JP4607066B2 - 金属銀微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
酸化銀を原料とし、液相中における還元反応によって、平均粒子径3nm〜20nmの金属銀微粒子を調製する方法であって、
粉末状酸化銀(I)に含まれる銀原子1モル量あたり、
飽和脂肪族カルボン酸または不飽和脂肪族カルボン酸から選択される、脂肪酸一種以上を、そのカルボキシ基の総和が0.02〜0.05モル量となる量と、
液状のアミン化合物を、アミノ窒素原子の総和が0.12〜0.35モル量となる量とを添加し、
非極性溶媒を加えて、混合液中における、銀の含有率を、25質量%〜40質量%の範囲に選択して、
前記脂肪酸とアミン化合物とが均一に混和されてなる混合物中に、前記粉末状酸化銀(I)が分散されてなる酸化銀分散混合物を調製する工程と、
80℃〜140℃の範囲に選択される液温に、該酸化銀分散混合物を加熱、攪拌し、前記脂肪酸とアミン化合物とが均一に混和されてなる混合物からなる液相中において、前記アミノ化合物の存在下、該酸化銀(I)に前記脂肪酸を作用させ、対応する脂肪酸銀(I)とした後、還元により生成する銀原子からなる平均粒子径3nm〜20nmの金属銀微粒子を析出させる工程とを有し、
析出される平均粒子径3nm〜20nmの金属銀微粒子は、その表面の銀原子に対して、少なくとも、前記アミン化合物が、そのアミノ窒素原子上に存在する孤立電子対を利用して、配位的な結合を介して被覆してなる形態である
ことを特徴とする金属銀微粒子の製造方法である。
前記酸化銀分散混合物の加熱攪拌において、液相の加熱温度は、少なくとも80℃以上であり、かつ、前記脂肪酸とアミン化合物とが均一に混和されてなる混合物が均一な混合液を形成可能な温度を超え、前記液状のアミン化合物自体の沸点を超えない温度の範囲に選択されることが望ましい。例えば、前記酸化銀分散混合物の加熱攪拌において、液相の加熱温度は、少なくとも100℃以上であって、前記液状のアミン化合物自体の沸点を超えない温度の範囲に選択される。
(i) Ag2O+R’−COOH → [R’−COOAg+AgOH]
(ii) R’−COOAg+R1R2R3N → [R’−COOAg‥NR1R2R3]
→ [R’−COO-+Ag+R1R2R3N+・]
(iii) R’−COO-+AgOH → [R’−COOH+Ag−O-]
(iv) [R1R2R3N+・+Ag−O-] → [R1R2R3N+−O-+Ag]
(v) [R1R2R3N+−O-] → [R1R2R3N→O]
一方、前記の反応過程で生成されるアミンオキシド型化合物[R1R2R3N+−O-またはR1R2R3N→O]は、脂肪酸(R”−CH2−CH2−COOH)を酸化することで、再び、アミン化合物[R1R2R3N]が再生される。この再生過程に因って、反応系内のアミン化合物[R1R2R3N]の濃度は、一定の範囲内に保持される。
(vi) 3[R1R2R3N→O]+R”−CH2−CH2−COOH
→ [3・R1R2R3N + CO2 + R”−CH2−C(OH)3]
→ 3・R1R2R3N +CO2 + H2O + R”−CH2−COOH
すなわち、脱炭酸を伴った、脂肪酸(R”−CH2−CH2−COOH)を段階的に酸化する過程(vi-1)〜(vi-3)に因って、炭素数が一つ少ない脂肪酸(R”−CH2−COOH)へと変換される。この脂肪酸(R”−CH2−COOH)は、上記の素反応過程(i)で再利用される。従って、反応系内に存在する脂肪酸の総和(濃度合計)は、一定の範囲内に保持される。
(vi-1) [R”−CH2−CH2−COOH +O]
→ CO2↑ + [R”−CH2−CH2−OH]
(vi-2) [R”−CH2−CH2−OH +O]
→ [R”−CH2−CH(OH)2]
(vi-3) [R”−CH2−CH(OH)2 +O]
→ [R”−CH2−C(OH)3]
→ H2O + R”−CH2−COOH
(i’-0) Ag2O+H2O → [2AgOH]
(i’-1) [2AgOH]+R”−CH2−COOH
→ [R”−CH2−COOAg+AgOH]+H2O
上記の過程(vi)は、脱炭酸を伴う反応であるため、反応温度が低いと、進行しないが、本発明では、少なくとも、反応温度を80℃以上とすることで、その反応速度を増している。結果として、還元反応で使用される、アミン化合物[R1R2R3N]の再生がなされ、素反応過程(i)〜(v)と過程(vi)との間で、全体的な反応速度の均衡が達成されている。
(vi-1) [HOOC−(CH2)m−COOH +O]
→ CO2↑ + [HO−(CH2)m-1−COOH]
と、ω−ヒドロキシアルカン酸(HO−(CH2)m-1−COOH)へと変換される。従って、それ以降は、上述の素過程(i)においては、長鎖のω−ヒドロキシアルカン酸(HO−(CH2)m-1−COOH)として、寄与するため、カルボキシ基(−COOH)の合計を行う際には、実質的にモノカルボン酸として取り扱う。
=k1×C[R'-COOH]・Cs[Ag2O]−k2×C[R1R2R3N]・C[R'-COOAg]
粉末状酸化銀(I)自体は、固形物であり、その表面に露呈している酸化銀(I)の面密度;Cs[Ag2O]は、実質的に変化しない。すなわち、本発明の反応形態を選択すると、全体の反応が進行する際、反応液温度が一定に保たれると、反応液中の脂肪酸濃度:C[R’−COOH]と用いる脂肪酸の反応性:k1、反応液中のアミン化合物濃度:C[R1R2R3N]と用いるアミン化合物の反応性:k2、分散されている粉末状酸化銀(I)の表面に露呈している酸化銀(I)の面密度;Cs[Ag2O]は、実質的に一定に保持されるため、結果として、反応系全体は、平衡条件:dC[R'-COOAg]/dt=0を満足する状態と見なせる。従って、反応液中に分散されている、粉末状酸化銀(I)を原料として、金属銀微粒子を形成する反応が進行する間、反応系内の存在する脂肪酸銀の濃度C[R’−COOAg]も、実質的に一定の濃度に維持される。具体的には、反応系内の存在する脂肪酸銀の濃度C[R’−COOAg]は、下記のように近似的に表現される。
C[R'-COOAg]=(k1×C[R'-COOH]/k2×C[R1R2R3N])・Cs[Ag2O]
その際、上記素過程単位時間、単位体積あたりに生成する銀原子の量は、単位時間、単位体積あたりに反応で消費される脂肪酸銀の量:k2×C[R1R2R3N]・C[R'-COOAg]あるいは反応で消費される粉末状酸化銀(I)の量:k1×C[R'-COOH]・Cs[Ag2O]に、対応するものとなる。換言するならば、単位時間、単位体積あたりに生成する銀原子の量も、実質的に一定に維持されることにより、形成される金属銀微粒子の平均粒子径も、高い均質性を示すものとなる。
(i) Ag2O+R’−COOH → [R’−COOAg+AgOH]
(i') [AgOH]+R’−COOH → R’−COOAg+H2O
その結果、反応系内に存在する脂肪酸銀の濃度:C[R’−COOAg]が不必要に高くなると、生成される銀微粒子の粒子径の制御性を損なう要因となる。この副次的な反応経路を抑制する上でも、脂肪酸の添加量を適正な範囲に選択し、また、希釈用の非極性溶媒を加えて、反応液中の脂肪酸濃度:C[R’−COOH]を低くすることで、前記の副次的な反応の進行を抑制することが好ましい。
100mL丸底フラスコに、粉末状の酸化銀(I)(Ag2O:分子量231.74、
純度99%)30mmol、オレイン酸((Z)−9−オクタデセン酸、C17H33COOH;分子量282.46、融点13.4℃、沸点286℃)1.8mmol、トリブチルアミン(分子量185.36、沸点213.5℃、純度99%)8.4mmolを投入し、溶媒として、トルエン(沸点110.6℃)を加えて、液中に含まれる銀の含有率を35質量%に調整する。この反応液を、攪拌しつつ、約40分間を掛けて、液温を110℃まで上昇させる。加熱・反応時は、還流コンデンサーを用いて、溶媒トルエンの蒸散を防止している。
、反応液を攪拌しつつ、室温(20℃)まで冷却した。なお、液温が70℃を超えた時点から、加熱を停止するまでの時間は、約25分間(15分間+10分間)であった。
含まれる銀に対して、98%であった。
本実施例では、実施例1の反応条件に対して、昇温速度を変更して、
100mL丸底フラスコに、粉末状の酸化銀(I)(Ag2O:分子量231.74、
純度99%)30mmol、オレイン酸((Z)−9−オクタデセン酸、C17H33COOH;分子量282.46、融点13.4℃、沸点286℃)1.8mmol、トリブチルアミン(分子量185.36、沸点213.5℃、純度99%)8.4mmolを投入し、溶媒として、トルエン(沸点110.6℃)を加えて、液中に含まれる銀の含有率を35質量%に調整する。この反応液を、攪拌しつつ、約20分間を掛けて、液温を110℃まで上昇させる。加熱・反応時は、還流コンデンサーを用いて、溶媒トルエンの蒸散を防止している。
、反応液を攪拌しつつ、室温(20℃)まで冷却した。なお、液温が70℃を超えた時点から、加熱を停止するまでの時間は、約15分間(5分間+10分間)であった。
るため、得られた分散溶液を0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、分散溶液を回収した。この分散溶液は、380〜450nmに銀ナノ粒子特有のプラズモン吸収を示した。また、かかる銀ナノ粒子の表面は、有機分子種により、均一な被覆層が形成されている点も確認された。この有機分子種による被覆層は、非極性溶媒トルエン、ヘプタン中での分散性を付与する機能を果している。銀ナノ粒子表面の有機分子種による被覆層には、少なくとも、トリブチルアミンが含まれることも確認された。
含まれる銀に対して、90%であった。
本実施例では、実施例1の反応条件で使用しているオレイン酸に代えて、ミリスチン酸(テトラデカン酸、C13H27COOH;分子量228.38、複融点53.8℃&57.5〜58℃、沸点248.7℃(100mmHg))を使用し、それ以外は、同じ条件を選択し、反応を行った。加熱・反応時は、還流コンデンサーを用いて、溶媒トルエンの蒸散を防止している。
、反応液を攪拌しつつ、室温(20℃)まで冷却した。なお、液温が70℃を超えた時点から、加熱を停止するまでの時間は、約25分間(15分間+10分間)であった。
を除去するため、得られた分散溶液を0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、分散溶液を回収した。この分散溶液は、380〜450nmに銀ナノ粒子特有のプラズモン吸収を示した。また、かかる銀ナノ粒子の表面は、有機分子種により、均一な被覆層が形成されている点も確認された。この有機分子種による被覆層は、非極性溶媒トルエン、ヘプタン中での分散性を付与する機能を果している。銀ナノ粒子表面の有機分子種による被覆層には、少なくとも、トリブチルアミンが含まれることも確認された。
含まれる銀に対して、92%であった。
本実施例では、実施例1の反応条件で使用しているトリブチルアミンに代えて、トリヘキシルアミン(分子量269.51、沸点264℃)を使用し、それ以外は、同じ条件を選択し、反応を行った。加熱・反応時は、還流コンデンサーを用いて、溶媒トルエンの蒸散を防止している。
、反応液を攪拌しつつ、室温(20℃)まで冷却した。なお、液温が70℃を超えた時点から、加熱を停止するまでの時間は、約25分間(15分間+10分間)であった。
含まれる銀に対して、97%であった。
本実施例では、実施例1の反応条件で使用しているトリブチルアミンに代えて、ドデシルアミン(分子量185.35、沸点247℃〜249℃)を使用し、それ以外は、同じ条件を選択し、反応を行った。加熱・反応時は、還流コンデンサーを用いて、溶媒トルエンの蒸散を防止している。
の粉末が消失し、反応液は、暗褐色を示す、均一な液状となった。加熱を停止し、反応液を攪拌しつつ、室温(20℃)まで冷却した。なお、液温が80℃を超えた時点から、加熱を停止するまでの時間は、約35分間(15分間+20分間)であった。
を除去するため、得られた分散溶液を0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、分散溶液を回収した。この分散溶液は、380〜450nmに銀ナノ粒子特有のプラズモン吸収を示した。また、かかる銀ナノ粒子の表面は、有機分子種により、均一な被覆層が形成されている点も確認された。この有機分子種による被覆層は、非極性溶媒トルエン、ヘプタン中での分散性を付与する機能を果している。銀ナノ粒子表面の有機分子種による被覆層には、少なくとも、トリブチルアミンが含まれることも確認された。
含まれる銀に対して、89%であった。
本実施例では、実施例1で使用しているトルエンに代えて、キシレン(p−キシレン;沸点138.3℃)を溶媒に用いて、反応を行った。加熱・反応時は、還流コンデンサーを用いて、溶媒キシレンの蒸散を防止している。
反応液を攪拌しつつ、室温(20℃)まで冷却した。なお、液温が70℃を超えた時点から、加熱を停止するまでの時間は、約25分間(20分間+5分間)であった。
含まれる銀に対して、98%であった。
Claims (9)
- 酸化銀を原料とし、液相中における還元反応によって、平均粒子径3nm〜20nmの金属銀微粒子を調製する方法であって、
粉末状酸化銀(I)に含まれる銀原子1モル量あたり、
飽和脂肪族カルボン酸または不飽和脂肪族カルボン酸から選択される、脂肪酸一種以上を、そのカルボキシ基の総和が0.02〜0.05モル量となる量と、
液状のアミン化合物を、アミノ窒素原子の総和が0.12〜0.35モル量となる量とを添加し、
非極性溶媒を加えて、混合液中における、銀の含有率を、25質量%〜40質量%の範囲に選択して、
前記脂肪酸とアミン化合物とが均一に混和されてなる混合物中に、前記粉末状酸化銀(I)が分散されてなる酸化銀分散混合物を調製する工程と、
80℃〜140℃の範囲に選択される液温に、該酸化銀分散混合物を加熱、攪拌し、前記脂肪酸とアミン化合物とが均一に混和されてなる混合物からなる液相中において、前記アミノ化合物の存在下、該酸化銀(I)に前記脂肪酸を作用させ、対応する脂肪酸銀(I)とした後、還元により生成する銀原子からなる平均粒子径3nm〜20nmの金属銀微粒子を析出させる工程とを有し、
析出される平均粒子径3nm〜20nmの金属銀微粒子は、その表面の銀原子に対して、少なくとも、前記アミン化合物が、そのアミノ窒素原子上に存在する孤立電子対を利用して、配位的な結合を介して被覆してなる形態である
ことを特徴とする金属銀微粒子の製造方法。 - 前記脂肪酸は、炭素数14〜22の直鎖アルカン酸、または炭素数14〜22の直鎖アルケン酸から選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 前記液状のアミン化合物は、沸点が80℃以上である、第一アミン(R1NH2)、第二アミン(R1R2NH)、第三アミン(R1R2R3N)からなる群から選択される一種のアミンまたは、二種以上のアミンである
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 前記液状のアミン化合物は、アミノ窒素原子上を置換する炭化水素基がアルキル基である、第一アミン(R1NH2)、第二アミン(R1R2NH)、第三アミン(R1R2R3N)からなる群から選択される一種のアミンまたは、二種以上のアミンである
ことを特徴とする請求項3に記載の製造方法。 - 前記液状のアミン化合物は、沸点が140℃を超えるトリアルキルアミンである
ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。 - 前記酸化銀分散混合物の加熱攪拌において、液相の加熱温度は、少なくとも80℃以上であり、かつ、前記脂肪酸とアミン化合物とが均一に混和されてなる混合物が均一な混合液を形成可能な温度を超え、前記液状のアミン化合物自体の沸点を超えない温度の範囲に選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 前記酸化銀分散混合物の加熱攪拌において、液相の加熱温度は、少なくとも100℃以上であって、前記液状のアミン化合物自体の沸点を超えない温度の範囲に選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 前記非極性溶媒は、液相の加熱温度において、前記液状のアミン化合物と均一な混合液を形成可能な非極性溶媒である
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 前記非極性溶媒は、トルエン、キシレン、沸点90℃以上の炭化水素溶媒から選択される
ことを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
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| JP2006200976A JP4607066B2 (ja) | 2006-07-24 | 2006-07-24 | 金属銀微粒子の製造方法 |
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