JP4624894B2 - ガスバリア性構造体およびその製造方法 - Google Patents
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よって、本発明によるガスバリア性構造体は、従来よりも薄くても十分なガスバリア性が長期間維持されるので、軽量化、薄板化、製造コストの低減、高度の光透過性、透明性等が特に求められる用途(例えば、ディスプレイ用積層フィルム、有機EL素子等)に特に適している。
図1〜図3は、本発明のガスバリア性構造体の好ましい具体例を示す断面図である。
本発明によるガスバリア性構造体の製造方法は、光硬化樹脂層と無機化合物層とをそれぞれ少なくとも1層有するガスバリア性構造体の製造方法であって、支持基材の少なくとも一方の面に形成された光硬化性樹脂層に紫外線を照射して半硬化の光硬化性樹脂層を作製する第1硬化工程と、この半硬化の光硬化性樹脂層の上に真空蒸着法により無機化合物層を形成した後、紫外線を再度照射して、前記の半硬化の光硬化性樹脂層をさらに硬化させる第2硬化工程とを行うこと、を特徴とするものである。
本発明によるガスバリア性構造体を製造する際に用いられる支持基材としては、耐熱性、透明性が高く、線膨張係数の小さい樹脂材料からなるものが好ましい。本発明では、従来から電子部品用途、ディスプレイ用積層フィルム用途において用いられている樹脂材料を用いることができる。
本発明によるガスバリア性構造体の光硬化樹脂層11を形成する樹脂材料としては、好ましくは、例えばアクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N-ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ヒドロキシメチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、グリシジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、t-ブチルアミノエチルメタクリレート、2-シアノエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、2(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフロロブチルメタクリレート、パーフロロオクチルエチルメタクリレート、イソシアネートエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート(Tg=107℃)、N-メチロールメタクリルアミド、アクリルアミド、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレートなどが挙げることができる。
無機化合物層12は、真空蒸着法によって前記の光硬化性樹脂層上に薄膜を形成可能であり、ガス(例えが酸素、水蒸気等のガス)に対する所定のバリア性を有し、かつ第2硬化工程において前記光硬化性樹脂層を硬化させるのに十分な紫外線を透過するものであれば任意の無機化合物によって形成することができる。特にディスプレイ用積層フィルムに適用される場合のようにガスバリア性構造体に高度の透明性が要求される場合には、紫外線および可視光の両者の透過率が高いものが好ましい。
本発明によるガスバリア性構造体の製造方法では、前記の光硬化性樹脂層に紫外線を照射して半硬化の光硬化性樹脂層を作製する第1硬化工程と、この半硬化の光硬化性樹脂層の上に無機化合物層を形成した後、紫外線を再度照射して、前記の半硬化の光硬化性樹脂層をさらに硬化させる第2硬化工程とを行うことが重要である。紫外線の照射回数が1回であり、無機化合物層の形成後に紫外線を再度照射しない場合には、本発明のような高度なガスバリア性および無機化合物層の強固な接合強度を得ることは難しい。
本発明によるガスバリア性構造体は、酸素透過度が0.5cm3/m2・atm・24h以下であり、かつ水蒸気透過度が0.5g/m2・24h以下あるものである。このようなガスバリア性構造体は上記方法によって製造することができる。
光硬化性樹脂層の形成
ヒドロキシメチルトリシクロデカンジメタクリレート94部、ヒドロキシメチルトリシクロデカンモノメタクリレート6部、β-チオプロピオネート6部、光開始剤(BASF社製「ルシリンTPO」)0.1部、ベンゾフェノン0.1部を均一に撹拌混合してアクリル系組成物を得た。
このアクリル系組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(支持基材)に塗工後、塗工面上部にもPETフィルムをかぶせ樹脂層をPETフィルムで挟みこんだ。
これに、コンベア搬送式紫外線照射装置を用いて照射エネルギー2.5J/cm2の紫外線を照射して光硬化性樹脂層を半硬化させた。上記の2層のPETフィルムを剥離して、厚み100μmの半硬化の光硬化性樹脂層を得た。
60%の焼結密度を有する窒化珪素をターゲット材が設置されたバッチ式スパッタリング装置のチャンバー内に、前記の半硬化の光硬化性樹脂層を、ターゲット材との距離が50mmとなるように搭載した。
真空成膜装置から、無機化合物層が形成された半硬化の光硬化性樹脂層を取り出した後、コンベア搬送式紫外線照射装置により、紫外線を2.5J/cm2の照射エネルギーで再度照射して、実施例1のガスバリア性構造体を得た。
第1硬化工程における照射エネルギー量を2.0J/cm2とし、第2硬化工程における照射エネルギー量を3.0J/cm2とした以外は実施例1と同様にして、実施例2のガスバリア性積層体を得た。
第1硬化工程における照射エネルギー量を3.5J/cm2とし、第2硬化工程における照射エネルギー量を1.5J/cm2とした以外は実施例1と同様にして、実施例3のガスバリア性積層体を得た。
第1硬化工程における照射エネルギー量を4.5J/cm2とし、第2硬化工程における照射エネルギー量を0.5J/cm2とした以外は実施例1と同様にして、比較例1のガスバリア性積層体を得た。
第1硬化工程における照射エネルギー量を5.0J/cm2とし、第2硬化工程を行わなかった以外は実施例1と同様にして、比較例2のガスバリア性積層体を得た。
水蒸気透過度は、水蒸気透過率測定装置パ−マトラン3/31(米国MOCON社製、商品名)を用い、40℃100%Rhの条件で測定した。
酸素透過度は、酸素過率測定装置オキシトラン3/31(米国MOCON社製、商品名)を用い、23℃90%Rhの条件で測定した。
なお、酸素透過度の単位は(cc/m2・day・atm)であり、また水蒸気透過度の単位は(g/m2・day)である。
上記の評価結果(測定結果)を下記の表に示す。
11、21 光硬化樹脂層
12、31 無機化合物層
Claims (5)
- 光硬化樹脂層と無機化合物層とをそれぞれ少なくとも1層有するガスバリア性構造体の製造方法であって、
支持基材の少なくとも一方の面に形成された光硬化性樹脂層に紫外線を照射して半硬化の光硬化性樹脂層を作製する第1硬化工程と、
この半硬化の光硬化性樹脂層の上に真空蒸着法により無機化合物層を形成した後、紫外線を再度照射して、前記の半硬化の光硬化性樹脂層をさらに硬化させる第2硬化工程とを行うことからなり、
前記の第1硬化工程を、この光硬化性樹脂層について動的粘弾性測定法で測定された動的弾性を示すE’の値(E 1 ’)が前記の第2硬化工程後におけるE’の値(E 2 ’)の30〜70%になるまで行って(ここで、E 1 ’およびE 2 ’は、各々、動的粘弾性測定装置によって、測定温度30℃、周波数40Hzの条件で測定したときのものである)、
酸素透過度が0.5cm 3 /m 2 ・atm・24h以下であり、かつ水蒸気透過度が0.5g/m 2 ・24h以下のガスバリア性構造体を製造することを特徴とする、ガスバリア性構造体の製造方法。 - 前記の光硬化性樹脂が、アクリル系の官能基を有するものである、請求項1に記載のガスバリア性構造体の製造方法。
- 前記の無機化合物層が、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化炭化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素、二酸化ケイ素のいずれかである、請求項1または2に記載のガスバリア性構造体の製造方法。
- 前記の真空蒸着法が、プラズマPVD法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法のいずれかである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性構造体の製造方法。
- 前記の無機化合物層上に、更に光硬化樹脂層または無機化合物層の少なくとも1層を形成させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリア性構造体の製造方法。
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