JP4601366B2 - 医療用粘着シート類およびその製造方法 - Google Patents
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また、前記相溶可能成分が、炭素数8〜18の一塩基酸または炭素数8〜18の多塩基酸と、炭素数14〜18の分岐アルコールとのエステル、及び/又は、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸と、4価以下のアルコールとのエステルであることができる。
また、前記粘着層は、前記アクリル系重合体の40〜80重量%が不溶化されていることができる。
また、前記ウレタン−アクリル複合樹脂は、ウレタン−アクリル複合水分散物を調整した後、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする、ポリマーのガラス転移温度が273K以上となる非粘着化用単量体を加え、重合処理することにより得られることが好ましい。
炭素数が8未満の一塩基酸又は多塩基酸を用いると、医療用具、医療機器等への移行性が高くなることがあり、炭素数が18より大きい一塩基酸又は多塩基酸を用いると、アクリル系重合体との相溶性が低下して良好な粘着特性が得られないことがあるので、炭素数が8〜18の一塩基酸又は多塩基酸を用いることが好ましい。また、炭素数が14未満の分岐アルコールであって、室温で液状のものを用いると、支持層が無可塑塩化ビニルのように可塑剤が移行しやすい素材である場合には移行することがあり、炭素数が18より大きい分岐アルコールを用いると、アクリル系重合体との相溶性が低下することがあるので、炭素数が14〜18の分岐アルコールを用いることが好ましい。
200%未満の伸びを有する支持層は相溶可能成分の移行が少なく膨化変形しないが、皮膚等への追従性等の特性に劣る。一方、一般的によく伸びる支持層は相溶可能成分を吸収して膨化変形し易い。ところが、よく伸びる支持層を形成するベース樹脂に、予め、相溶可能成分を配合することによって、支持層の膨化変形を防ぐことができる。この場合、支持層に配合する相溶可能成分の量は、支持層の吸収量と粘着剤への添加量等によって適宜決定されるが、例えば、粘着剤に配合する相溶可能成分の量の70%以下(但し、0%より多い)であることが必要であり、10%以上、50%以下であることが好ましい。支持層における相溶可能成分の配合量が多くなりすぎると、支持層の強度が低下し、粘着シート類に必要な強度が得られず、取り扱い性が低下し、一方、相溶可能成分を配合しない場合には、膨化変形を防ぐことができず、粘着シート類の加工性が低下する。本発明においては、支持層に配合する相溶可能成分は、特に限定されないが、支持層内の相溶可能成分が、粘着剤に悪影響を与えないようにするためには、粘着剤に配合する相溶可能成分と同一組成のものを配合することが好ましい。
また、高分子のポリオールとしてはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどがある。ポリエ−テルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物が挙げられる。その他、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオールポリカーボネートジオールなどがある。アクリルポリオールとしてはヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有するモノマーの共重合体の他、水酸基含有物とアクリル系モノマーとの共重合体などが挙げられる。エポキシポリオールとしてはアミン変性エポキシ樹脂などがある。
これらのポリオール類は単独あるいは併用して使用することができる。
これらのポリイソシアネート類は単独あるいは併用で使用することができる。ポリオールと速やかに反応し、また、水との反応性が低い脂環式のものを使用することが特に好ましく、例えば脂環式ジイソシアネートが挙げられる。
また、工程bにおける非粘着化用単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、ポリマーのガラス転移温度が273K以上、好ましくは300K以上となるものが好ましく用いられる。アクリル成分としては、これら以外の共重合可能な単量体を使用することができる。
すなわち、(イ)剥離処理を施した剥離フィルム(剥離材)の剥離処理面に、支持層を形成するベース樹脂に相溶可能成分及び必要に応じて添加剤等を配合して押出し成形等により支持層を形成する。別途、剥離処理を施した剥離フィルム(剥離材)の剥離処理面に、アクリル系重合体と相溶可能成分及び必要に応じて添加剤等を配合した粘着層用塗布液を塗布し、粘着層を形成する。得られた支持層と粘着層とを貼りあわせることによって、支持層の少なくとも一方の面に粘着層を有する医療用粘着シート類を製造することができる。
あるいは、(ロ)剥離処理を施した剥離フィルム(剥離材)の剥離処理面に、支持層を形成するベース樹脂に相溶可能成分及び必要に応じて添加剤等を配合して押出し成形等により支持層を形成する。この支持層の片面又は両面に、アクリル系重合体と相溶可能成分及び必要に応じて添加剤等を配合した粘着層用塗布液を塗布し、粘着層を形成する。このようにして支持層の少なくとも一方の面に粘着層を有する医療用粘着シート類を製造することができる。
また、粘着層は、架橋未処理のアクリル系重合体と相溶可能成分等を配合し、支持層の少なくとも一方の面に直接塗布、乾燥するか、予め剥離ライナー上に塗布、乾燥したものを支持層に貼り合わせた後、未架橋のアクリル系重合体の40〜80重量%が不溶性となるように、架橋処理が施されていることが好ましい。この架橋方法としては、物理的処理、化学的処理等、任意の方法が選択される。また、塗布方法も適当な塗布方法が選択される。乾燥条件は、塗布膜に発泡やひび割れ等が発生しないような条件を適宜選択して、また、塗布表面から乾燥して皮バリ状態にならないように、剥離フィルム(剥離材)側から加熱する等の方法によって、塗布膜を乾燥させることが好ましい。
なお、使用時まで剥離フィルムを保持することにより、粘着層面を保護することができる。
(1)引張試験
相溶可能成分を含有しない状態の支持層材料を用い、断面積が約1mm2となるようにして長さ50mmの試験片を作製した。この試験片について、引張試験機(「オートグラフAGS−50D型」、株式会社島津製作所製)を用い、チャック間距離20mm、引張速度300mm/分で引張り試験を行い、試験片が破断したときの長さを測定し、下記式に基づいて、試験片の伸びを求めた。
伸び(%)={試験片の破断時の長さ(mm)/20(mm)}×100
加熱によって架橋反応を完結させた粘着シート類を、トムソン刃を用いて打ち抜き加工を行った。この打ち抜き加工を施した粘着シート類の外観を肉眼で観察し、下記基準に基づいて加工適性の評価を行った。
評価基準:
「○」 打ち抜き刃と同一寸法の粘着シート類が得られた場合
「×」 切断面に部分的なズレが生じ、打ち抜き刃と異なる寸法の粘着シート類が得られた場合
粘着シート類を作製した直後に、50mm×50mmの大きさに切断して一辺の長さを測定する(ここでは「初期値」と表記する)。この切断した粘着シート類を、60℃で3日間保持した後、一辺の長さを測定し(ここでは「保存後の値」と表記する)、下記式に基づいて、粘着シート類の変形率を算出した。
変形率(%)=[(保存後の値−初期値)/初期値]×100
<粘着層の形成>
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸2-エチルヘキシル95部及びアクリル酸5部からなる単量体混合物を重合し、アクリル酸エステル系重合体を作製した。得られたアクリル酸エステル系重合体100部、ミリスチン酸イソプロピル40部、及び、三官能性イソシアネート(「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)0.06部を、酢酸エチル中で混合し、粘着剤溶液を調製した。得られた粘着剤溶液をポリエステル製の剥離ライナー上に、乾燥後の厚みが60μmとなるように塗布し、110℃で5分間乾燥させて、粘着層を形成した。
数平均分子量3,000のポリプロピレングリコール100部に、アクリル酸ブチル45部、アクリル酸エチル45部およびアクリル酸10部からなる単量体混合物と、水酸基を有する連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール2部と、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.1部とを添加し、窒素気流下、60℃で4時間、重合反応を行って、ポリプロピレングリコールと、数平均分子量が7,500のアクリルポリマーとの混合物からなる粘稠な液体を得た。
得られた支持層に得られた粘着層を転写して医療用粘着シート類を作製した。
実施例1において、ミリスチン酸イソプロピルの配合量を60部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着層を作製した。
ウレタン樹脂ペレット100部に対し、ミリスチン酸イソプロピルを10部(粘着剤に配合したミリスチン酸イソプロピルの量の16.7%に該当)配合し、230℃で溶融押出しを行い、厚さ30μmの均一なフィルム(支持層)を作製した。ただし支持層は、ミリスチン酸イソプロピルを含有しない状態でのフィルムの伸びが550%であった。
次に、実施例1と同様にして、支持層に粘着層を転写して、医療用粘着シート類を作製した。得られた粘着シート類等について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、相溶可能成分としてミリスチン酸イソプロピルの替わりに、トリオレイン酸ソルビタンを50部配合した以外は実施例1と同様にして、粘着層を形成した。
厚み50μmのEVAフィルムをトリオレイン酸ソルビタンに50℃で3日間浸漬し、トリオレイン酸ソルビタンを5部(粘着層に配合したトリオレイン酸ソルビタンの量の10%に該当)含有した支持層を形成した。ただし、トリオレイン酸ソルビタンに浸漬する前の状態のEVAフィルムの伸びは500%であった。
次に、実施例1と同様にして、支持層に粘着層を転写し、医療用粘着シート類を作製した。得られた粘着シート類等について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、ミリスチン酸イソプロピルをトリオレイン酸ソルビタン60部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着層を作製した。
実施例1において、ミリスチン酸イソプロピルをトリオレイン酸ソルビタン33部に変更した以外は実施例1と同様にして、フィルムを作製した。ただし支持層は、トリオレイン酸ソルビタンを含有しない状態でのフィルムの伸びが400%であった。
次に、実施例1と同様にして、支持層に粘着層を転写して、医療用粘着シート類を作製した。得られた粘着シート類等について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、ウレタン−アクリル複合水分散体に配合したミリスチン酸イソプロピルの量を40部(粘着層に配合したミリスチン酸イソプロピルの量の100%に該当)に変更した以外は実施例1と同様にして、医療用粘着シート類を作製した。
得られた粘着シート類について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2において、ウレタン−アクリル複合水分散体に配合したミリスチン酸イソプロピルの量を50部(粘着層に配合したミリスチン酸イソプロピルの量の83.3%に該当)に変更した以外は実施例1と同様にして粘着シート類を作製しようとしたが、支持層に欠陥(穴)が生じ、粘着シート類を得ることができなかった。
実施例3において、EVAフィルムをトリオレイン酸ソルビタンに浸漬させずに支持層を形成した以外は実施例3と同様にして、医療用粘着シート類を作製した。
得られた粘着シート類について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
一方、比較例1及び3の粘着シート類は、変形率が高く、加工適性に劣ったものであることが分かった。また、比較例2では、支持層の形成において欠陥が生じ、粘着シート類を得ることができなかった。
Claims (5)
- 支持層の少なくとも一方の面に粘着層を有する粘着シート類であって、該粘着層は、アクリル系重合体100重量部と、該アクリル系重合体と相溶可能な室温で液状もしくはペースト状である相溶可能成分30〜100重量部とを主成分として有する粘着剤を用いて形成されたものであり、前記支持層は、該アクリル系重合体と相溶可能な室温で液状もしくはペースト状である相溶可能成分を含有し、前記支持層に含有される相溶可能成分の量が前記粘着層に含有される相溶可能成分の量の70%以下であり、かつ、該相溶可能成分を含まない状態で200%以上の伸びを有し、前記粘着層および前記支持層に含有される前記相溶可能成分が、それぞれ独立に、炭素数8〜18の一塩基酸または炭素数8〜18の多塩基酸と、炭素数14〜18の分岐アルコールとのエステル、及び/又は、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸と、4価以下のアルコールとのエステルであり、前記支持層が、ウレタン−アクリル複合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、または、ウレタン樹脂を含有する樹脂組成物から形成されることを特徴とする医療用粘着シート類。
- 前記支持層に含有される相溶可能成分と、前記粘着層に含有される相溶可能成分とが、同一組成であることを特徴とする請求項1記載の医療用粘着シート類。
- 前記粘着層は、前記アクリル系重合体の40〜80重量%が不溶化されていることを特徴とする請求項1から2のいずれか1項記載の医療用粘着シート類。
- 前記支持層が、ウレタン−アクリル複合樹脂を含有する樹脂組成物から形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の医療用粘着シート類。
- 前記ウレタン−アクリル複合樹脂が、ウレタン−アクリル複合水分散物を調整した後、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする、ポリマーのガラス転移温度が273K以上となる非粘着化用単量体を加え、重合処理することにより得られることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の医療用粘着シート類。
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