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JP4607381B2 - 鉛直遮水シート、及びそれを用いて構成される遮水壁の検査方法 - Google Patents
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JP4607381B2 - 鉛直遮水シート、及びそれを用いて構成される遮水壁の検査方法 - Google Patents

鉛直遮水シート、及びそれを用いて構成される遮水壁の検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に埋設することにより、遮水壁を構築する鉛直遮水シートの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、廃棄物処分場から汚水の流出を防止するために、鉛直遮水シートを用いて遮水壁を構築するという技術が用いられている。
このような鉛直遮水シートは、その両側縁部に沿って、他の接続部との接続をなすことのできる接続部が設けられ、且つ遮水性が与えられたシート材を備えている。そして、その隣接するもの同士の側縁部を上記接続部により固定した状態で、その下方を地盤に埋設し、隣接する遮水シートを連続して接続していくことにより、遮水壁を構築するようなものとなっている。
上述の接続部は、一般に以下のようなものとなっている。
即ち、各鉛直遮水シートの両側縁部に設けられる接続部の一方は、内側に向かって幅広となる溝である受部とされ、他方は、その長手方向に沿うようにしながら平行移動させて受部に挿入したときに抜止されるような形状とされた膨出部とされている。つまり、一の鉛直遮水シートの下方を地盤に埋設した後、その鉛直遮水シートの受部に、隣接させる鉛直遮水シートの膨出部が嵌り合うようにしながら、或いは一の鉛直遮水シートの膨出部に、隣接させる鉛直遮水シートの受部が嵌り合うようにしながら、隣接させる鉛直遮水シートの下方を地盤に埋設するといった作業を、繰り返し行うことで、遮水壁が構築される。
【0003】
かかる鉛直遮水シートはそれ自体有用ではあるが、改良を要する点もある。
それは、鉛直遮水シートの埋設により遮水壁が構築された後、遮水壁の健全性についての事後的な検査を行えないという点である。
例えば、遮水壁を地盤に埋設する際には、遮水シート自体に破損が生じることや、遮水シートの接続部同士がうまく嵌り合わないことも考えられる。このような不具合があると、遮水壁が、その遮水機能を発揮できなくなるため、このような不具合が生じた場合には、鉛直遮水シートの再施工が必要となる。
しかしながら、今のところかかる不具合を発見するための有用な技術は存在しない。一般には、目視による検査が行われているが、上述の如き不具合は地盤中で生じるため、目視の検査には限界がある。また、一旦埋設した鉛直遮水シートの周りの地盤を掘り起こし、その状態で目視の検査を行うということも行われてはいるが、このような検査を行うには多量の土砂の置き場が必要であり、また、手間や、コスト的な負担も過大となりがちである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題の認識によりなされたものであり、構築された遮水壁の健全性についての事後的な検査を、過大な手間及びコストを必要とせずに行える鉛直遮水シートを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために提案される発明は、大きく2つに大別される。
以下、それらを第1発明、及び第2発明と呼び、順に説明することにする。
【0006】
第1発明は、隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に埋設することにより、遮水壁を構築する鉛直遮水シートを基本とする。
そして、この鉛直遮水シートは、その両側縁部に沿って、他の接続部との接続をなす接続部が設けられていると共に、遮水性が与えられたシート材と、前記シート材の地盤に埋設されない部分からその両端が露出し、且つ前記シート材のうち、地盤に埋設される部分の所定の範囲を通るように配されている導通体と、を備えてなる。
この鉛直遮水シートを、隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に対して略鉛直に埋設することにより構築した遮水壁の健全性は、前記遮水壁を構成するもののうちの一の鉛直遮水シートから露出する前記導通体の両端部間の抵抗を測定することにより検査することができる。これは、地盤に埋設するときに鉛直遮水シートに生じた破損を検査するものである。即ち、鉛直遮水シートのシート材に破損が生じることで、導通体に破損が生じると、シート材から露出する導通体の両端部間の電気抵抗が著しく上昇する。第1発明に係る鉛直遮水シートは、この電気抵抗の変化を検出することにより、遮水壁の健全性の事後的な検査を行えるようになる。
尚、この検査は、シート材から露出する導通体の両端部間の電気抵抗の測定を行うだけで足りるので、手間、コストの過大な負担は生じ得ない。
【0007】
導通体はどのようなもので構成されていても良い。例えば、導線によりこれを構成することができる。
導通体の両端部は鉛直遮水シートが地盤に埋設された後でも地盤から露出している必要がある。また、導通体の中間部分の少なくとも一部は、鉛直遮水シートが地盤に埋設された後においては地盤中に位置する必要がある。この条件を満たしている限り、導通体の配置には特に制限がない。また、この条件を満たしているかぎり、導通体は複数の部材により構成しても良い。
導通体の両端部は、上述のように、鉛直遮水シートが地盤に埋設された後でも地盤から露出するようになっていても良い。例えば、鉛直遮水シートの上縁部からその両端部が露出するように配されていれば良い。このようにすれば、鉛直遮水シートを下方から地盤に埋設したとき、鉛直遮水シートをすべて埋設しない限り、かならず導通体の両端部が地盤から露出するようになる。この場合、導通体は、シート材の上縁部の両側縁部付近から、その両端部が露出するように配されていてもよい。
上述のように、導通体の中間部分の少なくとも一部は、鉛直遮水シートが地盤に埋設された後においては地盤中に位置する必要がある。その場合の導通体の経路は、どのようなものでも良い。導通体がシート材を面上全体を蛇行するようになっていても構わない。
導通体は、その一部が、シート材の下縁部付近でシート材の下縁部に沿うようにして配されていても良い。シート材に破損が生じる可能性の高いシート材の下縁部付近に導通体を配しておくことで、効率よくシート材の破損を発見できるようになる。導通体は、また、シート材の周縁部付近を通るように配されていても良い。下縁部付近以外の部分でも、シート材の周縁部付近を通るようにすることで、シート材の破損の発見をより効率的に行えるようになる。この場合には、導通体の両端部は、シート材の上縁部の両側縁部付近から露出する。
導通体は、また、その少なくとも一部が、前記シート材の内部に埋め込まれていても良い。
【0008】
シート材は、その具体的形状については不問である。これを複数用いて遮水壁を構築することを考えれば、その側縁部は、平行になっているのが好ましい。上縁部、下縁部の形状は特に制限はないが、これも互いに並行とすることができる。シート材は、例えば、略矩形とすることができる。
シート材が備える接続部は、シート材と一体となっていてもよい。また、別部材となっていてもよい。例えば、シート材は、略矩形のシート基材と、他の接続部材との接続をなすものであり、前記シート基材とは別部材とされ、且つ前記シート基材の両縁部に沿って取り付けられている接続部材と、から構成することができる。この場合、上述の導通体は、接続部材のそれぞれに、該接続部材の上端部から露出し且つその接続部材の下端部付近に亘るようにして配されている2本の縦導通体と、前記縦導通体の下端部付近を導通させるようにしながら、前記シート材の下縁部付近に配されている横導通体とからなるものとすることができる。
【0009】
次いで、第2発明について説明する。
第2発明は、隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に埋設することにより、遮水壁を構築する鉛直遮水シートを基本とする。
そして、この鉛直遮水シートは、その両側縁部に沿って、他の接続部との接続をなす接続部が設けられていると共に、遮水性が与えられたシート材と、前記シート材の地盤に埋設されない部分からその一端が露出し、且つ前記シート材の下端付近にその他端が位置するように配されている導通体と、前記導通体の下端付近に前記導通体と導通するようにして設けられた接触体と、を備えており、前記導通体は、それが導通された前記導通体の付近にある前記接続部が、隣接する鉛直遮水シートの接続部と適切に接続されているときに、当該隣接する鉛直遮水シートの接続部付近に設けられた接触体と導通するように構成されている。
この鉛直遮水シートを、隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に対して略鉛直に埋設することにより構築した遮水壁の健全性は、遮水壁を構成するもののうちの隣接する2つの遮水シートの互いに接続されている接続部付近にそれぞれ設けられている2つの導通体の前記一端間の抵抗を測定することにより検査することができる。これは、地盤に埋設するときに鉛直遮水シートの接続部同士が完全に嵌り合っているか否かを検査するものである。この鉛直遮水シートでは、遮水壁構築時に、互いに接続された2つの接続部付近にそれぞれ設けられている2つの導通体と、これらとそれぞれ接続された接触体とが、(導通体)⇒(接触体)⇒(接触体)⇒(導通体)という一連の回路を構成する。但し、この一連の回路は、隣接する接続部同士が適切に接続されているときのみ形成されるのであり、隣接する接続部同士が適切に接続されていないときには、2つの接触体間の接続が切れるか不十分になるものとなっている。
従って、上述の抵抗測定を行ったときに、その抵抗が著しく大きくなっていれば、接続部同士の接続が適切に行われていないと、そうでなければ接続部同士の接続が適切に行われていると判断できる。このようにして、この鉛直遮水シートによれば、遮水壁の健全性の事後的な検査を行えるようになる。尚、接触体は、接続部同士の嵌り合いの失敗が生じやすいのがシート材の下縁付近であることを考慮すれば、シート材の下縁付近に設けることが好ましい。
尚、この検査も、第1発明の場合と同様に、手間、コストの過大な負担は生じない。
【0010】
導通体は第1発明の場合と同様に、どのようなもので構成されていても良い。
また、導通体のそれぞれの上端部は、鉛直遮水シートが地盤に埋設された後でも地盤から露出している必要がある。これが満たされていれば、導通体の形状、経路について、特に制限はない。導通体は、シート材の両接続部付近に、接続部に沿うように配されていても良い。シート材の上縁部の両側縁部付近から、その両端部が露出するように配されていても良い。このようにすれば、鉛直遮水シートを、その下方から地盤に埋設したとき、鉛直遮水シートすべてを埋設しない限り、かならず導通体の両端部が地盤から露出するようになる。他方、2本の導通体の下端部は、直接、或いは他のものを用いて接触部と導通させられている。
導通体は、また、その少なくとも一部が、前記シート材の内部に埋め込まれていても良い。
【0011】
シート材は、第1発明の場合と同様、その具体的形状については不問である。第1発明の場合と同様、様々な形状を採用できる。シート材は、例えば、略矩形とすることができる。
シート材が備える接続部は、シート材と一体となっていてもよい。また、別部材となっていてもよい。例えば、シート材は、略矩形のシート基材と、他の接続部材との接続をなすものであり、前記シート基材とは別部材とされ、且つ前記シート基材の両縁部に沿って取り付けられている接続部材と、から構成することができる。この場合、上述の導通体は、接続部材のそれぞれに、該接続部材の上端部から露出し且つその接続部材の下端部付近に亘るようにして配されてなるものとすることができる。
接続部材の形状も不問である。接続部材同士の接続を、遮水性能を発揮できるような状態で行えれば十分である。例えば、シート材に設けられた接続部材の一方は、内側に向かって幅広となる溝である受部を有し、接続部材の他方は、その長手方向に沿うようにしながら平行移動させて前記受部に挿入したときに抜止されるような形状とされた膨出部を有するようにしてもよい。この場合、受部の下端付近の内側に、受部を有する接続部材内に設けられた導通体と導通させた接触体を配置し、且つ膨出部の下端付近の外側に、導通体と導通させた接触体を配してもよい。
接触体は、導通を取れるような素材であればどのようなものでできていても構わない。素材としては金属が、形状としては板状のものが考えられる。金属板でこれを形成し、シート材の下縁部の両側縁部を覆うようにすると、接触体に、導通を行う機能以外に、シート材を保護する機能をも奏させることができるようになる。
【0012】
上述の第1発明、第2発明はともに独立して実施可能であるが、これらを組み合わせても実施可能である。その場合には、第1発明の導通体と、第2発明の導通体とを一部共用することも可能である。
例えば、第1発明における縦導通体を、第2発明における導通体と共用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態の一例について説明する。
【0014】
この実施形態による鉛直遮水シートSは、図1及び図2に示したようなものとなっている。図2は、図1で示した鉛直遮水シートSをその下方(図1中のA−A方向)から見たところを示した図である。
【0015】
この鉛直遮水シートSは、シート材100を備えている。このシート材100は、シート基材110と、雄接続部材120及び雌接続部材130とを備えてなる。これらシート基材110と、雄接続部材120及び雌接続部材130は、一体とされていても構わないが、この実施形態では、それぞれ別の部材とされている。
【0016】
シート基材110は、必ずしもそうである必要はないが、矩形とされている。シート基材110は、遮水性能を有するものとなっている。その素材は遮水性能を有する限りどのようなものでも構わないが、例えば高密度ポリエチレンによりこれを構成することができる。
雄接続部材120及び雌接続部材130は、その一方がシート基材110の側縁部の一方に、他方がシート基材110の側縁部の他方に取り付けられている。雄接続部材120及び雌接続部材130は、その長さ方向に亘って互いに接続できるように構成されている。また、その接続は、遮水性能を維持できるようなものとなっている。
【0017】
雄接続部材120及び雌接続部材130は、例えば、図2に示したような断面を有するものとすることができる。雄接続部材120及び雌接続部材120も遮水性能が与えられている。その素材は遮水性能を有する限りどのようなものでも構わないが、この実施形態では、高密度ポリエチレンによりこれを構成している。
【0018】
雄接続部材120は、板状の雄板部121と、そのシート基材110から遠ざかる方向に設けられた膨出部122とを備えてなる。雄板部121は、シート基材110との接続をなすためのものである。これには限られないが、この実施形態では熱溶着により、雄板部121とシート基材110との接続がなされている。膨出部122は、雄板部121よりも厚幅とされる。この実施形態における膨出部122は、図2に示したように、その断面が矢印形状に形成されている。
雄接続部材120には、それに沿うようにして、雄導線123が配されている。この実施形態における雄導線123は、雄接続部材120の長さ方向の全体に亘るようにして、雄接続部材120の内部に配されており、その上端が、雌接続部材130の上端から露出するようになっている。雄導線123は、雄接続部材120の製造時に、雄接続部材120の内部に配される。尚、この実施形態における雄接続部材120及び雌接続部材130はともに、その長さ方向のどの位置でも同様の断面を有するようになっている。このような形状は、樹脂押出し成形技術を用いることで容易に成形できるものであり、製造上便利である。雄導線123を内部に埋め込みつつ、雄接続部材120と同断面であり、且つ雄接続部材120よりも長尺のものを製造し、それを適宜な長さで切断することで、この実施形態の雄接続部材120が製造される。
また、雄板部121の両面には、導体の金属により形成された矩形の金属板である雄接触体124がそれぞれ配されている。雄接触体124は、導体の金属により形成されており、2枚の雄接触体124を雄板部121とともに貫通するリベット125によって、雄板部121に固定されている。また、リベット125は、上述の雄導線123と当接するようになっている。これにより、雄接触体124は、リベット125を介して雄導線123と導通している。
また、シート基材110の下縁部の付近には、該下縁部に沿うように横導線140が設けられている。リベット125は、この横導線140と当接するようになっている。
【0019】
雌接続部材130は、板状の雌板部131と、そのシート基材110から遠ざかる方向に設けられた受部132とを備えてなる。雌板部131は、シート基材110との接続をなすためのものである。これには限られないが、この実施形態では熱溶着により、雌板部131とシート基材110との接続がなされている。受部132は、内側に向かって幅広となる溝である。この実施形態における受部132は、図2に示したように、膨出部122の形状と略対応したものとなっている。つまり、その溝の断面が膨出部122に対応した矢印形状となるようにして形成されている。
雌接続部材130には、それに沿うようにして、雌導線133が配されている。この実施形態における雌導線133は、雌接続部材130の長さ方向の全体に亘るようにして、雌接続部材130の内部に配されており、その上端が、雌接続部材130の上端から露出するようになっている。雌導線133は、雌接続部材130の製造時に、雌接続部材130の内部に配される。尚、この実施形態における雌接続部材130及び雌接続部材130はともに、その長さ方向のどの位置でも同様の断面を有するようになっている。このような形状は、雄接続部材120の場合と同様に、製造の際に有利である。
また、雌接続部材130の、受部132の外側面から、受部132の開口部にかけての部位は、導体の金属板を曲折して形成された雌接触体134により覆われている。雌接触体134は、導体の金属により形成されており、双方の雌接触体134を雌板部131とともに貫通するリベット135によって、雌板部131に固定されている。また、リベット135は、上述の雌導線133と当接している。これにより、雌接触体134は、リベット135を介して雌導線133と導通している。リベット135は、上述した横導線140とも当接するようになっている。
尚、雌接触体134の、受部132の対向する位置には、導体の金属により形成された板バネ136が雌接触体134と導通された状態で取り付けられている。板バネ136は、後述するように、受部132に膨出部122を嵌め込んだ場合に、雄接触体124と雌接触体134とを強制的に接触させるように機能する。
【0020】
次に、上述した鉛直遮水シートSの使用法、即ち、これを用いて、遮水壁を構築する方法、及びその遮水壁の健全性を確認する方法について説明する。
【0021】
この鉛直遮水シートSを用いて遮水壁を構築するには、まず、一の鉛直遮水シートSを、所定の深さまで、略鉛直を保ちながら地盤に対して埋設する。かかる鉛直遮水シートSの埋設は、公知の高周波振動機や圧入式施工機などの貫入機を用いたり、或いはウォータージェットを用いることにより行うことができる。次いで、その隣に、2番目の鉛直遮水シートSを埋設する。このとき、既に埋設されている鉛直遮水シートSの受部132に、2番目の鉛直遮水シートSの膨出部122を嵌め合わせるか、或いは、既に埋設されている鉛直遮水シートSの膨出部122に、2番目の鉛直遮水シートSの受部132を嵌め合わせるかする。つまり、一方鉛直遮水シートSの受部132内を、他方の鉛直遮水シートSの膨出部122が平行移動するようにするのである。この状態を、図3に示す。図3から明らかなように、1番目の鉛直遮水シートSと2番目の鉛直遮水シートSとは、その一方側の鉛直遮水シートSの受部132から、他方側の鉛直遮水シートの膨出部122が抜止される。これを繰り返していくことにより、鉛直遮水シートSを連続させた遮水壁が構築される。構築された遮水壁の一例を、図4に示す。尚、上述の過程を繰り返すだけでも、鉛直遮水シートS同士のつなぎ目における遮水性能はある程度確保される。但し、遮水性能をより優れたものとするには、互いに嵌め合わせられる受部132と、膨出部122との間に、水膨張性ゴムを配するとよい。ここに水膨張性ゴムを配しておけば、受部132と、膨出部122との間に水が入り込んできた場合には、水膨張性ゴムがその隙間を埋めるように膨張するので、ここを水が通過することはほとんど不可能となり、遮水壁の遮水生能を向上させられるようになる。
【0022】
次に、構築した遮水壁の健全性を確認するための検査方法について説明する。
まず、一の遮水壁のどこかに破損がないかを調べるための検査方法について説明する。
この場合には、図4のT1で示した抵抗計を用いて行っているように、破損の有無を知りたい鉛直遮水シートSの上端から露出している雄導線123、雌導線133間の抵抗を測定する。このとき、雄導線123から雌導線133にかけては、(雄導線123)⇒(リベット125)⇒(横導線140)⇒(リベット135)⇒(雌導線133)という回路が形成されている。但し、この回路は、この回路のうちのどこか(例えば、横導線140)が切断されたり、損傷を受けている場合には、その抵抗値が著しく上昇する。そこで、上述の抵抗測定を行った結果、この回路の抵抗が予定された抵抗値よりも著しく大きくなっていない場合には、鉛直遮水シートSの破損がないものと、抵抗が著しく大きくなっている場合には鉛直遮水シートSの破損があるものと判断する。
次に、一の遮水壁とそれと隣接する遮水壁とを接続している雄接続部材120と、雌接続部材130との接続が適切に行われているか否かの検査方法について説明する。
この場合には、図4のT2で示した抵抗計を用いて行っているように、隣接する鉛直遮水シートSの接続されている雄接続部材120と、雌接続部材130の上端からそれぞれ露出している雄導線123、雌導線133間の抵抗を測定する。このとき、雄導線123から雌導線133にかけては、(雄導線123)⇒(リベット125)⇒(雄接触体124)⇒(雌接触体134)⇒(リベット135)⇒(雌導線133)という回路が形成されている。但し、この回路は、この回路のうちのどこかで切断されたり、或いは雄接触体124と雌接触体134との間の接続が不十分になった場合には、その抵抗値が著しく上昇する。そこで、上述の抵抗測定を行った結果、この回路の抵抗が予定されたものより著しく大きくなっていない場合には、鉛直遮水シートS同士の接続が適切であると、抵抗が著しく大きくなっている場合には鉛直遮水シートS同士の接続が不適切であると判断する。
【0023】
【発明の効果】
本発明による鉛直遮水シートは、上述したようなものなので、それを用いて構築した遮水壁の健全性についての事後的な検査を、過大な手間及びコストを必要とせずに行えるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における鉛直遮水シートの概観を示す図。
【図2】図1で示した鉛直遮水シートを、図1中のA−A方向から見たところを示す図。
【図3】図1で示した鉛直遮水シートを、他の鉛直遮水シートと接続した場合の接続部付近を、図1中のA−A方向から見たところを示す図。
【図4】図1で示した鉛直遮水シートの使用例を示す図。
【符号の説明】
S 鉛直遮水シート
100 シート材
110 シート基材
120 雄接続部材
121 雄板部
122 膨出部
123 雄導線
124 雄接触体
125 リベット
130 雌接続部材
131 雌板部
132 受部
133 雌導線
134 雌接触体
135 リベット
140 横導線

Claims (11)

  1. 隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に埋設することにより、遮水壁を構築する鉛直遮水シートであって、その両側縁部に沿って、他の接続部との接続をなす接続部が設けられていると共に、遮水性が与えられたシート材と、前記シート材の地盤に埋設されない部分からその両端が露出し、且つ前記シート材のうち、地盤に埋設される部分の所定の範囲を通るように配されている導通体と、を備えてなる鉛直遮水シートであって、
    前記シート材は、略矩形のシート基材と、他の接続部材との接続をなすものであり、前記シート基材とは別部材とされ、且つ前記シート基材の両縁部に沿って取り付けられている接続部材と、からなると共に、前記導通体は、前記接続部材のそれぞれに、該接続部材の上端部から露出し且つその接続部材の下端部付近に亘るようにして配されている2本の縦導通体と、前記縦導通体の下端部付近を導通させるようにしながら、前記シート材の下縁部付近に配されている横導通体と、からなる、
    鉛直遮水シート。
  2. 前記導通体は、その少なくとも一部が、前記シート材の内部に埋め込まれている、請求項1記載の鉛直遮水シート。
  3. その両側縁部に沿って、他の接続部との接続をなす接続部が設けられていると共に、遮水性が与えられたシート材と、前記シート材の地盤に埋設されない部分からその両端が露出し、且つ前記シート材のうち、地盤に埋設される部分の所定の範囲を通るように配されている導通体と、を備えており、前記シート材が、略矩形のシート基材と、他の接続部材との接続をなすものであり、前記シート基材とは別部材とされ、且つ前記シート基材の両縁部に沿って取り付けられている接続部材と、からなると共に、前記導通体が、前記接続部材のそれぞれに、該接続部材の上端部から露出し且つその接続部材の下端部付近に亘るようにして配されている2本の縦導通体と、前記縦導通体の下端部付近を導通させるようにしながら、前記シート材の下縁部付近に配されている横導通体と、からなる、鉛直遮水シートを、隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に埋設することにより構築した遮水壁の健全性を確認する遮水壁の検査方法であって、
    前記遮水壁を構成するもののうちの一の鉛直遮水シートから露出する前記導通体の両端部間の抵抗を測定する過程を含む、
    遮水壁の検査方法。
  4. 隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に埋設することにより、遮水壁を構築する鉛直遮水シートであって、その両側縁部に沿って、他の接続部との接続をなす接続部が設けられていると共に、遮水性が与えられたシート材と、前記シート材の地盤に埋設されない部分からその一端が露出し、且つ前記シート材の下端付近にその他端が位置するように配されている導通体と、前記導通体の下端付近に前記導通体と導通するようにして設けられた接触体と、を備えており、前記導通体は、それが導通された前記導通体の付近にある前記接続部が、隣接する鉛直遮水シートの接続部と適切に接続されているときに、当該隣接する鉛直遮水シートの接続部付近に設けられた接触体と導通するように構成されている、鉛直遮水シート。
  5. 前記導通体は、前記シート材の両接続部付近に、前記接続部に沿うようにして配されている、請求項記載の鉛直遮水シート。
  6. 前記導通体のそれぞれは、前記シート材の上縁部の両側縁部付近から、その両端部が露出するように配されてなる、請求項4又は5記載の鉛直遮水シート。
  7. 前記導通体は、その少なくとも一部が、前記シート材の内部に埋め込まれている、請求項記載の鉛直遮水シート。
  8. 前記シート材は、略矩形のシート基材と、他の接続部材との接続をなすものであり、前記シート基材とは別部材とされ、且つ前記シート基材の両縁部に沿って取り付けられている接続部材と、からなると共に、前記導通体は、前記接続部材のそれぞれに、該接続部材の上端部から露出し且つその接続部材の下端部付近に亘るようにして配されてなる、請求項記載の鉛直遮水シート。
  9. 前記接続部材の一方は、内側に向かって幅広となる溝である受部を有していると共に、前記接続部材の他方は、その長手方向に沿うようにしながら平行移動させて前記受部に挿入したときに抜止されるような形状とされた膨出部を有してなる、請求項記載の鉛直遮水シート。
  10. 前記接触体の少なくとも一方は、金属板にて形成されている、請求項記載の鉛直遮水シート。
  11. その両側縁部に沿って、他の接続部との接続をなす接続部が設けられていると共に、遮水性が与えられたシート材と、前記シート材の地盤に埋設されない部分からその一端が露出し、且つ前記シート材の下端付近にその他端が位置するように配されている導通体と、前記導通体の下端付近に前記導通体と導通するようにして設けられた接触体と、を備えており、前記導通体は、それが導通された前記導通体の付近にある前記接続部が、隣接する鉛直遮水シートの接続部と適切に接続されているときに、当該隣接する鉛直遮水シートの接続部付近に設けられた接触体と導通するように構成されている鉛直遮水シートを、隣接するもの同士の側縁部を接続した状態で、その下方を地盤に埋設することにより構築した遮水壁の健全性を確認する遮水壁の検査方法であって、
    前記遮水壁を構成するもののうちの隣接する2つの遮水シートの互いに接続されている接続部付近にそれぞれ設けられている2つの導通体の前記一端間の抵抗を測定する過程を含む、
    遮水壁の検査方法。
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