(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機1の外観を開状態で示す斜視図である。携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、開状態と閉状態との間で互いに回動可能に連結された受話筐体2及び送話筐体3を備えている。
受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれの端部が回動の中心となる連結部4により連結されることにより携帯電話機1全体の筐体を構成するようになっている。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれ概ね薄型直方体状に形成されており、閉状態では互いに重ねあわされて互いの輪郭が略一致する。
受話筐体2には、例えば、通話用のスピーカ107(図11参照)、報知用のスピーカ109(図11参照)、受話筐体2の正面(紙面手前側の面)に画像や文字を表示するメイン表示部6、その背面に画像や文字を表示するサブ表示部110(図11参照)、カメラモジュール111(図11参照)が設けられている。送話筐体3には、例えば、通話用のマイクロフォン108(図11参照)、通信のためのアンテナ部材26(図2参照)、ユーザの操作を受け付ける操作部7が設けられている。
連結部4は、送話筐体3の端部に形成された凹部10に、受話筐体2の端部に形成された凸部9が嵌合して構成されている。凹部10及び凸部9の互いに摺動する面には不図示の筒状体とヒンジユニットからなる軸部材が携帯電話機1の幅方向(図1の紙面左右方向)に挿通され、当該軸部材を回転軸として受話筐体2及び送話筐体3は回転する。また、当該筒状体には、受話筐体2の電子回路と送話筐体3の電子回路とを接続する信号線が挿通されている。
図2(a)は、送話筐体3の分解斜視図であり、図2(b)は、送話筐体3の外観斜視図である。いずれも、送話筐体3のうち閉状態において受話筐体2と対向する面(正面)とは反対側(背面側、図1の紙面奥手側)の面を見た図である。
送話筐体3は、閉状態で受話筐体2に対向する面側のフロントケース21、その背面側のリアケース22と、リアケース22の背面側に被せられる蓋体23とを備えている。フロントケース21、リアケース22、蓋体23は、例えば非導電性の樹脂により構成され、互いに積層的に配置されている。
フロントケース21及びリアケース22の間には、高周波回路等の各種の電子回路が形成された基板25と、基板25に接続され、無線通信を行うための電波を送受信するためのアンテナ部材26とが収納されている。基板25は、例えば樹脂をベースとするプリント配線基板であり、リアケース22の内面と対向している。基板25とフロントケース21との間には、図示は省略するが、例えば、基板25をシールドするシールドケース、操作部7のキーに対応するスイッチが設けられたFPC、操作部7のキーが設けられたキーシートが積層されている。また、リアケース22及び蓋体23の間には不図示のバッテリが収納されている。
図3は、アンテナ部材26のリアケース22への取付方法の概要を説明する図であり、図3(a)は、アンテナ部材26をリアケース22へ取り付ける前の状態を、図3(b)は、アンテナ部材26をリアケース22へ取り付けた状態を示している。
リアケース22は、送話筐体3の背面を構成する背面部31と、背面部31のうち連結部4とは反対側の縁部と連続し、送話筐体3の外周面を構成する端部壁部32と、端部壁部32と対向するリブ33とを有し、背面部31、端部壁部32及びリブ33により、アンテナ部材26を収納する凹状の収納空間34を形成している。なお、背面部31と端部壁部32との稜部は曲面状に面取りされているから、曲面状の端部壁面とリブとにより凹状の収納空間が形成されていると捉えることもできる。
アンテナ部材26は、収納空間34に挿入され、後述する適宜な手段によって仮固定される。その後、図2に示すように、基板25がアンテナ部材26に積層され、フロントケース21とリアケース22とが互いに固定されることにより、最終的に固定される。
図4は、アンテナ部材26のリアケース22への仮固定の方法を説明する概念図である。
アンテナ部材26は、互いに直交して断面L字を構成する第1壁部41及び第2壁部42を有している。第2壁部42には孔部43(図4では不図示。図5参照)が設けられている。一方、リアケース22には、背面部31からフロントケース21側(紙面上方側)へ端部壁部32やリブ33に平行に延び、第2壁部42の孔部43に挿入可能な棒状部44が設けられている。アンテナ部材26は、第1壁部41を端部壁部32に対向させて、第2壁部42側から収納空間34に挿入され、棒状部44は第2壁部42の孔部43に挿通される。これにより、アンテナ部材26は、背面部31に平行な方向(紙面左右方向)において位置決めされる。
リアケース22には、端部壁部32に隣接する支持部45が設けられている。支持部45は、端部壁部32からリブ33側に突出する段差部により構成されている。支持部45は、第2壁部42の第1壁部41側の下面(背面部31側の面)を支持する。これにより、アンテナ部材26は、収納空間34への挿入方向において、所定位置に位置決めされる。
なお、支持部45は、段差部を形成せずに構成することもできる。すなわち、段差部を形成していなくても、第2の壁部42が端部壁部32の背面部31側の曲面状部分に当接すれば、当該位置が支持部である。また、端部壁部32が面取りされておらず、第2の壁部42が背面部31に当接すれば、当該位置が支持部である。
リブ33には、係合部46が形成されている。係合部46は、第2壁部42の第1壁部41とは反対側の端部に設けられた被係合部48に棒状部44の延出方向とは反対側へ係合している。これにより、第2壁部42の棒状部44からの抜けが防止される。
なお、図4から理解されるように、第2の壁部42の縁部は被係合部として機能可能であり、被係合部48として特別な形状のものが設けられていなくてもよい。
以下、このような仮固定を行うための構成を含め、アンテナ部材26及びリアケース22の具体的な構成を説明する。
図5は、アンテナ部材の外観斜視図であり、図5(a)は、リアケース22の背面部31側且つリブ33側から見た斜視図であり、図5(b)は、リアケース22の背面部31側且つ端部壁部32側から見た斜視図であり、図5(c)はフロントケース21側且つリブ33側から見た斜視図である。
アンテナ部材26は、アンテナ基体51と、アンテナ基体51に設けられるアンテナ素子52と、アンテナ素子52への給電部53とを備えている。
アンテナ基体51は、例えば、非導電性の樹脂により一体成形されている。アンテナ基体51は、上述した第1壁部41及び第2壁部42を有し、全体として、第1壁部41及び第2壁部42の交差線(稜部)の延びる方向に長い長尺状に形成されている。
第2壁部42は、アンテナ部材26の長手方向の両端側においてフロントケース21側へずれるように段差部55が形成されている。段差部55においては、第2壁部42は厚くなっており、板厚部が形成されている。段差部55の板厚増加分については、第2壁部42と第1壁部41との内角側に、第1壁部41に対して第2壁部42を支持する突支部が形成されていると捉えることもできる。なお、本実施形態の段差部55は、第2壁部42とは異なる部分として、あるいは、後述する延出部56の一部として捉えることもできるが、説明の便宜上、本実施形態の説明では、第2壁部42の一部として説明する。
第1壁部41のうち、アンテナ部材26の長手方向の両端側には、段差部55よりも更に長手方向両端側へ延出する延出部56が設けられている。なお、本実施形態の延出部56は、第1壁部41の一部と捉えることもできるし、第1壁部41の端部から延出しているものと捉えることもできるが、説明の便宜上、本実施形態の説明では、第1壁部41の端部から延出しているものとして説明する。
延出部56は、第1壁部41の端部から、徐々にリブ33へ向かうように湾曲して設けられている。また、延出部56は、第1壁部41の高さ方向(紙面上下方向)において第2壁部42とは反対側の所定範囲(例えば第1壁部41の高さの半分)から延びている。延出部56の第2壁部42側の面は、アンテナ部材26が収納空間34に収納された際には、図3に示すように、リブ33の端部側の一部及びリブ33に連続する半円状のリブ35の縁部(図3(a)のハッチング領域R1)に当接する。
上述した棒状部44は、図3(a)に示すように、背面部31と端部壁部32との稜部内面から端部壁部32やリブ33に平行にフロントケース21側に突出して設けられている。棒状部44は、例えばリアケース22の幅方向に2つ配置されている。
一方、図5に示すように、棒状部44が挿通される孔部43は、第2壁部42の第1壁部41寄りの位置であって、段差部55よりも中央側の位置において、アンテナ部材26の長尺方向に2つ設けられている。孔部43の第1壁部41側の一部は、第1壁部41に形成された溝部58によって構成されている。溝部58は、孔部43から、第1壁部41のうち第2壁部42とは反対側の端部まで棒状部44の挿入方向に沿って形成されている。
上述した支持部45は、図3(a)に示すように、端部壁部32の内面にリブ33側へ突出する段差部が形成されることにより構成されている。支持部45には、第1壁部41及び第2壁部42の稜部が支持される。
上述した被係合部48は、図5に示すように、段差部55において、リアケース22の背面部31側の面と、リブ33側の面との稜部において、リブ33側に突出するように設けられている。一方、被係合部48が係合する係合部46は、図3(a)に示すように、リブ33のうち端部壁部32に対向する面に、背面部31からリブ33の縁部側へ延びる溝部が形成されることにより、リブ33の縁部付近に形成されている。
アンテナ素子52は、図5に示すように、例えば板金により構成され、所定のパターンでアンテナ基体51に貼り付けられている。具体的には、第1壁部41のうち端部壁部32への対向面、延出部56のうち端部壁部32やリアケース22の側面への対向面、第2壁部42の背面部31への対向面に亘って連続して延びている。
給電部53は、アンテナ素子52の一端に連続する板金により構成され、第2の壁部42に形成された切り欠き部を介して第1の壁部41及び第2の壁部42の内角側へ延び、バネ接点を構成している。給電部53は、基板25に設けられた給電端子28(図2(a)参照)に当接する。
以上の構成を有するアンテナ部材26の着脱方法を説明する。
図6は、リアケース22及びアンテナ部材26を示す平面図であり、図7は、アンテナ部材26のリアケース22への仮固定の手順を説明する図であり、図8は、リアケース22に仮固定されているアンテナ部材26を取り外す手順を説明する図である。ただし、図8(a)及び図8(b)は、仮固定の終了状態(図7の手順の終了状態)も示している。
まず、アンテナ部材26のリアケース22への仮固定の手順を説明する。
図7(a)〜図7(d)は、アンテナ部材26をリアケース22へ取り付ける初期の段階を示しており、図7(a)は、図6のA−A線における断面図、図7(b)は、図6のB−B線における断面図、図7(c)は斜視図、図7(d)は側面図である。
この段階では、図7(b)に示すように、棒状部44が孔部43に挿通され、第2壁部42と第1壁部41との稜部が支持部45に当接しているものの、図7(a)に示すように、被係合部48と係合部46とは係合していない。また、図7(c)及び図7(d)に示すように、延出部56と第1壁部41との境界付近において延出部56が端部壁部32の縁部に当接し、アンテナ部材26を紙面時計回りに回転させる支点P1を構成している。
なお、端部壁部32の縁部には段差が形成されており、端部壁部32は、外側縁部32aと、外側縁部32aよりもリアケース22の内側において外側縁部32aよりもフロントケース21側に突出する内側縁部32bとを有している。外側縁部32aはフロントケース21の縁部と対向し、内側縁部32bはフロントケース21の内部へ嵌合する。支点P1は内側縁部32bと延出部56との当接部により構成されている。
図7(e)〜図7(h)は、図7(a)〜図7(d)の続きの段階を示しており、図7(e)は、図6のA−A線における断面図、図7(f)は、図6のB−B線における断面図、図7(g)は斜視図、図7(h)は側面図である。
上述した支点P1を支点としてアンテナ部材26を紙面時計回りに回転させる力を加えると、図7(e)に示すように、被係合部48は、リブ33のうち係合部46よりも紙面上方側を摺動し、紙面下方側へ移動し、また、図7(f)に示すように、孔部43は棒状部44へ更に挿入されていく。この際、アンテナ部材26の支点は、支点P1から、延出部56とリブ35との当接部により構成される支点P2へ移動していく。
図8(a)及び図8(b)は、図7(e)〜図7(h)の続きの段階であって、アンテナ部材26のリアケース22への仮固定の最終段階を示しており、図8(a)は、図6のA−A線における断面図、図8(b)は、図6のB−B線における断面図である。
図8(a)に示すように被係合部48と係合部46とは係合し、図8(b)に示すように棒状部44は孔部43に挿入され、第1壁部41と第2壁部42との稜部は支持部45に支持される。ただし、本実施形態では、アンテナ部材26が、被係合部48と係合部46とが当接する位置から、第1壁部41と第2壁部42との稜部が支持部45に当接する位置まで、若干移動できるように遊びが設定されており、図8(b)では、その遊び分だけ、第1壁部41と第2壁部42との稜部を支持部45から浮かした状態を図示している。
次に、仮固定されたアンテナ部材26の取り外し手順を説明する。
図8(a)及び図8(b)において、第1壁部41の縁部41a側にリブ33側へ(紙面右側へ)の力F1を加える。これにより、アンテナ部材26は紙面時計回りに回転し、リアケース22から取り外される。具体的には以下のとおりである。
図5(a)に示すように、延出部56のうちリアケース22の背面部31側(紙面上方側)の面とリブ33側(紙面手前側)の面との稜部56aと、段差部55のフロントケース21側(紙面下方側)の面とリブ33側の面との稜部55aとは、軸O1上に配置されている。軸O1は、棒状部44に直交する方向(第1壁部41に直交する方向)において、孔部43(棒状部44)よりもリブ33側に位置している。また、軸O1は、棒状部44の延出方向において、被係合部48よりも棒状部44の先端側(紙面下方側)、且つ、第1壁部41の第2壁部42とは反対側の縁部41aを越えない位置に位置している。
図8(c)は、図6のA−A線における断面図である。アンテナ部材26は、棒状部44からリブ33の方向へ(紙面右側へ)、リブ33に当接しているから、紙面右側への力F1に対する反力F2をリブ33のアンテナ部材26側の面から受ける。また、アンテナ部材26のリブ33側の面と、リブ33のアンテナ部材26側の面との当接面のうち、最もフロントケース21側(紙面上方側)の部分は、稜部55aである。そして、上述のように、稜部55a(軸O1)の位置は、第1壁部41の縁部41aよりも紙面下方側である。換言すれば、力F1が加えられる点よりも紙面下方側である。
従って、力F1と反力F2とにより、紙面時計回りのモーメントが生じ、稜部55aとリブ33のアンテナ部材26側の面との当接部を回転支点f1としてアンテナ部材26は回転する。
図9は、仮固定されたアンテナ部材26をリアケース22から取り外す途中経過を示す斜視図である。この図に示すように、アンテナ部材26は、軸O1上の回転支点f1回りに回転している。
図8(c)に示すように、稜部55a(軸O1)の位置は、被係合部48よりも第1壁部41の縁部41a側に位置している。換言すれば、回転支点f1を挟んで、力F1が加えられる点と被係合部48とは反対側に位置している。従って、アンテナ部材26の回転支点f1回りの紙面時計回り方向への回転により、被係合部48はリブ33から離れる。換言すれば、被係合部48は、係合部46との係合を解除する方向に移動する。
なお、稜部55aは、具体的には、リブ33のうち、図3においてハッチング領域R2で示す範囲の部分に当接する。また、回転支点f1が稜部55aとリブ33のアンテナ部材26側の面とにより構成されるものとして説明したが、図8(c)から理解されるように、稜部55aの位置とリブ33の縁部33aの位置とは略一致しており、厳密には、縁部33aによって回転支点f1が構成される場合がある。すなわち、図8(a)及び図8(b)の説明において述べたように、アンテナ部材26とリブ33とは所定の余裕量だけ移動可能であり、また、アンテナ部材26を取り外すときの力の入れ具合によりアンテナ部材26は若干上下する。そして、稜部55aがリブ33のアンテナ部材26側の面に当接する状態となれば、稜部55aにより回転支点f1が構成されるし、リブ33の縁部33aが段差部55のリブ33側の面に当接する状態となれば、縁部33aにより回転支点f1が構成される。
図8(e)は、図6のC−C線における断面図である。上述のように、アンテナ部材26を紙面時計回りに回転させることにより、被係合部48と係合部46との係合を外すことができても、アンテナ部材26が棒状部44の根元側にずれ落ちてしまっては、アンテナ部材26を棒状部44から引き抜くことが困難になり、アンテナ部材26を取り外し難くなる。
ここで、上述のように、延出部56のリアケース22の背面部31側(紙面下方側)の面は、リアケース22のリブ35によって棒状部44の根元側から先端側の方向へ支持されている。すなわち、アンテナ部材26はリアケース22から反力F3を受けている。また、アンテナ部材26において、棒状部44の根元側から先端側の方向へ支持される面のうち、最もリブ33側の部分は、稜部56aである。
従って、図8(e)及び図9に示すように、アンテナ部材26に対して生じた紙面時計回りのモーメントにより、稜部56aとリブ35のアンテナ部材26側の面との当接部を回転支点f2として、端部壁部32側(紙面左側)が持ち上がるように、アンテナ部材26は回転する。すなわち、アンテン部材26は、棒状部44の根元側にずれ落ちない。なお、回転支点f2は回転支点f1と同軸である。
また、図8(e)に示すように、稜部56a(軸O1)の位置は、棒状部44よりもリブ33側(紙面右側)であることから、アンテナ部材26は、紙面左側が持ち上がることにより、棒状部44が孔部43から引き抜かれる方向に移動する。
図8(d)は、図6のB−B線における断面図である。棒状部44は、最終的には、棒状部44や第2壁部42の孔部43周辺の弾性変形を伴って孔部43から引き抜かれる。しかし、アンテナ部材26は、紙面左側が持ち上がるように回転し、孔部43が棒状部44の先端側に移動した状態で弾性変形が生じるから、弾性変形の量は少なくてよい。換言すれば、アンテナ部材26は低荷重でリアケース22から取り外される。
なお、図8(a)及び図8(b)の状態から、図8(c)〜(e)の状態を経由して、アンテナ部材26が取り外される過程において、アンテナ部材26の第1壁部41がリアケース22の端部壁部32側の部材に、アンテナ部材26の第2壁部42がリアケース22の背面部31側の部材に当接しないように、部材間にクリアランスが設けられていることが好ましい。なお、多少、第1壁部41や第2壁部42がリアケース22に当接しても、部材の弾性変形により取り外しは可能である。
図10は、アンテナ部材26の仮固定の後、フロントケース21とリアケース22とを互いに固定して、アンテナ部材26を送話筐体3に対して最終的に固定する方法を説明する図であり、図10(a)は、送話筐体3の平面図、図10(b)は、図10(a)のXb−Xb線矢視方向の断面図、図10(c)は、図10(a)のXc−Xc線矢視方向の断面図、図10(d)は、図10(b)の領域aの拡大図、図10(e)は、図10(c)の領域bの拡大図である。
図10(e)に示すように、フロントケース21とリアケース22とは、フロントケース21の内面に設けられたネジボス27(図2(a)も参照)が、リアケース22の内面に設けられたリブ35(図3(a)も参照)に嵌合挿入されること等により互いに位置決めされ、リアケース22に挿通されたネジ71がネジボス27に螺合されることにより、互いに固定される。その後、リアケース22には、蓋体23が取り付けられる。蓋体23の取り付けは、図10(d)に示すように、リアケース22に設けられた係合孔部72に蓋体23に設けられた係合突部73が挿入されて係合すること等により行われる。
図5に示すように、段差部55と延出部56には、ネジボス27と嵌合する凹部75が形成されている。そして、段差部55のリアケース22側の面のうち、ハッチングして示す領域R4は、リアケース22の内側面のうち、図3においてハッチングして示す領域R3に当接する。領域R3は、リアケース22からフロントケース21側に突出する突部37の先端面に設けられている。突部37の先端面は、ネジボス27の先端面が当接する面である。なお、領域R3は、ネジボス27と嵌合するリブ35の切り欠き部を構成している。
図10(e)に示すように、段差部55のうち領域R3とは反対側(フロントケース21側)の面には、基板25の領域R5(図2のハッチング領域も参照)が当接する。基板25は、フロントケース21においてネジボス27に隣接して設けられた段差部77に当接する。従って、段差部55は、リアケース22の内面の領域R3と、フロントケース21の段差部77とにより、基板25を介して挟持されている。
図4等に示したように、第1壁部41は、リアケース22の支持部45により支持されている。また、図10(e)に示すように、延出部56のリアケース22側の面は、リブ35に支持されている。一方、第1壁部41及び延出部56のフロントケース21側の面は、図5等に示すように、互いに同一平面状であるとともに、図10(e)に示すように、フロントケース21の内面に当接する。従って、第1壁部41はリアケース22の支持部45及びフロントケース21により挟持され、延出部56はリアケース22のリブ35及びフロントケース21により挟持されている。
図11は、携帯電話機1の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。CPU101及びメモリ102は例えばICにより構成され、操作部7等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部103等の各種手段の制御を実行する制御部として機能する。
通信処理部104は、高周波回路を含んで構成され、電波を利用した無線通信を行うために、CPU101で処理された音声データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ部材26を介して送信する。また、通信処理部104は、アンテナ105を介して受信した信号を復調してCPU101に出力する。
音響処理部106は、CPU101からの音響データを音響信号に変換して通話用のスピーカ107、報知や音楽再生用のスピーカ109に出力する。又、音響処理部106は、マイクロフォン108からの音響信号を音響データに変換してCPU101に出力する。
画像処理部103は、CPU101からの画像データを画像信号に変換してメイン表示部6、サブ表示部110に出力する。また、カメラモジュール111から出力される撮像信号(画像データ)を所定のフォーマットの画像データに変換してCPU101へ出力する。
以上の実施形態によれば、図4において説明したように、棒状部44、支持部45、係合部46によりアンテナ部材26を仮固定する構成であるから、アンテナ部材26の取り付けが容易である。さらに、図8において説明したように、棒状部44の延出方向において、係合部46と第1壁部41の縁部41aとの間の位置を通り、且つ、棒状部44に直交する方向における、棒状部44よりもリブ33側の位置を通る、第1壁部41と第2壁部42との交差線に平行な軸O1回りに回転可能に、回転支点f1、f2が構成されているから、アンテナ部材26を回転させることにより簡単にアンテナ部材26をリアケース22から取り外せる。
回転支点f1は、段差部55の稜部55aとリブ33とが当接することにより構成されるから、第1壁部41と第2壁部42との交差部の強度を補強する部分を回転支点f1の構成部として兼用でる。さらに、段差部55は、フロントケース21とリアケース22とにより挟持される。従って、アンテナ部材26は送話筐体3に対して最終的に安定して取付可能である。
回転支点f2は、延出部56の稜部56aとリブ35とが当接することにより構成される。また、延出部56は、フロントケース21とリアケース22とにより挟持される。従って、延出部56は、仮固定の取り外しの容易性と送話筐体3への最終的な安定した固定との双方に寄与することになり、アンテナ部材26の構成の簡素化が図られる。また、延出部56は、第1壁部41からリブ33側へ延出しており、第1壁部41の同一平面上にないから、第1壁部41の挟持と、延出部56の挟持とにより、アンテナ部材26はより安定して固定される。
アンテナ部材26の回転による棒状部44の孔部43からの引抜は、孔部43と軸O1との距離(回転半径)が大きくなり、孔部43の軌跡が弧から直線に近づくほど容易化される。アンテナ部材26の孔部43は、なるべく軸O1から離れるように、第1壁部41に溝部を形成して構成されているから、棒状部44の引抜が容易である。
なお、以上の実施形態において、リアケース22は、本発明のケース及び第1ケースの一例であり、端部壁部32は本発明のケース壁部の一例であり、リブ33は本発明のリブの一例であり、軸O1は本発明の所定の軸の一例であり、回転支点f1は本発明の第1支点の一例であり、回転支点f2は本発明の第2支点の一例であり、段差部55は本発明の第1当接部、突支部の一例であり、延出部56は本発明の第2当接部の一例であり、突部37は本発明の第1支持突部の一例であり、段差部77は本発明の第2支持突部の一例であり、リブ35は本発明の延出部用突部の一例である。
(第2の実施形態)
図12は、本発明の第2の実施形態において、解決しようとする課題を説明する図であり、図12(a)は、リアケース22の係合部46及び係合孔部72の形成方法を説明する斜視図、図12(b)は、図12(a)とは異なる状態の斜視図、図12(c)は、図12(b)の平面図、図12(d)は、図12(b)のVIId−VIId線矢視方向の断面図である。
リアケース22は、例えば射出成形により形成され、リアケース22の外側(紙面上方側)に配置される金型と、リアケース22の内側(紙面下方側)に配置される金型とにより形成されるキャビティに樹脂が充填されることにより形成される。そして、部分金型151は、リアケース22の外側に配置される金型の一部を示している。
リアケース22の係合部46は、リアケース22内部のリブ33において、型開閉方向(図12(d)の紙面上下方向)に対して直交する方向に突出するように形成されている(図10(d)も参照)。従って、金型により係合部46を形成するためには、リアケース22の外側から内側へ部分金型151の第1突出部152を貫通させなければならない。仮に、リアケース22の内側に配置される金型に、型開閉方向に直交する方向の凹部を設けて係合部46を形成するとすれば、係合部46と凹部とが係合してしまうから、リアケース22を離型させることができない。
その結果、リアケース22には、係合部46の位置に孔部81(図12(a))が形成されることになる。また、図10(d)に示したように、蓋体23とリアケース22との固定を、リアケース22に設けられた係合孔部72により行う場合には、孔部81に隣接して係合孔部72が設けられる場合もある。なお、係合孔部72は部分金型151の第2突出部153により形成される。
孔部81及び係合孔部72は、蓋体23により塞がれて、基本的には埃や水の浸入が防止される。しかし、埃や水が浸入した場合には、アンテナ部材26を配置するための収納空間34を介して携帯電話機1の内部へ埃や水が侵入することになり好ましくない。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態の構成に加え、孔部81や係合孔部72からの埃や水の侵入を防止する構成を追加する。
図13(a)は、アンテナ部材26の一部を示す斜視図であり、図13(b)は、第2の実施形態のリアケース222の内部側の一部を示す斜視図であり、図14(a)は、第2の実施形態のリアケース222の平面図であり、図14(b)は、図14(a)のXIIb−XIIb線矢視方向における断面図であり、図14(c)は、図14(a)のXIIc−XIIc線矢視方向における断面図であり、図14(d)は、図14(b)の領域cの拡大図であり、図14(e)は、図14(c)の領域dの拡大図である。
アンテナ部材26は、第1の実施形態と同様のものである。リアケース222は、第1の実施形態のリアケース22と略同様であるが、図13(b)に示すように、リブ236が設けられている点が第1の実施形態と相違する。
リブ236は、リアケース22の背面部31からフロントケース21側へ突出しており、第1リブ236a、第2リブ236b、第1リブ236cを有している。第1リブ236aは、収納空間34を、孔部81や係合孔部72が配置されている端部側の領域34bと、中央側の領域34aとに仕切る。第2リブ236bは、支持部45上に設けられ、端部壁部32に沿って延びる。第3リブ236cは、収納空間34を、領域34bと、領域34bよりも端部側の領域34cとに仕切る。なお、第3リブ236cは、フロントケース21のネジボス27の先端面が当接する突部37と連続している。
図13(b)においてハッチングして示すリブ236の上端面R6は、図13(a)においてハッチングして示すアンテナ部材26の段差部55の面R7と当接又は比較的微小隙間で対向する。
従って、第1リブ236aにより、領域34aへの埃や水の浸入が防止される(図14(e)も参照)。第2リブ236bにより、端部壁部32側を経由したフロントケース21側等への埃や水の浸入が防止される(図14(d)も参照)。第3リブ236cにより、領域34cへの埃や水の浸入が防止される(図14(e)も参照)。
なお、上端面R6には、図3において示した領域R3が含まれ、面R7には、図5において示した領域R4が含まれている。また、リブ236は、アンテナ部材26のリアケース22側に設けることも可能である。
第2の実施形態において、背面部31は本発明の対向面部の一例であり、孔部81は本発明の開口部の一例であり、リブ236は本発明の遮蔽リブの一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
本発明は、無線による受信及び送信の少なくともいずれか一方を行う、あらゆる機器に適用可能であり、適用範囲は携帯電話機に限定されない。例えば、ノートパソコン、PDAに適用されてもよい。
アンテナの収納空間を形成するケース壁部及びリブは、いずれも、互いに概ね対向する部材であればよい。ケース壁部及びリブの名称は、便宜上、互いに異なる名称を付けたに過ぎず、ケース壁部及びリブをそれぞれケース外周面及びケースの内部のリブに限定するものではない。例えば、ケース壁部がケース内部に設けられたリブにより構成されてもよいし、ケース壁部に対向するリブがケース外周面により構成されてもよい。
回転支点は、アンテナ部材及びケースの少なくとも一方の部材のうち鋭角を有する部分が他方の部材に当接して構成されればよく、アンテナ部材の稜部により構成されるものに限定されない。ケースのリブの縁部がアンテナ部材の平面部に当接して支点を構成してもよい。
なお、本願からは、アンテナ部材を回転させて取り外すことを前提としない、遮蔽リブを設けた携帯無線機の発明を抽出可能である。
22…リアケース、32…端部壁部(ケース壁部)、33…リブ、41…第1壁部、42…第2壁部、52…アンテナ素子、26…アンテナ部材、44…棒状部、43…孔部、45…支持部、46…係合部、48…被係合部、O1…軸、f1…回転支点(第1支点)、f2…回転支点(第2支点)、55…段差部(第1当接部)、56…延出部(第2当接部)。