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JP4609876B2 - リセスゲート構造hfetおよびその製造方法 - Google Patents
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JP4609876B2 - リセスゲート構造hfetおよびその製造方法 - Google Patents

リセスゲート構造hfetおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、高温・高出力・高耐圧の超高周波化合物半導体電界効果トランジスタに関する。
窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタ(Heterostructure Field Effect Transistor:HFET)(GaN系HFET)は、次世代の高温・高出力・高耐圧の超高周波トランジスタとして非常に有望であり、実用化に向けて現在盛んに研究が行われている。その際、リセスゲート構造を用いることにより、ソース電極およびドレイン電極からチャネルへのアクセス抵抗を低減し、素子特性を向上させることは非常に重要である。
リセスゲート構造として最も一般的な構造は、ソース領域およびドレイン領域において、障壁層半導体の上に、チャネル半導体と同じ半導体を積層した構造である。チャネル半導体は、障壁層半導体よりもバンドギャップが小さいため、この構造によれば、ソース電極金属およびドレイン電極金属と表面半導体層との接触抵抗が低減する。その結果、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗が低減する。なお、すでに実用化されているGaAs系HFETには、この構造が用いられている。
リセスゲート構造として、ソース電極金属およびドレイン電極金属からチャネルへのアクセス抵抗をさらに低減した構造は、ソース領域下およびドレイン領域下の障壁層半導体およびチャネル半導体の一部を除去し、この領域にチャネル半導体と同じ半導体を積層した構造(障壁層除去型リセスゲート構造)である(非特許文献1)。この構造によれば、ソース電極金属およびドレイン電極金属と表面半導体層との接触抵抗が低減すると同時に、電極金属とチャネルとの間に障壁層半導体が存在しないため、半導体表面とチャネル間の半導体内抵抗が低減する。その結果、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗はさらに低減する。
Seikoh Yoshida, Delian Wang, and MasakazuIchikawa, Jpn. J. Appl. Phys. Vol.41 (2002) pp.L820-L822.
今後、GaN系HFETの素子特性をさらに向上させるためには、障壁層除去型リセスゲート構造において、ソース電極金属およびドレイン電極金属からチャネルへのアクセス抵抗のさらなる低減を可能とする、新しいリセスゲート構造HFETの開発が望まれていた。なお、GaAs系HFETにおいては、現在用いられている構造で通常は十分であるが、アクセス抵抗の低減は、やはり好ましいことである。
本発明は、GaN系HFETにおいて、ソース電極金属およびドレイン電極金属からチャネルへのアクセス抵抗を大幅に低減することができる、リセスゲート構造HFETおよびその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1は、窒化物半導体を用いた、リセスゲート構造を持つリセスゲート構造HFETにおいて、ソース領域下およびドレイン領域下の半導体層が、ゲート領域下の、障壁層半導体とチャネル層半導体より構成されるチャネル層構造とは異なる構造を持ち、この構造は、シングルへテロ構造のHFETのソース領域下およびドレイン領域下の半導体層が、チャネル層半導体と同じ半導体材料層の上に、バンドギャップがチャネル層半導体よりも小さい半導体層が積層された層構造であり、かつ、前記2層の半導体層で形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下の、障壁層半導体とチャネル層半導体とにより形成されるチャネルへテロ界面の基板垂直方向の位置よりも、2nm以上10nm以下の距離で、下方に存在することを特徴とするリセスゲート構造HFETである。
請求項2は、請求項1に記載のリセスゲート構造HFETにおいて、ソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の下方の、界面位置までを含む任意の深さまで、電子供給のための不純物ドーピングがなされていることを特徴とする。
請求項3は、請求項2に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルの一部に不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法であって、完成素子構造におけるソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法である。
請求項4は、請求項2に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルに不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法であって、完成素子構造におけるソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法である。
請求項5は、窒化物半導体を用いた、リセスゲート構造を持つHFETのチャネル層構造がチャネル層厚2nm以上10nm以下のダブルへテロ構造のHFETにおいて、ソース領域下およびドレイン領域下の半導体層が、下側障壁層半導体と同じ半導体材料層の上に、バンドギャップがチャネル層半導体よりも小さい半導体層が積層された層構造を持ち、かつ、前記2層の半導体層で形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下のダブルへテロ構造の、上側へテロ界面の基板垂直方向の位置よりも2nm以上10nm以下の距離で下方に存在し、かつ、下側へテロ界面の基板垂直方向の位置よりも0nm以上の距離で下方に存在することを特徴とするリセスゲート構造HFETである。
請求項6は、請求項5に記載のリセスゲート構造HFETにおいて、ソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の下方の、界面位置までを含む任意の深さまで、電子供給のための不純物ドーピングがなされていることを特徴とする。
請求項7は、請求項6に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルあるいは下側障壁層の一部に不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法であって、完成素子構造におけるソ−ス領域下およびドレイン領域下へテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法である。
請求項8は、請求項6に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルに不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法であって、完成素子構造におけるソース・ドレイン領域下へテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法である。
請求項9は、窒化物半導体を用いた、リセスゲート構造を持つHFETのチャネル層構造がチャネル層10nm以上100nm以下のダブルへテロ構造のリセスゲート構造HFETにおいて、ソース領域下およびドレイン領域下の半導体層が、チャネル半導体層の上にバンドギャップがチャネル層半導体よりも小さい半導体層が積層された層構造を持ち、かつ、前記2層の半導体層により形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下のダブルへテロ構造の、上側へテロ界面の基板垂直方向の位置よりも2nm以上10nm以下の距離で下方に存在し、かつ、下側へテロ界面の基板垂直方向の位置よりも0nm以上の距離で上方に存在することを特徴とするリセスゲート構造HFETである。
請求項10は、請求項9に記載のリセスゲート構造HFETにおいて、ソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の下方の、界面位置までを含む任意の深さまで、電子供給のための不純物ドーピングがなされていることを特徴とする。
請求項11は、請求項10に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルあるいは下側障壁層の一部に不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法において、完成素子構造におけるソース領域下およびドレイン領域下ヘテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法である。
請求項12は、請求項10に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルに不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法において、完成素子構造におけるソース領域下およびドレイン領域下ヘテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法である。
請求項13は、請求項1、2、5、6、9、10のいずれか1項に記載のリセスゲート構造HFETにおいて、前記窒化物半導体の代わりに、GaAs、InP系化合物半導体を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、GaN系の障壁層除去型リセスゲート構造HFETにおいて、ソース領域下およびドレイン領域下の半導体構造として、通常用いられるチャネル半導体と同じ半導体材料ではなく、前記半導体層を、バンドギャップがチャネル半導体よりも小さい半導体層を用いることにより、電極金属・半導体表面間の接触抵抗、および半導体内抵抗を低減することができる。さらに、ソース領域下およびドレイン領域下の半導体層中の電子とチャネル電子との分布重なりが大きくなるような層構造設計を用いることにより、半導体・チャネル電子間抵抗をも低減することが可能である。
このように、本発明による、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETを用いることにより、電極金属・半導体表面間の接触抵抗、半導体内抵抗、半導体・チャネル電子間抵抗のすべてを低減し、結果として、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗を大きく低減することが可能となる。
つぎに、本発明の実施形態について説明する。まず、HFETのチャネル層構造が通常用いられているシングルヘテロ構造の場合における本発明の作用を、図1から図6を用いて説明する。図1から図6では、同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号が付けられている。
図1は、リセスゲート構造を用いない、通常のHFETの構成を模式的に示したもので、チャネル半導体1上に障壁層半導体2が形成され、さらに、障壁層半導体2上にはソース電極金属3、ドレイン電極金属4、およびゲート電極金属5が形成されている。ソース領域下およびドレイン領域下(以下、ソース・ドレイン領域下という)、およびゲート領域下の半導体層構造は全く同じであり、ソース電極金属3直下およびドレイン電極金属4直下には、ゲート領域下と同じ障壁層半導体2が存在する様子が示されている。
図2は、従来型の障壁層除去型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示したもので、図1の構造で存在する、ソース・ドレイン領域下の障壁層半導体2およびチャネル半導体1の一部が除去され、この領域にチャネル半導体1と同じ半導体が積層されている様子が示されている(非特許文献1)。つまり、図2では、ソース・ドレイン領域下の半導体層が、ゲート領域下の、障壁層半導体2とチャネル半導体1とで構成されるチャネル層構造とは異なる。ここで、ソース領域下に新たに積層されるチャネル半導体層(ソース領域下半導体11)と、ドレイン領域下に新たに積層されるチャネル半導体層(ドレイン領域下半導体12)とは、接触抵抗および半導体内抵抗を低減する目的で、通常、不純物ドーピングがなされる。また、ソース領域半導体構造(矢印A1)およびドレイン領域半導体構造(矢印A2)は材料的に連続であり、ヘテロ界面は存在しない。
図2において、ソース電極金属3直下のチャネル半導体(ソース領域下半導体11)およびドレイン電極金属4直下のチャネル半導体(ドレイン領域下半導体12)は、障壁層半導体2よりもバンドギャップが小さいため、図2の構造では、ソース電極金属3およびドレイン電極金属4と表面半導体層との接触抵抗が低減する。さらに、図2の構造では、ソース電極金属3およびドレイン電極金属4とチャネルとの間に障壁層半導体2が存在しないため、半導体表面とチャネル間の半導体内抵抗が低減する。その結果、電極金属(ソース電極金属3、ドレイン電極金属4)からチャネルへのアクセス抵抗はさらに低減する。
このように、図2に示される障壁層除去型リセスゲート構造HFETは、図1に示されるリセスゲート構造を用いない通常のHFETに比べて、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗が低減する。
ここで、図2に示される障壁層除去型リセスゲート構造HFETにおいて、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗をさらに低減することを考える。図2にでは、ソース領域下の半導体構造およびドレイン領域下の半導体構造として、チャネル半導体1と同じ半導体材料が用いられているが、ソース領域下半導体11およびドレイン領域下半導体12を、バンドギャップがチャネル半導体1よりも小さい半導体層に置き換えることにより、接触抵抗および半導体内抵抗を低減することが可能である。
図3は、バンドギャップがチャネル半導体1よりも小さい半導体層に置き換えて、ソース領域下半導体11Aおよびドレイン領域下半導体12Aを形成した、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示したものである。図3の構造では、ソース領域半導体構造(矢印B1)およびドレイン領域半導体構造(矢印B1)がヘテロ構造を含んでいる点、つまり、ヘテロ界面が存在する点が、図2に示される障壁層除去型リセスゲート構造HFETと異なっている。このため、次に説明するような新たな状況が生じ、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗を低減するためには、特別な構造設計が必要となる。ここで、図2と同様に、ソース領域下のチャネル半導体層(ソース領域下半導体11A)と、ドレイン領域下のチャネル半導体層(ドレイン領域下半導体12A)とは、接触抵抗および半導体内抵抗を低減する目的で、通常、チャネルの一部または全部に不純物ドーピングがなされる。あるいは、ソース領域下およびドレイン領域下ヘテロ界面直下の領域に、電子供給が可能な結晶欠陥等が素子製造工程で導入されている。具体的には、完成素子構造におけるソース・ドレイン領域下ヘテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層半導体2を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、半導体層構造を結晶成長する際に、半導体を削除する工程、あるいは、半導体層構造を結晶成長する工程で、電子供給が可能な結晶欠陥等を、工程の施工条件の制御により導入する。
図4は、図3における、ソース(ドレイン)領域下およびゲート領域下における垂直方向の電子分布の一般的な様子を、模式的に示したものである。ソース(ドレイン)領域下では、ヘテロ界面が含まれる結果、電子は、狭バンドギャップ半導体層(ソース領域下半導体11A、ドレイン領域下半導体12A)に均一に分布するのではなく、ヘテロ界面の上部に、より高濃度に集中する様子が示されている。また、ゲート領域下では、チャネルヘテロ界面の直下に、チャネル電子(=2次元電子ガス)が集中的に存在する様子が示されている。図4に示されるように、ソース(ドレイン)領域下の電子分布と、ゲート下領域のチャネル電子の分布との重なりC1は、一般的には大きくなく小さい。このような場合には、ソース電極金属3(ドレイン電極金属4)からチャネルへのアクセス抵抗は必ずしも低減されない。
図5は、本発明による、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示したものである。図5に示される構造では、ソース領域半導体構造およびドレイン領域半導体構造が、チャネル半導体1と同じ半導体材料層の上に、チャネル半導体1よりもバンドギャップの小さい半導体層が積層された層構造を持ち、かつ、前記2層の半導体層で形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下の、障壁層半導体2とチャネル半導体1とにより形成されるチャネルヘテロ界面の基板垂直方向の位置よりも、2nm以上10nm以下の距離で、下方に存在する。図では、2つの位置の距離をΔd1で表している。つまり、2nm≦Δd1≦10nmである。
図6は、図5における、ソース(ドレイン)領域下およびゲート領域下における垂直方向の電子分布の様子を模式的に示したものである。ソース(ドレイン)領域下における電子分布ピークの幅は、4〜10nm程度であり、また、ゲート領域下におけるチャネル電子分布の幅は4〜8nm程度であるため、図5に示される構造設計により、前記両電子分布の重なりC2を大きくすることができる。その結果、ソース電極金属3(ドレイン電極金属4)からチャネルへのアクセス抵抗を大きく低減することが可能となる。ここで、前記両電子分布の重なりC2を大きくするための、下限位置パラメータ2nmは、電子分布ピーク幅の最小値の半分の値とし、上限位置パラメータ10nmは、電子分布ピーク幅の最大値として決定された。
このように、図5に示される、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETを用いることにより、電極金属・半導体表面間の接触抵抗、半導体内抵抗、半導体・チャネル電子間抵抗のすべてを低減し、結果として、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗を大きく低減することが可能となる。以上により、HFETのチャネル層構造が、通常用いられるシングルヘテロ構造の場合における本発明の作用が示された。
つぎに、HFETのチャネル層構造が、ダブルヘテロ構造の場合における本発明の作用を、図7から図10を用いて説明する。なお、図7から図10では、同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号が付けられている。図7は、HFETのチャネル層構造がチャネル層厚2nm以上10nm以下(2nm≦チャネル半導体13の層厚≦10nm)のダブルヘテロ構造の場合の、本発明による、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示したものである。図7のダブルヘテロ構造HFETでは、ソース領域下の半導体層(ソース領域下半導体11B)およびドレイン領域下の半導体層(ドレイン領域下半導体12B)が、下側障壁層半導体1Aと同じ半導体材料層の上に、バンドギャップがチャネル半導体13よりも小さい半導体層が積層された層構造を持ち、かつ、前記2層の半導体層で形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下のダブルヘテロ構造の、上側ヘテロ界面(=チャネルヘテロ界面)の基板垂直方向の位置よりも2nm以上10nm以下の距離で下方に存在し(2つの位置の距離をΔd2で表すと、2nm≦Δd2≦10nm)、かつ、下側ヘテロ界面の基板垂直方向の位置よりも0nm以上の距離で下方に存在する。
図8は、図7における、ソース(ドレイン)領域下およびゲート領域下における垂直方向の電子分布の様子を模式的に示したものである。ソース(ドレイン)領域下における電子分布ピークの幅は、4〜10nm程度であり、また、ゲート領域下におけるチャネル電子分布の幅は、4〜8nm程度であるため、図7に示される構造設計により、前記両電子分布の重なりC3を大きくすることができる。その結果、ソース電極金属3(ドレイン電極金属4)からチャネルへのアクセス抵抗を大きく低減することが可能となる。
このように、図7に示される、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETを用いることにより、ダブルヘテロ構造の場合も、シングルヘテロ構造の場合と全く同じ原理によって、電極金属・半導体表面間の接触抵抗、半導体内抵抗、半導体・チャネル電子間抵抗のすべてを低減し、結果として、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗を大きく低減することが可能となる。ここで、図7に示されるダブルヘテロ構造は、図5に示されるシングルヘテロ構造に比べて、窒化物系半導体ヘテロ構造に特有の大きな分極電界効果を利用することにより、電子閉じ込めを強化して、短ゲートデバイスにおいて高いアスペクト比を得ることが可能な構造である。
図9は、HFETのチャネル層構造がチャネル層厚10nm以上100nm以下(10nm≦チャネル半導体13の層厚≦100nm)のダブルヘテロ構造の場合の、本発明による、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示したものである。図9のダブルヘテロ構造HFETでは、ソース領域下の半導体層(ソース領域下半導体11B)およびドレイン領域下の半導体層(ドレイン領域下半導体12B)が、チャネル半導体材料層(チャネル半導体13)の上に積層された層構造を持ち、かつ、前記2層の半導体層により形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下のダブルヘテロ構造の、上側ヘテロ界面(チャネルヘテロ界面)の基板垂直方向の位置よりも2nm以上10nm以下の距離で下方に存在し(2つの位置の距離をΔd3で表すと、2nm≦Δd2≦10nm)、かつ、下側ヘテロ界面の基板垂直方向の位置よりも0nm以上の距離で上方に存在する。
図10は、図9における、ソース(ドレイン)領域下およびゲート領域下における垂直方向の電子分布の様子を模式的に示したものである。図9に示される構造設計により、図8と同様に、両電子分布の重なりC4を大きくすることができる。図8で説明した原理と全く同じ原理によって、電極金属・半導体表面間の接触抵抗、半導体内抵抗、半導体・チャネル電子間抵抗のすべてを低減し、結果として、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗を大きく低減することが可能となる。ここで、図7に示されるダブルヘテロ構造よりもチャネル幅の大きい、図9に示される構造は、大電流動作を行うために有利な構造である。
以上により、HFETのチャネル層構造が、ダブルヘテロ構造の場合による本発明の作用が示された。また、本発明による、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの作用がすべて示された。
つぎに、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
本実施例は、図5に示される、チャネル層構造がシングルヘテロ構造の、障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETによるものである。ここで、ゲート領域下のチャネル層構造は、AlGaN/GaN、AlGaN/InGaN、AlGaN/InN、AlInGaN/GaN、AlInGaN/InGaN、AlInGaN/InN等である。ソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層(ソース領域下半導体11A、ドレイン領域下半導体12A)は、InGaN、InN、AlInGaN等である。また、ソース・ドレイン領域下の層構造、およびゲート領域下の層構造が、いかなる不純物ドーピングプロファイルを持つ場合でも、本発明の範囲内とする。
図5において、ゲート領域下のチャネル層構造がAl0.3Ga0.7N/GaNであり、ソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層がIn0.2Ga0.8Nであり、図中のΔd1が6nmである、典型的な作製例では、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗は、図2に示される通常の障壁層除去型リセスゲート構造と比較して、約50%低減した。
ここで、本実施例の素子作製では、In0.2Ga0.8N層(図5中のソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層)の位置まで、当初存在したAl0.3Ga0.7N障壁層およびGaNチャネル半導体層を削除し、その後、電子供給のための不純物ドーピングを行いながら、In0.2Ga0.8N層を結晶成長した。
[実施例2]
本実施例は、図7に示される、チャネル層厚2nm以上10nm以下のダブルヘテロ構造の障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETによるものである。図7に示されるダブルヘテロ構造は、図5に示されるシングルヘテロ構造に比べて、窒化物系半導体ヘテロ構造に特有の大きな分極電界効果を利用することにより、電子閉じ込めを強化して、短ゲートデバイスにおいて高いアスペクト比を得ることが可能な構造である。図7において、ゲート領域下のチャネル層構造は、上側および下側の障壁層(障壁層半導体2、下側障壁層半導体1A)がAlGaN、AlInGaN等であり、チャネル層(チャネル半導体13)がGaN、InGaN、InN等であり、ソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層(ソース領域下半導体11B、ドレイン領域下半導体12B)が、InGaN、InN、AlInGaN等である。また、ソース・ドレイン領域下の層構造、およびゲート領域下の層構造が、いかなる不純物ドーピングプロファイルを持つ場合でも、本発明の範囲内とする。
図7において、チャネル層厚が2nm未満の場合には、電子の界面散乱の増大により、素子特性が劣化するため、本発明の範囲外である。また、チャネル層厚が10nmを超える場合は、実施例3に示される構造を適用するため、本実施例の範囲外である。
図7において、ゲート領域下のチャネル層構造がAl0.3Ga0.7N/GaN/Al0.1Ga0.9Nであり、チャネル層厚が5nm、ソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層がIn0.2Ga0.8Nであり、また、図中のΔd2が7nmである、典型的な作製例では、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗は、実施例1の典型例と同程度の低い値であった。
ここで、本実施例の作製においては、In0.2Ga0.8N層(図7中のソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層)の位置まで、当初存在した上側Al0.3Ga0.7N障壁層(障壁層半導体2)、GaNチャネル半導体層(チャネル半導体13)、下側Ag0.3Ga0.7N層(下側障壁層半導体1A)を削除し、その後、電子供給のための不純物ドーピングを行いながら、In0.2Ga0.8N層を結晶成長した。
[実施例3]
本実施例は、図9に示される、チャネル層厚2nm以上100nm以下のダブルヘテロ構造の障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETによるものである。本構造は、図7に示されるダブルヘテロ構造を、より一般化した構造で、図7に示される構造に比べて、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗の、より詳細な最適化が可能となる構造である。同時に、不純物ドーピングプロファイルの設計によって、チャネル電子を増大し、その結果、素子電流を増大することも可能となる構造である。図9において、ゲート領域下のチャネル層構造は、上側および下側の障壁層(障壁層半導体2、下側障壁層半導体1A)はAlGaN、AlInGaN等であり、チャネル層(チャネル半導体13)はGaN、InGaN、InN等であり、ソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層(ソース領域下半導体11B、ドレイン領域下半導体12B)は、InGaN、InN、AlInGaN等である。また、ソース・ドレイン領域下の層構造、およびゲート領域下の層構造が、いかなる不純物ドーピングプロファイルを持つ場合でも、本発明の範囲内とする。
図9において、チャネル層厚が2nm未満の場合には、電子の界面散乱の増大により、素子特性が劣化するため、本発明の範囲外である。また、チャネル層厚が100nmを超えると、チャネル層の下部におけるポテンシャル形状がシングルヘテロ構造のそれとほぼ同じになり、ダブルヘテロ構造の特徴が消失するため、本発明の範囲外である。
図9において、ゲート領域下のチャネル層構造がAl0.3Ga0.7N/GaN/Al0.1Ga0.9Nであり、チャネル層厚が20nmであり、ソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層がIn0.2Ga0.8Nであり、また、図中のΔd3が10nmである、典型的な作製例では、電極金属からチャネルへのアクセス抵抗が、実施例2の典型例に比べて、約20%低減する構造が作製可能であった。
ここで、本実施例の作製では、In0.2Ga0.8N層(図9中のソース・ドレイン領域下の狭バンドギャップ層)、GaN層およびその直下の10nmの下側Al0.3Ga0.7N層の位置まで、当初存在した上側Al0.3Ga0.7N障壁層、および、GaNチャネル半導体層を削除し、その後、電子供給のための不純物ドーピングを行いながら、In0.2Ga0.8N層を結晶成長した。
[実施例4]
本実施例では、次のようにしている。つまり、実施例1から実施例3において、GaNの代わりにGaAsを用い、AlGaNの代わりにAlGaAsを用い、InGaNの代わりにInGaAsを用い、InNの代わりにInAs等を用いて、GaN系以外の化合物半導体を用いたリセスゲート構造HFETを実現している。
なお、先に述べた非特許文献1のFig.1は、図2に説明する障壁層除去型リセスゲート構造であり、障壁層除去部には、チャネル半導体と同じGaNが用いられている。この半導体層が、バンドギャップがチャネル層よりも小さい、InGaN等の半導体層で構成されている例は報告されていない。
リセスゲート構造を用いない、通常のHFETの構成を模式的に示した図である。 従来型の障壁層除去型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示した図である。 障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示した図である。 図3における、ソース(ドレイン)領域下およびゲート領域下における垂直方向の電子分布の一般的な様子を模式的に示した図である。 障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示した図である。 図5における、ソース(ドレイン)領域下およびゲート領域下における垂直方向の電子分布の様子を模式的に示した図である。 障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示した図である。 図7における、ソース(ドレイン)領域下およびゲート領域下における垂直方向の電子分布の様子を模式的に示した図である。 障壁層除去・狭バンドギャップ層積層型リセスゲート構造HFETの層構造を模式的に示した図である。 図9における、ソース(ドレイン)領域下およびゲート領域下における垂直方向の電子分布の様子を模式的に示した図である。
符号の説明
1 チャネル半導体
2 障壁層半導体
3 ソース電極金属
4 ドレイン電極金属
5 ゲート電極金属
11、11A、11B ソース領域下半導体
12、12A、12B ドレイン領域下半導体

Claims (13)

  1. 窒化物半導体を用いた、リセスゲート構造を持つリセスゲート構造HFETにおいて、
    ソース領域下およびドレイン領域下の半導体層が、ゲート領域下の、障壁層半導体(2)とチャネル層半導体(1)より構成されるチャネル層構造とは異なる構造を持ち、
    この構造は、シングルへテロ構造のHFETのソース領域下およびドレイン領域下の半導体層が、チャネル層半導体(1)と同じ半導体材料層の上に、バンドギャップがチャネル層半導体(1)よりも小さい半導体層が積層された層構造であり、かつ、前記2層の半導体層で形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下の、障壁層半導体(2)とチャネル層半導体(1)とにより形成されるチャネルへテロ界面の基板垂直方向の位置よりも、2nm以上10nm以下の距離で、下方に存在することを特徴とするリセスゲート構造HFET。
  2. ソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の下方の、界面位置までを含む任意の深さまで、電子供給のための不純物ドーピングがなされていることを特徴とする請求項に記載のリセスゲート構造HFET。
  3. 請求項に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルの一部に不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法であって、
    完成素子構造におけるソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法。
  4. 請求項に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルに不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法であって、
    完成素子構造におけるそース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法。
  5. 窒化物半導体を用いた、リセスゲート構造を持つHFETのチャネル層構造がチャネル層厚2nm以上10nm以下のダブルへテロ構造のHFETにおいて、
    ソース領域下およびドレイン領域下の半導体層が、下側障壁層半導体(1A)と同じ半導体材料層の上に、バンドギャップがチャネル層半導体(13)よりも小さい半導体層が積層された層構造を持ち、かつ、前記2層の半導体層で形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下のダブルへテロ構造の、上側へテロ界面の基板垂直方向の位置よりも2nm以上10nm以下の距離で下方に存在し、かつ、下側へテロ界面の基板垂直方向の位置よりも0nm以上の距離で下方に存在することを特徴とするリセスゲート構造HFET。
  6. ソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の下方の、界面位置までを含む任意の深さまで、電子供給のための不純物ドーピングがなされていることを特徴とする請求項に記載のリセスゲート構造HFET。
  7. 請求項に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルあるいは下側障壁層の一部に不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法であって、
    完成素子構造におけるソ−ス領域下およびドレイン領域下へテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法。
  8. 請求項に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルに不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法であって、
    完成素子構造におけるソース・ドレイン領域下へテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法。
  9. 窒化物半導体を用いた、リセスゲート構造を持つHFETのチャネル層構造がチャネル層10nm以上100nm以下のダブルへテロ構造のリセスゲート構造HFETにおいて、
    ソース領域下およびドレイン領域下の半導体層が、チャネル半導体層の上にバンドギャップがチャネル層半導体よりも小さい半導体層が積層された層構造を持ち、かつ、前記2層の半導体層により形成されるヘテロ界面の基板垂直方向の位置が、ゲート領域下のダブルへテロ構造の、上側へテロ界面の基板垂直方向の位置よりも2nm以上10nm以下の距離で下方に存在し、かつ、下側へテロ界面の基板垂直方向の位置よりも0nm以上の距離で上方に存在することを特徴とするリセスゲート構造HFET。
  10. ソース領域下およびドレイン領域下へテロ界面の下方の、界面位置までを含む任意の深さまで、電子供給のための不純物ドーピングがなされていることを特徴とする請求項に記載のリセスゲート構造HFET。
  11. 請求項10に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルあるいは下側障壁層の一部に不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法において、
    完成素子構造におけるソース領域下およびドレイン領域下ヘテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法。
  12. 請求項10に記載のリセスゲート構造HFETのチャネルに不純物ドーピングがなされている層構造のリセスゲート構造HFETの製造方法において、
    完成素子構造におけるソース領域下およびドレイン領域下ヘテロ界面の位置まで、当初存在した障壁層を含む半導体層を削除した後に、不純物ドーピングを行いながら、当該半導体層構造を結晶成長することを特徴とするリセスゲート構造HFETの製造方法。
  13. 前記窒化物半導体の代わりに、GaAs、InP系化合物半導体を用いたことを特徴とする請求項1、2、5、6、9、10のいずれか1項に記載のリセスゲート構造HFET。
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