JP4621017B2 - 遠心成形コンクリート製品 - Google Patents
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Description
(A)ブレーン比表面積2500〜5000cm2/gのセメント100質量部と、(B)BET比表面積5〜15m2/gの微粒子10〜40質量部と、(C)ブレーン比表面積2500〜30000cm2/gで、かつ上記セメントよりも大きなブレーン比表面積を有する無機粒子15〜55質量部と、(D)細骨材と、(E)減水剤と、(F)水とのみからなる配合物であって、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行なわないで測定した値が105〜150mmである配合物を遠心成形してなることを特徴とする遠心成形コンクリート製品である(請求項1)。このように特定の材料からなり、かつ、特定の流動性を有する配合物を使用すれば、遠心成形時に振動を加える必要がなく、また、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが可能であるので汎用の遠心成形設備を使用して遠心成形コンクリート製品を製造することができる。また、遠心成形時のスラッジの発生を防止することもできる。
上記無機粒子(C)は、ブレーン比表面積5000〜30000cm2/gの無機粒子A10〜50質量部と、ブレーン比表面積2500〜5000cm2/gの無機粒子B5〜35質量部とからなることが好ましい(請求項2)。このようにブレーン比表面積の異なる2種の無機粒子を用いることによって、配合物の作業性を向上させることができるとともに、遠心成形コンクリート製品の強度発現性を向上させることができる。
上記配合物は、金属繊維、有機繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維を含むことが好ましい(請求項3)。配合物に、金属繊維や有機繊維を含むことによって、遠心成形コンクリート製品の曲げ強度や破壊エネルギー等を向上させることができる。
最初に、遠心成形コンクリート製品の材料およびその配合割合について説明する。
本発明で使用するセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。
一般に、シリカフュームやシリカダストは、そのBET比表面積が5〜25m2/gであり、粉砕等をする必要がないので、本発明の微粒子として好適である。
微粒子の配合量は、セメント100質量部に対して10〜40質量部、好ましくは20〜40質量部である。配合量が10〜40質量部の範囲外では、遠心成形時にスラッジが発生したり、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが困難になる等の欠点がある。
無機粒子は、ブレーン比表面積が2500〜30000cm2/g、好ましくは4500〜20000cm2/gで、かつセメント粒子よりも大きなブレーン比表面積を有する。
無機粒子のブレーン比表面積が2500cm2/g未満であると、遠心成形時にスラッジが発生したり、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが困難になる等の欠点があり、30000cm2/gを超えると、粉砕に手間がかかるため材料が入手し難くなったり、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが困難になる等の欠点がある。
無機粒子の配合量は、セメント100質量部に対して15〜55質量部、好ましくは20〜50質量部である。配合量が15〜55質量部の範囲外では、遠心成形時にスラッジが発生したり、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが困難になる等の欠点がある。
この場合、無機粒子Aと無機粒子Bは、同じ種類の粉末(例えば、石灰石粉末)を使用してもよいし、異なる種類の粉末(例えば、石灰石粉末及び石英粉末)を使用してもよい。
無機粒子Aは、ブレーン比表面積が5000〜30000cm2/g、好ましくは6000〜20000cm2/gのものである。また、無機粒子Aは、セメント及び無機粒子Bよりもブレーン比表面積が大きいものである。
無機粒子Aのブレーン比表面積が5000cm2/g未満であると、セメントや無機粒子Bとのブレーン比表面積の差が小さくなり、前記の1種の無機粒子を用いる場合と比べて、配合物の作業性を向上させる効果が小さくなるばかりか、2種の無機粒子を用いているために、材料の準備に手間がかかるので、好ましくない。該ブレーン比表面積が30000cm2/gを超えると、粉砕に手間がかかるため、材料が入手し難くなったり、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが困難になる等の欠点がある。
無機粒子Aとセメント及び無機粒子Bとのブレーン比表面積の差(換言すれば、無機粒子Aと、セメントと無機粒子Bのうちブレーン比表面積の大きい方とのブレーン比表面積の差)は、配合物の作業性と強度発現性の観点から、1000cm2/g以上が好ましく、2000cm2/g以上がより好ましい。
無機粒子Bのブレーン比表面積が2500cm2/g未満であると、配合物の作業性が低下する等の欠点があり、5000cm2/gを超えると、ブレーン比表面積の数値が無機粒子Aに近づくため、前記の1種の無機粒子を用いる場合と比べて、配合物の作業性を向上させる効果が小さくなるばかりか、2種の無機粒子を用いているために、材料の準備に手間がかかるので、好ましくない。
また、セメントと無機粒子Bとのブレーン比表面積の差が100cm2/g以上であることによって、配合物の作業性や強度発現性を向上させることができる。
無機粒子Aと無機粒子Bの合計量は、セメント100質量部に対して15〜55質量部、好ましくは25〜50質量部である。合計量が15〜55質量部の範囲外では、遠心成形時にスラッジが発生したり、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが困難になる等の欠点がある。
減水剤の配合量は、セメント100質量部に対して、固形分換算で0.15〜0.5質量部が好ましく、0.2〜0.45質量部がより好ましい。配合量が0.15質量部未満では、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが困難になる等の欠点がある。配合量が0.5質量部を超えると、遠心成形時にスラッジが発生する等の欠点がある。
なお、減水剤は、液状または粉末状のいずれでも使用することができる。
細骨材は、配合物の作業性や強度発現性から、最大粒径2mm以下のものを用いることが好ましく、最大粒径が1.5mm以下のものを用いるのがより好ましい。
また、配合物の作業性から、75μm以下の粒子の含有量が2.0質量%以下のものを用いることが好ましく、1.5質量%以下のものを用いることがより好ましい。
細骨材の配合量は、配合物の作業性や強度発現性、自己収縮や乾燥収縮の低減、さらには、スラッジ発生防止の観点から、セメント、微粒子、無機粒子の合計量100質量部に対して、10〜130質量部が好ましく、30〜130質量部がより好ましい。
金属繊維は、遠心成形コンクリート製品の曲げ強度等を大幅に高める観点から、配合される。
金属繊維としては、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。中でも、鋼繊維は、強度に優れており、また、コストや入手のし易さの点からも好ましいものである。金属繊維の寸法は、配合物の作業性や遠心成形コンクリート製品の曲げ強度の向上の観点から、直径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.05〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、金属繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
金属繊維の好適な例としては、例えば、直径が0.5mm以下、引張強度が1〜3.5GPaの鋼繊維からなり、かつ、120N/mm2の圧縮強度を有するセメント系硬化体のマトリックスに対する界面付着強度(付着面の単位面積当たりの最大引張力)が3MPa以上であるものが挙げられる。本発明において、金属繊維は、波形または螺旋形の形状に加工することができる。また、金属繊維の周面上に、マトリックスに対する運動(長手方向の滑り)に抵抗するための溝または突起を付けることもできる。また、金属繊維は、鋼繊維の表面に、鋼繊維のヤング係数よりも小さなヤング係数を有する金属層(例えば、亜鉛、錫、銅、アルミニウム等から選ばれる1種以上からなるもの)を設けたものとしてもよい。
有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。中でも、ビニロン繊維及び/又はポリプロピレン繊維は、コストや入手のし易さの点で好ましく用いられる。
炭素繊維としては、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維が挙げられる。
有機繊維及び炭素繊維の寸法は、配合物の作業性や遠心成形コンクリート製品の破壊エネルギーの向上の観点から、直径が0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmであることが好ましく、直径が0.01〜0.5mm、長さ5〜25mmであることがより好ましい。また、有機繊維及び炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150である。
本発明で用いる配合物においては、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行なわないで測定した値(以降、「0打フロー」と称する)が105〜150mmである必要がある。0打フローが105mm未満では、30〜35Gの遠心力で遠心成形することが困難になる等の欠点がある。0打フローが150mmを越えると、遠心成形時にスラッジが発生する等の欠点がある。本発明において、好ましい0打フローの範囲は、配合物の作業性や強度発現性、スラッジ発生防止等の観点から110〜130mmである。
配合物の硬化体の圧縮強度は、好ましくは120N/mm2以上、より好ましくは130N/mm2以上である。
配合物の硬化体の曲げ強度は、好ましくは15N/mm2以上、より好ましくは18N/mm2以上、特に好ましくは20N/mm2以上である。特に、配合物が金属繊維を含む場合には、配合物の硬化体の曲げ強度は、好ましくは30N/mm2以上、より好ましくは32N/mm2以上、特に好ましくは35N/mm2以上である。
配合物の混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、(a)水、減水剤以外の材料を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材、水及び減水剤をミキサに投入し、混練する方法、(b)粉末状の減水剤を用意し、水以外の材料を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材及び水をミキサに投入し、混練する方法、(c)各材料を各々個別にミキサに投入し、混練する方法、等を採用することができる。
混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
混練後、配合物を遠心成形用の型枠に投入し遠心成形し、その後養生することにより、本発明の遠心成形コンクリート製品が得られる。
なお、遠心成形は、3〜10Gの遠心力で3〜10分間成形し、さらに13〜25Gの遠心力で1〜10分間成形し、さらに30〜35Gの遠心力で3〜10分間成形することが好ましい。
また、養生方法は、特に限定されるものではなく、気中養生や蒸気養生等を行なえばよい。
[1.使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製;ブレーン比表面積3200cm2/g)
(2)微粒子;シリカフューム(BET比表面積10m2/g)
(3)無機粒子A;石英粉末(ブレーン比表面積7500cm2/g)
(4)無機粒子B;石英粉末(ブレーン比表面積4000cm2/g)
(5)細骨材;珪砂(最大粒径0.6mm、75μm以下の粒子の含有量0.3質量%)
(6)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:13mm)
(7)減水剤;ポリカルボン酸系高性能減水剤
(8)水;水道水
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、無機粒子A39質量部、細骨材120質量部、高性能減水剤0.37質量部(セメントに対する固形分)、水21.7質量部をニ軸ミキサに投入し、混練した。
該配合物の0打フロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行なわないで測定した。その結果、0打フローは110mmであった。
また、前記配合物をφ50×100mmの型枠内に充填し、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。該硬化体の圧縮強度(3本の平均値)は193N/mm2であった。
また、前記配合物を4×4×16cmの型枠内に充填し、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。該硬化体の曲げ強度(3本の平均値)は22N/mm2であった。
また、前記配合物をφ80×90cmの遠心成形用の型枠内に充填し、5Gの遠心力で5分間成形し、さらに15Gの遠心力で1分間成形し、さらに30Gの遠心力で3分間成形した。その結果、スラッジの発生は認められず、また、φ80cm×長さ90cmで厚さ5cmの遠心成形コンクリート製品を製造することが可能であった。
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、無機粒子A26質量部、無機粒子B13質量部、細骨材120質量部、高性能減水剤0.37質量部(セメントに対する固形分)、水21.7質量部をニ軸ミキサに投入し、混練した。
該配合物の0打フロー、圧縮強度、曲げ強度を実施例1と同様に測定した。その結果、0打フローは120mm、圧縮強度は195N/mm2、曲げ強度は22N/mm2であった。
また、前記配合物をφ80×90cmの遠心成形用の型枠内に充填し、5Gの遠心力で5分間成形し、さらに15Gの遠心力で1分間成形し、さらに30Gの遠心力で3分間成形した。その結果、スラッジの発生は認められず、また、φ80cm×長さ90cmで厚さ5cmの遠心成形コンクリート製品を製造することが可能であった。
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、無機粒子A26質量部、無機粒子B13質量部、細骨材120質量部、高性能減水剤0.37質量部(セメントに対する固形分)、水21.7質量部、鋼繊維(配合物中の体積の2%)をニ軸ミキサに投入し、混練した。
該配合物の0打フロー、圧縮強度、曲げ強度を実施例1と同様に測定した。その結果、0打フローは115mm、圧縮強度は215N/mm2、曲げ強度は43N/mm2であった。
また、前記配合物をφ80×90cmの遠心成形用の型枠内に充填し、5Gの遠心力で5分間成形し、さらに15Gの遠心力で1分間成形し、さらに30Gの遠心力で3分間成形した。その結果、スラッジの発生は認められず、また、φ80cm×長さ90cmで厚さ5cmの遠心成形コンクリート製品を製造することが可能であった。
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、細骨材120質量部、高性能減水剤0.44質量部(セメントに対する固形分)、水21.6質量部をニ軸ミキサに投入し、混練した。
該配合物の0打フローを実施例1と同様に測定した。その結果、0打フローは110mmであった。
また、前記配合物をφ80×90cmの遠心成形用の型枠内に充填し、5Gの遠心力で5分間成形し、さらに15Gの遠心力で1分間成形し、さらに30Gの遠心力で3分間成形したが、遠心成形コンクリート製品を製造することはできなかった。
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、無機粒子A39質量部、細骨材120質量部、高性能減水剤0.1質量部(セメントに対する固形分)、水20質量部をニ軸ミキサに投入し、混練した。
該配合物の0打フローを実施例1と同様に測定した。その結果、0打フローは102mmであった。
前記配合物をφ80×90cmの遠心成形用の型枠内に充填し、5Gの遠心力で5分間成形し、さらに15Gの遠心力で1分間成形し、さらに30Gの遠心力で3分間成形したが、遠心成形コンクリート製品を製造することはできなかった。
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、無機粒子A39質量部、細骨材120質量部、高性能減水剤0.55質量部(セメントに対する固形分)、水21.5質量部をニ軸ミキサに投入し、混練した。
該配合物の0打フローを実施例1と同様に測定した。その結果、0打フローは160mmであった。
前記配合物をφ80×90cmの遠心成形用の型枠内に充填し、5Gの遠心力で5分間成形し、さらに15Gの遠心力で1分間成形し、さらに30Gの遠心力で3分間成形した。その結果、スラッジの発生が認められた。
Claims (3)
- (A)ブレーン比表面積2500〜5000cm2/gのセメント100質量部と、(B)BET比表面積5〜15m2/gの微粒子10〜40質量部と、(C)ブレーン比表面積2500〜30000cm2/gで、かつ上記セメントよりも大きなブレーン比表面積を有する無機粒子15〜55質量部と、(D)細骨材と、(E)減水剤と、(F)水とのみからなる配合物であって、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行なわないで測定した値が105〜150mmである配合物を遠心成形してなることを特徴とする遠心成形コンクリート製品。
- 上記無機粒子(C)が、ブレーン比表面積5000〜30000cm2/gの無機粒子A10〜50質量部と、ブレーン比表面積2500〜5000cm2/gの無機粒子B5〜35質量部とからなる請求項1記載の遠心成形コンクリート製品。
- 配合物に、金属繊維、有機繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維を含む請求項1又は2に記載の遠心成形コンクリート製品。
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