JP4623283B2 - 珪素複合体粒子及びその製造方法並びに非水電解質二次電池用負極材 - Google Patents
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Description
また、炭素系負極材よりははるかに高いエネルギー密度を有し、珪素そのものの特性である高エネルギー密度という観点では若干低下するものの、従来の珪素系負極材よりサイクル性の高いリチウムイオン二次電池の負極の製造を可能とする珪素−炭素複合体として、サイクル性が高く、かつ充放電時の体積変化の低減効果のある非水電解質二次電池負極用の活剤として有効な珪素−炭素複合体を見出した。
この場合、珪素、珪素合金又は酸化珪素の一次粒子の大きさが100nm〜10μmであり、炭素の一次粒子の大きさが100nm〜20μmであり、珪素系無機化合物がSi−C−OもしくはSi−C−N系コンポジット、SiNx、SiOy、SiCz(但し、xは0<x≦4/3、yは0<y≦2、zは0<z≦1の正数である)又はこれらの混合物であることが好ましく、炭素微粒子が球形又は鱗片状の天然又は合成グラファイトであることが好ましい。
更に、本発明の珪素複合体粒子、珪素−炭素複合体粒子は、粒子内の空隙率が1〜70体積%であることが好ましく、また表面を炭素でコーティングしてなるものが好ましい。
珪素、珪素合金又は酸化珪素の微粒子及び炭素微粒子を有機珪素化合物又はその混合物と共に焼結し、造粒して、上記有機珪素化合物又はその混合物が焼結されることによって形成される珪素系無機化合物をバインダーとしてこの中に珪素又は珪素合金微粒子及び炭素微粒子が分散されていると共に、内部に空隙が存在する構造を有する珪素−炭素複合体粒子を得ることを特徴とする珪素−炭素複合体粒子の製造方法を提供する。
この場合、有機珪素化合物又はその混合物が、架橋基を有する反応性有機珪素化合物又は硬化性ポリシロキサン組成物であり、これを珪素又は珪素合金微粒子と混合した後、熱硬化又は触媒反応により硬化させて架橋物とし、更に不活性気流中500〜1,400℃の温度範囲で加熱、焼結させて無機化し、これを0.5〜30μmに再粉砕することが好ましい。
この場合、珪素複合体粒子又は珪素−炭素複合体粒子と導電剤の混合物であって、混合物中の導電剤が1〜60質量%であり、かつ混合物中の全炭素量が25〜90質量%である混合物を用いた非水電解質二次電池用負極材であることが好ましい。
本発明は、リチウムイオン二次電池用負極活物質として、充放電容量が現在主流であるグラファイト系のものと比較して、その数倍の容量であることから期待されている反面、繰り返しの充放電による性能低下が大きなネックとなっている珪素系負極材のサイクル性及び効率を改善した珪素複合体粒子を提供するもので、珪素、珪素合金又は酸化珪素の微粒子を有機珪素化合物又はその混合物と焼結することによって得られた(結果として造粒された)、珪素又は珪素合金の微粒子がバインダーとしての珪素系無機化合物に分散し、かつその内部に空隙を有する構造を持つ、好ましくは平均粒径が0.5〜30μmの粒子状のものである。図1はこれを示すもので、図1において、1は珪素複合体粒子であり、11は珪素又は珪素合金、12は珪素系無機化合物のバインダー、13が空隙である。また、その粒子表面を好ましくはその少なくとも一部がカーボンと融合した状態でカーボンがコーティング(融着)してなるものである。
また、本発明は、サイクル性及び効率を改善し、更に充放電に伴う大きな体積変化を緩和した珪素−炭素系複合体を提供するもので、珪素、珪素合金又は酸化珪素の微粒子及び炭素微粒子を有機珪素化合物又はその混合物と共に焼結することによって得られた(結果として造粒された)炭素微粒子、好ましくは球状又は鱗片状炭素微粒子を核にして、珪素又は珪素合金の微粒子を、珪素系無機化合物をバインダーとして分散し、かつその内部に空隙を有する構造を有する好ましくは平均粒径が0.5〜30μmの粒子状のものである。図2は、これを示すもので、2は珪素−炭素複合体粒子であり、11,12,13は上記の通り、14は炭素微粒子である。また、その表面の導電性を増すために,熱CVDによりカーボンコートしてもよい。
i.銅を対陰極としたX線回折(Cu−Kα)において、2θ=28.4°付近を中心としたSi(111)に帰属される回折ピークが観察され、その回折線の広がりをもとに、シェーラーの式によって求めた結晶の粒子系が、原料によってその大きさは異なるが、2nm以上、特に5nm以上である、
ii.リチウムイオン二次電池負極において、リチウムイオンを吸蔵・放出しうるゼロ価の珪素が、炭化珪素微粉末中遊離珪素を測定する方法であるISO DIS 9286に準じた方法である、水酸化アルカリを作用させる時に水素が生成することによって水素発生量として測定ができ、水素発生量から換算して得られるゼロ価の珪素量が1〜90質量%、好ましくは20〜90質量%であり、
iii.走査電子顕微鏡観察において、粒子内部の観察を行ったときに、空隙が観察される構造である。
Si−C−N系コンポジットとしては、上記のオルガノポリシロキサンに代えて、高度に架橋し得る含窒素オルガノポリシロキサン(例えば付加硬化型、縮合硬化型等のアミノ変性オルガノポリシロキサン組成物)及び/又はオルガノポリシラザンを用いて同様に焼成、無機化することによって得ることができる。
SiNxとしては、ポリカルボシランをコート後、アンモニア雰囲気下で同様に焼成、無機化することによって得ることができる。
SiOyとしては、テトラアルコキシシラン等をコートし、硬化させた後、同様に焼成、無機化することによって得ることができる。
SiCzとしては、テトラアルキルシラン等をコートし、硬化させた後、同様に焼成、無機化することによって得ることができる。
なお、Si−C−O系コンポジット、Si−C−N系コンポジットとは、それぞれ珪素、炭素、酸素あるいは珪素、炭素、窒素を構成原子として含有してなる無機焼結体を意味する。
ChHiSiOjNk
(但し、h、i、jは正数、kは0又は正数である。)
で表され、架橋点が珪素原子4個に対して少なくとも1個有し、かつ(h−j)が0より大きいことが好ましい。なお、Nは珪素原子と直接結合又は炭素原子を介して間接的に結合してもよい。
ChHiSiOj → SiC+jCO+i/2H2
本発明の珪素複合体粒子、珪素−炭素複合体粒子は、珪素又は珪素系合金の微粒子又は該微粒子と炭素微粒子が珪素系化合物に分散し、かつその内部に空隙を有する構造を有する焼結体粒子であって、特に1〜30μm程度の平均粒子径を有するものであれば、その製造方法は特に限定されるものではないが、例えば下記I〜IIの方法を好適に採用することができる。
I:珪素や珪素合金塊を機械的な粉砕によって粉砕するなどの方法で得られた、好ましくは100nm〜10μm、より好ましくは100nm〜7μm、更に好ましくは1〜5μmに分級した珪素粉、珪素系合金粉、酸化珪素粉、又はこれと好ましくは100nm〜20μm、より好ましくは1〜20μm、更に好ましくは3〜10μmに分級された球状又は鱗片状炭素粉との混合物に、上述した有機珪素化合物又はその混合物、特に白金触媒、ビニルシロキサン、水素シロキサンからなる付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物を添加し、よく混合後、300℃以下の温度でプレキュアする。この場合、プレキュア温度の下限は特に制限されないが、40℃以上であることが好ましい。この場合、必要に応じて有機溶剤を添加してよく均一になるようにする。その後、不活性雰囲気下で500〜1,400℃、特に600〜1,400℃、好ましくは750〜1,300℃、より好ましくは900〜1,200℃の温度域で熱処理することにより、内部に空隙を有するSi−C−O系コンポジット、Si−C−N系コンポジット、SiNx、SiOy、SiCz等をバインダーとする珪素複合体又は珪素−炭素複合体の凝集物が得られる。この内部のモデルを図1,2に、実際のSEM観察例を図4〜6に示し、図7はREM観察像(即ち、反射電子検出器(Backscattered Electron Detector)で検出した反射電子を組成像(COMPO Image)に変換した反射電子像(BEI:Backscattered Electron Image))を示す(なお、図4は珪素複合体、図5〜7は珪素−炭素複合体である)。この後、所定の粒度に粉砕、分級して珪素複合体を得るが、粉砕方法は特に問わない。なお、プレキュア時の雰囲気は特に制限されない。また、不活性ガス雰囲気は、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の非酸化性雰囲気とすることができる。
R'e(R''O)fSiO(4-e-f)/2 (8)
(但し、R'は水素原子又は炭素数が1〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水素基、R''は水素原子又は炭素数が1〜6の置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、e,fはそれぞれ0≦e≦2.5、0.01≦f≦3、0.5≦e+f≦3を満足する0又は正数である。)
上記一般式(8)のシリコーンレジンとしては、例えば、前記したシランカップリング剤として例示したテトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン等の1分子中に2〜4個のアルコキシ基を有するアルコキシシランを部分加水分解縮合して得られる、残基アルコキシ基を1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上有する、通常珪素原子数2〜50個、好ましくは2〜30個程度のオルガノシロキサンオリゴマー等が挙げられる。
酸化性雰囲気下、800〜1,400℃、好ましくは900〜1,300℃、より好ましくは1,000〜1,200℃の温度域で熱処理して表面を化学蒸着する方法。
一方、珪素−炭素複合体粒子の場合、同様に導電剤は熱CVDによってカーボンコートしたものでは、必ずしも必要としないが、未処理のものでは、導電剤の添加量は、珪素−炭素複合体粒子と導電剤の混合物中10〜70質量%が好ましく、特に20〜50質量%、とりわけ20〜40質量%が好ましい。10質量%未満だと充放電に伴う膨張・収縮に耐えられなくなる場合があり、70質量%を超えると充放電容量が小さくなる場合がある。
化学用金属珪素(豪州SIMCOA社製低Al品;Al:0.05%,Fe:0.21%,Ca:0.003%)を、ジョークラッシャーで粗砕し、更にヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで平均粒径約1μmの微粒子にまで粉砕した。得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、日清エンジニアリング(株)製空気式精密分級機で粗粒部分をカットし、平均粒径が約0.8μmの粉末を得た。この珪素微粉末100grを、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン〔信越化学工業(株)製LS−8670〕12gr、メチル水素シロキサン〔信越化学工業(株)製KF−99〕8gr及び塩化白金酸触媒〔塩化白金酸1%溶液〕0.1grからなる硬化性シロキサン組成物とヘキサン30mlの混合物に添加し、パテ状の状態でよく混合した。その後、60℃で脱溶剤・プレキュアした。
塊状のまま、蓋付のアルミナ製容器に入れて、雰囲気コントロール可能な温度プログラム付マッフル炉で窒素雰囲気下にて、300℃×2時間+1,000℃×3時間という温度条件で焼成を行った。十分冷却後、クリアランスを20μmに設定した粉砕機(マスコロイダー)で粉砕し、平均粒径約10μmの珪素複合体(ゼロ価の珪素微粒子含有量は86質量%であり、空隙率は比重測定より30容量%であった(以下同様)。)を得た。
リチウムイオン二次電池負極活物質としての評価は全ての実施例、比較例ともに同一で、以下の方法・手順にて行った。まず、得られた珪素複合体(又は珪素−炭素複合体)48部に対して人造黒鉛(平均粒子径D50=5μm)42部を加え、混合物を作製した。この混合物にポリフッ化ビニリデンを10部加え、更にN−メチルピロリドンを加え、スラリーとし、このスラリーを厚さ20μmの銅箔に塗布し、120℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成形し、最終的には2cm2に打ち抜き、負極とした。
ここで、得られた負極の充放電特性を評価するために、対極にリチウム箔を使用し、非水電解質として六フッ化リンリチウムをエチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの1/1(体積比)混合液(VC:ビニレンカーボネートを2質量%含む)に1モル/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレーターに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いた評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
作製したリチウムイオン二次電池は、一晩室温で放置した後、二次電池充放電試験装置((株)ナガノ製)を用いて、テストセルの電圧が0Vに達するまで3mAの定電流で充電を行い、0Vに達した後は、セル電圧を0Vに保つように電流を減少させて充電を行った。そして、電流値が100μAを下回った時点で充電を終了した。放電は3mAの定電流で行い、セル電圧が2.0Vを上回った時点で放電を終了し、放電容量を求めた。
以上の充放電試験を繰り返し、評価用リチウムイオン二次電池の初期効率測定及び充放電試験50回を行った。結果を表1に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
化学用金属珪素(豪州SIMCOA社製低Al品;Al:0.05%,Fe:0.21%,Ca:0.003%)を、ジョークラッシャーで粗砕し、更にヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで平均粒径約1μmの微粒子にまで粉砕した。得られた懸濁物をろ過し、この状態でヘキサン含有量の測定を行った。この結果を元に、珪素微粉末100grに相当するパテ状の珪素−ヘキサン混合物を採取し、ここに、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン〔信越化学工業(株)製LS−8670〕12gr、メチル水素シロキサン〔信越化学工業(株)製KF−99〕8gr及び塩化白金酸触媒〔塩化白金酸1%溶液〕0.1grからなる硬化性シロキサン組成物を添加し、パテ状の状態でよく混合した。その後、60℃で脱溶剤・プレキュアし、更に200℃×1時間空気中でキュアした。
こうして得られた塊状のものを、蓋付のアルミナ製容器に入れて、雰囲気コントロール可能な温度プログラム付マッフル炉で窒素雰囲気下にて、1,000℃×3時間という温度条件で焼成を行った。十分冷却後、クリアランスを20μmに設定した粉砕機(マスコロイダー)で粉砕し、平均粒径約10μmの珪素複合体(ゼロ価の珪素微粒子含有量は88質量%であり、空隙率は比重測定より25容量%であった。)を得た。
こうして得られた珪素複合体の粉末のリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例1と全く同じ条件で行った。その結果を表1に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
化学用金属珪素(Norway ELKEM製HGグレード品;Al:0.10%,Fe:0.04%)100grにジビニルテトラメチルジシラザン1gを密閉容器に採取し、よく混合後100℃にて1時間加熱し、シリル化を行った。こうして得られた表面処理珪素粉100grを採取して、以降、実施例1と全く同様に珪素複合体(ゼロ価の珪素微粒子含有量は89質量%であり、空隙率は比重測定より32容量%であった。)を作製し、リチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を行った。その結果を表1に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
化学用金属珪素(豪州SIMCOA社製低Al品;Al:0.05%,Fe:0.21%,Ca:0.003%)を、ジョークラッシャーで粗砕し、更にヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで平均粒径約1μmの微粒子にまで粉砕した。得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、日清エンジニアリング(株)製空気式精密分級機で粗粒部分をカットし、平均粒径が約0.8μmの粉末(ゼロ価の珪素微粒子含有量は98質量%であったが、比重が2.2であることから、ほとんど空隙のないものであった。)を得た。
こうして得られた粗粒部をカットして粒度の揃った珪素微粉末のリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例1と全く同じ条件で行った。その結果を表1に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
ブロック状又はフレーク状の酸化珪素(SiOx:x=1.05)を不活性ガス(アルゴン)雰囲気下で1,300℃、1時間加熱し、珪素と二酸化珪素への不均化を行った。こうして得られたものについてX線回折(Cu−Kα)を行い、2θ=28.4°のSi(111)に帰属される回折線の半価幅からシェーラー法により求めた結晶の大きさは約75nmであった。このようにして熱処理を行った珪素−二酸化珪素複合物をヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで粉砕し、得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、平均粒径が約1μmの粉末を得た。この珪素−二酸化珪素複合物粉100grを、実施例1と同様にテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン〔信越化学工業(株)製LS−8670〕12gr、メチル水素シロキサン〔信越化学工業(株)製KF−99〕8gr及び塩化白金酸触媒〔塩化白金酸1%溶液〕0.1grからなる硬化性シロキサン組成物とヘキサン30mlの混合物に添加し、パテ状の状態でよく混合した。その後、60℃で脱溶剤・プレキュアした。
塊状のまま、蓋付のアルミナ製容器に入れて、雰囲気コントロール可能な温度プログラム付マッフル炉で窒素雰囲気下にて、300℃×2時間+1,000℃×3時間という温度条件で焼成を行った。十分冷却後、クリアランスを20μmに設定した粉砕機(マスコロイダー)で粉砕し、平均粒径約10μmの珪素複合体(ゼロ価の珪素微粒子含有量は28質量%であり、空隙率は比重測定より28容量%であった。)を得た。
こうして得られた珪素複合体微粉末のリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例1と全く同じ条件で行った。その結果を表2に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
ブロック状又はフレーク状の酸化珪素(SiOx:x=1.05)をヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで粉砕し、得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、平均粒径が約1μmの粉末を得た。この酸化珪素粉100grを、実施例1と同様にテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン〔信越化学工業(株)製LS−8670〕12gr、メチル水素シロキサン〔信越化学工業(株)製KF−99〕8gr及び塩化白金酸触媒〔塩化白金酸1%溶液〕0.1grからなる硬化性シロキサン組成物とヘキサン30mlの混合物に添加し、パテ状の状態でよく混合した。その後、60℃で脱溶剤・プレキュアした。
塊状のまま、蓋付のアルミナ製容器に入れて、雰囲気コントロール可能な温度プログラム付マッフル炉で窒素雰囲気下にて、300℃×2時間+1,200℃×3時間という温度条件で加熱し、焼成と酸化珪素組織内の不均化を行った。十分冷却後、クリアランスを20μmに設定した粉砕機(マスコロイダー)で粉砕し、平均粒径約10μmの珪素複合体(ゼロ価の珪素微粒子含有量は27質量%であり、空隙率は比重測定より30容量%であった。)を得た。こうして得られたものについてX線回折(Cu−Kα)を行い、2θ=28.4°のSi(111)に帰属される回折線の半価幅からシェーラー法により求めた結晶の大きさは約65nmであった。
この珪素複合体微粉末のリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例1と全く同じ条件で行った。その結果を表2に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
X線回折的に全く無定形のブロック状又はフレーク状の酸化珪素をヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで粉砕し、得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、平均粒径が約1μm(ゼロ価の珪素微粒子含有量は31質量%であるが、空隙を有さないものであった。)の粉末を得た。
この酸化珪素微粉末のリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例1と全く同じ条件で行った。その結果を表2に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
ブロック状又はフレーク状の酸化珪素をヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで粉砕し、得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、平均粒径が約1μmの粉末を得た。この酸化珪素粉100grを、実施例1と同様にテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン〔信越化学工業(株)製LS−8670〕12gr、メチル水素シロキサン〔信越化学工業(株)製KF−99〕8gr及び塩化白金酸触媒〔塩化白金酸1%溶液〕0.1grからなる硬化性シロキサン組成物とヘキサン30mlの混合物に添加し、パテ状の状態でよく混合した。60℃で脱溶剤及び200℃×1時間熱硬化した。その後、クリアランスを20μmに設定した粉砕機(マスコロイダー)で粉砕し、平均粒径約10μmの含珪素造粒粒子(ゼロ価の珪素微粒子含有量は28質量%であり、空隙率は比重測定より25容量%であった。)を得た。
この含珪素造粒粒子を縦型管状炉(内径約50mmφ)を用いて、メタン−アルゴン混合ガス通気下で1,200℃、3時間の熱CVDを行った。こうして、得られた導電性珪素複合体をらいかい器で解砕した。得られた導電性珪素複合体粒子の炭素量は15%、活性珪素量は28.1%、平均粒径は13μmであり、シェーラー法により求めた二酸化珪素中に分散した珪素の結晶の大きさは約60nmであった。
リチウムイオン二次電池負極活物質としての評価は実施例6、比較例3ともに同一で、以下の方法・手順にて行った。まず、得られた炭素コート珪素複合体に人造黒鉛(平均粒子径D50=5μm)を加え、人造黒鉛の炭素と蒸着した珪素複合体中のフリー炭素が合計40%となるように加え、混合物を作製した。この混合物にポリフッ化ビニリデンを10%加え、更にN−メチルピロリドンを加え、スラリーとし、このスラリーを厚さ20μmの銅箔に塗布し、120℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成形し、最終的には2cm2に打ち抜き、負極とした。以下、実施例1に記載の方法と全く同一の手順で行った。
こうして得られた珪素複合体微粉末のリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価結果を表3に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
実施例6と同様に、ブロック状又はフレーク状の酸化珪素をヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで粉砕し、得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、平均粒径が約1μmの粉末(空隙率は0容量%)を得た。この酸化珪素粉100grを、縦型管状炉(内径約50mmφ)を用いて、メタン−アルゴン混合ガス通気下で1,200℃、5時間の熱CVDを行った。こうして、得られた導電性珪素複合体をらいかい器で解砕した。得られた導電性珪素複合体粒子の炭素量は17%、ゼロ価の活性珪素量は25%、平均粒径は13μmであり、シェーラー法により求めた二酸化珪素中に分散した珪素の結晶の大きさは約65nmであった。
この珪素複合体微粒子のリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例6と全く同じ条件で行った。その結果を表3に示す。なお、容量は負極膜質量換算である。
化学用金属珪素(豪州SIMCOA社製低Al品;Al:0.05%,Fe:0.21%,Ca:0.003%)を、ジョークラッシャーで粗砕し、更にヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで平均粒径約1μmの微粒子にまで粉砕した。得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、日清エンジニアリング(株)製空気式精密分級機で粗粒部分をカットし、平均粒径が約0.8μmの粉末を得た。この珪素微粉末100grと大阪ガスケミカル株式会社製球状グラファイト粉MCMB06−28(平均粒子径:6μm)80grを混合し、ここに予め調製した、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン〔信越化学工業(株)製LS−8670〕12gr、メチル水素シロキサン〔信越化学工業(株)製KF−99〕8gr及び塩化白金酸触媒〔塩化白金酸1%溶液〕0.1grからなる硬化性シロキサン組成物とヘキサン30mlの混合物を添加し、パテ状の状態でよく混合した。その後、60℃で脱溶剤・プレキュアした。
塊状のまま、蓋付のアルミナ製容器に入れて、雰囲気コントロール可能な温度プログラム付マッフル炉で窒素雰囲気下にて、300℃×2時間+1,000℃×3時間という温度条件で焼成を行った。十分冷却後、クリアランスを20μmに設定した粉砕機(マスコロイダー)で粉砕し、平均粒径約15μmの珪素複合体(ゼロ価の珪素微粒子含有量が55質量%、空隙率が比重測定より28容量%、カーボン含有量が40質量%)を得た。
上記充放電試験を繰り返し、評価用リチウムイオン二次電池の初期効率測定及び充放電試験50回を行った。結果を表4に示す。なお、容量は負極膜重量換算である。
実施例7で記載した方法で、平均粒径が約0.8μmの珪素粉末を得、この珪素微粉末100grとSCE社製鱗片状合成グラファイト粉SGP10(平均粒子径:10μm)80grを混合し、ここに予め調製した、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン〔信越化学工業(株)製LS−8670〕12gr、メチル水素シロキサン〔信越化学工業(株)製KF−99〕8gr及び塩化白金酸触媒〔塩化白金酸1%溶液〕0.1grからなる硬化性シロキサン組成物とヘキサン30mlの混合物を添加し、パテ状の状態でよく混合した。その後、60℃で脱溶剤・プレキュアした。塊状のまま、蓋付のアルミナ製容器に入れて、雰囲気コントロール可能な温度プログラム付マッフル炉で窒素雰囲気下にて、300℃×2時間+1,000℃×3時間という温度条件で焼成を行った。十分冷却後、クリアランスを20μmに設定した粉砕機(マスコロイダー)で粉砕し、平均粒径約15μmの珪素−炭素複合体(ゼロ価の珪素微粒子含有量が53質量%、空隙率が比重測定より25容量%、カーボン含有量が42質量%)を得た。
このリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例7と全く同じ条件で行った。その結果を表4に示す。なお、容量は負極膜重量換算である。
実施例7で作製した平均粒子径約15μmの珪素−炭素複合体約100grを内径約30mmのアルミナ製縦型反応機に入れ、アルゴン気流下で予め1,150℃に昇温したのち、メタン−アルゴン(メタン30%)に切り替え、3時間熱CVDを行った。冷却後、らいかい機で解砕し、平均粒子径約15μmの導電性珪素−炭素系複合体(ゼロ価の珪素量:49質量%,グラファイト:36質量%,CVD炭素:14質量%(CVD後の空隙率は測定困難))を得た。
このリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例7と全く同じ条件で行った。その結果を表4に示す。なお、容量は負極膜重量換算である。
化学用金属珪素(豪州SIMCOA社製低Al品;Al:0.05%,Fe:0.21%,Ca:0.003%)を、ジョークラッシャーで粗砕し、更にヘキサンを分散媒としてボールミル及びビーズミルで平均粒径約1μmの微粒子にまで粉砕した。得られた懸濁物をろ過し、窒素雰囲気下で脱溶剤後、日清エンジニアリング(株)製空気式精密分級機で粗粒部分をカットし、平均粒径が約0.8μmの粉末(この粉末は造粒していないため、空隙を有さないものである)を得た。
こうして得られた粗粒部をカットして粒度の揃った珪素微粉末を実施例に従って、メタンによって熱CVDを行い、炭素量約15%の炭素被覆珪素粉を得た。このリチウムイオン二次電池負極活物質としての評価を、実施例7と全く同じ条件で行った。その結果を表4に示す。なお、容量は負極膜重量換算である。
2 珪素−炭素複合体粒子
11 珪素又は珪素合金
12 珪素系無機化合物のバインダー
13 空隙
14 炭素微粒子
Claims (21)
- 珪素と、珪素合金又は酸化珪素の微粒子と、球形又は鱗片状の天然又は合成グラファイトである炭素微粒子とを、有機珪素化合物又はその混合物と共に焼結することによって得られる粒子であって、上記有機珪素化合物又はその混合物が焼結されることによって形成される珪素系無機化合物をバインダーとしてこの中に珪素又は珪素合金微粒子及び炭素微粒子が分散されていると共に、該粒子内に空隙が存在する構造を有することを特徴とする、リチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子。
- 珪素、珪素合金又は酸化珪素の一次粒子の大きさが100nm〜10μmであり、炭素の一次粒子の大きさが100nm〜20μmであり、珪素系無機化合物がSi−C−OもしくはSi−C−N系コンポジット、SiNx、SiOy、SiCz(但し、xは0<x≦4/3、yは0<y≦2、zは0<z≦1の正数である)又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子。
- 有機珪素化合物又はその混合物が、架橋基を有する反応性有機珪素化合物又は硬化性ポリシロキサン組成物であることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子。
- 架橋基を有する反応性有機珪素化合物が、下記一般式(1)〜(5)で示されるシラン又はシロキサンの1種又は2種以上である請求項3記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子。
(式中、R1〜R7は、独立して水素原子、水酸基、加水分解性基、又は1価炭化水素基を示すが、上記式(1)〜(5)の各化合物において、珪素原子に結合する置換基の少なくとも2個は水素原子、水酸基、加水分解性基又は脂肪族不飽和炭化水素基である。m、n、kは0〜2,000、p、qは0〜10であるが、p、qは同時に0になることはない。) - 架橋基を有する反応性有機珪素化合物又はその混合物が、平均式ChHiSiOjNk(h、i、jは正数、kは0又は正数)で表され、架橋点が珪素原子4個に対して少なくとも1個有し、かつ(h−j)が0より大きなシラン又はシロキサンであることを特徴とする請求項3記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子。
- 硬化性ポリシロキサン組成物が、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物であることを特徴とする請求項3記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子。
- 粒子内の空隙率が1〜70体積%である請求項1〜6のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の珪素複合体粒子の表面を炭素でコーティングしてなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用導電性珪素複合体粒子。
- 珪素、珪素合金又は酸化珪素の微粒子を有機珪素化合物又はその混合物と共に焼結し、造粒して、上記有機珪素化合物又はその混合物が焼結されることによって形成される珪素系無機化合物をバインダーとしてこの中に珪素又は珪素合金微粒子が分散されていると共に、内部に空隙が存在する構造を有する珪素複合体粒子を得ることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
- 珪素、珪素合金又は酸化珪素の一次粒子の大きさが100nm〜10μmであり、珪素系無機化合物がSi−C−OもしくはSi−C−N系コンポジット、SiNx、SiOy、SiCz(但し、xは0<x≦4/3、yは0<y≦2、zは0<z≦1の正数である)又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項9記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
- 珪素、珪素合金又は酸化珪素の微粒子及び炭素微粒子を有機珪素化合物又はその混合物と共に焼結し、造粒して、上記有機珪素化合物又はその混合物が焼結されることによって形成される珪素系無機化合物をバインダーとしてこの中に珪素又は珪素合金微粒子及び炭素微粒子が分散されていると共に、内部に空隙が存在する構造を有する珪素−炭素複合体粒子を得ることを特徴とするリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
- 珪素、珪素合金又は酸化珪素の一次粒子の大きさが100nm〜10μmであり、炭素の一次粒子の大きさが100nm〜20μmであり、珪素系無機化合物がSi−C−OもしくはSi−C−N系コンポジット、SiNx、SiOy、SiCz(但し、xは0<x≦4/3、yは0<y≦2、zは0<z≦1の正数である)又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項11記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
- 炭素粒子が球形又は鱗片状の天然又は合成グラファイトである請求項11又は12記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
- 有機珪素化合物又はその混合物が、架橋基を有する反応性有機珪素化合物又は硬化性ポリシロキサン組成物であり、これを珪素又は珪素合金微粒子と混合した後、熱硬化又は触媒反応により硬化させて架橋物とし、更に不活性気流中500〜1,400℃の温度範囲で加熱、焼結させて無機化し、これを0.5〜30μmに再粉砕することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体の製造方法。
- 架橋基を有する反応性有機珪素化合物が、下記一般式(1)〜(5)で示されるシラン又はシロキサンの1種又は2種以上である請求項14記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
(式中、R1〜R7は、独立して水素原子、水酸基、加水分解性基、又は1価炭化水素基を示すが、上記式(1)〜(5)の各化合物において、珪素原子に結合する置換基の少なくとも2個は水素原子、水酸基、加水分解性基又は脂肪族不飽和炭化水素基である。m、n、kは0〜2,000、p、qは0〜10であるが、p、qは同時に0になることはない。) - 架橋基を有する反応性有機珪素化合物又はその混合物が、平均式ChHiSiOjNk(h、i、jは正数、kは0又は正数)で表され、架橋点が珪素原子4個に対して少なくとも1個有し、かつ(h−j)が0より大きなシラン又はシロキサンであることを特徴とする請求項14記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
- 硬化性ポリシロキサン組成物が、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物であることを特徴とする請求項14記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
- 珪素又は珪素合金微粒子の表面を予めシランカップリング剤、その(部分)加水分解縮合物、シリル化剤、シリコーンレジンから選ばれる1種又は2種以上の表面処理剤で処理することを特徴とする請求項9〜17のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池用珪素複合体粒子の製造方法。
- 請求項9〜18のいずれか1項記載の製造方法によって得られた珪素複合体粒子を有機物ガス及び/又は蒸気を含む雰囲気下、800〜1,400℃の温度域で熱処理して、上記珪素複合体粒子の表面をコーティングすることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用導電性珪素複合体粒子の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の珪素複合体粒子を用いた非水電解質二次電池用負極材。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の珪素複合体粒子と導電剤の混合物であって、混合物中の導電剤が1〜60質量%であり、かつ混合物中の全炭素量が25〜90質量%である混合物を用いた非水電解質二次電池用負極材。
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