの表面に塗布した導体配線用導電性ペーストの一部と接するように、クレーム1のビア導体用導電性ペーストを充てんする工程と、グリーンシート、ビア導体用導電性ペースト、および導体配線用導電性ペーストを同時に焼成する工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の製造方法によれば、上記の各工程を経ることによって、前記のように導電性に優れると共に、導体配線と良好に接続されたビア導体を有し、なおかつ、クラックを有しないセラミック配線板を、効率よく、製造することができる。
また、上記本発明の製造方法によって、2層以上の積層構造を有するセラミック配線板を製造するためには、表面に導体配線用導電性ペーストを塗布したグリーンシートを、複数枚、貫通孔を形成する前に重ねる工程を含み、重ねた複数枚のグリーンシートを貫通させて貫通孔を形成して、ビア導体用導電性ペーストを充てんした後、重ねた複数枚のグリーンシートを、焼成によって一体化させるのが好ましい。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のビア導体用導電性ペーストは、表面にガラス層を有するCu粉末と、表面に金属酸化物層を有するNi粉末と、グリーンシートに含まれるセラミック成分と同質のセラミック成分とを含有することを特徴とするものである。
Cu粉末の表面に設けられるガラス層としては、例えば、石英ガラス(SiO)、ソーダ石灰ガラス(NaO−CaO−SiO)、カリ石灰ガラス(KO−CaO−SiO)、アルカリガラス(KO−PbO−SiO)、バリウムガラス(BaO−SiO−B)、ホウケイ酸ガラス(NaO−B−SiO)などの、ケイ酸塩ガラスの1種または2種以上からなる層が挙げられる。
ガラス層の平均厚みは、5.0〜50nmであるのが好ましい。
ガラス層の平均厚みが5.0nm未満では、当該ガラス層による、Cu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成されるのを防止する効果が十分に得られないおそれがある。
また、ガラス層の平均厚みが50nmを超える場合には、Cu粉末による、Ni粉末と固溶体を形成することで、ビア導体を、導体配線と良好に導電接続する効果が十分に得られないおそれがある。
ガラス層の平均厚みは、表面にガラス層を有するCu粉末を、熱硬化性樹脂と混合してペーストを作製し、このペーストを、150〜200℃に加熱して熱硬化性樹脂を熱硬化させて固形の試料体を形成した後、研磨し、研磨面を、最後にダイヤモンドペーストで鏡面になるまで仕上げた状態で、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率8000倍以上で観察してガラス層の厚みを測定する操作を、研磨面に露出した複数のCu粉末について行った平均値でもって表すこととする。
なお、実際のCu粉末は、その形成方法などにもよるが、必ずしも、表面の全面が、ガラス層によって被覆されていない場合もあり得る。
その場合でも、上記の方法によって求められるガラス層の平均厚みが、先に提示した好適な範囲内であるときは、Cu粉末がNi粉末と反応してCu−Ni合金が生成されるのを防止することが可能である。
よって、Cu粉末は、表面の全面が、ガラス層によって被覆されていても、一部が露出していても構わない。
Cu粉末の平均粒径は、0.1〜1.0μmであるのが好ましい。
Cu粉末の平均粒径が0.1μm未満であるか、または、1.0μmを超える場合には、このいずれの場合においても、Cu粉末が、ビア導体用導電性ペースト中で凝集しやすくなる。
そのため、Ni粉末とセラミック成分も凝集しやすくなり、焼成時に、Cu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成されるのを効果的に防止できないおそれがある。
また、ビア導体中で、Cu粉末同士、Ni粉末同士が偏在して、ビア導体の導電性が低下したり、不均一になったりするおそれもある。
なお、Cu粉末は、その粒径が小さいほど、焼成によって、Ni粉末に対して効果的に固溶させることができる。
そのため、焼成時に、ビア導体用導電性ペーストが収縮するのを抑制して、ビア導体を、導体配線と良好に導電接続することができる。
したがって、Cu粉末の平均粒径は、上記の範囲内でも、小さいほど、好ましい。
Cu粉末の平均粒径は、表面にガラス層を形成しない状態での、Cu粉末そのものの粒径の平均値であって、Cu粉末を、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率8000倍以上で観察して粒径を測定する操作を、複数のCu粉末について行った平均値でもって表すこととする。
表面にガラス層を有するCu粉末は、例えば、噴霧熱分解法によって製造することができる。例えば、ガラス層としてSiOの層を有するCu粉末は、還元性雰囲気中で、Cu粉末と、Siを含む化合物とを噴霧して、Cu粉末の表面に、上記化合物を付着させた後、当該化合物を、大気中等の酸化性雰囲気中で熱分解させて、SiOを生成させることで製造される。
Ni粉末の表面に設けられる金属酸化物層としては、例えば、Ni、Al、Y、Zr、Ti、Mg、Ca、Sr、またはBaの酸化物の1種単独からなる層、上記酸化物の2種以上の混合物からなる層、上記金属の2種以上を含む複合酸化物からなる層、上記金属と他の金属との複合酸化物からなる層などの、高温で、Ni粉末よりも安定な金属酸化物からなる層が挙げられる。
金属酸化物層の平均厚みは、1.0〜20nmであるのが好ましい、金属酸化物層の平均厚みが1.0nm未満では、当該金属酸化物層による、Cu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成されるのを防止する効果が十分に得られないおそれがある。
また、金属酸化物層の平均厚みが20nmを超える場合には、Cu粉末による、Ni粉末と固溶体を形成することで、ビア導体を、導体配線と良好に導電接続する効果が十分に得られないおそれがある。
金属酸化物層の平均厚みは、ガラス層の平均厚みと同様にして求めることができる。
すなわち、表面に金属酸化物層を有するNi粉末を、熱硬化性樹脂と混合してペーストを作製し、このペーストを、150〜200℃に加熱して熱硬化性樹脂を熱硬化させて固形の試料体を形成した後、研磨し、研磨面を、最後にダイヤモンドペーストで鏡面になるまで仕上げた状態で、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率8000倍以上で観察して金属酸化物層の厚みを測定する操作を、研磨面に露出した複数のNi粉末について行った平均値でもって表すこととする。
なお、実際のNi粉末は、その形成方法などにもよるが、必ずしも、表面の全面が、金属酸化物層によって被覆されていない場合もあり得る。
その場合でも、上記の方法によって求められる金属酸化物層の平均厚みが、先に提示した好適な範囲内であるときは、Cu粉末がNi粉末と反応してCu−Ni合金が生成されるのを防止することが可能である。
よって、Ni粉末は、表面の全面が、金属酸化物層によって被覆されていても、一部が露出していても構わない。
Ni粉末の平均粒径は、0.1〜10μmであるのが好ましい。
Ni粉末の平均粒径が0.1μm未満であるか、または、10μmを超える場合には、このいずれの場合においても、Ni粉末が、ビア導体用導電性ペースト中で凝集しやすくなる。
そのため、Cu粉末とセラミック成分も凝集しやすくなり、焼成時に、Cu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成されるのを効果的に防止できないおそれがある。
また、ビア導体中で、Cu粉末同士、Ni粉末同士が偏在して、ビア導体の導電性が低下したり、不均一になったりするおそれもある。
また、Ni粉末としては、平均粒径が上記の範囲内で、なおかつ、互いに異なる2種のNi粉末を併用するのが好ましい。平均粒径が異なる2種のNi粉末を併用すると、Ni粉末の充てん密度を高めて、ビア導体に、より一層、良好な、しかも、均一な導電性を付与することができる。また、焼成時に、ビア導体の収縮を抑制して、内部電極などの導体配線と、より一層、良好に導電接続することもできる。組み合わせる2種のNi粉末の粒径の比は、小粒径のNi粉末の平均粒径が、大粒径のNi粉末の平均粒径の5〜35%であるのが好ましい。小粒径のNi粉末の平均粒径が、この範囲より小さくても、また大きくても、Ni粉末の充てん密度を高める効果が十分に得られないおそれがある。また、2種のNi粉末は、大粒径のNi粉末100重量部に対して、小粒径のNi粉末10〜35重量部を配合するのが好ましい。小粒径のNi粉末の配合量が、この範囲より小さくても、また大きくても、Ni粉末の充てん密度を高める効果が十分に得られないおそれがある。
Ni粉末の平均粒径は、表面に金属酸化物層を形成しない状態での、Ni粉末そのものの粒径の平均値であって、Ni粉末を、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率8000倍以上で観察して粒径を測定する操作を、複数のNi粉末について行った平均値でもって表すこととする。
表面に金属酸化物層を有するNi粉末は、例えば、噴霧熱分解法によって製造することができる。すなわち、表面に金属酸化物層を有するNi粉末は、還元性雰囲気中で、Ni粉末と、金属酸化物のもとになる金属を含む化合物とを噴霧して、Ni粉末の表面に、上記化合物を付着させ、次いで、当該化合物を、大気中等の酸化性雰囲気中で熱分解させた後、酸化処理して金属酸化物を生成させることで製造される。
なお、金属酸化物層がNiの酸化物の層である場合は、噴霧後の酸素濃度を調整するだけで、所定の厚みを有する金属酸化物層を形成することができるが、通常は、熱処理条件を調整することで、所定の厚みを有する金属酸化物層を形成することができる。
セラミック成分としては、グリーンシートに含まれるセラミック成分と同質のセラミック成分、すなわち、主成分が同一であるか、または類似していると共に、焼成時の焼結挙動や温度特性が近似するため、ビア導体用導電性ペーストの焼結が、グリーンシートの焼成よりも速く進行するのを抑制する機能を有する種々のセラミック成分を用いることができる。
例えば、グリーンシートが、セラミック成分の主成分としてチタン酸バリウム(BaTiO)を含む場合には、ビア導体用導電性ペーストのセラミック成分として、同じBaTiOを使用するのが好ましい。
セラミック成分の平均粒径は、0.1〜1.0μmであるのが好ましい。
セラミック成分の平均粒径が0.1μm未満あるか、または、1.0μmを超える場合には、このいずれの場合においても、セラミック成分が、ビア導体用導電性ペースト中で凝集しやすくなる。
そのため、Cu粉末およびNi粉末も凝集しやすくなり、焼成時に、Cu粉末とNi粉末とが反応して、Cu−Ni合金が生成されるのを効果的に防止できないおそれがある。
また、ビア導体中で、Cu粉末同士、Ni粉末同士が偏在して、ビア導体の導電性が低下したり、不均一になったりするおそれもある。
セラミック成分の平均粒径は、セラミック成分を、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率8000倍以上で観察して粒径を測定する操作を、複数のセラミック成分について行った平均値でもって表すこととする。
本発明のビア導体用導電性ペーストにおいては、Cu粉末の体積比率Vaと、Ni粉末の体積比率Vbと、セラミック成分の体積比率Vcとが、式(1)〜(5)を全て満足しているのが好ましい。
0.01≦Va≦0.1 (1)
0.9≦Vb≦0.99 (2)
0.01≦Vc≦0.3 (3)
Va+Vb=1 (4)
1.01≦Va+Vb+Vc≦1.3 (5)
Cu粉末の体積比率Vaが0.01未満では、Cu粉末による、Ni粉末と固溶体を形成することで、焼成によるビア導体の収縮を抑制して、導体配線と良好に導電接続する効果が十分に得られないおそれがある。
また、体積比率Vaが0.1を超える場合には、CuがNiより融点が低く、焼成時に蒸発しやすいこと、焼結の進行が速いことから、ビア導体内の空隙が多くなって、当該ビア導体の導電性が低下したり、ビア導体が、却って、大きく収縮して、導体配線と良好に導電接続できなくなったりするおそれがある。
Ni粉末の体積比率Vbが0.9未満では、相対的に、Cu粉末の体積比率Vaが大きくなるため、上記と同様に、ビア導体内の空隙が多くなって、当該ビア導体の導電性が低下したり、ビア導体が、却って、大きく収縮して、導体配線と良好に導電接続できなくなったりするおそれがある。
また、体積比率Vbが0.99を超える場合には、相対的に、Cu粉末の体積比率Vaが小さくなるため、Cu粉末による、Ni粉末と固溶体を形成することで、焼成によるビア導体の収縮を抑制して、導体配線と良好に導電接続する効果が十分に得られないおそれがある。
セラミック成分の体積比率Vcが0.01未満では、セラミック成分による、焼成時に、ビア導体用導電性ペーストの焼結が、グリーンシートの焼成よりも速く進行するのを抑制することで、セラミック配線板にクラックが生じるのを防止する効果が十分に得られないおそれがある。
また、セラミック成分の体積比率Vcが0.3を超える場合には、相対的に、Cu粉末およびNi粉末の体積比率Va、Vbが小さくなるため、ビア導体の導電性が低下するおそれがある。
ビア導体用導電性ペーストは、上記Cu粉末、Ni粉末およびセラミック成分に加えて、有機バインダ樹脂、溶剤などを含有してもよい。
有機バインダ樹脂としては、Cu粉末、Ni粉末およびセラミック成分を均質に分散させることができると共に、ビア導体用導電性ペーストに、グリーンシートに形成される貫通孔への充てん方法(例えば、スクリーン印刷)に適した粘度とレオロジーを与えることができる、種々の樹脂が使用可能である。
有機バインダ樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。
溶剤としては、有機バインダ樹脂を溶解すると共に、Cu粉末、Ni粉末およびセラミック成分を分散させることで、混合系全体をペースト状にする役割をする種々の溶剤が使用可能である。
溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤(例えば、α−テルピネオール、ベンジルアルコールなど)、炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤(例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなど)、ナフサなどが挙げられる。
特に、Cu粉末およびNi粉末の分散性を良くするという観点からすると、溶剤としては、α−テルピネオールなどのアルコール系溶剤が好ましい。
有機バインダ樹脂および溶剤の含有量は、ビア導体用導電性ペーストに、グリーンシートに形成される貫通孔への充てん方法に適した粘度とレオロジーを与えることができる、適宜の範囲に設定することができる。
ビア導体用導電性ペーストは、さらに、必要に応じて、分散剤、活性剤、可塑剤などを含有してもよい。
本発明のセラミック配線板は、上記本発明のビア導体用導電性ペーストを焼成して形成されたビア導体を有することを特徴とするものである。
図1は、上記本発明のセラミック配線板の、実施の形態の一例としての、積層セラミックコンデンサ10を示す断面図である。
図1を参照して、この例の積層セラミックコンデンサ10は、セラミックで形成された複数の誘電体層2を積層した誘電体ブロック1を備えている。
誘電体ブロック1を形成する各誘電体層2の層間には、導体配線としての内部電極3、4が、複数層ずつ、交互に設けられている。
また、誘電体ブロック1には、その積層方向を貫いて、ビア導体5、6が形成されていると共に、誘電体ブロック1の表面には、ビア導体5と導電接続された外部電極7と、ビア導体6と導電接続された外部電極8とが形成されている。
内部電極3は、誘電体ブロック1の、図において、上面側から数えて偶数番目の誘電体層2の上面に設けられていると共に、それぞれ、ビア導体5の周囲に電極のない領域13を設けて、ビア導体5との接触を回避した状態で、ビア導体6および外部電極8と導電接続されている。
また、内部電極4は、誘電体ブロック1の、図において、上面側から数えて奇数番目の誘電体層2(最上層、つまり1番目の誘電体層2は除く)の上面に設けられていると共に、それぞれ、ビア導体6の周囲に電極のない領域14を設けて、ビア導体6との接触を回避した状態で、ビア導体5および外部電極7と導電接続されている。
そして、ビア導体6を介して外部電極8と導電接続された内部電極3と、ビア導体5を介して外部電極7と導電接続された内部電極4とが、図中に示した領域Xにおいて、誘電体層2をはさんで対峙した、等価的にコンデンサとして機能する回路が構成されている。
誘電体層2は、BaTiOなどのセラミック成分と、有機バインダ樹脂とを含むグリーンシートを焼成して形成される。
グリーンシートとしては、先に説明したように、BaTiOなどのセラミック成分と、有機バインダ樹脂とを含むものが好適に用いられる。
詳しくは、上記セラミック成分に、焼結助剤、有機バインダ樹脂、可塑剤、分散剤、溶剤などを混合してセラミックスラリーを調製し、このセラミックスラリーを、シート状に成形して乾燥させることで、グリーンシートが形成される。
セラミックスラリーをシート状に成形する方法としては、例えば、ドクターブレード法、引き上げ法、ダイコーターを利用した塗布方法、グラビアロールコーターを利用した塗布方法などが挙げられる。
セラミック成分としては、BaTiOを主成分とし、副成分として、チタン酸マグネシウム(MgTiO)やチタン酸マンガン(MnTiO)などの誘電体材料を加え、さらに、必要に応じて、酸化イットリウム(Y)などの希土類金属化合物を混合したものなどが挙げられる。
焼結助剤は、焼成による、グリーンシートの収縮開始温度を低くする機能を有している。
焼結助剤としては、例えば、ガラス成分となる液相形成物質や、金属酸化物などが挙げられる。
有機バインダ樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、フタル酸エステルなどが挙げられる。
溶剤としては、例えば、水溶性溶剤としての水の他に、有機溶剤として、トルエン、酢酸エチル、テルピネオールなどがあり、また、これらの混合物なども挙げられる。
分散剤としては、例えば、水溶性溶剤と共に用いるのが好ましい分散剤としてカルボン酸型高分子界面活性剤が挙げられ、有機溶剤と共に用いるのが好ましい分散剤としては、ポリオキシエチレン系エーテルや両イオン性界面活性剤が挙げられる。
内部電極3、4は、導電成分としてのNiと、有機バインダ樹脂とを含む導体配線用導電性ペーストを、グリーンシートの表面に、スクリーン印刷などによって、所定の平面形状となるように塗布した後、グリーンシートと共に焼成して形成される。
導体配線用導電性ペーストとしては、Ni粉末と、有機バインダ樹脂とを含むものが好適に用いられる。
詳しくは、Ni粉末と有機バインダ樹脂に、当該有機バインダ樹脂を溶解しうる溶剤を加えて有機バインダ樹脂を溶解させることで、導体配線用導電性ペーストが調製される。
Ni粉末としては、導体配線用導電性ペースト中での凝集を防止することを考慮すると、その平均粒径が、0.1〜10μmであるものを用いるのが好ましい。
有機バインダ樹脂およびその溶剤としては、先に説明した、ビア導体用導電性ペーストで挙げたものと同様の有機バインダ樹脂および溶剤が挙げられる。
有機バインダ樹脂および溶剤の含有量は、導体配線用導電性ペーストに、グリーンシートの表面への塗布方法(スクリーン印刷など)に適した粘度とレオロジーを与えることができる、適宜の範囲に設定することができる。
導体配線用導電性ペーストは、さらに、必要に応じて、分散剤、活性剤、可塑剤などを含有してもよい。
ビア導体5、6は、本発明のビア導体用導電性ペーストを、グリーンシートに形成した貫通孔内に充てんした状態で、グリーンシートと共に焼成して形成される。
外部電極7、8は、例えば、グリーンシートを一体に焼成して誘電体ブロック1を形成した後、この誘電体ブロック1の表面に、内部電極3、4と同様の導体配線用導電性ペーストを、スクリーン印刷などによって、所定の平面形状となるように塗布して形成される。
図2(a)〜図2(e)は、上記の積層セラミックコンデンサ10を、本発明の製造方法によって製造するための各工程を示す断面図である。
これらの図を参照して、この製造方法では、まず、個々の誘電体層2のもとになるグリーンシート20を用意する。
1枚のグリーンシート20は、1層の誘電体層2に対応する大きさに形成してもよい。しかし、1枚のグリーンシート20を、1層の誘電体層2に対応する領域を複数個、含む大きさに形成して、各領域に対して、以下で説明する貫通孔15、16の形成、ビア導体用導電性ペースト50、60の充てん、導体配線用導電性ペースト30、40の塗布の各工程を行った後、複数枚のグリーンシート20を重ね合わせて積層体11を形成し、形成した積層体11から個々の領域を切り出して、誘電体ブロック1のもとになる複数個の積層体を製造するのが、製造効率の点で好ましい。
次に、それぞれのグリーンシート20の所定の位置に、例えば、マイクロドリルを使用して穿孔したり、パンチングしたりすることで、ビア導体用導電性ペーストが充てんされる貫通孔15、16を形成する(図2(a))。
貫通孔15、16は、複数枚のグリーンシート20を重ねた際に、互いに面方向に重なるように、形成位置を一致させておく。
なお、貫通孔15、16の径を比較的小さく形成する場合は、グリーンシート20の表面に、例えば、UV−YAGレーザを照射して穿孔するのが好ましい。
また、貫通孔15、16を形成したグリーンシート20は、水中に浸して超音波洗浄するなどして、残留した加工くずを除去するのが好ましい。
次に、形成した貫通孔15、16内に、スクリーン印刷などによって、ビア導体用導電性ペースト50、60を充てんする(図2(b))。
次に、誘電体ブロック1の、上面側から数えて偶数番目の誘電体層2のもとになるグリーンシート20の表面には、スクリーン印刷などによって、内部電極3のもとになる導体配線用導電性ペースト30を、所定の平面形状となるように塗布する(図2(c))。
詳しくは、導体配線用導電性ペースト30を、貫通孔15の周囲に塗布しない領域13を設けて、当該貫通孔15内に充てんしたビア導体用導電性ペースト50との接触を回避した状態で、貫通孔16内に充てんしたビア導体用導電性ペースト60と接触するように、その上に重ねて塗布する。
また、誘電体ブロック1の、上面側から数えて奇数番目の誘電体層2(最上層、つまり1番目の誘電体層2は除く)のもとになるグリーンシート20の表面には、スクリーン印刷などによって、内部電極4のもとになる導体配線用導電性ペースト40を、やはり、所定の平面形状となるように塗布する(図2(d))。
詳しくは、導体配線用導電性ペースト40を、貫通孔16の周囲に塗布しない領域14を設けて、当該貫通孔16内に充てんしたビア導体用導電性ペースト60との接触を回避した状態で、貫通孔15内に充てんしたビア導体用導電性ペースト50と接触するように、その上に重ねて塗布する。
そして、上記2種のグリーンシート20を、貫通孔15、16を位置合わせしながら、複数枚ずつ、厚み方向に交互に積み重ねると共に、その上に、最上層(1番目の誘電体層2)となるグリーンシート20を、貫通孔15、16を位置合わせしながら重ねた後、上下から加圧して積層体11を形成する(図2(e))。
最上層のグリーンシート20は、図2(b)に示すように、貫通孔15、16に、ビア導体用導電性ペースト50、60を充てんした後、表面に導体配線用導電性ペースト30、40を塗布せずに形成される。
なお、全く同じ組成を有する本発明のビア導体用導電性ペーストを、ビア導体用導電性ペースト50、60および導体配線用導電性ペースト30、40として使用して、貫通孔15、16への充てんと、グリーンシート20の表面への塗布とを1工程で行ってもよい。
この場合には、位置あわせおよび印刷の工程を省略して、製造工程の簡略化を図ることができる。
また、交互に重ねる2種のグリーンシート20を、貫通孔15、16の形成位置、および導体配線用導電性ペースト30、40の塗布形状が全く同じで、なおかつ、積み重ねる向きを違えるだけで、上記2種のグリーンシート20として使用しうる1種のグリーンシート20で代用してもよい。
この場合には、グリーンシート20の種類を減らして、製造工程の簡略化を図ることができる。
次いで、先に説明したように、1枚のグリーンシート20が、1層の誘電体層2に対応する領域を複数個、含む大きさに形成されている場合は、積層体11を、個々の領域ごとに、例えば、押し切りなどを用いて切り出す。積層体11の厚みが大きい場合は、ダイシングによって切り出してもよい。
この後、切り出した積層体を、例えば、加熱炉中に入れて、250〜400℃に加熱して有機バインダ樹脂その他の有機物を除去し、次いで、本焼成炉中に入れて、1250〜1300℃に加熱して焼成することで、図1に示す誘電体ブロック1を形成した後、その表面に、外部電極7、8を形成することで、同図に示す積層セラミックコンデンサ10が製造される。
図3(a)〜図3(e)は、積層セラミックコンデンサ10を、本発明の別の製造方法によって製造するための各工程を示す断面図である。
この製造方法では、まず、誘電体ブロック1の、上面側から数えて偶数番目の誘電体層2のもとになるグリーンシート20の表面に、スクリーン印刷などによって、内部電極3のもとになる導体配線用導電性ペースト30を、所定の平面形状となるように塗布する(図3(a))。
詳しくは、導体配線用導電性ペースト30を、後の工程で貫通孔15が形成される位置の周囲に塗布しない領域13を設けて、当該貫通孔15内に充てんされるビア導体用導電性ペースト50との接触を回避すると共に、貫通孔16に充てんされるビア導体用導電性ペースト60と接触するように、当該貫通孔16が形成される位置の上に重ねて塗布する。
また、誘電体ブロック1の、上面側から数えて奇数番目の誘電体層2(最上層、つまり1番目の誘電体層2は除く)のもとになるグリーンシート20の表面に、スクリーン印刷などによって、内部電極4のもとになる導体配線用導電性ペースト40を、所定の平面形状となるように塗布する(図3(b))。
詳しくは、導体配線用導電性ペースト40を、後の工程で貫通孔16が形成される位置の周囲に塗布しない領域14を設けて、当該貫通孔16内に充てんされるビア導体用導電性ペースト60との接触を回避すると共に、貫通孔15に充てんされるビア導体用導電性ペースト50と接触するように、当該貫通孔15が形成される位置の上に重ねて塗布する。
グリーンシート20は、先の製造方法の場合と同様に、1層の誘電体層2に対応する領域を複数個、含む大きさに形成して、各領域に対して、導体配線用導電性ペースト30、40の塗布、積層、貫通孔15、16の形成、ビア導体用導電性ペースト50、60の充てんの各工程を行って積層体11を形成し、形成した積層体11から個々の領域を切り出して、誘電体ブロック1のもとになる複数個の積層体を製造するのが、製造効率の点で好ましい。
次に、上記2種のグリーンシートを、位置合わせしながら、複数枚ずつ、厚み方向に交互に積み重ねると共に、その上に、最上層となる、導体配線用導電性ペースト30、40を塗布していないグリーンシート20を、位置合わせしながら重ねた後、上下から加圧して積層体11を形成する(図3(c))。
なお、交互に重ねる2種のグリーンシート20を、貫通孔15、16の形成位置、および導体配線用導電性ペースト30、40の塗布形状が全く同じで、なおかつ、積み重ねる向きを違えるだけで、上記2種のグリーンシート20として使用しうる1種のグリーンシート20で代用してもよい。
この場合には、グリーンシート20の種類を減らして、製造工程の簡略化を図ることができる。
次に、形成した積層体11の表面に、例えば、波長350nmのUV−YAGレーザを照射するなどして、貫通孔15、16を形成すると共に、貫通孔15、16に重なる導体配線用導電性ペーストを除去する(図3(d))。
貫通孔15は、誘電体ブロック1の、上面側から数えて偶数番目の誘電体層2のもとになるグリーンシート20の、導体配線用導電性ペースト30を塗布しない領域13の中心部を貫通し、かつ、誘電体ブロック1の、上面側から数えて奇数番目の誘電体層2のもとになるグリーンシート20の、導体配線用導電性ペースト40を塗布した領域と重なるように形成する。
また、貫通孔16は、誘電体ブロック1の、上面側から数えて奇数番目の誘電体層2のもとになるグリーンシート20の、導体配線用導電性ペースト40を塗布しない領域14の中心部を貫通し、かつ、誘電体ブロック1の、上面側から数えて偶数番目の誘電体層2のもとになるグリーンシート20の、導体配線用導電性ペースト30を塗布した領域と重なるように形成する。
レーザの照射は、トレパン加工、つまり、レーザの径を、形成する貫通孔15、16の径よりも細く設定して、照射を繰り返すことにより、所定の径を有する貫通孔15、16を形成するのが好ましい。
詳しくは、まず、貫通孔15、16となる領域のほぼ中心部にレーザLaを照射することで、中心貫通孔15a、16aを形成する(図4(a))。
次に、照射位置を、中心貫通孔15a、16aの周囲で移動させながら、渦巻き状に徐々に外側に、レーザLnを照射して、貫通孔15,16となる領域の周辺位置まで周辺貫通穴15n、16nをあけてゆく(図4(b))。
そして、この操作を繰り返すことによって、所定の径を有する貫通孔15、16を形成する(図4(c))。
上記の操作を行うと、たとえ積層体11を形成するグリーンシート20の積層数が100層以上である場合でも、レーザLnの照射によって発生する熱が、中心貫通孔15a、16aを通って上下に放散される。
そのため、上記熱によって、導体配線用導電性ペースト30、40の、貫通孔15、16内に露出する部分が蒸発して消失してしまって、内部電極3、4と、ビア導体5、6とを良好に導電接続できなくなるという問題が生じるのを防止することができる。
そして、導体配線用導電性ペースト30、40を、貫通孔15、16内に露出させた状態で、ビア導体用導電性ペースト50、60を、上記貫通孔15、16内に充てんできるため、その後の焼成によって、内部電極3、4と、ビア導体5、6とを良好に導電接続することが可能となる。
レーザのパルス周波数は、1〜30kHz(パルス周期0.03〜1ms)であるのが好ましい。
パルス周波数が1kHz未満では、レーザによる穿孔時間が長くかかって、生産性が低下するおそれがある。
また、パルス周波数が30kHzを超える場合には、レーザの照射によって発生する熱量が大きくなって、先に説明した、導体配線用導電性ペースト30、40の蒸発に伴う問題を生じるおそれがある。
レーザの照射によって貫通孔15、16を形成する際には、真空引きして、有機バインダ樹脂などの有機物の分解物や、ばらばらになったセラミック粉末などを除去するのが好ましい。
なお、貫通孔15、16は、マイクロドリルを使用して穿孔したり、パンチングしたりして形成してもよい。
貫通孔15、16を形成した積層体11は、水中に浸して超音波洗浄するなどして、残留した加工くずを除去するのが好ましい。
次に、形成した貫通孔15、16内に、スクリーン印刷などによって、ビア導体用導電性ペースト50、60を充てんする(図3(e))。
そうすると、貫通孔15内に露出した、誘電体ブロック1の、上面側から数えて奇数番目の誘電体層2のもとになるグリーンシート20の表面に塗布した導体配線用導電性ペースト40と、貫通孔15内に充てんしたビア導体用導電性ペースト50とが接触した状態となる。
また、貫通孔16内に露出した、誘電体ブロック1の、上面側から数えて偶数番目の誘電体層2のもとになるグリーンシート20の表面に塗布した導体配線用導電性ペースト30と、貫通孔16内に充てんしたビア導体用導電性ペースト60とが接触した状態となる。
次いで、先に説明したように、1枚のグリーンシート20が、1層の誘電体層2に対応する領域を複数個、含む大きさに形成されている場合は、積層体11を、個々の領域ごとに、例えば、押し切りなどを用いて切り出す。積層体11の厚みが大きい場合は、ダイシングによって切り出してもよい。
この後、切り出した積層体を、例えば、加熱炉中に入れて、250〜400℃に加熱して有機バインダ樹脂その他の有機物を除去し、次いで、本焼成炉中に入れて、1250〜1300℃に加熱して焼成することで、図1に示す誘電体ブロック1を形成した後、その表面に、外部電極7、8を形成することで、同図に示す積層セラミックコンデンサ10が製造される。
なお、本発明の構成は、以上で説明した各実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更や改良を施すことができる。
例えば、ビア導体5、6は、それぞれ、誘電体ブロック1内に複数個ずつ形成してもよい。
これにより、寄生インダクタンスの少ない積層セラミックコンデンサ10を提供することができる。
また、1個の誘電体ブロック1内に、複数個の、それぞれ電気的に独立したコンデンサを形成してもよい。例えば、個々のコンデンサとして機能する内部電極3、4の面積を違えて、容量の異なるコンデンサを、同一の誘電体ブロック1ないに内蔵させてもよい。
また、本発明の構成が、積層セラミックコンデンサ10以外の電子部品を形成するセラミック配線板に適用できることは、言うまでもない。
《ビア導体用導電性ペーストの作製》
Ni粉末としては、平均粒径が6.7μmで、かつ、その表面が、NiO層によって被覆された第1のNi粉末と、平均粒径が0.9μmで、かつ、その表面が、NiO層によって被覆された第2のNi粉末とを用いた。両者の配合割合は、第1のNi粉末100重量部に対して、第2のNi粉末を33重量部とした。
Ni粉末の表面を被覆するNiO層の平均厚みは、組み合わせる2種のNi粉末で同じ厚みとすることとし、0.7nm、2nm、15nm、および25nmの4種とした。
Cu粉末としては、平均粒径が0.1μmで、かつ、その表面が、SiO層で被覆されたものを用いた。
Cu粉末の表面を被覆するSiO層の平均厚みは、3nm、7nm、40nm、および60nmの4種とした。
上記2種のNi粉末の混合物と、Cu粉末と、セラミック成分としてのBaTiOとを、有機バインダ樹脂および溶剤と混合してビア導体用導電性ペーストを作製した。Ni粉末およびCu粉末としては、表1に示すように、NiO層およびSiO層の平均厚みが異なるものを組み合わせた。Cu粉末の体積比率Vaは0.03、Ni粉末の混合物の体積比率Vbは0.97、セラミック成分の体積比率Vcは0.15とした。実際には、各成分の体積比率が上記の値となるように、それぞれの成分の比重から重量換算して求めた各成分の配合量を計量して調合を行った。
《ビア導体の形成》
セラミック成分の主成分としてBaTiOを含有し、かつ、副成分としてMgTiOを含有する、厚み0.7μmのグリーンシートの表面に、Niを含む導体配線用導電性ペーストを、スクリーン印刷によって塗布して複合シートを作製し、この複合シートを複数枚、重ねて積層体を形成した。次に、この積層体の所定の位置に、直径100μmの貫通穴を形成して、上記のビア導体用導電性ペーストを充てんした。
そして、ピーク温度1310℃で、入炉から出炉まで24時間かけて焼成してセラミック配線板のモデルを作製した後、ビア導体が露出するまで研磨して、ビア導体を観察すると共に、その電気抵抗を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004596936
表1において、*1)は、ビア導体が、貫通穴から離れた箇所が見られたことを意味する。*2)は、ビア導体が、曲がりくねった形状になっているのが見られたことを意味する。*3)は、ビア導体の電気抵抗が高くなって、導電性が低下したことを意味する。
表1より、Ni粉末の表面を被覆するNiO層の平均厚みは、1.0〜20nmであるのが好ましく、Cu粉末の表面を被覆するSiO層の平均厚みは、5.0〜50nmであるのが好ましいことが判った。
本発明のビア導体用導電性ペーストを用いてビア導体が形成された、本発明のセラミック配線板の一例としての、積層セラミックコンデンサを示す断面図である。
図1の積層セラミックコンデンサを、本発明の製造方法によって製造する工程を示す断面図である。
図1の積層セラミックコンデンサを、本発明の別の製造方法によって製造する工程を示す断面図である。
図3の製造方法において、積層したグリーンシートに貫通孔を形成する工程を示す斜視図である。
従来のセラミック配線板の一例としての、積層セラミックコンデンサを示す断面図である。
符号の説明
1 誘電体ブロック
2 誘電体層
3、4 内部電極
5、6 ビア導体
7、8 外部電極
10 積層セラミックコンデンサ(セラミック電子部品)
11 積層体
13、14 電極のない領域(塗布しない領域)
15、16 貫通孔
20 グリーンシート
30、40 導体配線用導電性ペースト
50、60 ビア導体用導電性ペースト

Claims (10)

  1. セラミック成分を含むグリーンシートに形成した貫通孔内に充てんされ、グリーンシートと共に焼成されてビア導体を形成するビア導体用導電性ペーストであって、表面にガラス層を有するCu粉末と、表面に金属酸化物層を有するNi粉末と、グリーンシートに含まれるセラミック成分と同質のセラミック成分とを含有することを特徴とするビア導体用導電性ペースト。
  2. Cu粉末の体積比率Vaと、Ni粉末の体積比率Vbと、セラミック成分の体積比率Vcとが、式(1)〜(5)を全て満足することを特徴とする請求項1に記載のビア導体用導電性ペースト。
    0.01≦Va≦0.1 (1)
    0.9≦Vb≦0.99 (2)
    0.01≦Vc≦0.3 (3)
    Va+Vb=1 (4)
    1.01≦Va+Vb+Vc≦1.3 (5)
  3. Cu粉末の表面の、ガラス層の平均厚みが5.0〜50nm、Ni粉末の表面の、金属酸化物層の平均厚みが1.0〜20nmであることを特徴とする請求項1に記載のビア導体用導電性ペースト。
  4. Cu粉末の平均粒径が0.1〜1.0μm、Ni粉末の平均粒径が0.1〜10μm、セラミック成分の平均粒径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載のビア導体用導電性ペースト。
  5. Ni粉末として、平均粒径が異なる2種のNi粉末を併用することを特徴とする請求項4に記載のビア導体用導電性ペースト。
  6. 請求項1のビア導体用導電性ペーストを焼成して形成されたビア導体を有することを特徴とするセラミック配線板。
  7. グリーンシートに貫通孔を形成する工程と、形成した貫通孔に、請求項1のビア導体用導電性ペーストを充てんする工程と、焼成によって導体配線を形成する、導電成分としてNiを含む導体配線用導電性ペーストを、グリーンシートの表面に、その一部が、貫通孔に充てんしたビア導体用導電性ペーストと接するように塗布する工程と、グリーンシート、ビア導体用導電性ペースト、および導体配線用導電性ペーストを同時に焼成する工程とを含むことを特徴とするセラミック配線板の製造方法。
  8. 貫通孔にビア導体用導電性ペーストを充てんし、表面に導体配線用導電性ペーストを塗布したグリーンシートを、複数枚、焼成前に重ねる工程を含み、重ねた複数枚のグリーンシートを、焼成によって一体化させることを特徴とする請求項7に記載のセラミック配線板の製造方法。
  9. 焼成によって導体配線を形成する、導電成分としてNiを含む導体配線用導電性ペーストを、グリーンシートの表面に、その一部が、グリーンシートの、貫通孔を形成する領域に重なるように塗布する工程と、グリーンシートに貫通孔を形成すると共に、貫通孔に重なる導体配線用導電性ペーストを除去する工程と、形成した貫通孔に、グリーンシートの表面に塗布した導体配線用導電性ペーストの一部と接するように、請求項1のビア導体用導電性ペーストを充てんする工程と、グリーンシート、ビア導体用導電性ペースト、および導体配線用導電性ペーストを同時に焼成する工程とを含むことを特徴とするセラミック配線板の製造方法。
  10. 表面に導体配線用導電性ペーストを塗布したグリーンシートを、複数枚、貫通孔を形成する前に重ねる工程を含み、重ねた複数枚のグリーンシートを貫通させて貫通孔を形成して、ビア導体用導電性ペーストを充てんした後、重ねた複数枚のグリーンシートを、焼成によって一体化させることを特徴とする請求項9に記載のセラミック配線板の製造方法。
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