JP4609403B2 - ヘテロ環含有化合物およびこれを含む組成物 - Google Patents
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Description
一方、例えば、光学素子、具体的にはレンズを作成した場合、同じ焦点距離のレンズでも、屈折率の高い材料を用いて製造すると、レンズを薄肉化することが可能となり、軽量化、光学経路の設計の自由度が向上するという利点がある。
本発明のヘテロ環含有化合物は、前記一般式(I)にて表されるものである。
Y1 およびY2 はそれぞれ独立してOまたはS、好ましくはSを表す。
m、n、p、qはそれぞれ独立して0〜10、好ましくは0〜5の整数を表す。
rは0〜10、好ましくは0〜5の整数を表す。
Y1 およびY2 がOである化合物は、例えば、次のように合成される。
(1)ジヒドロキシジフェニルスルホンとエピクロルヒドリンを塩基存在下で反応させて、(II)などのような化合物を得る方法が挙げられる。エピクロルヒドリンは、ジヒドロキシフェニルスルホンに対して、通常2〜20モル倍、好ましくは4〜10モル倍の割合で使用される。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好適に用いられる。反応時、溶媒は必要に応じて用いられるが、溶媒を用いる場合はトルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒などが好適に用いられる。溶媒は単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。反応温度は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜150℃の範囲である。反応が終了した後は、水で洗浄した後溶媒と残存しているエピクロルヒドリンなどを留去して目的物を得る。
本発明の組成物中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、硬化性組成物に対して、通常1〜100重量%、好ましくは20〜100重量%である。
一般式(I)で表されるヘテロ環含有化合物と反応しうる官能基を有する化合物の添加量は、硬化性組成物に対して、通常0〜95重量%、好ましくは0〜80重量%である。一般式(I)で表されるヘテロ環含有化合物と反応しうる官能基を有する化合物と混合することにより、粘度調整、屈折率調整等が可能となる利点がある。
ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、珪皮酸ビニルなどが挙げられる。
光塩基発生剤は、可視光、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射によって、塩基を生成する化合物である。光塩基発生剤として、たとえば、非イオン性光塩基発生剤、イオン性光塩基発生剤などが挙げられる。非イオン性光塩基発生剤としては、オキシム類、カルバミン酸エステル類などが挙げられ、イオン性光塩基発生剤としてはアンモニウム塩類などが挙げられる。光塩基発生剤は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。以下に合成法を挙げるが、これらに制限されるものではない。
ケタール誘導体化合物としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。 チオキサントン化合物としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
光ラジカル発生剤は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
アミン類としては、1級アミン、1級ポリアミン、2級アミン、2級ポリアミン、3級アミン、3級ポリアミン、アミジン類、イミダゾール類などが挙げられる。
重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤を添加することにより、組成物の安定性を向上させることができる。また、光増感剤、連鎖移動剤を添加することにより硬化を効率的に行うことができる。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、d4シリコーン等が挙げられる。
離型剤、可塑剤、処理剤、柔軟性および保形性付与剤など過剰に添加すると、硬化物のガラス転移点温度が下がったり、比誘電率が上がる傾向にあるので、これらの添加量は、本発明の一般式(I)で表される化合物を含む組成物100重量部に対して通常0〜20重量部の範囲から選ばれる。
充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等のフィラー、銅、銀、金等の金属粒子、繊維状物質等が挙げられる。
本発明の組成物は、適宜な形状に賦形した後、硬化することにより、硬化物を得ることができる。本発明の組成物を硬化させる方法としては、硬化剤を添加して硬化させる方法、加熱により硬化させる方法、光を照射することにより硬化させる方法が挙げられる。
硬化剤を添加して硬化させる方法の場合、硬化は、通常50℃以上、200℃以下で行うことができる。
光を照射することにより硬化させる方法の場合、光の波長としては単一波長である必要はなく、使用する光開始剤の特性に依存し、該光開始剤の分解が効率的に起こる波長を含む活性エネルギー線が選ばれる。具体的には、可視光、紫外線、近赤外線、遠赤外線、電子線等が使用可能であり、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハロゲンランプ等から発せられる紫外線が好ましい。
これらの硬化方法は単独で行っても、併用してもよい。併用する場合としては、例えば、光照射を行った後に加熱処理をする方法、硬化剤による硬化と光照射による方法を併用する方法などが挙げられる。
型を用いて成形する方法としては、成形型内に本発明の組成物を注入した後、上述の方法により硬化し、脱型することにより、本発明の組成物からなる成形体を得ることができる。
型を用いて成形し、かつ、硬化を光硬化により行う場合は、エネルギー線に対して透明な部分を有する成形型に本発明の組成物を注入し、成形型の透明な側からエネルギー線を照射して硬化させ、成型体を得ることができる。型を用いて成形すると、型の表面形状を転写させた成形体を得ることもできる。この際、成型時に液状である本発明の組成物を用いれば、精密成形を行うことができる。このようにして得られた成形体は、屈折率が通常1.5以上、好ましくは1.6以上であり、レンズ、プリズム、導波路、基板などの光学部品として用いることができる。
基材上に塗布して成形する方法において、基材としては、ガラス、銅箔などの無機材料でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリカーボネートシート、TACフィルムなどの有機材料でもよい。本発明の組成物は、基材上に通常1μm〜2mmの厚さとなるように塗布される。本発明の組成物は、基材へ塗布された後、通常、組成物中の溶剤を揮発させるために、通風乾燥、加熱乾燥等が行われ、その後、上述の方法により硬化される。この方法により基材上に本発明の組成物が硬化した層を有する積層体が得られる。
溶剤としては、未硬化の組成物層を構成する成分が溶けるような種類であれば特に制限はない。具体的にはトルエンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサンなどのような脂肪族炭化水素類、エーテルやテトラヒドロフランのようなエーテル類、アセトンやメチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、イソプロピルアルコールのようなアルコール類などを挙げることができる。
比較例1
撹拌機を取り付けた四つ口フラスコに、4,4’−ジフェニルジヒドロキシスルホン(和光純薬工業製)80gを入れ、ここに、エピクロロヒドリン(東京化成工業製)415g、イソプロピルアルコール(和光純薬工業製)162gを加え、40℃に加熱し、溶解させた。ここに、20%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム(和光純薬工業製)28g、蒸留水115g)を滴下し、65℃に加熱しながら、90分間攪拌した。
得られた反応溶液に蒸留水を加え、有機相を分取した。有機相を蒸留水で二回洗浄した後、メタノール700gを加え一時間攪拌し、白色粉末78gを得た。得られた白色粉末の構造は次の通りであった。
3.2-3.4 (オキシラン環のメチン水素)
3.8-4.4 (−CH 2 CH(O)CH2 )
6.9-7.9 (芳香環の水素)
撹拌機を取り付けた300ml四つ口フラスコに、比較例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのエポキシ化合物15g、メチルエチルケトン165gを入れ、加熱還流し溶解させた。そこへ、チオ尿素(和光純薬工業製)7.57g、メタノール66gを加え、5.5時間還流した。その後、反応溶液に蒸留水を加え有機相を分取した。有機相を蒸留水で三回洗浄した後、溶媒を減圧留去し白色固体13.1gを得た。得られた白色粉末の構造は次の通りであった。
3.2-3.3 (チイラン環のメチン水素)
3.9-4.3 (−CH 2 CH(S)CH)
6.9-8.0 (芳香環の水素)
攪拌子を入れたナスフラスコ内に4,4’−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(和光純薬工業製)50gを入れ、ここに、これにエピクロロヒドリン(東京化成工業製製)250g、ジメチルスルホキシド(和光純薬工業製)250gを加え、室温で溶解させた。氷浴下で、40%水酸化カリウム水溶液(水酸化カリウム(和光純薬工業製)53.5g、蒸留水36g)を滴下し、徐々に室温に戻しながら60分攪拌した。
得られた反応溶液に蒸留水とトルエンを加え、有機相を分取した。有機相を温水(60℃)で三回洗浄した後、溶媒とエピクロロヒドリンを減圧留去し、淡黄色粘ちょう液体67gを得た。得られた粘ちょう液体の構造は次の通りであった。
3.0-3.2 (オキシラン環のメチン水素)
(−SCH 2 CH2 O−)
3.3-3.4 (−CH 2 CH(O)CH2 )
3.6-3.9 (−CH 2 CH(O)CH2 )
(−SCH2 CH 2 O−) 7.2-7.8 (芳香環の水素)
撹拌機を取り付けた300ml四つ口フラスコに、実施例1で得られた4,4’−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホンのエポキシ化合物67g、トルエン100gを入れ溶解させた。そこへ、チオ尿素(和光純薬工業製)24.6gとメタノール100mlを加え、5時間環流した。
得られた反応溶液に蒸留水を加え有機相を分取した。有機相を蒸留水で五回洗浄後、溶媒を減圧留去し淡黄色粘ちょう液体62.5gを得た。得られた粘ちょう液体の構造は次の通りであった。
2.9-3.1 (チイラン環のメチン水素)
3.1-3.3 (−CH 2 CH(S)CH2 )
(−SCH 2 CH2 O−)
3.5-3.8 (グリシジル基のメチレン水素)
(−SCH2 CH 2 O)
7.3-7.9 (芳香環の水素)
得られた硬化物の屈折率は1.67、TG/DTAによる熱分解開始温度は、265.5℃(N2 中)であった。
参考例1で得られた化合物20gとアデカオプトマーSP−150(旭電化工業製、光酸発生剤)0.8gを混合し、1mm厚スペーサーを備えたガラス板の間に注型し、20mW/cm2 の高圧水銀灯で25J/cm2 のUV光を照射した。型をはずさずに、80℃、140℃で一時間ずつ加熱した後、型をはずして硬化物を得た。
得られた硬化物の屈折率はいずれも1.66であった。
参考例2において、アデカオプトマーSP−150(旭電化工業製、光酸発生剤)0.8gを、アデカオプトマーSP−170(旭電化工業製、光酸発生剤)0.8gに変えた他は参考例2と同様に行った。
得られた硬化物の屈折率は1.66であった。
参考例2において、アデカオプトマーSP−150(旭電化工業製、光酸発生剤)0.8gを、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール(光塩基発生剤)0.2gに変えた他は、参考例2と同様に行った。
なお、光塩基発生剤であるN−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾールは、 Polymer Journal, Vol.26, No.7, pp. 864-867 (1994)に記載の方法に従って製造した。
得られた硬化物の屈折率は1.67であった。
参考例2において、アデカオプトマーSP−150(旭電化工業製、光酸発生剤)0.8gを、N−(4−クロロ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール(光塩基発生剤)0.2gに変えた他は、参考例2と同様に行った。
なお、光塩基発生剤であるN−(4−クロロ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾールは、 Polymer Journal, Vol.29, No.5, pp. 450-456 (1997)に記載の方法に従って製造した。
得られた硬化物の屈折率は1.67であった。
Claims (12)
- 前記一般式(I)において、rが0であり、X5 およびX8 がO、X6 およびX7 がS、R3 およびR4 がエチレン基、pおよびqが1である請求項1に記載のヘテロ環含有化合物。
- 一般式(I)で表されるヘテロ環含有化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物。
- 一般式(I)で表わされる化合物と反応しうる官能基を有する化合物、およびラジカル重合性化合物から選ばれる1以上の化合物を含有する請求項3に記載の硬化性組成物。
- 更に硬化助剤を含む請求項4に記載の硬化性組成物。
- 硬化助剤が、光開始剤および硬化剤から選ばれる化合物である請求項5に記載の硬化性組成物。
- 請求項3〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物を重合硬化させて得られるものであることを特徴とする硬化物。
- 請求項3〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物からなることを特徴とする封止用材料。
- 請求項3〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物からなることを特徴とする接着剤。
- 請求項7に記載の硬化物からなることを特徴とする光学用部材。
- 請求項7に記載の硬化物からなる層および基材層を有することを特徴とする積層体。
- 請求項3〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物を型内で硬化させることを特徴とする硬化物の製造方法。
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