JP4622667B2 - 多孔質金属触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Description
CH4+H2O → 3H2+CO ……(1)
CO+H2O → H2+CO2 ……(2)
この炭化水素ガスを水蒸気改質するための改質器には、従来、円柱状や球状のアルミナ担体にルテニウムやニッケルを担持させたペレット式触媒が多く利用されてきた。
しかし、ペレット式触媒は背圧が大きくなり、燃料電池システムの中で燃料ガスを昇圧しなければならないという問題がある。
このように構成された金属担持触媒では、先ず発泡金属担体(例えば、Ni−Cr系)に、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、γアルミナ)を含むコーティング剤を含浸し、ブロアにより余剰のコーティング剤を除去した後に乾燥して焼成(100〜600℃)する。これにより発泡金属担体にコーティング剤を被覆する。次にこの発泡金属担体に、触媒液(例えば、(NH3)2(NO3)Pt(II)4.1%溶液)を含浸し、ブロアにより余剰の触媒液を除去した後に乾燥して焼成する。これによりコーティング剤に触媒活性成分を担持する。
このように製造された金属担体触媒では、圧力損失が小さく、担体及び触媒活性層間の密着度を向上できるとともに、触媒性能を向上できるようになっている。
しかし、上記従来の特許文献1に示された金属担体触媒では、熱サイクルを長期間受けると、コーティング剤の焼成温度が100〜600℃と比較的低いため、発泡金属担持とコーティグ剤とが強固に焼結しておらず、発泡金属担持とコーティグ剤との熱膨張率の相違によりコーティング剤が剥離し、改質器の改質効率のみならず耐久性が低下するという不具合があった。
また、上記従来の特許文献1に示された金属担体触媒では、発泡金属担体にコーティング剤を焼成した後に、コーティング剤に触媒活性成分を担持しているため、コーティング剤(例えば、γアルミナ粒子)表面全体に触媒活性成分が均一に担持されず偏析しており、改質効率が未だ低い問題点があった。
本発明の目的は、改質効率及び耐久性を向上できる、多孔質金属触媒及びその製造方法を提供することにある。
この請求項1に記載された炭化水素改質用の多孔質金属触媒では、アウターアルミナ層28の表面積が極めて大きいので、有効触媒量が増えて炭化水素ガスの水素ガスへの改質効率を向上できる。一方、インナーアルミナ層26が比較的緻密であるため、このインナーアルミナ層26の多孔質担体23への接着強度が高く、またアウターアルミナ層28とインナーアルミナ層26が同種の材質であるため、アウターアルミナ層28のインナーアルミナ層26への接着強度が高い。この結果、多孔質金属触媒22に熱サイクルが作用しても、インナーアルミナ層26やアウターアルミナ層28が脱落せず、多孔質金属触媒22の熱サイクルに対する耐久性を向上できる。
この請求項5に記載された多孔質金属触媒の製造方法では、インナーアルミナ層26を比較的高い温度で焼成すれば、インナーアルミナ層26が比較的緻密になるとともに、このインナーアルミナ層26の多孔質担体23への接着強度が高くなる。またアウターアルミナ層28とインナーアルミナ層26が同種の材質であるため、比較的低い温度で焼成しても、アウターアルミナ層28のインナーアルミナ層26への接着強度は高くなる。この結果、多孔質金属触媒22に熱サイクルが作用しても、インナーアルミナ層26やアウターアルミナ層28が脱落せず、多孔質金属触媒22の熱サイクルに対する耐久性を向上できる。
<第1の実施の形態>
図3及び図4に示すように、燃料電池システムは、天然ガス、メタノール、石炭ガス、都市ガス、ガソリンなどの炭化水素ガスを水蒸気とともに改質器11に供給し、この改質器11のバーナ12で上記炭化水素ガスを水蒸気改質して水素ガスを生成し、この水素ガスを水蒸気とともに燃料電池13のアノード14(燃料電極)に供給するとともに、空気を水蒸気とともに燃料電池13のカソード16(酸素電極)に供給するように構成される。カソード16に供給された空気中の酸素はカソード16と電解質膜17の界面近傍でカソード16から電子を受け取って酸化物イオン(O2-)にイオン化され、この酸化物イオンが電解質膜17内を拡散移動してアノード14との界面近傍で燃料ガスと反応して反応生成物(H2O、CO2等)を生じ、アノード14に電子を放出することにより、発電するようになっている。上記改質器11には、上から順に、改質触媒18、変成触媒19及び選択酸化触媒21が収容される(図3)。改質触媒18では炭化水素ガスの水蒸気改質によりH2、CO及びCO2が生成され、変成触媒19では大部分のCOの変成によりH2及びCO2が生成され、選択酸化触媒21では残りの僅かなCOの酸化によりCO2が生成される。
(a) 第1アルミナスラリーの調製
平均粒径5nm〜0.5μm、好ましくは7〜50nm、BET法による比表面積35〜250m2/g、好ましくは80〜200m2/gのδアルミナ粒子24を用意する。このδアルミナ粒子24は、塩化アルミニウムを180〜190℃に加熱して昇華させた後に800℃に加熱することにより、塩化アルミニウムの2量体と単量体の混合ガスを調製し、この混合ガスを酸化炎に導入して酸化させることにより作製される。このようにして作製されたδアルミナ粒子24は、その結晶の(040)面におけるX線回折ピーク半値幅の位置から求めた(040)面における面間隔d2値及びd1値がいずれも1.920〜2.035Åの範囲内であり、かつ(046)面におけるX線回折ピーク半値幅の位置から求めた(046)面における面間隔d2値およびd1値がいずれも1.360〜1.425Åの範囲内である。δアルミナ粒子24の面間隔が上記条件を満たしているか否かは、X線回折図の散乱角2θが40°〜70°の間に存在する(040)面におけるX線回折ピーク及び(046)面におけるX線回折ピークの半値幅の位置から、式(3)(ブラッグの式)によって求められる。
2dsinθ=nλ ……(3)
上記式(3)において、λはX線波長であり、nは定数である。
D=6/(ρS ’) ……(4)
上記式(4)において、Dは球換算平均粒径であり、ρは粉体の真密度であり、S’はBET法による比表面積である。δアルミナ粒子24の平均粒径を7〜50nmの範囲内に限定したのは、7nm未満では凝集し易くなって分散媒に均一に分散し難くなり、50nmを越えると熱サイクル特性が低下するからである。またδアルミナ粒子24のBET法による比表面積を35〜250m2/gの範囲内に限定したのは、35m2/g未満では熱サイクル特性が低下し、250m2/gを越えると凝集し易くなって分散媒に均一に分散し難くなるからである。
上記第1アルミナスラリーを多孔質担体23の各骨格23a表面に塗布する。この塗布方法としては、第1アルミナスラリーに多孔質担体23を浸漬して取出した後に、エアブローして、多孔質担体23の気孔23bを塞ぐように形成された液膜を割るとともに、過剰に含浸した第1アルミナスラリーを除去する方法が好ましい。次に第1アルミナスラリーを塗布した多孔質担体23を乾燥した後に、必要に応じて大気又は不活性ガス雰囲気中で50〜1200℃、好ましくは200〜900℃に0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間保持して焼成することにより多孔質担体23の各骨格23a表面にインナーアルミナ層26を形成する。ここで、上記焼成温度を50〜1200℃の範囲内に限定したのは、50℃未満ではδアルミナ粒子24の焼結が十分に進まず、1200℃を越えると多孔質担体23の強度が低下したり或いは多孔質担体23が変形し、またδアルミナ粒子24の焼結が進み過ぎて熱サイクルによる骨格23aからの剥離が多くなるからである。
上記(a)で用いたδアルミナ粒子24の表面に、平均粒径1〜500nmの活性金属粒子27を還元析出法にて析出させることにより、δアルミナ粒子24の表面を活性金属粒子27にて被覆する。具体的には、活性金属粒子27としてRu粒子を用いる場合、上記δアルミナ粒子24と塩化ルテニウムとをプロパノール又は蒸留水等に溶解し十分混合した後に、この混合液を撹拌しながら大気中で水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として加えることにより、Ru粒子27(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子24を分散したスラリーが調製される。このRu粒子27により被覆されたδアルミナ粒子24を溶媒から分離することにより、Ru粒子27にて被覆されたδアルミナ粒子24が得られる。また活性金属粒子27としてNi粒子を用いる場合、上記δアルミナ粒子24と硝酸ニッケルとプロパノール又は蒸留水等に溶解し十分混合した後に、この混合液を撹拌しながら不活性ガス雰囲気中で水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として加えることにより、Ni粒子27(活性金属粒子)にて被覆されたδアルミナ粒子24を分散したスラリーが調製される。このNi粒子27により被覆されたδアルミナ粒子24を溶媒から分離することにより、Ni粒子27にて被覆されたδアルミナ粒子24が得られる。次に活性金属粒子27にて被覆されたδアルミナ粒子24と分散媒とを混合して第2アルミナスラリーを調製する。この第2アルミナスラリーは上記(a)で調製した第1アルミナスラリーと同様にして調製する。
第2アルミナスラリーをインナーアルミナ層26表面に塗布する。この塗布方法としては、第2アルミナスラリーに、インナーアルミナ層26被覆の多孔質担体23を浸漬して取出した後に、エアブローして、インナーアルミナ層26被覆の多孔質担体23の気孔23bを塞ぐように形成された液膜を割るとともに、過剰に含浸した第2アルミナスラリーを除去する方法が好ましい。次に第2アルミナスラリーを塗布したインナーアルミナ層26被覆の多孔質担体23を乾燥した後に、水素ガスやCOガス等の還元雰囲気中で150〜1200℃、好ましくは200〜900℃に0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間保持して焼成することによりインナーアルミナ層26表面にアウターアルミナ層28を形成する。ここで、上記焼成温度を150〜1200℃の範囲内に限定したのは、150℃未満ではδアルミナ粒子24の焼結が十分に進まず、1200℃を越えるとアウターアルミナ層28が焼結反応によって緻密化してしまい活性金属粒子27の担持材としての特性が低下するとともに、活性金属粒子27の粗大かが進んで触媒特性が低下するからである。
<実施例1>
図1及び図2に示すように、多孔質担体23として、厚さ2mmのSUS310Sの発泡金属のシートを用いた。この多孔質担体23の平均孔径は600μmであり、気孔率は90%であった。また平均粒径13nmのδアルミナ粒子24を8重量%と、β−ジケトン(分散剤)を0.2重量%と、エタノール(分散媒)を91.8重量%とをビーズミルを用いて2時間混合して第1アルミナスラリーを調製した。この第1アルミナスラリーに上記多孔質担体23を浸漬して取出した後に、多孔質担体23に過剰に付着した第1アルミナスラリーをエアブローにより除去した。そして上記第1アルミナスラリーを塗布した多孔質担体23を大気中で200℃に30分間保持して乾燥した後に、大気中で700℃に1時間保持して焼成することにより、多孔質担体23の各骨格23a表面にインナーアルミナ層26を形成した。このときのインナーアルミナ層26のアルミナ量は300g/m2であった。
10gの平均粒径13nmのδアルミナ粒子と、5gの試薬のH2PtCl6・6H2Oを200mlのプロパノールに溶解し十分に混合した後、室温で10重量%NaOH水溶液100mlに試薬の水素化ホウ素ナトリウム2gを予め溶解させた溶液を5ml加えることにより、Pt粒子(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子が分散したPt被覆アルミナスラリーを調製したこと以外は、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を得た。このときのインナーアルミナ層のアルミナ量は120g/m2であり、Pt粒子の担持量はアウターアルミナ層に対して5重量%であった。この多孔質金属触媒を実施例2とした。
<実施例3>
10gの平均粒径13nmのδアルミナ粒子と、5gの試薬のRhCl3・3H2Oを200mlのプロパノールに溶解し十分に混合した後、室温で10重量%NaOH水溶液100mlに試薬の水素化ホウ素ナトリウム2gを予め溶解させた溶液を5ml加えることにより、Rh粒子(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子が分散したRh被覆アルミナスラリーを調製したこと以外は、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を得た。このときのインナーアルミナ層のアルミナ量は120g/m2であり、Rh粒子の担持量はアウターアルミナ層に対して5重量%であった。この多孔質金属触媒を実施例3とした。
10gの平均粒径13nmのδアルミナ粒子と、3.3gの試薬のPdCl2を200mlのプロパノールに溶解し十分に混合した後、室温で10重量%NaOH水溶液100mlに試薬の水素化ホウ素ナトリウム2gを予め溶解させた溶液を5ml加えることにより、Pd粒子(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子が分散したPd被覆アルミナスラリーを調製したこと以外は、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を得た。このときのインナーアルミナ層のアルミナ量は120g/m2であり、Pd粒子の担持量はアウターアルミナ層に対して5重量%であった。この多孔質金属触媒を実施例4とした。
<実施例5>
10gの平均粒径13nmのδアルミナ粒子と、3.1gの試薬のAgNO3を200mlのプロパノールに溶解し十分に混合した後、室温で10重量%NaOH水溶液100mlに試薬の水素化ホウ素ナトリウム2gを予め溶解させた溶液を5ml加えることにより、Ag粒子(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子が分散したAg被覆アルミナスラリーを調製したこと以外は、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を得た。このときのインナーアルミナ層のアルミナ量は120g/m2であり、Ag粒子の担持量はアウターアルミナ層に対して5重量%であった。この多孔質金属触媒を実施例5とした。
10gの平均粒径13nmのδアルミナ粒子と、8gの試薬のCu(NO3)2・3H2Oを200mlのプロパノールに溶解し十分に混合した後、室温で10重量%NaOH水溶液100mlに試薬の水素化ホウ素ナトリウム2gを予め溶解させた溶液を5ml加えることにより、Cu粒子(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子が分散したCu被覆アルミナスラリーを調製したこと以外は、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を得た。このときのインナーアルミナ層のアルミナ量は120g/m2であり、Cu粒子の担持量はアウターアルミナ層に対して5重量%であった。この多孔質金属触媒を実施例6とした。
<実施例7>
10gの平均粒径13nmのδアルミナ粒子と、50gの試薬のNi(NO3)2・6H2Oを1000mlの蒸留水に溶解し十分に混合してNi被覆スラリーを調製した後、室温で10重量%NaOH水溶液を水酸化物が析出するまで滴下することにより、水酸化Ni粒子(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子が分散した水酸化Ni被覆アルミナスラリーを調製し、更にこの水酸化Ni被覆アルミナスラリーを溶媒から分離して水酸化Ni粒子により被覆されたδアルミナ粒子を得た後に、この水酸化Ni粒子により被覆されたδアルミナ粒子が50重量%となるようにエタノール(分散媒)に分散させ、ビーズミルで2時間混合して第2アルミナスラリーを調製したこと以外は、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を得た。なお、第2アルミナスラリーを調製した後に、実施例1と同様の工程を経て、実施例1と同様に、第2アルミナスラリーを塗布したインナーアルミナ層被覆の多孔質担体を大気中で200℃に30分間保持して乾燥し、水素還元雰囲気中で500℃に1時間保持して焼成することにより、水酸化Ni粒子はの一部が還元されて活性金属粒子であるNi粒子となる。またインナーアルミナ層のアルミナ量は120g/m2であり、活性金属粒子であるNi粒子の担持量はアウターアルミナ層に対して30重量%であった。この多孔質金属触媒を実施例7とした。
10gの平均粒径13nmのδアルミナ粒子と、50gの試薬のCo(NO3)2・6H2Oを1000mlの蒸留水に溶解し十分に混合してCo被覆スラリーを調製した後、室温で10重量%NaOH水溶液を水酸化物が析出するまで滴下することにより、水酸化Co粒子(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子が分散した水酸化Co被覆アルミナスラリーを調製し、更にこの水酸化Co被覆アルミナスラリーを溶媒から分離して水酸化Co粒子により被覆されたδアルミナ粒子を得た後に、この水酸化Co粒子により被覆されたδアルミナ粒子が50重量%となるようにエタノール(分散媒)に分散させ、ビーズミルで2時間混合して第2アルミナスラリーを調製したこと以外は、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を得た。なお、第2アルミナスラリーを調製した後に、実施例1と同様の工程を経て、実施例1と同様に、第2アルミナスラリーを塗布したインナーアルミナ層被覆の多孔質担体を大気中で200℃に30分間保持して乾燥し、水素還元雰囲気中で500℃に1時間保持して焼成することにより、水酸化Co粒子はの一部が還元されて活性金属粒子であるCo粒子となる。またインナーアルミナ層のアルミナ量は120g/m2であり、活性金属粒子であるCo粒子の担持量はアウターアルミナ層に対して30重量%であった。この多孔質金属触媒を実施例8とした。
<実施例9>
10gの平均粒径13nmのδアルミナ粒子と、72gの試薬のFe(NO3)3・9H2Oを1000mlの蒸留水に溶解し十分に混合してFe被覆スラリーを調製した後、室温で10重量%NaOH水溶液を水酸化物が析出するまで滴下することにより、水酸化Fe粒子(活性金属粒子)により被覆されたδアルミナ粒子が分散した水酸化Fe被覆アルミナスラリーを調製し、更にこの水酸化Fe被覆アルミナスラリーを溶媒から分離して水酸化Fe粒子により被覆されたδアルミナ粒子を得た後に、この水酸化Fe粒子により被覆されたδアルミナ粒子が50重量%となるようにエタノール(分散媒)に分散させ、ビーズミルで2時間混合して第2アルミナスラリーを調製したこと以外は、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を得た。なお、第2アルミナスラリーを調製した後に、実施例1と同様の工程を経て、実施例1と同様に、第2アルミナスラリーを塗布したインナーアルミナ層被覆の多孔質担体を大気中で200℃に30分間保持して乾燥し、水素還元雰囲気中で500℃に1時間保持して焼成することにより、水酸化Fe粒子はの一部が還元されて活性金属粒子であるFe粒子となる。またこのときのインナーアルミナ層のアルミナ量は120g/m2であり、活性金属粒子であるFe粒子の担持量はアウターアルミナ層に対して30重量%であった。この多孔質金属触媒を実施例9とした。
実施例1の多孔質担体と同一の多孔質担体を用いた。また平均粒径1μmのγアルミナ粒子8重量%と、β−ジケトン(分散剤)0.2重量%と、エタノール(分散媒)91.8重量%とをビーズミルを用いて2時間混合してアルミナスラリーを調製した。このアルミナスラリーに上記多孔質担体を浸漬して取出した後に、多孔質担体に過剰に付着したアルミナスラリーをエアブローにより除去した。そして上記アルミナスラリーを塗布した多孔質担体を大気中で150℃に30分間保持して乾燥した後に、大気中で600℃に1時間保持して焼成することにより、多孔質担体の各骨格表面にアルミナ層を形成した。このときのアルミナ層のアルミナ量は300g/m2であった。次に上記アルミナ層被覆の多孔質担体を1重量%の塩化ルテニウム水溶液に浸漬して取出し大気中で150℃に30分間保持して乾燥した後に、水素還元雰囲気中で600℃に1時間保持して焼成することにより、多孔質担体のアルミナ層にRuを担持させて多孔質金属触媒を得た。このときの金属Ru粒子の担持量はアルミナ層に対して5重量%であった。この多孔質金属触媒を比較例1とした。
<比較例2>
実施例1の平均粒径13nmのδアルミナ粒子に代えて平均粒径1μmのγアルミナ粒子を用いたことを除いて、実施例1と同様にして多孔質金属触媒を作製した。この多孔質触媒を比較例2とした。
実施例1〜9、比較例1及び2の多孔質金属触媒の熱サイクルに対する耐久性を試験した。先ず図6に示すように、実施例1〜9、比較例1及び2の多孔質金属触媒22を、それぞれレーザ加工機を用いて直径3.6cmの円板状に切出し、それぞれ複数枚ずつ重ねて、直径×高さが3.6mm×10cmである多孔質金属触媒22の円柱体31を作製した。この円柱体31を電気炉32の反応管33(内径4cm)に挿入し、窒素ガスを流量2リットル/分で供給しながら、反応管33の周囲に設けられた環状炉体34内のヒータを作動させて円柱体31を700℃まで加熱した。次に窒素ガスの供給を停止し、メタンガスと水蒸気の混合ガス(モル比でメタンガス:水蒸気が1:3である。)を、メタンガスの流量が0℃、0.1MPa換算で127リットル/時(2.12リットル/分)となるように1時間導入し(1時間改質反応)、上記電気炉32から排出される改質ガスの組成をガスクロマトグラフで分析した。この改質ガスの流量はSV値で5000/時に相当した。また上記多孔質金属触媒22の円柱体31の体積は0.1017リットル(3.6cm×3.6cm×3.14×10cm÷4÷1000)であり、SV値が5000/時であるときの改質ガスの流量は8.48リットル/分(0.107リットル×5000/時=509リットル/時)であった。上記改質ガスの分析結果(メタンガスの減少量)から改質率を算出した。その結果を表1に示す。更に上記1時間改質反応を行った後に、窒素ガス雰囲気中で室温まで降温し、再び昇温して上記と同一条件で1時間改質反応を行い、更に窒素ガス雰囲気中で室温まで降温するという作業を100回繰返した。そして100回目の改質率を上記と同様にして算出し、その結果を、インナーアルミナ層を構成するアルミナ粒子と、アウターアルミナ層を構成するアルミナ粒子と、アウタアルミナ層のアルミナ粒子を被覆する活性金属粒子とともに、表1に示した。なお、図6中の符号36は熱電対である。
23 多孔質担体
23a 骨格
24 δアルミナ粒子
26 インナーアルミナ層
27 活性金属粒子
28 アウターアルミナ層
Claims (6)
- 骨格(23a)を有する気孔率40〜98%の多孔質担体(23)と、
δアルミナ粒子(24)にて前記多孔質担体(23)の各骨格(23a)表面を被覆することにより形成され厚さが5nm〜100μmであって気孔率が5〜80%であるインナーアルミナ層(26)と、
表面が平均粒径1〜500nmの活性金属粒子(27)により被覆されたδアルミナ粒子(24)にて前記インナーアルミナ層(26)の表面を被覆することにより形成され厚さが5nm〜100μmであって気孔率が前記インナーアルミナ層(26)と同一か又は前記インナーアルミナ層(26)より大きいアウターアルミナ層(28)と
を備えた炭化水素改質用の多孔質金属触媒。 - 多孔質担体(23)が、発泡金属、金属ハニカム、金網、エキスパンドメタル又は金属不織布のいずれかの金属体からなり、
前記金属体が、Fe基耐熱合金、Ni基耐熱合金又はCo基耐熱合金のいずれかにより形成され、
前記金属体が前記Fe基耐熱合金により形成されるとき前記Fe基耐熱合金がCrを含み、
前記金属体が前記Ni基耐熱合金により形成されるとき前記Ni基耐熱合金がFe又はCrのいずれか一方又は双方を含み、
前記金属体が前記Co基耐熱合金により形成されるとき前記Co基耐熱合金がFe又はCrのいずれか一方又は双方を含む請求項1記載の多孔質金属触媒。 - インナーアルミナ層(26)及びアウターアルミナ層(28)をそれぞれ構成するδアルミナ粒子(24,24)の結晶の(040)面におけるX線回折ピーク半値幅の位置から求めた(040)面における面間隔d2値及びd1値がいずれも1.920〜2.035Åの範囲内であり、かつその結晶の(046)面におけるX線回折ピーク半値幅の位置から求めた(046)面における面間隔d2値及びd1値がいずれも1.360〜1.425Åの範囲内である請求項1記載の多孔質金属触媒。
- 活性金属粒子(27)が、Ag,Pd,Ru,Ti,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Rh,Pt,Cu,Zn,In,Sn,Ge,Si,Al及びSbからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属粒子又は合金粒子である請求項1記載の多孔質金属触媒。
- 平均粒径5nm〜0.5μmのδアルミナ粒子(24)と分散剤と分散媒と混合して第1アルミナスラリーを調製する工程と、
前記第1アルミナスラリーを多孔質担体(23)の各骨格(23a)表面に塗布・焼成してインナーアルミナ層(26)を形成する工程と、
平均粒径5nm〜0.5μmのδアルミナ粒子(24)の表面に平均粒径1〜500nmの活性金属粒子(27)を担持させる工程と、
前記活性金属粒子(27)にて被覆されたδアルミナ粒子(24)と分散媒とを混合して第2アルミナスラリーを調製する工程と、
前記第2アルミナスラリーを前記インナーアルミナ層(26)表面に塗布・焼成してアウターアルミナ層(28)を形成する工程と
を含む多孔質金属触媒の製造方法。 - 多孔質担体(23)が、発泡金属、金属ハニカム、金網、エキスパンドメタル又は金属不織布のいずれかの金属体からなり、
前記金属体が、Fe基耐熱合金、Ni基耐熱合金又はCo基耐熱合金のいずれかにより形成され、
前記金属体が前記Fe基耐熱合金により形成されるとき前記Fe基耐熱合金がCrを含み、
前記金属体が前記Ni基耐熱合金により形成されるとき前記Ni基耐熱合金がFe又はCrのいずれか一方又は双方を含み、
前記金属体が前記Co基耐熱合金により形成されるとき前記Co基耐熱合金がFe又はCrのいずれか一方又は双方を含む請求項5記載の多孔質金属触媒の製造方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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