以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された変速機10の構成を説明する骨子図である。図1において、変速機10は車体に取り付けられるトランスミッションケース(以下、単にケースという)12内において共通の軸心上に、流体伝動装置としてのロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14、このトルクコンバータ14に連結された入力軸16、第1遊星歯車装置18と第2遊星歯車装置20とを主体として構成されている第1変速部28、第3遊星歯車装置22と第4遊星歯車装置24とを主体として構成されている第2変速部30、および出力軸26が順次配設されている。この変速機10は、車両において縦置きされるFR用自動変速機として好適に用いられるものであり、エンジン8と図示しない駆動輪との間に設けられ、エンジン8の出力を駆動輪に伝達する。上記入力軸16はトルクコンバータ14のタービン軸であり、入力軸16は入力回転部材に相当する。また、出力軸26は出力回転部材に相当し、たとえば図示しない差動歯車装置等を介して左右の駆動輪を回転駆動する。また、トランスミッションケース12は非回転部材に相当し、トルクコンバータ14はエンジン8のクランク軸9に連結されている。なお、変速機10はその軸心に対して対称的に構成されているため、第1図の骨子図においてはその下側が省略されている。
上記第1変速部28を構成している第1遊星歯車装置18および第2遊星歯車装置20はそれぞれシングルピニオン型およびダブルピニオン型であり、第1遊星歯車装置18は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置20は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部28においては、第1キャリヤCA1と第2リングギヤR2とが互いに連結されるとともに入力軸16に連結されて回転駆動され、第1サンギヤS1はケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1リングギヤR1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されている。この構成により、第2サンギヤS2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部30へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第1リングギヤR1と第2キャリヤCA2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部30へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
第2変速部30を構成している第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第3遊星歯車装置22は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置24は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4ピニオンギヤP4、その第4ピニオンギヤP4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部30においては、第3キャリヤCA3と第4サンギヤS4とが互いに連結されて第1回転要素RE1が構成され、第3リングギヤR3と第4キャリヤCA4とが互いに連結されて第2回転要素RE2が構成され、第4リングギヤR4によって第3回転要素RE3が構成され、第3サンギヤS3によって第4回転要素RE4が構成されている。
また、第2変速部30は、第1乃至第5クラッチC1〜C5(すなわち第1クラッチ要素乃至第5クラッチ要素)、および第1、第2ブレーキB1、B2(すなわち第1、第2ブレーキ要素)を備えている。第1クラッチC1は、前記第1中間出力部材M1(すなわち第2サンギヤS2)と第4回転要素RE4(S3)とを選択的に連結し、第2クラッチC2は入力軸16と第2回転要素RE2(R3、CA4)とを選択的に連結し、第3クラッチC3は第1中間出力部材M1と第1回転要素RE1(CA3、S4)とを選択的に連結し、第4クラッチC4は入力軸16と第1回転要素RE1(CA3、S4)とを選択的に連結し、第5クラッチC5は前記第2中間出力部材M2(すなわち第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2)と第4回転要素RE4(S3)とを選択的に連結している。また、第1ブレーキB1は第1回転要素RE1(CA3、S4)を選択的にケース12に連結して回転停止させ、第2ブレーキB2は第2回転要素RE2(R3、CA4)を選択的にケース12に連結して回転停止させる。なお、第1クラッチC1乃至第5クラッチC5、および第1、第2ブレーキB1、B2は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式等の油圧式摩擦係合装置である。
図2は、上記第1変速部28および第2変速部30の各回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図であり、下の横線X1が回転速度「0」で、上の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸16と同じ回転速度である。また、第1変速部28の各縦線は、左側から順番に第1サンギヤS1、第2サンギヤS2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2を表しており、それらの間隔は、サンギヤとキャリヤとの間を「1」とするとキャリヤとリングギヤとの間がρとなるように、第1遊星歯車装置18および第2遊星歯車装置20のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1、ρ2に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ1=0.345、ρ2=0.391の場合である。また、第2変速部30の4本の縦線は、左側から順番に第1回転要素RE1(CA3、S4)、第2回転要素RE2(R3、CA4)、第3回転要素RE3(R4)、第4回転要素RE4(S3)を表しており、それ等の間隔は第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3および第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ3=0.438、ρ4=0.536の場合である。
そして、この共線図から明らかなように、第1クラッチC1が係合させられることにより第4回転要素RE4が第1中間出力部材M1と連結されるとともに、第2ブレーキB2が係合させられることにより第2回転要素RE2が回転停止させられると、出力軸26に連結された第3回転要素RE3は「1st」で示す回転速度で回転し、最も大きい変速比(=入力軸16の回転速度/出力軸26の回転速度)の第1変速段「1st」が成立する。
また、第1クラッチC1が係合させられることにより第4回転要素RE4が第1中間出力部材M1に連結されるとともに、第1ブレーキB1が係合させられることにより第1回転要素RE1が回転停止させられると、第3回転要素RE3は「2nd」で示す回転速度で回転させられ、第1変速段「1st」よりも変速比が小さい第2変速段「2nd」が成立する。
また、第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合させられることにより、第4回転要素RE4および第1回転要素RE1がともに第1中間出力部材M1に連結されると、第2変速部30は第1中間出力部材M1と同じ回転速度で一体回転するので、第3回転要素RE3は「3rd」で示す回転速度で回転させられ、第2変速段「2nd」よりも変速比が小さい第3変速段「3rd」が成立する。
また、第1クラッチC1が係合させられることにより第4回転要素RE4が第1中間出力部材M1に連結されるとともに、第4クラッチC4が係合させられることにより第1回転要素RE1が入力軸16に連結されると、第3回転要素RE3は「4th」で示す回転速度で回転させられ、第3変速段「3rd」よりも変速比が小さい第4変速段「4th」が成立する。
また、第1クラッチC1が係合させられることにより第4回転要素RE4が第1中間出力部材M1に連結されるとともに、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されると、第3回転要素RE3は「5th」で示す回転速度で回転させられ、第4変速段「4th」よりも変速比が小さい第5変速段「5th」が成立する。
また、第2クラッチC2および第4クラッチC4が係合させられることにより、第2回転要素RE2および第1回転要素RE1がともに入力軸16に連結されると、第2変速部30は入力軸16と同じ回転速度で一体回転するので、第3回転要素RE3は「6th」で示す回転速度で回転させられ、第5変速段「5th」よりも変速比が小さい第6変速段「6th」が成立する。この第6変速段「6th」の変速比は1である。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第5クラッチC5が係合させられることにより第4回転要素RE4が第2中間出力部材M2に連結されると、第3回転要素RE3は「7th」で示す回転速度で回転させられ、第6変速段「6th」よりも変速比が小さい第7変速段「7th」が成立する。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第3クラッチC3が係合させられることにより第1回転要素RE1が前記第1中間出力部材M1に連結されると、第3回転要素RE3は「8th」で示す回転速度で回転させられ、第7変速段「7th」よりも変速比が小さい第8変速段「8th」が成立する。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第1ブレーキB1が係合させられることにより第1回転要素RE1が回転停止させられると、第3回転要素RE3は「9th」で示す回転速度で回転させられ、第8変速段「8th」よりも変速比が小さい第9変速段「9th」が成立する。
さらに、第2ブレーキB2が係合させられることにより第2回転要素RE2が回転停止させられるとともに、第3クラッチC3が係合させられることにより第1回転要素RE1が第1中間出力部材M1に連結されると、第3回転要素RE3は「Rev1」で示す回転速度で逆回転させられ、第1後進変速段「Rev1」が成立する。また、第2ブレーキB2が係合させられることにより第2回転要素RE2が回転停止させられるとともに、第4クラッチC4が係合させられることにより第1回転要素RE1が入力軸16に連結されると、第3回転要素RE3は「Rev2」で示す回転速度で逆回転させられ、第1後進変速段「Rev1」よりも変速比が小さい第2後進変速段「Rev2」が成立する。
図3は、上記各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表であり、「○」は係合を表しており、空欄は解放である。各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置18、第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22、第4遊星歯車装置24の各ギヤ比ρ1〜ρ4によって適宜定められ、例えば、ρ1=0.345、ρ2=0.391、ρ3=0.438、ρ4=0.536とすれば、図3に示す変速比が得られ、変速比およびギヤ比ステップ(各変速段間の変速比の比)の値が略適切であるとともにトータルの変速比幅(=5.187/0.645)も7.953程度と大きく、後進変速段「Rev1」、「Rev2」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られ、特に、オーバードライブ変速段間(すなわち第7変速段と第8変速段との間、および第8変速段と第9変速段との間)のギヤ比ステップが比較的小さくなる。しかも、クラッチC1〜C5およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えるだけで各変速段の変速を行うことができるため、変速制御が容易で変速ショックの発生が抑制される。また、飛び変速の場合にも、クラッチC1〜C5およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えることにより変速が達成できるので、飛び変速も容易となる。
図4は、本実施例の変速機10を制御するための電子制御装置40に入力される信号及びその電子制御装置40から出力される信号を例示している。この電子制御装置40は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン8の出力制御や変速機10の変速制御を行う。
上記電子制御装置40には、図4に示す各センサやスイッチから、エンジン水温を示す信号、シフトポジションを表す信号、エンジン8の回転速度であるエンジン回転速度NEを表す信号、エアコンの作動を示すエアコン信号、出力軸26の回転速度に対応する車速信号、変速機10の作動油温を示す油温信号、サイドブレーキ操作を示す信号、フットブレーキ操作を示す信号、触媒温度を示す触媒温度信号、アクセルペダルの操作量を示すアクセル開度信号、カム角信号、スノーモード設定を示すスノーモード設定信号、車両の前後加速度を示す加速度信号、オートクルーズ走行を示すオートクルーズ信号を表す信号などが、それぞれ供給される。
また、上記電子制御装置40からは、スロットル弁の開度を操作するスロットルアクチュエータへの駆動信号、過給圧を調整するための過給圧調整信号、電動エアコンを作動させるための電動エアコン駆動信号、エンジン8の点火時期を指令する点火信号、シフトインジケータを作動させるためのシフトポジション(操作位置)表示信号、ギヤ比を表示させるためのギヤ比表示信号、スノーモードであることを表示させるためのスノーモード表示信号、制動時の車輪のスリップを防止するABSアクチュエータを作動させるためのABS作動信号、変速機10の油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御回路に含まれる電磁弁を作動させるバルブ指令信号、上記油圧制御回路の油圧源である電動油圧ポンプを作動させるための駆動指令信号、電動ヒータを駆動するための信号、クルーズコントロール制御用コンピュータへの信号等が、それぞれ出力される。
このように本実施例の変速機10は、入力軸16の回転が減速および増速させられることにより入力軸16の回転速度に加えて2つの回転速度が得られる第1変速部28と、4つの回転要素RE1〜RE4、5つのクラッチC1〜C5、および2つのブレーキB1、B2を有して第1変速部28で得られた三種類の回転速度を変速する第2変速部30とによって、変速比ステップをバランス良く保ちつつ、複数のオーバードライブ変速段間の変速比ステップ、すなわち、第7変速段と第8変速段との間の変速比ステップ、および第8変速段と第9変速段との間の変速比ステップが小さくなっている。
次に、本発明の第2実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図5は本発明の第2実施例の変速機50の構成を説明する骨子図であり、図6は第2実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。図5に示すように、変速機50は、入力軸16と共通の軸心上に、第1遊星歯車装置52および第2遊星歯車装置54を主体として構成されている第1変速部56と、第3遊星歯車装置58および第4遊星歯車装置60を主体として構成されている第2変速部62とが、トルクコンバータ14と出力軸26との間に配設されている。
上記第1変速部56を構成している第1遊星歯車装置52および第2遊星歯車装置54はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第1遊星歯車装置52は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置54は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置52は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置54は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部56においては、第1キャリヤCA1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されるとともに入力軸16に連結されて回転駆動され、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが互いに連結されるとともにケース12に一体的に固定されて回転不能とされている。この構成により、第1リングギヤR1は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部62へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第2リングギヤR2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部62へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
第2変速部62を構成している第3遊星歯車装置58および第4遊星歯車装置60はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第3遊星歯車装置58は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置60は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置58と第4遊星歯車装置60とは、キャリヤ同士、リングギヤ同士が互いに連結されて共用化されている所謂ラビニヨ型となっている。すなわち、第3遊星歯車装置58は、第3サンギヤS3、第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備え、第4遊星歯車装置60は、第4サンギヤS4、第3ピニオンギヤP3のいずれか一つと共通のギヤを有し且つ互いに噛み合う複数対の第4ピニオンギヤP4、第3キャリヤCA3と共通の第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合い且つ第3リングギヤR3と共通の第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部62においては、第3サンギヤS3によって第1回転要素RE1が構成され、第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とが互いに連結されて第2回転要素RE2が構成され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが互いに連結されて第3回転要素RE3が構成され、第4サンギヤS4によって第4回転要素RE4が構成されている。また、第2変速部62は、第1乃至第5クラッチC1〜C5、および第1、第2ブレーキB1、B2を備えている。
前記回転要素REを構成する具体的な部材は第1実施例と異なるが、回転要素REに対する上記クラッチCおよびブレーキBの連結関係は第1実施例と同じである。従って、第2変速部62の構成は、回転要素REに基づけば第1実施例と同じとなるので、例えば、第3遊星歯車装置58のギヤ比ρ3を0.536とし、第4遊星歯車装置60のギヤ比ρ4を0.417とすると、図6に示す共線図の第2変速部62に関する部分は、各回転要素REを構成する遊星歯車装置58、60の構成要素が異なる以外は、図2と同様となる。また、第1変速部56も、2つの遊星歯車装置52、54の一部が互いに連結されることにより、第1中間出力部材M1、第2中間出力部材M2、入力軸16の回転をそのままの速度で出力する部材、および、常に回転停止させられている部材が構成されている点において第1実施例と同じであるので、図6に示すように、第1変速部56の各縦線を左から順に、一体的に連結された第1サンギヤS1および第2サンギヤS2、第1リングギヤR1、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2、第2リングギヤR2とし、例えば、第1遊星歯車装置52のギヤ比ρ1を0.537とし、第2遊星歯車装置54のギヤ比ρ2を0.345とすれば、共線図の第1変速部56に関する部分も図2と同様となる。従って、図6に示す共線図は、全体としても図2に示す共線図と同様であるので、この図6の説明は省略する。また、共線図が第1実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図3に示すものとなる。従って、第1実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第3実施例を説明する。図7は本発明の第3実施例の変速機70の構成を説明する骨子図であり、図8は第3実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。この変速機70を第2実施例の変速機50と比較すると、第1変速部72の構成が相違しているのみであり、第2実施例の変速機50と同一の第2変速部62を備えている。
第1変速部72は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置74およびダブルピニオン型の第2遊星歯車装置76を主体として構成されており、第1遊星歯車装置74が第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置76が第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置74は、第1サンギヤS1、第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置76は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部72においては、第1キャリヤCA1と第2リングギヤR2とが互いに連結されるとともに入力軸16に連結されて回転駆動され、第1サンギヤS1がケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とが互いに連結されている。この構成により、第2キャリヤCA2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部62へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、互いに連結された第1リングギヤR1と第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部62へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
そして、図8に示すように、第1変速部72の各縦線を左から順に、第1サンギヤS1、第2キャリヤCA2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とし、例えば、第1遊星歯車装置74のギヤ比ρ1を0.345とし、第2遊星歯車装置76のギヤ比ρ2を0.609とすれば、共線図の第1変速部72に関する部分は第2実施例と同様となり、また、第2変速部62も第2実施例と同様であるので、図8の共線図は、全体として第2実施例の場合と同様(すなわち第1実施例の場合とも同様)となる。また、共線図が第1、2実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図3に示すものとなる。従って、第1、2実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第4実施例を説明する。図9は本発明の第4実施例の変速機80の構成を説明する骨子図であり、図10は第4実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。この変速機80は、入力軸16と共通の軸心上において、トルクコンバータ14と出力軸26との間に、第1実施例と同様の第1変速部28および第2、第3実施例と同様の第2変速部62を備えている。
従って、図10に示す共線図において、第1変速部28の各縦線は、左から順に、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2となり、第2変速部62の各縦線すなわち第1乃至第4回転要素RE1〜RE4は、第3サンギヤS3、一体的に連結された第3キャリヤCA3および第4キャリヤCA4、一体的に連結された第3リングギヤR3および第4リングギヤR4、第4サンギヤS4となり、前述の第1乃至第3実施例と同様の共線図となる。また、共線図が第1乃至第3実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図3に示すものとなる。従って、第1乃至第3実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第5実施例を説明する。図11は本発明の第5実施例の変速機90の構成を説明する骨子図であり、図12は第5実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。この変速機90を第2実施例の変速機50と比較すると、第2変速部92の構成が相違しているのみであり、第2実施例の変速機50と同一の第1変速部56を備えている。
第2変速部92は、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置94およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置96を主体として構成されており、第3遊星歯車装置94は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置96は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置94は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、第4遊星歯車装置96は、第4サンギヤS4、第4ピニオンギヤP4、その第4ピニオンギヤP4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部92においては、第3キャリヤCA3と第4サンギヤS4とが互いに連結されて第1回転要素RE1が構成され、第3リングギヤR3によって第2回転要素RE2が構成され、第4キャリヤCA4によって第3回転要素RE3が構成され、第3サンギヤS3と第4リングギヤR4とが互いに連結されて第4回転要素RE4が構成されている。また、第2変速部92は、第1乃至第5クラッチC1〜C5、および第1、第2ブレーキB1、B2を備えている。
前記回転要素REを構成する具体的な部材は第1乃至第4実施例と異なるが、回転要素REに対する上記クラッチCおよびブレーキBの連結関係は前述の第1乃至第4実施例と同じである。従って、第2変速部92の構成は、回転要素REに基づけば第1実施例と同じとなるので、例えば、第3遊星歯車装置94のギヤ比ρ3を0.438とし、第4遊星歯車装置96のギヤ比ρ4を0.488とすれば、各回転要素REを構成する遊星歯車装置94、96の構成要素が異なる以外は、図12に示す共線図の第2変速部92に関する部分は、第1乃至第4実施例の共線図と同様となる。また、第1変速部56は第2実施例と同様であるので、図12の共線図は、全体としても第1乃至第4実施例と同様となる。また、共線図が第1乃至第4実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図3に示すものとなる。従って、第1乃至第4実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第6実施例を説明する。図13は本発明の第6実施例の変速機100の構成を説明する骨子図であり、図14は第6実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。この変速機100は、入力軸16と共通の軸心上において、トルクコンバータ14と出力軸26との間に、第1実施例と同様の第1変速部28および第5実施例と同様の第2変速部92を備えている。
従って、図14に示す共線図において、第1変速部28の各縦線は、左から順に、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2となり、第2変速部92の各縦線すなわち第1乃至第4回転要素RE1〜RE4は、一体的に連結された第3キャリヤCA3および第4サンギヤS4、第3リングギヤR3、第4キャリヤCA4、一体的に連結された第3サンギヤS3および第4リングギヤR4となり、前述の第1乃至第5実施例と同様の共線図となる。また、共線図が第1乃至第5実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図3に示すものとなる。従って、第1乃至第5実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第7実施例を説明する。図15は本発明の第7実施例の変速機110の構成を説明する骨子図であり、図16は第7実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。この変速機110は、入力軸16と共通の軸心上において、トルクコンバータ14と出力軸26との間に、第3実施例と同様の第1変速部72および第5、第6実施例と同様の第2変速部92を備えている。
従って、図16に示す共線図において、第1変速部72の各縦線は、左から順に、第1サンギヤS1、第2キャリヤCA2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2サンギヤS2となり、第2変速部92の各縦線すなわち第1乃至第4回転要素RE1〜RE4は、一体的に連結された第3キャリヤCA3および第4サンギヤS4、第3リングギヤR3、第4キャリヤCA4、一体的に連結された第3サンギヤS3および第4リングギヤR4となり、前述の第1乃至第6実施例と同様の共線図となる。また、共線図が第1乃至第6実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図3に示すものとなる。従って、第1乃至第6実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第8実施例を説明する。図17は本発明の第8実施例の変速機120の構成を説明する骨子図である。図17において、変速機120はケース12内において共通の軸心上に、前記ロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14、入力軸16、第1遊星歯車装置122と第2遊星歯車装置124とを主体として構成されている第1変速部126、第3遊星歯車装置128と第4遊星歯車装置130とを主体として構成されている第2変速部132、および出力軸26が順次配設されている。
上記第1変速部126を構成している第1遊星歯車装置122および第2遊星歯車装置124はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第1遊星歯車装置122は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置124は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置122は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置124は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部126においては、第1リングギヤR1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されるとともに入力軸16に連結されて回転駆動され、第1サンギヤS1はケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1キャリヤCA1と第2サンギヤS2とが互いに連結されている。この構成により、第2リングギヤR2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部132へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第1キャリヤCA1と第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部132へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
第2変速部132を構成している第3遊星歯車装置128および第4遊星歯車装置130はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第3遊星歯車装置128は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置130は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置128は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、第4遊星歯車装置130は、第4サンギヤS4、第4ピニオンギヤP4、その第4ピニオンギヤP4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部132においては、第3キャリヤCA3と第4サンギヤS4とが互いに連結されて第1回転要素RE1が構成され、第3リングギヤR3と第4キャリヤCA4とが互いに連結されて第2回転要素RE2が構成され、第4リングギヤR4によって第3回転要素RE3が構成され、第3サンギヤS3によって第4回転要素RE4が構成されている。
また、第2変速部132は、前述の実施例と同様の第1乃至第5クラッチC1〜C5(すなわち第1クラッチ要素乃至第5クラッチ要素)、および第1、第2ブレーキB1、B2(すなわち第1、第2ブレーキ要素)を備えており、また、第1乃至第4回転要素RE1〜RE4に対するこれら第1乃至第5クラッチC1〜C5および第1、第ブレーキB1、B2の連結構成も、前述の実施例と同様である。
図18は第8実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図であり、下の横線X1が回転速度「0」で、上の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸16と同じ回転速度である。また、第1変速部126の各縦線は、左側から順番に第1サンギヤS1、第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2サンギヤS2を表しており、それらの間隔は、サンギヤとキャリヤとの間を「1」とするとキャリヤとリングギヤとの間がρとなるように、第1遊星歯車装置122および第2遊星歯車装置124のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1、ρ2に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ1=0.582、ρ2=0.386の場合である。また、第2変速部132の4本の縦線は、左側から順番に第1回転要素RE1(CA3、S4)、第2回転要素RE2(R3、CA4)、第3回転要素RE3(R4)、第4回転要素RE4(S3)を表しており、それ等の間隔は第3遊星歯車装置128のギヤ比ρ3および第4遊星歯車装置130のギヤ比ρ4に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ3=0.488、ρ4=0.481の場合である。
そして、この共線図から明らかなように、第1変速段乃至第6変速段および第1、第2後進変速段は、前述の第1乃至第7実施例と同様にクラッチCおよびブレーキBを係合させることによって成立する。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第3クラッチC3が係合させられることにより第1回転要素RE1が第1中間出力部材M1に連結されると、第3回転要素RE3は「7th」で示す回転速度で回転し、第6変速段「6th」よりも変速比が小さい第7変速段「7th」が成立する。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第1ブレーキB1が係合させられることにより第1回転要素RE1が回転停止させられると、第3回転要素RE3は「8th」で示す回転速度で回転させられ、第7変速段「7th」よりも変速比が小さい第8変速段「8th」が成立する。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第5クラッチC5が係合させられることにより第4回転要素RE4が前記第2中間出力部材M2に連結されると、第3回転要素RE3は「9th」で示す回転速度で回転させられ、第8変速段「8th」よりも変速比が小さい第9変速段「9th」が成立する。
図19は、上記各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表であり、「○」は係合を表しており、空欄は解放である。各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置122、第2遊星歯車装置124、第3遊星歯車装置128、第4遊星歯車装置130の各ギヤ比ρ1〜ρ4によって適宜定められ、例えば、ρ1=0.582、ρ2=0.386、ρ3=0.488、ρ4=0.481とすれば、図19に示す変速比が得られ、変速比およびギヤ比ステップ(各変速段間の変速比の比)の値が略適切であるとともにトータルの変速比幅(=4.709/0.611)も7.709程度と大きく、後進変速段「Rev1」、「Rev2」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られ、特に、オーバードライブ変速段間(すなわち第7変速段と第8変速段との間、および第8変速段と第9変速段との間)のギヤ比ステップが比較的小さくなる。しかも、クラッチC1〜C5およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えるだけで各変速段の変速を行うことができるため、変速制御が容易で変速ショックの発生が抑制される。また、飛び変速の場合にも、クラッチC1〜C5およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えることにより変速が達成できるので、飛び変速も容易となる。
このように本実施例の変速機120は、入力軸16の回転が減速および増速させられることにより入力軸16の回転速度に加えて2つの回転速度が得られる第1変速部126と、4つの回転要素RE1〜RE4、5つのクラッチC1〜C5、および2つのブレーキB1、B2を有して第1変速部126で得られた三種類の回転速度を変速する第2変速部132とによって、変速比ステップをバランス良く保ちつつ、複数のオーバードライブ変速段間の変速比ステップ、すなわち、第7変速段と第8変速段との間の変速比ステップ、および第8変速段と第9変速段との間の変速比ステップが小さくなっている。
次に、本発明の第9実施例を説明する。図20は本発明の第9実施例の変速機140の構成を説明する骨子図であり、図21は第9実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。図20に示すように、変速機140は、入力軸16と共通の軸心上に、第1遊星歯車装置142および第2遊星歯車装置144を主体として構成されている第1変速部146と、第3遊星歯車装置148および第4遊星歯車装置150を主体として構成されている第2変速部152とが、トルクコンバータ14と出力軸26との間に配設されている。
上記第1変速部146を構成している第1遊星歯車装置142および第2遊星歯車装置144はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第1遊星歯車装置142は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置144は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置142は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置144は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部146においては、第1キャリヤCA1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されるとともに入力軸16に連結されて回転駆動され、第1サンギヤS1がケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが互いに連結されて一体回転させられる。この構成により、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2リングギヤR2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部152へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部152へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
第2変速部152を構成している第3遊星歯車装置148および第4遊星歯車装置150はそれぞれシングルピニオン型およびダブルピニオン型であり、第3遊星歯車装置148は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置150は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置148と第4遊星歯車装置150とは、キャリヤ同士、リングギヤ同士が互いに連結されて共用化されている所謂ラビニヨ型となっている。すなわち、第3遊星歯車装置148は、第3サンギヤS3、第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備え、第4遊星歯車装置150は、第4サンギヤS4、第3ピニオンギヤP3のいずれか一つと共通のギヤを有し且つ互いに噛み合う複数対の第4ピニオンギヤP4、第3キャリヤCA3と共通の第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合い且つ第3リングギヤR3と共通の第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部152においては、第3サンギヤS3によって第1回転要素RE1が構成され、第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とが互いに連結されて第2回転要素RE2が構成され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが互いに連結されて第3回転要素RE3が構成され、第4サンギヤS4によって第4回転要素RE4が構成されている。また、第2変速部152は、第1乃至第5クラッチC1〜C5、および第1、第2ブレーキB1、B2を備えている。
前記回転要素REを構成する具体的な部材は第8実施例と異なるが、回転要素REに対する上記クラッチCおよびブレーキBの連結関係は第8実施例と同じである。従って、第2変速部152の構成は、回転要素REに基づけば第8実施例と同じとなるので、例えば、第3遊星歯車装置148のギヤ比ρ3を0.481とし、第4遊星歯車装置150のギヤ比ρ4を0.458とすると、図21に示す共線図の第2変速部152に関する部分は、各回転要素REを構成する遊星歯車装置148、150の構成要素が異なる以外は、図18と同様となる。また、第1変速部146も、2つの遊星歯車装置142、144の一部が互いに連結されることにより、第1中間出力部材M1、第2中間出力部材M2、入力軸16の回転をそのままの速度で出力する部材、および、常に回転停止させられている部材が構成されている点において第8実施例と同じであるので、図21に示すように、第1変速部146の各縦線を左から順に、第1サンギヤS1、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2、第2サンギヤS2とし、例えば、第1遊星歯車装置142のギヤ比ρ1を0.537とし、第2遊星歯車装置144のギヤ比ρ2を0.386とすれば、共線図の第1変速部146に関する部分も図18と同様となる。従って、図21に示す共線図は、全体としても図18に示す共線図と同様であるので、この図21の説明は省略する。また、共線図が第8実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図19に示すものとなる。従って、第8実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第10実施例を説明する。図22は本発明の第10実施例の変速機153の構成を説明する骨子図であり、図23は第10実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。図22に示すように、変速機153は、入力軸16と共通の軸心上に、第1遊星歯車装置154および第2遊星歯車装置155を主体として構成されている第1変速部156と、第3遊星歯車装置157および第4遊星歯車装置158を主体として構成されている第2変速部159とが、トルクコンバータ14と出力軸26との間に配設されている。
上記第1変速部156を構成している第1遊星歯車装置154および第2遊星歯車装置155はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第1遊星歯車装置154は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置155は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置154は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置155は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部156においては、第1キャリヤCA1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されるとともに入力軸16に連結されて回転駆動され、第1サンギヤS1がケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが互いに連結されて一体回転させられる。この構成により、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2リングギヤR2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部159へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部159へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
第2変速部159を構成している第3遊星歯車装置157および第4遊星歯車装置158はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第3遊星歯車装置157は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置158は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置157は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、第4遊星歯車装置158は、第4サンギヤS4、第4ピニオンギヤP4、その第4ピニオンギヤP4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部159においては、第3キャリヤCA3と第4サンギヤS4とが互いに連結されて第1回転要素RE1が構成され、第3リングギヤR3によって第2回転要素RE2が構成され、第4キャリヤCA4によって第3回転要素RE3が構成され、第3サンギヤS3と第4リングギヤR4とが互いに連結されて第4回転要素RE4が構成されている。また、第2変速部159は、第1乃至第5クラッチC1〜C5、および第1、第2ブレーキB1、B2を備えている。
前記回転要素REを構成する具体的な部材は第8実施例と異なるが、回転要素REに対する上記クラッチCおよびブレーキBの連結関係は第8実施例と同じである。従って、第2変速部159の構成は、回転要素REに基づけば第8実施例と同じとなるので、例えば、第3遊星歯車装置157のギヤ比ρ3を0.488とし、第4遊星歯車装置159のギヤ比ρ4を0.384とすると、図23に示す共線図の第2変速部159に関する部分は、各回転要素REを構成する遊星歯車装置157、158の構成要素が異なる以外は、図18と同様となる。また、第1変速部156も、2つの遊星歯車装置154、155の一部が互いに連結されることにより、第1中間出力部材M1、第2中間出力部材M2、入力軸16の回転をそのままの速度で出力する部材、および、常に回転停止させられている部材が構成されている点において第8実施例と同じであるので、図23に示すように、第1変速部156の各縦線を左から順に、第1サンギヤS1、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2、第2サンギヤS2とし、例えば、第1遊星歯車装置142のギヤ比ρ1を0.537とし、第2遊星歯車装置144のギヤ比ρ2を0.386とすれば、共線図の第1変速部156に関する部分も図18と同様となる。従って、図23に示す共線図は、全体としても図18に示す共線図と同様であるので、この図23の説明は省略する。また、共線図が第8実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図19に示すものとなる。従って、第8実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第11実施例を説明する。図24は本発明の第11実施例の変速機160の構成を説明する骨子図である。図24において、変速機160はケース12内において共通の軸心上に、前記ロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14、入力軸16、第1遊星歯車装置162と第2遊星歯車装置164とを主体として構成されている第1変速部166、第3遊星歯車装置168と第4遊星歯車装置170とを主体として構成されている第2変速部172、および出力軸26が順次配設されている。
上記第1変速部166を構成している第1遊星歯車装置162および第2遊星歯車装置164はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第1遊星歯車装置162は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置164は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置162は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置164は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部166においては、第1サンギヤS1が入力軸16に連結されて回転駆動され、第1キャリヤCA1と第2リングギヤR2とが互いに連結されるとともにケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1リングギヤR1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されている。この構成により、互いに連結された第1リングギヤR1と第2キャリヤCA2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部172へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部172へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
第2変速部172を構成している第3遊星歯車装置168および第4遊星歯車装置170はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第3遊星歯車装置168は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置170は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置168は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、第4遊星歯車装置170は、第4サンギヤS4、第4ピニオンギヤP4、その第4ピニオンギヤP4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部172においては、第3キャリヤCA3と第4サンギヤS4とが互いに連結されて第1回転要素RE1が構成され、第3リングギヤR3と第4キャリヤCA4とが互いに連結されて第2回転要素RE2が構成され、第4リングギヤR4によって第3回転要素RE3が構成され、第3サンギヤS3によって第4回転要素RE4が構成されている。
また、第2変速部172は、前述の実施例と同様の第1乃至第5クラッチC1〜C5(すなわち第1クラッチ要素乃至第5クラッチ要素)、および第1、第2ブレーキB1、B2(すなわち第1、第2ブレーキ要素)を備えており、また、第1乃至第4回転要素RE1〜RE4に対するこれら第1乃至第5クラッチC1〜C5および第1、第ブレーキB1、B2の連結構成も、前述の実施例と同様である。
図25は第11実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図であり、下の横線X1が回転速度「0」で、上の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸16と同じ回転速度である。また、第1変速部166の各縦線は、左側から順番に一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2を表しており、それらの間隔は、サンギヤとキャリヤとの間を「1」とするとキャリヤとリングギヤとの間がρとなるように、第1遊星歯車装置162および第2遊星歯車装置164のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1、ρ2に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ1=0.463、ρ2=0.294の場合である。また、第2変速部172の4本の縦線は、左側から順番に第1回転要素RE1(CA3、S4)、第2回転要素RE2(R3、CA4)、第3回転要素RE3(R4)、第4回転要素RE4(S3)を表しており、それ等の間隔は第3遊星歯車装置168のギヤ比ρ3および第4遊星歯車装置170のギヤ比ρ4に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ3=0.424、ρ4=0.545の場合である。
そして、この共線図から明らかなように、第1変速段乃至第6変速段および第1、第2後進変速段は、前述の第1乃至第9実施例と同様にクラッチCおよびブレーキBを係合させることによって成立する。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第3クラッチC3が係合させられることにより第1回転要素RE1が第1中間出力部材M1に連結されると、第3回転要素RE3は「7th」で示す回転速度で回転し、第6変速段「6th」よりも変速比が小さい第7変速段「7th」が成立する。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第5クラッチC5が係合させられることにより第4回転要素RE4が前記第2中間出力部材M2に連結されると、第3回転要素RE3は「8th」で示す回転速度で回転させられ、第7変速段「7th」よりも変速比が小さい第8変速段「8th」が成立する。
また、第2クラッチC2が係合させられることにより第2回転要素RE2が入力軸16に連結されるとともに、第1ブレーキB1が係合させられることにより第1回転要素RE1が回転停止させられると、第3回転要素RE3は「9th」で示す回転速度で回転させられ、第8変速段「8th」よりも変速比が小さい第9変速段「9th」が成立する。
図26は、上記各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表であり、「○」は係合を表しており、空欄は解放である。各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置162、第2遊星歯車装置164、第3遊星歯車装置168、第4遊星歯車装置170の各ギヤ比ρ1〜ρ4によって適宜定められ、例えば、ρ1=0.463、ρ2=0.294、ρ3=0.424、ρ4=0.545とすれば、図24に示す変速比が得られ、変速比およびギヤ比ステップ(各変速段間の変速比の比)の値が略適切であるとともにトータルの変速比幅(=5.389/0.648)も8.311程度と大きく、後進変速段「Rev1」、「Rev2」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られ、特に、オーバードライブ変速段間(すなわち第7変速段と第8変速段との間、および第8変速段と第9変速段との間)のギヤ比ステップが比較的小さくなる。しかも、クラッチC1〜C5およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えるだけで各変速段の変速を行うことができるため、変速制御が容易で変速ショックの発生が抑制される。また、飛び変速の場合にも、クラッチC1〜C5およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えることにより変速が達成できるので、飛び変速も容易となる。
このように本実施例の変速機160は、入力軸16の回転が減速および増速させられることにより入力軸16の回転速度に加えて2つの回転速度が得られる第1変速部166と、4つの回転要素RE1〜RE4、5つのクラッチC1〜C5、および2つのブレーキB1、B2を有して第1変速部166で得られた三種類の回転速度を変速する第2変速部172とによって、変速比ステップをバランス良く保ちつつ、複数のオーバードライブ変速段間の変速比ステップ、すなわち、第7変速段と第8変速段との間の変速比ステップ、および第8変速段と第9変速段との間の変速比ステップが小さくなっている。
次に、本発明の第12実施例を説明する。図27は本発明の第12実施例の変速機180の構成を説明する骨子図であり、図28は第12実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。図27に示すように、変速機180は、入力軸16と共通の軸心上に、第1遊星歯車装置182および第2遊星歯車装置184を主体として構成されている第1変速部186と、前述の第11実施例と同一の構成を有する第2変速部172とが、トルクコンバータ14と出力軸26との間に配設されている。
上記第1変速部186を構成している第1遊星歯車装置182および第2遊星歯車装置184はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第1遊星歯車装置182は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置184は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置182は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置184は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部186においては、第1リングギヤR1が入力軸16に連結されて回転駆動され、第2リングギヤR2がケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1キャリヤCA1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されて一体回転させられ、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが互いに連結されて一体回転させられる。この構成により、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部172へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、一体的に連結された第1サンギヤS1と第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部172へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
また、第1変速部186は、2つの遊星歯車装置182、184の一部が互いに連結されることにより、第1中間出力部材M1、第2中間出力部材M2、入力軸16の回転をそのままの速度で出力する部材、および、常に回転停止させられている部材が構成されている点において第11実施例と同じであるので、図28に示すように、第1変速部186の各縦線を左から順に、第2リングギヤR2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2、第1リングギヤR1、一体的に連結された第1サンギヤS1および第2サンギヤS2とし、例えば、第1遊星歯車装置182のギヤ比ρ1を0.340とし、第2遊星歯車装置184のギヤ比ρ2を0.294とすれば、共線図の第1変速部186に関する部分は図25と同様となる。また、第2変速部172も第11実施例と同様であるので、図28の共線図は、全体として第11実施例の場合と同様となる。従って、この図28の説明は省略する。また、共線図が第11実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図26に示すものとなる。従って、第11実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第13実施例を説明する。図29は本発明の第13実施例の変速機190の構成を説明する骨子図であり、図30は第13実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。この変速機190を第11実施例の変速機160と比較すると、第1変速部192の構成が相違しているのみであり、第11実施例の変速機160と同一の第2変速部172を備えている。
第1変速部192は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置194およびシングルピニオン型の第2遊星歯車装置196を主体として構成されており、第1遊星歯車装置194が第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置196が第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置194は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置196は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部192においては、第1リングギヤR1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されるとともに入力軸16に連結されて回転駆動され、第1サンギヤS1がケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1キャリヤCA1と第2サンギヤS2とが互いに連結されている。この構成により、第2リングギヤR2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部172へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、互いに連結された第1キャリヤCA1と第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部172へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
そして、図30に示すように、第1変速部192の各縦線を左から順に、第1サンギヤS1、第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2サンギヤS2とし、例えば、第1遊星歯車装置194のギヤ比ρ1を0.510とし、第2遊星歯車装置196のギヤ比ρ2を0.516とすれば、共線図の第1変速部192に関する部分は第11実施例と同様となり、また、第2変速部172も第11実施例と同様であるので、図30の共線図は、全体として第11実施例の場合と同様となる。また、共線図が第11実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図26に示すものとなる。従って、第11実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第14実施例を説明する。図31は本発明の第14実施例の変速機200の構成を説明する骨子図であり、図32は第14実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。図31に示すように、変速機200は、入力軸16と共通の軸心上に、第1遊星歯車装置202および第2遊星歯車装置204を主体として構成されている第1変速部206と、第3遊星歯車装置208および第4遊星歯車装置210を主体として構成されている第2変速部212とが、トルクコンバータ14と出力軸26との間に配設されている。
上記第1変速部206を構成している第1遊星歯車装置202および第2遊星歯車装置204はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第1遊星歯車装置202は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置204は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置202は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置204は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部206においては、第1キャリヤCA1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されるとともに入力軸16に連結されて回転駆動され、第1サンギヤS1がケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが互いに連結されて一体回転させられる。この構成により、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2リングギヤR2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部212へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部212へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
第2変速部212を構成している第3遊星歯車装置208および第4遊星歯車装置210はそれぞれシングルピニオン型およびダブルピニオン型であり、第3遊星歯車装置208は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置210は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置208と第4遊星歯車装置210とは、キャリヤ同士、リングギヤ同士が互いに連結されて共用化されている所謂ラビニヨ型となっている。すなわち、第3遊星歯車装置208は、第3サンギヤS3、第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備え、第4遊星歯車装置210は、第4サンギヤS4、第3ピニオンギヤP3のいずれか一つと共通のギヤを有し且つ互いに噛み合う複数対の第4ピニオンギヤP4、第3キャリヤCA3と共通の第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合い且つ第3リングギヤR3と共通の第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部212においては、第3サンギヤS3によって第1回転要素RE1が構成され、第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とが互いに連結されて第2回転要素RE2が構成され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが互いに連結されて第3回転要素RE3が構成され、第4サンギヤS4によって第4回転要素RE4が構成されている。また、第2変速部212は、第1乃至第5クラッチC1〜C5、および第1、第2ブレーキB1、B2を備えている。
前記回転要素REを構成する具体的な部材は第11実施例と異なるが、回転要素REに対する上記クラッチCおよびブレーキBの連結関係は第11実施例と同じである。従って、第2変速部212の構成は、回転要素REに基づけば第11実施例と同じとなるので、例えば、第3遊星歯車装置208のギヤ比ρ3を0.545とし、第4遊星歯車装置210のギヤ比ρ4を0.402とすると、図32に示す共線図の第2変速部212に関する部分は、各回転要素REを構成する遊星歯車装置208、210の構成要素が異なる以外は、図25と同様となる。また、第1変速部206も、2つの遊星歯車装置202、204の一部が互いに連結されることにより、第1中間出力部材M1、第2中間出力部材M2、入力軸16の回転をそのままの速度で出力する部材、および、常に回転停止させられている部材が構成されている点において第11実施例と同じであるので、図32に示すように、第1変速部206の各縦線を左から順に、第1サンギヤS1、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2、第2サンギヤS2とし、例えば、第1遊星歯車装置202のギヤ比ρ1を0.537とし、第2遊星歯車装置204のギヤ比ρ2を0.516とすれば、共線図の第1変速部206に関する部分も図25と同様となる。従って、図32に示す共線図は、全体としても図25に示す共線図と同様であるので、この図32の説明は省略する。また、共線図が第11実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図26に示すものとなる。従って、第11実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第15実施例を説明する。図33は本発明の第15実施例の変速機220の構成を説明する骨子図であり、図34は第15実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。この変速機220を第14実施例の変速機200と比較すると、第2変速部222の構成が相違しているのみであり、第14実施例の変速機200と同一の第1変速部206を備えている。
第2変速部222は、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置224およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置226を主体として構成されており、第3遊星歯車装置224は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置226は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置224は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、第4遊星歯車装置226は、第4サンギヤS4、第4ピニオンギヤP4、その第4ピニオンギヤP4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部222においては、第3キャリヤCA3と第4サンギヤS4とが互いに連結されて第1回転要素RE1が構成され、第3リングギヤR3によって第2回転要素RE2が構成され、第4キャリヤCA4によって第3回転要素RE3が構成され、第3サンギヤS3と第4リングギヤR4とが互いに連結されて第4回転要素RE4が構成されている。また、第2変速部222は、第1乃至第5クラッチC1〜C5、および第1、第2ブレーキB1、B2を備えている。
前記回転要素REを構成する具体的な部材は第1乃至第4実施例と異なるが、回転要素REに対する上記クラッチCおよびブレーキBの連結関係は前述の第11実施例と同じである。従って、第2変速部222の構成は、回転要素REに基づけば第11実施例と同じとなるので、例えば、第3遊星歯車装置224のギヤ比ρ3を0.424とし、第4遊星歯車装置226のギヤ比ρ4を0.525とすれば、各回転要素REを構成する遊星歯車装置224、226の構成要素が異なる以外は、図34に示す共線図の第2変速部222に関する部分は、第11実施例の共線図と同様となる。また、第1変速部206は第14実施例と同様(すなわち第11実施例とも同様)であるので、図34の共線図は、全体としても第11実施例と同様となる。また、共線図が第11実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表は、前述の図26に示すものとなる。従って、第11実施例と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第16実施例を説明する。図35は本発明の第16実施例の変速機230の構成を説明する骨子図である。図35において、変速機230はケース12内において共通の軸心上に、前記ロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14、入力軸16、第1遊星歯車装置232と第2遊星歯車装置234とを主体として構成されている第1変速部236、第3遊星歯車装置238と第4遊星歯車装置240とを主体として構成されている第2変速部242、および出力軸26が順次配設されている。
上記第1変速部236を構成している第1遊星歯車装置232および第2遊星歯車装置234はそれぞれシングルピニオン型およびダブルピニオン型であり、第1遊星歯車装置232は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置234は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置232は、第1サンギヤS1、第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置234は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部236においては、第2キャリヤCA2が入力軸16に連結されて回転駆動され、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とが互いに連結されるとともにケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1キャリヤCA1と第2リングギヤR2とが互いに連結されている。この構成により、互いに連結された第1キャリヤCA1と第2リングギヤR2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部242へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第1サンギヤS1は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部242へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
第2変速部242を構成している第3遊星歯車装置238および第4遊星歯車装置240はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第3遊星歯車装置238は第1後置遊星歯車装置に相当し、第4遊星歯車装置240は第2後置遊星歯車装置に相当する。第3遊星歯車装置238は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3ピニオンギヤP3、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3ピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、第4遊星歯車装置240は、第4サンギヤS4、第4ピニオンギヤP4、その第4ピニオンギヤP4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4ピニオンギヤP4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えている。
上記第2変速部242においては、第3キャリヤCA3と第4サンギヤS4とが互いに連結されて第1回転要素RE1が構成され、第3リングギヤR3と第4キャリヤCA4とが互いに連結されて第2回転要素RE2が構成され、第4リングギヤR4によって第3回転要素RE3が構成され、第3サンギヤS3によって第4回転要素RE4が構成されている。
また、第2変速部242は、前述の実施例と同様の第1乃至第5クラッチC1〜C5(すなわち第1クラッチ要素乃至第5クラッチ要素)、および第1、第2ブレーキB1、B2(すなわち第1、第2ブレーキ要素)を備えており、また、第1乃至第4回転要素RE1〜RE4に対するこれら第1乃至第5クラッチC1〜C5および第1、第ブレーキB1、B2の連結構成も、前述の実施例と同様である。
図36は第16実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図であり、下の横線X1が回転速度「0」で、上の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸16と同じ回転速度である。また、第1変速部236の各縦線は、左側から順番に一体的に連結された第1リングギヤR1および第2サンギヤS2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2、第2キャリヤCA2、第1サンギヤS1を表しており、それらの間隔は、サンギヤとキャリヤとの間を「1」とするとキャリヤとリングギヤとの間がρとなるように、第1遊星歯車装置232および第2遊星歯車装置234のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1、ρ2に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ1=0.525、ρ2=0.537の場合である。また、第2変速部242の4本の縦線は、左側から順番に第1回転要素RE1(CA3、S4)、第2回転要素RE2(R3、CA4)、第3回転要素RE3(R4)、第4回転要素RE4(S3)を表しており、それ等の間隔は第3遊星歯車装置238のギヤ比ρ3および第4遊星歯車装置240のギヤ比ρ4に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ3=0.438、ρ4=0.536の場合である。
この共線図に示されるように、第1変速段乃至第9変速段および第1、第2後進変速段は、前述の第1実施例と同様にクラッチCおよびブレーキBを係合させることによって成立し実施例1と同様の作用効果が得られる。また、各変速段における変速比およびギヤ比ステップも図3に示される第1実施例と同様であるためその説明を省略する。
このように本実施例の変速機230は、入力軸16の回転が減速および増速させられることにより入力軸16の回転速度に加えて2つの回転速度が得られる第1変速部236と、4つの回転要素RE1〜RE4、5つのクラッチC1〜C5、および2つのブレーキB1、B2を有して第1変速部236で得られた三種類の回転速度を変速する第2変速部242とによって、変速比ステップをバランス良く保ちつつ、複数のオーバードライブ変速段間の変速比ステップ、すなわち、第7変速段と第8変速段との間の変速比ステップ、および第8変速段と第9変速段との間の変速比ステップが小さくなっている。
次に、本発明の第17実施例を説明する。図37は本発明の第17実施例の変速機250の構成を説明する骨子図であり、図38は第17実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。図37に示すように、変速機250は、入力軸16と共通の軸心上に、第1遊星歯車装置252および第2遊星歯車装置254を主体として構成されている第1変速部256と、前述の第16実施例と同一の構成を有する第2変速部242とが、トルクコンバータ14と出力軸26との間に配設されている。
上記第1変速部256を構成している第1遊星歯車装置252および第2遊星歯車装置254はそれぞれダブルピニオン型およびシングルピニオン型であり、第1遊星歯車装置252は第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置254は第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置252は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置184は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部256においては、第1サンギヤS1が入力軸16に連結されて回転駆動され、第1キャリヤCA1と第2リングギヤR2とがケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1リングギヤR1と第2キャリヤCA2とが互いに連結されて一体回転させられる。この構成により、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2は、入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部242へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部242へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
また、第1変速部256は、2つの遊星歯車装置252、254の一部が互いに連結されることにより、第1中間出力部材M1、第2中間出力部材M2、入力軸16の回転をそのままの速度で出力する部材、および、常に回転停止させられている部材が構成されている点において第16実施例と同じであるので、図38に示すように、第1変速部256の各縦線を左から順に、第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2、一体的に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2とし、例えば、第1遊星歯車装置252のギヤ比ρ1を0.463とし、第2遊星歯車装置254のギヤ比ρ2を0.525とすれば、共線図の第1変速部256に関する部分は図36と同様となる。また、第2変速部242も第16実施例と同様であるので、図38の共線図は、全体として第16実施例の場合と同様となる。従って、この図38の説明は省略する。また、共線図が第16実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素を説明する作動表は、前述の図3に示すものとなる。従って、第16実施例と同様(すなわち第1実施例と同様)の作用効果が得られる。
次に、本発明の第18実施例を説明する。図39は本発明の第18実施例の変速機260の構成を説明する骨子図であり、図40は第18実施例の場合の、各変速段における回転要素の回転速度を示す共線図である。この変速機260を第16実施例の変速機230と比較すると、第1変速部266の構成が相違しているのみであり、第16実施例の変速機230と同一の第2変速部242を備えている。
第1変速部266は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置262およびシングルピニオン型の第2遊星歯車装置264を主体として構成されており、第1遊星歯車装置262が第1前置遊星歯車装置に相当し、第2遊星歯車装置264が第2前置遊星歯車装置に相当する。第1遊星歯車装置262は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、第2遊星歯車装置264は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1変速部266においては、第1リングギヤR1が入力軸16に連結されて回転駆動され、第2リングギヤR2がケース12に一体的に固定されて回転不能とされ、第1キャリヤCA1と第2キャリヤCA2とが互いに連結され、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが互いに連結されている。この構成により、互いに連結された第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2は入力軸16に対して減速回転させられてその回転を第2変速部242へ伝達するので第1中間出力部材M1に相当し、また、互いに連結された第1サンギヤS1と第2サンギヤS2は、入力軸16に対して増速回転させられてその回転を第2変速部242へ伝達するので第2中間出力部材M2に相当する。
そして、図40に示すように、第1変速部256の各縦線を左から順に、第2リングギヤR2、一体的に連結された第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2、第1リングギヤR1、一体的に連結された第1サンギヤS1および第2サンギヤS2とし、例えば、第1遊星歯車装置262のギヤ比ρ1を0.391とし、第2遊星歯車装置264のギヤ比ρ2を0.525とすれば、共線図の第1変速部256に関する部分は第16実施例と同様となり、また、第2変速部242も第16実施例と同様であるので、図40の共線図は、全体として第16実施例の場合と同様となる。また、共線図が第16実施例と同様となることから、各変速段を成立させる際の係合要素を説明する作動表は、前述の図3に示すものとなる。従って、第16実施例と同様(すなわち第1実施例と同様)の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の各実施例では、エンジン8とトルクコンバータ14とはクランク軸9を介して直結されていたが、たとえばギヤ、ベルト等を介して作動的に連結されておればよく、共通の軸心上に配置される必要もない。また、エンジン8は他の駆動力源たとえば電動モータ等であってもよい。
また、前述の各実施例では、エンジン8と入力軸16との間に流体伝動装置としてロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14が設けられていたが、ロックアップクラッチ13は備えられてなくてもよい。また、そのトルクコンバータ14に替えて、フルードカップリング、磁粉式電磁クラッチ、多板或いは単板式の油圧クラッチが設けられていてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。