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JP4598223B2 - ホスゲンの製造方法およびポリカーボネート樹脂 - Google Patents
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JP4598223B2 - ホスゲンの製造方法およびポリカーボネート樹脂 - Google Patents

ホスゲンの製造方法およびポリカーボネート樹脂 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホスゲン化触媒として特定の活性炭を用いて四塩化炭素含有量の少ないホスゲンを製造する方法および該ホスゲンからのポリカーボネート樹脂に関する。更に詳しくは、充填密度0.420〜0.455g/ml、比表面積1200〜1300m2/g、細孔容積0.90〜1.00ml/g、粒密度0.65〜0.80g/ml、平均細孔径1.65〜1.95nmの活性炭(好ましくは椰子殻活性炭)を用いてホスゲンを製造し、次いで該ホスゲンを蒸留することを特徴とするホスゲンの製造方法および該ホスゲンを用いて製造されたポリカーボネート樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホスゲンを製造するにおいて、ホスゲン化触媒として活性炭を用いてホスゲンを製造する方法に関しては公知であると共に種々の製造方法が提案されている。
【0003】
例えば、特公昭55−14044号公報においては一酸化炭素/塩素のモル比を1.000程度で反応せしめて、四塩化炭素含有量250ppm程度のホスゲン製造する方法、特開昭62−297320号公報において四塩化炭素500ppm含有するホスゲンを蒸留してホスゲン中の四塩化炭素5ppmにする方法や特開平10−226724号公報においては塩素分子含有量500〜1000ppmのホスゲンを製造し、該ホスゲンを活性炭吸着する方法によってホスゲン中の塩素分子を少なくする方法が開示されている。しかし、何れの方法においても四塩化炭素と塩素分子含有量を各々単独で低減する方法であって、両者を同時に効率よく低減することは出来なかった。また、蒸留で残った四塩化炭素、の処理や塩素分子を吸着した活性炭を処理することが必須になり経済的にも負担が多く、地球環境への負荷も大きい。即ち、このような不純物の発生の少ないホスゲンの製造方法が望まれている。
【0004】
また、WO97/30932号公報には、特定条件で段階的に加熱した時の加熱減量が少なく、且つ金属含有量が1000ppm以下の活性炭を用いて、四塩化炭素の少ないホスゲンの製造方法が開示されている。しかしながら、かかる活性炭は、製造プロセスが複雑の上、活性炭の純度が高いため、触媒毒に敏感であり、触媒としての寿命が短い欠点があった。更に、かかる公報にはホスゲン中の塩素分子についても、何らの考慮がなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ホスゲン化触媒として充填密度0.420〜0.455g/ml、比表面積1200〜1300m2/g、細孔容積0.90〜1.00ml/g、粒密度0.65〜0.80g/ml、平均細孔径1.65〜1.95nmの活性炭を用いてホスゲンを製造することによって、驚くべきことに、四塩化炭素、塩素分子等(特に四塩化炭素)の含有量の少ないホスゲンが得られることまた、該ホスゲンを用いて製造したポリカーボネート樹脂が色相が良好であることを究明し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、四塩化炭素、塩素分子等(特に四塩化炭素)の含有不純物の少ないホスゲンを効率よく製造する方法および該ホスゲンからのポリカーボネート樹脂を提供するものである。
【0007】
即ち、本発明の第1の目的は、ホスゲン化触媒として充填密度0.420〜0.455g/ml、比表面積1200〜1300m2/g、細孔容積0.90〜1.00ml/g、粒密度0.65〜0.80g/ml、平均細孔径1.65〜1.95nmの活性炭を用いてホスゲンを製造し、次いで該ホスゲンを蒸留することを特徴とするホスゲンの製造方法によって達成される。第2の目的は、該ホスゲンを用いて製造されたポリカーボネート樹脂によって達成される。
【0008】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のホスゲンの製造に用いるホスゲン化触媒として、充填密度は0.420〜0.455g/mlであり、0.425〜0.450g/mlが好ましい。充填密度が0.420g/ml未満の場合は品質的には特に問題ないが、設備が極大化すると共に、設備費が増大するので好ましくない。0.455g/mlを越えると圧力損失が大きくなり、系内圧力上昇により高圧ガス規制法で生産量が制限されるので好ましくない。
【0009】
ホスゲン化触媒の比表面積は1200〜1300m2/gである。比表面積は1200m2/g未満の場合はホスゲン中の四塩化炭素含有量は少なく出来るが塩素分子含有量が多くなるので好ましくない。また、1300m2/gを越えると塩素分子含有量は少なく出来るが四塩化炭素含有量が多くなるので好ましくない。
【0010】
ホスゲン化触媒の細孔容積は0.90〜1.00ml/gである。細孔容積が0.90ml/g未満の場合はホスゲン中の四塩化炭素含有量は少なく出来るが塩素分子含有量が多くなるので好ましくない。1.00ml/gを越えるとホスゲン中の塩素分子含有量は少なく出来るが四塩化炭素含有量が多くなるので好ましくない。
【0011】
ホスゲン化触媒の粒密度は0.65〜0.80g/mlである。粒密度は0.65g/ml未満の場合は、ホスゲン中の塩素分子含有量は少なく出来るが四塩化炭素含有量が多くなるので好ましくない。0.80g/ml越えるとホスゲン中の四塩化炭素含有量は少なく出来るが塩素分子含有量が多くなるので好ましくない。
【0012】
ホスゲン化触媒の平均細孔径は1.65〜1.95nmが好ましい。平均細孔径1.95nmを越えるとホスゲン中の四塩化炭素含有量は少なく出来るが塩素分子含有量が多くなるので好ましくない。1.65nm未満は生産効率上悪くなるので好ましくない。
【0013】
ホスゲン化触媒に用いる活性炭は椰子殻が好ましく、石炭系の活性炭は産地によって品質のバラツキがあるので好ましくない。
【0014】
尚、本発明に用いる活性炭は十分乾燥行い、水分を少なくして用いることが好ましく、また、ホスゲンの原料である一酸化炭素はCOS、CS2、H2S等の硫黄化合物や水分などの不純物の少ない物を用いることが望ましい。
【0015】
本発明のホスゲンの製造方法の一例として、一酸化炭素(以下、COと略称する)と塩素(以下、Cl2と略称する)とを反応熱を除去するための機能を有し、且つ、反応塔の周方向に1箇所以上、及び反応塔の高さ位置の異なる1箇所以上の箇所に塩素導入口を設けた反応塔で反応させる方法があげられる。この反応塔の周方向の塩素導入口は1箇所以上であるが1〜10箇所が好ましく、2〜5箇所がより好ましい。導入箇所10箇所以内にすると装置が簡便で経済的に有利である。また、反応塔の高さ位置の異なる塩素導入口は2箇所以上であるが、3〜10箇所が好ましく、3〜6箇所がより好ましい。
【0016】
また、反応塔は2段以上の多段の反応槽で行うことが好ましい。この多段の反応槽は2〜10段が好ましく、2〜6段がより好ましく、3〜4段が最も好ましい。その4段の例として、反応熱を除去するための機能を有した装置に活性炭の総比表面積を第4反応槽の総比表面積に対し20〜40%の活性炭を充填した第1反応槽、反応熱除去するための機能を有した装置に活性炭の総比表面積を第4反応槽の総比表面積に対し40〜60%の活性炭を充填した第2反応槽、反応熱を除去するための機能を有した装置に活性炭の総比表面積を第4反応槽の総比表面積に対し70〜80%の活性炭を充填した第3反応槽、反応熱を除去するための機能を有した装置に活性炭のみを充填した第4反応槽を直列に接続した構成があげられる。更に塩素分子含有量を低くするためには、第4反応槽の後に反応熱を除去するための機能を有し、金属アンチモンを充填した槽を設けるとよい。この金属アンチモン充填槽の後に、一般的には−20℃のブラインを通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホスゲン貯槽を設ける。これらの装置を直列に接続し、第1反応槽から、COとのモル比(CO/Cl2のモル比)が1.015以上になるようにCOとCl2ガスを通気することによって得られる。より四塩化炭素の生成量を少なくする方法としてはCOとCl2ガスの通気量を少なくし、槽内での発熱量を少なくすればよい。更に少なくするにはホスゲンを蒸留分離する方法があるが蒸留分離する方法では塩素分子含有量を下げる効果は殆どない。また、CO/Cl2のモル比が高い方が金属アンチモンを少なくして塩素分子含有量を少なくできるがCO/Cl2のモル比が高過ぎると収率が低下するので、CO/Cl2のモル比は1.015〜1.060の範囲が好ましく、1.020〜1.045の範囲がより好ましい。
【0017】
CO/Cl2のモル比が1.015〜1.060の範囲であるとホスゲン中の塩素分子含有量が少なく、ポリカーボネート樹脂の色相が良くなると共に揮発性ガスの発生が少なくなる。
【0018】
ホスゲンの蒸留は、単蒸留ないし蒸留段数が数段の蒸留装置を用いて行う。例えば、ウイドマー精留管を用いて蒸留する方法、スルーザーパッキングを充填した蒸留塔(理論段数数段)を用いて精留する方法等があげられる。
【0019】
本発明の方法で得られたホスゲンは品質に優れているので、ポリカーボネート樹脂やイソシアネート及び染料等の製造に好適に用いることができ、特にポリカーボネート樹脂の製造に極めて好適である。
【0020】
かかるポリカーボネート樹脂は通常二価フェノールとホスゲンとを界面重合法で反応させて得られたもの、またはホスゲンを原料としたジアリルカーボネートと二価フェノールを用いて溶融重合法で反応させて得られたものである。特に界面重合法で反応させて得られたポリカーボネート樹脂の製造に、極めて好適である。
【0021】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0022】
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種の二価フェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0023】
上記二価フェノールとホスゲンを界面重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用する。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂にすることもできる。
【0024】
二価フェノールとホスゲンとの反応には、酸結合剤および有機溶媒の存在させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0025】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0026】
【化1】
Figure 0004598223
【0027】
[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直鎖又は分岐のアルキル基、或いはフェニル基置換アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。]上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノール等1ケの水酸基を有するフェノール化合物がが挙げられる。
【0028】
このようにして界面重合反応によって得られるポリカーボネート溶液は電解物質が無くなるまで有機相を洗浄し、最終的には有機相から溶媒を除去して、粒状体、フレーク等の固形物とし、この固形物を乾燥してポリカーボネート樹脂が得られるが一般的には乾燥した固形物を溶融押出しし、ペレット化した物を成形用に好ましく供される。
【0029】
成形用に供されるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は10,000〜100,000程度であり、好ましくは11,000〜45,000程度であり、光ディスク用のポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で10,000〜22,000が好ましく、12,000〜20,000がより好ましく、13,000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料として十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。
【0030】
シリコンウエハー等の精密機材収納容器に用いられるポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で14,000〜30,000が好ましく、14,500〜25,000がより好ましく、15,000〜24,000がさらに好ましい。かかる粘度平均分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、一定の機械的強度を有し成形時の流動性も良好であり好ましい。
【0031】
上記ポリカーボネート樹脂に離型剤、帯電防止剤、増白剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤(耐候剤)、抗菌剤等の改質改良剤を適宜添加して用いることができる。
【0032】
【実施例】
以下実施例にしたがって、本発明を具体的に説明するが本発明の要旨を越えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。尚、評価は次に示す方法で行った。
(1)活性炭の充填密度の測定
JISK−1474記載の方法に従って測定した。
(2)活性炭の比表面積の測定
BET式窒素ガス吸着法で測定した。
(3)活性炭の細孔容積、粒密度、平均細孔径の測定
水銀圧入法で測定した。
(4)ホスゲン中の四塩化炭素の測定
得られたホスゲン1μlを電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ装置(日立製作所製)に注入し測定した。
(5)ホスゲン中の塩素分子含有量の測定
得られたホスゲンを100gサンプリングし、これを気化させて、NaOH溶液に吸収させて、NaClOとして酸化還元滴定し、その絶対量を測定して、ホスゲン中の塩素含有量とした。
【0033】
[比較例1]
反応熱を除去する機能を有した多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チューブ側に充填密度0.400g/ml、比表面積1400m2/g、細孔容積1.10ml/g、粒密度0.60g/ml、平均細孔径16.0nmの椰子殻活性炭50kgを充填した反応槽の後に−25℃のブラインを通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホスゲン貯槽を設け、これらの装置を直列に接続し、反応槽から、CO/Cl2のモル比1.010になるようにCO10.10m3/HrとCl2ガス10.00m3/Hrを通気して液化ホスゲンを得た。このホスゲン中の塩素分子15ppm、四塩化炭素含有量135ppmであった。得られたホスゲンの評価結果を表1にまとめた。
【0034】
[比較例2]
反応熱を除去する機能を有した多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チューブ側に充填密度0.480g/ml、比表面積1100m2/g、細孔容積0.85ml/g、粒密度0.85g/ml、平均細孔径20.3nmの椰子殻活性炭50kgを充填した反応槽の後に−25℃のブラインを通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホスゲン貯槽を設け、これらの装置を直列に接続し、反応槽から、CO/Cl2のモル比1.020になるようにCO10.20m3/HrとCl2ガス10.00m3/Hrを通気して液化ホスゲンを得た。このホスゲン中の塩素分子8ppm、四塩化炭素含有量70ppmであった。得られたホスゲンの評価結果を表1にまとめた。
【0035】
[実施例1]
反応熱を除去する機能を有した多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チューブ側に充填密度0.430g/ml、比表面積1300m2/g、細孔容積0.98ml/g、粒密度0.69g/ml、平均細孔径17.0nmの椰子殻活性炭50kgを充填した反応槽の後に−25℃のブラインを通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホスゲン貯槽を設け、これらの装置を直列に接続し、反応槽から、CO/Cl2のモル比1.020になるようにCO10.20m3/HrとCl2ガス10.00m3/Hrを通気して液化ホスゲンを得た。このホスゲン中の塩素分子4ppm、四塩化炭素含有量64ppmであった。この液化ホスゲンを住友重機械工業(株)製スルーザーパッキングを充填した蒸留塔(理論段数6)を用いて還流比0.4、ホスゲンフィード温度31.0℃、塔頂温度27.0℃の条件で精留した。得られたホスゲンの評価結果を表1にまとめた。
【0036】
次に、かかるホスゲンを用いてポリカーボネート樹脂を製造した。温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器にイオン交換水219.4部、48%水酸化ナトリウム水溶液40.2部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン57.5部およびハイドロサルファイト0.12部を溶解した後、塩化メチレン181部を加え、撹拌下15〜25℃で上記ホスゲン28.3部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液7.2部およびp−tert−ブチルフェノール2.42部を加え、撹拌を始め、乳化後トリエチルアミン0.06部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けたニーダーにて塩化メチレンを蒸発して、粘度平均分子量15,100のポリカーボネート樹脂パウダーを得た。このパウダーを145℃、6時間乾燥し、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.004重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.06重量%加えた。次に、かかるパウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度240℃、ベントガス吸引度−667Paで脱気しながら溶融混練し、ペレットを得た。このペレットは、色相が良好であった。
【0037】
[実施例2]
反応熱を除去する機能を有した多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チューブ側に充填密度0.450g/ml、比表面積1200m2/g、細孔容積0.91ml/g、粒密度0.78g/ml、平均細孔径18.5nmの椰子殻活性炭50kgを充填した反応槽の後に−25℃のブラインを通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホスゲン貯槽を設け、これらの装置を直列に接続し、反応槽から、CO/Cl2のモル比1.020になるようにCO10.20m3/HrとCl2ガス10.00m3/Hrを通気して液化ホスゲンを得た。このホスゲン中の塩素分子5ppm、四塩化炭素含有量61ppmであった。この液化ホスゲンを住友重機械工業(株)製スルーザーパッキングを充填した蒸留塔(理論段数6)を用いて還流比0.4、ホスゲンフィード温度31.0℃、塔頂温度27.0℃の条件で精留した。得られたホスゲンの評価結果を表1にまとめた。
【0038】
次に、かかるホスゲンを用いてポリカーボネート樹脂を製造した。実施例1のポリカーボネート樹脂を製造するにおいて、p−tert−ブチルフェノール1.55部に変更した以外は実施例1と同じ方法で行い、粘度平均分子量23,500のポリカーボネート樹脂ペレットを得た。得られたペレットは、色相が良好であった。
【0039】
【表1】
Figure 0004598223
【0040】
【発明の効果】
本発明は、四塩化炭素、塩素分子等(特に四塩化炭素)の含有不純物の少ないホスゲンを効率よく製造できるのでポリカーボネート樹脂、イソシアネート、医薬及び染料等広範囲の分野の原料として好適である。特にポリカーボネート樹脂の製造に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. ホスゲン化触媒として充填密度0.420〜0.455g/ml、比表面積1200〜1300m/g、細孔容積0.90〜1.00ml/g、粒密度0.65〜0.80g/ml、平均細孔径1.65〜1.95nmの活性炭を用いてホスゲンを製造し、次いで該ホスゲンを蒸留することを特徴とするホスゲンの製造方法。
  2. 活性炭が椰子殻活性炭である請求項1記載のホスゲンの製造方法。
  3. 請求項1または2のいずれか1項記載の製造方法によってホスゲンを製造し、製造されたホスゲンと二価フェノールとを反応させるポリカーボネート樹脂の製造方法。
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