次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(参考形態)
図1〜図5は本発明の参考形態を示す図であり、図1は本発明の参考形態の撮像素子の概略断面図、図2Aおよび図2Bは図1に示した撮像素子のセンサ基板の製造プロセスを示す図、図3Aおよび図3Bは図1に示した撮像素子の光学基板の製造プロセスを示す図、図4は図1に示した撮像素子のダイクロイックフィルタの分光特性図、図5は図1に示した撮像素子における光線追跡図である。
図1に示すように、本参考形態の撮像素子は、センサ基板10と光学基板12とで構成されている。
センサ基板10は、上面に複数の光電変換部104が設けられたSi基板100を有している。Si基板100上には、2層のAl配線層107,113が、SiO2等で形成された層間膜110,114を介して形成されている。Al配線層107,113は、光電変換部104にて発生した光電荷を不図示のフローティングディフュージョン部(FD部)に転送するための転送スイッチを制御したり、FD部の電位を出力したりするための配線層である。
また、Si基板100上の各光電変換部104の上方であって、Al配線層107,113に囲まれる部分には、屈折率が比較的高い材料であるTiO2で形成された導波路117が構成されている。導波路117の光入射側(図示上側)は、より多くの光が導波路117に入射することが可能なように開口が大きくなっている。
このように、センサ基板10は、Si基板100上に設けられた光電変換部104と、その上に形成されたAl配線層107,113と、導波路117とを有している。
また、光学基板12は透明基板であるガラス基板120を有しており、そのガラス基板120の下面には、比較的低い屈折率を有するSiO2からなる低屈折率層121を介してマイクロレンズ124が設けられている。マイクロレンズ124は屈折率が比較的高いTiO2で形成されており、不図示の撮影レンズから入射する光束を光電変換部104に集光するようにそのレンズ形状が決められている。
ガラス基板120に設けられているマイクロレンズ124の下面には、屈折率が比較的低いSiO2等からなる第1の屈折率層125と、屈折率が比較的高いTiO2等からなる第2の屈折率層129とがさらに設けられている。第1の屈折率層125と第2の屈折率層129との屈折率界面はプリズム状に形成されている。
さらに、第2の屈折率層129の下面には、所定の波長の光を透過し、その他の波長の光を反射するようになっている、ベイヤー配列されたダイクロイックフィルタ層132,135が設けられている。ダイクロイックフィルタ層132,135は、屈折率が比較的低いSiO2と屈折率が比較的高いTiO2との交互多層膜で構成されている。
このように、光学基板12は、ガラス基板120と、その上に構成された低屈折率層121、マイクロレンズ124、第1の屈折率層125、第2の屈折率層129、およびダイクロイックフィルタ層132,135を含む光学部材とで構成されており、この光学部材は屈折率が互いに異なるSiO2とTiO2との2種類の透明材料で構成されている。
本参考形態の撮像素子は、上記に説明したセンサ基板10の上面と光学基板12の下面とを互いに貼り合わせた構造になっている。
次に、図2Aおよび図2Bを参照して、図1に示したセンサ基板10の製造方法を説明する。
まず、図2A(a)に示すように、Si基板100の上面を酸化させてSi基板100の上面にSiO2からなる酸化シリコン膜101を形成する。さらに、Si基板100の上面に光電変換領域を形成するために、酸化シリコン膜101の上にフォトレジスト102を塗布し、これをフォトマスク103で覆って露光する(図2A(b))。フォトマスク103は、光電変換領域に対応する領域は光を透過し、その他の領域は光を遮光するように構成されている。また、フォトレジスト102はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち光電変換領域に対応する領域が溶解し、酸化シリコン膜101の一部が露出する。さらに、プラズマによるドライエッチング処理を行うことによって、フォトレジスト102に覆われていない領域の酸化シリコン膜101が除去される(図2A(c))。
さらに、Si基板100の上面に対してイオンを打ち込むことにより、Si基板100の上面の酸化シリコン膜101で覆われていない領域に光電変換部104を形成する(図2A(d))。なお、このとき酸化シリコン膜101で覆われた領域ではイオンが吸収されるので、その領域に光電変換部104は形成されない。
Si基板100の上面に光電変換部104を形成した後、光電変換部104に貯まる電荷を転送するための電極をSi基板100の上面に形成する。
まず、光電変換部104と酸化シリコン膜101が形成されたSi基板100の上面にフォトレジスト105を塗布し、これをフォトマスク106で覆って露光する(図2A(e))。フォトマスク106は、第1の配線層107に対応する領域が光を透過し、その他の領域は光を遮光するように構成されている。また、フォトレジスト105はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち第1の配線層に対応する領域が溶解し、酸化シリコン膜101の一部が露出する。さらに、ドライエッチング処理を行うことによって、フォトレジスト105に覆われていない領域の酸化シリコン膜101が除去される(図2A(f))。
さらに、例えばAl(アルミニウム)をCVD装置等によってSi基板100上に蒸着させることにより、Si基板100上に第1の配線層107を形成する(図2A(g))。
第1の配線層107を形成した後に、光電変換部104の上にエッチングストッパ膜109を形成する。まず、Si基板100の上面にフォトレジスト108を塗布し、フォトマスク103でこれを覆って露光する(図2A(h))。フォトマスク103は、光電変換部104に対応する領域が光を透過し、その他の領域は光を遮光するように構成されている。また、フォトレジスト108はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち光電変換部104に対応する領域が溶解する。さらに、CVD装置等によって光電変換部104の上にSiNを蒸着させて、光電変換部104上にエッチングストッパ膜109を形成する(図2A(i))。さらに、エッチング処理を行ってフォトレジスト108を除去する(図2A(j))。
次に、センサ基板10に第2の配線層113を形成するために、図2B(k)に示すように、まず、SiO2からなる層間膜110を、Si基板100上の酸化シリコン膜101、第1の配線層107、およびエッチングストッパ膜109の上にCVD装置によって形成する。そして、その層間膜110を表面処理して平坦化した後、層間膜110の上にフォトレジスト111を塗布し、フォトマスク112でこれを覆って露光する。フォトマスク112は、第2の配線層113に対応する領域が光を透過し、その他の領域は光を遮光するように構成されている。また、フォトレジスト111はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち第2の配線層113に対応する領域が溶解する。
さらに、CVD装置等によって層間膜110の上にAlを蒸着することにより、層間膜110の上に第2の配線層113を形成する(図2B(l))。さらに、エッチング処理を行ってフォトレジスト111を除去する(図2B(m))。
さらに、CVD装置によってSiO2からなる層間膜114を層間膜110および第2の配線層113の上に形成し、その層間膜114を表面処理して平坦化を行う(図2B(n))。
次に、導波路117を形成するための井戸構造を形成する。まず、平坦化処理を行った層間膜114の上にフォトレジスト115を塗布し、これをフォトマスク116で覆って露光する(図2B(o))。フォトマスク116は、導波路に対応する領域が光を透過し、その他の領域は光を遮光するように構成されている。また、フォトレジスト115はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち導波路に対応する領域が溶解する(図2B(p))。
さらに層間膜114のエッチング処理を行うことによって、層間膜114に導波路117を形成するための井戸構造を形成する(図2B(q))。なお、層間膜114と光電変換部104との間にはエッチングストッパ膜109が形成されているため、光電変換部104がエッチングされてしまうことはない。
最後に、CVD装置によって光電変換部104の上にTiO2を蒸着して導波路117を形成することにより、センサ基板10が完成する(図2B(r))。
続いて、図3Aおよび図3Bを参照して、図1に示した光学基板12の製造方法を説明する。
最初に、透明基板であるガラス基板120の下面となる面(図3A(a)に示す上側の面)上にマイクロレンズ124を形成する。マイクロレンズ124は、公知のレジストリフロー法にて形成する。
そのために、まず、ガラス基板120上に屈折率が比較的低い材料であるSiO2からなる低屈折率層121をCVD装置によって蒸着し(図3A(b))、さらにその上にフォトレジスト122を塗布し(図3A(c))、フォトマスク123でこれを覆って露光する(図3A(d))。フォトマスク123の透過率分布は、マイクロレンズ124の形状を形成するために、画素中央部は透過率が低く、画素周辺部は透過率が高くなるように設定されている。また、フォトレジスト122はネガ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射されない領域、すなわちマイクロレンズ124に対応する領域が溶解する(図3A(e))。
さらに、低屈折率層121にエッチング処理を行うことによって、マイクロレンズ124を形成するための凹部を低屈折率層121に形成する(図3A(f))。このとき、フォトレジスト122と低屈折率層121のエッチング処理における選択比が1:1であれば、フォトレジスト122の形状がそのまま低屈折率層121に転写される。さらに、屈折率が比較的高い材料であるTiO2を、低屈折率層121の上にCVD装置によって蒸着することにより、低屈折率層121上にマイクロレンズ124を形成する(図3A(g))。
マイクロレンズ124を形成した後に、第1および第2の屈折率層125,129からなるプリズム形状層を作成する。このプリズム形状層は、公知のレジストリフロー法にて形成する。
まず、屈折率が比較的低い材料であるSiO2をCVD装置によってマイクロレンズ124の上に蒸着し、第1の屈折率層125を構成する(図3A(h))。さらに、第1の屈折率層125の上にフォトレジスト126を塗布し、これをフォトマスク127で覆って露光する(図3A(i))。フォトマスク127の透過率分布は、第1の屈折率層125にプリズム形状を形成するために、画素中央部から画素周辺部にかけて透過率が線形的に高くなるように設定されている。また、フォトレジスト126はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわちプリズムの底辺に対応する領域が溶解する(図3A(j))。
第1の屈折率層125のエッチング処理をさらに行うことによって、第1の屈折率層125にプリズム形状を形成する(図3B(k))。さらに、屈折率が比較的高い材料であるTiO2をCVD装置によって第1の屈折率層125の上に蒸着して第2の屈折率層129を形成し、平坦化処理を行って第2の屈折率層129の表面を平滑にする(図3B(l))。
最後に、ダイクロックフィルタ層132,135を形成する。ダイクロイックフィルタ層132,135は、屈折率が比較的低いSiO2と屈折率が比較的高いTiO2との交互多層膜で構成されており、各膜厚を調節することによって分光透過率を調節することができる。ダイクロイックフィルタ層132,135の分光透過特性は後述する。
はじめに、赤色の光を透過するダイクロイックフィルタ層132を成膜する工程について説明する。
まず、第2の屈折率層129の上にフォトレジスト130を塗布し、これをフォトマスク131で覆ってマスキングして露光する(図3B(m))。フォトマスク131は、赤色光用のダイクロイックフィルタ層132を形成する領域の透過率が高くなるように構成されている。また、フォトレジスト130はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち赤色光用のダイクロイックフィルタ層132が形成される領域が溶解し、その他の色相の画素領域は溶解しない。そのため、その他の色相の画素領域はフォトレジスト130に保護されたままの状態となる。
次に、SiO2とTiO2との交互多層膜をスパッタ装置によって第2の屈折率層129の上に成膜する。このとき、SiO2とTiO2とをそれぞれ所定の膜厚になるように成膜する。ダイクロイックフィルタ層132は、通常は10層程度のSiO2とTiO2との交互多層膜で構成される(図3B(n))。さらにエッチング処理を行って、フォトレジスト130を除去する(図3B(o))。
次に、緑色の光を透過するダイクロイックフィルタ層135を成膜する工程について説明する。
まず、第2の屈折率層129およびダイクロイックフィルタ層132の上にフォトレジスト133を塗布し、フォトマスク134でこれをマスキングして露光する(図3B(p))。フォトマスク133は、緑色光用のダイクロイックフィルタ層を形成する領域の透過率が高くなるように構成されている。また、フォトレジスト133はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち緑色光用のダイクロイックフィルタ層135が形成される領域が溶解し、その他の色相の画素領域は溶解しない。そのため、その他の色相の画素領域はフォトレジスト133にて保護される。
最後に、SiO2とTiO2との交互多層膜をスパッタ装置によって第2の屈折率層129の上に成膜する。このとき、SiO2とTiO2とをそれぞれ所定の膜厚になるように成膜する。ダイクロイックフィルタ層135は、通常は10層程度のSiO2とTiO2との交互多層膜で構成される(図3B(q))。さらにエッチング処理を行ってフォトレジスト133を除去すると、光学基板12が完成する(図3B(r))。
そして、センサ基板10の上面と光学基板12の下面とを不図示の位置決め指標に基づいて互いに貼り合わせることにより、本参考形態の撮像素子が完成する。
このように、本参考形態では、ダイクロイックフィルタ層132,135等の複雑な構成を有する光学基板12をセンサ基板10と異なる工程で製造することによって、撮像素子の歩留まりを向上させている。また、光学基板12を構成する各光学部材をできるだけ少ない種類の材料で形成するために、光学基板12の透明基板であるガラス基板120に形成される光学部材を、屈折率が互いに異なる2種類の透明材料で構成することによって、撮像素子を製造する製造装置の小型化と、使用する材料の種類が少ないことによる歩留まりの向上とを図っている。
次に、撮像素子に入射する光の状態を、図4および図5を参照して説明する。
図5(a)は、本参考形態の撮像素子の所定の画素にF1.4の画角の光束が入射した場合の光線追跡図である。図5(a)に示すように、ガラス基板120を透過し、低屈折率層121を通ってマイクロレンズ124を透過した光は、マイクロレンズ124とダイクロイックフィルタ層135との間に設けられた第1の屈折率層124と第2の屈折率層129との界面で屈折した後、ダイクロイックフィルタ層135に入射する。
ここで、図4を参照して、各ダイクロイックフィルタ層の分光特性を説明する。ダイクロイックフィルタ層は透明材料であるSiO2とTiO2との交互多層膜で構成されており、光の吸収がほとんどない。ダイクロイックフィルタ層132は赤色の光を透過する分光透過特性を示す一方で、青色と緑色の光を反射するような特性を示す。同様に、ダイクロイックフィルタ層135は緑色の光を透過する分光透過特性を示す一方で、青色と赤色の光を反射するような特性を示す。また、図1や図5では不図示のダイクロイックフィルタ層138は、青色の光を透過する分光透過特性を示す一方で、緑色と赤色の光を反射するような特性を示す。
再び図5(a)を参照すると、ダイクロイックフィルタ層135に入射した光のうち、緑色の成分はダイクロイックフィルタ層135を透過して導波路117に入射する。導波路117と層間膜110との界面に入射した光は全反射を生じて光電変換部104に導かれる。導波路117は屈折率が比較的高い透明材料TiO2で構成されており、導波路117に導かれた光線は相対的に屈折率の低いSiO2で構成された層間膜110との界面で全反射をしながら光電変換部104に導かれる。
また、ダイクロイックフィルタ層135の隣接画素との境界部には不図示の金属反射層が設けられており、導波路117に入射しないような光を隣接画素に導くようになっている。そのような光は、隣接画素における感度の向上に寄与する。
このように、本参考形態の撮像素子は、画角の広い光束が入射した場合であっても光線を効果的に光電変換部104へ導くことが可能であるので、感度が向上している。
一方、図5(b)に示すように、ダイクロイックフィルタ層135に入射した光のうち、緑色以外の青色と赤色の光は、ダイクロイックフィルタ層135で反射する。ダイクロイックフィルタ層135で反射した青色と赤色の光は、第1の屈折率層125と第2の屈折率層129との屈折率界面で全反射する。これは、第2の屈折率層129の屈折率が第1の屈折率層125の屈折率に対して高いためである。また、第1の屈折率層125と第2の屈折率層129との屈折率界面はプリズム状の形状に形成されているので、屈折率界面で全反射した光は隣接画素の第1の屈折率層125と第2の屈折率層129との屈折率界面で再度全反射して、隣接画素のダイクロイックフィルタ層132に入射する。
ダイクロイックフィルタ層132の分光透過特性は、図4に示したように、赤色の光を透過する特性を有している。そのため、ダイクロイックフィルタ層135で反射した青色と赤色の光のうち、赤色の光はダイクロイックフィルタ層132を透過し、導波路117を通って光電変換部104に導かれる。
従来の顔料タイプのカラーフィルタでは、フィルタを透過しない色の光はフィルタに吸収されてしまい、これが撮像素子の感度を低下させる要因になっていた。しかし、本参考形態によれば、従来の顔料タイプのカラーフィルタでは吸収されていた光も光電変換部104に取り込むことができ、これにより撮像素子の感度を向上させることが可能になっている。
さらに、本参考形態の撮像素子は、緑色の光が透過するダイクロイックフィルタ層135を有する画素に入射した赤色の光を、これに隣接する、赤色を透過するダイクロイックフィルタ層132を有する画素に導くことにより、いわゆる偽色が発生することを防止することが可能になっている。すなわち、従来の顔料タイプのカラーフィルタ層を有する撮像素子においては、緑色の光を透過するカラーフィルタ層を有する画素に赤色の光が入射しても赤の画像は再現されなかったが、本参考形態の撮像素子では緑色の光が透過するダイクロイックフィルタ層135を有する画素に入射した赤色の光は、これに隣接する赤色を透過するダイクロイックフィルタ層132を有する画素にて赤の画像を再現することを可能としている。
なお、他の色相のダイクロイックフィルタ層を有する画素に入射した光も同様に作用するため、他の色相に関する説明は省略する。
本参考形態では、光学基板12を構成する光学部材に、屈折率が比較的高い透明材料としてTiO2、屈折率が比較的低い透明材料としてSiO2の2種類の透明材料を使用する例を示したが、屈折率が比較的高い透明材料で構成されたマイクロレンズ124と屈折率が比較的低い透明材料で構成された第1の屈折率層125との屈折率界面での反射による損失を小さくするために、図6に示す本参考形態の撮像素子の変形例のように、マイクロレンズ124と第1の屈折率層125との間に、例えばSiN等の透明材料からなる中間の屈折率を持つ反射防止層136を設け、光学部材を3種類の透明材料で構成するのも有効である。さらに、光学基板12の光入射面に屈折率が比較的低い透明材料であるMgF2を反射防止膜としてコーティングすることで、4種類の透明材料で光学部材を構成するのも有効である。
(第1の実施形態)
図7〜図11は本発明の第1の実施形態を示す図であり、図7は本発明の第1の実施形態の撮像素子の概略断面図、図8Aおよび図8Bは図7に示した撮像素子のセンサ基板の製造プロセスを示す図、図9Aおよび図9Bは図7に示した撮像素子の光学基板の製造プロセスを示す図である。
図7に示すように、本実施形態の撮像素子も、センサ基板20と光学基板22とで構成されている。
センサ基板20は、上面に複数の光電変換部204が設けられたSi基板200を有している。Si基板200上には、2層のAl配線層207,213が、SiO2等で形成された層間膜210,216を介して形成されている。Al配線層207,213は、光電変換部204にて発生した光電荷を不図示のフローティングディフュージョン部(FD部)に転送するための転送スイッチを制御したり、FD部の電位を出力したりするための配線層である。
このように、センサ基板20は、Si基板200、光電変換部204、Al配線層207,213、および層間膜210,216を有している。また、センサ基板20の上面には、Al配線層207,213と層間膜210,216で構成された井戸構造からなる凹凸部が形成されている。
また、光学基板22は透明基板であるガラス基板220を有しており、そのガラス基板220の下面には、比較的低い屈折率を有するSiO2からなる低屈折率層221を介してマイクロレンズ224が設けられている。マイクロレンズ224は屈折率が比較的高いTiO2で形成されており、不図示の撮影レンズから入射する光束を光電変換部204に集光するようにそのレンズ形状が決められている。
マイクロレンズ224の下面には、マイクロレンズ224を透過した光を光電変換部204に導く導波路としての機能も有する、例えば顔料タイプのカラーフィルタ227,230が設けられている。導波路でもあるカラーフィルタ227,230の光入射側は、より多くの光が入射可能なように開口が大きくなっている。
このように、光学基板22は、ガラス基板220、低屈折率層221、マイクロレンズ224、およびカラーフィルタ227,230を有している。また、光学基板22の下面には、カラーフィルタ227,230からなる凹凸部が形成されている。
本実施形態の撮像素子は、センサ基板20と光学基板22とを、互いの凹凸部を噛み合わせるように貼り合わせた構造になっており、センサ基板20と光学基板22とは、封止材234によって封止された状態で接着されている。センサ基板20と光学基板22とを貼り合わせた後には、導波路を兼ねるカラーフィルタ227,230は、センサ基板20と光学基板22とを貼り合わせたときに両者の凹凸部の間に形成される隙間の空気層233に囲まれる。そのため、カラーフィルタ227,230の屈折率が多少小さくても、その空気層との屈折率差によって全反射条件を満足し、カラーフィルタ227,230は導波路として機能する。その結果、本実施形態でも、撮影光束は図5(a)に示した光線追跡図と略同様となり、撮影画角の広い光束もカラーフィルタ(導波路)227,230を通って光電変換部204に導かれるので、撮像素子の感度を向上させることが可能になっている。
また、本実施形態では、光学基板22のマイクロレンズ224上に設けられたカラーフィルタ227,230が導波路としての役割も有しているので、図1等に示した参考形態の構成に比べてマイクロレンズ224から光電変換部204までの光路長が構造上短くなっている。そのため、マイクロレンズ224から出射して光電変換部204に到達する間に生じる光の損失が少なくなるので、この構成によっても、撮像素子の感度を向上させることが可能になっている。
次に、図8Aおよび図8Bを参照して、図7に示したセンサ基板20の製造方法を説明する。
まず、図8A(a)に示すように、Si基板200の上面を酸化させてSi基板200の上面にSiO2からなる酸化シリコン膜201を形成する。さらに、Si基板200の上面に光電変換領域を形成するために、酸化シリコン膜201の上にフォトレジスト202を塗布し、これをフォトマスク203で覆って露光する(図8A(b))。フォトマスク203は、光電変換領域に対応する領域は光を透過し、その他の領域は光を遮光するように構成されている。また、フォトレジスト202はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち光電変換領域に対応する領域が溶解し、酸化シリコン膜201の一部が露出する。さらに、プラズマによるドライエッチング処理を行うことによって、フォトレジスト202に覆われていない領域の酸化シリコン膜201が除去される(図8A(c))。
さらに、Si基板200の上面に対してイオンを打ち込むことにより、Si基板200の上面の酸化シリコン膜201で覆われていない領域に光電変換部204を形成する(図8A(d))。なお、このとき酸化シリコン膜201で覆われた領域ではイオンが吸収されるので、その領域に光電変換部204は形成されない。
Si基板200の上面に光電変換部204を形成した後、光電変換部204に貯まる電荷を転送するための電極をSi基板200の上面に形成する。
まず、光電変換部204と酸化シリコン膜201が形成されたSi基板200の上面にフォトレジスト205を塗布し、これをフォトマスク206で覆って露光する(図8A(e))。フォトマスク206は、第1の配線層207に対応する領域が光を透過し、その他の領域は光を遮光するように構成されている。また、フォトレジスト205はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち第1の配線層に対応する領域が溶解し、酸化シリコン膜201の一部が露出する。さらに、ドライエッチング処理を行うことによって、フォトレジスト205に覆われていない領域の酸化シリコン膜201が除去される(図2A(f))。
さらに、例えばAl(アルミニウム)をCVD装置等によってSi基板200上に蒸着させることにより、Si基板200上に第1の配線層207を形成する(図8A(g))。
このように第1の配線層207が形成した後に、エッチング処理を行ってフォトレジスト205を除去する(図8A(h))。
次に、第2の配線層213を形成するために層間膜210を形成する。まず、Si基板200の上面にフォトレジスト208を塗布し、これをフォトマスク209で覆って露光する(図8A(i))。フォトマスク208は、光電変換部204に対応する領域が光を遮光し、その他の領域は光を透過するように構成されている。また、フォトレジスト208はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち光電変換部204に対応していない領域が溶解する。
そして、CVD装置によって、SiO2からなる層間膜210を形成する(図8B(j))。層間膜210を形成した後に、エッチング処理を行ってフォトレジスト208を除去する(図8B(k))。
次に、フォトレジスト211を塗布し、これをフォトマスク212で覆って露光する(図8B(l))。フォトマスク212は、第2の配線層213に対応する領域が光を透過し、その他の領域は光を遮光するように構成されている。また、フォトレジスト211はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち第2の配線層213に対応する領域が溶解する。そして、CVD装置等によってAlを蒸着することにより、第2の配線層213を形成する(図8B(m))。その後、エッチング処理を行ってフォトレジスト211を除去する(図8B(n))。
さらに、第2の配線層213の上に層間膜216を形成する。まず、第2の配線層213が形成されたSi基板200上にフォトレジスト214を塗布し、これをフォトマスク215で覆って露光する(図8B(o))。フォトマスク215は、導波路としても機能するカラーフィルタ227,230を収容する井戸構造に対応する領域が光を遮光し、その他の領域は光を透過するように構成されている。また、フォトレジスト215はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち上記の井戸構造に対応していない領域が溶解する。さらに、CVD装置によって、SiO2からなる層間膜216を形成する(図8B(p))。
さらに、上記の井戸構造を形成するために、エッチング処理を行ってフォトレジスト214を除去すると、センサ基板20が完成する(図8B(q))。
続いて、図9Aおよび図9Bを参照して、図7に示した光学基板22の製造方法を説明する。
最初に、透明基板であるガラス基板220の下面となる面(図9A(a)に示す上側の面)上にマイクロレンズ224を形成する。マイクロレンズ224は、公知のレジストリフロー法にて形成する。
そのために、まず、ガラス基板220上に屈折率が比較的低い材料であるSiO2からなる低屈折率層221をCVD装置によって蒸着し(図9A(b))、さらにその上にフォトレジスト222を塗布し(図9A(c))、フォトマスク223でこれを覆って露光する(図9A(d))。フォトマスク223の透過率分布は、マイクロレンズ224の形状を形成するために、画素中央部は透過率が低く、画素周辺部は透過率が高くなるように設定されている。また、フォトレジスト222はネガ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射されない領域、すなわちマイクロレンズ224に対応する領域が溶解する(図9A(e))。
さらに、低屈折率層221にエッチング処理を行うことによって、マイクロレンズ224を形成するための凹部を低屈折率層221に形成する(図9A(f))。このとき、フォトレジスト222と低屈折率層221のエッチング処理における選択比が1:1であれば、フォトレジスト222の形状がそのまま低屈折率層221に転写される。さらに、比較的屈折率が高い材料であるTiO2を、低屈折率層221の上にCVD装置によって蒸着することにより、低屈折率層221上にマイクロレンズ224を形成する(図9A(g))。
マイクロレンズ224を形成した後に、導波路を兼ねるカラーフィルタ227,230を作成する。
まず、緑色の光を透過するカラーフィルタ227を形成する。最初に、マイクロレンズ224の上にフォトレジスト225を塗布し、これをフォトマスク226でマスキングして露光する(図9A(h))。フォトマスク226は緑色のカラーフィルタ227を形成する領域の透過率が高くなるように構成されている。また、フォトレジスト226はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち緑色のカラーフィルタ227が形成される領域が溶解し、その他の色相の画素領域は溶解しない。したがって、その他の色相の画素領域はフォトレジスト225によって保護される。
次に、顔料タイプの緑色のカラーフィルタ227を形成し(図9A(i))、エッチング処理を行ってフォトレジスト225を除去する。
次に、赤色の光を透過するカラーフィルタ230を形成する。まず、フォトレジスト228を塗布し、これをフォトマスク229でマスキングして露光する(図9B(j))。フォトマスク233は赤色のカラーフィルタ230を形成する領域の透過率が高くなるように構成されている。また、フォトレジスト228はポジ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射された領域、すなわち赤色のカラーフィルタ230が形成される領域が溶解し、その他の色相の画素領域は溶解しない。したがって、その他の色相の画素領域はフォトレジスト228によって保護される。
次に、顔料タイプの赤色のカラーフィルタ230を形成し(図9B(k))、エッチング処理を行ってフォトレジスト228を除去する(図9B(l))。
最後に、カラーフィルタ227,230が導波路として機能するように、これらをテーパ形状に形成する。カラーフィルタ227,230は、公知のレジストリフロー法によって導波路形状に形成する。
まず、ガラス基板220上に形成されたカラーフィルタ227,230上にフォトレジスト231を塗布し、フォトマスク232を通してフォトレジスト231を露光する(図9B(m))。フォトマスク232は、カラーフィルタ227,230を導波路形状に形成するために、画素中央部の透過率が低く画素周辺部の透過率は高くなるように透過率分布が設定されている。また、フォトレジスト231はネガ型のフォトレジストであるので、現像処理することにより光が照射されない領域、すなわち導波路に対応してない領域が溶解する(図9B(n))。
ここで、フォトレジスト231とカラーフィルタ227,230とのエッチング処理における選択比が1:1であれば、フォトレジスト231の形状がそのままカラーフィルタ227,230に転写される。そして、エッチング処理を行うことによってカラーフィルタ227,230が導波路形状に形成され、光学基板22が完成する(図9B(o))。
そして、センサ基板20の井戸構造部からなる凹凸部と光学基板22の導波路部227,230からなる凹凸部とをかみ合わせるようにセンサ基板20と光学基板22とを貼り合わせることにより、本実施形態の撮像素子が完成する。本実施形態の構成によれば、センサ基板20の凹凸部と光学基板22の凹凸部とをかみ合わせる際にセンサ基板20と光学基板22との互いの位置決めが行われるので、センサ基板20と光学基板22の位置精度が向上し、両者の貼り合わせ時に生じる位置ずれに起因する撮像素子の感度の低下を防止することができる。
図10は、図7等に示した撮像素子のセンサ基板の一変形例を示す概略断面図である。
図7等に示した本実施形態のセンサ基板20は、第1の配線層207及び第2の配線層213がそれぞれ層間膜210及び216によって覆われた構成になっているが、図10に示すセンサ基板の変形例のように、第1の配線層207と層間膜210を同じパターンにし、また、第2の配線層213と層間膜216とを同じパターンにすることにより、それらを形成するためのフォトマスクの種類を減らすことが可能になる。
図11は、図7等に示した撮像素子の一変形例を示す概略断面図である。
本実施形態では、図7等に示すように、光学基板22にカラーフィルタ227,230からなる導波路を設け、光学基板22の導波路部227,230より広い井戸構造部を有するセンサ基板20に光学基板22を貼り合わせた構造の撮像素子を示した。
この構造に代えて、図11に示すように、センサ基板20は図7のものと同様の構成とし、光学基板22はマイクロレンズ224の下に通常の顔料タイプのカラーフィルタ227,230を形成し、屈折率が比較的高い透明材料(例えばTiO2)によってカラーフィルタ227,230の下面に導波路235を形成した構成とし、センサ基板20と光学基板22とを貼り合わせて撮像素子を構成してもよい。
(その他の実施形態)
次に、図12を参照して、本発明の撮像素子をデジタルカメラに適用した場合の一実施形態について詳述する。図12は、本発明の撮像素子を適用したデジタルカメラを示すブロック図である。
図12において、符号301はレンズ302のプロテクトとメインスイッチとを兼ねるバリア、符号302は被写体の光学像を固体撮像素子304に結像させるレンズ、符号303はレンズ302を通る光量を可変するための絞り、符号304はレンズ302で結像された被写体を画像信号として取り込むための固体撮像素子、符号305は撮像信号処理回路、符号306は固体撮像素子304より出力される画像信号のアナログ−ディジタル変換を行うA/D変換器、符号307はA/D変換器306より出力された画像データに各種の補正を行ったりデータを圧縮したりする信号処理部、符号308は固体撮像素子304、撮像信号処理回路305、A/D変換器306、および信号処理部307に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部、符号309は各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部、符号310は画像データを一時的に記憶するメモリ部、符号311は記録媒体に記録または読み出しを行うためのインターフェース部、符号312は画像データの記録または読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体、符号313は外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部である。
次に、本実施形態のデジタルカメラの撮影時の動作について説明する。
バリア301がオープンされるとメイン電源がオンされ、次にコントロール系の電源がオンし、更にA/D変換器306などの撮像系回路の電源がオンされる。
それから、露光量を制御する為に、全体制御・演算部309は絞り303を開放にし、固体撮像素子304から出力された信号がA/D変換器306で変換された後、信号処理部307に入力される。全体制御・演算部309は、そのデータを基に露出の演算を行う。全体制御・演算部309は、この測光を行った結果によって明るさを判断し、その結果に応じて絞り303を制御する。
次に、全体制御・演算部309は、固体撮像素子304から出力された信号をもとに、撮像信号処理回路305で高周波成分を取り出し、被写体までの距離の演算を行う。その後、全体制御・演算部309は、レンズ302を駆動して合焦か否かを判断し、合焦していないと判断した時は、再びレンズ302を駆動して測距を行う。そして、全体制御・演算部309は、合焦を確認した後に本露光を始める。
露光が終了すると、固体撮像素子304から出力された画像信号は撮像信号処理回路305を経てA/D変換器306でA/D変換され、信号処理部307を通り全体制御・演算部309によってメモリ部310に書き込まれる。
その後、メモリ部310に蓄積されたデータは、全体制御・演算部309の制御によって、記録媒体制御I/F部311を介して半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体312に記録される。また、このデータを外部I/F部313を介してコンピュータ等に直接入力すれば、そのコンピュータ等によって画像の加工を行うことができる。
このように、本実施形態のデジタルカメラは、レンズ302で結像した被写体像を撮像素子304で光電変換することによって画像信号を得るように構成されている。その撮像素子304としては、図1や図7等に示して説明した撮像素子を用いることができる。