JP4606682B2 - 昇圧されたワード線電圧のプロセス変動を最小限にするワード線ブースタのためのトリミング方法およびシステム - Google Patents
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Description
【技術分野】
この発明は一般に不揮発性記憶装置に関し、より特定的には、フラッシュ電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)のワード線に読出動作中に印加される昇圧された電圧レベルを制御する方法およびシステムに関する。
【0002】
【背景技術】
フラッシュメモリは、連続する電力がない状態で情報を記憶し、非常に小型に構成できるため、人気の高いメモリ記憶装置である。フラッシュメモリは通常、シリコン基板に複数のフローティングゲートトランジスタを組立てることにより構成される。フローティングゲートトランジスタは、薄い誘電体層によりコントロールゲート電極から分離された、フローティングゲートとして知られる別個のゲート電極上に、電荷を蓄積できる。一般に、データは、フローティングゲートにおける電荷の蓄積によって、不揮発性記憶装置に記憶される。
【0003】
フラッシュEEPROM装置では、電子は、フローティングゲート電極とその下にある基板との間に位置する、トンネル酸化物層として知られる薄い誘電体層を通って、フローティングゲート電極へと伝達される。通常、電子の伝達は、チャネルホットエレクトロン(CHE)注入、またはファウラー−ノルドハイムトンネリングによって実行される。いずれの電子伝達機構においても、電圧はコントロールゲート電極によってフローティングゲート電極に結合される。コントロールゲート電極に印加された電圧がフローティングゲート電極に結合されるよう、コントロールゲート電極はフローティングゲート電極に容量結合される。ある種類の装置では、コントロールゲート電極は、フローティングゲート電極の上に位置してそこから薄い誘電体層により分離されている、多結晶シリコンゲート電極である。別の種類の装置では、フローティングゲート電極は、半導体基板においてドープされた領域である。
【0004】
フラッシュメモリはフラッシュトランジスタの行および列によって形成されており、各トランジスタはセルと呼ばれ、コントロールゲート、ドレイン、およびソースを含む。ワード線デコーダは、記憶装置の各セクタにおけるトランジスタの行に動作電圧を提供し、通常、セクタにおける各トランジスタのコントロールゲートと接続されている。ビット線デコーダは、トランジスタの列に動作電圧を提供し、通常、各列のトランジスタのドレインに接続されている。一般に、トランジスタのソースは共通のソース線に結合され、ソース線コントローラによって制御される。
【0005】
セルは通常、予め定められた電圧をコントロールゲートに印加し、第2の予め定められた電圧をドレインに印加し、ソースを接地することによってプログラムされる。これにより、チャネルホットエレクトロンがドレイン空乏領域からフローティングゲートへ注入される。セルは、フラッシュメモリ装置において、いくつかの方法で消去可能である。一構成では、セルは、予め定められた電圧をソースに印加し、コントロールゲートを接地し、ドレインをフローティングにすることによって消去される。これにより、プログラミング中にフローティングゲートへ注入された電子が、ファウラー−ノルドハイムトンネリングによって、フローティングゲートから薄いトンネル酸化物層を通ってソースへと取り除かれる。
【0006】
セルは通常、予め定められたしきい値電圧をワード線を介してコントロールゲートへ印加し、第2の予め定められた電圧をドレインが接続されているビット線へ印加し、ソースを接地し、それからビット線電流を感知することによって、読出動作中に読出される。セルがプログラムされていてしきい値電圧が比較的高い場合、ビット線電流は0、または比較的低くなる。セルがプログラムされていない場合、または消去されている場合、しきい値電圧は比較的低く、コントロールゲート上の予め定められた電圧はチャネルを強化し、ビット線電流は比較的高くなる。
【0007】
読出動作中、ワード線に印加された電圧が予め定められたしきい値電圧範囲内にない場合、公知の問題が起きる。ワード線デコーダに印加された電圧が高過ぎると、そのワード線上のセルが物理的に損傷を受ける恐れがあり、またはセルのしきい値電圧の妨害が起こる恐れがある。また、高過ぎる電圧を印加することは、セル内のデータ保持不良も起こし得る。ワード線上の高電圧はまた、所与のワード線上のセルの耐久性にも影響し得る。ワード線電圧が低過ぎる場合、ワード線上のセルを適切に読出すには不十分なビット線電流が生じるかも知れない。
【0008】
読出動作中に電圧をワード線に供給する現在公知の方法は、通常、読出動作中により高い動作値に昇圧される供給電圧(Vcc)を用いる。フラッシュメモリ技術が進歩し、より小型の技術が開発される(0.25ミクロンセルサイズ)につれ、供給電圧(Vcc)の電圧値は約5Vから3Vへ減少した。これらの進歩のため、読出動作中にワード線に供給され得る電圧の許容範囲が縮小された。
【0009】
フラッシュメモリの組立て中、組立てプロセス中に経験された僅かな変動でさえ、読出動作中にワード線に供給すべき昇圧された電圧がチップ毎に変化する原因となる恐れがある。結果として生じる昇圧されたワード線電圧のより幅広い変動は、0.35ミクロンプロセス用のコアセルによって許容できる。しかし、コアセルのゲート結合が増加した0.25ミクロンプロセスでは、ゲート妨害が、読出動作中にコアセルのゲートに印加されるワード線しきい値電圧レベルのより厳密な制御をより必要とするであろう。
【0010】
そのため、マイクロチップのさらなる小型化のために、読出動作中にワード線に供給される昇圧された電圧レベルのより厳密な制御を提供する方法およびシステムに対する要求が存在している。
【0011】
【発明の開示】
この発明は、フラッシュメモリでの読出動作中に用いられる昇圧されたワード線電圧を生成し、厳密に制御する方法を開示している。好ましい実施例では、ワード線電圧ブースタ回路に電気的に接続された調節可能クランプ回路を用いてクランプされたワード線電圧ブースタ回路内で、ゲート電圧が生成される。調節可能クランプ回路は予め定められた電圧レベルで効果を現すよう設計されており、それは、ワード線電圧ブースタ回路の出力として生成される昇圧されたワード線電圧の電圧レベルを間接的に制御する。トリミング回路が調節可能クランプ回路に電気的に接続されており、必要であれば、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルを調節するために用いられる。
【0012】
調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルに追加される、またはその電圧レベルから減じられる電圧の量は、組立て中に調節可能クランプ回路が経験するプロセス変動のために変化する。電圧レベルは、シリコン基板上に組立てられるトランジスタサイズの変動のために変化する。調節可能クランプ回路はトランジスタで構成されており、そのようなわけで、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルは、クランピング経路で用いられるトランジスタのしきい値電圧(Vt)に依存する。上述のように、読出動作中にワード線電圧ブースタ回路からワード線へ印加される昇圧されたワード線電圧の電圧レベルは、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルに依存するため、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルを変更することによって、昇圧されたワード線電圧を好ましい値である約5.0Vに調節することができる。
【0013】
この発明の好ましい実施例により、フラッシュメモリは、読出動作中に用いられる昇圧されたワード線電圧の厳密な制御を維持できるようになり、それによってフラッシュメモリの信頼性および耐久性が増加する。この発明の好ましい実施例では、トリミング回路がトリミングデコーダと電気的に接続されている。トリミングデコーダは、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルを調節するために、フラッシュメモリによって用いられ、次に、ワード線が動作中に高めにまたは低めに昇圧されたワード線電圧にさらされるかどうかを判断する。複数の内容参照可能メモリ(CAM)回路が、トリミングデコーダに電気的に接続されている。CAM回路は、上述のように調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルをトリミング回路を用いて間接的に制御するトリミングデコーダを制御するために用いられる。
【0014】
ワード線電圧ブースタ回路の出力は、パスゲートと少なくとも1つのワード線デコーダとに電気的に接続される。当該技術分野では公知であるように、典型的なフラッシュメモリ装置は、読出、書込、消去などの動作中、さまざまな動作電圧レベルを選択されたワード線へ伝達するために用いられる、いくつかのワード線デコーダを含む。パスゲートは、動作中にパスゲートをイネーブルおよびディスエーブルにすることによりパスゲートを制御するイネーブル論理回路と、電気的に接続されている。好ましい実施例では、パスゲートは、供給電圧接続(Vcc)とも電気的に接続されている。ワード線を昇圧されたワード線電圧に昇圧するのに先立ち、供給電圧接続(Vcc)上の電圧を用いてワード線を昇圧してワード線を起動またはプリチャージする前に、イネーブル論理回路はパスゲートをイネーブルにする。
【0015】
前述のように、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルは、ワード線電圧ブースタ回路によって生成される昇圧されたワード線電圧の電圧レベルを制御する。組立て中に経験されたプロセス変動のため、調節可能クランプ回路は、好ましい値である約5.0Vよりも高いまたは低い電圧レベルで効果を現すかも知れない。そのようなわけで、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルは、各フラッシュメモリチップの特性次第で、上または下に調節する必要があるかも知れない。調節可能クランプ回路が効果を現す予め定められた電圧レベルを調節する必要があるかどうかの判断は、検査中に行なわれる。調節が必要な場合、CAM回路は、トリミングデコーダがトリミング回路に、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルに電圧を加えさせるまたは減じさせるように、プログラムされている。
【0016】
この発明の別の好ましい実施例は、フラッシュメモリ内のワード線電圧ブースタ回路によって生成される昇圧されたワード線電圧を制御するためのクランプおよびトリミングシステムを開示している。クランプおよびトリミングシステムは、ワード線電圧ブースタ回路内の電圧ブースタの出力と電気的に接続されている調節可能クランプ回路を含む。電圧ブースタは、動作中に調節可能クランプ回路により予め定められた電圧レベルにクランプされた、予め定められたゲート電圧を生成する。調節可能クランプ回路が効果を現す予め定められた電圧レベルは、昇圧されたワード線電圧の電圧レベルを制御する。
【0017】
トリミング回路は、調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルを調節するため調節可能クランプ回路と電気的に接続されており、それによりワード線電圧ブースタ回路によって生成される昇圧されたワード線電圧の電圧レベルを制御する。クランプおよびトリミングシステムは、ワード線電圧ブースタ回路内で電圧ブースタにより生成されたゲート電圧を、予め定められた電圧レベルに保持および調節することができ、予め定められた電圧レベルは、フラッシュメモリでの読出動作中にワード線に印加される必要のある最適に昇圧されたワード線電圧に対応している。
【0018】
前述のように、この発明は、フラッシュメモリでの読出動作中に用いられる昇圧されたワード線電圧を制御する方法を開示している。好ましい実施例では、ゲート電圧は、ワード線電圧ブースタ回路内の電圧ブースタを用いて生成される。ゲート電圧は、ワード線電圧ブースタ回路に電気的に接続された調節可能クランプ回路を用いて、予め定められた電圧レベルにクランプされる。必要であれば、予め定められた電圧レベルは、調節可能クランプ回路に電気的に接続されたトリミング回路を用いて調節されてもよい。昇圧されたワード線電圧がそれから、調節可能クランプ回路が電圧ブースタのゲート電圧をクランプする予め定められた電圧レベルに基づき、ワード線電圧ブースタ回路を用いて生成される。
【0019】
上述の方法およびシステムは、フラッシュメモリでの読出動作中にワード線に印加される昇圧されたワード線電圧の厳密な制御を提供する方法を開示している。これらの方法およびシステムがなければ、昇圧されたワード線電圧は高くまたは低くなってしまい、それによりデータ保持およびフラッシュメモリの全体動作に問題を起こす恐れがある。昇圧されたワード線電圧が低過ぎる場合、ワード線におけるコアセルの状態を適切に読出すことができなくなり、フラッシュメモリは機能しなくなる。ワード線に印加される昇圧されたワード線電圧が高過ぎる場合、フラッシュメモリはゲート妨害を経験し、データ保持が低減して信頼性問題を引起す。
【0020】
この発明のこれらおよびその他の特徴と利点とは、以下に続くこの発明の現在好ましい実施例の詳細な説明を、添付図面を見ながら検討することにより、明らかとなるであろう。
【0021】
【発明を実行するための形態】
この発明の例示的な実施例を、特定の構成を参照しながら以下に記述する。当業者であれば、さまざまな変更および修正が、特許請求の範囲にとどまりつつ特定の構成において行なわれ得ることを認識するであろう。この発明はあらゆる種類の記憶装置に使用してもよい。しかし、この発明の好ましい実施例は、フラッシュメモリ用に設計されている。
【0022】
電気パラメータはすべて単に例として与えられており、他の電気パラメータを用いるさまざまな記憶装置に使用されるよう修正できる。たとえば、好ましい実施例では、供給電圧(Vcc)は3.0Vと考えられているが、それに代えて、5.0V、またはその他の供給電圧でもよい。異なった供給電圧が選択される場合、当該技術分野では公知であるように、異なった供給電圧に対処するためさまざまな動作レベルが修正される。また、当業者ならわかるように、フラッシュメモリを用いるシステムによって経験される負荷およびさまざまなその他の動作パラメータのために、供給電圧(Vcc)が動作中に電圧範囲の間で変化することが度々ある。
【0023】
図1は、この発明の好ましい一実施例を取り入れた、好ましいフラッシュメモリ10の一部のブロック図である。好ましいフラッシュメモリ10は、調節可能クランプ回路12、トリミング回路14、トリミングデコーダ回路16、少なくとも1つの内容参照可能メモリ(CAM)回路18、ワード線電圧ブースタ回路20、供給電圧接続(Vcc)22、パスゲート24、イネーブル論理回路26、ワード線デコーダ28、および少なくとも1つのワード線30を含み、それらは図示されているように電気的に接続されている。この発明の好ましい実施例では、ワード線電圧ブースタ回路20は、読出動作中にワード線30に印加される昇圧されたワード線電圧を生成するために用いられる。
【0024】
図示されているように、調節可能クランプ回路12は、ワード線電圧ブースタ回路20に電気的に接続されている。調節可能クランプ回路12は、ワード線電圧ブースタ回路20内で生成されたゲート電圧を、予め定められた電圧レベルにクランプする。好ましい実施例では、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルは、ワード線電圧ブースタ回路20によって生成される昇圧されたワード線電圧の電圧レベルを制御する。調節可能クランプ回路12は、昇圧されたワード線が約5.0Vとなるような或る電圧で効果を現すように、優先的に設計されている。しかし、以下に述べるように、組立てプロセス中に経験される変動により、調節可能クランプ回路12は、より高いまたはより低い電圧レベルで効果を現す場合がある。
【0025】
調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルは、フラッシュメモリ10における周辺トランジスタのしきい値電圧(Vt)に、特に調節可能クランプ回路12に用いられるトランジスタ(図1には図示せず)のしきい値電圧(Vt)に依存する。フラッシュメモリ10の周辺領域において用いられるトランジスタのしきい値電圧(Vt)は、組立て後の検査中に判断され、それによって、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルと、したがって読出動作中にワード線30に印加される昇圧されたワード線電圧とに関して、判断が下されるようになる。この判断に基づいて、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルがトリミング回路14を用いて調節でき、それにより読出動作中にワード線30に印加される昇圧されたワード線電圧の電圧レベルが調節される。
【0026】
調節可能クランプ回路12は、トリミング回路14とも電気的に接続されている。トリミング回路14は、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを調節するために用いられ、それによりワード線電圧ブースタ回路20によって生成される昇圧されたワード線電圧の調節を規定する。以下により詳細に記載するように、トリミング回路14は、調節可能クランプ回路12によって作り出されたクランピング経路にしきい値電圧(Vt)を加える、またはそこから減じるように設計されており、これにより調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルが変更される。
【0027】
トリミング回路14は、トリミングデコーダ16とも電気的に接続されている。トリミングデコーダ16は、トリミング回路14が調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルに加える、または電圧レベルから減じる電圧の量を制御する。トリミングデコーダ16はCAM回路18と電気的に接続されており、それはトリミングデコーダ16を制御するようプログラムされている。CAM回路18は、検査中に、トリミングデコーダ16がトリミング回路14に、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルに加えさせる、または電圧レベルから減じさせる電圧の量を制御するようにプログラムされる。
【0028】
図1にさらに図示されるように、ワード線電圧ブースタ回路20の出力は、パスゲート24とワード線デコーダ28とに電気的に接続されている。パスゲート24は、供給電圧接続(Vcc)22とイネーブル論理回路26とに電気的に接続されている。パスゲート24はイネーブル論理回路26により制御されており、それは、ワード線電圧ブースタ回路20によって生成される昇圧されたワード線電圧を用いてワード線30を昇圧する前に、パスゲート24をイネーブルにする。これは、昇圧されたワード線電圧をワード線30に印加するのに先立って、供給電圧接続(Vcc)22上で使用可能な電圧レベルを用いてワード線30を起動またはプリチャージするために行なわれる。
【0029】
ワード線デコーダ28は、ワード線電圧ブースタ回路20とパスゲート24とに電気的に接続されている。ワード線デコーダ28はまた、ワード線30とも電気的に接続されており、読出動作中に、ワード線電圧ブースタ回路20により生成されて調節可能クランプ回路12により制御される昇圧されたワード線電圧を、選択されたワード線30へ伝達または通過させるために用いられる。ワード線デコーダ28はまた、供給電圧接続(Vcc)22上の供給電圧を、ワード線30へ通過または伝達させるためにも用いられる。パスゲート24と予め定められたワード線デコーダ28とがイネーブルになると、供給電圧接続(Vcc)22上の電圧がワード線30に伝達されて、昇圧されたワード線電圧が印加される前にワード線30をプリチャージする。
【0030】
ワード線電圧ブースタ回路20は、読出動作中にワード線30に印加される昇圧されたワード線電圧を生成するために、フラッシュメモリ10によって用いられる。この発明の好ましい実施例では、ワード線電圧ブースタ回路20は、供給電圧接続(Vcc)22上の電圧の大きさを、約3.0Vから約5.0Vへと優先的に昇圧する。調節可能クランプ回路12は、約3.3Vで効果を現すよう最適に設計されており、このためワード線電圧ブースタ回路20によって生成される昇圧されたワード線電圧は、約5.0Vに設定されるようになる。
【0031】
前述のように、組立てプロセスにおける変動のため、調節可能クランプ回路12は、高めまたは低めの電圧で効果を現す場合があり、そのようなわけで、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを、トリミング回路14を用いて調節する必要がある場合があるかも知れない。前述のように、昇圧されたワード線電圧の電圧レベルは、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルに依存する。組立てプロセスにおける変動により、調節可能クランプ回路12が高めまたは低めの電圧レベルで効果を現して、最適に昇圧されたワード線電圧レベルである約5.0Vが変わる恐れがあるため、トリミング回路14が、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを上げる、または下げるために用いられる。そのようなわけで、調節可能クランプ回路12は、ワード線電圧ブースタ回路20により生成される昇圧されたワード線電圧が約5.0Vに設定されるような電圧レベルで効果を現すように、トリミング回路14によって優先的に調節されている。
【0032】
前述のように、0.35ミクロンプロセス製造技術を用いた先行技術のフラッシュメモリでは、ワード線電圧ブースタ回路20によって生成される昇圧されたワード線電圧のより幅広い変動は、ワード線30におけるコアセルによって許容可能であった。ワード線30におけるコアセルが、昇圧されたワード線電圧の電圧レベルのより幅広い変動を許容できたため、読出動作中にワード線電圧ブースタ回路20により生成されて最終的にワード線30に供給された電圧の大きさを厳密に制御する必要はなかった。フラッシュトランジスタのゲート結合が増加している0.25ミクロンプロセス技術を用いたフラッシュメモリでは、ゲート妨害がより起こりやすく、したがって読出動作中にワード線電圧ブースタ回路20により生成されてワード線30に供給される昇圧されたワード線電圧のより厳密な制御が必要とされる。
【0033】
図1に図示されているように、調節可能クランプ回路12は、トリミング回路14と電気的に接続されている。好ましい実施例では、トリミング回路14は、少なくとも1つのしきい値電圧(Vt)を、調節可能クランプ回路12により作り出されたクランピング経路に加える、またはそこから減じることができる。調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルの判断は、組立て後のフラッシュメモリ10の検査中に下される。調節可能クランプ回路12が必要以上に高い電圧レベルで効果を現している場合、トリミング回路14はしきい値電圧(Vt)をクランピング経路から減じることができ、それにより調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを下げる。またこれに代えて、調節可能クランプ回路12が必要レベルより低い電圧レベルで効果を現していると検査中に判断された場合、トリミング回路14はしきい値電圧(Vt)をクランピング経路に加えることができ、それにより調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを上げる。そのようなわけで、ワード線電圧ブースタ回路によって生成される昇圧されたワード線電圧は、必要であれば調節可能である。
【0034】
この発明の好ましい実施例では、トリミング回路14が調節可能クランプ回路12に行う調節の量は、トリミングデコーダ16によって制御される。トリミングデコーダ16はCAM回路18によって制御され、それは前述のように検査中にプログラムされる。調節可能クランプ回路12は、ワード線30におけるフラッシュトランジスタを読出すのに最適な電圧レベルで効果を現すように優先的に設定されており、それは、前述のように、約5.0Vであることが知られている。CAM回路18は、調節可能クランプ回路12内のトランジスタのしきい値電圧(Vt)におけるプロセス変数がどんな状態かに関して判断が下された後に、プログラムされる。そのようなわけで、CAM回路18とトリミングデコーダ16とは、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルに加える、またはそれから減じる電圧の量を制御する。
【0035】
図2に図示されるように、好ましい調節可能クランプ回路12は、p‐チャネルトランジスタ32、複数のn‐チャネル真性トランジスタ34、36、38、および接地接続40を含み、それらは図示されているように電気的に接続されている。ワード線電圧ブースタ回路20内で生成されるゲート電圧が、一旦予め定められた電圧レベルに達すると、調節可能クランプ回路12は効果を現す。前述のように、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルは、トリミング回路14によって制御される。調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルは、p‐チャネルトランジスタ32およびn‐チャネル真性トランジスタ34、36、38のしきい値電圧(Vt)によって作り出されたクランピング経路によっても判断され、それは、検査中にこれらの装置のしきい値電圧(Vt)を読出すことによって判断できる。
【0036】
製造中のプロセス変動のため、フラッシュメモリ10の周辺領域に組立てられたトランジスタのしきい値電圧(Vt)は、ある程度変化する。調節可能クランプ回路12とワード線電圧ブースタ回路20とは、周辺領域に位置している。前述のように、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルは、トランジスタ32、34、36および38によって作り出されるクランピング経路のしきい値電圧(Vt)に依存する。そのようなわけで、調節可能クランプ回路12内のトランジスタ32、34、36および38のしきい値電圧(Vt)は、組立て中に経験される変動によって変化するため、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルは、これらのプロセス変動に基づいて変わり得る。
【0037】
図2にさらに図示されるように、トリミング回路14は、複数のn‐チャネルトランジスタ42、44、46を含み、それらは図示されているように電気的に接続されている。トリミングデコーダ16は、トリミング回路14内のそれぞれのn‐チャネルトランジスタ42、44、46のゲートに電気的に接続されている。さらに、図2に図示されるように、トリミング回路14内のそれぞれのn‐チャネルトランジスタ42、44、46のドレインおよびソースは、調節可能クランプ回路12のそれぞれのn‐チャネル真性トランジスタ34、36、38のそれぞれのドレインおよびソースに電気的に接続されている。フラッシュメモリ10が組立てプロセスの後に検査されるとき、CAM回路18は、トリミングデコーダ16に、トリミング回路14内のそれぞれのn‐チャネルトランジスタ42、44、46をイネーブルまたはディスエーブルにさせるようにプログラムでき、こうして調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルが変更される。
【0038】
それぞれのn‐チャネルトランジスタ42、44、46がトリミング回路14においてイネーブルになると、イネーブルとなったn‐チャネルトランジスタ42、44、46に接続されている、調節可能クランプ回路12内のそれぞれのn‐チャネル真性トランジスタ34、36、38は短絡される。それぞれのn‐チャネルトランジスタ34、36、38を短絡させることにより、n‐チャネル真性トランジスタ34、36、38にまたがるしきい値電圧(Vt)レベル降下が、調節可能クランプ回路12によって作り出されるクランピング経路から取除かれる。その結果、調節可能クランプ回路12のクランピング経路におけるそれぞれのn‐チャネル真性トランジスタ34、36、38でのしきい値電圧(Vt)降下を取除く、または加えることによって、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを下げるまたは上げることが可能となる。
【0039】
図2に図示されるように、好ましいワード線電圧ブースタ回路20は、電圧ブースタ48、ゼロしきい値トランジスタ50、および昇圧キャパシタ52を含む。電圧ブースタ48は、供給電圧接続(Vcc)22上で使用可能であって約2.7V〜3.6Vで変わり得る電圧レベルを、約5.0Vに昇圧させるために用いられる。電圧ブースタは当技術分野では公知であり、電圧ブースタ48において用いられている回路の詳細な説明は、この発明を理解するためには必要ではない。この発明の目的のためには、電圧ブースタ48は供給電圧接続(Vcc)22上で使用可能な電圧を昇圧されたワード線電圧である約5.0Vへ昇圧させるよう優先的に設計されているということを理解することが、唯一必要である。
【0040】
図2に図示されるように、調節可能クランプ回路12内のp‐チャネルトランジスタ32のソースは、電圧ブースタ48の出力と電気的に接続されている。調節可能クランプ回路12が電圧ブースタ48の出力と電気的に接続されているため、調節可能クランプ回路12は、電圧ブースタ48によって生成されるゲート電圧を、調節可能クランプ回路12が効果を現すよう設定された予め定められた電圧レベルにクランプできる。当該技術分野では公知であるように、クランプは、特定の装置の動作を予め定められた直流電圧レベルに固定、または保持するために用いられる。
【0041】
電圧ブースタ48の出力は、ゼロしきい値トランジスタ50のゲートとも電気的に接続されている。ゼロしきい値トランジスタ50のソースは、昇圧キャパシタ52と電気的に接続されており、それは次にパスゲート24とワード線デコーダ28とに電気的に接続されている。この発明の目的のためには、ワード線電圧ブースタ回路20のゼロしきい値トランジスタ50は読出動作中に電圧ブースタ48によって生成された電圧を昇圧キャパシタ52へ通すために用いられるということを理解することが、唯一必要である。そのようなわけで、ゼロしきい値トランジスタ50は、好ましい実施例においてソースフォロアとして作用し、ゲート電圧ゼロしきい値トランジスタ50をゼロしきい値トランジスタ50のソースへと通し、それは次に電圧を昇圧キャパシタ52へと通す。好ましい実施例では、調節可能クランプ回路12は、昇圧キャパシタ52が経験する電圧昇圧の大きさを制御し、それは次に、読出動作中にワード線30に印加される昇圧されたワード線電圧を間接的に制御する。
【0042】
図2にさらに図示されるように、この発明の好ましい実施例では、パスゲート24はp‐チャネルトランジスタ54を含む。p‐チャネルトランジスタ54のソースは、供給電圧接続(Vcc)22と電気的に接続され、p‐チャネルトランジスタ54のドレインは、昇圧キャパシタ52とワード線デコーダ28とに電気的に接続されている。動作中、前述のように、ワード線電圧ブースタ回路によって生成される昇圧されたワード線電圧がワード線30に伝達される前に、供給電圧接続(Vcc)22上で使用可能な電圧がワード線30を起動、またはプリチャージするように、パスゲート24がイネーブル論理回路26によってイネーブルとなる。
【0043】
当該技術分野では公知であるように、ワード線デコーダ28は、フラッシュメモリ10の動作中にさまざまな動作電圧をワード線30へ伝達するために用いられる。ワード線デコーダ28は、昇圧キャパシタ52とパスゲート24とに電気的に接続されている。ワード線デコーダは当該技術分野では公知であり、ワード線デコーダの回路構成の詳細な説明は、この発明を理解するためには必要ではない。この発明の目的のためには、ワード線デコーダ28は読出動作中に、ワード線電圧ブースタ回路20を用いて生成される昇圧されたワード線電圧をワード線30へ伝達できるということを理解することが、唯一必要である。
【0044】
上述のように、この発明は、フラッシュメモリ10のプロセス感度を低減させる方法を開示し、それにより製造プロセスからの歩留りを増加させる。プロセス感度を低減させるために、調節可能クランプ回路12は、調節可能クランプ回路12内のトランジスタ32、34、36および38のしきい値電圧(Vt)の変化に対し自己補償するように設計されている。調節可能クランプ回路12が自己補償できるのは、p‐チャネルトランジスタ32がn‐チャネル真性トランジスタ34と電気的に直列に接続されていることと、当該技術分野では公知であるように、1つのしきい値電圧(Vt)が増加するにつれ、他は減少するためである。また、トリミング回路14の追加により、好ましいフラッシュメモリ10は、クランピング経路において真性しきい値電圧(Vt)を加える、または減じることができ、それにより、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを変更し、次に、読出動作中にワード線30が高めの、または低めの昇圧されたワード線電圧にクランプされているかどうかを判断する。
【0045】
調節可能クランプ回路12内のトランジスタ32、34、36および38のしきい値電圧(Vt)が増加した場合のフラッシュメモリ10を1バッチ分製造する組立てプロセスでは、ワード線電圧ブースタ回路20は、トランジスタ32、34、36および38のしきい値電圧(Vt)の増加のため、高めに昇圧する。そのようなわけで、最適に昇圧されたワード線電圧を提供するため、電圧ブースタ48によって生成されるゲート電圧を下げる必要がある。調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを下げるために、調節可能クランプ回路12内のそれぞれのn‐チャネル真性トランジスタ34、36、38を短絡させるトリミング回路14を用いて、真性しきい値電圧(Vt)をクランピング経路から取除くことが可能である。これは、n‐チャネルトランジスタ34、36、38の真性トランジスタダイオードを、トリミング回路14内のそれぞれのn‐チャネルトランジスタ42、44、46を用いて取除くことによって行なわれる。
【0046】
またこれに代えて、調節可能クランプ回路12内のトランジスタ32、34、36および38のしきい値電圧(Vt)が減少した場合のフラッシュメモリ10を1バッチ分製造する組立てプロセスでは、調節可能クランプ回路12が電圧ブースタ48からのより低いゲート電圧で効果を現すため、ワード線30は低めに昇圧される。そのようなわけで、最適に昇圧されたワード線電圧を提供するため、調節可能クランプ回路12が効果を現す電圧レベルを上げる必要がある。調節可能クランプ回路が効果を現す電圧レベルを上げるために、それぞれのn‐チャネル真性トランジスタ34、36、38は、調節可能クランプ回路12において、トリミング回路14のn‐チャネルトランジスタ42、44、46と短絡されない。したがって、この発明は、読出動作中にワード線30に印加される昇圧されたワード線電圧の厳密な制御を調節および維持することによって、組立て中に経験されるプロセス変動を補償できる。
【0047】
詳細な説明は好ましい実施例をフラッシュEPROMを用いて説明しているが、この発明は、NOR、NAND、AND、分割ビット線型NOR(DINOR)、および強誘電性ランダムアクセスメモリ(FRAM)などの技術を含む、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリを含むがこれらに限定されないあらゆる不揮発性書込可能メモリを用いて、使用されてもよい。この発明は、特定の例示的な実施例を参照して説明されてきたが、特許請求の範囲に記載されるようなこの発明のより幅広い精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更がこれらの実施例に加えられてもよいということは明らかである。したがって、明細書および図面は、限定的というよりも例示的な意味において考えられるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の好ましい一実施例を取り入れた、好ましいフラッシュメモリの一部のブロック図である。
【図2】 図1に図示された好ましいフラッシュメモリのより詳細なブロック図であり、好ましい調節可能クランプ回路およびトリミング回路の回路該略図を示す図である。
Claims (6)
- フラッシュメモリでの読出動作中に用いられる昇圧されたワード線電圧を制御する方法であって、
ワード線電圧ブースタ回路内の電圧ブースタを用いてゲート電圧を生成するステップと、
前記ワード線電圧ブースタ回路に電気的に接続された調節可能クランプ回路を用いて、前記ゲート電圧を、前記調節可能クランプ回路に電気的に接続されたトリミング回路を用いて調節可能な予め定められた電圧レベルにクランプするステップと、
前記昇圧されたワード線電圧を前記ワード線電圧ブースタ回路内のキャパシタの昇圧動作を用いて前記ゲート電圧に従って生成するステップとを含む、方法。 - 前記昇圧されたワード線電圧を少なくとも1つのワード線へ伝達するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記トリミング回路は、前記トリミング回路によってなされる電圧調節を制御するためのトリミングデコーダと電気的に接続されている、請求項1に記載の方法。
- フラッシュメモリでの読出動作中にワード線を昇圧する方法であって、
ワード線電圧ブースタ回路内の電圧ブースタを用いてゲート電圧を生成するステップと、
前記電圧ブースタの出力と電気的に接続されている調節可能クランプ回路を用いて、予め定められた電圧レベルに前記ゲート電圧をクランプするステップと、
前記調節可能クランプ回路が効果を現す予め定められた電圧レベルを、前記調節可能クランプ回路と電気的に接続されたトリミング回路を用いて調節するステップと、
前記ワード線電圧ブースタ回路内のキャパシタの昇圧動作を用いて前記ゲート電圧に従って、前記予め定められた電圧レベルに依存する昇圧されたワード線電圧を生成するステップと、
前記ワード線電圧ブースタ回路と電気的に接続されたワード線デコーダを用いて、前記昇圧されたワード線電圧を少なくとも1つのワード線へ伝達するステップとを含む、方法。 - 前記昇圧されたワード線電圧を用いて前記ワード線を昇圧する前に、供給電圧接続上の電圧を用いて前記ワード線をプリチャージするステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
- 前記トリミング回路によってなされる調節の量を制御するためにトリミングデコーダを用いるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
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