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JP4603147B2 - 模擬弾丸を有する空包 - Google Patents
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JP4603147B2 - 模擬弾丸を有する空包 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、実包射撃をすることなく、砲弾射撃演習や公開演習の射撃をするための空包に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空包は、火砲による砲弾射撃演習や公開演習の射撃のデモンストレーションの際に、実包を用いることなく、実包射撃さながらの射撃音を発生させて臨場感を得るために使用されるものである。
【0003】
実包射撃には、図3に示すように、火砲2の砲筒25へ繋がる薬室24の先細り内錘形の内錘斜面に、実包40の薬莢38の外壁錘があたるように装填される。発射薬の充填された薬莢38の先端には、弾丸39が挿入されている。火砲2砲尾の閉鎖器22を閉じた後、発射薬の燃焼により発生した燃焼ガスの圧力で弾丸39が発射される。弾丸39の発射の強い反作用により、薬莢38は外部へ排出される。すぐさま次弾の実包を装填して、連続射撃を行う。
【0004】
空包射撃には、実包射撃と同じ火砲2が使用される。従来の空包30は、同図の実線で示すように、実包の薬莢38の上半部を切除した短い薬莢33に小量の発射薬35が充填されている。実包射撃に似た発射音を発生させるため、密閉性と圧力とを保持する相当量のフェルト36が発射薬35を覆っている。薬莢33先端には、プラスチックやコルクや紙で形成された軽量な空包栓37が挿入されている。射撃の際、薬室24内に空包30を装填し、薬莢33のフランジ32を火砲2に係合させ、砲尾を閉鎖器22で閉鎖する。薬莢33の火管31により発射薬35が燃焼して燃焼ガスを発生する。そのとき射撃音が発生すると同時に、衝撃で破断したフェルト36や空包栓37の小片は、燃焼ガスの圧力で砲筒25先端から吐出され飛散する。
【0005】
この破断小片が思いもよらない距離や方向に飛散し、その小片尖先は公開演習の観客等に当たる虞があるので、空包射撃をする場所は広大な演習場に限定されてしまう。そのうえ破断小片は、その回収が面倒であり、残留してしまうと環境保全の面から問題となる。
【0006】
この破断小片が軽量でありまた空包30の発射薬量が少量であるので、たとえ破断小片は火砲前方の器物等に衝突しても損壊させるほどの威力がない。その反面、軽量な空包栓37が破断して吐出されるだけでは、実包の弾丸発射のような強い反作用を生じないので、薬莢33が薬室24内に残存してしまう。薬莢33を取除く操作は、煩雑なうえ連続射撃の妨げとなってしまう。
【0007】
さらにこの空包30は実包40に比べ短くて軽いため、長くて重い実包40の使用を想定した射撃演習には不適当である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、実包とほぼ同じの重量と形状とを有し、実包射撃と同様な、射撃音と操作性とが得られるうえ、安全に連続して射撃でき、さらに火砲内外にほとんど残渣を残留さない、簡便な空包を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の空包は、実施例に対応する図面を参照して説明すると、以下のとおりである。
【0010】
本発明の空包1は、図1に示すとおり、薬室24の内壁が先細りの内錘形を形成している火砲2に装填される空包であって、該内錘と適合する先細りの外錘形を形成した焼尽性薬莢筒体14が金属製莢底13により塞がれ、該薬莢筒体14に充填されて火管11と接触している発射薬15が押え蓋16で覆われ、流動性物質17の入ったボトル18からなる模擬砲弾19が該薬莢筒体14の先端を閉塞しつつ該押え蓋16を押えつけている。
【0011】
ボトル18は、内面側が樹脂でコーティングされた厚紙で成型されたものであることが好ましい。この樹脂は例えば生分解性樹脂、耐水性樹脂が用いられる。
【0012】
流動性物質17が、水および水溶液のいずれかの液体、水と砂とからなるスラリー、澱粉および寒天およびカルボキシメチルセルロースのいずれかと炭酸カルシウムと水とからなるゲル、澱粉およびタルクのいずれかの粉体、穀類および固形肥料および生分解性樹脂のいずれかの粒体から選ばれる一種類であることが好ましい。経済性の観点から流動性物質17が水であると一層好ましい。
【0013】
ボトル18や流動性物質17を形成するこれらの材質はいずれも無害である。空包射撃の際、砲筒25の先端から砲外へ吐出する模擬弾丸19の破裂したボトルやその破断小片、および砲外へ出たボトルから流出する流動性物質は、地上に落下する。それらのうち例えば水はそのまま大地に吸収され、紙や澱粉や生分解性樹脂等の有機物は微生物によって分解されて大地に吸収される。そのため空包射撃後に模擬砲弾19やその破断小片を回収したり清掃したりする必要がなく、環境保全上も問題はない。
【0014】
空包の発射薬15は実包の発射薬と、同種の速燃性物質を同量用いることが好ましい。これの燃焼により、実包射撃と同様な音響や振動の効果、および充分な圧力の燃焼ガスが得られる。
【0015】
この空包1の重量および形状は、実包40(図3参照)とほぼ同じである。
【0016】
空包1の模擬弾丸19が十分な重量を有しているため、模擬弾丸19発射の強い反作用が得られる。この反作用により莢底13が排出されるので、迅速かつ簡便に次弾の空包の装填ができる。
【0017】
一方、模擬弾丸19は砲筒25内で旋転されながら砲外へ発射される。燃焼の衝撃により破裂したボトル18の裂け目から流動性物質17を振り撒きながら、模擬砲弾19は至近距離に落下するので、安全である。
【0018】
薬莢筒体14や押え蓋16は、燃焼性が高く残渣の残らない焼尽性の材質であるニトロセルロースを主成分とした成型原材を圧搾成型したものを用いることが好ましい。空包射撃の際、発射薬15の燃焼熱により、薬莢筒体14や押え蓋16は残渣を残すことなく完全燃焼する。そのため火砲2内の清浄が維持される。
【0019】
押え蓋16は、空包1の製造途中を示している図2のとおり、焼尽性円板であって、円板の中心から外周に向かって切り込み21が設けられていることが好ましい。押え蓋16は、切り込み21を捲き込んで笠状にして、先細りになっている薬莢筒体14の上端の開口から挿入された後、自らの復元力により円板状に戻って、発射薬15を覆う。捲き込み難い厚めの押え蓋1枚を用いるよりも、捲き込み易い薄めの複数枚の押え蓋を用いる方が好ましい。作業効率がよいうえ、発射薬着火時の密閉性と発射薬燃焼開始直後の圧力保持性とを一層高めることができるからである。これにより実包射撃時と同音量の射撃音と、模擬弾丸19を発射するのに充分な燃焼ガスの圧力とが得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明を適用する空包1の実施例を示す正面部分断面図である。
【0021】
この空包1は、薬室24の内壁が先細りの内錘形を形成している火砲2に装填されて使用されるものである。
【0022】
この空包1は、焼尽性薬莢筒体14と、この薬莢筒体14に接続されその下端を塞いでいる金属製莢底13と、この薬莢筒体14に挿入されその上端を塞いでいる模擬弾丸19とからなっている。
【0023】
焼尽性薬莢筒体14の外壁が、薬室24の内錘斜面にあたる、先細りの外錘形を形成している。焼尽性薬莢筒体14は、ニトロセルロースを主成分としパルプ、粘結剤を含む成型原材を圧搾成型したものである。この薬莢筒体14の下端は、わずかに絞られ、莢底13に接続されている。薬莢筒体14と莢底13とが接着剤で接着されることにより、薬莢筒体14の下端は塞がれている。
【0024】
莢底13の中央に螺子穴があけられている。火管11が、この螺子穴に螺合して莢底13を貫通している。莢底13の外周にはフランジ12が設けられている。
【0025】
焼尽性薬莢筒体14には多少の余裕をもって発射薬15が充填されている。発射薬15は火管11と接触している。発射薬15には、円板状の重なった3枚の押え蓋16が覆っている。押え蓋16はニトロセルロースを主成分とする前記の成型原材を圧搾成型した円板であって、その円板の中心から外周に向けて設けられた半径長の切り込み21を有している。押え蓋16の径は、焼尽性薬莢筒体14の中ほどで均等になっている内径とほぼ同じである。切り込み21を捲き込んで笠状にした3枚目の押え蓋16が、焼尽性薬莢筒体14へ挿入されている途中を示す図2のとおり、3枚の押え蓋16は、各々切り込み21を少しずつずらして重なり合わされている。
【0026】
内面側を耐水性の樹脂でコーティングされた厚紙で成型されたボトル18に、流動性物質17である水の充満された模擬弾丸19が、焼尽性薬莢筒体14の上端に挿入されている。ボトル18の底面が押え蓋16を押えつけている。ボトル18と焼尽性薬莢筒体14とが、接着剤で接着されている。ボトル18の頂端にあいた水の注入口は、生分解性樹脂や耐水性樹脂またはコルクでできたボトル栓20により、封鎖されている。
【0027】
ボトル18に流動性物質17が充満されていると、空包1の模擬弾丸19の重量と実包40の弾丸39の重量とは近似する。焼尽性薬莢筒体14と金属製莢底13とで、実包用の薬莢38とほぼ同じ形状を形成している。また空包1の重量および形状は、実包40とほぼ同じである(図3参照)。
【0028】
この空包1は以下のようにして使用される。
先ず、空包1を薬室24へ装填する。火砲2の砲尾に設けられた溝にフランジ12を係合させ、閉鎖器22により砲尾を閉鎖する。焼尽性薬莢筒体14の先細りとなっている外壁錘が、薬室24の先細りの内錘形の内錘斜面と適合してあたる。電気発火式の火管11に接触する電極(不図示)から電流を流す。すると火管11が発火し、発射薬15の燃焼を誘起する。
【0029】
この燃焼により発生した燃焼ガスが、薬莢筒体14内部の圧力を上昇させ、遂には押え蓋16を破断するとともに、模擬弾丸19を発射させる。その衝撃でボトル18の一部が破裂した模擬弾丸19は、燃焼ガスの圧力により砲筒25内を旋転しながら突き進み、砲外へ出る。模擬砲弾19の旋転により、ボトル18の裂け目から水が振り撒かれる。すると、模擬弾丸19の運動エネルギーは急速に失われる結果、模擬弾丸19は急激に減速し至近距離に落下する。振り撒かれた水や、破裂したボトルあるいはその破断小片は、軽くて運動エネルギーも小さいので器物等に衝突しても損壊させることがなく、遠くまで飛散しない。
【0030】
焼尽性薬莢筒体14や破断した押え蓋16は、完全燃焼する。その結果、残渣が残留しないので火砲2内の清浄が維持される。さらに薬莢筒体14や押え蓋16は、発射薬に比較し燃焼温度が低いため、火砲2内の過剰な温度上昇を抑制している。
【0031】
空包1の模擬弾丸19が、十分な重量を有しているため、実包射撃の場合と同程度の模擬弾丸19発射の強い反作用を生じる。この反作用により莢底13が排出される。すぐさま次弾の空包1を薬室24へ装填し、安全かつ迅速に同様の操作が繰返され、連続射撃が行なわれる。
【0032】
なお、ボトル18には予め水17を充満させておいてもよいが、使用直前に現場近傍で充満させてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の空包は、実包とほぼ同じの重量と形状とを有しているので、実包の使用を想定した演習に使用することができる。この空包は、実包射撃の場合と同様な操作により、実包さながらの射撃音が得られる。また、安全に連続して射撃することができる。さらに、火砲内外に残渣のほとんど残留しないため、回収や清掃の必要がない。この空包は簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する空包の実施例を示す正面部分断面図である。
【図2】本発明を適用する空包を製造している途中を示す図である。
【図3】本発明を適用外の空包の正面部分断面図である。
【符号の説明】
1は空包、2は火砲、11は火管、12はフランジ、13は莢底、14は焼尽性薬莢筒体、15は発射薬、16は押え蓋、17は流動性物質、18はボトル、19は模擬弾丸、20はボトル栓、21は切り込み、22は閉鎖器、24は薬室、25は砲筒、30は空包、31は火管、32はフランジ、33は薬莢、35は発射薬、36はフェルト、37は空包栓、38は薬莢、39は弾丸、40は実包である。

Claims (4)

  1. 薬室の内壁が先細りの内錘形を形成している火砲に装填される空包であって、該内錘と適合する先細りの外錘形を形成した焼尽性薬莢筒体が金属製莢底により塞がれ、該薬莢筒体に充填されて火管と接触している発射薬が押え蓋で覆われ、流動性物質の入ったボトルからなる模擬砲弾が該薬莢筒体の先端を閉塞しつつ該押え蓋を押えつけていて、該ボトルは、内面側が樹脂でコーティングされた厚紙で成型されたものであることを特徴とする空包。
  2. 該樹脂が、生分解性樹脂、及び耐水性樹脂から選ばれる樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の空包。
  3. 該流動性物質が、水および水溶液のいずれかの液体、水と砂とからなるスラリー、澱粉および寒天およびカルボキシメチルセルロースのいずれかと炭酸カルシウムと水とからなるゲル、澱粉およびタルクのいずれかの粉体、穀類および固形肥料および生分解性樹脂のいずれかの粒体から選ばれる一種類であることを特徴とする請求項1に記載の空包。
  4. 該押え蓋は、焼尽性円板であって、該円板の中心から外周に向かって切り込みが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空包。
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