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JP4597437B2 - 4サイクル内燃機関 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は4サイクル内燃機関に関し、より詳細には、オイルミストをクランク室近傍で生成し、オイルミストをクランク室側からオイルミスト通路を介して動弁室に流入させて、前記クランク室および前記動弁室内の内部機構を潤滑する4サイクル内燃機関に関する。
【従来技術】
オイルミストをクランク室近傍で生成し、オイルミストをクランク室側からオイルミスト通路を介して動弁室に流入させて、前記クランク室および前記動弁室内の内部機構を潤滑する4サイクル内燃機関が知られている。このような4サイクル内燃機関は、前記クランク室の下方に潤滑オイルを収容するオイル溜室を有し、例えば、該オイル溜室内に収容された潤滑オイルをコンロッドの下端に設けられたオイルディッパでかきあげたり、コイルばねによってオイルを波立てるなどして、ミスト化する。シリンダブロックには、前記クランク室と前記動弁室とに連通する前記オイルミスト通路が設けられており、ピストンが下降運動する際の前記クランク室内の正圧によって、オイルミストが前記クランク室側から前記動弁室に送られる。該動弁室に送られたオイルミストは、該動弁室内の動弁機構を潤滑し、残余のオイルミストは、オイルミスト用ブリーザから吐出される。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来の4サイクル内燃機関においては、前記オイルミスト用ブリーザは、一般的に、エア吸入管の入口近傍に設けられている。前記エア吸入管の前記入口近傍には、エアフィルタが設けられており、該エアフィルタを介して空気を吸入する際に、前記オイルミスト用ブリーザから吐出されたオイルミストも吸込まれるので、前記エアフィルタが潤滑オイルで早期に汚れてしまい、空気の吸入量が低減してしまう原因となっていた。
そこで、本発明は、エアフィルタを汚すことのないオイルミスト用ブリーザを有する4サイクル内燃機関を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、潤滑オイルをミスト化してオイルミストを生成し、該オイルミストによって内部機構を潤滑する4サイクル内燃機関であって、燃料タンクに連結されたオイルミスト用ブリーザを有し、前記内部機構を潤滑した後の残余のオイルミストは、前記オイルミスト用ブリーザを介して、前記燃料タンクの中に吐出されることを特徴とする4サイクル内燃機関によって達成することができる。
【0004】
本発明においては、前記内部機構を潤滑した残余のオイルミストを含む空気が、前記オイルミスト用ブリーザを介して前記燃料タンク内に吐出される。前記燃料タンクの内部から燃料が汲み出された体積の一部あるいは、全体が、前記オイルミスト用ブリーザを介して吐出されたオイルミストを含む空気で補充される。前記燃料タンクには別途、燃料タンク用ブリーザが設けられていてもよく、前記オイルミスト用ブリーザを介して補充されたオイルミストを含む空気では足りない分を、前記燃料タンク用ブリーザを介して、外気を前記燃料タンク内に取り入れるようにしてもよい。前記燃料タンク内に吐出された潤滑オイルは、前記燃料タンク内で燃料に混合され、該燃料と共に燃焼される。なお、燃料に多少の潤滑オイルが含有されていても、前記4サイクル内燃機関の性能に影響はない。
本発明によれば、前記内部機構を潤滑した後の残余のオイルミストを含む空気は、前記燃料タンク内に吐出されるので、従来の装置のように、吸入管入口に設けられたエアフィルタを潤滑オイルで汚すことがなく、したがって、前記エアフィルタを介して流入する空気量が低減してしまうのを防止することができる。また、周囲を潤滑オイルで汚染することがない。
【0005】
また、本発明の上記目的は、オイルミストをクランク室の近傍で生成し、オイルミストを前記クランク室の側からオイルミスト通路を介して動弁室に流入させて、前記クランク室および前記動弁室の内部を潤滑する4サイクル内燃機関であって、前記動弁室と燃料タンクとに連通する管路を有するオイルミスト用ブリーザを有し、前記動弁室を経たオイルミストは、前記オイルミスト用ブリーザを介して前記燃料タンクの中に吐出されることを特徴とする4サイクル内燃機関によっても達成することができる。
【0006】
本発明においては、前記クランク室および前記動弁室の内部機構を潤滑した残余のオイルミストを含む空気が、前記オイルミスト用ブリーザを介して前記燃料タンク内に吐出される。前記燃料タンク内に吐出された潤滑オイルは、前記燃料タンク内で燃料に混合され、該燃料と共に燃焼される。
本発明によれば、従来の装置のように、吸入管入口に設けられたエアフィルタを潤滑オイルで汚すことがなく、したがって、前記エアフィルタを介して流入する空気量が低減してしまうのを防止することができ、また、周囲を潤滑オイルで汚染することがない。
【0007】
本発明の実施の形態においては、前記管路に設けらて前記燃料タンク内の燃料が逆流するとき、および、ピストンの上昇運動中は閉じている逆止弁と、前記管路の内部において前記逆止弁の上流側に設けられたオリフィスと、を有する。
また、本発明の実施の形態においては、前記オリフィスおよび前記逆止弁は、前記管路の長手方向において、前記燃料タンクの近傍に設けられている。
更に、本発明の実施の形態においては、前記逆止弁は、前記オリフィスの前記燃料タンク側に隣接して設けられ、前記オリフィスの前記燃料タンク側出口を閉じる弁部材を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明にかかる4サイクル内燃機関の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる4サイクル内燃機関の縦断面図である。
本実施形態にかかる4サイクル内燃機関2は、草などを刈る刈払機や、背負式薬剤散布機等の動力源として利用され、作業者の作業中、図1に示す直立姿勢だけでなく、傾倒姿勢や倒立姿勢とされることもある。
【0009】
また、本実施形態にかかる4サイクル内燃機関2はOHCタイプであり、昇降運動するピストン4の上方に設けられた動弁室6と、前記ピストン4の下方に設けられたクランク室8と、該クランク室8の下方に仕切り壁10で区切られて画成された、潤滑オイルを収容するためのオイル室12と、更に、該オイル室12の下方に設けられた燃料タンク14と、を有する。前記クランク室8の内部には、内部機構としての前記ピストン4、コンロッド13、クランクシャフト15などが収容されており、また、前記動弁室6の内部には、前記内部機構としてのカム式動弁機構7が収容されている。
【0010】
前記クランク室8と前記オイル室12との間の前記仕切り壁10には、スリット16が形成されており、互いに連通している。シリンダブロック18には、前記クランク室8と前記動弁室6とを連通するオイルミスト通路20が形成されており、その上流端20aが前記クランク室8内に向けて開口しており、また、下流端20bが前記動弁室6内に向けて開口している。更に、前記動弁室6と前記燃料タンク14とは、管路Pを有するオイルミスト用ブリーザ22によって互いに連通している。該オイルミスト用ブリーザ22は、全体的に管状部材で構成されており、上流端22aが、前記動弁室6に連結されており、また、下流端22bが、前記燃料タンク14の中に挿入されている。前記燃料タンク14は、独立した室として画成されており、ストレーナ41を介して前記燃料タンク14内のガソリンを気化器40へ供給する燃料パイプ24も挿入されている。
【0011】
図2は、オイルミスト用ブリーザに設けられた逆止弁およびオリフィスの縦断面図である。
図2を見て分かるように、前記オイルミスト用ブリーザ22は、その内部に逆止弁26と、その上流側に設けられた、前記オイルミスト用ブリーザ22の前記管路Pの内径よりも径の小さいオリフィス28と、を有する。前記逆止弁26と前記オリフィス28は、本実施形態においては、図1に示すように、前記オイルミスト用ブリーザ22(管路P)長手方向において、前記燃料タンク14近傍に設けられている。
【0012】
前記逆止弁26は、前記オリフィス28の前記燃料タンク14側である下流側出口を閉じる弁部材26aを有する。該弁部材26aは、燃料より比重が小さな円盤部材で構成されている。前記オリフィス28の下流端側には、前記弁部材26aの下上移動を所定幅以内に規制するストッパ30を突設して前記弁部材26aを収容するバルブ室32が設けられている。前記弁部材26aは、前記燃料タンク14内の燃料の逆流を防止するためのものであり、前記4サイクル内燃機関2が傾倒姿勢や倒立姿勢とされたとき、前記燃料タンク14内の燃料が、前記オイルミスト用ブリーザ22を介して、前記動弁室6の中に逆流するのを防止する。また、前記逆止弁26は、前記ピストン4の昇降運動に伴う前記クランク室8内の圧力の正圧および負圧によっても、前記バルブ室32内で前記オイルミスト用ブリーザ22の前記管路Pの長手方向に移動して、前記オリフィス28の前記下流側出口を開閉する。
【0013】
再び、図1を参照すると、前記オイル室12は、前記クランク室8の両側および下方を取囲むU字形をなしている。その内部には、前記U字形のオイル室12に沿ってU字状に吊り下げられた、オイルミスト化手段としてのコイルばね34が設けられている。該コイルばね34の左右二つの端部は、前記オイル室12の両側の上端に取付けられている。前記U字状のコイルばね34の下部は、前記オイル室12内に収容された潤滑オイルの中に浸けられている。作業者が前記4サイクル内燃機関2が設けられた作業機(図示せず)を動かすことによって、また、前記4サイクル内燃機関2の運転中の振動によって、前記コイルばね34が適宜振動して潤滑オイルを波立たせ、潤滑オイルをミスト化する。
更に、図1に示すように、吸気管36に接続された前記気化器40の上流側には、エアフィルタ38が設けられている。
【0014】
本実施形態にかかる前記4サイクル内燃機関2は以下の通り作動する。
前記4サイクル内燃機関2を始動すると、前記ピストン4が上下運動する。前記オイル室12内の潤滑オイルは、前記コイルばね34の振動によって波立ち、ミスト化され、オイルミストとなる。該オイルミストは、前記ピストン4が上昇運動するときの前記クランク室8内の負圧によって、前記仕切り壁10に形成された前記スリット16を介して、前記クランク室8内に流入する。これによって、前記クランク室8内の機構が潤滑される。更に、前記ピストン4が下降運動すると、前記クランク室8内が正圧となり、前記オイルミストは、前記オイルミスト通路20を介して前記動弁室6に送出され、該動弁室6内の機構が潤滑される。
【0015】
潤滑後の残余のオイルミストは、更に、前記ピストン4が下降運動する際の正圧によって、前記オイルミスト用ブリーザ22の前記オリフィス28を通って、前記燃料タンク14の中に送出される。なお、このとき、前記逆止弁26は開いている。前記燃料タンク14内でオイルミストは、燃料と混合し、燃料と共に前記気化器40へ供給される。前記燃料タンク14に送出されたオイルミストを含む空気で、前記燃料タンク14内の消費された燃料が占めていた容積を補充し、不足分があれば、前記燃料タンク14に設けられたブリーザ(図示せず)を介して外気が前記燃料タンク14内に取り入れられる。
前記4サイクル内燃機関2の作動中に、作業者が作業機を傾倒姿勢や倒立姿勢にした場合には、前記燃料タンク14から逆流した燃料によって前記弁部材26aが押されて、前記オリフィス28の下流側出口が閉じられ、燃料が前記動弁室6へと流れ込むのが防止される。
【0016】
次ぎに、前記オリフィス28および前記逆止弁26の作用をより詳細に説明する。
【0017】
前記逆止弁26は前記の通り、前記燃料タンク14内の燃料の逆流を防止するためのものであるが、前記ピストン4が上昇運動して、前記クランク室8内が負圧になると、前記弁部材26aが吸引され、前記オリフィス28の前記下流側出口が、前記逆止弁26の前記弁部材26aによって閉じられる。これによって、前記クランク室8内の負圧は、前記逆止弁26が設けられていない場合よりも高くなり、前記ピストン4の上昇運動に対する抵抗が増大する。この抵抗を緩和するため、前記オリフィス28が設けられている。
【0018】
すなわち、前記ピストン4の下降運動の際、前記クランク室8内は正圧になり、それによって、前記オイルミストを含む空気が前記燃料タンク14へ送出される。その際、前記オリフィス28で前記管路Pが絞られているので流れ抵抗が生じ、前記オリフィス28の上流側で空気が圧縮される。引き続き、前記ピストン4が上昇すると、前記クランク室8内が負圧になり、前記弁部材26aによって前記オリフィス28の前記下流側出口が閉じられるが、前記オフィリスの上流側の圧縮された空気によって、前記クランク室8内の負圧の急激な増大が防止され、したがって、前記ピストン4の上昇運動に対する抵抗の増大が防止される。
【0019】
本実施形態によれば、前記オイルミスト用ブリーザ22に設けられた前記逆止弁26と、該逆止弁26の上流側に設けられた前記オリフィス28と、を有するので、前記燃料タンク14内の燃料が逆流するのが防止されると共に、前記逆止弁26を設けたことによる前記ピストン4に対する抵抗の増大が防止される。したがって、前記4サイクル内燃機関2の出力の低下を防止することができる。
また、本実施形態によれば、前記オリフィス28および前記逆止弁26は、前記管路P内の前記燃料タンク14近傍に設けられているので、前記オリフィス28の上流側で圧縮する空気の体積を大きくすることができ、前記ピストン4の上昇運動に対する抵抗を最小限とすることができる。
【0020】
更に、本実施形態においては、前記オリフィス28と前記逆止弁26とを互いに隣接して設け、前記クランク室8内の負圧によって前記弁部材26aが前記オリフィス28の前記下流側出口を閉じる構造となっているので、前記逆止弁26の構造を簡略化することができる。
【0021】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
本実施形態においては、前記4サイクル内燃機関2が、例えば、刈払機や背負式薬剤散布機に搭載され、傾倒姿勢や倒立姿勢とされるので、前記逆止弁26および前記オリフィス28が設けられているが、例えば、走行式薬剤散布機の車体に搭載される場合など、前記4サイクル内燃機関2が直立姿勢だけをとる場合には、前記逆止弁26は必要ない。また、前記ブリーザを前記燃料タンク14に連結することによって、前記ピストン4の上昇運動の際に抵抗が増す問題がなければ、前記オリフィス28を設ける必要はない。
【0022】
また、本実施形態においては、前記逆止弁26および前記オリフィス28が、前記オイルミスト用ブリーザ22の前記管路Pの長手方向において、前記燃料タンク14近傍に設けられており、圧縮する空気の体積を大きくする上で有利ではあるが、これらは、前記管路Pのいずれの位置に設けられていてもよい。
更に、前記逆止弁26は前記オリフィス28の下流側にあればよく、これらは互いに隣接して設けられている必要はない。
【0023】
更に、前記逆止弁26は、前記弁部材26aが前記クランク室8内の正負圧によって移動する形式に限らず、他の構造を有する逆止弁であってもよい。例えば、前記弁部材26aが前記オリフィス28の前記下流側出口に対して、コイルばねによって付勢されて閉じており、前記クランク室8内の正圧によって押し開かれるようになっていてもよい。
【0024】
更に、前記4サイクル内燃機関2においては、前記オイル室12内の潤滑オイルは、前記コイルばね34によってミスト化されるようになっているが、潤滑オイルをミスト化する手段は、これに限らず、例えば、前記コンロッド13に設けられたオイルディッパによってかきあげるようにしてもよい。
更に、前記4サイクル内燃機関2は、OHCタイプであるが、OHVタイプであってもよい。
【発明の効果】
本発明によれば、エアフィルタを汚すことのないオイルミスト用ブリーザを有する4サイクル内燃機関を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる4サイクル内燃機関の縦断面図である。
【図2】オイルミスト用ブリーザに設けられた逆止弁およびオリフィスの縦断面図である。
【符号の説明】
2 4サイクル内燃機関
4 ピストン(内部機構)
6 動弁室
7 カム式動弁機構(内部機構)
8 クランク室
13 コンロッド(内部機構)
14 燃料タンク
15 クランクシャフト(内部機構)
20 オイルミスト通路
22 オイルミスト用ブリーザ
26 逆止弁
26a 弁部材
28 オリフィス
P 管路

Claims (4)

  1. オイルミストをクランク室(8)近傍で生成し、オイルミストを前記クランク室(8)の側からオイルミスト通路(20)を介して動弁室(6)に流入させて、前記クランク室(8)および前記動弁室(6)の内部を潤滑する4サイクル内燃機関(2)であって、
    一端が前記動弁室(6)に連結され、他端が燃料タンク(14)に連結された管状のオイルミスト用ブリーザ(22)を有し、前記動弁室(6)を経たオイルミストは、前記オイルミスト用ブリーザ(22)内の管路(P)を介して前記燃料タンク(14)の中に吐出されることを特徴とする4サイクル内燃機関。
  2. 前記管路(P)に設けられて前記燃料タンク(14)の内部の燃料が逆流するとき、および、ピストン(4)の上昇運動中は閉じている逆止弁(26)と、前記管路(P)の内部において前記逆止弁(26)の上流側に設けられたオリフィス(28)と、を有することを特徴とする請求項に記載の4サイクル内燃機関。
  3. 前記オリフィス(28)および前記逆止弁(26)は、前記管路(P)の長手方向において、前記燃料タンク(14)の近傍に設けられていることを特徴とする請求項に記載の4サイクル内燃機関。
  4. 前記逆止弁(26)は、前記オリフィス(28)の前記燃料タンク(14)側に隣接して設けられ、前記オリフィス(28)の前記燃料タンク(14)側出口を閉じる弁部材(26a)を有することを特徴とする請求項2または3に記載の4サイクル内燃機関。
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