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JP4622389B2 - 表示装置及びその駆動方法 - Google Patents
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JP4622389B2 - 表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、輝度が駆動電流に依存する発光素子を複数マトリクス状に配置した表示装置及びその駆動方法に関し、更に詳しくは、低消費電力効果の高い表示装置及びその駆動方法に関する。
近年、平面ディスプレイ装置の一つとして有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」と略記する。)素子を用いた有機EL表示装置の開発が盛んに行われている。有機EL表示装置は、低電圧駆動で自発光型であり、動画特性、広視野角、色再現性に優れており、将来最も有望視されているディスプレイ装置の一つとされている。更に、バックライトが不要で薄型に構成できることから、携帯情報端末等のモバイル機器用途として期待されている。
モバイル機器では、低消費電力化が求められるものの、有機EL素子の低消費電力化は未だ発展段階であり、低消費電力化が大きな課題となっている。そこで従来では、発光素子に流れる電流値を検出し、検出した電流値に基づいて発光素子に流れる電流を制御することにより、画面全体の発光輝度及び消費電力を抑制する技術等が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2003−195816号公報
さて、一般に、有機EL素子の輝度は、素子に供給される駆動電流に依存し、駆動電流に比例して素子の発光輝度が大きくなる。従って、有機EL素子からなるディスプレイの消費電力は、表示輝度の平均で決まる。即ち、液晶ディスプレイと異なり、有機ELディスプレイの消費電力は、表示画像によって大きく変動する。
例えば、有機ELディスプレイにおいては、全白画像を表示した場合に最も大きな消費電力を必要とするが、一般的な自然画の場合は、全白時に対して20〜40%程度の消費電力で十分とされる。
しかしながら、電源回路設計やバッテリ容量は、ディスプレイの消費電力がいちばん大きくなる場合を想定して設計されることから、一般的な自然画に対して3〜4倍の消費電力を考慮しなければならず、機器の低消費電力化及び小型化の妨げとなっている。
また、有機EL素子は、その寿命特性から、経時的に駆動電圧が上昇する傾向にある。そのため、ディスプレイに供給される電源電圧や有機EL素子のカソード電圧は、経時変化に伴う電圧上昇分のマージンを上乗せして設定されている。従って、機器の初期使用段階では、電圧マージン分が無駄に消費されていることなり、低消費電力化を困難なものにしている。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、低消費電力化効率の高い表示装置及びその駆動方法を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明の表示装置は、所定の走査サイクルで画素を選択する走査線、画素を駆動するための輝度情報を与えるデータ線、及び、輝度が駆動電流に依存する発光素子とこの発光素子に駆動電流を供給する駆動トランジスタとが電源電圧に対して直列に接続された画素回路が、マトリクス状に複数配置されてなる表示装置において、発光素子のアノード電圧が駆動トランジスタの飽和領域に位置する範囲内で、電源電圧と発光素子のカソード電圧との間の電位差を減少させる電位差調整手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の表示装置の駆動方法は、所定の走査サイクルで画素を選択する走査線、画素を駆動するための輝度情報を与えるデータ線、及び、輝度が駆動電流に依存する発光素子とこの発光素子に駆動電流を供給する駆動トランジスタとが電源電圧に対して直列に接続された画素回路が、マトリクス状に複数配置された表示装置の駆動方法において、各列のデータ線に供給されるデータ電位のピーク値、又は、全発光素子の駆動電流の総量を検出するステップと、発光素子のアノード電圧が駆動トランジスタの飽和領域に位置する範囲内で、電源電圧と発光素子のカソード電圧との間の電位差を減少させるステップとを有することを特徴とする。
電位差調整手段は、各列のデータ線に供給されるデータ電位のピーク値、又は、全発光素子の駆動電流の総量に基づいて、電源電圧とカソード電圧との間の電位差を小さくし、表示装置の駆動消費電力の低減を図る。
特に、電位差調整手段によって電源電圧−カソード電圧間の電位差を減少させる基準として、駆動トランジスタの飽和領域上に動作点、即ち発光素子のアノード電圧が位置する範囲内で、カソード電圧を高めるか、あるいは電源電圧を低くする。これにより、表示輝度をほとんど低下させずに、電源電圧−カソード電圧間の電位差を減少させ、消費電力の低減効率を高めることができる。
本発明によれば、駆動電流を制御することにより発光素子の輝度を制御する表示装置において、例えばデータ信号のピーク値もしくはディスプレイに供給される電流の総量に基づいて、発光素子の電源電圧とカソード電圧との間の電位差を減少させるようにしているので、画品位に影響を与えることなく、低消費電力化を図ることが可能となる。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、各画素を構成する発光素子として有機EL素子を用いた有機ELアクティブマトリクス型表示装置を例に挙げて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による有機ELアクティブマトリクス型表示装置1の概略構成図である。有機ELアクティブマトリクス型表示装置1は、有機EL表示部2、水平駆動回路3、書込走査駆動回路4、制御回路5、ピーク検出回路6、信号処理回路7及び可変電圧源8で構成されている。
図2は、有機EL表示部2の構成を示す概略図である。図示するように、書込走査線Xが行状に複数配列され、データ線Yが列状に複数配列されている。各書込走査線Xとデータ線Yの交差部には画素10が配置されている。
書込走査線Xは、書込走査駆動回路4に接続されている。書込走査駆動回路4はシフトレジスタを含んでおり、制御回路5(図1)から垂直クロックVCKと垂直スタートパルスVSPとが供給される。そして、垂直クロックVCKに同期して垂直スタートパルスVSPを順次転送することにより、各書込走査線Xを一走査サイクル内で順次選択する。
一方、データ線Yは、水平駆動回路(データ線駆動回路)3に接続されている。水平駆動回路3は、走査線Xの線順次走査に同期して、信号処理回路7(図1)から供給される各データ線Yの輝度情報に対応した電気信号(後述するVsig)を出力する。水平駆動回路3はシフトレジスタを含んでおり、制御回路5(図1)から水平クロックHCKと水平スタートパルスHSPとが供給され、水平クロックHCKに同期して水平スタートパルスHSPを順次転送し、各データ線Yを順次選択する。
図3は、有機EL表示部2の画素10の一構成例である。図3に示す回路は、輝度情報の書込みをデータ線Yの電圧制御で行う電圧書込み型の画素回路10Aを示し、一つの画素回路10Aで一つの画素10を構成している。画素回路10Aは、有機EL素子11、電流供給線12、データ線Y、書込走査線X、書込走査トランジスタ13、駆動トランジスタ14及び保持容量15を備えている。
書込走査トランジスタ13のソース(又はドレイン)は駆動トランジスタ14のゲートに接続され、ドレイン(又はソース)はデータ線Yに接続されている。書込走査トランジスタ13のゲートには、書込走査線Xが接続されている。駆動トランジスタ14のソースは電流供給線12に接続され、有機EL素子11のアノードに接続されている。保持容量15の一方の端子は駆動トランジスタ14のゲートに接続され、他方の端子は電流供給線12に接続されている。
電流供給線12は電源電圧(VDD)に接続されており、有機EL素子11を駆動し発光させる定電流源とされている。この電流供給線12と駆動トランジスタ14と有機EL素子11とは、それぞれ直列に接続されており、有機EL素子11の発光輝度は、駆動トランジスタ14のゲート−ソース間電位(Vgs)に対応する駆動電流(ソースとドレインを流れる電流)Iの大きさに依存(比例)する。
なお、書込走査トランジスタ13及び駆動トランジスタ14は、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型電解効果トランジスタ、例えばポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)で構成され、書込走査トランジスタ13はN型、駆動トランジスタ14はP型のトランジスタとされている。
画素10にデータを書き込むときは、書込走査線XをH(High)レベルにし、書込走査トランジスタ13をON状態とする。このとき、データ線Yと駆動トランジスタ14のゲートとが互いに接続される。データ線Yの電位が低いほど、駆動トランジスタ14のソースとゲート間の電圧(Vgs)が大きくなり、駆動トランジスタ14のソースとドレインを流れる電流、すなわち有機EL素子11の駆動電流が大きくなることによって、その発光輝度(発光強度)が大きくなる。保持容量15は、駆動トランジスタ14のゲート電圧を保持し、書込走査線XがL(Low)レベルになっても有機EL素子11の発光を維持する。これにより、有機EL素子の発光動作が、一走査サイクルの間、保持される。
図1を参照して、ピーク検出回路6は、本発明の「ピーク値検出手段」に対応し、入力された映像データ(電圧信号)のピーク値を検出する回路で、その検出データ(電圧制御信号)を可変電圧源8へ出力する。信号処理回路7は、ピーク検出回路6を介して入力された映像データに基づいて、有機EL表示部2の各画素回路10Aに供給するデータ電位(Vsig)に変換し、データ線Yに入力する。
可変電圧源8は、カソード線9を介して、有機EL表示部2の各有機EL素子11のカソードに接続されており、電源電圧(電流供給線12)と各有機EL素子11のカソード電圧との間の電位差を調整する機能を備えている。即ち、この可変電圧源8は、本発明の「電位差調整手段」に対応する。
次に、本発明の動作原理について説明する。ここでは先ず、有機EL素子11の電気的特性及び光学的特性から説明する。
有機EL素子11の駆動電圧(アノード−カソード間電圧)をV、駆動電流(素子に流れる電流)をI、発光輝度をLとしたとき、駆動電圧Vと駆動電流Iとの関係を図4に、駆動電流Iと発光輝度Lとの関係を図5にそれぞれ示す。
図4に示すように、駆動電流Iは駆動電圧Vに対してべき乗関数で近似される。また、図5に示すように、発光輝度Lは駆動電流Iに比例する。このことから、アクティブマトリクス駆動の場合には、有機EL素子11に駆動トランジスタ14を接続し、駆動トランジスタ14の駆動電流Iを制御することにより、有機EL素子11の発光輝度が制御される。
続いて、有機EL素子11を駆動するための駆動トランジスタ14の特性について説明する。
図3に示すように、電流供給線12の電圧をVDD、駆動トランジスタ14のゲート−ソース間電位をVgs、ソースに対するドレインの電圧を駆動電圧V、ソースとドレイン間を流れる電流をIとする。ここで、Vgsが駆動トランジスタ14の閾値電圧Vthより大きい場合(Vgs>Vth)の駆動電圧Vと駆動電流Iの関係を図6に示す。Vgsの大きさにより特性が変わり、Vgsが大きい場合と小さい場合を示している。
図6において、駆動電圧Vがある電圧(=Vgs−Vth:Vgs大の場合は図のVAに相当し、Vgs小の場合は図のVBに相当する)より小さい領域では、駆動電流Iはほぼリニアに上昇し(リニア領域)、それ以上の電圧では飽和する(飽和領域)。つまり、駆動電圧Vが大きい場合には駆動電流Iはほぼ一定し、駆動電圧Vを小さくしていくと、VAあるいはVBあたりから駆動電流Iが小さくなる。また、その境目の電圧は、Vgsが大きいほど大きくなる(VB<VA)。
駆動トランジスタ14の飽和領域における、Vgsに対する駆動電流Iの特性を図7に示す。Vgsが閾値電圧Vthよりも大きくなると、(Vgs−Vth)の2乗に比例して駆動電流Iが増加する。有機EL素子11の発光輝度Lを決定する駆動電流はVgsで制御され、高階調すなわち発光輝度を大きくする場合にはVgsを大きくし、低階調すなわち発光輝度を小さくする場合にはVgsを小さくする。
図3に示したように、駆動トランジスタ14のソースが電源電圧VDDに接続されており、駆動トランジスタ14のドレインと有機EL素子11のアノードが点Xで接続されている。このときの駆動電圧Vと駆動電流(有機EL素子11に流れる電流)Iの関係を図8に示す。横軸の駆動電圧Vの方向として、VDDを原点としVDDより下がる方向を正方向としている。このとき、駆動トランジスタ14は、図6に示した特性となる。Vgsが大きい場合と小さい場合とを示し、それぞれ階調A、階調Bとする。
一方、有機EL素子11の特性は、そのカソードを起点として電圧が上がる(負の方向にいく)に従い、図4に示した特性で電流が上昇する。図では、VDDとカソード間の電位差が大きい場合(カソード電圧A)と小さい場合(カソード電圧B)を示している。それぞれの曲線をOLEDA、OLEDBとする。
ここで、OLEDAと階調A、階調Bの交点をそれぞれX4,X2とし、OLEDBと階調A、階調Bの交点をそれぞれX3,X1とする。これらの交点の電圧Vは、図3の点Xすなわち有機EL素子11のアノード電圧に相当し、一般的にこの点は、動作点といわれる。
VDDと有機EL素子11のカソード電圧間の電位差が大きい場合、例えば図8のカソード電圧Aの状態では、階調が大きい場合でも小さい場合でも動作点は駆動トランジスタ14の飽和領域にある。カソード電圧を小さくしていくと、例えばカソード電圧Bの状態で階調Bは飽和領域にあり、カソード電圧Aの場合との駆動電流Iの差ΔIBは、僅かである。一方、階調Aの場合にはリニア領域にあり、駆動電流Iの差ΔIAが大きくなる。
要するに、階調が小さい場合には、カソード電圧を小さくしても駆動電流Iすなわち発光輝度の変動量はほとんどないということを意味する。消費電力については、カソード電圧をVcとすると、I×(VDD−Vc)で表される。この式から、カソード電圧Vcを大きくするほど、(VDD−Vc)が小さくなり、消費電力が小さくなる。
次に、有機EL素子11の経時変化の特性を図9に示す。図9は、有機EL素子11の積算駆動時間に対する初期輝度を1としたときの相対輝度を示している。また、図10に積算駆動時間に対する駆動電圧Vの特性を示す。積算駆動時間の増加とともに輝度は減衰し、駆動電圧Vは上昇する傾向にある。
従って、従来の有機EL素子を発光素子とする表示機器においては、経時的な駆動電圧の上昇を見込んで、VDD−Vc間電圧を大きめに設定する必要がある。しかし、これでは機器の使用初期は無駄な消費電力が発生することになる。
以下、具体的な回路において実際に測定したデータを示す。回路は、図3に示した画素回路10Aで、電流供給線12の電圧(VDD)に対するデータ線Yの電位差をVsigとする。このVsigは、データ線Yに入力されるデータ電位であり、Vsigが大きいほど高階調となる。
図11は、Vsigに対する表示装置の画面輝度を示す。Vsigを大きくしていくと、駆動トランジスタ14の閾値電圧(2.5V)以上で2乗特性で輝度が上昇する。これは、図7に示した特性にて説明できる。
図12は、有機EL素子11のカソード電圧Vcと画面輝度の関係を示している。ここで、横軸は、高階調でも動作点が十分駆動トランジスタ14の飽和領域にある場合、例えば図8のカソード電圧Aに相当する電圧を原点とし電流供給線12の電圧方向に正としている。
図12では、4つの階調(Vsig1、Vsig2、Vsig3、Vsig4)について示しており、Vsig4が高階調側である。図示するように、高階調側ではカソード電圧が小さい段階で輝度が低下していく。これは、図8で説明したように、カソード電圧を大きくすると高階調側になるほどリニア領域に入り、駆動電流Iすなわち輝度が低下するためである。
図13は、図12の縦軸をカソード電圧ゼロのときの輝度を1としたときのカソード電圧に対する相対輝度を示している。Vsig1ではカソード電圧を6Vにしてもほぼ変わらない。Vsig4の場合はカソード電圧3Vを超えると輝度が大きく低下する。
図14は、カソード電圧に対する表示装置の輝度と総電流量を示している。ここでのVsigは、図12のVsig4のときに相当する。カソード電圧の上昇に伴い、2つの曲線はほぼ同じ挙動を示している。また、図15は、図14においてカソード電圧ゼロのときの値に対する相対値を示している。この図を見ても、相対輝度と相対電流はほぼ同じカソード電圧で大きく低下し始める。これは、電流と輝度が図5に示すようにリニアな関係にあるということから説明できる。
更に、図16は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各色ごとのカソード電圧に対する相対輝度を示している。R、G、Bで特性が異なるがこれは発光素子ごとに図4に示す特性が異なり、図8に示す動作点Xが異なるためである。閾値電圧が大きいほど動作点の電圧がカソード電圧側にシフトし、図16において相対輝度が大きく低下し始めるカソード電圧の値が小さくなる。図16の例では、青色(B)の閾値電圧が最も大きい。
さて、以上述べた説明を踏まえて、図1に示した本実施の形態の有機ELアクティブマトリクス型表示装置1の動作について説明する。
映像データは先ず、ピーク検出回路6に入力され、ここで映像データのピーク電位の検出が行われる。このピーク検出回路6におけるピーク検出データに基づいて電圧制御信号が生成され、これが可変電圧源8に出力される。一方、映像データはピーク検出回路6を通って信号処理回路7に入力される。ここで、映像データは、有機EL表示部2の各画素回路10AのVsigに相当するデータ電位に変換され、水平駆動回路3において各データ線Y毎に入力される。
可変電圧源8は、ピーク検出回路6からの電圧制御信号に基づいて、各画素回路10Aに共通に接続されたカソード線9を介して各画素回路10Aにおける有機EL素子11のカソード電圧を高める方向に調整することにより、電流供給線12の電源電圧VDDとカソード電圧Vcとの間の電位差を小さくし、有機EL表示部2(表示装置1)の駆動消費電力の低減を図る。
特に、本実施の形態においては、可変電圧源8によってカソード電圧Vcを上げる際の基準として、Vsigデータで動作する駆動トランジスタ14の飽和領域に動作点、即ち有機EL素子11のアノード電圧が位置する範囲内で、カソード電圧Vcの電圧を高めるようにしている。これにより、表示輝度をほとんど低下させずに、VDD−Vc間の電位差を減少させ、消費電力の低減効率を高めることができる。
つまり、ピーク検出回路6にて検出される映像データのピーク値が大きい場合、例えば図13のVsig4に相当する場合には、カソード電圧Vcを3V以上大きくすると輝度低下が大きくなるが、ピーク値が小さい場合、例えば図13のVsig2に相当する場合には、カソード電圧Vcを5Vまで上げても輝度低下にそれほど影響を与えない。すなわち、映像データのピーク値が小さいほどカソード電圧Vcを上げることができるので、消費電力を抑えることができる。
このように、本実施の形態においては、各列のデータ線に供給されるデータ電位のピーク値を検出し、その検出データに基づいて可変電圧源8による有機EL素子11のカソード電圧Vcを最適な電圧に調整することにより、有機EL表示部2の消費電力の低減を図ることが可能となる。
可変電圧源8によるカソード電位Vcの調整は、例えば、映像フレーム周期で行うことができる。この場合、フレーム毎に映像データのピークが異なる画像を表示する際に常に一定の消費電力低減効果が得られる。
[第2の実施の形態]
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図17は、本発明の第2の実施の形態による有機ELアクティブマトリクス型表示装置21の概略構成図である。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施の形態の有機ELアクティブマトリクス型表示装置21は、有機EL表示部2、水平駆動回路3、書込走査駆動回路4、制御回路5、信号処理回路7、可変電圧源8、バイアス抵抗22、電流検出回路23及び信号増幅回路24で構成されている。
映像データは信号処理回路7に入力され、ここで有機EL表示部2の各画素回路10AのVsigに相当するデータ電位に変換され、水平駆動回路3において各データ線Y毎に入力される。
バイアス抵抗22は、可変電圧源8とカソード線9との間に接続されている。カソード線9に流れる電流は、このバイアス抵抗22で電流−電圧変換され、抵抗両端電圧V1,V2が電流検出回路23に入力される。電流検出回路23ではカソード線9を流れるカソード電流、即ち、全画素分の有機EL素子11の総駆動電流量を検出し、検出したカソード電流に基づいて電圧制御信号及びデータ制御信号を生成する。電圧制御信号は可変電圧源8へ出力され、データ制御信号は信号増幅回路24へ出力されるようになっている。
図4及び図5に示した有機EL素子11の特性より、発光輝度に比例してカソード電流値が大きくなることから、表示装置の消費電力は表示画像の平均輝度に比例する。例えば表示画像が全白の場合には、非常に大きな消費電力となる。しかし、デジタルカメラやビデオカメラなどで自然画を表示させた場合は、全白の場合の30〜40%程度の平均輝度となる。一方、平均輝度が大きい場合にはピーク輝度を下げても画品位に大きく影響しない。
そこで、本実施の形態では、可変電圧源8によるカソード電圧Vcの調整を行うとともに、カソード電流値が所定以上に大きい場合、即ち画面平均輝度が所定以上に大きい場合には、映像データのピーク値を制限するべく、信号増幅回路24を可変増幅器で構成するとともに、一定以上の映像データピーク値に対してはリミット機能を持たせるようにしている。なお、電流検出回路23は本発明の「電流検出手段」に対応し、信号増幅回路24は本発明の「データ電位制御手段」に対応する。
具体的に、電流検出回路23は、検出したカソード電流値に基づいて電圧制御信号とデータ制御信号を決定する。例えば平均輝度が大きい場合には、データ制御信号を通して信号増幅回路24によりVsigを小さくしピーク輝度を下げる。ピーク輝度が下がれば、図13で示したように、当該Vsigで動作する駆動トランジスタ14の飽和領域に動作点が位置する範囲内でカソード電圧を上げても、画品位に影響を与えることなく、消費電力を抑えることが可能となる。
ところで、有機EL素子11は、図10で説明したように経時的に駆動電圧が上昇することから、従来では、これを見込んでカソード電圧を低めに設定していた。この場合、特に使用初期においては無駄な消費電力が発生することは、上述の通りである。
これに対して、本実施の形態では、図15に示したように輝度と電流がほぼ同じ挙動を示すことを利用し、可変電圧源8で有機EL素子11のカソード電圧を変化させるとともに、そのときのカソード電流を電流検出回路23で検出し、画品位に影響を与えない電流値を検出することによって、最適なカソード電圧を可変電圧源8へフィードバックすることもできる。
これにより、有機EL素子11の経時変化に関係なく、常に最適なカソード電圧を設定できるようになり、消費電力を最小限に抑えることが可能となる。このような処理は、例えば起動時の僅かな時間を利用して行うことができる。
[第3の実施の形態]
図18は本発明の第3の実施の形態を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施の形態では、R,G,B各色の画素回路10R,10G,10B毎に、有機EL素子のカソードに接続されるカソード線9R,9G,9Bを各々独立させた構成を備えている。図16に示したように、各色に応じて最適なカソード電圧が異なり、例えば青色Bに対して赤色Rのカソード電圧を大きく設定することができる。このように、カソード線を各色毎に独立して設けることにより、各色で最適なカソード電圧を設定することが可能となり、消費電力の低減効率を高めることができる。
なお、各色のカソード電圧の設定は、単一の可変電圧源8を用いて行っても良いし、各色毎に専用の可変電圧源を設置してもよい。また、各色共通にカソード線を接続し、青色Bを基準としてカソード電圧の設定を行うことも可能であるが、各色毎にカソード線を設ける本実施の形態の方が、より消費電力低減効果を高くすることができる。
[第4の実施の形態]
更に、図19は本発明の第4の実施の形態を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
上述の各実施の形態では、電流供給線(電源電圧)VDDと有機EL素子11のカソード電圧Vcとの間の電位差を減少させる電位差調整手段として、カソード電圧Vcの調整機能を有する可変電圧源8を例に挙げて説明したが、本実施の形態では、電位差調整手段として、電流供給線の電源電圧を調整する機能を有し、この電源電圧が低くなる方向に調整することにより、VDD−Vc間電位差を減少させるようにしている。
図19の例では、R,G,B各色の画素回路10R,10G,10Bに接続される電流供給線12R,12G,12Bを各色毎に独立して設け、各電流供給線12R,12G,12B毎に独立して電源電圧VDDを可変とするようにしている。このような構成によっても、上述の各実施の形態と同様な作用効果を得ることができ、有機EL表示部2の低消費電力化を図ることが可能となる。
なお、図19の例では各画素回路10R,10G,10Bにおけるカソード線9を共通としたが、上述の第3の実施の形態のように、各色の画素回路毎に、カソード線を独立して設けることも勿論可能であり、これにより、更に消費電力低減効果を高めることができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態では、有機EL表示部2を構成する画素回路10A(10R,10G,10B)として、輝度情報の書込みをデータ線の電圧制御で行う電圧書込み型の画素回路を例に挙げて説明したが、これ以外にも、輝度情報の書込みをデータ線の電流制御で行う電流書込み型の画素回路を用いることも可能である。また、有機EL素子11の発光輝度をパルス制御で行う方式の画素回路にも本発明は適用可能である。
また、以上の各実施の形態では、電源電圧VDDとカソード電圧Vcとの間の電位差を減少させる基準として、駆動トランジスタ14の飽和領域上に動作点(アノード電圧)が位置する範囲内で調整するようにしたが、別の表現として、図13において相対輝度の立ち下がり点(ニーポイント)までカソード電圧Vcを高める制御を行っても良い。
本発明の第1の実施の形態による有機ELアクティブマトリクス型表示装置1の概略構成図である。 有機EL表示部2の概略構成図である。 画素回路10Aの回路図である。 有機EL素子11の駆動電圧と駆動電流との関係を説明する図である。 有機EL素子11の駆動電流と発光輝度との関係を説明する図である。 駆動トランジスタ14の電流−電圧特性を説明する図である。 駆動トランジスタ14のVgsと駆動電流Iとの関係を説明する図である。 駆動トランジスタ14の電流−電圧特性と、有機EL素子のカソード電圧−電流特性とを合わせて示した図である。 有機EL素子の駆動時間と相対輝度との関係を説明する図である。 有機EL素子11の駆動時間と駆動電圧との関係を説明する図である。 データ電位Vsigと画面輝度との関係を説明する図である。 各階調度毎のカソード電圧に対する画面輝度の変化を示すする図である。 カソード電圧に対する各階調度の相対輝度の変化を示す図である。 カソード電圧に対する画面輝度及び総電流量の変化を示す図である。 カソード電圧に対する画面相対輝度及び相対電流の変化を示す図である。 カソード電圧に対するR,G,B各発光素子の相対輝度の変化を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による有機ELアクティブマトリクス型表示装置21の概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態を示す画素回路図である。 本発明の第4の実施の形態を示す画素回路図である。
符号の説明
1,21…有機ELアクティブマトリクス型表示装置、2…有機EL表示部、3…水平駆動回路、4…書込走査駆動回路、5…制御回路、6…ピーク検出回路、7…信号処理回路、8…可変電圧源、9…カソード線、10…画素、10A…画素回路、11…有機EL素子、12…電流供給線、13…書込走査トランジスタ、14…駆動トランジスタ、15…保持容量、22…バイアス抵抗、23…電流検出回路、24…信号増幅回路。

Claims (7)

  1. 輝度が駆動電流に依存する発光素子とこの発光素子に駆動電流を供給する駆動トランジスタとが電源電圧に対して直列に接続された画素回路をそれぞれ有し、マトリクス状に複数配置された画素と、
    所定の走査サイクルで前記画素を選択する走査線
    前記画素を駆動するための輝度情報を与えるデータ線
    各列の前記データ線に供給されるデータ電位のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
    前記発光素子のアノード電圧が前記駆動トランジスタの飽和領域に位置する範囲内で、前記ピーク値検出手段により検出されるピーク値が小さいほど前記電源電圧と前記発光素子のカソード電圧との間の電位差を減少させる電位差調整手段
    を備えた表示装置。
  2. 前記画素回路が赤、緑、青の各色に独立しており、前記電位差調整手段は、前記各色毎に前記電源電圧−前記カソード電圧間の電位差を調整する
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記電位差調整手段は、前記カソード電圧を調整する機能を有している
    請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記電位差調整手段は、前記電源電圧を調整する機能を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子である
    請求項1に記載の表示装置。
  6. 所定の走査サイクルで画素を選択する走査線、画素を駆動するための輝度情報を与えるデータ線、及び、輝度が駆動電流に依存する発光素子とこの発光素子に駆動電流を供給する駆動トランジスタとが電源電圧に対して直列に接続された画素回路が、マトリクス状に複数配置された表示装置の各列の前記データ線に供給されるデータ電位のピーク値を検出するステップと、
    前記発光素子のアノード電圧が前記駆動トランジスタの飽和領域に位置する範囲内で、前記検出されたピーク値が小さいほど前記電源電圧と前記発光素子のカソード電圧との間の電位差を減少させるステップとを有する
    表示装置の駆動方法。
  7. 前記画素回路が赤、緑、青の各色に独立して設けられ、前記各色毎に前記電源電圧−前記カソード電圧間の電位差を調整する
    請求項に記載の表示装置の駆動方法。
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