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JP4608908B2 - プラスチックの高炉吹込み方法 - Google Patents
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JP4608908B2 - プラスチックの高炉吹込み方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般廃棄物や産業廃棄物としてのプラスチック系廃棄物である使用済みプラスチックや微粉炭を高炉の吹き込み原料に用いる、プラスチックの高炉吹込み方法に関する。
高価なコークスの使用量を低減し、銑鉄の製造コストを削減することを目的に、高炉において補助還元材吹込みが実施されている。補助還元材としての微粉炭の吹込みに関しては、例えば、銑鉄トン当たり200kgを超える多量の微粉炭吹込み操業を行なっている高炉もある(例えば、非特許文献1参照。)。
一方、高炉の吹き込み原料としては、微粉炭のほかにプラスチック等の可燃性固体を用いることができる。特に、これまで焼却あるいは埋め立てされてきた都市ごみあるいは産業廃棄物中に混在する使用済みプラスチックを還元材として利用することが、省エネルギー、リサイクルの見地からも有利である。
しかしながら、原料の炉吹込み量が多くなると、炉下部における通気性の悪化が顕著となり、安定した高炉操業を維持することが困難になる場合もある。このような炉下部通気性の悪化は、下記のレースウェイの端部に形成される「シェル」に起因するとされている。図2を用いてシェル形成の原理を説明する。図2は高炉下部の羽口付近の断面の概略図であり、高炉1の熱風および還元材吹込み部2の近傍を詳細に説明した図である。即ち、羽口8に接続されたブローパイプ9を貫通して設置された吹込みランス10を介して高炉1内へプラスチック、微粉炭等の還元材を吹込む場合、羽口8の前方に形成されるレースウェイ11の端部(奥の部分)に、レースウェイ11内で高速に燃焼して生成した、プラスチックや微粉炭中の灰分に含まれるSiO2やAl23を主体とする酸性成分スラグが増加して、レースウェイ11の端部に生成されるスラグの粘性や融点が増加するためである。このレースウェイ11の端部に生成される難流動性のスラグ層を、ここではレースウェイシェル12と呼んでいる。このレースウェイシェル12の存在により炉心部への送風が遮られ、ガスが流れ難くなり、送風圧が上昇して生産性が低下する。また、炉心部への送風が遮られるので、炉壁部分を通って上部へ通過するガス流れが増加してヒートロスが増え、これにより還元材比が上昇する。
吹込み還元材の灰の由来としては、石炭中に含まれる数%乃至十数%の灰や、廃プラスチック中に含まれている有機物以外の無機物、例えば、食品袋の内面に用いられているアルミ箔、プラスチック中の充填材(SiO2、TiO2、CaOなど)などがあげられる。これらの灰はCaO成分とSiO2成分との比率(CaO/SiO2)や、CaO成分とAl23成分との比率(CaO/Al23)により、融点および粘性が大きく変化するが、一般に高融点かつ高粘度であり、上述のようにレースウェイ11の端部に蓄積し、レースウェイシェル12を形成することになる。
上記のような炉下部における通気性の悪化の改善方法として、CaO系、MgO系あるいはSiO2系のフラックスを造滓剤として羽口から吹き込む方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、高塩基度造滓剤として、微粉ドロマイト、蛇紋岩、カンラン石、石灰石等の塩基性媒溶剤を微粉炭と同時に吹き込み、吹込み量を塩基性媒溶剤と微粉炭中の灰分とを混合したときの塩基度(塩基性成分量/酸性成分量)が、0.5〜1.3の範囲内となるようにして、微粉炭の灰分とドロマイト等とをレースウェイ内で同化させ、低粘性のスラグを形成させて、高融点のシェルを薄くする方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平3−291313号公報 特公平6−89382公報 森候寿他著 「材料とプロセス」日本鉄鋼協会編 1995年、8、vol.1、p.319
しかし、特許文献1、特許文献2においては、レースウェイ内部における粉体形態を有する造滓剤の挙動に関して、十分な解明がなされていないため、粉状造滓剤を用いてシェルを薄くする方法は現実的でない。例えば、特許文献1及び特許文献2においては、吹き込まれる粉状造滓剤の粒度に関して、200メッシュ以下であることが望ましい、と記載されている。しかしながら、このような粒度では、羽口から吹き込まれた粉体の慣性力が小さいために粉体の多くはレースウェイ端部のシェルまで到達することなく、ガス流れに追随してレースウェイ外部へ飛散してしまい、効果的にシェルと同化させることは困難である。また、シェルの除去効果を得ようとして微粉の粉状造滓剤を多量に吹き込むと、微粉炭の燃焼性が著しく阻害される上、更には炉下部全域にスラグ量が増加するので、通気・通液性が阻害されることが懸念される。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、高炉へプラスチックや微粉炭等の還元材を吹込む操業において、炉の通気性を悪化させることの無いプラスチックの高炉吹込み方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)プラスチックを炉吹き込み原料として用いる高炉の操業において、炉内での燃焼により生成する前記プラスチックの灰分の組成比(CaO/Al23)が0.5以上となる、使用済みプラスチックと、該使用済みプラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させる物質とを混合して造粒した粒状物であるプラスチックを吹き込むことを特徴とするプラスチックの高炉吹込み方法。
(2)プラスチックと微粉炭とを炉吹き込み原料として用いる高炉の操業において、前記プラスチックと前記微粉炭との炉内での燃焼により生成する灰分の組成比(CaO/Al23)が0.5以上となるように、使用済みプラスチックと、該使用済みプラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させる物質とを混合して造粒した粒状物であるプラスチックを吹き込むことを特徴とするプラスチックの高炉吹込み方法。
(3)プラスチックが使用済みプラスチックの破砕物であることを特徴とする(1)または(2)に記載のプラスチックの高炉吹込み方法。
(4)灰分の融点を低下させる物質の少なくとも一部が、CaO源であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれか1つに記載のプラスチックの高炉吹込み方法。
(5)高炉へのプラスチックおよび/または微粉炭の吹き込み量が合計100kg/t以上であることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれか1つに記載のプラスチックの高炉吹込み方法。
本発明によれば、レースウェイシェルと呼ばれる高炉内の通気不良層を溶融除去できるので、炉の通気性を悪化させること無く、微粉炭や使用済みプラスチック等の還元材を多量に炉の吹込み原料として利用することができる。このため、コークス代替として使用済みプラスチックを多量に炉に吹込むことが可能となり、使用済みプラスチックのコークスに対する置換率が増加して、製鉄コストを削減できる。また通気性の改善により炉の周辺流の強化が緩和されるので、ヒートロスも減少する。
本発明者らは、レースウェイ内部における粉体形態を有する造滓剤の挙動に関して検討したところ、粉状造滓剤の吹き込みでは、羽口から吹き込まれた粉体の慣性力が小さいために粉体の多くはレースウェイ端部のシェルまで到達することなく、ガス流れに追随してレースウェイ外部へ飛散してしまい、シェルと同化させることは困難であった。そこで、吹き込むべき造滓剤は、羽口から吹き込まれた後、レースウェイ端部のシェルまで達する慣性力を備えた粒度を有することが必要であると考え、鋭意検討を重ね、造滓剤に慣性力をあたえ、レースウェイ端部のシェルに到達させ、効果的に吹込み原料由来のスラグ分と同化させるために、プラスチック中に造滓剤を添加して粒状化した粒状物を羽口から吹き込むか、またはあらかじめ灰の塩基度の高い粒状プラスチックの粒状物を羽口から吹き込む方法が効果的であることを見出して本発明を完成した。すなわち、プラスチックを炉吹き込み原料として用いる高炉の操業において、炉内での燃焼により生成する灰分の組成比(CaO/Al23)が0.5以上となるようなプラスチックの粒状物を吹き込むことを特徴とするプラスチックの高炉吹込み方法である。これにより造滓剤は粒状物であるプラスチックと一体化して炉内に吹きこまれることになるため、吹込まれたガス流れに追随してレースウェイ外部へ飛散してしまうことが無くなり、効果的にシェルと同化せしめることが可能となる。
プラスチックが炉内での燃焼により生成する灰分の融点は、1700℃未満となることが望ましい。好ましくは1650℃以下である。このためには、灰分の平均組成比(CaO/Al23)が0.5以上となるようにプラスチックの高炉への吹き込み量や、成分を調整することが望ましい。
吹込み原料の灰分の平均組成比(CaO/Al23)を0.5以上とする理由は、この下限値0.5以下に低くなると、レースウェイシェルのスラグの塩基性低下による融点の低下効果を充分に発揮することが出来ない場合があり、レースウェイシェルの除去による通気性改善効果を期待できないためである。図3のSiO2−Al23−CaOの3元系状態図を用いてこの現象を説明する。図3における直線Aは(CaO/Al23)=0.5の位置を示しており、(CaO/Al23)が0.5以上の領域は直線Aの左側部分に相当する。この領域では融点が概ね1600℃以下であり、微粉炭の灰分(B)またはプラスチック(通常の使用済みプラスチック)の灰分(C)の初期融点である1700〜1800℃に比較して大幅に低くなることがわかる。
粒状物の粒径は、球体換算粒径(同体積の球の直径)で1mm以上であることが好ましい。粒径が1mm未満であると、ガス流れに追随してレースウェイ外部へ飛散してしまい、シェルと同化させることが困難になる場合がある。特に好ましくは粒径4mm以上である。4mm以上の粒径であれば、レースウェイ端部のシェルに到達するのに充分な慣性力を有する。ただし、造粒物の密度あるいは形状係数(球体からの乖離度)によりこの値は変化するので、状況にあわせその都度粒径の下限を見極めていくことが望ましい。また上限粒度については、粒径が大きくなりすぎると、吹込みラインでの詰り、閉塞の原因となるため、20mm以下程度の粒径とすることが望ましい。粒径の上限についても、吹込みラインの輸送能力を考慮して適宜実験的に決定すればよい。
また、プラスチックと微粉炭とを炉吹き込み原料として用いる高炉の操業においては、プラスチックと微粉炭との炉内での燃焼により生成する灰分の組成比(CaO/Al23)が0.5以上となるようにプラスチックを吹き込むことが望ましい。シェルはプラスチックに含まれている無機物に由来して高温の炉内で主に燃焼して生成した灰分(燃焼残渣)で形成されているが、シェルはこの他の炉内物質、特に炉内に吹きこまれた微粉炭に由来する成分も含むものであり、プラスチックと微粉炭とを炉吹き込み原料として用いる高炉の操業においては、これらが同時に炉内で燃焼して生成した灰分の組成比(CaO/Al23)を考慮することが望ましい。
プラスチックとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロイド等のC,H,Oを主体としたプラスチックであれば高炉の操業に影響が無い限り特に制限はなく、また、製品プラスチックであっても廃プラスチックでもよいが、コスト面および産業廃棄物の有効利用を図る観点から使用済みプラスチック(廃プラスチック)を利用することが好ましい。
なお、ここでの使用済みプラスチックとは、工場等での製造・加工時に生じる屑や不良品を含む所謂ゴミとしての廃棄物たるプラスチック類であり、その性質上プラスチック以外の異物(金属、紙、その他の無機物および有機物)が付着もしくは混入しているプラスチック類を含むものである。このような廃プラスチックの具体例としては、プラスチックボトル、プラスチック袋、プラスチック包み、プラスチックフィルム、プラスチックトレイ、プラスチックカップ、磁気カード、磁気テープ、ICカード、フレキシブルコンテナ、プリント基板、プリントシート、電線被覆材、事務機器または家電製品用ボディーおよびフレーム、化粧合板、パイプ、ホース、合成繊維および衣料、プラスチック成型ペレット、ウレタン材、梱包用シート、梱包用バンド、梱包用クッション材、電気用部品、玩具、文房具、トナー、自動車用部品(例えば、内装品、バンパー)、自動車または家電製品等のシュレッダーダスト、イオン交換樹脂、合成紙、合成樹脂接着樹剤、合成樹脂塗料、固形化燃料(廃棄プラスチック減容物)等が例示され、これらを廃棄物としての状態のまま、あるいは必要に応じて所定の処理を施したものを利用することができる。また、これら廃プラスチックと製品プラスチックとの混合物を利用してもよい。
上記のような、炉吹き込み原料として用いるプラスチックとしては、プラスチックを燃焼させた際に生成する灰分の組成比(CaO/Al23)の高い、使用済みプラスチックの破砕物であることが望ましい。このような灰分の塩基度が高いプラスチックを破砕して用いることで、造粒等の工程を経ることなく、使用済みプラスチックの粒状物を得ることができる。
一方で、一般の廃棄物としての使用済みプラスチックが炉内での燃焼した際に生成する灰分の塩基度は、それほど高くない場合がほとんどであるため、プラスチックとして、使用済みプラスチックと、使用済みプラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させる物質とを混合して造粒した粒状物を用いることが望ましい。使用済みプラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させる物質を使用済みプラスチックに添加して、一体として粒状化することで、炉内で生成する灰分の融点を制御することが可能となる。上記の方法は使用済みプラスチック以外のプラスチックを用いる場合にも、適用可能であり、プラスチックと、プラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させる物質とを混合して造粒した粒状物を用いることが望ましい。
灰分の融点を低下させる物質の少なくとも一部が、CaO源であることが望ましい。廃プラスチックや微粉炭に含有される灰分(Ash)の主成分は、SiO2やAl23が主体であるために、CaO源を廃プラスチックに混合して粒状物を製造することで、炉内で生成する灰分の融点を低下させることが可能である。CaO源とは、CaOを含有する物質、もしくはCaCO等の炉内でCaOを生成するCaO生成源となる物質である。
プラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させる物質としては、ドロマイト、蛇紋岩、カンラン石、石灰石、生石灰等のCaOを主成分とする塩基性物質(媒溶剤、焼結鉱など)を用いることが好ましい。プラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させることにより、粘性を低下させるものであれば、炉の操業を妨げない限り任意の物質を用いることが可能であるが、従来のプラスチックの造粒設備を利用することができ、造粒時にプラスチックと混合する際の均一混合の容易さと、炉内に吹きこまれた際の反応性から、粉体であることが望ましく、1mm程度以下の粒度が主であるものを用いることが望ましい。製造したプラスチック粒状物の貯蔵安定性の点からは、石灰石を用いることが特に好ましい。さらに好ましくは炭酸カルシウムである。
高炉へのプラスチックおよび/または微粉炭の吹き込み量が、プラスチックと微粉炭との合計が100kg/t以上である場合に炉下部における通気性の悪化が顕著となるので、本発明は、高炉へのプラスチックおよび/または微粉炭の吹き込み量の合計が100kg/t以上である場合に用いることが望ましい。
ことが望ましい。
図1は本発明の一実施形態を示す概略図である。高炉1へ熱風および還元材吹込み部2から熱風および還元材を吹込む操業において、微粉炭供給ライン3から微粉炭を供給し、供給ライン4から造滓剤を含有する粒状プラスチックを供給する。混合機5は、プラスチックへ造滓材を含有せしめ、かつ粒状に成型するためのものであり、プラスチック原料は供給ライン6により混合機5に導入され、造滓材は供給ライン7により混合機5に導入される。混合機5では、あらかじめ測定された、プラスチックと微粉炭の灰の組成および量から必要な造滓剤量を混合し、粒状に処理を行なう。
なお、微粉炭の吹込みを実施しない場合は微粉炭供給ライン3は省略してよい。また、十分な造滓剤を含有している状態に相当するプラスチックを吹き込みに用いる場合は供給ライン7が省略可能で混合機5において破砕処理を行い、粒状化する。さらにもともとプラスチックが造滓材を含有しかつ粒状で供給される場合は混合機5が省略可能である。
混合機5においてプラスチックを粒状物に造粒する際には、通常使用済みプラスチックを造粒する際に用いる公知の方法を用いれば良く、例えば以下の(a)〜(c)のような造粒方法を用いることができる。(a)〜(c)の方法は、特にフィルム状の使用済みプラスチックの造粒に好適である。いずれの方法を用いる場合にも、事前に使用済みプラスチックを造粒処理に適当なサイズに破砕し、洗浄し、除去可能な異物は除去することが望ましい。
(a)圧縮成型造粒方法:使用済みプラスチックを、全周に複数のダイス孔が貫設されたリングダイの孔から圧縮押出しして造粒する。たとえば、全周に複数のダイス孔が貫設されたリングダイと、このリングダイの内側にリングダイ内周面と接するようにして回転自在に配置された転動ローラとを備えた圧縮成型装置を用いるものであり、リングダイの内部に投入された使用済みプラスチックを、転動ローラによってリングダイ内周面との間で圧縮・圧潰しつつリングダイのダイス孔に押し込み、ダイス孔内を通過してリングダイ外面側に押し出されたプラスチック成型物を切断又はリングダイ外面から掻き落とすことにより、炉吹き込み原料となる粒状プラスチック成型物を得るものである。主としてダイス孔内において使用済みプラスチックの少なくとも一部が摩擦熱によって半溶融又は溶融化し、その後固化することによりプラスチック成型物(粒状物)が得られる。
圧縮成型造粒方法で用いる造粒装置としては、たとえば、全周に複数のダイス孔が貫設され、装置本体に回転可能に支持されるとともに駆動装置により回転駆動するリングダイと、装置本体に回転自在に支持されるとともに、前記リングダイの内側にリングダイ内周面と接するようにして配置される1又は2以上の転動ローラとを備えたものが知られており、使用済みプラスチックを、前記転動ローラによってリングダイ内周面との間で圧縮・圧潰しつつリングダイのダイス孔内に押し込み造粒する。
灰分の融点を低下させる物質の混合方法としては、別途混合器を設置し、事前に使用済みプラスチックと灰分の融点を低下させる物質とを混合してもよい。また、灰分の融点を低下させる物質の粒度は、リング体と転動ローラの間隙を通過するものであればよく、リングダイ内で粉砕されるものであれば問題ないが、造粒に支障をきたさないためには平均粒度が1mm以下程度であることが好ましい。
圧縮成型造粒方法により得られる粒状プラスチック成型物は灰分の融点を低下させる物質とダイス孔との摩擦が大であり、使用済みプラスチックの隙間に灰分の融点を低下させる物質が充填されるために、従来の使用済みプラスチックのみを造粒したものに較べて高強度を有するため、燃焼性が向上するうえに、造粒後のハンドリングや空気輸送の際に崩壊する割合が極めて少なく、このため空気輸送用の配管などでの詰まりが適切に防止できる。そして、竪型炉内に吹き込まれた際に、粒状プラスチックに混合した灰分の融点を低下させる物質が、レースウェイ端部のシェルと同化し、その粘度を低下させ炉内の通気性を改善させる。
(b)半溶融造粒方法:使用済みプラスチックを回転する破砕刃などにより破砕すると同時に撹拌しつつ、その摩擦熱又は外部加熱によってプラスチックを半溶融又は溶融させた後、水の噴霧よって冷却することで粒状プラスチックに造粒する方法である。この造粒方法はバッチ処理であるため処理効率(生産性)が低く、冷却に水を使用するため事後の乾燥工程が必要である、処理条件やプラスチック投入量によって得られる粒状プラスチックの粒度にバラツキを生じやすい、などの欠点がある。使用済みプラスチックと灰分の融点を低下させる物質とを回転する破砕刃を備えた装置内に投入する、または事前に使用済みプラスチックと灰分の融点を低下させる物質とを混合して装置内に投入し、従来と同様に粒状物を製造できる。灰分の融点を低下させる物質の粒度は、(a)に用いる場合よりも粗粒のものでも好適に使用できる。
(c)溶融押出し造粒方法:使用済みプラスチックを押出し成型機等を用いて溶融混練した後、ダイス孔等から線状に押出して冷却し、長さ方向で適当な長さに切断することで粒状化する。使用済みプラスチックと灰分の融点を低下させる物質とを押出し装置内に投入する、または事前に使用済みプラスチックと灰分の融点を低下させる物質とを混合して押出し装置内に投入して、使用済みプラスチックと使用済みプラスチック灰分の融点低下物質とを混合した粒状物を製造する。灰分の融点を低下させる物質の粒度は、(a)に用いる場合よりも粗粒のものでも好適に使用できる。
例えば上記(a)〜(c)の造粒方法を用いて灰分の融点を低下させる物質とともに造粒したプラスチックの粒状物を、空気輸送により高炉の羽口に供給して炉内に吹きこむ。炉内に吹きこまれた粒状物は通常のプラスチックの粒状物と同様に炉内で燃焼し、プラスチックが含有していた無機物と灰分の融点を低下させる物質とに由来するスラグが発生する。しかし前記スラグは比較的融点が低く、粘性が低いため炉内でシェルを形成し難く、炉の通気性を悪化させることがない。このため、従来よりも多量のプラスチックを炉内に吹きこんでも操業は安定したままで、コークス比を低下させることができる。また、既に炉内に生成しているシェルの成分組成を変化させて低粘性化させることで、炉の通気性を改善する。炉の中心部の通気性が確保されることで、炉壁側を通じてガス流れが生じる、周辺流が強まる傾向が緩和されて、ヒートロスが減少するので、生産性が向上する。
また、微粉炭吹きこみを行う竪型炉の操業の際にも、シェルの生成により通気性が悪化するが、本発明方法を用いて使用済みプラスチック粒状物を吹き込むことで、シェルを除去して炉の通気性を改善できる。したがって微粉炭とプラスチックの両方を吹き込む炉の操業の際には、本発明方法は非常に効果的であり、従来よりも炉の通気性を改善できるのでコークス比を下げて操業することが可能となり、生産性が非常に向上する。微粉炭吹込みを行う場合には、炉内に形成されるシェルの成分組成が微粉炭吹き込みを行わない場合とは若干異なるので、その組成に応じてプラスチックの吹き込み量や組成を調整することで、より効果的にシェルを除去できる。
炉内容積3223m3の高炉を用い、羽口から吹込む還元材として表1に示す成分組成のものを組み合わせて使用し、期間1〜期間11にかけて表2に示す条件で高炉操業を行い、操業成績を評価した。
Figure 0004608908
Figure 0004608908
表1において、微粉炭A、Bは代表的な2種類の石炭種であり、通常の高炉操業では、このような石炭を単独であるいは2種類、さらには3種以上を混合して用いている。本実施例においては、微粉炭A、B単独、あるいは2種を混合して用いた。
プラスチックAとして、一般家庭からの廃棄物であり、複数種類のプラスチックと異物とが混合された状態の使用済みプラスチックを用いた。表1に示すものは平均組成である。プラスチックBはプラスチックAに約3mass%のCaO分として、粒度1mm以下の石灰石粉末を添加して圧縮成型造粒方法によりリングダイを用いて直径約6mm、長さ約10〜20mmの円筒形の粒状物に粒状化したものである。
比較例1では組成比(CaO/Al23)の値が0.17と小さいが還元材吹込み量が95kg/tと100kg/tに満たない少量であるため、おおむね順調に操業が可能であった。
比較例2では還元材吹込み量を増大させ150kg/tにしたところ、炉下部通気抵抗指数が増大し炉況が悪化した。還元材比が増大して、出銑量の低下をまねいた。炉下部通気性指数(Kl)は下記(A)式により計算した。
Kl=(Pblast 2−P4 2)×106/Vbosh・・・(A)
ここでPblast、P4はそれぞれ送風圧、シャフト4段圧力(Kg/cm2)、Vboshはボッシュガス量(Nm3/min)である。
比較例3は、比較例2に対して微粉炭種類を微粉炭A単独から微粉炭A、B半量ずつに変更した場合である。この場合も炉況の回復は見られなかった。
比較例4では、微粉炭Aの吹込み量を減じ、プラスチックAの使用量を増大した場合を示す。この場合も組成比(CaO/Al23)の値が0.28と小さく、炉況の回復には至らなかった。
比較例5では比較例2の条件下で微粉(200meshアンダー100%)の造滓剤(CaO)を5kg/t吹込んだ場合を示す。組成比(CaO/Al23)の値は1.84に相当するが、微粉吹込みではレースウェイシェルの溶解効果は小さく、やはり効果は見られなかった。
比較例6では微粉炭吹込み比を50kg/tに下げ、プラスチックAを100kg/t吹込んだ条件下で微粉(200meshアンダー100%)の造滓剤(CaO)を吹込んだ場合である。比較例5と同様効果は見られなかった。
実施例1はプラスチックBを50kg/t吹込み、微粉炭Aを100kg/t吹込んだ場合を示す。組成比(CaO/Al23)の値は0.69で0.5より大であり、高炉の羽口よりプラスチックBの粒状物の吹きこみを開始したところ、レースウェイシェルが溶解除去され、通気性は徐々に改善され、炉況が改善し、送風圧力が減少したのでコークスの装入量を減らしてコークス比を下げて操業を行うことができた。
実施例2はプラスチックBを50kg/t吹込み、微粉炭Bを100kg/t吹込んだ場合を示す。組成比(CaO/Al23)の値は0.60で0.5より大であり、実施例1と同様に炉況が改善した。
実施例3はプラスチックBを50kg/t吹込み、微粉炭Aを50kg/t、微粉炭Bを50kg/t吹込んだ場合を示す。組成比(CaO/Al23)の値は0.64で0.5より大であり、実施例1、実施例2と同様、炉況が改善した。
実施例4はプラスチックBを150kg/t吹込み、微粉炭の吹込みを停止した場合を示す。組成比(CaO/Al23)の値は2.80で0.5より大であり安定した高炉操業が可能であった。
実施例5はプラスチックBを75kg/t、プラスチックAを75kg/t吹込み、微粉炭の吹込みを停止した場合を示す。組成比(CaO/Al23)の値は1.60で0.5より大であり、安定した高炉操業が可能であった。
以上のように、実施例1から実施例5まではプラスチックBを用いることにより、プラスチックと微粉炭との合計の灰分の平均組成比(CaO/Al23)の値が0.5以上となり、レースウェイシェルを溶解除去して、炉の通気性を良好に維持し、高炉操業が安定化し、還元材比の低減、生産性の向上を達成した。
本発明の一実施形態を示す概略図。 高炉下部の羽口付近の断面の概略図。 SiO2−Al23−CaOの3元系状態図。
符号の説明
1 高炉
2 熱風および還元材吹込み部
3 微粉炭供給ライン
4 供給ライン
5 混合機
6 プラスチック供給ライン
7 造滓材供給ライン
8 羽口
9 ブローパイプ
10 吹込みランス
11 レースウェイ
12 レースウェイシェル
A 組成比(CaO/Al23)=0.5の位置を示す直線
B 微粉炭の灰分
C プラスチックの灰分

Claims (5)

  1. プラスチックを炉吹き込み原料として用いる高炉の操業において、炉内での燃焼により生成する前記プラスチックの灰分の組成比(CaO/Al23)が0.5以上となる、使用済みプラスチックと、該使用済みプラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させる物質とを混合して造粒した粒状物であるプラスチックを吹き込むことを特徴とするプラスチックの高炉吹込み方法。
  2. プラスチックと微粉炭とを炉吹き込み原料として用いる高炉の操業において、前記プラスチックと前記微粉炭との炉内での燃焼により生成する灰分の組成比(CaO/Al23)が0.5以上となるように、使用済みプラスチックと、該使用済みプラスチックの燃焼により生成する灰分の融点を低下させる物質とを混合して造粒した粒状物であるプラスチックを吹き込むことを特徴とするプラスチックの高炉吹込み方法。
  3. プラスチックが使用済みプラスチックの破砕物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラスチックの高炉吹込み方法。
  4. 灰分の融点を低下させる物質の少なくとも一部が、CaO源であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のプラスチックの高炉吹込み方法。
  5. 高炉へのプラスチックおよび/または微粉炭の吹き込み量が合計100kg/t以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のプラスチックの高炉吹込み方法。
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